2 進数と画像デジタルカメラの画質を示す 画素 は 画像を表現する点の数を示している この点を ピクセル と呼ぶ また色は RGB と呼ばれる Red Green Blue の度合いの組み合わせで記録される この度合を数値にし 2 進数でピクセルごとに記録すれば 写真や図形をコンピュータで取り扱える

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1 コンピュータシステムとネットワーク 1. 講義概要コンピュータ機器の基本的な構造を理解しておくことは 今後の活用に役立つ この回では PC スマートフォンを含めた情報端末の基本構造と OS 上で動作するソフトウェアについて 講義を行い ネットワーク技術の概要について述べる 2. コンピュータと情報コンピュータは 0/1 信号を利用した計算機械である 電気信号の OFF/ON を 0/1 に対応させることで 数値処理を可能にしている この仕組みを利用して コンピュータは計算を行い 様々な情報処理を実現している 進数 2 進数は 0/1 のみで表現された数値である 人が一般に利用する 10 進数は 9 の次に桁が繰り上がり 10 となる 2 進数は 1 の次に桁が繰り上がるため となる この2 進数で表現された数値は 電気信号の ON/OFF に対応させることができる また 2 値であるため曖昧さがなく ノイズなどの影響を受けにくい コンピュータでは あらゆる情報を2 進数に置き換えて 情報を記録 加工 表現している 2 進数の単位と接頭辞距離の単位には 1000m 1Km のように単位 m と接頭辞 K がある 2 進数の単位は bit ( ビット ) であり bit が 8 つ集まると Byte( バイト ) となる これらは データ転送では bit データ保存容量では Byte と使い分けられる また 2 進数の桁が 1000 になると 距離と同様に接頭辞がつく 例えば 1000Byte は 1KByte( キロバイト ) 1000KByte は 1 MByte( メガバイト ) となり その後 G( ギガ ) T( テラ ) P( ペタ ) と続く また ネットワークの速度は bps( ビットパーセカンド :1 秒間に何 bit) で表現され この数値が高いほど通信速度は速くなる 表記 コンピュータ上 単純計算 1byte 1024 千 (10 3 ) 1KB 1024 百万 (10 6 ) 1MB 1024 十億 (10 9 ) 1GB 1024 一兆 (10 12 ) 1TB 1024 千兆 (10 15 ) 4GB の保存容量を持つオーディオプレーヤーに 5MB の音楽ファイルは何曲保存できるか ( 概算で ) 情リテ講義 2-1

2 2 進数と画像デジタルカメラの画質を示す 画素 は 画像を表現する点の数を示している この点を ピクセル と呼ぶ また色は RGB と呼ばれる Red Green Blue の度合いの組み合わせで記録される この度合を数値にし 2 進数でピクセルごとに記録すれば 写真や図形をコンピュータで取り扱える 2 進数と音声音は空気振動 ( 波 ) である 一般的な音楽は 左右 2 つの波形を電気信号として記録することで スピーカーから音を出している この波形を一定時間の区切りで切り取り その時点での波形の高さを数値にすれば 2 進数に変換して記録 再生できる MP3 などで音質を示す ビットレート は 1 秒間に 2 進数の一桁をどれだけ処理するかを示している 数値が高いほど 音の表現がきめ細かくなる 3. コンピュータハードウェアの基本構成 3.1. CPU CPU は Central Processing Unit の略称であ 記憶装置 る コンピュータが 2 進数を処理する能力は この 命令 データ 処理結果 機器によって決まる 処理能力は Hz( ヘルツ ) と いう単位で表され 一秒間に何回処理を行えるかを 示す 例えば 3GHz( ギガヘルツ ) は 1 秒回に 3G 回 (30 億回 ) 計算できることを示している また近年は 同時に複数の処理を行える CPU が一般的である ( 並列処理 ) 例えば Intel が販売 変換制御コード 実行データ している Core シリーズには 8コア ( 同時に 8 処理 ) や4コア ( 同時に4 処理 ) などがある 制御装置 CPU 演算装置 CPU の動作 ( 概略図 ) 3.2. メモリメモリは CPU が計算する際にデータを一時的に記憶しておく機器である この容量が大きいと コンピュータが処理を実行する際に余裕ができる ( 大量に処理があっても動作が軽くなる ) PC を例にするとメモリの容量は 2GB~16GB までさまざまである 一般的な PC では メモリは追加搭載可能になっており 処理能力の必要に応じて増設することができる 0/1 を電気的に記憶する IC チップ 情リテ講義 2-2

