Taro-破産法(まとめ)

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1 破産法 大阪学院大学教授細見利明 第 1 破産事件の処理 1 第 2 破産手続の開始 1 第 3 破産管財人 14 第 4 破産財団と自由財産 17 第 5 財団債権と破産債権 33 第 6 破産債権の届出と調査 42 第 7 別除権 47 第 8 取戻権 60 第 9 相殺権 65 第 10 双方未履行の双務契約 78 第 11 係属中の訴訟手続と破産 90 第 12 全部義務を負う者の破産と債権者 97 第 13 否認権 100 第 14 免責, 復権 Ⅰ -

2 第 1 破産事件の処理 1 破産の意味破産は, 経済的に破綻した破産者が有する財産を換価し, 換価金を債権者に公平に配当する制度である 換価とは不動産や動産であれば売却, 債権であれば売却または回収により金銭に換えることである 換価は裁判所が選任した破産管財人の手により行われるが, そもそも換価することができる財産が当初から見込まれないときは破産管財人は選任されない この場合には破産手続開始決定と同時に破産手続を廃止するという決定がなされ, 破産手続は瞬時に終わる これを同廃事件と言っている ( 同時廃止,216 条 1 項 ) 廃止 とは目的を達して終了する 終結 に対する手続上の概念である 同廃事件の場合には, 破産者が個人 ( 自然人 ) であるときは引き続いて免責手続に入るが, 破産者が法人であるときは, 法人には免責がないから同時廃止決定と同時にすべてが終わる ( 法人は解散する ) これに対し, 破産管財人が選任されて財産の換価, 配当が行われる事件を管財事件と言っている しかし, いったん管財事件として手続が始まり管財人が就任しても, 換価すべき財産がないことがわかった時にはやはり手続は廃止される ( 異時廃止,217 条 1 項 ) 目的を達して終了 終結目的を達しないで終了 --- 廃止破産手続開始決定と同時に終了 同時廃止破産手続開始後に終了 異時廃止 2 他の手続との比較破産は, 経済的に破綻した法人や個人の財産を換価し, 債権者に平等に配当する制度であり, 破産者が負担した債務の整理は破産管財人による配当により行われる これに対し, 民事再生手続と会社更生手続では, 債務者が負担した債務の整理は債務者や管財人が提案する計画 ( 再生計画, 更生計画 ) による そして, 民事再生でも会社更生でも法人はそのまま存続する 民事再生と会社更生の違いは担保権の取り扱いにあり, 民事再生手続では抵当権などの担保権は別除権として再生計画の対象とされず, 債権者の任意の担保権実行または債務者との交渉による解決 ( 別除権協定 ) にまかされるのに対し, 会社更生手続では担保権は別除権にはならず, 更生計画において弁済計画が立てられる 会社更生手続は株式会社のみを適用対象とする比較的大規模な会社倒産を扱う手続である 第 2 破産手続の開始 - 1 -

3 1 破産手続開始の申立て ( 破産手続開始の申立て ) 第 18 条債権者又は債務者は 破産手続開始の申立てをすることができる 2 債権者が破産手続開始の申立てをするときは その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない 1) 管轄破産事件を処理する裁判所を破産裁判所という 破産事件は地方裁判所の専属管轄であり (2 条 3 項,6 条 ), 地方裁判所のみが扱うことができる 土地管轄については原則として, 債務者が個人である場合には債務者の住所, 債務者が営業者である場合には債務者の主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所が担当する その他, 親子会社, 主たる債務者と保証人のように相互に連帯債務を負担する関係 夫婦, 会社と代表者の関係などの場合には一方の管轄裁判所に申立てができるように配慮されている さらに, 債権者の数が千人以上であるときは 東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも破産手続開始の申立てをすることができる これらの土地管轄については, 5 条 2 項以下に詳細に規定されている 2) 申立権者 ( 債権者と債務者 ) 債権者からも, 債務者自身からも, 破産手続開始の申立てをすることができる (1 8 条 1 項 ) 債務者自身が申し立てる場合を 自己破産 と言う 自己破産の場合には破産手続開始原因に該当する事実の疎明が必要がないと規定されているが, 現実には裁判所が定めた多数の書類の提出が要求される なお, 抵当権者などの別除権者は, 別除権の行使により債権の全額を満足できるとき, すなわち行使不足額が生じないときでも, 債権者として破産の申立権があると解すべきかについては疑問があるが, 別除権者も債権者であることに変わりはないから破産申立権を認めざるを得ない しかし, 債務者に対する嫌がらせのみを目的とする申立てについては権利濫用法理の適用の余地があるであろう 債権質の設定者は, 質権の対象たる債権の債務者 ( 第三債務者 ) に対して破産手続開始の申立てをすることはできないとされた判例がある ( 最高裁平成 11 年 4 月 16 日第二小法廷決定 ( 民集 53 巻 4 号 740 頁 倒産判例百選第 4 版 20 頁 ) 3) 準自己破産 ( 株式会社の取締役などの申立て ) ( 法人の破産手続開始の申立て ) 第 19 条 次の各号に掲げる法人については それぞれ当該各号に定める者は 破産 手続開始の申立てをすることができる 一 一般社団法人又は一般財団法人 理事 二 株式会社又は相互会社 取締役 三 合名会社 合資会社又は合同会社 業務を執行する社員 - 2 -

