ナノマテリアル情報提供シート 材料名 シリカ ( 非晶質二酸化ケイ素 ) 事業者名株式会社トクヤマ 経済産業省 平成 25 年 6 月時点
連絡先 : 株式会社トクヤマ特殊品部門特殊品品質保証グループ Tel: 0834-34-2804 / E-mail: k-tatebe@tokuyama.co.jp ( 主席建部 ) 項目 概要 添付資料 備考 ( 測定方法等 ) 1.MSDS の添付 代表的な製品の MSDS を添付 添付有添付資料 1 2. ナノマテリアルの特性 特性 シリカは 微粒子であり かつ凝集体であるため 塗料 ゴム シーラント等に分散させた際に 内部で構造性を保ち 補強性 増粘性 チクソ性等を付与する また 粒子が塗料表面に現れることで表面を粗面化し 塗料のつや消しにも用いられる シリカ凝集粒子の適度な硬度を利用した 研磨材としても利用される 凝集体は その構造上多孔質であるために 吸油量が大きい 添付無 有害性情報 MSDS 参照 合成非晶質シリカの有害性については ECETOC JACC REPORT No.51 において調査され 人体への有害性は基本的には無いと結論付けられている 経済産業省注 :MSDS には シリカの化学物質としての有害性情報が記載されている 添付無 結晶構造非晶質添付無 X 線回折 ( 回折ピークなし ) 凝集状態 / 分散状態 通常の使用においては 数百 nm 以上の大きさの凝集体として存在 凝集の形態は以下の通り 数十 ~ 数百 nm : 化学結合数百 nm 以上 : 物理結合最終製品中や通常の使用状態では 一次粒子まで分散されることはない 添付有添付資料 2 粒度分布 一次粒子 : 数十 nm 二次粒子 ( 凝集体 ) : 数百 nm~ 数百 μm ( 製品による ) 5 ~ 50 nm ( 製品のグレードによって異なる ) 添付有 平均一次粒径 nm 添付有 数 μ m ~ 数百 μ m ( 製品のグレードによって異なる ) 製品粒径 nm 添付有 添付資料 3 遠心沈降法 レーザー散乱法での粒度分布 添付資料 4 TEM 画像により測定 添付資料 3 レーザー散乱法での粒度分布 製品形状微粉末 微粒子 グラニュール状 球状添付有添付資料 5,6
嵩密度 : 0.025 ~ 0.2 g/cm 3 ( 製品のグレードによって異なる ) 密度 g/cm 3 添付無 JIS K 5101-12-1 による測定 50 ~ 500 m 2 /g ( 製品のグレードによって異なる ) 比表面積 m 2 /g 添付無 窒素吸着 BET 法により測定 化学組成 3. ばく露情報 SiO 2 乾式シリカ : 99% 以上湿式シリカ : 93% 以上 ( 湿式シリカは 2011 年度で生産を中止 ) 微量の金属酸化物等を不純物として含む ( 製造方法 設備ならびに原料に由来する ) 添付無 (1) 製造 輸入に関する情報 製造 輸入量 ( 平成 23 年度毎 概数 ) 10,000-100,000 t (2) ばく露情報 主な用途 1 用途分類合成ゴム ゴム用添加剤 ゴム用加工助剤 詳細分類可塑剤 補強剤 ( 接着促進剤等 ) 充填剤 主な用途 2 用途分類紙 パルプ薬品 詳細分類サイズ剤 定着剤 填料 主な用途 3 用途分類塗料 コーティング剤添付有主な用途添付資料 7 詳細分類可塑剤 充填剤 主な用途 4 用途分類プラスチック プラスチック添加剤 プラスチック加工助剤 詳細分類充填剤 希釈剤 主な用途 5 用途分類農薬 製造 加工施設及びプロセス労働者のばく露情報 ( ばく露対象者 ばく露活動 時間等 ) 工程からの環境排出量 詳細分類農薬の有効成分 製剤用材料及び補助剤 製造プロセスについては 添付資料 8 を参照のこと 出荷時の荷姿については 添付資料 6 を参照のこと 対象者 : 包装作業従事人員対象作業 : 包装作業 ( 三交替 ) ( 包装設備以外は基本的に密閉構造 ) 製造設備は 基本的に密閉構造であり 包装作業等粉塵発生が考えられる作業に当たっては 粉塵回収可能な局所排気設備を設置している 回収された製品は すべて埋め立て セメント原料等として再利用しているため シリカの状態で環境への放出はほとんど無い 添付有添付資料 6,8 添付無 添付無