3 3.3. 補助記憶装置 ( ハードディスク SSD DVD-ROM) メモリは CPU の処理を補助する機器であり 電子回路であるため高速なデータ転送を実現する しかし 電源が切れると情報も消えるようになっている そこで メモリより速度は劣るが 磁性体や光ディスクを用いて長期的なデータ保存が行われる このような機器を補助記憶装置という 近年は高速なメモリの技術を用いて フラッシュメモリを補助記憶装置として利用した SSD (Solid State Drive) がノートパソコンや携帯情報端末 ( スマホ タブレット ) で利用されている SSD は HDD や DVD のように機械駆動を有しないため 高速で故障しにくい 図補助記憶の例 ( 光ディスクの記録面 ) 3.4. コンピュータの基本構成 以上を踏まえ コンピュータシステムの基本構成を考える コンピュータは 制御 演算 記憶 ( 補助記憶装置 ) 入力 出力の 5 大装置で構成される コンピュータの基本構成を図で表すと? 情リテ講義 2-3

4 4. コンピュータソフトウェアコンピュータハードウェアだけでシステムを構築すると 機能が固定されてしまう ソフトウェアは ハードウェアの機能をプログラム ( 命令の集合 ) によって代替し コンピュータハードウェアに汎用性をもたらす 4.1. ハードウェアとソフトウェアハードウェアは 必要となる共通的な機能を担い 用途に応じて変更が必要になる部分をソフトウェアが担えば コンピュータシステムに高い汎用性を持たせることができる 例えば 電卓 ( ハードウェア ) を用いた計算において 繰り返し計算を行わなければならないとする ここで 繰り返し計算を行う回路を設計すれば作業を自動化できるが 機能は固定される これを人間の命令の集合として記述し ハードウェアがそれ ( ソフトウェア ) を解釈できれば 修正 更新の容易な計算機器となる 1 回の足し算のみ計算可能な電卓 ( CPU) =? 1+1=? n=? 電卓 ユーザ 単一の計算ならば 問題なし 電卓 ユーザ 複数の計算は 作業が煩雑になる 人の言語で記述された命令書を翻訳する回路 計算手順を示した命令書 記述 手順を考える人 n(n+1)/2 で計算できるよ N 電卓 翻訳 翻訳回路 ユーザ ハードウェア ソフトウェア 図ハードウェア ソフトウェアの関係このような仕組で コンピュータハードウェアの汎用性を高めるために ソフトウェア技術が発展してきた その用途が拡大するとともに ソフトウェアは Operating System アプリケーション ミドルウェアなどの様々な形で利用されるようになった 4.2. OS とアプリケーション OS(Operating System) は ユーザがコンピュータハードウェアを利用する際に 共通的に利用する機能 ( マウスの操作 画面表示 音の再生など ) をシステムとしてまとめたものである その OS 上で動作するように 機能毎に用意されたソフトウェアがアプリケーション ( 応用 ) ソフトウェアと呼ばれる 情リテ講義 2-4

5 OS とアプリケーションの関係を図で表すと? 4.3. OS とアプリケーション アプリケーションを利用するには OS にソフトウェアをインストールしなければならない ソ フトウェアは OS も含めて プログラムされたファイル群によって構成されている これらを管理 する機能も OS には備わっている OS にアプリケーションを導入することを インストール という 逆に削除することを アン インストール という インストール作業は アプリケーションのファイル群を適切な場所に格納 したり OS に設定を登録したりする作業を自動的に行う これを逆に行うのがアンインストール であって 同様に自動化されている そのため 不用意にファイルを削除してはならない 現在 Windows が OS のスタンダードである そのため ほとんどのアプリケーションが Windows 用として開発されている 当然 Windows 用のアプリケーションは Mac では動作しない しか し近年は インターネット接続環境の向上により Web アプリが一般化している Web アプリは ブラウザ (IE Firefox など ) が動作すればよく OS に依存しない新しいアプリケーションの形で ある インストールアプリケーションは OS に合わせなくてはならない Web アプリは ブラウザが動作さえすれば良い (OS に依存しない ) APP for Win ブラウザ for Win ブラウザ for Mac APP for Win Windows Mac OSX ハードウェア Web アプリ ハードウェア 図インストールアプリと Web アプリ 情リテ講義 2-5

