2016年12月実施 企業法短答式試験 解答解説

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1 平成 29 年公認会計士試験第 Ⅰ 回短答式試験企業法 講評 短答式試験お疲れ様でした 今回の企業法の出題形式としては, 全 20 問 ( 各問 4 肢 6 択 ) の組み合わせ問題, 配点は各問 5 点であり, 前回と変更はありませんでした 出題内容については, 条文の知識を幅広く問う問題が中心ですが, 最高裁判所の判例については,2 肢が出題されました 判例の出題は, 前回の7 肢と比べて減少しております 具体的な出題範囲としては, 商法から 2 問, 株式会社の設立から 2 問, 株式から 3 問, 機関から 6 問, 資金調達から 1 問, 株式会社の計算等から 1 問, 持分会社から 1 問, 組織 再編行為等から 2 問, 金融商品取引法から 2 問出題されております 問題の難易度については, 全体的に非常に解きやすい問題が多かったという印象です 企業法が得意な受験生は満点を取ることも十分に可能だったと思います CPAの受講生におかれましては, 短答直前答練 短答式模擬試験で出題した問題, 短答対策問題集に掲載されている問題と類似した問題が非常に多く出題されていたため, 自信を持って解答できたものと確信しております 今回の企業法の問題の難易度は, 必ず正答したい問題であるA 問題が 18 問, 正答を得ることが可能な問題であるB 問題が2 問でした A 問題を 18 問中 15 問 ~16 問,B 問題を2 問中 0 問 ~1 問正答したいため, 合格ボーダーは,80 点程度と考えております 1 解答解説

2 平成 29 年公認会計士試験 第 Ⅰ 回短答式試験 企業法 解答解説 問題 1 正解 1 ( 難易度 :A) ア. 商法 503 条 2 項 個人商人の場合, 私生活のための行為もあるため, その者のある行為が営業のための行為なのか, 個人の私生活のための行為なのか明らかでない場合が生じうる そのため, 取引の安全を図る趣旨で, 商人の行為は附属的商行為であると推定している イ. 最判昭和 33 年 6 月 19 日, 最判昭和 47 年 2 月 24 日 ウ. 商法 7 条, 商法施行規則 3 条, 商法 11 条 2 項 小商人とは, 商人のうち, 営業のために使用する財産の価額が 50 万円を超えない者をいう 小商人には, 登記および商業帳簿に関する規定が適用されない 小商人のような規模の小さい者にまで登記や商業帳簿に関する規定を適用することは, 当該商人にとって過大な負担となるばかりでなく, 一般の商人の商号選択の自由を狭めるおそれがあることを考慮したものである したがって, 小商人は, その商号を登記することができない しかし, 小商人であっても, その氏, 氏名その他の名称をもってその商号とすることができる点には注意してほしい ( 商法 11 条 1 項 ) エ. 未成年者も商人となることができる 未成年者が自己で営業を行うときは, その登記をしなければならない ( 商法 5 条 ) 問題 2 正解 1 ( 難易度 :A) ア. 商法 505 条 委任の趣旨を合理的に解釈していれば, 特に明示の委任がなくとも, 当該委任の趣旨に反しない範囲において事情の変更に応じた適切な処理を認めるべきだからである イ. 商法 501 条 1 号 投機購買は絶対的商行為である 絶対的商行為とは, 行為の客観的性質から強度の営利性があるものとして, 営業として行われるか否かを問わず, 1 回限り行われた場合でも商行為とされる行為をいう ウ. 商法 521 条 商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは, 債権者は, その債権の弁済を受けるまで その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者の所有する物又は有価証券を留置することができる ただし, 当事者の別段の意思表示があるときは,^この限りでないため, 本肢は誤りである 2 解答解説

