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あおいささおか
5 years ago
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3 第 1 部一発合格の真髄 ( 座談会 )

4 -2-

5 (Memo) -3-

7 第 2 部オートマ過去問の使い方担当 : 西垣哲也

8 1 趣旨いつの時代も司法書士試験の合格には過去問の攻略は欠かせませんとはいえただ漫然と過去問を解くだけではちょっともったいないですみなさんは普段どのように過去問と向き合っているでしょうか? 過去問とテキスト条文を効率よく往復することが何より大事ですそこで本セミナーではオートマ過去問を題材に過去問の取り組み方条文のどこに気をつけて読むとよいのかということを解説していきますこれを機会に過去問を通じたメリハリのある学習を目指していって欲しいと思いますこれから司法書士試験の受験を目指す方にとっては今後の学習の指針にまた直前期を控えている方はこれまでの過去問の取り組み方を見直してみて改めて過去問の重要性を感じ取っていただければと思います (Memo) 本セミナーの趣旨以下いくつかのテーマを示した上でそれに関連する過去問をピックアップしながら本試験の出題傾向や過去問を解くときの視点を分析していきます問の中身の細かい解説はオートマ過去問集をご参照ください -6-

9 2 頻出問題本試験には頻出問題が存在しますよく出る問題は落とせませんこういうものは何が何でも正解できるようにテキストと条文をフル活用して問われている知識をしっかり理解することを目指しましょう例 1 オートマ過去問民法 1より問 31 Aは B 所有の甲不動産を買い受けたがその所有権の移転の登記がされない間に甲不動産がBからCに譲渡されて所有権の移転の登記がされさらにCから Dに譲渡され Dが所有権の移転の登記をしたこの場合において Cが背信的悪意者に当たるときでも Dは Aとの関係でD 自身が背信的悪意者と評価されない限り甲不動産の所有権の取得をAに対抗することができる ( 平 24-7-ウ平 28-7-イ平 17-8-ウ平イ ) 正解 ( コメント ) これは司法書士試験の受験生にはお馴染みの背信的悪意者からの転得者に関する判例を題材とした問題です ( 最判平 ) Sランクの知識です出題実績からわかるように初出は平成 16 年でその翌年にも続けて出ています司法書士試験の中で 2 年連続同じテーマから出ることはなかなか珍しくそういうものは今後も要注意の知識です事実その後も平成 24 年 28 年と出ていることからもわかるでしょう -7-

10 例 2 オートマ過去問不動産登記法 1より問 50 破産管財人が破産財団に属する不動産を任意売却する場合において所有権の移転の登記を申請するときは申請人は所有権の登記名義人に通知された登記識別情報を提供しなければならない ( 平エ平イ平 7-25-オ昭昭 ) 正解 ( コメント ) これも不動産登記法では定番の問題何故こういう結論になっているのか頻出問題についてはこの点をとにかく理解してどんな形で聞かれても解けるようにします頻出 = 今後も重要ですという試験委員からのメッセージといえますオートマ過去問では問題の末尾に出題の実績を上記のとおり示しておりますまた実際の書籍の解説には頻出アイコンを入れてありますこれによってどれが頻出問題であるかが一目でわかりますたとえば時間のないときにはここを目安にして重要な知識は頭に入っているかなとピンポイントに確認すると効率のよい復習ができると思います普段仕事をしていて勉強時間が限られている人には特にオススメです重要度の高い問題から潰すというのも一つの有効な戦略です -8-

11 3 事例化問題司法書士試験の傾向として以前に聞いた問題を具体的な事例に置き換えて出題することがあります例 1 オートマ過去問民法 1より問 1 代理人が本人のためにすることを示さないで意思表示をした場合であっても相手方がその本人のためにすることを知っていたときにはその意思表示は直接本人に対して効力を生ずる ( 平昭 60-20) 問 2 Bの代理人 Aは Bのためにすることを示さずに CからC 所有のマンションを購入する旨の契約を締結した (A B 及びCはいずれも商人ではない ) この場合当該契約をAがBのために締結することを契約当時 Cが知っていたときは Bは当該マンションの所有権を取得することができる ( 平 18-4-ウ ) 正解問 1 問 2 ( コメント ) 同じ知識を繰り返し問う場合でも過去に条文どおりに出題したものを今回は具体的な事例に置き換えて出題するというパターンは多いですその逆も然りですこの場合しっかり理解すべきはどちらでしょうか? そう問 1の方ですこれが解答の根拠となる部分だからです ( 民法 100 条 ) この根拠の部分がきちんと理解できていれば具体的な事例で聞かれても対応できます具体的な事例はいくらでも変えられますがそのベースとなる条文は変えられません問 2 を読みながらその瞬間に民法 100 条の顕名の問題だとわかりその条文がきちんと頭に入っていればOKです繰り返しの復習は不要です自信をもってくださいオートマ過去問ではこのようにセットで理解すると効率がよいものをセット問題としてどれをセットで勉強すればよいかを一目でわかりやすく示しています -9-

