金融法務研究会第1分科会報告書 金融グループにおける証券関連業務を巡る諸問題

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2 はしがき 本報告書は 金融法務研究会第 1 分科会における平成 25 年度の研究の内容を取りまとめたものである 金融法務研究会は 平成 2 年 10 月の発足以来 最初のテーマとして 各国の銀行取引約款の検討を取り上げ その成果を平成 8 年 2 月に 各国銀行取引約款の検討 そのⅠ 各種約款の内容と解説 として また平成 11 年 3 月に 各国銀行取引約款の比較 各国銀行取引約款の検討そのⅡ として発表した 平成 11 年 1 月以降は 金融法務研究会を第 1 分科会と第 2 分科会とに分けて研究を続けている 第 1 分科会で取り上げたテーマは 巻末の報告書一覧のとおりであるが 平成 25 年度は 金融グループにおける証券関連業務を巡る諸問題 をテーマとして取り上げ その研究成果を本報告書に取りまとめた 本報告書においては 第 1 章で ファイアーウォール規制の在り方について ( 岩原紳作担当 ) 第 2 章で 役職員の兼職規制の撤廃と利益相反管理体制の整備 ( 神田秀樹担当 ) 第 3 章で 親子法人間の非公開情報授受規制の適用対象と規制の解釈 - 私法上の守秘義務を参考にして ( 前田重行担当 ) 第 4 章で アメリカにおける銀行業務と証券業務の利益相反問題 証券化商品の組成 販売を題材として ( 加藤貴仁担当 ) 第 5 章で ドイツにおける銀行業務と証券業務の利益相反規制 情報の管理および兼職規制の観点から ( 神作裕之担当 ) 第 6 章で ファイアーウォール規制の国際的側面 顧客の非公開情報の金融グループ間の共有に関する規制を題材に ( 森下哲朗担当 ) を取り上げている このうち第 1 章においては ファイアーウォール規制の沿革を踏まえながら 非公開情報概念の考え方や兼職規制に係る問題の解決の方向性を検討する 第 2 章においては 平成 20 年の金融商品取引法の改正等により定められた規制の位置付けおよび規制違反があった場合の効果について整理 検討する 第 3 章においては 非公開情報の授受規制の適用対象や解釈を整理しつつ 証券会社とその親子法人等による非公開情報の授受と書面による同意の必要性について検討する 第 4 章においては 米国における銀行業務と証券業務の利益相反問題を概観し OTD 戦略の影響や金融機関が金融商品の組成 販売を共に行うことによる利益相反問題を検討しながら わが国への示唆を述べる 第 5 章においては ユニバーサル バンク制度を採用しているドイツにおける利益相反規制を概観し 日本法とドイツ法の全体的な特徴を比較 検討する 第 6 章においては 金融法の域外適用や国際的な適用に関する考え方を参考にしながら ファイアーウォール規制の域外的な適用の在り方について検討する 本報告書が銀行実務家をはじめ 各方面の方々のお役に立つことができれば幸いである なお 本研究会には 銀行の法務分野から実務を担当する方にオブザーバーとしてご参加いただいている また 事務局を全国銀行協会業務部にお願いしている 最後に 同分科会においては 平成 27 年度には デリバティブ取引に係る諸問題と国内の金融規制の在り方 をテーマとして取り上げ 研究を続けている 平成 28 年 3 月金融法務研究会座長岩原紳作 i

3 目 次 第 1 章ファイアーウォール規制の在り方について ( 岩原紳作 ) 1 Ⅰ 規制の沿革 1 Ⅱ 発行者等および顧客に関する非公開情報の授受等に関する規制 4 Ⅲ 兼職規制 8 第 2 章 役職員の兼職規制の撤廃と利益相反管理体制の整備 ( 神田秀樹 ) 10 Ⅰ はじめに 10 Ⅱ 平成 20 年の金商法改正および平成 26 年の内閣府令改正 10 1 役職員の兼職規制の撤廃 10 2 法人顧客情報の取扱い 11 3 主幹事引受制限の緩和 11 4 平成 26 年業府令改正 12 Ⅲ 利益相反管理体制の整備 12 1 規制の位置づけ 12 2 規制の違反があった場合 16 第 3 章親子法人間の非公開情報授受規制の適用対象と規制の解釈ー私法上の守秘義務を参考にして ( 前田重行 ) 18 Ⅰ 総説 18 Ⅱ 非公開情報の授受規制の適用要件 20 Ⅲ 実務から提起された具体的な事例に対する検討 24 1 緒論 24 2 証券会社からの非公開情報の銀行への移転 共有 24 3 銀行からの証券会社への非公開情報の移転 共有の場合 25 第 4 章 アメリカにおける銀行業務と証券業務の利益相反問題 証券化商品の組成 販売を題材として ( 加藤貴仁 ) 34 Ⅰ はじめに 34 Ⅱ 金融危機以前の規制の概観 年グラス スティーガル法 (Glass-Steagall Act) と1999 年グラム リーチ ブライリー法 (Gramm-Leach-Bliley Act) 35 2 金融危機後に明らかになった利益相反問題 37 Ⅲ OTD 戦略 38 ii

4 Ⅳ 金融商品の組成 販売を巡る利益相反 41 1 SEC による GSおよびその従業員の訴追 41 2 GSとABACUS 2007-AC1 の投資家の利益相反 45 3 ドッド フランク法 621 条の合理性 56 Ⅴ まとめ 58 第 5 章 ドイツにおける銀行業務と証券業務の利益相反規制 - 情報の管理および兼職規制の観点から -( 神作裕之 ) 62 Ⅰ 問題意識と本報告の対象 62 Ⅱ 日本法 - 非公開情報へのアクセスとその利用に係る規制の沿革 概要 64 1 弊害防止措置の導入 64 2 ファイアー ウォール規制の見直し 64 Ⅲ ドイツにおける銀行業務と証券業務の併営に係る規制 68 1 序論 68 2 禁止行為 69 3 利益相反に係る行為義務 70 4 組織上の義務 72 5 利益相反管理体制 77 Ⅳ 結び 88 1 日本法の特徴 88 2 ドイツ法の特徴 88 第 6 章 ファイアーウォール規制の国際的側面 - 顧客の非公開情報の金融グループ間の共有に関する規制を題材に -( 森下哲朗 ) 89 Ⅰ はじめに 89 Ⅱ 金融規制の国際的な適用に関する基本的な考え方 90 1 国際法上の制約 90 2 金融法の域外適用に関する議論 92 3 金融法の国際的な適用に関する考え方 94 Ⅲ 問題となる事例 94 1 外国法人と日本法人との間の M&A 案件 95 2 外国法人間の M&A 案件 95 3 提携 M&Aブティックとの連携のケース 95 Ⅳ 非公開情報の共有の規制に関する日本法の規制 96 iii

5 1 国際法上の議論 96 2 金融商品取引法の規定 96 3 親法人等 子法人等 97 4 発行者等 顧客 98 5 オプトアウト 99 6 外国法人による 書面の同意 の擬制 100 Ⅴ 非公開情報の共有に関する規制の国際的な適用のあり方 102 ( 参考 ) 金融法務研究会第 1 分科会の開催および検討事項 105 iv

6 第 1 章ファイアーウォール規制の在り方について 岩原紳作 Ⅰ 規制の沿革 現在の金融商品取引法 ( 以下 金商法 と略す )44 条の3 金融商品取引業等に関する内閣府令 ( 以下 業府令 と略す )153 条 1 項 7 号が定める金融商品取引業者 ( 以下 金商業者 と略す ) の親法人等若しくは子法人等との間における発行者等に関する非公開情報の提供の制限は 元々は銀行による証券業務の禁止を定めていた旧証券取引法 ( 昭 23 法 25)65 条の規制に遡るものである 旧証券取引法 65 条は アメリカのグラス スティーガル法に倣って立法されたものと言われている しかし グラス スティーガル法のように銀行の投資目的による株式 債券の保有を規制していないことや 証券担保金融を規制していない一方で グラス スティーガル法の下でも許されていた銀行によるブローカレッジ業務を厳しく制限していることから分かるように ( 川口恭弘 米国金融規制法の研究 銀行 証券分離規制の展開 ( 東洋経済 1989 年 )55 頁以下参照 ) 日本の旧証券取引法 65 条の主な目的は グラス スティーガル法のように銀行の財務の健全性確保や利益相反行為の防止にあるのではなく 銀行を証券業務から排除して証券の専門業者たる証券会社を育成し 証券市場を銀行から独立して発展させることを可能にすることによって ( 鈴木竹雄 = 河本一郎 証券取引法 ( 有斐閣 1968 年 )68 頁以下 証券業務と銀行業務とは利益相反する面がありうるため 銀行が証券業務を兼業すると 銀行業務を優先して 証券業務の発展を阻害する危険があると考えられたため ) 証券市場の発展を図るとともに 銀行が企業の資金調達全体を支配し 経済全体に過度の支配力を持つことを防ぐということにあったように思われる しかしこのような銀行業務と証券業務の分離は 高度経済成長の終えんとともに訪れた戦後金融体制の崩壊によって維持できなくなった その結果 業態別子会社方式や持株会社方式によって銀行と証券会社の相互参入が行われたことから 銀行と証券会社の親子会社間という法人間でのファイアーウォールという問題が生じることになった まず平成 4 年の金融制度改革法は 業態別子会社方式を採ることによって 銀行の子会社が 1

7 証券業務を営むこと 逆に証券会社が子銀行を保有することを可能にした しかしその際に激変緩和措置が採られるとともに 相互参入した場合の利益相反行為を防ぐためとして 弊害防止措置 ( ファイアーウォール ) が導入されたのである ( 当時の証券取引法 50 条の2 42 条の2 同法施行令 15 条の2 証券会社の健全性に関する省令 ( 以下 健全性省令 と略す )2 条の2) その際に設けられた弊害防止措置が 発行者又は顧客の非公開情報を 証券会社が親法人等もしくは子法人等との間で 提供したり利用すること等の制限であり ( 健全性省令 2 条の2 第 8 号 ) 店舗共用制限等であった ( 証券会社の店舗等について ( 平成 4 年 6 月 25 日 蔵証 872 号 ) 第三 1(4) 等 ) 具体的には 健全性省令 2 条の2 第 8 号は次のような行為を禁止していた 即ち 証券会社又はその取締役 監査役若しくは使用人が発行者又は顧客に関する非公開情報 ( 発行者である会社の運営 業務若しくは財産に関する公表されていない重要な情報であって顧客の投資判断に影響を及ぼすと認められるもの又は当該証券会社若しくはその親法人等若しくは子法人等の取締役若しくは監査役 ( 理事 監事その他これらに準ずる者を含む 以下この号において同じ ) 若しくは使用人が職務上知り得た顧客の有価証券の売買等に係る注文の動向その他の特別の情報をいう ) を その親法人等若しくは子法人等から受領し 又はその親法人等若しくは子法人等に提供すること ( 当該証券会社若しくはその子法人等又はそれらの取締役若しくは監査役若しくは使用人による当該非公開情報の提供につき事前に当該発行者又は顧客の個別の同意がある場合を除く ) という条文である この規制が現在の業府令 153 条 1 項 7 号に引き継がれているわけである 即ち 平成 4 年金融制度改革法制定時の弊害防止措置の一部が 持株会社方式による相互参入を認めた平成 10 年金融システム改革法等により緩和されるとともに 平成 16 年証券取引法改正により 金融機関が証券仲介業を営む場合に関する弊害防止措置の規定が設けられたりして 現在の業府令 153 条に引き継がれたが ( 例えば 同条 11 項等もそうである ) 同条 1 項 7 号は健全性省令 2 条の2 第 8 号をほぼ引き継いだ内容になっている この金融制度改革法制定時に導入された弊害防止措置は 単に利益相反行為を防ぐというだけでなく それまでの旧証券取引法 65 条の趣旨を引きずっており 銀行が融資先企業に対する圧倒的な影響力を行使して 証券業務を証券会社から奪うこと等に対する制限の意味あいも持っていたように思われる 現行業府令 153 条 1 項 7 号 8 号が定める発行者等ないし顧客の非公開情報の受領 提供や利用の規制も 実際には 金融商品取引業者 ( 金商業者 と以下略す ) とその親法人等ないし子法人等との間の利益相反行為の防止とともに 金商業者の親銀行や親銀行持株会社 ( 兄弟銀行 ) の発行者等や顧客に対する影響力が金融商品取引業務に行使されることを防止するという意味あいもあったものと推測される 利益相反行為の防止といっても 金商業者とその親銀行や兄弟銀行との間の利益相反行為防止とともに 金商業者やその 2