4 2 前項各号に掲げる法人については 清算人も 破産手続開始の申立てをすること ができる 3 以下略 株式会社その他の法人の破産では, 債務者に準じる者にも破産の申立権が認められ ている 債務者に準じる者とは, 株式会社や相互会社の取締役, 合名会社 合資会社 合同会社の業務執行社員, 一般社団法人や一般財団法人の理事などである (19 条 1 項 ) これらの者が申し立てる場合を 準自己破産 と言う 取締役会を設置して いる株式会社の取締役の一部が逃亡して自己破産を申し立てる旨の取締役会決議がで きないときに, 残った取締役が単独で株式会社の破産を申し立てることができる こ の場合には, 破産を申し立てる取締役が申立人, 申立ての相手方となる株式会社が被 申立人 ( 破産者 ) になる 法人が通常の清算手続にあるときは, 清算人にも申立権が認 められる (19 条 2 項 ) 4) 相続財産, 信託財産の破産の申立権者 *1 相続財産の破産では, 相続債権者及び受遺者のほか, 相続人, 相続財産管理人又 は遺言執行者 *2 も, 破産手続開始の申立てをすることができる (224 条 1 項 ) 信託財産の破産では, 信託債権 ( 信託 21 条 2 項 2 号参照 ) を有する者, 受益者の ほか, 受託者又は信託財産管理者, 信託財産法人管理人もしくは信託法 170 条 1 項 の管理人は, 信託財産につき破産手続開始の申立てをすることができる (244 条の 4 第 1 項 ) 5) 破産手続開始の申立ての取下げ ( 破産手続開始の申立ての取下げの制限 ) 第 29 条 破産手続開始の申立てをした者は 破産手続開始の決定前に限り 当該申 立てを取り下げることができる この場合において 第 24 条第 1 項の規定による中止の命令 包括的禁止命令 前条第 1 項の規定による保全処分 第 91 条第 2 項 に規定する保全管理命令又は第 171 条第 1 項の規定による保全処分がされた後は 裁判所の許可を得なければならない いったん破産を申し立てても, 自己破産の場合に有力な支援者が登場したため自己 破産の必要がなくなったり, 債権者が申し立てた破産について, 債権者と債務者との 間に示談が成立し, 破産の申立てを取り下げる合意ができた場合などには, 破産の申 *1 相続財産管理人は, 相続人のいることが明らかでないときに利害関係人等の請求により家庭裁 判所が選任する ( 民法 951 条 952 条 ) *2 遺言執行者は, 遺言により指定され, 又は裁判所により選任される ( 民法 1006 条,10 10 条 ) - 3 -

