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Server 2008/2008 R2 Active Directory 環境へのドメイン移行の考え方 第 3.0 版 2010 年 7 月富士通株式会社 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

改版履歴 改版日時 版数 改版内容 2008.7 1.0 新規作成 2009.3 1.1 ADMTによる移行方法の記載を一部修正 2009.6 2.0 Server 2008 R2(RC) に対応 2009.9 2.1 Server 2008 R2(RTM) に対応 2010.7 3.0 ADMT v3.2に関する記載を追加 1 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

目次 はじめに 1 章 2008/2008 R2ドメインへの移行のポイント 1. 移行メリット 4. 2003ドメインからの移行パス 2. 移行方法の種類 5. 2000ドメインからの移行パス 3. 各移行方法のメリット デメリット 6. NT4.0ドメインからの移行パス 2 章 2000/2003 ドメインからの移行 1. 移行方法選択の考え方 2. 既存ドメインのバージョンアップ移行概要移行手順 3. 新規ドメイン構築 & アカウント移行移行概要移行手順 3 章 NT4.0 ドメインからの移行 1. 移行方法選択の考え方 2. 新規ドメイン構築 & アカウント移行移行概要移行手順 2 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

はじめに 本書は 富士通 PC サーバ PRIMERGY を用いて 既存の ドメイン環境を Server 2008/2008 R2 Active Directory 環境へ移行する際の考え方 概要をご紹介するものです 本書では 以下の略称を使用します 正式名称 NT 4.0ドメイン 2000 Server Active Directory のドメイン Server 2003 Active Directory のドメイン Server 2008 Active Directory のドメイン Server 2008 R2 Active Directory のドメインドメインコントローラ 略称 NT4.0ドメイン 2000ドメイン 2003ドメイン 2008ドメイン 2008 R2ドメイン DC ( ) 図表では 更に省略した表記を使用する場合があります 本書の内容は 改善のため事前連絡なしに変更することがあります 本書に記載されたデータの使用に起因する 第三者の特許権およびその他の権利の侵害については 当社はその責を負いません 無断転載を禁じます Microsoft,, NT, Server, Active Directoryは Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です 3 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

1 章 2008/2008 R2 ドメインへの移行のポイント 1. 移行メリット 2. 移行方法の種類 3. 各移行方法のメリット デメリット 4.2003ドメインからの移行パス 5.2000ドメインからの移行パス 6.NT4.0ドメインからの移行パス 4 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

1 章 2008/2008 R2 ドメインへの移行のポイント 1. 移行メリット ドメインの論理設計がより柔軟に 読み取り専用ドメインコントローラ (RODC) や きめ細かなパスワードポリシーの追加実装により 要件に応じた柔軟な対応が可能になります 運用の改善 ドメインサービスのみの再起動が可能となり AD のメンテナンス時にも同居している他サービスを止めずに済むなど 柔軟な運用が可能になります ドメインオブジェクトへの変更操作のロギングを行う監査機能が強化されたことで より詳細な監査が可能になります Best Practices Analyzer(BPA) を利用した Active Directory DNS の推奨構成の確認が可能になり 構成 設計ミスに起因するトラブルの未然防止に繋げることができます 管理性の向上 サーバマネージャへの主要な管理ツールの統合や Active Directory 管理センターの導入など ドメインの管理性向上を助ける改善が数多く為されています 属性エディタ ふりがなサポート など管理ツールのインタフェースが強化され管理性が向上しています PowerShell を利用したコマンドベースの Active Directory 管理が可能になります 太字下線付きの機能は 2008 R2 から利用可能です 5 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

1 章 2008/2008 R2 ドメインへの移行のポイント 2. 移行方法の種類 ドメインの移行には以下の 2 つの方法があります 既存ドメインのバージョンアップ 撤去 バージョンアップ 既存ドメインの構成 情報をそのままに DC のリプレースを行うことでバージョンアップする方法です 旧 DC 新 DC 新規ドメイン構築 & アカウント移行 アカウント移行 既存ドメインのアカウント情報を ADMT ( ) を使用して新規構築したドメインへコピーする方法です 旧 DC 新 DC ADMT(Active Directory 移行ツール ) とは 既存ドメイン環境から Server 2008/2008 R2 Active Directory への移行を簡単 安全 かつ高速に実現するツールです 6 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