8 グループ企業と発行者や顧客との間の利益相反行為防止の意義が大きかったと考えられる そして金融機関による証券仲介業への参入を認めた平成 16 年証券取引法改正後の弊害防止措置においては 事前に顧客の書面による同意を得ずに 登録金融機関が取得した顧客情報を証券仲介の委託証券会社に提供した場合 逆に 委託会社から取得した顧客情報を利用して登録金融機関が有価証券の売買その他の取引を勧誘した場合 証券仲介業務を実施する組織で融資業務を併せて実施する組織の業務を統括する役員 使用人が 有価証券の発行者である顧客の事前の同意なくその非公開情報等を 自ら取得若しくは融資業務に従事する役員 使用人から取得して 当該有価証券にかかる証券仲介業務の勧誘を行った場合等が 是正命令の対象となるとされていた ( 平成 16 年改正前金融機関の証券業務に関する内閣府令 27 条 11 号 ) このような規制は 利益相反行為の防止という意味もあるが 金融機関がその顧客との取引上の地位や取得した顧客情報を利用して系列証券会社を使って証券業務等を有利に行うことや 金融機関の顧客に対する守秘義務違反を防ぐというような ( 銀行の守秘義務につき 河本一郎 銀行の秘密保持義務 銀行取引法講座上巻 ( 金融財政 1975 年 )27 頁以下 岩原紳作 銀行取引における顧客の保護 鈴木禄弥 = 竹内昭夫編 金融取引法大系 (1) 金融取引法総論 ( 有斐閣 1983 年 )163 頁等参照 ) 金融機関の顧客に対する ( 優越的 ) 地位の競争法上 私法上の濫用防止の意味が強かったように思われる 平成 10 年改正前の証券取引法においては 証券会社には原則として専業義務が課せられ ( 平成 10 年改正前証券取引法 43 条 ) 証券会社の常務に従事する取締役の兼職は大蔵大臣の承認がない限り禁止されていた ( 同法 42 条 42 条の2 42 条の3) 平成 10 年改正証券取引法により 証券会社の専業義務が廃止され 兼業が広く認められるようになったのに伴い 証券会社の取締役 執行役の兼職規制も緩和され 一般的には 届出によって他の会社の取締役 会計参与 監査役又は執行役を兼ねることが可能になった ( 現行金商法 31 条の4) しかし 金商業者とその親法人等 子法人等の間については 以下のような兼職禁止が定められ これが平成 20 年金商法改正まで続いた 即ち 有価証券関連業を営む金商業者の取締役 会計参与 監査役 執行役は 当該金商業者の親銀行等の取締役 会計参与 監査役 執行役 使用人を兼ねてはならないとされ ( 平成 20 年改正前金商法 31 条の4 第 1 項 ) 有価証券関連業を営むか否に拘わらず 金商業者の取締役 会計参与 監査役 執行役 使用人は 当該金商業者の子銀行等の取締役 会計参与 監査役 執行役を兼ねてはならないとされ ( 同条 2 項 ) 金商業者の常務に従事する取締役 執行役は 銀行 協同組織金融機関の常務に従事してはならないとされていた ( 同条 3 項 ) これらは金融機関本体による有価証券関連業務が規制されるため そのような分離規制の原則を維持する目的で 兼職規制が設けられたものである ( 神崎克郎 = 志谷匡史 = 川口恭弘 金融商品取引法 ( 青林書院 2012 年 )944 頁 ) 3

9 Ⅱ 発行者等および顧客に関する非公開情報の授受等に関する規制 しかし平成 20 年金商法改正は 金融機関 金融グループによる多様で質の高い金融サービス の提供を可能とするという目的から 上記役職員の兼職禁止を撤廃する一方 利益相反行為に よる弊害防止の実効性を確保するために 証券会社 銀行 保険会社に対し 自社またはグルー プ会社による取引に伴い 顧客の利益が不当に害されることがないよう 適正な情報の管理と 適切な内部管理体制の整備を行うこととした ( 池田唯一他 逐条解説 2008 年金融商品取引法 改正 ( 商事法務 2008 年 )26 頁 ~27 頁 ) その結果 弊害防止措置や兼職に関し次のような規 制の変更がなされたのである 第一に 有価証券関連業を行う第一種金商業者が 発行者等に関する非公開情報を 親法人 等若しくは子法人等から受領し 又は彼らに提供するには 当該発行者等があらかじめ書面に より同意することが必要とする要件が設けられ ( 平成 26 年改正前業府令 153 条 1 項 7 号イ ) 当 該発行者等に提供の停止を求める機会を適切に提供している場合は 当該発行者が当該停止を 求めるまでは 当該非公開情報の提供について当該発行者等の書面による同意があるものとみ なすというオプトアウト制度を認める等して ( 同条 2 項 ) 非公開情報のグループ内における 提供を実際上拡大した しかしこのオプトアウト制度は金融庁による実際の運用等が厳しいことから 余り活用され てこなかった 例えば オプトアウト機会の通知につき 長期の契約を締結している場合など ホームページへの掲載や店舗における掲示 閲覧に加え 概ね 1 年毎に顧客あてにオプトアウ トの機会の通知が求められること ( 平成 26 年 6 月 27 日改正前金融商品取引業者等向けの総合的 な監督指針 Ⅳ-3-1-4(1)3) 顧客がオプトアウトを行使した場合 行使前に共有し ていた情報も利用できなくなること ( パブリックコメントの概要及びコメントに対する金融庁 の考え方 Ⅰ 金融商品取引法関連 ( 以下 業府令パブリックコメント と略す )13 頁 ) 金融商 品仲介業務従事者はオプトアウト制度の対象外とされていること ( 業府令 154 条 1 項 4 号イ 業府令パブリックコメント 25 頁 ) 等の問題点が指摘されていた そこで平成 26 年の業府令改正により 当該発行者等の書面による同意の要件が 発行者等が 外国法人 ( 法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む ) であって かつ 当 該発行者が所在する国の法令上 金商業者が発行者に関する非公開情報を親法人等または子法 人等から受領し 又は彼らに提供することを制限する規定がない場合において 当該発行者が 電磁的記録により同意の意思表示をしたとき又は非公開情報の提供に関し当該発行者等が締結 している契約の内容及び当該国の商慣習に照らして当該発行者等の同意があると合理的に認め 4

10 られるときは 当該発行者等の書面による同意を得たものとみなすこととされた ( 業府令 153 条 1 項 7 号イ括弧書 154 条 1 項 4 号イ括弧書 後者は金融商品仲介業務従事者に関するみなし同意 ) また 概ね 1 年毎に顧客あてにオプトアウトの機会の通知を行う監督指針の要求が廃止され 代わりに さらに オプトアウトの機会に関する情報について店舗での掲示 閲覧やホームページにおいて法人顧客が常時オプトアウトできるようにすることや 法人顧客がオプトアウトする場合の連絡先を内部管理部門に常時設置することなどにより 法人顧客に対し オプトアウトの機会が常時提供されていることを明確にしているか ということが求められた ( 平成 26 年 6 月 27 日改正金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 Ⅳ (1)3) これはどこまで厳格に発行者等や顧客の同意を要求するかという問題である そもそも発行者や顧客の同意により情報の共有が可能になるということは オプトアウト制度の目的は発行者や顧客の利益を守ることにあって 発行者等や顧客との間での利益相反行為の防止や顧客に対する守秘義務を守らせることにあると考えられる 金商業者とその親法人等や子法人等の間の利益相反防止を目的としたものではないと言えよう 銀行の影響力が金融商品取引業務に利用されることの防止という銀行業務と金融商品取引業務の間の業際ないし競争法的な意味が元々はあったのであろうが 規制の構造にはそぐわないものになっている それに金融グループによる高度の金融サービスの提供を可能にしようとした平成 20 年金商法改正の趣旨や その後の金融システムの変化 現在の銀行と事業会社の力関係の変化等を考えると 現在では銀行の影響力の抑止は余り強調すべき要素ではないと考える 業府令 153 条 2 項のオプトアウト制度の対象となるのは法人顧客に限られる 法人顧客には個人顧客と異なりプライバシー保護の問題はない 法人顧客との間の利益相反行為として考えられるのは 親銀行が発行者等や顧客に対する影響力を行使して 彼らの非公開情報を子金商業者に伝えて 彼らの利益に反するような証券取引や M&Aに関与させるといったようなことであろう 顧客に対する守秘義務が問題になるのは 子金商業者に法人顧客の非公開情報を伝えた結果 当該法人の評判を落としたり 営業上の秘密になっていることが漏洩して 法人顧客に経済的損失を発生させるような場合であろう 法人顧客の非公開情報を漏洩させない守秘義務が顧客との間の契約内容として金融機関等にはあると考えられ ( 岩原 前掲 164 頁 金融法務研究会 金融機関のグループ化と守秘義務 (2002 年 )47 頁 48 頁 [ 岩原紳作 ] 全国銀行協会 貸出債権市場における情報開示に関する研究会報告書 (2004 年 4 月 )4 頁以下 ( 以下 貸出債権市場研究会報告書 と略す ) 全国銀行協会 法人顧客に係る銀証間の情報共有のあり方に関する研究会報告書 (2008 年 4 月 )5 頁 ( 以下 情報共有研究会報告書と略す )) それに違反することが問題になるわけである 5

11 業府令における非公開情報の定義は 発行者である会社の運営 業務若しくは財産に関する公表されていない重要な情報であって顧客の投資判断 ( 法第 2 条第 8 項第 11 号ロに規定する投資判断をいう 以下同じ ) に影響を及ぼすと認められるもの又は自己若しくはその親法人等若しくは子法人等の役員 ( 役員が法人であるときは その職務を行うべき社員を含む ) 若しくは使用人が職務上知り得た顧客の有価証券の売買その他の取引に係る注文の動向その他の特別の情報をいう とされている ( 業府令 1 条 4 項 12 号 ) 確かにこれらの情報が金商業者のグループ内の他社に伝えられることによって 当該他社により当該発行者等や当該顧客に対する利益相反的行為がなされる可能性がないとは言えない 例えば 銀行の顧客の財務内容が悪化しつつあることを 銀行が子金商業者に伝えたために 子金商業者が当該顧客の株式を空売りして株価を引き下げるような場合である しかしそのような利益相反的な行為は 内部者取引規制 ( 金商法 166 条 2 項 8 号等 ) 等により規制されたり ( 詳しくは 情報共有研究会報告書 16 頁 17 頁参照 ) 金商法 44 条以下や業府令 147 条以下 金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 Ⅳ-1-3 民法の委任や不法行為その他の一般規定により規制されており 銀行と子金商業者との間の問題になるだけでなく 銀行内部でもチャイニーズウォールの設定等が必要とされたりするものであって 銀行と子金商業者という異なる法人格の間の問題に止まらない それらの規制の対象となりえないような場合についてまで 利益相反行為のきっかけになりうるからというだけの理由で また異なる法人である子金商業者との間の授受だということで 非公開情報の授受そのものを発行者等や顧客の同意に関わらせる必要はないと思われる そのような意味では 利益相反行為規制の観点から 非公開情報 授受の規制をとらえる必要は原則としてないのではなかろうか ドイツ法においては 利益相反防止の観点から異なる法人間において非共有情報へのアクセス自体を禁止することはなく 法人横断的に業務の機能別にチャイニーズウォールを作るなどして利益相反問題に関する弊害防止を図るという方向がとられている ( 本研究会における神作教授の御報告 ) また顧客に対する守秘義務の観点からも グループ内での授受に同意が必要とされる 非公開情報 は 極めて限られた情報と解すべきではなかろうか 上に記したような法人顧客情報保護の趣旨からは 法人顧客情報をビジネス目的のために他のグループ企業に利用させることは そのこと自体から当該顧客に経済的不利益が生じることは原則として考えられないため 当該顧客の同意がなくても本来許されることと考えられるからである ( 岩原 前掲 48 頁 ) 例外的に当該顧客に経済的不利益が考えうる場合としては 例えば前述したように 顧客である証券発行者の財務状況が悪化しつつあるという情報を得た親銀行が それを子金商業者に伝えることによって 当該子金融業者が 上記の空売り等インサイダー取引の問題を起こすような積極的行動をとらないまでも 当該顧客の発行する証券の購入を手控えたり 自らの顧客 6

12 への投資推奨をやめたりする等した結果 当該顧客の発行する証券の市場等に悪影響を及ぼしうるようなことが考えられないわけではない ( 顧客の信用情報の開示につき 貸出債権市場研究会報告書 2 頁以下参照 ) そのような場合は 業府令 153 条 1 項 7 号から発行者の同意が必要な行為に該当するという意見もあるかもしれない しかし当該子金商業者だけによるそのような不作為だけで相場に大きな影響を与えることは ( 当該子金融業者が特別の存在感をもった金商業者で 他の金商業者や投資家等がその動向を常に注視しているというような特別な場合は問題となりうるかもしれないが ) 余り考えにくい 以上のようなことから 法人顧客の非公開情報の親法人等若しくは子法人等からの受領及びこれら法人等への提供を原則として禁止する業府令 153 条 1 項 2 項の規制には疑問がありうるのではなかろうか 他方 このような情報の子金商業者への授受は 銀行グループとしてのリスク管理目的 銀行グループとしての内部管理目的のために許される非公開情報の授受として許されるとも考えられる ( 業府令 153 条 1 項 7 号リ ) 銀行グループとしてのリスク管理目的等 金融グループとしての内部管理目的のための非公開情報の授受等は 業府令 153 条 1 項 7 号リ括弧書が定めるように 情報を受け取る側のグループ企業を含めたグループ全体としての情報管理がきちんとなされていて 顧客に不利益を与える恐れがないのであれば 原則として広く認められるべきではなかろうか ( 岩原 前掲 45 頁 48 頁 ) 従って 同号が言う 内部管理に関する業務 を業府令パブリックコメント 19 頁が言うように狭く解する必要はないと考える ( 詳しくは 情報共有研究会報告書 7 頁 12 頁参照 ) 例えば 平成 26 年の業府令の改正や監督指針の改正は 子法人等の経営管理に関する業務を目的とした親法人による子法人からの非共有情報の受領が認められることを明らかにしたが ( 業府令 153 条 1 項 7 号リ括弧書 3 項 7 号 また 金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 Ⅳ-3-1-4(2) 参照 ) 2014 年 3 月 28 日付パブリックコメントに対する金融庁の考え方 No.52が 持株会社とその子金融商品取引業者の経営管理部を兼務する職員は 当該子金融商品取引業者以外の子会社から受領した当該持株会社の非共有情報にアクセスできないとして 経営管理業務を兼職した場合にも後述のホームベース ルールが適用されるとしているのは 狭すぎる考え方と思われる これに対し銀行の融資先企業の M&Aに関する情報等は それを子金商業者に伝えて M&A に関する業務への参入の機会を与えたからといって 融資先企業に経済的損失が生じることはありえないため 同意が必要な行為とは考えられない ( 情報共有研究会報告書 12 頁 13 頁参照 ) 勿論 親銀行が融資先企業に優越的地位を利用して圧力をかけ 子金商業者を引受幹事証券会社とさせる等の行為をすれば 独禁法上の優越的地位の濫用の問題となりうる ( 不公正な取引方法第 10 号 ) しかしオプトアウトの制度をそのような優越的地位の濫用の一般予防的手段として用いるということは 発行者の同意自体も圧力の対象になりうることを考えても 7