計測技術と計測結果 作業環境測定士による粉塵測定 ( 粉塵則適用外 一般粉塵としての測定 ) 0.5 mg/m 3 未満 ( 質量濃度 ) 添付無 4. リスク管理の対策状況 ばく露 排出抑制対策 シリカの製造設備は 基本的に密閉構造としており 粉塵の発生が考えられる包装作業においては 通常の粉塵対策 ( 局所排気装置設置 作業員の防塵マスク着用 防塵マスク着用義務付けエリア設定 ) を徹底している 回収された粉塵は 産業廃棄物として社内にて再利用しており 外部には出さない形としている 添付無 労働者への教育 シリカの特性及び一般的な粉塵についての取り扱いについては 作業員教育の中に製品の特性として盛り込んでいる また 実作業においては 防塵マスク着用エリアを設定し 作業員に防塵マスクの着用を徹底している 添付無 今後の対策等のロードマップ これまで 長年の間作業環境改善に取り組み 作業現場での粉塵の発生は最小に抑えているため 現行の粉塵防止対策を継続する ただし 新たな知見により さらなる防護対策等が必要になった場合には 速やかに対策の検討を行うこととする 添付無 5. ナノマテリアルの性質等に関する事業者のコメント シリカの工業的用途については すでに大量生産 使用が始まってから 50 年以上経過しており 成熟産業に位置づけられる その安全性については ケイ肺を起こす結晶質のシリカと違い 人体への影響は少なく これまで非晶質シリカが原因となった慢性疾患の報告はない そのため 逆に積極的な安全性試験が行われた事例が少ない シリカについては 今後もゴムの充填材などの用途が中心となると考えられ 他の 本当の ナノマテリアルと違い 最先端の材料という定義は当てはまらないと考える 価格的にも 数百円 /kg 程度であり 大きな投資が容易に出来る業界体質ではない 添付無
6. その他 本報告様式に記載の内容 ( 添付資料も含む ) について 引用など二次利用の希望がある際には 弊社まで可否を問い合わせてください
[ レオロシール親水性 CP QS シリーズ ] [( 株 ) トクヤマ ] [SI-E001] [2012 年 9 月 1 日 ] [1/3] 作成日 改訂日 1995 年 5 月 16 日 2012 年 9 月 1 日 製品安全データシート 1. 製品及び会社情報 製品名 レオロシール親水性 CP QSシリーズ 会社名 株式会社トクヤマ 住所 東京都千代田区霞が関 3-2-1 霞が関コモンゲート西館 ( 100-8983) 担当部門 特殊品部門 機能性粉体営業部 電話番号 03-3597-5026 FAX 番号 03-6205-4891 整理番号 SI-E001 2. 危険有害性の要約 GHS 分類 区分外 3. 組成 成分情報 単一製品 混合物の区別 単一製品 化学名 非晶質二酸化珪素 別名 シリカ 含有量 (%) 99%( 乾燥重量基準 ) 化学式 SiO 2 CAS 番号 7631-86-9 EC 番号 (EINECS) 231-545-4 官報公示整理番号 ( 化審法 ) (1)-548 化学物質管理促進法 該当しない 4. 応急措置吸入した場合皮膚に付着した場合目に入った場合飲み込んだ場合 5. 火災時の措置消火剤 被災者を直ちに空気の新鮮な場所に移動させ保温して安静を保つ すぐには何も症状が認められなくても 必ず医師の診断を受けさせること 石鹸を使用して水洗する 清浄な水でまぶたのすみずみまで水がよく行き渡るように洗眼する 異常のある場合には医師の手当てを受ける 水で口の中を洗浄する 異常のある場合には医師の手当てを受ける 周辺火災に応じて対応する 6. 漏出時の措置人体に対する注意事項微粉が生じて目に入る恐れがあるので 防塵マスク 保護手袋 保護眼鏡を着用して作業する
[ レオロシール親水性 CP QS シリーズ ] [( 株 ) トクヤマ ] [SI-E001] [2012 年 9 月 1 日 ] [2/3] 環境に対する注意事項漏出物を直接河川や下水に流してはならない 除去方法飛散しないように掃き集めて 密閉容器に入れて不燃物として処理する 粉塵が飛散しないようにする 7. 取扱い及び保管上の注意取扱い技術的対策局所排気 全体排気注意事項 防塵マスク 保護手袋 保護眼鏡 保護衣を着用する 長時間連続して大量に取り扱う場合は 局所排気設備を使用し 作業環境の浄化に配慮する 吸入及び目 皮膚等への接触を避ける 保管 保管条件技術的対策容器包装材料 水濡れを避ける 湿気の少ない屋内倉庫に保管する 特に限定されない 8. 暴露防止及び保護措置 設備対策 局所排気設備及び取扱い場所近くに 身体洗浄及び洗眼のための設備を設ける 管理濃度 設定されていない 許容濃度 日本産業衛生学会 (2010 年度版 ) 第 3 種粉塵 2mg/m 3 ( 吸入性粉塵 ) 8mg/m 3 ( 総粉塵 ) 保護具 防塵マスク 保護眼鏡 保護手袋 保護衣を着用する 9. 物理的及び化学的性質 物理的状態 形状 微粉末 色 白色 臭い なし ph 該当しない 物理的状態が変化する特定の温度 / 温度範囲 沸点 : 2,230 融点 : >1,600 比重 2.2( 真比重 ) 溶解性 水に不溶 フッ化水素酸 苛性ソーダに溶解 10. 安定性及び反応性安定性危険有害な分解生成物 室温大気圧下で安定なし 11. 有害性情報 ( 非晶質二酸化珪素として ) 急性毒性急性毒性 1) 2) 経口 rat LD 50 3,160mg/kg 吸入 rat LC 0 >0.139mg/L/4h 発がん性 IARC 3 ( ヒトに対する発ガン性は分類できない )
