サントリー美術館「原安三郎コレクション　広重ビビッド」展開催

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くにもとしのしま
5 years ago
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摺りを検討しながら進めており広重の意思が隅々まで込められていますまた版木の線が摩滅せずシャープなため美しい彫りの線が確認できますつまり本展では広重が表現しようとした形や生涯を通じて追い求めた色彩および彫摺技法の粋を見ることができますさらに保存状態が極めて優れているため制作当初の試し摺に近い初摺の姿が鑑賞できるまたとないチャンスです

2 摺りを検討しながら進めており広重の意思が隅々まで込められていますまた版木の線が摩滅せずシャープなため美しい彫りの線が確認できますつまり本展では広重が表現しようとした形や生涯を通じて追い求めた色彩および彫摺技法の粋を見ることができますさらに保存状態が極めて優れているため制作当初の試し摺に近い初摺の姿が鑑賞できるまたとないチャンスですこのふたつのそろいもの揃物を全点公開するのは本展が初めてのこととなります開催に際し名所江戸百景ならびに六十余州名所図会について描かれた場所の現地取材を行ないました広重の作品と現在の写真を展示および図録で比較していただくことができるのも本展ならではです名所江戸百景に関しては江戸在住の広重が実際に足を運び写生したものが基になっていると考えられています一方六十余州名所図会についてはその大半が典拠資料を参考にしていますが画面構成に広重の心象風景による表現を加えオリジナリティーを出していますまた江戸や旅先で実景を目にした体験が反映されていると思われる描写もありかつしかほくさいシリーズのなかでも一際優れた作品となっていますあわせて本展では葛飾北斎うたがわくによし (1760~1849) や歌川国芳 (1797~1861) の名所絵なども展示ちえうみいたしますとくに現存数の少ない北斎の千絵の海が10 図すべて揃うのも見どころのひとつです国内外でも稀に見る名品の数々をぜひお楽しみください展示構成第 1 章初公開歌川広重六十余州名所図会六十余州名所図会美作山伏谷歌川広重大判錦絵嘉永 6 年 (1853) 2

3 六十余州名所図会は広重が晩年に手掛けた揃物で五畿七道すなわち五畿内東海道東山道北陸道山陰道山陽道南海道西海道の68ヶ国の名所を描いています武蔵の国とは別に江戸の図がありこの69 図に目録を加えたこしむらやへいすけこしへい全 70 図で構成されます板元の越村屋平助通称越平が嘉永 6 年 (1853) ばいそていげんぎょ 7 月から安政 3 年 (1856)5 月にかけて出版し同年 9 月に梅素亭玄魚 (1817~1880) による目録が作成されました題材となる場所が全国各地のため広重は先行する多くの地誌絵本類を参考にしています都名所図会摂津名所図会東海道名所図会北斎漫画などさんすいきかんその参照先は多岐に渡りますがとくに大きな典拠となったのが山水奇観ですふちがみきょっこう同書は淵上旭江 (1753~1816) が23 年の歳月をかけて実際に諸国を歩き風景を写生したものが基になっており実景に取材した正確な描写が特徴です広重はこれらの図を換骨奪胎しながら臨場感溢れる画面に仕上げていますそして本シリーズでは彫りと摺りの技術が効果的に駆使されていますたとふえば美しいグラデーションを生み出す拭きぼかしは海面や川面空の表現に深みを与えていますとくに拭きぼかしの一種あてなしぼかしは摺師の腕が問われる技術のひとつで広重作品のなかでは本シリーズから本格的に使われあわなるとふうは始めました阿波鳴門の風波は本コレクションのなかでもとりわけ重要な1 図で渦潮の流れに沿って藍色のぼかしが施されています出身地である徳島の図にあいだま原氏が格別な思いを抱いていたことは想像に難くありませんまた藍玉を扱う商家に生まれた原氏が浮世絵の藍色に対する鋭敏な色彩感覚をもっていたことがうかがえます本コレクションの六十余州名所図会はこれまで展覧会への出品歴が無く本展が初公開となりますまるで摺りたてのような美しさをご鑑賞くださいおもな出品作品いずもたいしゃず六十余州名所図会出雲大社ほとほとの図嘉永 6 年 (1853) みまさかやまぶしだに六十余州名所図会美作山伏谷嘉永 6 年 (1853) びんごあぶとかんのんどう六十余州名所図会備後阿武門観音堂嘉永 6 年 (1853) 六十余州名所図会阿波鳴門の風波安政 2 年 (1855) さつまぼううらそうけんせき六十余州名所図会薩摩坊ノ浦双剣石安政 3 年 (1856) 以上すべて歌川広重大判錦絵 3