5 立てを取り下げる必要が生じる すでに裁判所から破産手続開始の決定がなされてしまえばもはや取下げの余地はないが, 破産手続開始決定前に限り, 破産手続開始の申立てをした者は申立てを取り下げることができる (29 条前段 ) しかし, 破産手続開始決定前でも, 中止命令 (24 条 1 項 ), 包括的禁止命令 (25 条以下 ), 保全処分 (28 条 1 項 ), 保全管理命令 (91 条 2 項 ) 又は否認権行使のための保全処分 ( 171 条 1 項 ) がされた後は, 裁判所の許可を得なければ申立てを取り下げることができないとされている (29 条後段 ) 6) 破産手続開始の申立てと債権の時効中断すでに開始された破産手続の中で債権者が自己の有する債権を破産債権として届け出れば当該債権の消滅時効は中断される ( 民法 152 条の反対解釈 ) しかし, 債権者が債務者の破産手続開始の申立てをすれば, 申立人の債権について消滅時効が中断されるかについては何ら法律の規定がない 判例は, 破産手続開始の申立ては 裁判上の請求 ( 民法 149 条 ) にあたるとして時効中断効を認めている ( 最高裁昭 35 年 12 月 27 日第一小法廷判決 民集 14 巻 14 号 3253 頁 ) また, 申立てが取り下げられた場合でも, 債権者が申立てに当たり主張した債権については裁判外の 催告 ( 民法 153 条 ) の意味があるから, 取下げ後 6か月以内に訴えを提起すれば確定的に消滅時効を中断できるとしている ( 最高裁昭和 45 年 9 月 10 日第一小法廷判決 民集 24 巻 10 号 1389 頁 ) 7) 費用の予納 ( 費用の予納 ) 第 22 条 破産手続開始の申立てをするときは 申立人は 破産手続の費用として裁 判所の定める金額を予納しなければならない 2 費用の予納に関する決定に対しては 即時抗告をすることができる ( 費用の仮支弁 ) 第 23 条裁判所は 申立人の資力 破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して 申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは 破 産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる 職権で破産手続開始の決定を した場合も 同様とする 2 前条第 1 項の規定は 前項前段の規定により破産手続の費用を仮に国庫から支弁 する場合には 適用しない 破産手続開始の申立てをするときは, 申立人は, 破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない (22 条 1 項 ) 予納額は同廃事件と管財事件とで異なり, 管財事件は比較的に高額である なお, 裁判所は, 申立人の資力, 破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して, 申立人及び利害関係人の利益の保護のためとくに必要と認めるときは, 破産手続の費用を仮に国家から支弁することができる (23 条 1 項前段 ) しかし, 裁判 - 4 -

6 所は容易に仮支弁を認めない 広島県内のゴルフ場経営会社が, 負債 250 億円, 債権者数約 5000 名の状態で自己破産の申立てをした際に, 裁判所は破産手続費用として3000 万円の納付を要求した しかし, 申立会社はこれが納付できないとして費用の国家からの仮支弁を求めたが, 裁判所は仮支弁したとしてもその金額を回収できる見込みもなく, 破産手続を進めるべき公益上の利益も認められないから, 本件は国庫による費用仮支弁を認めるべき場合に該当しないと判断して, 予納金を納付しない破産申立てを却下した原決定に対する抗告を棄却した ( 広島高等裁判所平成 14 年 9 月 11 日判決 ( 金融商事判例 1162 号 23 頁 )) 同決定は, 次のように判示している 抗告人は, 国庫による費用の仮支弁という方法があるという 確かに破産法 14 0 条前段 < 現 23 条 1 項前段 >には, 自己破産 ( 準自己破産を含む ) の申立ての場合は, 国庫がその費用を仮支弁する旨が定められている けれども, 自ら破産の申立てをしたからといって, その費用を常に国庫に立替えを求め得ると解するのは疑問がある 立替金を回収できない場合は国庫 ( 究極は納税者 ) が負担することになるが, 私利を追及した一私企業の倒産の後始末までも, 国民の負担で行うことを, 法が予定し, 国民が許容しているとは考えられない 民事訴訟を初めとする, 他の取引法, 企業法関係の司法手続費用は, 利用者負担を原則としている 自己破産の申立ての場合も, 仮支弁した費用を回収する見込みがなければ, 原則として仮支弁を行うことはできず, ただ, 個人消費者の自己破産申立ての場合であって費用を負担させることが酷であるとか, 公益上の要請が特に強いなどの例外的な場合に限り, 仮支弁することができるにとどまる, と解するべきである 8) 破産申立ての審理破産手続を開始するか否かの裁判は, 実務では, 自己破産の場合は, 口頭弁論はおろか債務者の審尋もなしに書証のみによるのがふつうである しかし, 債権者申立ての場合などには審尋により当事者の意見を聞いて判断するが, 口頭弁論を開いて審理することもできる (8 条 1 項 ) 2 破産手続開始前の保全処分 1) 保全処分の意義破産が申し立てられただけでは, 未だ破産手続開始に至っていない以上, 未だ破産者になっていない債務者の身上, 財産状態には変動はなく破産手続による制約を受けない しかし, 破産手続開始決定に至っていないからといってそのまま放置すれば, 債務者が破産手続の開始を予期して, 逃亡したり財産を隠匿したりするかもしれないし, 債権者の方も混乱に乗じて債務者を追及し, 返済を激しく迫って我がちに債権回収を図ることも考えられる 後日, 破産管財人が否認権を行使して破産財団に回復できるといっても必ずしも万全ではない そこで, 破産手続開始前であっても, 将来の - 5 -