3 エ. 商法 501 条各号参照 運送に関する行為は, 営業的商行為である (502 条 4 号 ) 営業的商行為とは, 営業としてなされる場合に商行為となる行為をいう 営業的商行為は, 絶対的商行為と比較して営利性が弱いため, 営業としてなされる場合にのみ商行為となる ここで, 営業としてなされる場合とは, 営利の目的をもって, 反復継続して行うことをいう 問題 3 正解 4 ( 難易度 :A) ア. 34 条 1 項,63 条 1 項対比 株式会社の設立時において, 現物出資は重い責任が課せられている発起人のみに認められている出資方法であるため, 設立時募集株式引受人は, 金銭出資のみが認められており, 現物出資は認められていない イ. 64 条 募集設立の場合には, 財産の保管状況を明らかにすることにより, 設立時募集株式引受人の保護を図る必要がある また, 預合いなどによる会社設立の弊害を防止するとともに, 払込取扱機関が証明した払込金を成立後の会社が完全に引き出せることができるようにすることで, 成立後の会社の財産的基礎の確保を図る必要がある ウ. 28 条 3 号 発起人が受けるべき報酬は, 定款の絶対的記載事項である エ. 25 条 2 項 各発起人は, 株式会社の設立に際し, 設立時発行株式を1 株以上引き受けなければならない 問題 4 正解 6 ( 難易度 :A) ア. 30 条 1 項 定款は, 公証人の認証を受けなければその効力を生じない 公証人の認証は, 定款が真正に作成され, かつ内容が適法であることを確保するために行われる 公証人の認証により, 定款の内容を明確にして後日の紛争と不正行為を防止することができ, 認証を欠く定款は無効となる イ. 29 条 株式会社の定款には, 絶対的記載事項および相対的記載事項のほか, 会社法の規定に違反しないもの ( 任意的記載事項 ) を記載し, または記録することができる 定款は自治規範であるため, 強行法規または公序良俗に反しない限り, どのような事項も定款に規定することができる 当該事項について定款の記載または記録を欠いていても, 当該事項や定款自体の効力に影響はない このような任意的記載事項を定款に記載または記録するのは, 定款に記載または記録すれば, その事項の内容が明確になり, また, 定款を変更するには, 定款変更手続 (466 条,309 条 2 項 11 号 ) が必要となるため, 変更が困難になるという効果がある 通常, 会社は, 1 公告方法,2 名義書換手続,3 定時総会招集の時期,4 総会の議長,5 取締役 監査役の員数などを定めている ウ. 53 条 2 項 発起人, 設立時取締役または設立時監査役がその職務を行うについて悪意 重過失があったときは, 当該発起人, 設立時取締役または設立時監査役は, これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う 当該責任は, 第三者保護のため, 会社法が定めた特別の法定責任である 3 解答解説

4 エ. 36 条 1 項 3 項 発起人を当然に失権させてしまうと設立手続に支障が生じてしま うため, 設立の迅速性を確保するために発起人については失権手続が設けられてい る 問題 5 正解 3 ( 難易度 :A) ア. 180 条 2 項,309 条 2 項 4 号 株式の併合を決定する決議において株主総会の特別決議が要求されているのは, 株式の併合は, 併合前に比べて株式の単位が大きくなるため, 株主は従前の株式単位で株式を処分することができないという不利益を被ることになるからである また, 併合の割合によっては,1 株に満たない端数が生じ, その結果として株主の地位が失われるということも考えられ, 株主に重大な影響を及ぼすため, 厳格な手続が要求されている イ. 183 条 2 項 株式会社は, 株式の分割をしようとするときは, その都度, 株主総会の普通決議 ( 取締役会設置会社では取締役会の決議 ) によって, 分割の割合等の法定の事項を定めなければならない 株式の分割は株式の併合と異なり, 株式の単位が小さくなるため株式の処分がしやすくなる また, 株式の分割によって端数が生じても, 株式の併合のように従来株主であった者の株主の地位が失われるということはない したがって, 基本的には株主に不利益はないため, 株主総会の特別決議は要求されていないのである ウ. 186 条 1 項 3 項 株式会社は, 株式無償割当てをしようとするときは, その都度, 株主に割り当てる株式の数などの法定の事項を定めなければならない 当該事項の決定は, 株主総会の普通決議 ( 取締役会設置会社では取締役会の決議 ) によらなければならない ただし, 定款に別段の定めがある場合は, この限りでない エ. 188 条 1 項 単元株制度を採用するためには, 定款にその旨を定めなければならない すなわち, 単元株式数の定めは, 定款の相対的記載事項である 問題 6 正解 4 ( 難易度 :A) ア. 105 条 2 項 株主に剰余金の配当を受ける権利および残余財産の分配を受ける権利の全部を与えない旨の定款の定めは, その効力を有しない これは, 株式会社の営利性に反するためである イ. 108 条 1 項柱書 9 号 取締役等選任権付種類株式は, 議決権制限株式 (108 条 1 項 3 号 ) に比べて, 誰が当該種類株式を取得するかが会社運営に大きな影響を及ぼすと考えられるため, 誰が当該種類株主になるかという点について, 会社の意思が反映される非公開会社に限ってその発行を認めるべきだからである また, 指名委員会等設置会社においても同様に, 取締役等選任権付種類株式を発行することができない 指名委員会等設置会社では, 指名委員会が株主総会に提出する取締役の選任および解任に関する議案の内容の決定権限を有しているため, 種類株主総会に取締役の選任および解任権限を与えてしまうと, 矛盾が生じてしまうからである 4 解答解説