第 2 章最晩年の傑作歌川広重名所江戸百景名所江戸百景大はしあたけの夕立歌川広重大判錦絵安政 4 年 (1857) 名所江戸百景深川萬年橋名所江戸百景王子装束ゑの木大晦日の狐火歌川広重大判錦絵安政 4 年 (1857) 歌川広重大判錦絵安政 4 年 (1857) 名所江戸百景は

月には二代あかさかきりばたけうちゅうゆう広重によって赤坂桐畑雨中夕けい 1 図が追加されこの119 図と梅素亭玄魚による目録 1 図を合わせ計 120 図で大揃いとされます赤坂桐畑雨中夕けいあらためいんのほかに広重の没した安政 5 年 9 月以降の改印すなわち出版許可の検閲印がある3 図について

あてなしぼかしなど高度な摺りの技術が多用されている点も注目されます名所江戸百景は海外におおゆうだちかめいどうめやしきまで影響を与えており大はしあたけの夕立と亀戸梅屋舗を模写したゴッホの油彩画が残されています玄魚の目録では作品を春夏秋冬の四季に分類しており従来はこの配列に沿って展示

4 第 2 章最晩年の傑作歌川広重名所江戸百景名所江戸百景大はしあたけの夕立歌川広重大判錦絵安政 4 年 (1857) 名所江戸百景深川萬年橋名所江戸百景王子装束ゑの木大晦日の狐火歌川広重大判錦絵安政 4 年 (1857) 歌川広重大判錦絵安政 4 年 (1857) 名所江戸百景は最晩年の広重が取り組んだ名所絵の集大成であり江戸さかなやえいきちうおえい市中および郊外の名所を主題としています板元は魚屋栄吉通称魚栄で安政 3 年 (1856)2 月から同 5 年 (1858)10 月までの間に広重落款の作品 118 図が刊行されました初代広重没後の翌 6 年 (1859)4 月には二代あかさかきりばたけうちゅうゆう広重によって赤坂桐畑雨中夕けい 1 図が追加されこの119 図と梅素亭玄魚による目録 1 図を合わせ計 120 図で大揃いとされます赤坂桐畑雨中夕けいあらためいんのほかに広重の没した安政 5 年 9 月以降の改印すなわち出版許可の検閲印がある3 図について二代広重の代作である可能性が指摘されていますシリーズの大きな特徴とされるのが近景をクローズアップし遠景を小さく描き込む大胆な構図です年次順に見ていくと最初は俯瞰図が多く安政 3 年 7 月頃からこの極端な遠近法を利用した作品が増えていきましたまた初摺では布を紙に押し付けて凹凸をこすり出す布目摺りやあてなしぼかしなど高度な摺りの技術が多用されている点も注目されます名所江戸百景は海外におおゆうだちかめいどうめやしきまで影響を与えており大はしあたけの夕立と亀戸梅屋舗を模写したゴッホの油彩画が残されています玄魚の目録では作品を春夏秋冬の四季に分類しており従来はこの配列に沿って展示掲載を行なうのが一般的でしたしかし目録は広重没後の編成であり描かれた季節と分類がずれている箇所も散見されますまた玄魚の配列に従うと改印の年月に一貫性が無くなるため当初の広重の意図を反映しているかどうかについては疑問視されていますそこで本章では作品を地域ごとに分け実際に江戸名所を歩いてめぐっているような配列にいたしました広重の目を通して大江戸観光を追体験していただければ幸いです 4

おもな出品作品名所江戸百景大はしあたけの夕立安政 4 年 (1857) 名所江戸百景亀戸梅屋舗安政 4 年 (1857) かめいどてんじんけいだい名所江戸百景亀戸天神境内ふかがわまんねんばし名所江戸百景深川萬年橋おうじしょうぞくきおおみそ名所江戸百景王子装束ゑの木大晦日かきつねの狐び火安政 3 年 (1856) 安政 4 年 (1857) 安政 4 年 (1857)

