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Transcription

1 いまさら聞けない! Samba によるファイルサーバ構築入門 たかはしもとのぶ もとのぶ ( 髙橋基信 ) monyo@samba.gr.jp

2 セミナーのねらい 対象となる方 Linux インストールはできる ( できた ) Samba の設定ははじめて 目的 個人 部門サーバを立ち上げる手助けになる事 ディストリビューション付属の Samba を対象 デモ CentOS 5.2 (RHEL 系 Linux ディストリビューション ) 2

3 セミナーの概要 Samba とは Sambaのインストールインストール 初期設定 Samba の設定 全体の設定 ユーザーホーム設定 Samba ユーザの操作 起動と終了 応用編 3

4 Samba とは Windows サーバ互換 互換の各種機能を提供 ファイル 印刷共有 NT ドメイン機能など Linux をはじめ *BSD や各種商用 UNIX で動作 オープンソース オープンソース (GPLv3/v2 準拠 ) 無償でソースコードの入手 改変が可能 実績がある 実績 企業内導入も多数 (CALが不要) 各種 Linuxディストリビューションに標準添付 アプライアンス製品にも利用 ( 廉価版 NASなど ) 4

5 Samba とは (2) 最新バージョンは Samba 最新の Samba 3.2 系列は 2008 年 7 月 1 日にリリースされたばかりディストリビューションに同梱されているのは 旧安定版の Samba 3.0 系列が多い ( 最新 :Samba ) Samba 3.0 系列のサポートは 2009 年 7 月に終了予定 通常のファイル共有には十分な機能が実装 Active Directory の機能は持っていないが Active Directory のメンバサーバにはなれる Windows NT 4.0 のドメインコントローラ機能は実現 5

6 Samba の利用イメージ Windows サーバのファイル 印刷共有と見分けがつかない ( ですよね ) Windows マシンの設定変更不要 Windows Vista から Samba サーバにアクセス 6

7 Samba の利用イメージ (2) Linux サーバで Samba を動作 クライアント (Windows) で特殊な設定は不要 ファイル フォルダフォルダファイル共有共有 プリンタプリンタ共有 サーバ (Samba) クライアント (Windows マシン ) プリンタ ネットワーク 7

8 Samba の実力 互換性が不充分ではないか? 100% 互換ではないがではないが 通常通常の運用運用ではでは問題問題なし 日本語対応は? 特に問題問題なし Windows Vista 7 等新製品 / 機能への対応は? 最新版で随時対応 コストは? 少なくともなくとも初期導入初期導入コスト ( ハード ソフト ) は低減可ただし運用運用コストコストが低減低減できるかはできるかは状況次第 8

9 Samba のインストール パッケージ利用が簡単 Windows ファイルサーバ を選択 $ su - Password: root のパスワードパスワードを入力 # yum install samba (samba-client) コマンドラインからのインストール インストール後に追加パッケージとして選択 アプリケーション - ソフトウェアの追加 / 削除 9 インストール中にパッケージを選択

10 Samba のインストール (2) セキュリティ設定の変更 SELinux を 無効 ( もしくは Permissive ) に変更する実際は 有効 でも Samba の実行はできるただし 設定の難易度が高く 上級者向き ファイアウォールで Samba を 信頼できるサービス に ( もしくはファイアウォールを 無効 に ) 警告メッセージには はい を選択 10 管理 - セキュリティレベルとファイアウォールの設定

11 Samba の設定 smb.conf ファイルを編集するのが現実解 /etc/samba/smb.conf 設定の心構心構え - まずは簡単な設定で 設定できる項目は多いが 殆どはデフォルトでOK 焦っていろいろオプションをいじらない セキュリティ関連の設定は動作を確認してから ステップバイステップで焦らずに! 11

12 Samba の設定 (2) GUI からできないの? 一応あります システムシステム - 管理管理 - サーバーサーバー設定設定 ー Samba が ちょっと力不足 別途 smb.conf の編集が必要 12

13 Samba の設定 (3) Web で設定できないの? SWAT があります Webベースの設定ツール 操作は簡単 ただし 問題もある smb.conf の知識は必要 設定の難易度は一緒 平文で root のパスワードを入力する必要がある 設定ファイルのコメントが消去される SWAT の設定画面 13

14 Samba の設定 (4):SWAT の設定 SWAT のインストール コマンドラインから実行 samba-swat パッケージ SWAT の有効化 コマンドラインか サービスの設定 で ファイアウォールの設定 901/TCP ポートへのアクセスを許可 管理 - セキュリティレベルとファイアウォールの設定 /etc/xinetd.d/swat ファイルの編集 アクセスを許可するアドレスを指定 アクセスさせたいアドレス範囲 14 # yum install samba-swat... Is this ok [y/n]: y 確認に y を入力 # chkconfig swat on only from = only from += /24

