はじめに 本書は 玄人志向キワモノシリーズ KURO-IOTEXP/KIT に付属する玄人指南書自作 IoT 編 2015 冬 春号の追加内容になります 活用例では第三者提供のインターネットサービスを利用します それらの利用にはご自分の アド レスを登録してアカウントを作成

Transcription

1 玄人指南書アップデート 2016/3/4 補足事項 誤記訂正 自作 IoT レシピ追加分

2 はじめに 本書は 玄人志向キワモノシリーズ KURO-IOTEXP/KIT に付属する玄人指南書自作 IoT 編 2015 冬 春号の追加内容になります 活用例では第三者提供のインターネットサービスを利用します それらの利用にはご自分の アド レスを登録してアカウントを作成する必要があります またそれらのサービスが無料で恒久的に提供さ れることは保証されません 活用例はなるべく容易に IoT を体験するため 信頼性 安全性を考慮した設計ではありません 生命や 財産に損害を及ぼす可能性がある用途に使用しないでください 本書が皆さまの自作 IoT をはじめるきっかけになれば幸いです 改善やオリジナル活用例 ( 自作 IoT レシ ピ ) を考案された場合は掲示板等でのご紹介をお願いします Raspberry Pi は英国 Raspberry Pi 財団の商標です その他記載されているサービス名や商品名はそれぞれ各社の商標または登録商標です 本指南書は 2016 年 3 月 4 日時点での情報を元に作成されました 本書の正誤情報 更新情報は次よりご確認ください

3 1. 補足事項 誤記訂正 1-1. 製品に同梱されたワイヤージャンパーの色について 付属品のワイヤージャンパーは製品個体ごとに色の組み合わせが異なっています 指南書で使用しているジャンパー線の色は一例とお考えください 誤接続を避けるため 一般的には赤色の線を電源 ( プラス ) 黒色の線を Gnd(Ground またはグランド マイナス ) に使います 1-2. 製品に同梱された抵抗部品について 付属品の 1k オーム抵抗は生産ロットによって種類が異なっておりました 次のいずれかが付属しており ますがどちらも 1k オーム抵抗です 1k(1,000) オームカラーコード茶黒黒茶茶または茶黒赤金 1-3. ブレッドボード図と実際の付属品と相違について 付属玄人指南書内のブレッドボード図と実際に付属するブレッドボードのピン番号表示の並びが異なっ ておりました

4 2. 自作 IoT レシピ ~ 温湿度モニター ~ PC 遠隔電源 ON PC ヘルスモニタ ( ケース内温湿度 ) 自作 PC Motherboar 有線 HUB へ PW-SW 電源スイッチ 温湿度センサ クラウドサービス Blynk/IFTTT 活用例 :PC ヘルスモニタ ( ケース内温湿度 ) 1. 温湿度モニター機能 (Blynk サービスを利用 ) 2. 異常温度時プッシュ通知 (IFTTT サービスを利用 ) AC アタ フ ターへ 本キット スマートフォン 製品付属玄人指南書記載の PC 遠隔電源 ON 機能と併用すれば 今回の温湿度モニター機能は PC ヘルス モニタとして活用可能です 今回もインターネットサービスを利用した使用例となります 製品付属指南書にて使用した Blynk と今回は新たに IFTTT( イフト ) の2つのサービスを使用します IFTTT は既にご利用の方も多いかと思いますが IFTTT で提供されている Maker channel は自作 IoT に利用することが可能です ご存じない方のために IFTTT で何ができるかを簡単にいうと if( もし ) trigger あるインターネットサービスで指定した条件 then( になったら ) action 他のインターネットサービスの指定した処理を実行する のように 2つのインターネットサービス同士を連携することが可能なサービスです trigger に RaspberryPi で異常温度が計測されたこと action にスマートフォンに通知することを設定すれば 2. 異常温度時プッシュ通知 という機能を実現可能です 動作確認バージョン Raspberry Pi 2 MODEL B NOOBS Version1.8.0 Blynk library v0.3.3 wiringpi 2.32 ios IF by IFTTT ios Blynk Android IF by IFTTT Android Blynk 1.8.2

5 2-1. ブレッドボード上の配線 次のように温湿度センサーの配線を行ってください ワイヤージャンパー線の色や長さは好みに応じて 使用してください 温湿度センサー (DHT11) S + - GND へ接続 電源へ接続 (3.3V) 信号 :GPIO 等へ接続 GND V S --- GPIO#4 温湿度センサーの配線例

6 配線図 (PC 遠隔電源 ON PC ヘルスモニタ ( ケース内温湿度モニタ ) 同時利用時 )

