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しなつののした
5 years ago
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1 平成 25 年度大学図書館職員短期研修東京会場 ( 平成 25 年 11 月 8 日 ) 海外研修経験から見えた大学図書館 (2) ~ 韓国台湾から考える今後の取り組み ~ 立正大学情報メディアセンター大崎学術情報サービス課太田優未

2 本日の流れ研修概要訪問機関概要韓国の教育情報推進化政策韓国教育学術情報院 (KERIS) 国立デジタル図書館国立ソウル大学中央図書館同医学図書館私立延世大学図書館私立梨花女子大学図書館台湾の電子化事情國立高雄第一科技大學図書館特徴 ( まとめ )

3 海外研修概要研修テーマ : 東アジアにおける電子化推進図書館を見る東アジアにおいて特に韓国と台湾では大学図書館等における電子化の推進が著しいそのような図書館で実際に電子化の状況を視察し合わせて施設や設備を見学し現地職員と意見交換することで電子化に関する見聞を深めるとともに先進的な図書館の組織運営方法の事例に触れ最新の取り組みなどの情報を得るまた図書館職員相互の国際的な人的交流を実現する ( 2012 年度海外集合研修報告より )

4 海外研修概要研修メンバー : 関西学院大学聖マリアンナ医科大学同志社大学明治大学立正大学 (5 大学 5 名 ) 研修メンバー内で関心を持ったテーマ電子化のメリットデメリット施設設備利用者支援サービス人材育成

5 海外研修概要研修期間 :2012 年 12 月 3 日 ( 月 ) ~ 9 日 ( 日 ) 訪問機関 : 韓国 5 機関台湾 1 機関韓国教育学術情報院 (KERIS) 国立デジタル図書館国立ソウル大学中央図書館同医学図書館私立延世大学図書館私立梨花女子大学図書館國立高雄第一科技大學図書館國立台湾大學図書館は訪問することができなかった

6 韓国延世大学図書館梨花女子大学図書館ソウル大学医学図書館 KERIS 国立デジタル図書館ソウル大学中央図書館

7 韓国の教育情報推進化政策国際競争力の強化国民育成教育情報化政策目標従来は標準化された知識を画一的に提供であった個人のレベルや特性に合わせる自己主導型学習へ情報の活用学習空間時間利便性の拡張情報は国民全体に教育を普及させるための土台の役割情報の捉え方情報はツールから本質的要素へ

8 韓国教育学術情報院 (KERIS) 韓国教育学術情報院 (KERIS:Korea Education and Research Information Service) 分散されている教育情報と学術研究情報と流通を一元的に統合することを大きな一つの目的とし教育情報化政策の中心的役割を担っている機関行政改革の一環として 1999 年に新設された

9 韓国教育学術情報院 (KERIS) 学術研究情報サービス(RISS) 大学が生産保有購読する学術資料を共同で利用するためのシステムであり利用者向けのポータルサイト大学図書館総合リストサービス (Union Catalog) 共同目録分担方式で目録及び所在情報を蓄積している蓄積した目録所在情報は RISS に利用している

10 韓国教育学術情報院 (KERIS) デジタル学術情報流通体系(dCollection) 各機関における知的生産物を蓄積し RISSから学術情報の原文をオンライン提供している e ラーニングコンテンツ (KOCW) 大学で公開された講義及び講義資料を全国民が共同活用できる 130の大学で開講されている約 4,000 科目が受講可能 2010 年よりiPhoneやiPadなどからも利用可能に

デジタルとアナログを融合したサービスを提供している開館時間蔵書数 (2013 年 1 月 ) 毎週火曜日

11 国立デジタル図書館国立デジタル図書館 Dibrary(Digital+Library) ディブラリーポータルという仮想空間と情報広場という物理的空間を統合的に運営しデジタルとアナログを融合したサービスを提供している開館時間蔵書数 (2013 年 1 月 ) 毎週火曜日 ~ 日曜日 9:00~18:00 韓国内出版物 612 万冊国外出版物 111 万冊非図書資料 142 万件古典 27 万点デジタル資料 205 万点

12 国立デジタル図書館ディブラリーポータル利用者が誰でもいつでもどこででも欲しい資料を容易に便利に早く正確に探すことができるようにすることを目指した仮想空間 ( 司書の業務として ) 所蔵資料のメタデータの作成貴重図書稀覯本から適宜対象資料を選定し電子化著作権消滅資料の公開オンラインレファレンスサービスの実施

13 国立デジタル図書館館内予約用 PC とキオスク端末入館ゲート前に設置してありあらゆる施設予約や座席予約などを行うことができる至るところにデジタルサイネージも設置されている

14 国立デジタル図書館デジタル資料閲覧スペース入館ゲート前には開かれた広場としてデジタル資料の閲覧できるスペースが設置されている館内には複数人でマルチメディアコンテンツを視聴できるMultiplex( 複合上映館 ) もある