7 破産手続に備えて一応の準備をしておく必要があり, そのために設けられた制度が破産手続開始前の保全処分である 保全処分として, 破産者の拘束もできるが命令された例を聞かない 一般には, 裁判所は, 利害関係人の申立てにより又は職権で, 破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間, 債務者の財産に関し, 財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命じる (28 条 1 項 ) 裁判所が命じることができる内容は 財産の処分禁止の仮処分その他必要な保全処分 であるが, その内容は幅広い 債務者財産の散逸防止の観点から, 裁判所の裁量によって広くその内容を定めることができる 債務者の総財産の包括的処分禁止, 商業帳簿などの閉鎖ないし保管の処分, 営業の強制的管理 ( たとえば, 管理者を選任して管理を委ねる方法 ) などが考えられる 通常なされている保全処分としては, 弁済禁止, 動産の仮差押, 自動車の仮処分, 債権仮差押, 不動産の処分禁止などがある 2) 弁済禁止の保全処分ア実務において用いられる代表的な物的保全処分として, 弁済禁止の保全処分があり, その形式は次のようなものである 申立人( 又は被申立人 ) は, あらかじめ当裁判所の許可を受けた場合を除き, 平成 年 月 日以前の原因に基づいて生じた一切の金銭債務の弁済及び担保提供をしてはならない ただし, 次のものはこの限りでない 裁判所がすべての金銭債務の弁済を禁止すると, 電気 ガス 水道代も支払えなくなるから, このような公共料金等は主文の但し書きで弁済禁止から除外して保全処分がなされる 弁済禁止の保全処分の内容は, 未だ破産手続開始に至っていなくとも, 債務者は債権者に対する偏頗弁済をしてはならないと命じることである 弁済禁止の保全処分が命じられた場合には, 債権者は, 保全処分に反してされた破産者の弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を破産管財人に対して主張することができない (28 条 6 項本文 ) しかし, 当該保全処分がされたことを知らないで弁済を受けたときは弁済を有効と主張できる ( 同ただし書き ) イ弁済禁止の保全処分発令後に債務者を相手として給付の訴えを提起できるかという問題がある 債権者が債務者を被告として給付訴訟を提起した場合に, 被告の債務者から弁済禁止の保全処分があると主張されたときはどうか これは訴訟要件欠缺の抗弁となるか, あるいは, 実体法上の抗弁となるか いずれにもならない 弁済禁止の保全処分の名宛て人は債務者であって債務者の弁済を禁止する処分であっても, 債権者の有する債権の内容を実体法的に変更したり制限する内容ではないから, 訴訟における何の有効な抗弁にはならない 原告は弁済禁止の保全処分にもかかわらず債務名義を取得でき, 取得した債務名義に基づく強制執行をすることもできる 弁済禁止の保全処分によって妨げられることはない 強制執行を中止させる - 6 -