13 制度の趣旨を離れたものであるし 前述したような平成 20 年金商法改正の趣旨等からも考慮すべきではあるまい 業府令パブリックコメント 25 頁は 顧客の公表されていない財務 経営関連の情報や取引情報については 一般的に非公開情報として取り扱われるべき としているが 以上のように 非公開情報 概念は 顧客情報保護の前提になる顧客との間の民事上の契約内容の解釈等から 顧客保護上本当に必要な場合に限定して解釈されるべきであろう Ⅲ 兼職規制 第二に 平成 20 年金商法改正により 届出によって親銀行と子金商業者 親金商業者と子銀行の間で役員 使用人の兼職が認められることになった ( 金商法 31 条の4 第 2 項 ) これは以下のような理由による改正であった 第一に それまでの兼職規制が本来のねらいとする行為を抑制する措置としては 目的に照らし過大な規制になっている 第二に 金融グループとしての総合的なサービスの提供の障害となり 利用者の利便性がかえって損なわれている 第三に 金融グループとして要求される統合的リスク管理やコンプライアンスの障害になっている 第四に 我が国金融機関の競争力の観点から見たとき 欧米の金融グループとの競争条件を不利なものにしている 等である ( 池田他 前掲 252 頁 神崎他 前掲 944 頁 945 頁 ) これらの観点から 規制の実効性の一層の確保 利用者利便の向上及び金融グループ内の統合的リスク管理の観点から 利益相反の管理のための体制整備を義務付けること ( 金商法 36 条 2 項乃至 4 項 ) 等の措置と一体的に 兼職規制が撤廃されたのである ( 池田他 前掲 253 頁 ) しかしその時に設けられた監督指針等において 非公開情報を用いて業務を行う部門を兼職している役職員は いずれか一方の銀行又は金商業者が管理する非共有情報にしかアクセス 利用 提供ができないこととされたため ( 金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 Ⅳ-3-1-4(2)6 同監督指針パブリックコメント 55 頁 3 業府令パブリックコメント 27 頁 いわゆるホームベース ルール 前述したように同監督指針は 経営管理目的の非公開情報の利用にもホームベース ルールが適用されるという ) たとえ親銀行とその子金商業者 親金商業者と子銀行の役職員を兼職しても 実質的に兼職役職員としての活動ができないことになった 実際 平成 20 年の兼職禁止規定の廃止後も 兼職を行っている例は極めて少ない 兼職していても一方の顧客の非共有情報にしかアクセス等ができないということは 共有情報にするためには発行者等又は顧客の同意ないしはオプトアウトの手続きが必要とされていることを実質的に守らせるためのものであろう しかしこれでは役職員の兼職を実質的に機能させないことになる 平成 20 年金商法改正の趣旨は 金融機関 金融グループによる多様で質の高い金融サービスの提供を可能にすることにあったはずであるが それが非共有情報アクセス 8

14 等に関する行政的な規制のために実質的に否定されているわけである この問題の解決は 兼職を認める法律の趣旨と非共有情報に関する監督指針等による行政規制のいずれを重視するかということに帰着せざるをえない 法律の趣旨の方を尊重して 兼職役職員には 兼職している両方の金融機関 金商業者が管理する非共有情報へのアクセス等を許すべきではなかろうか 兼職者の非共有情報へのアクセスを制限している行政規制が見直されるべきであると考える その代わり 非共有情報に関する規制の趣旨を実質的に守るため 前述したような顧客等の利益を害するような非共有情報の利用等は禁止されることにすべきではなかろうか 兼職による優越的地位の濫用や顧客等に対する利益相反的行為に対しては 既に業府令 153 条 1 項 10 号により禁止されているし 金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 Ⅳ-3-1-4(4) において具体的な規制もなされており それによって弊害防止が図られていると考えるべきであろう ( 情報共有研究会報告書 14 頁 16 頁参照 ) 9

15 第 2 章 役職員の兼職規制の撤廃と利益相反管理体制の整備 神田秀樹 Ⅰ はじめに 平成 20 年金融商品取引法等改正 ( 平成 21 年施行 ) により それまで 利益相反による弊害防止等の趣旨で証券会社 銀行 保険会社の間において規制されてきた役職員の兼職規制が撤廃された これに伴って 利益相反による弊害防止の実効性を高める観点から 証券会社 銀行 保険会社に対し 自社またはグループ会社による取引に伴って顧客の利益が不当に害されることのないよう 適正な情報の管理と適切な内部管理体制の整備が求められることとなった ( 以上の改正の経緯と詳細については 池田唯一ほか 逐条解説 2008 年金融商品取引法改正 頁 頁 ( 平成 20 年 ) 参照 ) 平成 20 年改正は 金融商品取引法の改正だけでなく 銀行法や保険業法等の改正も含んでいるが 本稿では 金融商品取引法 ( 以下 金商法 と略す ) 上の規制について その内容を概観し 規制の位置づけ等について考えてみたい なお 本稿は 公益財団法人日本証券経済研究所 金融商品取引法研究会 金融商品取引業における利益相反 利益相反管理体制の整備義務を中心として 金融商品取引法研究会研究記録第 32 号 ( 平成 23 年 )( 以下 金商法研究会記録 と略す ) および神作裕之 利益相反管理体制整備義務と情報遮断 公益財団法人日本証券経済研究所 金融商品取引法研究会編 金融商品取引法制の潮流 171 頁以下 ( 平成 27 年 ) に負うところが大きい Ⅱ 平成 20 年の金商法改正および平成 26 年の内閣府令改正 1 役職員の兼職規制の撤廃平成 20 年金融商品取引法改正 ( 平成 21 年施行 ) により 金融商品取引業者の役職員の兼職規制が撤廃され 一定の場合における役員についての届出制に改められた ( 金商法 31 条の4) 有価証券関連業を営む第一種金融商品取引業者 ( 以下 証券会社 という場合がある ) がグループ会社との間で発行者等に係る非公開情報を共有することは原則として禁止されるが ( 金融商 10

16 品取引業等に関する内閣府令 ( 以下 業府令 と略す )153 条 1 項 7 号 ) 証券会社の役職員がグループ会社の役職員を兼職している場合において その役職員が非公開情報を受領しても直ちに兼職先のグループ会社がその情報を受領することになると解されるわけではないと説明されている ( 金融庁 平成 20 年金融商品取引法等の一部改正のうち ファイアーウォール規制の見直し及び利益相反管理体制の構築等に係る政令案 内閣府令案等に対するパブリックコメントの結果等について パブリックコメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方 ( 平成 21 年 1 月 20 日 )27 頁参照 ) 2 法人顧客情報の取扱い平成 20 年改正前の金商法のもとでは 非公開情報 ( 業府令 1 条 4 項 12 号 ) については 個人顧客 法人顧客を問わず 証券会社またはグループ会社 ( 証券会社の親子法人等 ) がその顧客の非公開情報をグループ会社または証券会社に提供することは 書面による同意がある場合その他の法定の例外事由に該当する場合を除いて 禁止されていた ( 平成 20 年改正前金商法 44 条の3 第 1 項 4 号 平成 21 年改正前業府令 153 条 1 項 7 号 ) しかし 平成 20 年改正 ( 平成 21 年施行 ) により 法人顧客については 顧客の非公開情報のグループ会社または証券会社への提供についての停止を求める機会を顧客に適切に提供すれば 停止を求めるまでの間 非公開情報の提供について法人顧客が書面による同意をしているものとみなす旨の例外規定が設けられた ( 業府令 153 条 2 項 ) すなわち 法人顧客の非公開情報についてはオプト アウト制度が採用されたことになる また 内部管理に関する業務 ( その定義は 平成 26 年改正前業府令 153 条 3 項 ) については 個人顧客 法人顧客を問わず 内部管理部門から外に非公開情報が漏えいしない措置が的確に講じられていることを条件として 一定のグループ会社内で ( 平成 26 年改正前業府令 153 条 4 項参照 ) 顧客の非公開情報を共有することが認められることとなった ( 業府令 153 条 1 項 7 号リ 9 号 ) さらに 個人顧客 法人顧客を問わず グループ会社から取得した顧客に関する非公開情報を金融商品取引契約の締結の勧誘に利用する場合には 有価証券関連業を営む第一種金融商品取引業者は顧客の同意を得る必要があるが 第二種金融商品取引業者と投資運用業者は顧客の同意を得る必要はなくなった ( 業府令 153 条 1 項 8 号 ) 3 主幹事引受制限の緩和 証券会社がグループ会社の発行する有価証券の引受主幹事会社になることは原則として禁止 されるが ( 業府令 153 条 1 項 4 号 ) 十分な経験を有すること 資本関係や役員等において独立 11

17 性が認められること等の場合には 例外とされることとなった ( 同号ニ ) 4 平成 26 年業府令改正情報共有の制限の例外とされていた 内部管理に関する業務 ( 上述 ) が 内部の管理及び運営に関する業務 と拡大され ( 業府令 153 条 1 項 7 号リ ) この業務として 新たに 子法人等の経営管理に関する業務と有価証券の売買 デリバティブ取引その他の取引に係る決済およびこれに関連する業務が追加された ( 同条 7 号 8 号 ) また 顧客が外国法人である場合における規制が緩和された ( 業府令 153 条 1 項 7 号イ ) Ⅲ 利益相反管理体制の整備 1 規制の位置づけ平成 20 年金商法改正は 上述した事前の規制緩和をする一方で 事後の規制として 利益相反による弊害防止の実効性を高める観点から 証券会社 銀行 保険会社に対し 自社またはグループ会社による取引に伴って顧客の利益が不当に害されることのないよう 適正な情報の管理と適切な内部管理体制の整備を求めることとした 平成 20 年改正により金商法において導入された利益相反管理体制の整備は 金商法 36 条 2 項において次のように定められている 特定金融商品取引業者等は 当該特定金融商品取引業者等又はその親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い 当該特定金融商品取引業者等又はその子金融機関等が行う金融商品関連業務 ( 金融商品取引行為に係る業務その他の内閣府令で定める業務をいう ) に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう 内閣府令で定めるところにより 当該金融商品関連業務に関する情報を適正に管理し かつ 当該金融商品関連業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない ここで 特定金融商品取引業者等 とは 金融商品取引業者等のうち 有価証券関連業を行う金融商品取引業者 ( 第一種金融商品取引業を行うことにつき金商法 29 条の登録を受けた者に限る ) その他の政令で定める者をいう ( 金商法 36 条 3 項 ) また 親金融機関等 とは 特定金融商品取引業者等の総株主等の議決権の過半数を保有している者その他の当該特定金融商品取引業者等と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち 金融商品取引業者 銀行 協同組織金融機関その他政令で定める金融業を行う者をいい ( 同条 4 項 ) 子金融機関等 とは 特定金融商品取引業者等が総株主等の議決権の過半数を保有している者その他の当該特定金融商品取引業者等と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち 金融商品取引業 12

18 者 銀行 協同組織金融機関その他政令で定める金融業を行う者をいう ( 同条 5 項 ) これを受けて 業府令では 1 利益相反取引を特定するための体制整備 2 利益相反取引に対処するための体制整備 3 利益相反取引への対処措置の実施の方針の策定と公表 4 利益相反取引の特定と対処に係る記録の保存を求めている ( 業府令 70 条の4) 具体的には 次のように定めている 70 条の4 第 1 項特定金融商品取引業者等は 当該特定金融商品取引業者等又はその親金融機関等 ( 法 36 条 4 項に規定する親金融機関等をいう 以下同じ ) 若しくは子金融機関等が行う取引に伴い 当該特定金融商品取引業者等又はその子金融機関等が行う金融商品関連業務 ( 同条 2 項に規定する金融商品関連業務をいう 以下同じ ) に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう 次に掲げる措置を講じなければならない 1 号対象取引を適切な方法により特定するための体制の整備 2 号次に掲げる方法その他の方法により当該顧客の保護を適正に確保するための体制の整備イ対象取引を行う部門と当該顧客との取引を行う部門を分離する方法ロ対象取引又は当該顧客との取引の条件又は方法を変更する方法ハ対象取引又は当該顧客との取引を中止する方法ニ対象取引に伴い 当該顧客の利益が不当に害されるおそれがあることについて 当該顧客に適切に開示する方法 3 号前 2 号に掲げる措置の実施の方針の策定及びその概要の適切な方法による公表 4 号次に掲げる記録の保存イ 1 号の体制の下で実施した対象取引の特定に係る記録ロ 2 号の体制の下で実施した顧客の保護を適正に確保するための措置に係る記録第 2 項前項 4 号に規定する記録は その作成の日から 5 年間保存しなければならない 第 3 項 1 項の 対象取引 とは 特定金融商品取引業者等又はその親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い 当該特定金融商品取引業者等又はその子金融機関等が行う金融商品関連業務に係る顧客の利益が不当に害されるおそれがある場合における当該取引をいう このような規制体系については 業者に対して利益相反管理体制の整備を求める規定が金商法 36 条 2 項に置かれているのはなぜか また この規定は 利益相反 という概念を用いていないがそれはなぜかということが 問題となりうる 順序が逆になるが まず 後者については 金商法 36 条 2 項は 顧客の利益が不当に害されることのないよう 内閣府令で定めるところにより 当該金融商品関連業務に関する情報 13