12 例 2 オートマ過去問民法 1 問 24 所有の意思をもって平穏かつ公然に他人の物を占有した者は占有の開始の時に自分に所有権があると過失なく信じていた場合にはたとえその後に自分に所有権がないことを知ったとしても 10 年間占有を継続すればその物を時効取得する ( 平 9-11-イ ) 問 25 AがB 所有の甲土地を所有者と称するCから買い受けこれにより甲土地が自己の所有となったものと誤信しかつそう信じたことに過失なく8 年間占有した後に甲土地がB 所有の土地であることに気付いた場合その2 年間甲土地を占有したときであっても Aは甲土地の所有権を取得しない ( 平 21-7-ウ ) 正解問 24 問 25 ( コメント ) 上が判例の知識をそのまま問う形下の問 25がこれを事例化した問題問 24の知識がきちんと理解できていればこれを具体化した問 25はすぐに解けることを実感しましょうオートマ過去問は肢別をメインとした過去問集です肢別をメインとしたのはこのような過去問と過去問の横のつながりを細かく整理することができるからですオートマ過去問はこの横のつながりを理解しながら学習できる過去問集です -10-

13 4 視点を変えた問題例オートマ過去問民法 1 問 7 Aはその所有土地をBに賃貸し Bはその土地上に登記した建物を所有していた後日 Aはその土地をCに売却した Cは所有権移転登記がなくても Bに賃料を請求することができる ( 平 8-9-ア改平エ ) 問 8 Aが自己所有の甲建物をBに賃貸して引き渡した場合において Aが甲建物を Cに譲渡したがまだCが甲建物について所有権の移転の登記をしていないときは Bは Aに対して賃料を支払わなければならない ( 平ア ) 正解問 7 問 8 ( コメント ) これは賃貸人の地位の移転に関する過去問です問 7は新賃貸人が賃料を請求するためには登記を要するという必須の知識からの出題です ( 最判昭 ) 一方問 8は問 7と同じ知識を今度は賃借人側の視点から見た出題に変形したものですそもそも問 7 で登記を要するとした趣旨は賃料の二重払いの危険から賃借人を保護することにありますそうであれば賃借人の側で賃料の支払先がハッキリしているときは新賃貸人に登記がなくてもそちらに支払ってもかまわないことになりますこのようにどちらの視点に立つかによって結論が異なるものについてはその趣旨をよく理解することが大切ですこの類いの問題は実際の書籍では比較問題としてビジュアル的にわかりやすく示してあります相互に比較しながら知識の理解に役立ててください -11-

14 5 過去問と条文の急所過去問から見る条文の急所をつかみましょうまずはこの条文です例 1 民法 125 条 ( 法定追認 ) 前条の規定により追認をすることができる時以後に取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは追認をしたものとみなすただし異議をとどめたときはこの限りでない 1 全部又は一部の履行 ( 以下省略 ) オートマ過去問民法 1より問 17 Aの詐欺により BがAから旧式の乗用車を高額で買い受けた場合において Bが詐欺であることに気付かないままその自動車を他人に譲渡したときは追認をしたものとみなされる ( 平 4-7-エ ) 問 18 未成年者 Aが A 所有のパソコン甲を唯一の親権者 Bの同意なく成年者 Cに売る契約 ( 以下本件売買契約という ) を締結した Aが成年に達する前に本件売買契約の代金債権を第三者に譲渡した場合には本件売買契約及び代金債権の譲渡につきBの同意がなくかつ追認がなかったときでも Aは本件売買契約を取り消すことができない ( 平 23-4-ウ ) 正解問 17 問 18 ( コメント ) 条文のゴシック体の部分がまさに民法 125 条の急所ですそして下の問 17 18を見るといずれもその急所の部分が聞かれていることがわかります条文には急所が存在しますただ漫然と条文を読んでいるだけになっていませんか? では次の条文の急所はどこでしょう? -12-

