私たちが日々使っているインターネット 山口英奈良先端科学技術大学院大学 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 1 概要 なぜインターネットなのか 私達が利用しているインターネットはどのような規模か 実際に何に使われているのか 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 2 ブロードバンド インターネット基盤の発展 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 3 1
インターネットの世界的広がり (93 年 1 月 ) 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 4 インターネットの世界的広がり (97 年 6 月 ) 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 5 Internet: Global and Ubiquitous Infrastructure for Communication Society Internet Technology CATV Cable Modem Wireless TCP/IP Satellite ATM Optical Fiber Copper Cable WDM/SDH ISDN Communication Technology 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 6 2
インターネットの役割 2001 電話産業 経済産業 教育 運輸 農林水産 放送産業 電話インフラ インターネット インターネット用インフラストラクチャ ( 光ファイバなど ) 放送放送インフラインフラ 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 7 インターネットの役割 2003 電話産業 経済産業 教育 運輸 農林水産 放送産業 電話インフラ インターネット インターネット用インフラストラクチャ電話インフラ ( 光ファイバ 電波 ケーブル ) 放送インフラ 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 8 インターネットの役割 2005 電話産業 経済産業 教育 運輸 農林水産 放送産業 インターネット ( 融合された ) インターネット用インフラストラクチャ ( 融合された ) インターネット用インフラストラクチャ 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 9 3
Internet is a Vehicle of Technologies Publication High Energy E-Commerce Physics Teleconference Broadcasting WWW Digital TV Digital Library chat Astronomy Telephony Virtual Reality E-mail NFS Security Advertise FAX FTP Internet 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 10 通信速度 (bps) 100M 40-50 Mbps 10M Few Mbps 1M 電力線 ITS (DSRC) BlueTooth 無線 LAN (5GHz 帯 ) 無線 LAN (2.4GHz 帯 ) VDSL 光ファイバ CATV ADSL IMT-2000 100m 1km 10km 距離 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 11 超広帯域ネットワーク 世界中を包み込む超広帯域ネットワーク 日米欧を核とするイニシアチブ IEEAF (Internet Educational Equal Access Foundation) 10Gbps, 40Gbps 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 12 4
TransLight fabric Red Lines: TransLight Lambda Links, Funded Blue Lines: TransLight Lambda Links, Donated 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 13 伝送速度と時間 CD-ROM 1 枚 600MB を転送するには V.32 524288 (sec) 約 146 時間 ISDN Bチャネル 76800 (sec) 約 21.3 時間 T1/1.5Mbps 3200 (sec) 約 53 分 Ethernet (10M) 480 (sec) 8 分 T3 (45M) 106 (sec) 1.78 分 OC-3 (155M) 31 (sec) OC-48 (622M) 1.9 (sec) OC-192 (2.4G) 0.4 (sec) 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 14 産業構造の変革へのインパクト既に起こってきている ディスクって邪魔になりだしていません? 紙メディアの新聞を読んでいる人? テレビを見る時間が減少していませんか? 若者は携帯で話をしてます? 最近 ネガフィルムって見ました? 最近 デパートで買う物が減っていません? 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 15 5
マーケット推移の認識 Market size 形質変化量的変化 第 1 世代 第 2 世代 第 3 世代 1995 2000 2005 2010 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 16 Internet for Everything 何でもインターネットにつながる 誰とでもインターネットと自由に通信できる 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 17 コスト ハードウェアのパフォーマンスとコストの関係 単価 排熱量 消費電力 機器の大きさ ここがターゲットここがターゲット! EM タグ 個体識別 RFID タグ ある程度限定されたアプリアプリ / デバイス IC ICカード 存在確認のみ 高度な高度なシミュレーション PDA 演算演算 / アプリ動作 PC Super Computer 多様なアプリ / 多様な多様なI/O I/Oデバイス 演算速度 ストレージの容量 I/O デバイスの多様さ パフォーマンス 6