19 を適正に管理し かつ 当該金融商品関連業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない と定めており 抽象的には 利益相反取引だけを対象としているわけでないとも読めるけれども 立案担当者の解説によれば 対象とするのは利益相反取引である ( 池田ほか 前掲参照 ) そして 36 条 2 項が 顧客の利益が不当に害されることのないよう と定め 業府令が利益相反管理の対象取引について 顧客の利益が不当に害されるおそれがある場合における当該取引をいう ( 先に引用した業府令 70 条の4 第 3 項 ) と定めているのは 範囲を限定する趣旨である つまり たとえば利益相反などとだけ規定するとあまりに広くなるので 金商法は規制の対象とする範囲を 顧客の利益が不当に害されるおそれがある取引 に限定したということになる 次に 前者については 業者に対して利益相反管理体制の整備を求める規定が 第六款弊害防止措置等 ( いわゆるファイアーウォール規制 )( 金商法 44 条以下 ) に配置されず 条文の見出しが 顧客に対する誠実義務 とされており その 1 項において 金融商品取引業者等並びにその役員及び使用人は 顧客に対して誠実かつ公正に その業務を遂行しなければならない と定めている金商法 36 条に配置されたことは興味深い このことは 利益相反管理体制の整備は 金融商品取引業者の誠実義務から導かれるものであるということであろうか この点については 争いがあるが ( 金商法研究会記録 30 頁以下参照 ) そもそも 金商法 36 条 1 項に定める誠実義務は IOSCO( 証券監督者国際機構 ) の原則を日本に取り入れたものであって ( 神作 前掲 181 頁参照 ) 委任契約における受任者の善管注意義務などを定めている大陸法系の日本の法体系からすると 金融商品取引法は私法ではないことを勘案しても ( 規範の内容が悪いというわけではまったくないが ) 落ち着きのよくない規範である 本稿では詳細を論じることはできないが 金商法 36 条 1 項に定める誠実義務は 日本の私法における善管注意義務や忠実義務の内容を含んだ概念であると解すべきである そして 利益相反管理体制の整備は 業者の誠実義務を具体化した 1つであると解される また 第六款弊害防止措置等 のファイアーウォール規制 ( 金商法 44 条以下 ) に定められている諸規範も 業者の誠実義務を具体化したものと解するのが妥当であるように思われる ( 金商法研究会記録 52 頁参照 ) 神作教授は アメリカ法の詳細な検討に基づいて 情報の遮断と管理は利益相反管理の中心であり それが業者に求められる法的根拠としては 必ずしも明確でないが 顧客に対し信認的な地位につくことがあり得ることを前提として業者としての健全かつ公正な業務施行をなすべき業法上の義務から導かれるもの と説かれているが ( 神作 前掲 212 頁 ) 賛同できる なお 銀行法の規定はどのようになっているかを見てみると 銀行法 13 条の3の2 第 1 項は 次のように定めている 14

20 銀行は 当該銀行 当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者又は当該銀行の親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い 当該銀行 当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者又は当該銀行の子金融機関等が行う業務 ( 銀行業 銀行代理業その他の内閣府令で定める業務に限る ) に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう 内閣府令で定めるところにより 当該業務に関する情報を適正に管理し かつ 当該業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない そして 銀行法施行規則 14 条の11の 3の3は 次のように定めている 第 1 項銀行は 当該銀行 当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者又は当該銀行の親金融機関等 ( 銀行 法 13 条の3の2 第 2 項に規定する親金融機関等をいう 以下この条において同じ ) 若しくは子金融機関等 ( 同条 3 項に規定する子金融機関等をいう 以下この条において同じ ) が行う取引に伴い 当該銀行 当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者又は当該銀行の子金融機関等が行う銀行関連業務に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう 次に掲げる措置を講じなければならない 1 号対象取引を適切な方法により特定するための体制の整備 2 号次に掲げる方法その他の方法により当該顧客の保護を適正に確保するための体制の整備イ対象取引を行う部門と当該顧客との取引を行う部門を分離する方法ロ対象取引又は当該顧客との取引の条件又は方法を変更する方法ハ対象取引又は当該顧客との取引を中止する方法ニ対象取引に伴い 当該顧客の利益が不当に害されるおそれがあることについて 当該顧客に適切に開示する方法 3 号前 2 号に掲げる措置の実施の方針の策定及びその概要の適切な方法による公表 4 号次に掲げる記録の保存イ 1 号の体制の下で実施した対象取引の特定に係る記録ロ 2 号の体制の下で実施した顧客の保護を適正に確保するための措置に係る記録第 2 項前項 4 号に規定する記録は その作成の日から 5 年間保存しなければならない 第 3 項 1 項の 対象取引 とは 銀行 当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者又は当該銀行の親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い 当該銀行 当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者又は当該銀行の子金融機関等が行う銀行関連業務に係る顧客の利益が不当に害されるおそれがある場合における当該取引をいう 銀行法が銀行に対して求める利益相反管理体制の整備の内容は 金商法が金融商品取引業者に求める利益相反管理体制の整備の内容とほぼ同じである しかしながら 銀行法には金商法 15

21 36 条 1 項に相当する規定は存在しない 銀行に対して利益相反管理体制の整備を求める銀行法 13 条の3の2 は 銀行法の諸規定の中における位置づけとしては 銀行に対する行為規制の 1 つとして配置されているようにみえる これを文字通りに理解すると 銀行は 金融商品取引業者とは異なり 顧客に対して金商法 36 条 1 項が定めるような誠実義務は負わないけれども銀行法の定める利益相反管理体制 ( それは金商法が定める利益相反管理体制とほぼ同じ ) を整備する義務は負うということになる なお 保険業法についても同様のことが問題となるが ここでは省略する 2 規制の違反があった場合金融商品取引業者が上述した利益相反管理体制の整備を怠った場合や整備が十分でなかった場合には その効果はどうなるのであろうか まず 金商法上の効果については 金商法上直接の規定は見当たらない しかしながら 金商法は 51 条で 内閣総理大臣は 金融商品取引業者の業務の運営又は財産の状況に関し 公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは その必要の限度において 当該金融商品取引業者に対し 業務の方法の変更その他業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる と定めており 具体的な法令違反がなくても 業者に対して業務改善命令を出すことが可能である このことは利益相反管理体制の整備に限った話ではないが 業者への行政処分がサンクションであるということになる 次に 金商法の求める利益相反管理体制の整備を怠った場合や整備が十分でなかった場合に 私法上の効果がどうなるのかということも 興味深い問題である この点については そもそも そうした場合が業法 違反 ( 金商法という法令の違反 ) といえるか否かが問題となり 個別具体的な事案によるというしかないと思われるが 仮に業法の違反があったと認められるべき場合であったとしても 一般に 業法上の規制に違反した行為は 直ちに 私法上の効果を生じるものではない しかし 証券取引法時代に証券取引法違反があった場合について 最判平成 9 年 9 月 4 日民集 51 巻 8 号 3619 頁 ( 損失保証の事案 ) および最判平成 17 年 7 月 14 日民集 59 巻 6 号 1332 頁 ( 株価指数オプションの売り取引の事案 ) 等により 一定の場合には私法上の効果 ( 取引の無効や不法行為責任 ) が生じる場合があることが認められている この平成 17 年最判は 平成 10 年改正前の時期における適合性原則について 証券取引法上の適合性の原則は 直接には 公法上の業務規制 行政指導又は自主規制機関の定める自主規制という位置付けのものではあるが 証券会社の担当者が 顧客の意向と実情に反して 明らかに過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘するなど 適合性の原則から著しく逸脱した証券取引の勧誘をしてこれを行わせたときは 当該行為は不法行為法上も違法となると解するのが相当である と述べてい 16

22 る 一般論としては 業法上の規制に違反した行為の私法上の効果については 単にいわゆる取締法規であるから違反しても私法上の効果には原則影響を及ぼさないということではなく 違反が問題となる個々の規定について その規定の趣旨にかんがみて また 具体的事案における違反の態様等をも考慮して 私法上の効果が検討されるべきものと考えられる また 法律や政令 内閣府令に違反した行為だけでなく 自主規制に違反した行為についても その私法上の効果については 個々の場合ごとに考えるのが妥当である ( 上記の平成 17 年最判は自主規制の場合にも言及している ) なお 金融商品取引業者は株式会社である場合が多いが 金商法の求める利益相反管理体制の整備は 会社法上 取締役の会社に対する義務 ( 善管注意義務など ) となるか 換言すれば 金商法の求める利益相反管理体制の整備を怠った場合や整備が十分でなかった場合に それは会社法における取締役の任務懈怠となり 取締役はそれを理由として会社または第三者に対する損害賠償責任を負うか ( 会社法 423 条 1 項 429 条 1 項 ) が論じられている ( 金商法研究会記録 44 頁参照 ) この点についても 一律に考えるのではなく 会社法の趣旨を勘案したうえで 具体的な事案に応じて検討することが妥当であるように思われる 17

23 第 3 章 親子法人間の非公開情報授受規制の適用対象と規制の解釈ー私法上の守秘義務を参考にして 前田重行 Ⅰ 総説 1 金融商品取引法 ( 以下 金商法 という )44 条の3 金融商品取引業等に関する内閣府令 ( 以下 金商業府令 という )153 条 1 項 7 号は 有価証券関連業を行う金融商品取引業者 ( 第一種金融商品取引業者に限る ) が発行者等に関する非公開情報を当該金融商品取引業者の親法人等もしくは子法人等から受領し または当該親法人等もしくは子法人等に提供することを 当該発行者等の書面による同意がある場合を除き 禁止している (1) ただ当該金融商品取引業者が親法人等もしくは子法人等との間で 顧客の非公開情報の移転 共有を行うことにつき 当該顧客に対してオプトアウトの機会を適切に提供している場合には 書面による同意があったものとみなされ ( 金商業府令 153 条 2 項 ) 改めて書面による同意は不要とされている しかしこのオプトアウトの機会の提供により非公開情報の移転 共有につき書面による同意が不要とされるのは法人顧客に限られ 個人顧客についてはオプトアウトの機会の提供は認められていない ( 同項かっこ書き ) この金融商品取引業者 ( 証券会社 ) とその親子法人等に対する非公開情報の授受規制は 証券会社またはその親子法人等が入手した発行者等の非公開情報を証券会社またはその親子法人等に移転し 共有することを禁止したものであり 証券会社を含む金融企業グループ ( いわゆる金融コンツエルン ) がグループ外の企業等の非公開情報をグループ内で共有することにより生じうる弊害を防止しようとするものである このような金融企業グループにおける情報の授受規制が直接には金商法上の規制として定められているのは 本規制が近年における銀行 証券会社の子会社方式による相互乗り入れが認められたことに伴うファイアーウォール規制の一環であることから 証券会社が銀行と結合した金融企業グループにおける発行者等の非公開情報の授受 共有により生じうる弊害に対処して顧客の利益を守り 公正な市場秩序を維持する (1) 登録金融機関の金融商品仲介業務に従事する役員 使用人と当該登録金融機関の親子法人等との間での非公開情報の授受に対しても 同様の規制が定められている ( 金商法 44 条 4 金商業府令 154 条 4 号 ) 18

24 ことを意図したことによるものといえる (2) 特に金融企業グループにおける非公開情報の授受 共有による弊害として問題となるのは 利益相反行為であり 証券会社とその親子法人等の間で授受 共有された顧客の非公開情報を利用して利益相反行為を行い 顧客に不利益を与える行為が問題となる このため本規制の主要な目的としては 金融企業グループにおける非公開情報の授受により生じうる利益相反行為に対処して顧客の利益を守ることにあると考えられてきている (3) 2 ただ本規制が証券会社またはその親子法人の非公開情報の利用による不当な行為を規制するのではなく 非公開情報の授受自体を規制するものであり 規制対象たる行為は非公開情報の提供または受領である いわば情報のやりとり自体を規制しようとするものである したがって このような情報自体のやりとりに対する規制としては 適用の要件を明確に設定し 適用範囲に適切な縛りをかけないと 規制範囲が不必要に拡大してしまうおそれがある 特に金融企業グループが取得する非公開情報については 情報の発信者の範囲 情報の内容および情報が授受されることによる影響の程度が重要である しかしこれらの要件については 後述するように必ずしも明確ではなく 解釈に委ねられている部分が大きく 規制の適用上問題が残るようにも思われる 特に本規制は適用範囲の限界が必ずしも明確ではなく その運用によっては金融企業グループの情報共有に対して 広範囲に規制が広がるおそれがあり 実務に対して過剰な規制をもたらすおそれもないわけではない このように考えてくると そもそも利益相反行為に対する顧客の保護のために非公開情報の利用による不当な行為を規制するのではなく 非公開情報の授受自体を規制することが果たして適切なのかという疑問もないわけではない さらにはこのような証券会社や銀行により構成される金融企業グループによる利益相反行為等の防止のために顧客に関する非公開情報の授受自体の規制を行うことについては 近年の金商法 銀行法等による規制において金融企業グループにより多様な金融サービスをグループとして総合的に提供することを可能にするという一種のユニバーサル バンク化の是認の方向からは疑問も提起される 特にこのような金融企業グループを対象とした非公開情報の授受規制は 金融企業グループによる高度の金融サービスの提供を促進することに関してはブレーキをかけることにもつながりかねない もちろん 本規制は利益相反行為の防止と並んで規制目的とされている公正な市場秩序の確保や金融機関の健全性維持などの点においてはそれなりに意味を有するものといえるが しかし規制の主たる目 (2) ファイアーウォール規制とその目的については 近藤光男 吉原和志 黒沼悦郎 金融商品取引法入門 第 4 版 454 頁以下 松尾直彦 金融商品取引法 第 3 版 425 頁以下参照 またファイアーウォール規制の導入の経過とそのあり方については 本研究会の岩原教授の報告 ( 本報告書第 1 章 Ⅰ) 参照 (3) 松尾 前掲注 (2)427 頁以下 19