15 例 2 民法 184 条 ( 指図による占有移転 ) 代理人によって占有をする場合において本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じその第三者がこれを承諾したときはその第三者は占有権を取得するこの条文の急所は誰が承諾をするかというところです占有権を取得する第三者 ( 契約の相手方 ) が承諾することを要しますオートマ過去問民法 1より問 11 Aが所有する動産 ( 以下甲 ) をBに賃貸している場合において Aが甲をC に譲渡したこの場合において Cが指図による占有移転により甲の引渡しを受けるためには AがBに対して以後 Cのためにその物を占有することを命じ C がこれを承諾することが必要である ( 平 23-8-ウ ) 問 13 Aは Bが所有しCに寄託している動産甲をBから買い受け自らCに対し以後 Aのために動産甲を占有することを命じ Cがこれを承諾したこの場合には Bの動産甲の占有権は Aに移転する ( 平 28-9-イ ) 正解問 11 問 13 ( コメント ) 問 11は正解の肢の問題まずはきちんとこれが条文の定める要件どおりで正しいということを確認します次に問 13は誤りの問題本問は命じる人間も条文とは違うことを聞いています命じるのは売主です売主が命じて買主が承諾するというのが条文の要件でありこれが急所の肢にして聞いてくるときはやはり急所を突いてくるということを読み取りましょうこれがこの条文の大事なところなんだよという出題者のメッセージです -13-

16 例 3 民法 196 条 ( 占有者による費用の償還請求 ) 1 ( 省略 ) 2 占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費についてはその価格の増加が現存する場合に限り回復者の選択に従いその支出した金額又は増加額を償還させることができるただし悪意の占有者に対しては裁判所は回復者の請求によりその償還について相当の期限を許与することができるこれも出題実績の高い条文ですポイントは占有者はの部分と悪意の占有者の部分ですこれがこの条文の急所です (Memo) 補足占有者には善意の占有者と悪意の占有者の区別がありますこの区別に関しては占有権で学びます既に学習済みの方はこの機会に占有で出てきた用語を整理しておくといいでしょう -14-

17 オートマ過去問民法 1より問 26 悪意の占有者は占有物を返還する場合に有益費の償還を請求することができない ( 平 1-6-3) 問 27 占有者がその占有物について有益費を支出したときは善意の占有者は占有の回復者に対しその償還を請求することができるが悪意の占有者は占有の回復者に対しその償還を請求することができない ( 平 27-9-ウ ) 正解問 26 問 27 ( コメント ) 民法 196 条 2 項の本文は占有者と規定しその善意悪意を区別していませんそのため有益費の償還請求は善意の占有者はもちろんのこと悪意の占有者も請求できますこの急所を聞いているなということをこの問題を通じて確認するとともに出題年度にも注目してみてください平成元年に聞かれたことが少し枝葉を付けて平成 27 年に聞かれています急所の部分はいつの時代も不変です急所をつかめば条文やテキストを読む時のメリハリが出るしまた過去問を演習することでどこが急所の部分であるかを掴むことができます敵を知ることで戦略が見えてくるのです過去問はただ漫然と解くのではなく学習の急所をつかむために戦略的に使いこなしていくことが大切です -15-

18 例 4 民法第 199 条 ( 占有保全の訴え ) 占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは占有保全の訴えによりその妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができるここの急所は又はです及びではありませんオートマ過去問民法 1より問 35 Aの宅地の隣接地に堆積されていた大量の土砂が長雨のため Aの宅地に流入しそうになった Aは当該隣接地の所有者であるBに対し土砂がAの宅地に流入しないようにするための設備を設置することを請求するとともに損害賠償の担保を請求することができる ( 平 15-9-イ ) 問 36 占有者はその占有を第三者に妨害されるおそれがあるときはその第三者に故意又は過失があるか否かにかかわらずその第三者に対し占有保全の訴えによりその妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる ( 平 27-9-ア ) 正解問 35 問 36 ( コメント ) 問 35が誤りの問題問 36が正しい問題いずれも急所部分を突いてきています問 36にもあるとおりこの場面では故意や過失の有無も大事ではありますが条文を読むときのポイントや問題文のどこを見たら正誤が判断しやすいかは掴めるでしょう -16-

19 例 5 民法第 389 条 ( 抵当地の上の建物の競売 ) 1 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは抵当権者は土地とともにその建物を競売することができるただしその優先権は土地の代価についてのみ行使することができるこれで最後です例オートマ過去問民法 1より問 64 土地所有者が更地に抵当権を設定してその土地の上に建物を築造した場合には抵当権者は建物の築造を承諾していたか否かにかかわらず土地とともに建物を競売することができる ( 平 4-19-ア ) 問 65 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造された場合において抵当権者が抵当権の実行としての競売を申し立てるときは抵当権者は土地と共にその建物の競売を申し立てなければならない ( 平ア ) 正解問 64 問 65 ( コメント ) 司法書士試験ではできるとなっているものをしなければならないとして聞くことも多いです先ほどの又はと及びもそうです条文をただ漫然と読んでいるだけではこのあたりの部分は曖昧となりやすいです普段条文を漫然と読んでいるだけにはなっていませんか? -17-

