電波の有効利用促進のための安全な無線 LAN の利用に関する普及啓発事業 ( 平成 28 年度 ) 公衆無線 LAN 利用に係る調査結果 総務省情報セキュリティ対策室
調査の概要 項目調査目的 背景調査の視点調査方法調査時期 内容 総務省では 2020 年オリンピック パラリンピックの東京開催を見据えて 観光立国を推進する観点から 関係省庁 関係団体とも協力しつつ 公衆無線 LAN の整備促進に取り組んでいる 公衆無線 LAN は外出先等で高速な回線を利用できる点で便利である一方 盗聴 なりすましといったセキュリティ上の懸念もあり 正しい知識を持って利用する必要がある 総務省では 公衆無線 LAN の利用状況や情報セキュリティに係る意識及び対策状況について調査を実施し 利用者の意識や行動の経年変化を把握する 主に以下 3 つの視点を明らかにする普段公衆無線 LAN を利用している日本人観光客における公衆無線 LAN の利用状況等の経年比較日本人観光客 ( 公衆無線 LAN 利用ユーザと自宅のみ Wi-Fi 利用ユーザ ) における情報セキュリティ意識 対策状況の移動日本人全体 ( 公衆無線 LAN 利用ユーザと自宅のみ Wi-Fi 利用ユーザ ) における公衆無線サービスの利用意向 望まれる情報セキュリティ対策 Web アンケートによる調査 平成 29 年 2 月 22 日 ~28 日 < 共通条件 > スマートフォンまたはタブレット端末を利用して無線 LAN を日常的に利用している 18 歳以上の人本調査においては 18~19 歳は 20 歳代 70 歳以上は 60 歳代に含めて分析を行っている 調査対象 < 公衆無線 LAN 利用者 > 公衆無線 LAN を日常的に利用している人 608 人 < うち観光客 > 上記のうち 首都圏以外に居住し 最近 1 年以内に首都圏を観光で訪れ スマートフォンまたはタブレット端末を利用してインターネット接続をした経験のある人 288 人 < 自宅のみでの無線 LAN 利用者 > 自宅でのみ無線 LAN を日常的に利用している人 555 人 < うち観光客 > 上記のうち 首都圏以外に居住し 最近 1 年以内に首都圏を観光で訪れ スマートフォンまたはタブレット端末を利用してインターネット接続をした経験のある人 238 人 調査事項 ( 設問 ) 公衆無線 LAN サービスの利用状況 満足度 利用に当たっての情報収集の有無 公衆無線 LAN 利用に係る脅威の理解度 情報セキュリティ対策状況 公衆無線 LAN サービスの改善点 今後利用したい通信手段等 < 調査結果の表記に係る注意事項 > アクセスポイントは AP と記載しています ユーザ ID は ID ログインパスワードは PW と記載しています 設問によっては 公衆無線 LAN を Wi-Fi と表記している場合があります SA は単一回答 (Single Answer) MA は複数回答 (Multi Answer) を表しています 1
調査結果ポイント (1) 日本人観光客の間で公衆無線 LAN の利用が定着 公衆無線 LAN の利用環境が整いつつあり ユーザもおおむね満足している 外出先での公衆無線 LAN の満足度 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 観光客にとって 観光先での公衆無線 LAN 利用の可否は要チェック情報 出発前に観光情報ルートで入手している 観光に際しての公衆無線 LAN に関する情報収集 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 17.7 63.5 3.1 62.8 37.2 H27(n=244) 14.3 68.9 1.2 H27(n=273) 67.4 32.6 H26(n=187) 14.4 公衆無線 LAN の改善要望 接続に係る設定や手続きの簡素化 情報セキュリティ対策の強化 通信速度の確保 ( 高速化 ) AP 数の増加 公衆無線 LAN サービスの料金引き下げまたは無料化 1 回あたり接続時間や接続回数の撤廃 異なる AP 間でも一度認証すれば利用できる仕組みづくり その他 特に改善点は見当たらない 0.3 0.7 1.5 7.6 6.6 3.6 63.1 とても満足したまあ満足したあまり満足できなかったまったく満足できなかった 24.3 20.9 19.8 21.9 19.8 23.9 31.3 43.4 41.4 47.7 40.3 40.1 20.3 0 10 20 30 40 50 60 70 % 56.3 56.0 50.7 46.9 54.8 56.3 53.8 56.3 H27(n=273) H26(n=197) 2.1 65.0 2 H26(n=200) 51.0 情報収集する 観光地での公衆無線 LAN に関する情報ソース 訪問先の観光協会や自治体 施設等のサイト 訪問先で Wi-Fi と書いたステッカー 宿泊 航空チケットの予約サイト 旅行会社のサイト 訪問先での周知 ( のぼり チラシ等 ) 0 10 20 30 40 50 60% 5.2 4.3 12.7 11.1 13.1 4.8 49.0 情報収集しない 28.1 23.8 24.1 20.5 17.6 23.5 30.6 28.9 38.2 43.4 48.7 39.8 37.8 38.1 34.2 26.7 29.9 32.6 4.2 6.1 3.7 H28: 参考にした (MA) H27: 参考にした (MA) H26: 参考にした (MA) H28: 最も参考になった (SA) H27: 最も参考になった (SA) H26: 最も参考になった (SA) 56.9 50.8 58.8 H27(n=244) H26(n=187)