1 章 2008/2008 R2 ドメインへの移行のポイント 3. 各移行方法のメリット デメリット 各移行方法のメリット デメリットを理解し 要件に見合った方法を選択してください 既存ドメインのバージョンアップ 既存ドメインのドメイン名やアカウント情報を完全に引継ぎ可能 クライアントPCのドメイン再参加作業が不要 ファイルサーバなどのアクセス権再設定作業が不要 新規ドメイン構築 & アカウント移行 既存ドメインのアカウント グループ 権限等はツールで移行可能 既存ドメイン環境を維持したまま移行可能なため 段階的な移行が可能 ドメイン名が変更になるため 既存システムへの影響が大きい クライアントPCのドメイン再参加作業が必要となり 移行時のユーザ負担が増加 7 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

1 章 2008/2008 R2 ドメインへの移行のポイント 4.2003 ドメインからの移行パス 2003 ドメイン 移行前 ドメインのバージョンアップ 新規ドメイン構築 & アカウント移行 特別な要件がある場合 1 ドメインのバージョンアップ 新規ドメイン構築 & アカウント移行 特別な要件がある場合 3 2008 ドメイン 2 3 2008 R2 ドメイン 移行後 1 2003 ドメインから 2008 ドメインへの移行は ADMT v3.1 を使用します 2 本書では記載しませんが 2008 ドメインから 2008 R2 ドメインへの移行は 2003 ドメインからの移行と同様に 2 種類の移行方法があります 3 2008 R2 ドメインへの 新規ドメイン構築 & アカウント移行 には ADMT v3.2 を使用します 8 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

1 章 2008/2008 R2 ドメインへの移行のポイント 5.2000 ドメインからの移行パス 2000 ドメイン ドメインのバージョンアップ 新規ドメイン構築 & アカウント移行 特別な要件がある場合 ドメインのバージョンアップ 新規ドメイン構築 & アカウント移行 特別な要件がある場合 1 4 2008 ドメイン 2 3 2008 R2 ドメイン 移行前 移行後 1 2000 ドメインから 2008 ドメインへの移行は ADMT v3.1 を使用します 2 本書では記載しませんが 2008 ドメインから 2008 R2 ドメインへの移行は 2003 ドメインからの移行と同様に 2 種類の移行方法があります 3 2008 R2 ドメインへの 新規ドメイン構築 & アカウント移行 には ADMT v3.2 を使用します 4 ADMT を使用した 2000 ドメインから 2008 R2 ドメインへの直接移行はできません 9 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

1 章 2008/2008 R2 ドメインへの移行のポイント 6.NT4.0 ドメインからの移行パス 新規ドメイン構築 & アカウント移行 2003 ドメイン ドメインのバージョンアップ NT4.0 ドメイン 移行前 ドメインのバージョンアップ 新規ドメイン構築 & アカウント移行 移行後 NT4.0 ドメインから 2008/2008 R2 ドメインへの直接移行をサポートしていません そのため 本書では 2003 ドメインを経由しての移行方法を紹介しています NT4.0 ドメインから 2003 ドメインへの移行は ADMT v3.0 を使用します 10 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

2 章 2000/2003 ドメインからの移行 1. 移行方法選択の考え方 2. 既存ドメインのバージョンアップ 移行概要移行手順 3. 新規ドメイン構築 & アカウント移行 移行概要移行手順 11 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

2 章 2000/2003 ドメインからの移行 1. 移行方法選択の考え方 2000/2003 ドメインからの移行は 既存ドメインのバージョンアップ を推奨します 移行を機にドメイン環境を一新したい場合や 以下のような特別な要件がある場合には 新規ドメイン構築 & アカウント移行 を選択します 互換性確認が必要な既存サーバが多いため 既存ドメインを残しつつ 段階的に移行を行いたい M&A に伴いドメイン環境を統合したいが 既存ドメインをそのまま使用したくない事情がある 12 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