20 6 まとめ以上過去問の出題形式を探ることにより普段の勉強とどう向き合っていったらよいのかということをお話ししてきました過去問を解くにしてもテキストや条文を読むにしてもただ漫然とやるだけではいけません講義を受けるときもそうですただ3 時間受けるだけではもったいないです覚えるべき点はどこだろう自分がわからない点はどこだろうということを探るためのアンテナを張っておいて欲しいと思いますまた過去問はそのすべてを解く必要も決してありません自分が理解できていない肢を何回も繰り返すことが大事ですきちんと理由や根拠がいえてを判断できた肢はそう何度も繰り返す必要はありません間違えた肢や結果的に正解できただけの曖昧な知識をピックアップしてそれを短期間で繰り返すことが効率のよい復習となります今日勉強して曖昧なところをあぶり出してそこを復習するそしたら次の日またその部分だけを復習してからその日の学習に進むたまに過去問を頭から最後までひととおり学習してまた頭に戻ってきたときにはまた同じところで間違えるという方がいます中には今の流れをもって過去問 1 周と表現する方もいますがこれは効率がいいといえるでしょうか問題を解いていくとそこには理解できている問題とそうでない問題があるはずです理解できていない曖昧なところは 1 度の復習だけで理解できるとは限りませんそれを次に復習するのが1か月や2か月後であればまた同じ間違いの繰り返しとなります同じところでつまずいてしまうときは必ず何かしら原因があります復習の間隔が長かったりただ漫然と問題を解いていただけであったり本セミナーを通じてこれまでの勉強の進め方を見直してみてメリハリのある学習というものをよく意識していただければと思います -18-

21 (Memo) -19-

23 第 3 部本当にできるの? 独立開業自営業という生き方担当 : 栗原庸介

24 1 自己紹介 1977( 昭和 52) 年生まれ平成 25 年度合格理学部出身合格まで法律系業務の勤務経験なし仕事や育児と両立しながら合格 2 回は独学で不合格 3 回目は山本先生のおかげで上位合格 2 司法書士を志した理由サラリーマンに向いてない資格で生きていきたい他士業との比較試験の難度業務内容独立可能性自分の興味関心や適性 ( 収入?) 3 司法書士の魅力 ( 司法書士になってみて感じたこと ) 36 歳 ( 当時 ) でもラクラク就職待遇面と独立可能性業務内容の幅広さ人助け魅力的な多くの同期仲間と出会える 4 多彩な司法書士業務 ( 東京司法書士会 HPより ) 不動産登記商業登記企業法務成年後見債務整理裁判業務 -22-

25 (Memo) -23-

26 5 私の経験 ( 各種法律相談等での体験より守秘義務の範囲内で ) 将来もめないように遺言したい寝たきりのおじいさんの話( 配属研修 ) 借金苦によって父が自殺してしまった若い女性の話浮気した妻と別れたいという若い男性の話父が子の名義で勝手に借金をしていた話アルバイト代が支払われない大学生の話ペットに遺産を相続させたいおばあさんの話ネタ集めヒト集めにご苦労されている高齢者サロン主催者の話 6 司法書士資格の活かし方独立開業しましょう! お金と時間を自分の裁量で使いましょう配属研修を活用すれば即独も可能どこで開業するか=どこに所属するかも重要ご自身のこれまでのキャリアリソースの活用( 司法書士は前職も多彩 ) 7 私が心がけていること研修をたくさん受講する会務に協力する東京司法書士会 ADR 調停センターすてっき調停人東京司法書士会三多摩支会社会問題対策部司法過疎委員会副委員長同判例研究委員会委員地域に貢献する( プロボノ活動 ) 認知症サポーター養成講座受講オレンジリング修得済定期的に地域サロン高齢者サロンに参加して出前法律講座を実施電子書籍を多数執筆する皆さんもオートマを活用して最短で司法書士になってください! 後日発売になる書籍もぜひご覧ください -24-

27 (Memo) -25-

〔問　1〕　Ａ所有の土地が，ＡからＢ，ＢからＣへと売り渡され，移転登記も完了している

〔問　1〕　Ａ所有の土地が，ＡからＢ，ＢからＣへと売り渡され，移転登記も完了している ( 宅建 ) 要点解説講義要点確認テスト 1 権利関係 1 問題制限時間 20 分問 1 意思無能力者又は制限行為能力者に関する次の記述のうち民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか 1 意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合その者が意思能力を回復した後にその意思表示を取り消すことができる 2 未成年者が土地を売却する意思表示を行った場合その未成年者が婚姻をしていても