ビリテ伝送容量モおもちゃが沢山 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 19 1995 年 2000 ィ年高速走外行静止屋内ページング 2000 PHS 3G 高速無線アクセス ( 事業所用 ) 中速無線 LAN MMAC コードレス電話 (IEEE802.11) ( 家庭用 ) 超高速無線 LAN 2G 10K 情報ネットワーク論 100K / 第 1 1M 10M 100M I 回 20 屋移動体通信の発展方向 セルラー 2.5G IMT- 4G ユビキタス情報環境 街中で ( コンビニ 駅 GS) ディジタル放送 旅行先で ハ ーケ ン情報 道順案内 HMD ハ ームサイス 端末 名所案内 乗換え情報 携帯電話 渋滞情報 移動中に Personal Area Network ( 広域網をバックボーンとする無線 LAN アドホックネットワーク) 運転中に (ITS) 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 21 7
なぜインターネットなのか 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 22 PSTN: 網における技術が支配的 Network as service infrastructure 端末はできる限りシンプルかつ安価 網においてサービスを構築する 網側に大きな投資を必要とする サービス メニューはキャリアによって決められてしまう Circuit switch 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 23 Internet: 端末における技術が支配的 End-to-End model 必要な処理はエンドノードで行う 中継網はできるかぎり単純な処理を 知性は外側に Core routers Core routers 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 24 8
Internet は 安い 早い 面白い 伝送網をシンプルに構築することができる 網構築のコストダウン 中継装置そのものもシンプルにすることができる ネットワークのオペレーションも単純化ができる インターネット基盤は従来の通信網構築と比較して安価 サービスは端末によって決められる 新しいサービスを導入するのは 端末における機能実装に依存 新しいサービスを直ぐに実現できる キャリアが技術を支配するわけではない 中継網は単純なパイプとして構築 キャリアにお願いしなければ何も出来ない という世界ではない 面白いサービスが登場する可能性が高い 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 25 階層化プロトコルとしての TCP/IP Application TCP Application TCP IP Network Interface Physical IP Network Interface Physical IP Network Interface Physical IPが End-to-End の通信を実現 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 26 階層化プロトコルとしての TCP/IP 1 サービス間の関係はサービス提供者によって決まる 2IP プロトコル以上の階層がサービスを定義データリンク層以下は何がきても問題ない 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 27 9
インターネットにおける技術的挑戦の形態 インターネット全体に関わる機能 中継網の基本的な機能改善と拡張 IPv4 IPv6 Multicast IPsec for payload encryption and end-node authentication Lower Layers: IP layer (L3), Transport Layer (L4) 個々のアプリケーション エンドノードにおける機能開発 アプリケーションはエンドノードにおいて大部分が実装される Internet as a clear data transfer channel 単なる パイプ Upper Layers: Application Layers 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 28 インターネット成功の秘密 実際に機能するシステムを用意した 単純な機能設計が成功したわけではない 新しい技術を吸収しやすい構造をもっているのは事実 Technology development 多くの 匠 ( たくみ ) の技によって現実には動いている 数多くの design alternatives がある その中からの取捨選択 改造によって適応している Running system をどのように新しいバージョンに変えていくのか Engineering 実際に使われ 実際にフィードバックがかかる deployment 授業の目標 : Engineering の真髄を理解すること what if の問いかけができるかどうか 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 29 まとめ 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 30 10
インターネットの現状 グローバルな接続性 ブロードバンド接続の一般化 新しいアプリケーションの登場 Peer-to-Peer 型通信の急速な広がり 非コンピュータ型接続機器の登場 Invisible Computer 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 31 インターネットの役割 情報の共有と流通 従来とは比較にならない大量の情報共有 機器の機能による多彩なアプリケーションの登場 メディアの垣根を越えた取り扱い ディジタル情報化による容易な取り扱い Digital media mix への挑戦 新たなアプリケーションの胎動 実空間との融合 ネットワークが神経網のようにさまざまなものへと拡張することで 実空間の 物 が ネットワーク空間からマッピングされる 生活空間での様々な変化を創出 真のMobile / Ubiquitous Computingに向けて 情報ネットワーク論 I / 第 1 回 32 11