7 2-2.Raspberry Pi2 の設定 Raspberry Pi2 側は 今回は Blynk library プログラムを変更して温湿度計測と IFTTT への送信機能を追 加します まず Raspberry Pi2 へログインしてください blynk-library と wiringpi はインストール済みとします ( 製品付属指南書を参照してください ) 次のように入力して curl ライブラリをインストールします $ sudo apt-get update $ sudo apt-get install libcurl4-openssl-dev カレントディレクトリを Blynk library の Linux 用プログラムの場所へ移動します $ cd ~/blynk-library/linux 今回変更及び追加するファイル一覧です Makefile 変更 ( パッチ適用 ) main.cpp 変更 ( パッチ適用 ) kuro-iotexp1.cpp 追加ソースコード kuro-iotexp1.h 追加ヘッダファイル 次のように入力してソースファイルと差分ファイルをダウンロードします $ wget $ wget $ wget $ wget 次のように入力してパッチを適用します ( オリジナルファイルのバックアップも作成されます ) $ patch -u -b < Makefile.patch $ patch -u -b < main.cpp.patch main.cpp を編集して 以下の行の xxxxxxxx の箇所を IFTTT Maker channel のご自分の key へ変更しま す (IFTTT Maker channel の key については 2-3. スマートフォンの設定 を参照ください ) char url[] = " 次のようにビルドし直します $ make clean all target=raspberry

8 次のように実行します (Blynk の token については 製品付属指南書を参照してください ) $ sudo./blynk --token=xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx Blynk library 実行時のコンソール出力 温湿度は 10 秒毎に計測されます ( 補足事項 ) Windows 上でのソースファイルの編集について Linux と Windows ではテキストファイルの改行コードが異なりますので Windows 上で編集する場合は Linux 形式をサポートしたテキストエディタを使用してください Linux: CR, Windows: CR+LF 温湿度センサーのリードエラーと精度についてサンプルプログラムはポーリング処理にて温湿度センサーと通信しています マルチタスクで動作する Linux 上で動作しているため取りこぼしが発生することがあります また精度については電源電圧が 5V 未満の場合は精度が下がる様子です Raspberry Pi と接続する都合上で電源電圧を 3.3V としており 特に湿度については目安程度の精度です

9 2-3. スマートフォンの設定 IFTTT の導入と設定手順 ( プッシュ通知 ) App store 又は Google play より IF by IFTTT アプリをインストールしてください このアプリは英文表示になります まず ご自分のアカウントを作成して サインイン してください IFTTT にサインインした直後の画面には連携動作した履歴が表示されます IFTTT では連携設定の組み合わせを Recipe( レシピ ) と呼んでおり あらかじめ多数の組み合わせが Recipe として用意されています 今回は新たに Recipe を作成します 画面右上のすり鉢のようなアイコンをタップして My Recipes を開いて + ( プラス ) アイコンをタップし さらに画面下の Create a (New) Recipe をタップしてください まず If の右側の + をタップした後に Maker を選んでください Trigger として Receive a web request を選んでください Event Name に alart-temp と入力してください これは RaspberryPi 側から送信する Event Name と同じ名称にする必要があります 次に then の右側の + をタップした後に IF Notifications を選んでください Action として Send a notification を選んでください Notification に 異常温度が計測されました などと入力してください 最後に Finish を選択すれば Recipe が作成されました My Recipes 画面では作成した Recipe の確認と有効化 / 無効化の切替ができます 次に Maker チャンネルの設定を確認します My Recipes 画面の右上の + ( プラス ) アイコンをタップすると channel のアイコンの一覧が表示されますので Maker アイコンを探して選んでください 次の右上のアイコンを選んで Your key is: 以下に表示される文字列をメモしてください この key は Raspberry Pi 側から送信データをご自分のアカウントと紐付けするために必要です I( 大文字のアイ ) と l( 小文字のエル ) の違いにご注意ください

10 Blynk の設定手順 ( 温湿度表示 ) 今回は新たに3つの Widget box を追加します Value Display を2つ History Graph を 1 つ追加してください 1 つめの Value Display の名称は Temp INPUT は Virtual の V0 FREQUENCY は 10sec 2 つめの Value Display の名称は Humidity INPUT は Virtual の V1 FREQUENCY は 10sec History Graph は上から順に Virtual の V0 Temperature Virtual の V1 Humidity SHOW LEGEND を ON と設定及び入力してください Value Display 設定 History Graph 設定 Android アプリと ios アプリでは細部の表示が異なるようです Blynk 動作中の画面例 以上でスマートフォン側の設定は完了です 自作 IoT レシピについて 本活用例を動作させてみると まだまだものたりない点が多く残っていることに気づかれると思いま す 是非オリジナルの改良をチャレンジしてみてください

11 ( 情報元リンク集 ) 玄人志向 本書の更新情報 Raspberry Pi2 Model B NOOBS ダウンロードリンク Raspberry Pi2 Model B GPIO 情報 Blynk マイコンボードを遠隔操作可能なサービス wirngpi GPIO 制御用ライブラリ IFTTT Maker Channel