25 的としての利益相反行為による顧客の不利益の防止という観点から見る限り 非公開情報の利用による銀行や証券会社の顧客に不利益を与える行為に対しては 具体的な情報利用による不当行為に対する規制 ( たとえば金商業府令 153 条 8 号 10 号 154 条 4 号など ) やその他の金商法上の不当な行為に対する規制 および銀行取引における銀行の守秘義務などによって具体的に対処されていることから 本規制のような非公開情報の不当な利用行為に対する予防的規制としての非公開情報の授受自体の規制の必要性はそれほど大きいものとはいえないように思われ むしろ銀行 証券からなる金融企業グループによる非公開の顧客情報の授受自体に対する規制は 抑制的 限定的に適用されるべきであるとする考え方も有り得るのではないだろうか (4) 3 また規制の適用を受ける実務界にとっては 前述したように規制が情報の利用による行為を規制するのではなく 情報の授受自体を規制するものであり さらに後述するようにその適用に関する要件が必ずしも明確ではないこと等もあって 規制の適用範囲を漠然と広く捉えがちであり かつ規制の運用も厳しいものと感じている等の点から 規制の過剰感を生み出しているきらいがあった 結果として金融企業グループがそのグループ構成企業間で顧客情報を利用して顧客に対するビジネスを展開することに関してかなり消極的になっている面が生じていたことは否定できない このような状況は銀行がその顧客に対して その親子法人等たる証券会社を利用して種々のビジネスを行う上で支障をきたしていたことが銀行実務において指摘されてきたところである しかしその後のファイアーウォール規制の見直しやそれに伴う監督当局の規制の解釈および運用状況を見ると 従来実務から指摘されてきた過剰な規制といった点はある程度改善されてきているように思われる しかしながら 本規制については 依然として分かり難く 適用を受ける側から見て 適用範囲や適用要件についてさらに検討が必要であろう 本稿はこのような状況の下で 改めてこの授受規制の適用対象や解釈について検討し 実務から提起されてきている具体例を取り上げ考察することとする Ⅱ 非公開情報の授受規制の適用要件 1 金商業府令 153 条 1 項 7 号は 有価証券関連業を行う金融商品取引業者 ( 証券会社 ) とその親子法人等の間の非公開情報の授受を規制するものであり 金融商品取引業者が規制対象となっているが 全ての金融商品取引業者が規制対象となるわけではなく 第一種金融商品取 (4) 本研究会における岩原教授の報告においても 利益相反行為の防止の観点から 非公開情報の授受自体を規制することについては疑問が提起されている ( 本報告書第 1 章 Ⅱ 参照 ) 20

26 引業者に限られている そして上述の親法人等 子法人等とにおける親法人等とは 当該金融商品取引業者の親会社 その親会社の子会社 ( 当該金融商品取引業者以外の子会社 ( 兄弟会社 )) および関連会社等をいうものとされており ( 金商法 31 条の4 第 5 項 金商法施行令 15 条の16 第 1 項 3 項 4 項 ) 子法人等とは当該金融商品取引業者の子会社等 関連会社等をいうとされている ( 金商法 31 条の4 第 6 項 同法施行令 15 条の16 第 2 項 3 項 4 項 ) したがって 証券会社と銀行が企業グループを形成している場合には 親銀行の子会社が得た顧客情報を親銀行の他の子会社である証券会社に移転し 利用されるような場合にも上記規制は適用されることになる さらには 親法人等および子法人等には それらの関連会社も含まれることから 非公開情報の授受規制はかなり広い範囲に及ぶことになる 2(1) 次に非公開情報の授受が規制されるのは 発行者等に関する非公開情報であることから 発行者等の意義および非公開情報の内容が問題となる 発行者等については 定義規定 ( 金商業府令 147 条 2 号 ) があり それによれば 発行者等とは 証券の発行者または顧客をいうとされており 顧客も含まれている そして顧客には 法人顧客のみならず個人顧客も含まれている (5) このように発行者等には顧客が含まれているが 顧客の範囲については 直接的な顧客のみか 間接的な顧客関係も含まれるのかは 規定からは明らかではない ただ 監督当局である金融庁の見解によれば 現に契約の相手方となっている者のみならず 契約の相手方となろうとする者や金融商品取引業者がその者のために事務を遂行している者も含む と解されている (6) したがって 証券会社またはその親子法人等が一定の者から非公開情報を取得し それを共有する場合に 当該者が証券会社との直接の契約関係がない場合であっても 契約の相手方となろうとする者も該当することから 今後証券会社の契約の相手方になることが合理的に考えて予想される者も含むと考えられ それに加えて証券会社がその者のために事務を遂行している場合には顧客として扱われることになる (2) さらに非公開情報の趣旨であるが 非公開情報とは 発行者である会社の運営 業務若しくは財産に関する公表されていない重要な情報であって顧客の投資判断 ( 金商法 2 条 8 項 11 号に規定する投資判断をいう ) に影響を及ぼすと認められるもの又は自己若しくはその親法人若しくは子法人等の役員若しくは使用人が職務上知り得た顧客の有価証券の売買その他の取引に係る注文の動向その他の特別の情報をいう ( 金商業府令 1 条 4 項 12 号 ) とされている そしてこの非公開情報に関しては 顧客の公表されていない財務 経営関連の情報や取引情報 (5) 金融庁 平成 20 年金融商品取引法等の一部改正のうちファイアーウォール規制の見直し及び利益相反管理体制の見直し及び利益相反管理体制の構築等に係る政令案 内閣府令案等に対するパブリックコメントの結果について ( 平成 21 年 1 月 20 日 )Ⅰ. 2.( その他顧客情報の取扱い等 )22 頁 (6) 金融庁 非公開情報の授受の制限に関する Q&A ( 平成 26 年 3 月 28 日 ) 21

27 については 一般的に非公開情報として取扱われるべきでもの と考えられており (7) この財務 経営関連の情報には 当然顧客の信用情報も含まれることになるし 広く解すれば 法人顧客についてはその他の属性情報なども入ることになろう このように顧客に関する非公開情報としては 当該顧客に関して公表されていない財務 経営関連の情報や取引情報が含まれるとしていることから 解釈によっては規制を受けるべき非公開情報はかなり広い範囲に及ぶことになる しかし非公開情報の範囲を広く解して非公開情報の授受に対して広く規制を及ぼすことは 前述したように 金融 証券実務における業務の展開を制約することになるし とくに前記に述べたような金融企業グループによるユニバーサル バンク化による多様な金融サービスの提供という方向と調和しないおそれもある その意味では 顧客の非公開の情報が規制を受けるべき非公開情報に当たるか否かについての判断については 規制の目的との対応関係において合理的かつ適切に判断を行うべきであろう 規制の目的たる顧客の保護との関係では 顧客の非公開情報が証券会社とその親子法人等との間で授受されることによって 当該顧客に不利益がおよぶおそれがあるかどうかが問題となるが 学説上そのような非公開情報の授受が 当該顧客に不利益を及ぼすおそれがあることについては そのことが類型的に認められるような場合でなければ 当該情報は規制対象たる非公開情報とはいえないと解すべきであるとする見解も主張されており (8) 本規制が情報の授受のみを規制するという目的との関係で傾聴に値するものといえる (3) 顧客の非公開情報が授受規制の対象となるかについては 前述のようにその授受が顧客に不利益を及ぼすおそれがあるか否かがポイントになると考えられるが この点は銀行の守秘義務における顧客情報の扱いが参考となる 銀行がその顧客の未公開の情報を第三者に移転する場合には 銀行の顧客に対する守秘義務の下で 基本的には顧客の同意が必要であると解されてきた しかし銀行の守秘義務に関する近年の有力な見解に従えば 個人顧客の場合は別として 法人顧客の同意の必要性については 情報の移転を受ける側の情報移転を受けることの必要性 正当性と自己の情報が伝達され利用されることにより顧客が受けることとなる影響 不利益とを比較衡量して判断されるべきであると考えられてきており (9) 私法上この場合に当然に顧客の同意が必要と考えられるわけではない そのような比較衡量を行うための具体的な (7) 金融庁 金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針の一部改正 ( 案 ) に対するパブリックコメントの結果等について ( 平成 21 年 1 月 30 日 )Ⅳ 3 1 4(2)12 非公開情報の範囲 (8) 松尾 前掲注 (2)426 頁 (9) 全国銀行協会 貸出債権市場における情報開示に関する研究会報告書 ( 平成 16 年 4 月 )6 頁以下 同 法人顧客に係る銀証間の情報共有のあり方に関する研究会報告書 ( 平成 20 年 4 月 )22 頁 森下哲朗 銀行の守秘義務の本質 債権譲渡を題材に 金融法務研究会 金融機関の情報利用と守秘義務をめぐる法的問題 ( 金融法務研究会報告書 (16)(2008 年 5 月 ))52 頁 22

28 検討項目として情報移転の目的 移転する情報の内容 顧客企業に及ぼす影響 情報の開示先および情報の管理体制が挙げられている (10) このように顧客の利益の保護を図る銀行の守秘義務の下でも 法人情報の移転については情報移転の必要性が大きく 移転先の情報管理体制が適切に整備されているのに対して情報移転により被る顧客の不利益がそれほど大きくない場合には 移転についての顧客の同意が不要であると解し得るとされている そこで銀行の守秘義務における情報移転に対する顧客保護の考え方を参考にしつつ 証券会社とその親子法人間の顧客情報の授受規制における顧客の非公開情報を考えるとすれば このような規制の下で規制対象となるべき非公開情報かどうかを判断する場合に考慮すべき 授受により顧客が不利益を受けるおそれとしては そのおそれが類型的に考えられ 危険性がある程度は具体的に想定し得るような場合でなければならないという前記の指摘は 制度の運用を考えるうえで妥当な見解といえよう (11) 3 上記の要件を満たす発行者等の非公開情報を証券会社とその親子法人等間において授受し共有する場合には 発行者等の書面による同意が必要であり 同意を得ていない場合には授受することが禁止される ただ法人顧客に対してオプトアウトの機会の提供が適切に行われれば書面による同意を得る必要はない もっとも個人顧客に対しては オプトアウトの機会の提供は認められておらず 書面による同意を得なければならない 法人顧客に対するオプトアウト制度については 従来制度の運用においてかなり厳格であることから 実務ではそれほど利用されてこなかったことが指摘されてきている (12) その後の監督指針の改正により運用の厳格さが若干緩和されてきてはいるが (13) 現行の運用においても法人顧客にオプトアウトの機会を提供するための適切さの確保に関しては かなり厳格に制度が運用されており (14) それほど利用しやすい制度とはいえないように思われる おそらくオプトアウトの制度が認められたことは 個別的な非公開情報の授受を行うたびに 顧客の書面による同意を取ることよりは 確かに非公開情報の授受を容易にしている面はあるが しかしオプトアウト制度の趣旨から見てオプトアウトの機会を与えることの手続きについて それほど簡易にすることは無理であり ある程度手続の厳格さは避けがたい面がある その意味では オプトアウトの制度を利用しても 金融企業グループにおける法人顧客の情報の授受がそれほど簡単に行えるわけではなく グ (10) 全国銀行協会 前掲注 (9) 貸出債権市場における情報開示に関する研究会報告書 6 頁 7 頁 (11) 本研究会の岩原教授の報告においても 顧客の守秘義務の観点からも非公開情報は極めて限られた情報に限定すべきであるとする指摘がなされている 本研究会報告 第 1 章 Ⅱ (12) 岩原紳作 本研究会報告 第 1 章 Ⅱ (13) 平成 26 年改正後の金融庁 金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 改正案 Ⅳ 3 1 4(1) 参照 (14) 金融庁 金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 Ⅳ 3 1 4(1)( 平成 27 年 9 月 ) 参照 23

29 ループによる顧客情報の授受 共有に対して一定の制約が課せられる面があることは否定できず オプトアウトの制度が 金融企業グループにおける顧客の非公開情報の授受規制を大幅に緩和する意味を持つものではない 4 なお証券会社とその親子法人等間における非公開情報の授受であっても 当該金融商品取引業者の親子法人等に金融商品仲介業に係る業務を委託し または当該親子銀行等の所属金融機関から委託を受けて金融商品取引業者が金融機関代理業を行うに際して必要となる一定の情報の授受の場合には書面による同意の必要性は除外されており ( 金商業府令 153 条 1 項 7 号ロ ニ ) そのほかさらに一定の法規制 ( 大口融資規制等 ) に従い 法令の要求に対応するために必要な情報を授受する場合 電子情報処理組織の保有管理および内部管理 運営の業務を行うために必要な情報の授受を行う等の場合についても 書面による同意の必要性は除外されている ( 金商業府令 153 条 1 項 7 号ホ ヘ ト リ ) Ⅲ 実務から提起された具体的な事例に対する検討 1 緒論証券会社とその親子法人等による顧客の非公開情報の授受と書面の同意の必要性について具体的な事例に関して検討するに際しては 銀行と証券会社からなる金融企業グループを念頭に置いて検討することにするが とくに二つのシチュエーションに分けて考えることができよう すなわち 金融商品取引業者たる証券会社がその顧客に関する非公開情報を親子法人等である銀行に移転し 共有するシチュエーションとそれとは逆に銀行がその取引先等の顧客についての非公開情報を当該銀行の親子法人等である証券会社に移転し共有する場合である 2 証券会社からの非公開情報の銀行への移転 共有証券会社が発行者等の非公開情報として顧客の非公開情報をその親子法人等である銀行に移転する場合の例としては 証券会社がその顧客関係において得た情報を銀行に提供する場合が考えられるが その場合には 証券会社が銀行に伝達する情報の内容に応じて規制対象になるかどうかが問題となる そのような事例としては まず証券会社がその顧客の資金需要の必要性についての情報を取得し これを親子関係を有する銀行に融資の機会を与えるために 親子銀行に伝える場合が考えられる ただこの場合においても 当該銀行が他の銀行に比べてかなり不利益な融資条件で融資を行うおそれは一般的には考えられるが そのような不利益を与えるということについての類型的な危険性が存在するとまでは考えにくく 金融商品取引業者としての証券会社は自己の親子銀行に顧客への融資の機会を与えるために情報を授受したに過ぎないとも考えられ このような場合にまで非公開情報の授受に関して当該顧客の書面による同 24