2 章 2000/2003 ドメインからの移行 2. 既存ドメインのバージョンアップ (1/3) 移行概要 既存ドメインの構成 情報をそのままに ドメインコントローラのリプレースを行うことでバージョンアップする方法です 以下の前提で移行手順をご紹介します 移行前 移行後ともに DC は 2 台構成 ハードウェアは新しいものにリプレース 移行前 移行後 DC DC バージョンアップ DC DC 2000/2003 2000/2003 2008/2008 R2 2008/2008 R2 2000/2003 ドメイン 2008/2008 R2 ドメイン 13 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

2 章 2000/2003 ドメインからの移行 2. 既存ドメインのバージョンアップ (2/3) 移行手順 1 FSMO ( ) の役割を持つ既存 DC で 2008/2008 R2 の DVD メディアを用いて スキーマを拡張します FSMO 2000/2003 2 台 スキーマの拡張 Server 2000/2008 R2 2 新規ドメインの DC として使用するサーバ ( 新規 DC) に Server 2008/2008 R2 をインストールします Server 2000/2008 R2 3 新規 DC を既存ドメインの DC として追加します FSMO 2000/2003 2 台 追加 追加 2008/2008 R2 2 台 特定の 1 台の DC が処理を実行する 特別な役割を 操作マスタ (FSMO:Flexible Single Master Operation) といいます 14 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

2 章 2000/2003 ドメインからの移行 2. 既存ドメインのバージョンアップ (3/3) 4 FSMO を新規 DC に転送します FSMO FSMO 2000/2003 2 台 2008/2008 R2 2 台 5 既存 DC をメンバーサーバへ降格します 降格 降格 FSMO 2000/2003 2 台 2008/2008 R2 2 台 6 機能レベルを Server 2008 もしくは Server 2008 R2 に変更します 機能レベル変更 FSMO 2008/2008 R2 2 台 15 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

2 章 2000/2003 ドメインからの移行 3. 新規ドメイン構築 & アカウント移行 (1/3) 移行概要新規構築した 2008/2008 R2 ドメイン環境に 既存 2000/2003 ドメインの情報を ADMTを使用して移行します 以下の前提で移行手順をご紹介します 移行前 移行後ともにDCは2 台構成 新規ドメインを別途構築し 既存ドメインのアカウントを移行 移行前 アカウントの移行 ADMT 移行後 DC DC DC DC 2000/2003 2000/2003 2008/2008 R2 2008/2008 R2 2000/2003 ドメイン 2008/2008 R2 ドメイン 2008 R2 ドメインへの 新規ドメイン構築 & アカウント移行 には ADMT v3.2 を使用します ADMT を使用した 2000 ドメインから 2008 R2 ドメインへの直接移行はできません そのため 2000 ドメインからの移行では 一旦 2008 ドメインを経由する必要があります 16 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

2 章 2000/2003 ドメインからの移行 3. 新規ドメイン構築 & アカウント移行 (2/3) 移行手順 1 新規に 2008/2008 R2 ドメインを構築します 新規構築 2000/2003 2 台 2008/2008 R2 2 台 2 既存ドメインと双方向信頼関係を作成します 信頼関係 2000/2003 2 台 2008/2008 R2 2 台 3 ADMT を使用し 既存ドメインから新規ドメインへ アカウントの移行を行います 2000/2003 2 台 アカウント ADMT 2008/2008 R2 2 台 17 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

2 章 2000/2003 ドメインからの移行 3. 新規ドメイン構築 & アカウント移行 (3/3) 4 クライアント メンバサーバ等のリソース移行完了後に 信頼関係を破棄します 破棄 信頼関係 5 既存ドメイン環境を破棄します 2000/2003 2 台 破棄 2008/2008 R2 2 台 2000/2003 2 台 2008/2008 R2 2 台 18 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