5 ウ. 115 条 種類株式発行会社が公開会社である場合において, 議決権制限株式の数が発行済株式総数の2 分の1を超えるに至ったときは, 株式会社は, 直ちに, 議決権制限株式の数を発行済株式総数の2 分の1 以下にするための必要な措置をとらなければならない 議決権制限株式について発行限度が設けられているのは, 少額の出資で株式会社を支配することは適当ではないからである ただし, 非公開会社においては, 株式会社にとって好ましくない者が株主となることをそもそも阻止することができるため, 株式の取得を認めたうえで議決権を制限することについても規制を加える必要性は乏しいことから, 当該規制の対象は公開会社に限られている エ. 115 条参照 このような規定は存在しない 問題 7 正解 3 ( 難易度 :A) ア. 297 条 1 項 総株主の議決権の 100 分の3( 定款で緩和可 ) 以上の議決権を6か月 ( 定款で短縮可 ) 前から継続して保有する株主は, 取締役に対して, 株主総会の目的である事項 ( 当該株主が議決権を行使することができる事項に限る ) および招集の理由を示して, 株主総会の招集を請求することができる なお, 非公開会社では,6か月の保有期間要件は不要である(297 条 2 項 ) そして,1 株主総会の招集請求の後, 遅滞なく招集の手続が行われない場合, または,2 株主総会の招集請求があった日から8 週間 ( 定款で短縮可 ) 以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合には, 株主総会の招集請求をした株主は, 裁判所の許可を得て, 株主総会を招集することができる (297 条 4 項 ) イ. 433 条 1 項 株式会社に対して会計帳簿の閲覧または謄写を請求する権利は, 少数株主権である 総株主 ( 株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く ) の議決権の 100 分の3( 定款で緩和可 ) 以上の議決権を有する株主または発行済株式 ( 自己株式を除く ) の 100 分の3( 定款で緩和可 ) 以上の数の株式を有する株主は, 株式会社の営業時間内は, いつでも, 会計帳簿またはこれに関する資料の閲覧または謄写を請求することができる この場合においては, 当該請求の理由を明らかにしてしなければならない 会計帳簿の閲覧請求権 (433 条 ) の趣旨は, 株主が責任追及等の訴え (847 条 ) や, 役員解任の訴え (854 条 ) を提起するため必要な調査をなす場合などに, 会社の業務および財産の状況の調査を可能とすることにあり, 業務財産調査検査役選任請求権 (358 条 ) とならび, 重要な役割を果たすものである ウ. 828 条 2 項 1 号 会社設立の無効の訴えを提起する権利は, 単独株主権である エ. 847 条 1 項本文 5 解答解説