30 意の必要性は生じないのではないかとも考えられる これに対して顧客の信用情報の授受については問題になり得る場合が多いであろう 証券会社が証券の引受業務やその他のアドバイザリー業務を行っている顧客から得た顧客の信用情報を親子法人である銀行に提供した場合には 銀行は当然この信用情報を自己の業務に利用することが考えられる 特に 情報が信用リスクが発生していたり あるいは増加しているような場合の情報である場合には 情報の提供を受けた銀行が当該顧客に新たな融資契約を進めているような場合には契約締結をやめたり すでに行っている融資を引き上げたりする行為に結びつく可能性があり いわば利益相反が生じる可能性が高く それによる顧客に不利益が及ぶおそれはかなり具体的に考えられ そのおそれは類型的なものとして把握できよう したがって 証券会社がその顧客の信用情報を親子法人である銀行に提供するには 当該顧客の書面による同意を得るか あるいはオプトアウトの機会の提供が必要となろう 3 銀行からの証券会社への非公開情報の移転 共有の場合 (1) 金融商品取引業者との顧客関係の有無上記 2に対して 証券会社の親子法人等である銀行がその取引先等の顧客から得た非公開情報をその親子法人等である証券会社に提供する場合には 提供される情報が規制対象である非公開情報か否かはもちろん問題になるが この銀行から親子証券会社への情報の提供というシチュエーションにおいては むしろ非公開情報の取得先である銀行の取引先等の顧客と情報の提供を受けた証券親子会社との間でも顧客関係が認められるかという点がまず問題となるように思われる もちろん 情報の取得先である銀行の取引先等の顧客が同時に証券親子会社にとっても顧客関係を有する場合も十分あり得るから その場合には特に問題にならないが しかし銀行が取引先等の顧客から取得した非公開情報を親子法人等である証券会社に提供する場合に 当該銀行顧客と親子法人等である証券会社がその時点で直接の顧客関係があるとは限らないし むしろその時点では顧客関係がない場合も多いであろう そのような場合には そもそも情報の提供を受ける証券会社と非公開情報の取得先との間に契約関係があるのかどうかが問題となる ただこの場合に前述したように 顧客関係があるというためには 現に契約の相手方となっているか または今後契約の相手方になろうとする者も含むと解されていることから 当該顧客が同時に当該銀行の親子法人等の顧客でもある場合のほかに情報受領後に契約関係を結ぶことが予想される場合でも証券会社との顧客関係が存在すると解し得ることになる したがって 銀行の取引先等の顧客が当該銀行に M&Aアドバイザリー業務の委託を行うか あるいは当該銀行グループのいずれかの系列証券会社にアドバイザリー業務を委託することを依頼し 銀行がアドバイザリー業務を提携して行う系列証券会社または業務を委託する相手たる系列証券会社に当該銀行の顧客の非公開情報を提供する場合は 当該銀行に委託をした顧客と当 25

31 該銀行から情報提供を受けた親子法人等の証券会社とは契約関係に入ることが当然予想されるから 書面による同意を取るかまたはオプトアウトの機会の提供手続を行うことが必要となる (2) 移転 共有される非公開情報の中に第三者企業の情報が含まれる場合 1 次に 銀行がその取引先等の顧客から得た情報の中に当該顧客の取引先等の第三者から得た情報が含まれている場合に 当該銀行が顧客情報及び第三者の情報を親子法人等たる証券会社に移転し 共有することについては 当該銀行顧客のみならず顧客の取引先等の第三者の書面による同意が必要となるかという問題があり 従来実務において提起されてきたところである たとえば 銀行実務上では具体的な例として親会社と多数の子会社から構成される企業グループの支配会社からグループ企業の再編のためのアドバイザリー業務を銀行に委託し 銀行が親子法人等たる証券会社と提携してアドバイザリー業務を行うに際して 当該委託者たる支配会社がその傘下にある多数の子会社についての非公開情報を自己の情報とともに銀行に提供し 銀行がこれを親子法人等たる証券会社に移転し 共有する場合に 支配会社から情報移転同意書を取るだけではなく その傘下の多数の子会社からも情報移転同意書を取ることが必要となるかという疑問が提起されている そこでこの点を検討すると 上記の銀行がその顧客の有する第三者企業の非公開情報を親子法人等たる証券会社に提供するということは 銀行の顧客から得た直接の情報ではなく 顧客を通しての第三者の間接的な情報の移転ということであり 銀行にとっては伝聞 ( 間接入手 ) 情報ということになるが このような伝聞情報である間接入手情報も規制対象になるのかという点が問題とされているわけである そして従来実務においては 証券会社とその親法人等または子法人等の間で顧客の非公開情報を共有するために書面の同意が必要とされる場合の非公開情報とは 直接顧客から得た情報のみならず その顧客がさらに他の者から得た情報を提供している場合には その情報の発信者たる当該直接の顧客以外の第三者からの情報移転について当該第三者企業の同意を必要とすると解してきたようである しかし情報の授受規制が 顧客自身の直接の情報だけではなく 顧客が他から受けた情報のように情報移転を受ける側にとって間接的な情報にまで適用されるとすれば それらの伝聞情報等をグループ内の他企業へ伝達する場合には 伝聞情報の源まで遡って同意をとる必要があり 際限がなく 実際上は情報を移転し共有することを断念せざるを得ないことになろう また前記の具体的事案において 企業グループの支配企業のみならずその参加の多数の子会社からも情報移転同意書をとることが必要であると解すれば 銀行がその顧客たる企業グループの支配会社からの依頼による企業再編のアドバイザリー業務を親子法人等である証券会社と共同して行うことは 実際上困難であろう 2 従来この点に関しては 監督当局である金融庁の考え方は必ずしも明らかではなく 実務 26

32 ではそのような伝聞情報をも規制対象になるという解釈を前提としていたようである しかし金融庁は 近年この点に関する解釈を示し 証券会社がその顧客を通して間接的に入手した第三者企業の情報であっても 当該顧客が当該第三者企業の使者または代理人として当該第三者企業提供の情報をそのまま証券会社に提供しているのではなく かつ当該第三者企業が当該証券会社の顧客に該当しない場合には 規制対象にならず 証券会社とその親子法人等の間で共有することについて 情報発信者である第三者企業の書面による同意は不要としている (15) その理由としては 証券会社がその顧客から移転を受けた情報の中に顧客が第三者企業から入手した情報が含まれているとしても そのような情報は当該顧客がそのように認識している伝聞情報に過ぎず そのような伝聞情報の移転に関しては 当該第三者企業が情報を取得した証券会社とは契約関係がなく またこれからも契約関係が生じないような場合には 非公開情報を共有した証券会社とその親子法人等グループがその情報に基づいて当該第三者に不当な働き掛けを行う蓋然性は低く また銀行の優越的地位の濫用等の弊害が生ずるおそれは比較的小さいと考えられるからであるとしている (16) ただ 当該顧客が第三者企業の使者または代理人として第三者の情報をそのまま提供している場合には 当該証券会社との顧客関係に関しても 当該証券会社が今後契約の相手方となろうとする者とも考えられるから 証券会社との顧客関係が存在することになるとと考えられる したがって 非公開情報の授受に関しては このような当該第三者企業の書面による同意も必要になるとしている (17) この解釈によれば 情報授受規制の対象となる顧客の非公開情報は 原則として証券会社との顧客関係を有するかまたはいずれ契約関係の相手方になろうとする者から発信された情報に限定され その顧客が他から入手した間接的な伝聞情報については その情報の発信先まで遡って書面による同意を必要とすることにはならないとしつつ ただ規制を潜脱するような場合は実質的に判断して規制対象に含める余地を残しているものと思われる 3 上記の金融庁の解釈は 証券会社がその顧客から提供を受けた非公開情報に含まれる第三者企業の情報を親子法人等である銀行に提供する事例において示されたものであり 証券会社に情報を直接提供した者との間には通常顧客関係が存在すると考えられることから 原則としてその点については問題にする必要はなく もっぱら情報の発信元である第三者企業が証券会社に対して顧客に該当するか否かが問題とされた そして非公開情報を証券会社に直接提供した者が 第三者企業の代理人としてその情報を証券会社に提供しているような場合以外は 当 (15) 金融庁 前掲注 (6) (16) 金融庁 前掲注 (6) (17) 金融庁 前掲注 (6) 27

33 該第三者企業は証券会社の顧客には該当しないと考えられ 情報提供については書面による同意は不要となるとされたわけである しかしながら前記のように銀行がその取引先等の顧客から得た情報を親子法人等たる証券会社に移転し 共有する場合は 証券会社がその直接の顧客情報を親子法人である銀行に移転し 共有する場合と異なり 情報の発信元である銀行の顧客がそもそも当該証券会社の顧客に該当するといえるかという点がまず問題となる しかしこの点は 前記で述べたように当該銀行顧客と証券会社がすでに契約関係にある場合は別として 銀行がその顧客から情報提供を受けた趣旨および当該情報を証券会社に移転し 共有する目的に応じて判断することになろう そして情報移転の目的が顧客からの M&Aや企業再編のためのアドバイザリー業務の委託を受け これを親子法人等である証券会社と提携し あるいは共同して実行するような場合には 当該銀行に非公開情報を提供した銀行顧客は当該証券会社とは契約関係が生じることになり 当該銀行顧客は証券会社との契約の相手方になろうとする者に該当すると考えられる そこでこのように情報提供をした銀行顧客と銀行から当該非公開情報の提供を受けた証券会社との間にも顧客関係が認められる場合に さらに銀行顧客の提供した非公開情報の中に含まれている第三者企業の非公開情報につき 当該第三者企業の同意の必要性が問題となる そしてこの点については 結局当該第三者企業と当該銀行の親子法人等である証券会社との顧客関係 ( 現に契約関係があるかまたは今後契約の相手方となろうとすること ) の存在が問題となるが この場合そのような銀行の親子法人等である証券会社との間には契約関係は存在しないし 今後においても契約の相手方になろうとする者とはいえず 顧客関係が存在しないのが通常である それゆえ 原則としては 銀行が顧客情報とともに第三者企業の情報を親子法人等である証券会社に移転し 共有する場合には第三者企業の書面による同意は不要ということになろう 前記の具体例である企業再編のアドバイザリー業務を委託した企業グループの支配会社の傘下にある子会社についても同様に考えられる このことは 銀行にアドバイザリー業務を委託した取引先等の銀行顧客が有する子会社の非公開情報は 子会社を含む企業グループの内部的な非公開情報であり 支配会社が企業グループという統一企業体の機関としてこれを管理しているものとも考えられ 支配会社がグループの代表機関としてグループ内の非公開情報を外部の第三者に移転することについての個々のグループ構成企業の同意は内部的な手続に過ぎず 外部の第三者との関係で要求されるわけではないとも考えられる また 銀行と情報提供をした銀行の取引先企業との関係においても 上記のような企業再編のアドバイザリー業務の委託がなされている場合には 銀行にとっては単なる支配会社としての取引先企業のみを相手としているわけではなく 当該支配企業によって支配されている企業グループとしての企業体である企業グループを取引相手としているとも考 28

34 えられ 銀行に対するその取引先企業の委託やそれに伴う非公開情報の提供は当然企業グループ全体のために行われていると解せられる したがって このような考え方のもとでも 銀行の取引先企業の銀行に対する子会社の非公開情報の提供については グループの支配会社である当該銀行顧客の同意は子会社を含めたグループ全体による同意として構成することも可能であり さらに子会社の書面による同意までは必要ないと考えることができよう 上記の子会社の同意の必要性に関する点は 私法上の銀行の守秘義務の観点から見ても これら子会社の同意の必要性は問題にならないと考えられる すなわち 上記の事案において銀行が守秘義務を負うのは その取引先企業に対してであり 当該取引先企業の子会社に対して負うわけではない 子会社に関する情報の移転につき これら子会社の同意の必要性の問題は銀行の取引先企業が第三者たる銀行に情報を移転する場合の問題であり かつ当該取引先企業が銀行以外の企業である以上 当該取引先企業がその子会社に守秘義務を負うか否かは 銀行の守秘義務の問題ではなく むしろ企業グループにおける支配会社がその子会社の情報をグループ外に提供する場合の当該子会社の同意の必要性の有無に関する問題に過ぎないことになる (3) 貸付債権の流動化に伴う債務者情報の移転 共有 1 銀行実務において提起されている非公開情報の授受規制の適用に関する問題点としては 上記のほかに銀行がその有する貸付債権を当該銀行の親子法人等である証券会社と提携して流動化し 当該証券会社から投資家に販売するために債務者情報を移転し 共有する場合に債務者の書面による同意が必要となるかという点が提起されている 債務者の同意が必要だとすれば 銀行は貸付債権の流動化を図る場合には常に多数の債務者の同意を求めなければならず 流動化を図るうえで支障を来すことになるというのである 銀行がその貸付債権を流動化する場合に当然債権譲渡が行われることになるが 譲渡先である債権の譲受人はこの流動化のために設定されたヴィークルたる SPCということになり おそらくこの場合に 銀行と提携している証券会社は第一次的には流動化の計画や手続を策定し そのための手配を行うアレンジャーとしての役割を果たすことになると思われる そして証券会社が 単にアレンジャーにすぎないとすれば 監督当局である金融庁の解釈によれば 債権者たる銀行からその親子法人等である証券会社への債務者情報の移転に関しては 証券会社及びその親法人等または子法人等の間の非公開情報の授受規制の対象にはならないとされている すなわち同解釈によれば 銀行と債権流動化のために提携している証券会社と銀行債務者との法律関係はそもそも存在しないし 証券会社がこの債権流動化のプロジェクトにおいてアレンジャーとしての役割を果たすに過ぎないのであれば 証券会社はアレンジャーとして債権の流動化を意図する債権者たる銀行および債権の譲受人等のためにその事務を遂行するのであ 29