15 国立デジタル図書館 Digital Newspaperとインテリボード韓国内の新聞や雑誌を閲覧することができる大型タッチスクリーンキオスク見学時にも多くの利用者が閲覧していた隣接する国立中央図書館所蔵の貴重書や古書をデジタルブック形式で閲覧できるスクリーンも設置している

16 国立デジタル図書館映像音響 UCC(User Created Contents) スタジオ映像音響を専門家レベルの機器類を使って撮影録音編集しコンテンツ制作ができるスタジオを完備している

17 国立ソウル大学中央図書館同医学図書館 1946 年に韓国で最初に設立された国立大学学部 / 大学院学生数教職員数 16 学部 / 一般大学院 84 専攻専門大学院 7 系列学部 / 大学院合わせて約 28,000 人教員約 5,600 人一般職員約 1,000 人

18 国立ソウル大学中央図書館同医学図書館座席数開館時間蔵書数中央図書館約 3,500 席 (500 席が24 時間利用可能 ) 平日 9:00~21:00 土曜日 9:00~17:00 日曜日 13:00~17:00 学習室 6:00~23:00 (1 室は24 時間開館 ) 図書 4,445,092 冊雑誌新聞 95,953タイトル電子ジャーナル 33,000タイトル非図書資料 215,316 点約 736 席医学図書館 (500 席が 24 時間利用可能 ) 平日 9:00~20:00 土曜日 9:00~13:00 日曜日 6:30~24:00 図書 212,904 冊 ( 国内 48,202 冊外国 163,858 冊電子ブック 844 点 ) 学術雑誌 5,629 誌 ( 冊子 657 誌電子ジャーナル 4,972 誌 )

19 国立ソウル大学中央図書館同医学図書館座席予約キオスク端末と個人キャレル早朝から深夜まで開室している学習室の座席はすべて入口のキオスク端末で予約してから利用する ( 中央 ) 個人キャレルが多く設置してあり学年別にスペースが分けられている予約すれば年間通じて利用できる ( 医学 )

20 国立ソウル大学中央図書館同医学図書館無人返却機と学生証モバイルリーダー無人返却機では返却と同時に即時システム処理が行われる入退館や資料の貸出には学生証モバイルパスバーコードのいずれかで行うことができるようになっている

21 国立ソウル大学中央図書館寄付者銘板今回訪問した各大学施設の大半は企業等からの寄付により設置されたものであり入口には寄付者銘板があった名誉を重んじる韓国社会の風土と著名大学への寄付行為における社会的影響も韓国ならではといえる特にサムソン電子グループの大学への施設設備の寄付が多く見られた

22 国立ソウル大学中央図書館主題別専門司書 ( リエゾンライブラリアン ) 司書 2 名あたり2~3 学部を受け持つ学科担当専任司書を配置している修士博士以上の講義を対象に支援したり Dotori onと呼ばれるライブチャット機能を利用したレファレンスサービスを行っている館内では研究支援室 (Library Liaison &Research Support) に駐在し支援を行っている

23 私立延世大学図書館 1885 年に韓国で最初に設立された私立大学延世三星学術情報センター Ubiquitous Library ( 最先端 IT 基盤のユビキタス図書館 ) Cultural Library ( 豊かなコンテンツを楽しむことができる複合文化空間 ) Convenient Library ( 快適で多様な用途別オーダーメード研究学習空間 )

24 私立延世大学図書館学部 / 大学院学生数教職員数座席数開館時間蔵書数 22 学部 /18 専攻学部 / 大学院合わせて約 39,000 人教員約 4,800 人職員約 7,000 人約 5,500 席平日 9:00~22:00 土曜日 9:00~17:00 学習室 6:00~23:00 図書約 278 万冊雑誌約 16,500タイトル電子ジャーナル約 58,600タイトル学術的なデータベース 314 点貴重書を含む古書等 100,000 点以上

25 延世三星学術情報センター座席予約キオスク端末と各コーナー座席は入口のキオスク端末で予約してから利用する課題遂行のためのソフトウェアを搭載したPCやプリントスキャニングを利用できる課題遂行コーナー国内外の学術データベースを検索利用できる学術情報検索コーナーなど

26 延世三星学術情報センター Digital Book と My ebook コーナー 42インチの画面上で実物の図書のようにページをめくりながら閲覧することのできるDigital Bookの他 Digital Newspaper あえてキーボードを置かずにタッチスクリーンのみの学生証で認証を行うeBook 専用閲覧端末などが完備されている

27 延世三星学術情報センターメディア制作室と鑑賞室ブルースクリーンに照明やHDカメラが設置されたスタジオとメディア鑑賞のための5.1チャンネルドルビーサラウンドシステムを備えた40 席規模の小劇場が完備されている