6 問題 8 正解 6 ( 難易度 :A) ア. 公開会社であるか否か, 大会社であるか否かに関係なく, 指名委員会等 ( 指名委員会, 監査委員会および報酬委員会 ) を設置して, 指名委員会等設置会社となることができる なお, 同様に, 株式会社は, 公開会社であるか否か, 大会社であるか否かに関係なく, 監査等委員会を設置して, 監査等委員会設置会社となることができる イ. 会計参与は, いずれの機関設計においても任意に設置可能である ウ. 327 条 4 項 監査等委員会設置会社は監査等委員会に取締役等の職務執行の監査権限を付与しており (399 条の2 第 3 項 1 号 ), 監査役が存在すると監査権限が重複してしまうからである エ. 327 条 6 項 監査等委員会は, 指名委員会等と機能が重複するからである 問題 9 正解 3 ( 難易度 :A) ア. 310 条 2 項 代理権の授与を株主総会ごとにしなければならないのは, 株式会社の取締役等が長期間にわたり代理権の授与を受けることによって, 会社支配の手段として濫用することを防止するためである イ. 310 条 5 項 1 人の株主が多数の代理人を株主総会に出席させることで, 株主総会の運営が混乱させられるのを防止するためである ウ. 最判昭和 44 年 11 月 1 日 最高裁判所の判例によれば, 代理人は株主に限る旨の定款の規定は有効である 議決権の代理行使の規定の趣旨は, 代理人資格を制限すべき合理的理由がある場合に, 定款規定によって相当程度の制限を加えることまで禁止するものではないためである エ. 310 条 1 項 3 項 問題 10 正解 5 ( 難易度 :A) ア. 会社法は,839 条において会社の組織に関する訴えのうち遡及効を否定する場合について規定しているが, その中には決議取消しの訴えは含まれていない (839 条, 834 条 17 号 ) したがって, 決議取消判決により決議が取り消された場合は, 当該決議は遡及的に無効となる すなわち, 決議の時点まで遡って無効となるのである (839 条の反対解釈 ) イ. 831 条 1 項 1 号 株主総会の決議の取消事由は,1 招集手続または決議方法が法令もしくは定款に違反し, または著しく不公正な場合 (831 条 1 項 1 号 ),2 決議の内容が定款に違反する場合 ( 同条項 2 号 ),3 決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって, 著しく不当な決議がされた場合 ( 同条項 3 号 ) である ウ. 838 条 法律関係の画一的確定の観点から, 決議取消判決は, 第三者に対してもその効力を有する すなわち, 決議取消判決には対世的効力が認められているのである エ. 831 条 1 項柱書前段 6 解答解説

7 問題 11 正解 1 ( 難易度 :A) ア. 373 条 1 項 1 号 2 号 特別取締役による取締役会の決議の制度は, 取締役の数が多く機動的に取締役会を開催できない大規模な会社が利用することを前提としているためである すなわち, 取締役が少人数の取締役会設置会社においては, 取締役会を機動的かつ頻繁に招集することができるため, 特別取締役による取締役会の決議の制度を認める必要がないのである また, 特別取締役による取締役会の制度を採用するためには, 取締役会の監督機能が適切に働く株式会社であることが求められる したがって, 取締役のうち1 人以上は, 独立性の高い社外取締役であることが要求されているのである イ. 373 条 1 項柱書かっこ書 指名委員会等設置会社の取締役会は, その決議によって, 重要な財産の処分および譲受け等の決定を執行役に委任することにより迅速な意思決定が可能なためである ウ. 383 条 1 項 監査役は, 特別取締役による取締役会決議が行われる取締役会に出席し, 必要があると認めるときは, 意見を述べなければならない ただし, 監査役が2 人以上ある場合において, 監査役の互選によって, 監査役の中から特に当該取締役会に出席する監査役を定めることができる エ. 373 条 1 項柱書 特別取締役による取締役会の決議で決定することができるのは, 1 重要な財産の処分および譲受け (362 条 4 項 1 号,399 条の 13 第 4 項 1 号 ),2 多額の借財 (362 条 4 項 2 号,399 条の 13 第 4 項 2 号 ) についてである したがって, 支配人その他の使用人の選任および解任 (362 条 4 項 3 号 ) について決定することはできない 問題 12 正解 4 ( 難易度 :A) ア. 331 条 4 項 指名委員会等設置会社の取締役は, 当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない 指名委員会等設置会社における取締役会は, 執行役等の業務執行の監督が中心であり, 取締役会を構成する取締役が監督対象である執行役に従属する使用人となれば, 実効的な監督をすることができないと考えられるからである イ. 指名委員会および報酬委員会の委員については, 監査委員のような兼任禁止の規定 (400 条 4 項 ) は設けられていない ウ. 405 条 1 項 指名委員会等設置会社においては, 監査委員会が選定する監査委員が監査権限を行使するのが原則である 監査委員の場合, 監査役のように自らが業務および財産の調査等を行うことは想定されておらず, 調査等は, 必要があれば内部統制部門に対し指示をする形で行われるため, その指示が複数の者からなされることになると組織に混乱をもたらしてしまうことになるからである したがって, 監査委員は, 監査役と異なり独任制の機関ではない エ. 416 条 1 項 1 号ハ,2 項 指名委員会等設置会社において, 執行役が2 人以上ある場合における執行役の職務の分掌および指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項は, 取締役会が決定し, 当該決定を取締役会は取締役に委任することができない (416 条 3 項 ) 7 解答解説