5 おもな出品作品名所江戸百景大はしあたけの夕立安政 4 年 (1857) 名所江戸百景亀戸梅屋舗安政 4 年 (1857) かめいどてんじんけいだい名所江戸百景亀戸天神境内ふかがわまんねんばし名所江戸百景深川萬年橋おうじしょうぞくきおおみそ名所江戸百景王子装束ゑの木大晦日かきつねの狐び火安政 3 年 (1856) 安政 4 年 (1857) 安政 4 年 (1857) 以上すべて歌川広重大判錦絵第 3 章幻のシリーズ葛飾北斎千絵の海千絵の海五島鯨突葛飾北斎中判錦絵天保 3 年 (1832) 頃広重が風景版画のトップに登りつめる前このジャンルで不動の人気を得ていたのが葛飾北斎でした千絵の海は日本各地の水辺の景色を描いた揃物で漁労と水の造形に焦点が当てられています大判よりも一回り小さい中判錦絵でありふがくさんじゅうろっけい現存数は多くありませんがその芸術性が高く評価されています冨嶽三十六景の成功を受けて相次いで刊行されたと考えられているシリーズで題名の千絵の海は智慧の深さを海にたとえる智慧の海の言葉遊びになっていますみやとがわながなわしもうさのぶとそうしゅうちょうしそうしゅううらがそうしゅうとねがわきぬがわ宮戸川長縄下総登戸総州銚子相州浦賀総州利根川絹川はちごとうくじらつきこうしゅうひぶりかばりながしまあみふせ五島鯨突甲州火振蚊針流待チ網の計 10 図が確認されておりかずさうらしながわ上総浦品川の校合摺 2 図および版下絵が残されています残存例が少ないこともあり 10 図が揃っている所蔵先はほとんどありません本章ではこの貴重な10 図を全て展示いたしますおもな出品作品千絵の海総州銚子千絵の海五島鯨突千絵の海甲州火振天保 3 年 (1832) 頃天保 3 年 (1832) 頃天保 3 年 (1832) 頃以上すべて葛飾北斎中判錦絵 5

第 4 章名所絵の名品葛飾北斎歌川国芳とともに冨嶽三十六景凱風快晴葛飾北斎大判錦絵文政末 ~ 天保初期 (1829~32) 近江の国の勇婦お兼歌川国芳大判錦絵天保 2~3 年 (1831~32) 頃とうかいどうごじゅうさんつぎ広重は生涯を通じて多くの名所絵の傑作を生み出しました東海道五拾三次のうち之内は30 代の広重が筆を執った出世作でこれ以後

さらに本章では葛飾北斎と歌川国芳の揃物を中心に選りすぐった名品をご紹介いたします 70 代の北斎による代表作冨嶽三十六景実在および空想の橋をしょこくめいきょうきらんしょこくたきめぐ主題とした諸国名橋奇覧諸国の名瀑を廻る諸国瀧廻りそして広重と同じとうととうとめいしょ年に生まれた国芳による江戸名所を主題とした東都東都名所のシリーズおうみくにゆうふかね近江の国の勇婦お兼

6 第 4 章名所絵の名品葛飾北斎歌川国芳とともに冨嶽三十六景凱風快晴葛飾北斎大判錦絵文政末 ~ 天保初期 (1829~32) 近江の国の勇婦お兼歌川国芳大判錦絵天保 2~3 年 (1831~32) 頃とうかいどうごじゅうさんつぎ広重は生涯を通じて多くの名所絵の傑作を生み出しました東海道五拾三次のうち之内は30 代の広重が筆を執った出世作でこれ以後風景版画の名手としての地位を確立していくことになりますまた大判三枚続の大パノラマ画面に雪のき木曽路月の金沢八景花に見立てた阿波鳴門の渦潮を俯瞰的に描いた木さんせんぶようかなざわはっけいやけいあわなるとのふうけい山川武陽金沢八勝夜景阿波鳴門之風景は晩年期にふさわしいダイナミックな雪月花の連作になっていますそして晩年の広重は肉筆画の世界でも優れた能力を発揮しましたさらに本章では葛飾北斎と歌川国芳の揃物を中心に選りすぐった名品をご紹介いたします 70 代の北斎による代表作冨嶽三十六景実在および空想の橋をしょこくめいきょうきらんしょこくたきめぐ主題とした諸国名橋奇覧諸国の名瀑を廻る諸国瀧廻りそして広重と同じとうととうとめいしょ年に生まれた国芳による江戸名所を主題とした東都東都名所のシリーズおうみくにゆうふかね近江の国の勇婦お兼など江戸後期を彩った浮世絵師たちの競演をご覧くださいそ曽じ路の之おもな出品作品かんばら東海道五拾三次之内蒲原よる夜の之ゆき雪歌川広重大判錦絵天保 4 年 (1833) 頃阿波鳴門之風景歌川広重大判錦絵三枚続安政 4 年 (1857) 雪月花がいふうかいせい歌川広重絹本三幅対嘉永 2~3 年 (1849~50) 冨嶽三十六景凱風快晴葛飾北斎大判錦絵文政末 ~ 天保初期 (1829~32) てんじん諸国名橋奇覧かめゐど天神たいこばし葛飾北斎大判錦絵天保 2 年 (1831) 頃き諸国瀧廻り木しゅ東都首尾びまつの松そ曽の之じおくノ奥路ず図近江の国の勇婦お兼しんよしわら東都名所新吉原あ阿み弥だたきヶ瀧陀葛飾北斎大判錦絵天保 4 年 (1833) 頃歌川国芳大判錦絵天保 2~3 年 (1831~32) 頃歌川国芳大判錦絵天保 2~3 年 (1831~32) 頃歌川国芳大判錦絵天保 3~4 年 (1832~33) 頃以上すべて 6