[ レオロシール親水性 CP QS シリーズ ] [( 株 ) トクヤマ ] [SI-E001] [2012 年 9 月 1 日 ] [3/3] 12. 環境影響情報分解性蓄積性魚毒性 13. 廃棄上の注意残余廃棄物汚染容器 包装 知見なし 知見なし 知見なし 微粉末の為飛散しないように密閉容器等に充填し不燃物として処理する 紙袋は内容物を十分除去した後焼却処理する その他の汚染容器は付着物の飛散防止対策後不燃物として処理する 14. 輸送上の注意国連分類 番号該当なし容器 ( 特に紙袋 ) が破損しないよう 水濡れや乱暴な取扱いを避ける 15. 適用法令労働安全衛生法第 57 条の 2( 文書の交付等 ) 同施行令第 18 条の 2( 名称等を通知すべき有害物 ) 312 シリカ 16. その他の情報引用文献 1) 化学物質安全情報提供システム 2)OECD SIDS/SILICON DIOXIDE 記載内容の取扱い 本データシートは 化学製品の工業的な一般的取扱いに際しての安全な取扱いについて最新の情報を集めたものですが 万全ではありません 新たな情報を入手した場合は追加または改訂されることがあります 記載の注意事項は通常の取扱いを対象とした情報提供であり 必ずしも安全性を保証するものではありません 化学製品に他の化学製品を混合したり 特殊な条件で使用したりするときは 用途 用法に適した安全対策を実施の上 ご利用ください 本製品は医療用及び家庭用ではなく 工業用に用いられるものです 記載内容の問い合せ先株式会社トクヤマ 特殊品部門 Si 製造部技術二課電話番号 0834-34-2805 FAX 番号 0834-33-3620 山口県周南市晴海町 7-24( 745-8648)
( 添付資料 3) シリカ粒度分布測定結果 株式会社トクヤマ特殊品部門特殊品品質保証 Gr.
シリカの粒度分布測定 ( 遠心沈降式 ) サンプル調製 ( 分散方法 ) 超音波分散 : 超音波分散機 BRANSON 社製 Sonifier Model 250 分散条件 5wt% スラリー ( 水 ), 150W 5 分間 30mL サンプル瓶に純水 9.5g を量り取り サンプル 0.5g を投入し手振りで攪拌 超音波分散機を用いて出力 150W で 5 分間分散 粒度分布測定器 CPS 社製 DC24000 測定条件 回転数 : 24,000rpm 密度勾配溶液 : 24%~8% ショ糖溶液 粒子密度 : 1.33g/ml 測定範囲 ; 0.04~2.0μm
シリカの粒度分布測定 ( レーザー回折式 ) サンプル調製 ( 分散方法 ) 超音波分散 : 超音波分散機 日本精機製作所製 US-600T 分散条件 3% スラリー ( 水 ), 200W 2 分間 300mLディスポカップに純水 100mLを量り取り サンプル3gを投入 超音波分散機を用いて出力 200Wで2 分間分散 粒度分布測定器 堀場製作所製 LA-920 測定条件 屈折率 :1.08+0.00i データ取込回数 :10 回 演算回数 :30 回 超音波強度 :7 超音波照射時間 :1 分 分散媒循環速度 :3 測定範囲 :0.02~500μm
測定結果 サンプル 比表面積規格値 一次粒子径 (A-E: 計算上の値 ) 遠心沈降式 レーザー回折式 個数基準 重量基準 重量基準 レオロシール A B C D E m 2 /g 90 ±20 140 ±20 200 ±20 300 ±30 380 ±30 nm 22 15 12 7 7 平均粒子径 μm 0.152 0.111 0.089 0.077 0.077 標準偏差 - 0.051 0.033 0.026 0.021 0.022 平均粒子径 μm 0.199 0.143 0.114 0.097 0.100 標準偏差 - 0.055 0.043 0.039 0.036 0.039 平均粒子径 μm 0.125 0.120 0.119 0.109 0.105 標準偏差 - 0.043 0.036 0.033 0.027 0.025