6 5. コンピュータネットワークコンピュータネットワークは 複数のコンピュータを接続し 情報や資源を共有する目的で利用されている 近年は コンピュータの処理そのものをネットワーク経由で実行するまでに発展している 5.1. インターネットの構造インターネットの語源は ネットワークを拡大 活用する意味を持つ inter-networking である これは 組織レベルで利用される拡張可能なコンピュータネットワークが 世界規模で広がったものである このネットワークは TCP/IP というプロトコルによって相互接続されたネットワーク と定義される インターネットは 軍事利用されていた ARPANET から始まった 戦後 研究者間で論文や研究データの共有用としてネットワークが利用され 大学間 地域間へとその範囲を拡大していった 図インターネットの発展過程 ( 大まかなイメージ ) このネットワークの発展に伴い 情報を閲覧するためのソフトウェア ( ブラウザ サーバソフト ウェア ) 相互通信を実現するための規約 ( プロトコル ) が開発されていった ブラウザとは何か プロトコルとは何か 情リテ講義 2-6

7 2018 年度 情報リテラシー 第２回 2018/4/ インターネットの形 インターネットは 複数の小規模ネットワーク または単体のコンピュータが Internet Service Provider と IXP Internet Exchange Point を介して相互接続され 世界的に広がる大 規模なネットワークである IXP IXP IXP 図 インターネット網の形成 インターネット上のコンピュータ資源は クライアント サーバシステムと呼ばれる関係で接続 されている このシステムは あるサービスを要求するクライアントと サービスを提供するサー バが相互作用して Web ページ配信や電子メールなど さまざまなサービスを実現する形態である また P2P と呼ばれる接続方法がある 複数のコンピュータが サーバ クライアント両方の役割 を持ち 平面的に接続される形である さらに 大量のサーバ群によってクラウド コンピューティングが実現されている ネット上の サーバに 演算と記憶を代替させることで 場を問わない HW の依存度の低いコンピュータ利用 が可能となった 5.3. インターネットへの接続 LAN またはコンピュータをインターネットへ接続する場合 モデム 変復調装置 またはメディ アコンバータと呼ばれる機器に接続する モデムは 電話回線で通信するためにデジタルデータと アナログデータを変換する装置であり メディアコンバータは光回線を利用するための装置で デ ジタルデータと光を変換する 光通信の場合は CTU Customer Network Terminating と呼ばれ る機器も必要となる コンピュータは モデムまたはメディアコンバータを介することで インターネットサービスプ ロバイダ Internet Service Provider と呼ばれるインターネット回線業者に接続する この プロバイダは 他のプロバイダまたは IXP と相互接続しているため ネットワーク上のコンピュー タ同士が通信可能となり インターネット網が形成される 情リテ講義２-7

8 5.4. インターネットとサービス当初 一般ユーザにとってのインターネットは 趣味の情報交換 個人の日記程度の利用であったが 現代は 多くのサービスや概念が生活に不可欠な要素として利用されている 以下 簡潔にサービスの例を挙げる SNS(Social Network Service) ハイパーリンクを人間関係に置き換えたネットワークサービス 多くの一般ユーザをインターネットに参加させるきっかけとなった 集合知 (Wiki など ) Wikipedia に代表されるデータベースサービス (Wiki) は 不特定多数の編集者によって記事が作成され 新しい知識集約の形として広がっている また投稿型の掲示板や Q&A サイトも 第三者にも有用な知識の集合となっている クラウド コンピューティングネット上に膨大な数のサーバを用意し ユーザの情報処理 データ保存をネット上で行う仕組み 手元の端末に依存しない新しいコンピュータ利用の形を可能にした また 仮想化技術により フレキシブルなコンピュータ資源の活用が可能となった この技術により 多くの新しいサービスが開発されている 図仮想化の例 ビックデータビックデータとは 大容量のデジタルデータのことである 物理情報や遺伝子情報など多くのものが対象となるが 近年は SNS などでユーザが投稿する情報を分析するアイデアが注目されている 個人情報が含まれるなど考慮しなければならない問題を抱えているため発展途上であるが 今後のビジネスにおける活用が期待されている 情リテ講義 2-8

9 ビックデータの活用 IoT(Internet of Things) 情報端末以外のモノに通信機能を持たせ インターネットを通じてあらゆる情報をデジタルデータとして取得する仕組みが提案されている 例えば 工場の機械の稼働状況 故障個所の把握 自宅の家電製品の状況 自販機の在庫情報などが ネットワークを通じて利用される AI (Artificial Intelligence) 人工知能は 事前にコンピュータが学習 ( ニューラルネットワーク技術 ) を繰り返し ある入力があった場合の適切な出力を判断させるコンピュータ技術である 以上 簡潔に解説をしたが これらの技術要素を 存在を知ること が重要であり 技術要素が組み 合わさることで どのようなサービスが展開されるか? を考えることが大切である 情リテ講義 2-9