調査結果ポイント (2) 日本人観光客と日本人全体の傾向はほぼ一致 日本人観光客と日本人全体とでは 公衆無線 LAN の利用実態も 情報セキュリティに対する意識行動もほとんど差がない 普段利用する公衆無線 LAN の種類 0% 20% 40% 60% 80% 100% 無線 LAN 利用に係る脅威の理解 対策実施 0% 20% 40% 60% 80% 100% 日本人観光客 (n=284) 45.1 0.4 54.6 通信内容が盗聴される懸念 日本人観光客 (n=289) 39.1 39.0 33.2 27.7 28.1 日本人全体 (n=598) 公衆無線 LAN を利用したい場所 公衆無線 LAN の利用満足度 日本人観光客 (n=288) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 17.7 13.3 50.3 0 20 40 60 80 % 空港公共交通機関の車両内駅 バス停留所宿泊施設レストラン 喫茶店 ファーストフート 等 59.9 64.2 66.8 66.7 58.9 58.7 67.6 69.4 62.3 63.5 コンビニエンスストア 33.1 32.6 観光案内所 24.0 23.6 観光施設デパート ショッピングセンター街頭 ( 歩きながら利用 ) 公共施設 32.2 31.3 38.3 39.6 37.2 35.1 35.7 教育機関の構内 13.3 日本人観光客 (n=288) 14.2 57.9 63.5 23.2 とても満足したまあ満足したあまり満足できなかったまったく満足できなかった 2.3 47.3 無料公衆無線 LAN のみ有料公衆無線 LAN のみ無料 有料両方 3.1 5.6 3 他人が自分の ID PW を利用したなりすます懸念 日本人観光客 (n=289) 悪意のAPに接続して有害なサイトに接続する懸念 日本人観光客 (n=289) 35.3 30.6 31.8 知っていて対策している 知っているが対策していない わからない 知らない わからない 公衆無線 LAN 利用時に実施するセキュリティ対策 接続端末のブラウザや OS のアップデート 接続端末のファイル共有禁止の設定 無線 LAN 利用時のみ接続端末の Wi-Fi 設定を ON SSID を確認し 知らない AP に接続しない 他サイトで利用していない ID や PW を設定 APの暗号化種類によっては接続をやめたり重要な通信を行わない SSLを利用しているサイトでなければ重要な情報を入力しない 盗聴されては困る情報は入力しない 39.1 40.8 0 10 20 30 40 50 60 70 % 20.5 17.6 23.3 23.7 20.8 17.9 21.2 18.6 22.6 20.1 22.9 25.2 36.3 33.9 38.9 34.0 32.3 31.4 24.6 25.3 日本人観光客 (n=288)
調査結果ポイント (3) 不安を残しつつ今後も公衆無線 LAN を利用 携帯電話回線と無料の公衆無線 LAN は今後も引き続き利用するとの意向 無料サービスのみの利用者は 無線 LAN の脅威対策に係る理解度が低く 引き続き周知 啓発活動が必要 今後の公衆無線 LAN サービス選択の決め手となるのは セキュリティ と 品質 ( 速度 ) 外出先でのインターネット接続手段 : 現在と今後 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90% 携帯電話回線 80.9 71.9 公衆無線 LAN の情報セキュリティの考え方 不安を感じ利用しない 18.6 不安を感じず利用する 9.2 モバイルルータ既存の無料公衆無線 LAN 既存の有料公衆無線 LAN 訪問先の無料公衆無線 LAN 25.8 27.6 24.2 20.7 59.5 59.4 71.1 65.0 不安を感じないが利用しない 7.6 普段公衆無線 LAN 利用 (n=608) 不安を感じるが利用する 64.6 公衆無線 LAN サービスの選択条件 ( コンジョイント分析 ) 訪問先の有料公衆無線 LAN 11.7 現在利用 (n=608) 今後利用 (n=608) 無料サービスのみ利用者は 有料サービス利用者より 理解度も対策実施度も劣る 無線 LAN の脅威に係る理解 対策実施状況 0% 50% 100% 通信内容が盗聴される懸念 他人が自分の ID PW を利用したなりすます懸念 無料 WiFi のみ利用 (n=311) 有料 WiFi 利用 (n=297) 無料 WiFi のみ利用 (n=311) 有料 WiFi 利用 (n=297) 悪意で設置され無料 WiFiのみ利用 (n=311) 27.0 37.6 35.4 たAPに接続して有害なサイトに接有料 WiFi 利用 (n=297) 46.5 23.2 30.3 続する懸念知っていて対策している知っているが対策していない わからない知らない わからない 28.6 31.8 49.8 50.2 41.2 41.2 24.2 26.3 30.2 25.9 27.0 23.6 4 部分効用値 -1.5-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 暗号化あり (WPA2など) 暗号化なしorWEP 程度手続き不要 orアプリインストール手続き要 or 認証情報都度入力無料有料高速 ( 数十 Mbps 程度 ) 低速 ( 数百 kbps~ 数 Mbps 程度 ) ほぼどこでも接続可能主要スポット 施設で接続可能
調査結果ポイント (4) 無線 LAN の脅威への対策の実施状況は改善 無線 LAN の脅威を理解し 対策を行う利用者が増えている 一方で 無線 LAN の脅威を知らない利用者も増加 無線 LAN の脅威に係る理解 対策実施状況 ( 公衆無線 LAN 利用者 ) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 通信内容が盗聴される懸念がある H28 (n=608) H27 (n=794) 39.0 35.6 39.5 28.1 24.8 他人が自分のユーザ ID パスワードを利用して操作を行う ( なりすまし ) の懸念がある H28 (n=608) H27 (n=794) 36.0 40.8 38.0 33.9 25.3 25.9 悪意で設置されたアクセスポイントに接続して有害なサイトに接続する懸念がある H28 (n=608) H27 (n=794) 30.6 35.1 28.3 知っていて対策している知っているが対策していない わからない知らない わからない 5