3 章 NT4.0 ドメインからの移行 1. 移行方法選択の考え方 2. 新規ドメイン構築 & アカウント移行 移行概要移行手順 19 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

3 章 NT4.0 ドメインからの移行 1. 移行方法選択の考え方 NT4.0 ドメインから 2008/2008 R2 ドメインへの直接移行パスはありません 一旦 2003 ドメインを経由する必要があります Point! NT4.0 ドメインからの移行は Server 2003 R2 メディアの入手が可能な今のうちに移行することを推奨します Server 2008/2008 R2 のライセンスにはダウングレード権が付属しており Server 2003 のライセンスとしても使用できます 富士通 PRIMERGY では Server 2008 R2 ダウングレードサービス付き製品を期間限定で提供しています 新しい DC 用のサーバとして PRIMERGY を採用する場合 Server 2008 または Server 2003 R2 の媒体が同梱されており便利です 経由する 2003 ドメインへの移行の考え方は 従来の NT4.0 ドメインから 2003 ドメインへの移行に準じます 20 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

3 章 NT4.0 ドメインからの移行 2. 新規ドメイン構築 & アカウント移行 (1/3) 移行概要新規構築した 2003 ドメイン環境に 既存 NT4.0 ドメインの情報を ADMT を使用して移行します 続いて 2008/2008 R2 ドメイン環境へのバージョンアップ移行を実 施します 以下の前提で移行手順をご紹介します 移行前 移行後ともにDCは2 台構成 2003ドメインを経由して 2008/2008 R2ドメインへ移行 移行前 移行中 移行後 ADMT バージョンアップ PDC NT 4.0 BDC NT 4.0 NT4.0 ドメイン DC 2003 DC 2008/2008 R2ドメイン 2008/2008 R2 DC 2008/2008 R2 NT4.0 ドメイン 2003 ドメイン 2008/2008 R2 ドメイン ADMTによるNT4.0ドメインから2008/2008 R2ドメインへの直接移行はサポートされていません NT4.0ドメインから2003ドメインへの移行はADMT v3.0を使用します なお 移行元の NT 4.0 は SP4 以降の必要があります 21 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

3 章 NT4.0 ドメインからの移行 2. 新規ドメイン構築 & アカウント移行 (2/3) 移行手順 1 新規に 2003 ドメインを構築します 新規構築 NT 4.0 2 台 2003 2 既存 NT ドメインと双方向信頼関係を作成します 信頼関係 3 ADMT を使用し 既存ドメインから移行用ドメインへアカウントの移行を行います NT 4.0 2 台 NT 4.0 2 台 アカウント ADMT 2003 2003 22 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

3 章 NT4.0 ドメインからの移行 2. 新規ドメイン構築 & アカウント移行 (3/3) 4 信頼関係を破棄します 信頼関係 5 2003 ドメインから 2008/2008 R2 ドメインへ移行します ( 手順は 2 章 2000/2003 ドメインからの移行 を参照してください ) NT 4.0 2 台 スキーマの拡張 2003 破棄 2003 追加 2008 /2008 R2 2 台 NT 4.0 2 台 追加 6 正常にドメインの移行が完了したことを確認し 既存ドメイン環境を破棄します 降格 撤去 NT 4.0 2 台 2003 破棄 2008 /2008 R2 2 台 2008 /2008 R2 2 台 23 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

補足事項 ダウングレードについて Server 2008/2008 R2 のライセンスでは ダウングレード権を使用して旧バージョンの Server をインストールして実行することができます 旧バージョンの Server と Server 2008/2008 R2 を両方同時に使用することはできません ( インストールして使用できる Server はどの時点でも常に一つだけとなります ) ダウングレード後は いつでも Server 2008/2008 R2 に戻すことができます ダウングレードに関する詳細情報は 以下を参照してください < マイクロソフト社 > https://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/r2/downgrade-rights.mspx 24 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED

25 Copyright 2010 FUJITSU LIMITED