8 問題 13 正解 3 ( 難易度 :A) ア. 336 条 4 項 3 号 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をする場合は, 監査役の監査の範囲が拡大するため, 監査役を改めて選任する必要があるからである イ. 監査役には業務執行権限がないため, 競業避止義務は課せられていない ウ. 388 条 1 号 監査役がその職務の執行について監査役設置会社 ( 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定めがある株式会社を含む ) に対して費用の前払の請求をしたときは, 当該会社は, 当該請求に係る費用または債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き, 当該請求を拒むことができない この規定は, 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定めがある株式会社にも適用されるため, 本肢は誤りである エ. 389 条 3 項 問題 14 正解 3 ( 難易度 :A) ア. 449 条 1 項柱書本文かっこ書 この場合は, 拘束力のより高い資本金の額が増加することになり, 債権者にとって有利となるためである イ. 449 条 1 項 資本金の額の減少は, 会社債権者にとって重大な影響を及ぼすため, 必ず, 債権者異議手続が必要である ウ. 447 条 3 項 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において, 資本金の額の減少の効力発生日後の資本金額がその日の前の資本金の額を下回らないときは, 取締役の決定 ( 取締役会設置会社では取締役会の決議 ) によって資本金の額を減少することができる この場合は, 資本金の額が結果的に減少しないためである しかし, 自己株式の処分をする場合は, 資本金の額は増加しないことから, 当該規定の適用はない したがって, 本肢は誤りである エ. 449 条 6 項柱書ただし書 問題 15 正解 5 ( 難易度 :A) ア. 702 条, 会社法施行規則 169 条 会社は, 社債権者を保護するために, 社債を発行する場合は, 社債管理者を定めなければならない ただし, 各社債の金額 (1 口あたりの金額 ) が 1 億円以上である場合, または, ある種類の社債の総額を各社債の金額の最低額で除して得た数が 50 を下回る場合は, 社債管理者を設置することを要しない 本肢は, この例外規定には該当しないため, 誤りである イ. 683 条 8 解答解説

9 ウ. 704 条 2 項 社債管理者は, 社債権者に対し, 善良な管理者の注意をもって社債の管理を行わなければならない 社債管理者と社債発行会社との間には, 委任契約が成立するから, 社債管理者は社債発行会社に善管注意義務を負う ( 民法 644 条 ) しかし, 社債管理者と社債権者の間には委任契約は成立しないため, 会社法において, 特に善管注意義務が規定されたのである エ. 705 条 1 項 問題 16 正解 1 ( 難易度 :B) ア. 467 条 1 項 4 号 株式会社は, 事業の全部の賃貸をする場合には, 原則として, 株主総会の特別決議を要するが, その事業の一部を賃貸する場合は, 株主総会の決議を要しない イ. 467 条 1 項 3 号 株式会社は, 他の会社の事業の全部の譲受けをする場合には, 原則として, 株主総会の特別決議を要するが, 他の会社の事業の一部を譲り受ける場合は, 株主総会の決議を要しない ウ. 467 条 1 項 3 号 株式会社は, 外国会社の事業の全部の譲受けをする場合には, 原則として, 株主総会の特別決議を要する エ. 467 条 1 項 1 号 株式会社は, 事業の全部の譲渡をする場合には, 原則として, 株主総会の特別決議を要する これは, 会社以外の商人に対する譲渡においても同様である 問題 17 正解 2 ( 難易度 :A) ア. 576 条 1 項 6 号かっこ書 合同会社の社員は有限責任社員である (576 条 4 項 ) ここで, 有限責任社員の出資は, 財産出資に限られる なぜなら, 持分会社の有限責任社員は, 定款で定めた出資の価額の範囲内で会社の債務について責任を負うため, 出資の価額について評価可能である必要がある したがって, 評価不能な労務出資および信用出資は認められないのである イ. 587 条 1 項 持分会社は, その持分の全部または一部を譲り受けることができない また, 合併など譲渡以外の方法により持分を取得した場合には, 当該持分は, 当該持分会社がこれを取得したときに, 消滅する (587 条 2 項 ) ウ. 627 条 1 項 合同会社が資本金の額を減少する場合には, 当該合同会社の債権者は, 当該合同会社に対し, 資本金の額の減少について異議を述べることができる これは, 合同会社は有限責任社員のみで構成されているので, 会社債権者を保護する必要があるためである エ. 625 条 合同会社の債権者は, 当該合同会社の営業時間内は, いつでも, その計算書類 ( 作成した日から5 年以内のものに限る ) の閲覧または謄写の請求をすることができる これは, 合同会社は有限責任社員のみで構成されているので, 会社債権者を保護する必要があるためである 9 解答解説