7 本展における展覧会関連プログラム記念講演会広重と旅講師 : 市川信也氏 ( 那珂川町馬頭広重美術館館長 ) 日時 :5 月 15 日 ( 日 )14 時 ~15 時 30 分会場 :6 階ホール定員 :100 名対象 : 一般聴講料 :700 円 ( 別途要入館料 ) 応募締切 :4 月 24 日 ( 日 ) 記念落語会いくじなし広重出演 : 柳家さん生氏 ( 落語家 ) 日時 :5 月 8 日 ( 日 )14 時 ~15 時 30 分会場 :6 階ホール定員 :80 名対象 : 一般聴講料 :2,000 円 ( 別途要入館料 ) 応募締切 :4 月 17 日 ( 日 ) 広重ビビッド展開催会期 :2016 年 4 月 29 日 ( 金祝 )~6 月 12 日 ( 日 ) 作品保護のため会期中展示替を行ないます主催 : サントリー美術館 TBS 朝日新聞社特別協賛 : 日本化薬協賛 : 三井不動産サントリーホールディングス後援 :( 公財 ) アダチ伝統木版画技術保存財団会場 : サントリー美術館港区赤坂東京ミッドタウンガレリア3 階 < 最寄り駅 > 都営地下鉄大江戸線六本木駅出口 8より直結東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結東京メトロ千代田線乃木坂駅出口 3より徒歩約 3 分基本情報開館時間 :10 時 ~18 時金土および5 月 2 日 ( 月 )~4 日 ( 水祝 ) は20 時まで開館いずれも入館は閉館の30 分前まで shop cafeは会期中無休休館日 : 火曜日 (5 月 3 日 6 月 7 日は開館 ) 入館料 : 一般 1,300 円大学高校生 1,000 円中学生以下無料 20 名様以上の団体は100 円割引前売 : 一般 1,100 円大学高校生 800 円サントリー美術館チケットぴあローソンチケットセブンチケットイープラスにて取扱 ( 各種プレイガイドは一般のみ販売 ) 前売券の販売は2 月 24 日 ( 水 ) から4 月 28 日 ( 木 ) までサントリー美術館受付での販売は2 月 24 日 ( 水 ) から4 月 17 日 ( 日 ) まで 7

8 割引 : きもの割 : きものでのご来館で100 円割引 HP 割 : ホームページ限定割引券提示で100 円割引携帯割 : 携帯サイトの割引券画面提示で100 円割引あとろ割 : 国立新美術館森美術館の企画展チケット提示で100 円割引割引の併用はできません点茶席 ( お抹茶と季節のお菓子 ) 1 日限定 50 名 ( 当日先着順 ) 1,000 円 ( 別途要入館料 ) 6 階茶室玄鳥庵にて日時 :5 月 5 日 ( 木祝 ) 19 日 ( 木 ) 6 月 2 日 ( 木 ) 9 日 ( 木 ) 11 時 30 分 ~17 時 30 分 ( 入室は17 時まで ) 13 時 14 時 15 時にはお点前があります点茶券は当日 10 時より3 階受付にて販売 ( 予約不可お一人様 2 枚まで ) 一般お問い合わせ : ホームページ : 次回展覧会オルセー美術館共同企画生誕 170 周年記念エミールガレ ( 仮称 ) 2016 年 6 月 29 日 ( 水 )~8 月 28 日 ( 日 ) プレスからのお問い合わせ : 学芸池田広報羽鳥 TEL: FAX: メールでのお問い合わせ及びプレス用画像ダウンロードのお申し込み : 2 月 8 日 ( 月 ) から以上 8

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4 256 2016 1 2 3 Imperial Hotel Tokyo 4 J 5 ルノワール展会期会場前売入場券オルセー美術館オランジュリー美術館所蔵印象派時代の最高傑作ムーランドラギャレットの舞踏会初来日田舎のダンス都会のダンス 45年ぶりにそろって来日!! 4月27日水 8月22日(月) 国立新美術館企画展示室 1E 東京六本木最寄駅東京メトロ千代田線

サントリー美術館 「原安三郎コレクション 広重ビビッド」展 開催

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