35 るから 債権譲渡が行われても当該債務者との契約関係が生じることは通常は考えられないという理由による (18) たしかに銀行と提携する親子法人等の証券会社の果たす役割が純然たるアレンジャーにすぎないのであれば 当該証券会社と銀行債務者との直接の法律関係は存在しないであろう ただ 実際上の実務では アレンジャーもまた SPCに関わる場合が多いし しかも上記実務において提起された事案においては 債権者銀行の親子法人等である証券会社は流動化による新たな債権 ( 例えば証券化した債権 ) を投資家に販売する役割も担っていることを考えると 当該証券会社もまたおそらく SPCを設立し 運用することにおいても密接に関わっているものと考えられる そうだとすれば 当該証券会社は SPCと結びつき あるいは SPCを通して実質的には債権の譲受人的地位をも有するともいえよう もし提携証券会社がアレンジャーとしての機能を果たすとともに上述のような債権の実質的な譲受人的地位を有するとすれば 債権者銀行が親法人等または子法人等である当該証券会社に顧客の非公開情報の移転における顧客の同意の必要性が全く問題とならないというわけではないであろう ただこのような解釈に基づき証券会社とその親法人等または子法人等における顧客の非公開情報の授受規制により顧客の保護を図るとすれば 非公開情報の授受規制の適用範囲を解釈により拡大するという批判を招きかねない そこで問題となるのは このような顧客の非公開情報の授受規制を拡大して顧客の保護を図る必要があるのかということがそもそも問題となろう そしてここで問題とされている非公開情報が 債務者の情報であるということから 債権譲渡における債務者情報を債権者が他に移転するに際して債務者を保護するために債務者の同意が情報の授受規制との関係で必要なのかどうかという点が問題になるが この点に関して 銀行の守秘義務との関係ではどのように扱われているのであろうか 2 まず銀行がその貸付債権を第三者へ譲渡する場合に 銀行の顧客に対する守秘義務上債務者についての情報を譲受人に提供するためには債務者の同意が必要なのかという点が問題となる この点については 銀行が有する債権を第三者へ譲渡する場合に 譲渡禁止特約が定められていない債権については 債権譲渡が法制度上認められている以上 譲受人が譲受債権を維持し 当該債権に関して権利行使するために必要な債務者を特定し 債務の内容を把握するための情報は 当然債権の移転に伴って債権の譲渡人から譲受人に移転することができ このような債務者情報の移転につき 改めて債務者から同意を取る必要はないということになろう (19) ただ情報の移転に関して問題となるのは 上記のような債務者自体を特定し 満期や利 (18) 金融庁 前掲注 (6) (19) 吉田正之 関根良太 金融機関の顧客情報についての守秘義務と貸付債権の譲渡 金法 1626 号 41 頁参照 30

36 息関係等の債権内容を把握し 確定するのに必要な最小限の情報の移転ではなく それ以外の債務者個人に関する情報である 特に債務者の信用状況に関する情報が問題となる この債務者の信用情報の移転に関しては 債務者が法人企業である場合とそれ以外の個人である場合とでは 問題を同一に論じることはできないであろう 法人企業以外の個人債務者の信用情報の移転 開示に関しては銀行の守秘義務という観点のみならず 個人情報保護の観点をも考慮しなければならず 法人企業の信用情報の移転 開示と同一に論ずるわけにはいかないであろう ここでは とりあえず考察の対象を法人企業債務者に限定して検討することとする 銀行がその債権を譲渡する場合に 前記で述べたように債務者の特定や債務内容等を確定 把握する上での必要不可欠な債務者情報を移転 開示することについては 債務者の同意を求める必要はないが それ以外の情報 特に信用情報の移転 開示については 債務者の同意を得なければならないかに関しては 議論のあるところであり 同意の必要性があるとすれば それにも関わらず 同意を得ないで信用情報を第三者に移転 開示した場合には 当該銀行は銀行の守秘義務に違反することとなる もっとも 銀行が債務者の信用情報を移転 開示することに関して 明示的な債務者の同意が得られてない場合であっても 債権者が債権譲渡に際して譲渡の目的や取引相手方を示すことにより あるいは債務者が債務を負担した際に認識した取引形態により 債権譲渡に際して自己の信用情報が債権譲渡に伴って移転されることが債務者に当然に予想される場合には 情報移転に関して黙示の承諾が認められると解されている (20) このように債務や債務者を特定する情報 および債権 債務の内容以外の信用情報については 債務者の黙示的な同意という構成により 特に債権者が債務者に信用情報の移転について明示的に同意を求めていない場合であっても 信用情報の移転が認められる場合が考えられ 銀行取引において銀行とその顧客企業との債権 債務関係にあっては 上記のような黙示的な信用情報の移転についての同意が認められる場合が多いのではないだろうか 以上のような黙示的な同意の存在が認められない場合には 銀行がその有する貸付債権を譲渡するに際しては 債務者の信用情報を提供することに関して 改めて債務者の同意の必要性の問題が生じることになる そして銀行の守秘義務との関係では 債権譲渡に伴う債務者の信用情報の移転に関する債務者の同意の必要性は 一律に決定することはできず 具体的な事案に応じて判断する他はない すなわち 銀行の行う債権譲渡に伴う債務者情報の伝達についての債務者の同意の必要性については 前記で述べたような銀行からその法人顧客の情報を第三者に移転する場合の関係となり 銀行とその顧客との取引関係に応じて個別具体的に判断する (20) 全国銀行協会 前掲注 (9) 貸出債権市場における情報開示に関する研究会報告書 6 頁 31

37 ことになると考えられる (21) したがって 銀行による債権譲渡に際しての債務者情報の移転についても具体的事例において同意を求める必要性の有無に関しては 結局前記のように情報移転の必要性および正当性と移転により顧客が被る影響とを総合的に衡量して決すべきことになるのである (22) この点に関しては 債権者側に顧客情報の移転が正当な目的のために必要であるという点において正当性が認められる一方 債務者側に情報移転により経済的損害を被るおそれがない場合には 債権譲渡に際して債務者の信用情報の移転に関して債務者の同意は不要になると考えられる そして前記で述べたように そのような総合的衡量を行うための具体的な検討項目として情報移転の目的 移転する情報の内容 債務者企業に及ぼす影響 情報の開示先および情報の管理体制が挙げられる (23) 以上のように見てくると 銀行が貸付債権の流動化における債権譲渡に伴う債務者の同意が必要か否かは 上記の 5つの要素を総合的に検討して判断することになろう 債権流動化について 前記の判断要素を考慮して具体的に検討すると 債権流動化という目的は 近年における金融取引において重要な意義を有する取引形態であり 目的としての正当性を有することに問題はない またこの場合に情報移転を受ける譲受人は形式上 SPCであり ただその情報を利用して 証券会社等が原債権者から譲渡された債権を小口化しあるいは証券化して売り出す等債権流動化のパッケージの仕組みを作るわけである このような債権流動化の仕組みの中では原債務者が個々に特定されることはなく また証券子会社が構築する債権流動化のパッケージの仕組みにおいて 投資家に販売する部門と他の部門とが遮断され 利益相反防止態勢が整えられていれば 個々の債務者への影響は少なく 債務者保護のために同意を問題とする必要はないのではないだろうか (24) 以上のように考えてくると 銀行が証券子会社を通して保有債権を流動化するに際しては 銀行の守秘義務との関係では債権者たる銀行からの証券会社への債務者の一定の信用情報 ( 債務者企業の一定期間の財務状況などの信用情報など ) の提供は許されるものと考えられ 銀行の守秘義務の下でも同意を求める必要はないということになる 3 前記のように 銀行が債権流動化のためにその債権譲渡を行うに際して 債務者の一定の (21) 前記 Ⅱ2(3) 参照 (22) 前記 Ⅱ2 参照 (23) 前記 Ⅱ2(3) 参照 (24) 全国銀行協会 貸出債権市場における情報開示に関する研究会報告書 ( 前掲注 (9)8 頁 ) は 銀行の貸出債権の譲渡における債務者情報の開示に関して 債権譲渡という開示の目的の正当性に加えて 開示先が一定の監督下にある金融機関等に限定され かつ開示先における情報管理体制が整えられている場合には 一定期間における債務者企業の財務状況などの信用情報の開示も許容されるとしている 32

38 信用情報を含めた情報を譲受人に移転することについて 企業債務者の同意は 銀行の守秘義務上必要はないことを考えると 非公開情報の移転に係る顧客の保護に関して それ以上に金商法上の非公開情報の授受規制による顧客保護を図ることが要請されているとは考えにくい その意味では 金商法上の一定の非公開情報の授受規制においても顧客保護の観点からは同様に書面による同意を得ることは必ずしも必要はないと考え得るのではないだろうか ただ同規制の立法目的との関係において 非公開情報の授受が証券会社による利益相反行為の危険性や銀行の優越的地位の濫用に結びつくおそれの有無が問題となるが この点も債権流動化のために債務者の非公開情報を得た証券会社がその立場上利益相反行為を行う危険性は低く また銀行の優越的地位の濫用の危険性にも結びつくようには思われない このように考えてくると 債権流動化において 銀行が貸付債権の債務者に関する非公開情報を親法人等又は子法人等に当たる証券会社に移転することについては 銀行の守秘義務の観点から見ても また金商法上の金融商品取引業者の親法人等または子法人等との間の非公開情報の授受規制の観点から見ても 法人顧客に不利益を与える危険性は低く その点から情報移転についての書面による同意まで要求する理由に乏しい 以上のように考察してくると 前記実務から提起された事案における銀行の債権流動化において当該銀行がその親法人等または子法人等の証券会社に貸付銀行の債務者に関する非公開情報を提供し 共有することについては 個々の債務者の書面による同意は必要ないということになる 33

39 第 4 章 アメリカにおける銀行業務と証券業務の利益相反問題 証券化商品の組成 販売を題材として 加藤貴仁 Ⅰ はじめに 本稿は アメリカにおいて 金融機関が銀行業務と証券業務を共に営むことによって生じる利益相反問題を概観することを目的とする 本稿では 銀行業務とは預金の受け入れと貸付を業として行うことを指し 証券業務とは証券発行の引受けや自己勘定による証券取引などを業として行うことを指すものとする (1) 伝統的に銀行業務と証券業務の利益相反問題といえば その典型例として 銀行業務と証券業務の双方を営む金融機関が 銀行業務の顧客の財務状況が悪化し融資を返済することが困難である場合に 有価証券の発行によって資金を調達させ その資金を融資の返済にあてさせることが挙げられてきたように思われる ( 神田 [2010]78-79 頁 ) この例において 金融機関は 銀行業務の顧客が発行する有価証券の引受人となり その有価証券を投資家に販売する 証券業務しか行っていない金融機関であれば このような財務状況が著しく悪化した会社が発行する有価証券の引受人となることを躊躇する可能性があるのではなかろうか このような有価証券を取得してくれる投資家の範囲は限られるであろうし 資金調達を成功させるために積極的な販売勧誘活動が必要だからである これに対して 銀行業務と証券業務の双方を営む金融機関は 引受人となるか否かを判断する際に 証券業務として利益を挙げることができるか否かだけではなく 銀行業務に対して利益をもたらすか否かも考慮するはずである その結果 証券業務しか行わない金融機関であれば引き受けないような有価証券の発行を引き受ける可能性が生じることになる そして このような金融機関は 引き受けた有価証券を投資家に販売することによって銀行業務においても利益を得ることができるので 投資家に対して不適切な勧誘活動を行う可能性が高まるように思われる (1) アメリカにおいて本注の本文で定義した銀行業務を行う金融機関は商業銀行 証券業務を行う金融機関は投資銀行と呼ばれるが 本稿では我が国で一般的に用いられている用語法に合わせて 商業銀行に相当する金融機関を単に銀行 投資銀行に相当する金融機関を証券会社と呼ぶことにする 34

40 ある金融機関が銀行業務と証券業務の双方を営むことは 多様な金融サービスの提供などが可能になることによって 顧客に利益をもたらす可能性がある しかし 銀行業務と証券業務には利害対立があるため 先に述べたような事例では証券業務の顧客が損害を被る可能性がある このような利益相反はある金融機関が複数の業務を営むことによって発生する問題であるから その対処策として 金融機関が営むことができる業務を制限することが考えられる しかし その結果 金融機関が多様な金融サービスを提供することが困難になる 利益相反問題への対処は 金融サービスの発展と顧客保護の調和を達成するための必要条件である 金融機関が抱える利益相反問題の中でも 銀行業務と証券業務の利益相反は古くから存在する問題である しかし 2008 年のリーマン ブラザーズの破綻を契機として深刻化した金融危機 ( 以下 単に 金融危機 という ) は この問題が未解決であったことだけではなく 証券化やデリバティブ取引など金融技術の発展によって問題がさらに複雑化したことを示唆している そこで本稿では 金融危機後に明らかになった銀行業務と証券業務の利益相反に関連する問題とドッド フランク法 (The Dodd Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act) による対応を題材として アメリカにおいて 金融機関が銀行業務と証券業務を共に営むことなど複数の業務を営むことによって生じる利益相反問題を概観する Ⅱでは 金融危機後に明らかになった銀行業務と証券業務の利益相反に関連する問題を理解するための前提として ドッド フランク法の制定以前の規制の状況を 本稿の分析と関連する範囲で概観する Ⅲでは 銀行業務と証券業務を共に営むことが認められることを受けて 主に大規模金融機関が採用するようになった OTD(originate-to-distribute) 戦略を概観する 大規模金融機関が OTD 戦略を採用したことは 銀行業務と証券業務の利益相反に関連する新たな問題を生み出したからである Ⅳでは ある金融機関が金融商品の組成 販売を共に行うことによって生じる利益相反問題に焦点を絞って検討を行う この問題は 証券化取引やデリバティブ取引など金融技術の発展によって 銀行業務と証券業務を共に行う金融機関と顧客の利害関係が複雑化したことを示すからである また この問題は ドッド フランク法によって新たな規制の対象となっており 金融商品の組成 販売を共に行う金融機関の法的地位を分析するために格好の材料を提供してくれるからである Ⅴでは それまでの議論をまとめたうえで 我が国への示唆を述べる Ⅱ 金融危機以前の規制の概観 年グラス スティーガル法 (Glass-Steagall Act) と1999 年グラム リーチ ブ ライリー法 (Gramm-Leach-Bliley Act) アメリカにおける金融危機以前の銀行業務と証券業務の利益相反問題に関する規制を概観す 35