10 問題 18 正解 4 ( 難易度 :A) ア. 754 条 1 項,922 条,49 条 新設合併は新設型再編に分類されるので, 設立の登記の日に, その効力が生じる イ. 759 条 1 項 吸収分割は吸収型再編に分類されるので, 吸収分割契約で定めた効力発生日に, その効力が生じる ウ. 769 条 1 項 株式交換は吸収型再編に分類されるので, 株式交換契約で定めた効力発生日に, その効力が生じる エ. 774 条 1 項,925 条,49 条 株式移転は新設型再編に分類されるので, 設立の登記の日に, その効力が生じる 問題 19 正解 4 ( 難易度 :A) ア. 金商法 25 条 1 項 1 号,2 項 3 項 有価証券届出書は間接開示書類である イ. 金商法 2 条 10 項 目論見書とは, 有価証券の募集または売出し, 適格機関投資家取得有価証券一般勧誘または特定投資家等取得有価証券一般勧誘のために当該有価証券の発行者の事業その他の事項に関する説明を記載する文書であって, 相手方に交付し, または, 相手方から交付の請求があった場合に交付するものをいう (2 条 10 項 ) 有価証券届出書は間接開示書類であるため, 投資者が必ず情報を入手することができるとは限らない そこで, 目論見書を投資者に直接交付することにより, 投資者への情報提供を確実にしているのである ウ. 金商法 27 条の9 第 1 項 2 項 公開買付説明書とは, 公開買付届出書の内容等を記載した書類である 公開買付説明書は, 公開買付届出書が間接開示書類であるのと異なり, 直接開示書類である 公開買付説明書は, 発行開示における目論見書に相当するものである 公開買付けを行うためには公開買付届出書を提出しなければならないが, 公開買付届出書は間接開示書類であるため, 投資者が必ず情報を入手することができるとは限らない そこで, 公開買付届出書とほぼ同じ内容を記載した公開買付説明書を投資者に直接交付することにより, 投資者への情報提供を確実にしているのである エ. 金商法 27 条の 14 第 1 項 意見表明報告書は間接開示書類である 問題 20 正解 6 ( 難易度 :B) ア. 企業内容等開示ガイドライン2-4 株式の分割により株式の数が増加する場合は, 発行者に開示義務を課さなくとも投資者保護に欠けることがないため, 有価証券の募集に該当することはない イ. 企業内容等開示ガイドライン2-4 株式無償割当てにより株式を発行する場合は, 発行者に開示義務を課さなくとも投資者保護に欠けることがないため, 有価証券の募集に該当することはない ウ. 金商法 2 条 3 項 新株予約権付社債を発行する場合は, 勧誘対象者数基準および属性基準により私募とされない限り, 有価証券の募集に該当する 10 解答解説

11 エ. 金商法 2 条 3 項 取得勧誘類似行為 (2 条 3 項かっこ書 ) は, すでに発行された有価証券の売付けの申込みまたはその買付けの申込みの勧誘ではあるが, 実質上は新規発行有価証券の取得の申込みの勧誘に類するものと認められることから, 売出しではなく, 有価証券の募集の定義に含められている ここで, 取得勧誘類似行為に該当するものとして, 募集株式の発行等としての自己株式の処分が挙げられている ( 定義府令 9 条 1 号 ) 会社法では, 募集株式の発行と自己株式の処分を合わせて, 募集株式の発行等とし, 同様の手続規制を設けている ( 会社法 199 条 ~213 条 ) したがって, 自己株式の処分は実質的には募集株式の発行と変わらないものとして, 取得勧誘類似行為として有価証券の募集の定義に含めているのである よって, 自己株式を処分する場合, 有価証券の募集に該当することがあるため, 本肢は正しい 11 解答解説

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< F2D947A957A8E9197BF F81408ED DE092638AD6> 国際裁判管轄法制部会資料 10 平成 20 年 12 月 19 日 社団 財団関係の訴えの類型 社団 財団関係の訴えの相関図 社団 財団 イ 1(1) ロ ハ 1(3) 1(4) 2(1) 社員役員発起人 検査役 イ ニ 1(2) 1(5) 2(2) 2(3) 社員債権者役員 ( 注 ) 実線の矢印が法第 5 条第 8 号の訴えを示し ( 矢印の始点が原告, 終点が被告 ), イ ないし ニ の表記は法第

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