15 Samba の設定 :smb.conf ファイルの構造 基本構造 [ セクション名 ] パラメータ名 = パラメータ値 各セクションセクションが共有共有に対応 [global] [homes] [printers] の特殊セクションがある [global] セクションだけは 特定の共有に対応しない smb.conf [global] Samba 全体の設定 parameter = value [homes] ユーザホーム機能 ( 後述 ) の共有共有の設定 [printers] OSで定義定義されたされたプリンタプリンタの為の共有の設定 [share1] share1 共有の設定 [share2] share2 共有の設定... 15

16 Samba 全体の設定 (1) これ以外はそのままで workgroup = ワークグループ ワークグループ名 既存ネットワークの設定にあわせる 推奨 os level = 1 ネットワークコンピュータ 関連のトラブルを避ける 推奨 wins server = x.x.x.x WINS サーバが存在存在しているしている場合は設定設定 推奨 log level = 1 ( 行を追加 ) ログの詳細度 運用中は 1 程度 最初は高め (3 程度 ) 推奨 /var/log/samba に出力される 16 デフォルトからから追加追加 修正修正するする個所

17 Samba 全体の設定 (2): 日本語関連 日本語のファイルファイル名 ( など ) を使用使用するする場合場合は 必ず設定設定を確認確認する 海外のLinuxディストリビューションなどでは 必ず設定が必要な部分 dos charset = CP932 日本語利用を指定指定 必須必須 unix charset = UTF-8 smb.conf ファイルや ファイルシスファイルシステムで用いるいる文字文字コードコード 環境依存環境依存 UTF-8( デフォルト ) が無難 EUC にしたい場合場合は EUCJP-MS を シフト JIS にしたい場合場合は CP932 を指定する CentOSのデフォルトデフォルトではでは何も設定されていない global セクション先頭先頭に追記 17

18 ユーザホーム機能 (1): 概要 ユーザーホーム機能 各ユーザのホームディレクトリ ( ユーザ専用ディレクトリ ) を自動的に共有する機能 自分のホームディレクトリ共有だけが表示される設定次第で 他人のホームディレクトリ共有にアクセスしたり 表示したりすることも可能 smb.conf [homes] comment = %U s share browseable = No samba monyomonyo monyo Samba サーバ 18 samba suzukisuzuki suzuki

19 ユーザホーム機能 (2): 設定 homes セクションを設定 (CentOS 5.2 では設定済 ) [homes] browseable = No [homes] 自体は不可視不可視にするにする 必須必須 writeable = Yes 更新可能にするにする 必須必須 valid users = %S 所有者以外のアクセスアクセスを禁止禁止するする 任意任意 必ず browseable = No にする comment 行は削除することを推奨 デフォルトのコメントが表示される 自分以外のホームディレクトリも server username 形式でアクセス可能 19 ユーザ local1 でアクセスしたところ

20 ここまでの設定のまとめ 最初はあまり凝らないこと この程度でも最低限使える設定になる [global] dos charset = CP932 unix charset = UTF-8 workgroup = HOME os level = 1 wins server = x.x.x.x [homes] browseable = No writeable = Yes ここまでの設定設定で作成作成した smb.confファイル 20 ファイル

21 Samba ユーザ : 概要 Samba ユーザはなぜ必要? ユーザ名 Windows 用の認証情報とLinux 用の認証情報は形式が異なる 共用できない! :user1 パスワード :passa(ms 暗号化 ) file1にアクセスアクセスします! Samba ユーザとしてのとしての認証 user1 として認証 Linux のパスワード情報は使われない user1:passa(ms 暗号化 ) user2:passb(ms 暗号化 ) Linux ユーザと対応付対応付け ( 通 常同じ名前名前のユーザユーザと対応 ) UID1000 でアクセス user1:pass1( 暗号化 ):1000 user2:pass2( 暗号化 ):1001 Windows リソースへのへのアクセス パーミッションとのとのチェック Samba サーバ -rw-r--r user1 group1 file1 -rw-r--r user2 group2 file2 21

22 Samba ユーザ : 作成 削除 Samba ユーザの作成 Linux ユーザを作成後 以下のようにして作成 # smbpasswd(pdbedit) -a user1 New SMB password: パスワードを入力 Retype new SMB password: 再度パスワードパスワードを入力 Added user user1 Password changed for user user1. Samba ユーザのパスワード変更 # smbpasswd user1 root の場合 $ smbpasswd 一般ユーザの場合 ( 自身のパスワードのみ変更できる ) Samba ユーザの削除 # smbpasswd(pdbedit) x user1 22

23 Samba の起動 終了 サービス から smb サービスを制御 システム - 管理 - サーバー設定 - サービス SWAT からも起動可能 状態表示 (STATUS) より 自動起動の設定 サービス の 操作 メニューから設定 確認 コマンドラインの場合 起動 終了は service コマンド 自動起動 終了に関しては chkconfig コマンドを使用 # service smb [start stop] # chkconfig smb [on off] 23

24 24 Samba サーバへのアクセス あっけなくアクセスできる はず ファイルファイルファイルファイル名を指定指定指定指定してしてしてして実行 などからなどからなどからなどからコンピュータコンピュータコンピュータコンピュータのアイコンアイコンアイコンアイコンをクリッククリッククリッククリック作成済作成済作成済作成済の Samba ユーザユーザユーザユーザ名 パスワードパスワードパスワードパスワードを入力入力入力入力共有一覧共有一覧共有一覧共有一覧が表示表示表示表示されるされるされるされるファイルファイルファイルファイル共有共有共有共有にアクセスアクセスアクセスアクセス!