41 るため 1933 年グラス スティーガル法 (Glass-Steagall Act) と1999 年グラム リーチ ブライリー法 (Gramm-Leach-Bliley Act) の概要を確認しておこう (2) 1933 年グラス スティーガル法は 銀行業務と証券業務の分離という点で 以下の 4つの規制を設けたと言われている (3) 1 一定の例外を除いて銀行の証券業務は禁止される ( 銀行法 16 条 ) (4) 2 銀行の関連会社が証券の引受け等の一定の証券業務を 主として行う ことは禁止される ( 銀行法 20 条 ) 3 証券会社による銀行業務は制限される ( 銀行法 21 条 ) 4 銀行と証券の引受け等の一定の証券業務を 主として行う 会社との間での役職員の兼任は禁止される ( 銀行法 32 条 ) これに対して1999 年グラム リーチ ブライリー法 101 条は 1933 年グラス スティーガル法の2と4 を廃止した 1999 年グラム リーチ ブライリー法が制定された理由とは 簡単に述べれば 証券業務を行う投資銀行や いわゆる shadow banking との激しい競争にさらされた ( 商業 ) 銀行が証券業務への参入を求めたこと 証券化とデリバティブ取引など新たな金融技術が発展したことである (Merkley & Levin[2011]at 518) 1と3に関する規制は 現在も残っている (Merkley & Levin[2011]at 519 note29 ; Manafsi[2013]at 185 note10) なお 1999 年グラム リーチ ブライリー法以降 銀行が証券業務を行う場合には 1934 年証券取引所法に基づき 一定の例外を除き ブローカー又はディーラーとして登録を受ける必要がある 登録が必要とされるのは 銀行が証券業務を行う場合についても 銀行以外の者 ( 証券会社 ) が証券業務を行う場合と同等の投資者保護が確保されるべきである からである ( 神田 [2010] (2) 以下の記述は神田 [2010]80-81 頁に基づく (3) 1933 年グラス スティーガル法は 1929 年の株式市場の暴落とその後の大恐慌への対応策の 1 つとして制定された しかし その立法過程において 銀行業務と証券業務を分離する目的が広く共有されていたわけでもないようである (Markham[2010]at ) たとえば 銀行業務と証券業務を分離する目的としては 当時 銀行業務と証券業務を共に営む金融機関が預金によって調達した資金をリスクが高く複雑な金融取引に投資したため これらの金融取引のリスクが顕在化し損失を被った金融機関が預金やその他の債務に対する支払いを行うことができなくなったことが金融システムを崩壊させた主たる原因であることを挙げる見解もある (Merkley & Levin[2011]at 517) これに対して 1929 年の株式市場の暴落後に行われたアメリカ連邦議会上院による調査では 金融機関が銀行業務と証券業務の双方を営むことが金融システム全体に与える影響 ( systemic risk ) ではなく 利益相反が主たる調査対象とされたと指摘する見解がある (Manafsi[2013]at ) これらの見解は ある金融機関が銀行業務と証券業務を共に行うことによって生じる問題は利益相反に限らないことを示唆しているが 本稿は紙幅の都合上 利益相反に焦点を絞って検討を行う (4) ただし 政府債の引受け等の業務と顧客の指示による証券のブローカー業務等は認められる 36

42 80 頁 ) (5) また 1999 年グラム リーチ ブライリー法は 金融持株会社 (Financial holding company. FHC) 制度を導入した FHCは 一定の場合には 伝統的に認められてきた付随業務や法定他業に加えて 金融の性質を有する (financial in nature) 業務を行うことができる ( 神田 [2010] 頁 ) 金融の性質を有する業務として 同法による改正後の銀行持株会社法 4 条 k 項 4 号は以下の9 項目の業務 (K4 業務 ) を挙げている ( 神田 [2010]81 82 頁 ) (6) 1 他者のための貸付け 投資等または金銭 証券の保護預かり 2 一定の保険業務 3 証券投資等に関する助言業務 4 銀行が保有できる資産を原資産とする金融商品の発行ないし販売 5 証券の引受けやディーリング等 6 国外で行うことが認められている業務のうちで一定のものを国内で行うこと 7いわゆるマーチャントバンキング業務 8 保険子会社によるポートフォリオ運用 年 11 月 12 日の時点で銀行持株会社に認められていた業務このように 1999 年グラム リーチ ブライリー法によって 銀行は FHCとなることで 証券業と保険業を共に行うことが可能となった (Wilmarth[2002] & ; Wilmarth (2009)at 973 ; Scott et al.[2009]at & ) 1999 年グラム リーチ ブライリー法が制定される時点では 既に 監督官庁による度重なる権限行使を通じて 1933 年グラス スティーガル法に基づく銀行業務と証券業務の分離は無意味になっていたと主張する見解もある (Markham [2010] at ) しかし FHCが導入されたことによって 制度として ユニバーサルバンキングが認められることになったといえるように思われる 2 金融危機後に明らかになった利益相反問題 (5) 登録が不要とされる証券業務は 以下の通りである 1 信認関連業務 ;21933 年証券法上の適用除外証券 コマーシャルペーパーその他一定の証券の取扱い ;3 預金口座等の取扱い 一定のスワップ取引など一定の銀行商品の取扱い ;4 一定の条件のもとで当該銀行の店舗の内外で第三者であるブローカーが証券を販売することとする取決め :5 従業員持株計画等を実施するための証券取引 ;6 関連会社のための取引 ;7 いわゆる no-load MMF への sweep account の取扱い ;8 一定の私募証券取引 ;9 一定の証券保護預かり 保管業務 ;10 地方政府債のブローカー業務 ;11 少量免除 ( 年間 500 取引まで ); 12 適格投資家に対する一定の資産担保証券の引受けおよび販売 (6) K4 業務の他に FRB の規則により FHC は以下の 3 つの項目を行うことができる (1999 年グラム リーチ ブライリー法による改正後の銀行持株会社法 4 条 k 項 5 号 ) 1 貸付け 信託その他の業務 ;2 金銭または他の金融商品の移動 ( 為替業務等に相当 );3 第三者のための金融商品の移動の仲介等の業務 37

43 金融機関が抱える利益相反問題の典型例として ユニバーサルバンキング制度 (1つの金融機関が銀行業務と証券業務とを併営することを認める制度 ) を採用する国において 銀行が顧客に貸付けをしており 顧客の信用状態が悪化したことを知ったため 顧客に社債を発行させ自らがその社債を引き受けて一般の投資者に販売した後に 社債への出資金を貸付金の回収にあてる ことが挙げられている ( 神田 [2010]78-79 頁 ) これに対して 金融危機は ユニバーサルバンキングが抱える新たな利益相反問題の存在を浮き彫りにしたように思われる 金融危機を受けて制定されたドッド フランク法では このような利益相反問題への対処を目的とする規定がいくつか存在する (Merkley & Levin[2011] at & 539) このような利益相反問題は 主に OTD(originate-to-distribute) 戦略と証券化商品の組成 販売に関して生じたように思われる 以下では 順に検討する Ⅲ OTD 戦略 OTD 戦略とは 金融危機の直前までユニバーサルバンキングである大規模金融機関が採用していた戦略であり 以下の金融取引の全部を単一の金融グループが行うことを指す (Wilmarth [2009]at 969) 1 消費者や会社に対する融資若しくは第 3 者からの融資債権の取得 (7) 2 1の融資を ABS(asset-backed securities) 又はCDO(collateralized debt obligation) に証券化する 3 2の金融商品の原資産である 1の融資の価値と連動する CDS(credit default swap) や Synthetic CDOなどの金融商品を追加的に組成する 4 2と3の金融商品を投資家に販売する OTD 戦略は 図表 1 のように示される (7) OTD 戦略は いわゆるサブプライムローンだけではなく クレジットカードローンや企業に対する融資 LBO 融資においても利用されていたと言われている (Wilmarth[2009]at 971) 38

44 図表 1 Originate to distribute (OTD) strategy Financial Holding Company (FCH) Investors 2 ABSs 1 3 CDOs 3 CDSs 3 問題 1 の融資をする際に FCH は Debtors の信用力を適切に評価しなくなる Debtors Synthetic CDOs ABS CDO CDS Synthetic CDOの関係の概要は以下の通りである (Wilmarth[2009]; Schuur[2015]at ; O Hare[2014]at ) FCHは 1の融資債権を SPV(special purpose vehicle) に移し SPVは1 の融資債権に対する支払いを裏付けとする ABSを発行し 投資家に販売する ABSは 支払いの優先順位に基づき 複数の区分 (tranche) に分割される 1の融資債権に対する支払いの一部が滞っても SPVが優先順位の高い ABSへ支払いを行うことができるように区分の分割が行われる 次に FCHは ABSの中で投資家に販売することができなかったものを別の SPVに移し これらの ABSに対する支払いを裏付けとして SPVにCDOを発行させる CDOも ABSと同じく 支払順位に基づき複数の区分に分割される さらに FCHは 1の融資債権やABS CDOを参照資産として 第三者とCDSを行う FCHは CDSの買い手 (short position) になることによって 一定額を定期的に支払う代わりに CDSの売り手 (long position) に立つ者から 1の融資債権の債務者 ABSやCDO のSPVからの支払いが滞った際に 1の融資債権や ABS CDOの価値下落分に相当する額の支払いを受けることができるようになる (8) CDSの買い手と売り手のどちらが支払義務を負うかは 1の融資債権などの価値によって決まるので これらの資産は参照資産と呼ばれるのである Synthetic CDOとは SPVがCDSの売り手になることによって買い手から定期的に得ること (8) 実質的には CDS の買い手は 売り手から 1 の融資債権などの支払いが滞ったことによって被る損害を対象とする保険を購入していることになる そのため CDS の買い手は CDS の売り手からプロテクションを購入すると表現されることもある CDS の買い手は 1 の融資債権などの支払いが滞ることによって利益を得るので 1 の融資債権などについて short position に立ち CDS の売り手は 1 の融資債権などが予定通りに支払われることによって利益を得るので 1 の融資債権などについて long position に立つ 39

45 ができる支払いを裏付けとして発行する債券のことをいう (9) Synthetic CDOへの投資者は 実質的には SPVが第三者と行う CDSのlong positionに立つ SPVは CDSの参照資産の価値が下落した場合 CDSの買い手に対して 参照資産の下落分に相当する額を支払う義務を負う SPVは CDSの買い手に対する義務の履行の担保とするために Synthetic CDOを発行して調達した金銭を格付けの高い証券に投資する (Davidoff et al.[2012]at 536 ; Bratton & Levitin [2013]at 851) Synthetic CDOについても ABSやCDO と同じく 支払いの優先順位に基づく区分が存在する OTD 戦略のメリットは 手数料収入を最大化しつつ 同時に自己資本比率規制を遵守するために必要な資本の積み上げを回避できることにある 金融機関は OTD 戦略において 1~3 に関するリスクを全て投資家に移転することができるからである (Wilmarth[2009]at 969 & ) しかし 1のリスクを投資家に移転することができれば 金融機関が融資をするか否かを判断する際に 1の融資の債務者が融資を返済することができるか否かを検討するインセンティブが減少することになる その結果 信用力の乏しい者に多額の融資がなされる事態が発生した (Wilmarth[2009]at , 1037 & 1041) (10) 1の融資債権の債務者の信用力に問題があれば 1の融資債権に基づき組成される ABS CDO Synthetic CDOに対する支払いが滞る可能性が高くなるから これらの商品に投資してくれる投資家を探すことは困難になるはずである しかし 先に述べたようにこれらの商品には支払順位に基づく区分が存在し 金融機関は投資家に販売する区分のほとんどについて高い格付けを取得することができた (Schwarcz[2008]at 378) 投資家は 1の融資債権がサブプライムローンなど信用力に問題のある債務者に対するものであっても 高い格付けを信頼して ABS CDO Synthetic CDO (9) Synthetic と呼称されるのは ABS や CDO の場合と異なり SPV が 発行する債券への支払原資となる融資債権やその他の債券を保有しないからである (Davidoff et al.[2012]at 530 note 3 ; Davidoff & Hill[2013]at 611 ; Schuur[2015]at 569) 金融機関が Synthetic CDO を組成するために ABS や CDO を調達する必要が無いことは ある参照資産について複数の Synthetic CDO を組成することができることを意味する 言い方を変えれば 1 の融資債権や ABS を増やすことが困難な状況でも Synthetic CDO を組成し続けることができるのである しかし その結果 参照資産の価値が下落することによって生じる損失の規模が著しく拡大することになる たとえば 融資債権 X を参照資産とする CDS が 3 本組成され それぞれ別の Synthetic CDO を構成することとされたとする この場合 X に対する支払いが滞れば 3 本の Synthetic CDO の価値が同時に下落することになる そのため Synthetic CDO は 金融危機を深刻化させた原因の 1 つとして強い批判に晒されている (O Hare[2014] at , ) (10) 金融機関が信用力の乏しい者に多額に融資を行う事態が発生したその他の原因として 国法銀行が住宅ローンやクレジットカードローンを行う場合には 州法の高利貸し規制など消費者保護法は適用されないことも挙げられている 国法銀行が行うこれらの行為は連邦法による規制に服するが 規制の内容は州法の規制に代替できるほど十分ではなく この点を批判する見解もある (Wilmarth [2009]at & 1036) 40

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