28 私立延世大学図書館主題別専門司書専門分野の修士以上の学位を持ち採用後 4 年以内に図書館情報学の修士を取得させている 16の専門分野の学位を持つ12 名の専門司書がいる該当分野の図書及び電子資料の選書提供学科との窓口担当専攻分野にあったデータベース利用教育の実施研究支援として調査及び資料収集サービスの提供

29 私立梨花女子大学図書館 1868 年に韓国で最初に設立された女子大学学部大学院学生数教職員数開館時間蔵書数単科大学 12 分野一般専門特殊大学院 15 分野学部 / 大学院合わせて約 20,000 人常勤教授 890 人職員 369 人平日 9:00~21:00 土曜日 9:00~15:00 図書約 160 万冊雑誌 ( 紙 ) 約 9,000 タイトル雑誌 ( 電子 ) 約 3,700 タイトル

30 私立梨花女子大学図書館情報検索コーナーと DB 利用案内情報検索コーナーには国立国会図書館所蔵資料利用のための専用端末が設置され専門スタッフが配置されている EBSCOhostやJSTORなどのデータベースの利用案内を作成しパンフレットスタンドにて配布している

31 私立梨花女子大学図書館 ECC Reading Rooms 全面ガラス張りの複合施設 ECC(Ewha Campus Complex) 内に位置する入館の際にキオスク端末から座席予約を行う閲覧席のみの学習スペース (1,000 席 ) となっており資料は置いていない試験期間は24 時間利用可能

32 台湾高雄第一科技大學図書館

33 台湾の電子化事情電子出版産業に関する5カ年計画国際協力の強化中国語電子出版市場の拡大品質の高い読書のできる社会の促進人口が約 2,300 万人のため出版マーケットとしては規模が小さい翻訳ものを電子出版化する権利はオリジナル版を出版した国外の出版社にあることから台湾の電子化市場で流通するコンテンツは非常に限られている

34 國立高雄第一科技大學図書館 1995 年に設立された台湾の国立大学学部大学院学生数開館時間蔵書数 5 学院 ( 学部 ) 15 学系 ( 学科 ) 29 研究所 ( 研究科 ) 学部 / 大学院合わせて約 7,600 人平日 8:30~22:00 土曜日 9:00~22:00 日曜日 9:00~17:00 図書約 29 万冊電子資料約 30 万点

35 國立高雄第一科技大學図書館第 e 書房アメリカや香港台湾の大学図書館を参考に 2012 年に開設されたラーニングコモンズ学習形態環境によってブースが区切られ複数人でディスカッションできるソファ席や掘りごたつ式の和室プレゼンテーションルームなどがある

36 國立高雄第一科技大學図書館電子化への取り組み 1995 年の設立当初より電子化への構想があった現在は冊子体よりも電子資料の方が多い PCは図書館と第 e 書房合わせて65 台設置第 e 書房ではiPad ノートPCを貸出している電子資料データベースの講習会を実施している講習会の参加回数や本の貸出冊数は記録され就職活動に活用可能なe ポートフォリオとして利用される

37 特徴 ( まとめ ) 電子化への取り組みどのような資料を対象とするかが重要保存 : 利用 =7:3 で保存重視であるが永続的保存については今後の課題と考えている (Dibrary) メタデータは図書館保存用は画質優先利用者サービス用は伝送速度を優先している ( 国立ソウル大学 ) 電子化は一般的その後の利用者教育に力を入れている司書のあらゆる資料の電子化は大学教職員学生図書館にとって無駄なこと印刷物が持つ歴史的価値も重要であり全てが電子化されるべきものでもないという言葉が印象的

38 特徴 ( まとめ ) 施設設備個人学習席 ( 室 ) とその座席予約システムが設置されている大学図書館が大半であったマルチメディアコンテンツの制作編集閲覧のための施設が完備されている大学図書館が大半であったアクティブラーニングについてはグルプ閲覧室の設置程度に留まっている韓国の名門校や医学部の学生ということもあり日本の学生と学習形態の違いがあることがわかった司書の建物施設ではなくコンテンツの充実を重視という言葉がとても印象的

39 特徴 ( まとめ ) 人的支援主題別専門司書が主題に特化した学習支援を行っている学習利用方法は学生に一任していることからどのようにすれば来館し利用してもらえるかの工夫よりも利用後の高度な専門知識を要する学習支援に注力している高度な専門知識を持った主題別司書の必要性が感じられたでは日本の場合は? 自館では? 各大学図書館に見合ったサービスを考えること授業教員との連携やコンテンツ制作なども視野に入れる

40 ご清聴ありがとうございました私立大学図書館協会国際図書館協力委員会 2012 年度海外集合研修報告報告書はこちらのページからご覧いただけます

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