25 応用編

26 ファイル共有の作成 (1) smb.conf に新たなセクションを作成する SWAT では SHARES から行う [tmp tmp] smb.confファイル 新規セクションセクションの作成 ファイル共有名を入力後 ファイル共有の作成 を押す 26

27 ファイル共有の作成 (2): 基本的な設定 path = ディレクトリパス 共有するディレクトリを設定 必須 writeable = Yes/No 書き込み許可なら Yes Linux で書き込み権がないユーザは ここで書き込みを許可しても書き込めない comment = 文字列 共有の説明を記述 任意 browseable = Yes/No 存在を隠したい時は No 27 SWAT での設定デフォルトからから修正修正が必要必要な個所

28 ファイル共有の作成 (3): 設定例 1 認証に成功すれば利用可能なファイル共有 # mkdir p /home/samba/private 共有したいしたいディレクトリディレクトリを指定 # chmod a+rwx /home/samba/private 誰でもでも書き込み可能可能にする 予め共有するディレクトリを作成 適切なパーミッションを設定しておく必要がある [private] path = /home/samba/private comment = Private Share(Members only) writeable = Yes 更新可能にする これだけでは 他人の作成したファイルには書き込みできない 28

29 ファイル共有の作成 (4): 設定例 2 project-a グループに所属するユーザ ( のみ ) が読み書き可能な共有フォルダの設定例 # mkdir p /home/samba/project-a 共有したいしたいディレクトリディレクトリを指定 # chmod 2775 /home/samba/project-a グループ書き込み可能可能 setgid 設定 # chgrp project-a a /home/samba/project-a [project-a] path = /home/samba/project-a writeable = Yes 書き込み可能可能にする valid users project-a グループ force group = project-a 全員が project force create mode = 664 アクセス 作成作成した force directory mode = 775 グループのみのみアクセスアクセス可能 project-a グループとしてしたファイルファイルやディレクトリは互いにいに書き込み可能 29

30 ゲストアクセス (1): 設定 ゲストアクセスを可能とする Windows の guest アカウントと同様の機能 map to guest = Bad User 存在しないしないユーザユーザからのからのアクセスアクセスをゲストアクセスとみなす 存在しないしないユーザユーザからのからのアクセスアクセスを許可しないしない場合場合は Never にする guest ok = Yes/No 各ファイルファイル共有共有でゲストアクセスゲストアクセスを許可するなら Yes guest only = Yes/No 全員のアクセスアクセスをゲストアクセスゲストアクセスとみなす場合場合は Yes 30 [global] map to guest = Bad User guest account = nobody [share1] guest ok = yes guest only = yes smb.confファイル ファイル

31 ゲストアクセス (2): 設定例 Samba ユーザが存在せず 認証できなかった場合でもアクセス ( 書き込み 読み取り ) 可能な共有 # mkdir p /home/samba/public 共有したいしたいディレクトリディレクトリを指定 # chmod 755 /home/samba/public # chown smbguest /home/samba/public ユーザは予め作成作成しておく 全てのユーザが smbguest ユーザとしてアクセスする writeable = no にすれば読み込み専用共有 guest only = no にすれば認証に成功したユーザは実名ユーザとしてアクセス smb.conf の設定例 [global] map to guest = bad user guest account = smbguest... [pub] path = /home/samba/public writeable = Yes guest ok = Yes guest only = Yes 31

32 日本語の活用 日本語の共有名 コメントなど [global] server string = Samba %v サーバです [ 共有 1] comment = テスト共有 No.1 dos charset/unix charset パラメータを適切に設定しておくことが必須 unix charset パラメータに記述した文字コードで smb.conf を記述する 32

33 日本語の活用 :JIS 2004 対応 Samba 以降では 対応 unix charset = UTF-8 が必須 JIS2004 で追加された文字を使ったファイル名を扱える UTF-16 でのみ扱える JIS2004 で追加された文字にも対応 33

34 マルチホームでの注意点 Samba サーバを起動する IP アドレスは明示的に制御する必要がある Samba のデフォルトでは すべての IP アドレスで起動される 特定の IP アドレスでのみ動作させたい場合は 要設定 Samba インターネット グローバル IP [global] interfaces = /24 bind interfaces only = yes smb.conf の設定 設定 ( 該当部分のみ ) /24 34 マルチホームの例 /24とグローバル IPのネットワークに接続接続されている

35 参考情報ほか 日本 Samba ユーザ会 日本語による技術情報など 書籍 Samba のすべて 著者 / 髙橋基信 発行 / 翔泳社 現在ドキュメント翻訳中 ISBN ,980 円 協力していただける方を随時募集中です Samba ドキュメント翻訳プロジェクト 35