8 には強制執行の中止 禁止命令によらなければならない ウ弁済禁止の保全処分を遵守して債務を履行しなかった債務者は債権者に対する債務の履行不能ないし履行遅滞になるのかについては議論がある 裁判所の命令により払わないのだから履行しないことに違法性がなく債務不履行にはならないとした判例がある 最高裁昭和 57 年 3 月 30 日第三小法廷判決 ( 民集 36 巻 3 号 484 頁 倒産判例百選第 4 版 26 頁 ) がそれであるが, 同判決は, 所有権留保付 代金分割弁済の約定で機械を買い受けた買主について会社更生手続開始決定があり, 弁済禁止の保全処分が発せられたが, 売主は買主が分割弁済を怠ったことを理由に契約 ( 使用貸借契約 ) を解除し機械の引渡しを訴求した事件について, 本件のように, 更生手続開始の申立のあつた株式会社に対し会社更生法 39 条の規定によりいわゆる旧債務弁済禁止の保全処分が命じられたときは, これにより会社はその債務を弁済してはならないとの拘束を受けるのであるから, その後に会社の負担する契約上の債務につき弁済期が到来しても, 債権者は, 会社の履行遅滞を理由として契約を解除することはできないものと解するのが相当である と判示した 3) 強制執行などの中止 禁止命令裁判所は, 必要があると認めるときは, 利害関係人の申立てにより又は職権で, 破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間, 破産手続開始申立当時に係属している強制執行などの手続の中止を命ずることができる (24 条 1 項 1 号 ) これは, すでに係属している個別の強制執行手続を中止する制度であるが, さらに, これでは破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは, 裁判所は, 利害関係人の申立てにより又は職権で, 破産手続開始申立てにつき決定があるまでの間, すべての債権者に対して, 債務者の財産に対する強制執行などの禁止を命ずることができる (25 条 1 項 ) ただし, 抵当権や根抵当権は別除権になり, 別除権は破産手続によらないで行使することが認められるから (65 条 1 項 ), 担保権の実行としての競売を中止させたり, 禁止したりすることはできない ( これに対し, 民事再生手続では一定の要件の下に別除権の実行の中止を命じることができるとされている ( 民事再生法 31 条 )) 4) 保全管理命令破産手続開始の申立て後まもなく保全管理命令が発せられることがある これは, 破産手続開始決定までの間に, 将来破産財団となるべき財産の管理を保全管理人に命じる裁判所の命令である 保全管理命令は, 債務者が法人である場合にのみ, 法人自身の手による財産の管理及び処分が失当であるときに限り発せられる 保全管理命令の有効期間は破産手続開始決定までである (91 条 1 項 ) 本来, 破産手続開始の申立てがなされても, 裁判所が未だ破産手続開始決定をしていない以上, 債務者の財産の管理処分権は債務者にあるはずであるが, 保全管理命令が発せられると, その時点 - 7 -

9 から, 債務者の財産の管理処分権は債務者から剥奪されて保全管理人に与えられる ( 93 条 1 項本文 ) 保全管理人は言わば破産管財人の先取りの機関である 3 破産原因 ( 破産手続開始の原因 ) 第 15 条 債務者が支払不能にあるときは, 裁判所は, 第 30 条第 1 項の規定に基づき 申立てにより, 決定で, 破産手続を開始する 2 債務者が支払を停止したときは, 支払不能にあるものと推定する ( 法人の破産手続開始の原因 ) 第 16 条 債務者が法人である場合に関する前条第 1 項の規定の適用については, 同項 支払不能 とあるのは, 支払不能又は債務超過 ( 債務者が, その債務につき, そ 財産をもって完済することができない状態をいう ) とする 2 前項の規定は, 存立中の合名会社及び合資会社には, 適用しない 1) 支払不能破産法は, 破産手続開始原因を債務者の 支払不能 と定めると共に, 株式会社などの物的会社にあっては支払不能に加えて 債務超過 をも破産手続開始原因としている (15 条,16 条 ) 支払不能は, 個人 ( 自然人 ), 法人についての共通の破産手続開始原因である 支払不能は, 支払能力を欠くために弁済期にある債務を一般的かつ継続的に支払えない状態をいう (2 条 11 項 ) 支払不能は, 弁済期の到来した債務を 一般的に, すなわち債権者の誰に対しても支払えない状態であ る 弁済があらゆる種類の債務の履行のことをいうのに対し, 支払とは金銭債務の弁済のことであるから, 金銭債務についてのみ支払不能が観念される 2) 支払停止支払停止の事実があれば支払不能と推定される (15 条 2 項 ) この推定は債権者が申し立てる破産手続の審理の場合にとくに意味がある 破産を申し立てる債権者は債務者の支払不能を立証する代わりに支払停止を立証すればよい 支払停止の事実が立証できれば支払不能が法律上推定されるから, 債務者側がこの推定を覆す事実を立証しない限り, 支払不能と認めて破産手続開始決定がなされる 支払停止とは, 債務を将来にわたって支払えない旨を外部に表示する債務者の行為である 通常は, まず支払不能の状態となって, その後債務者が外部にその事実を表示するという時間的順序になる 支払停止は明示, 黙示を問わない 明示の支払停止としては, これこれの事情で債務を支払えなくなった 近日中に裁判所に破産を申し立てる などを内容とする, 債権者に対する口頭 書面による通知, 事務所や営業所への貼紙, 広告などである 黙示の支払停止としては, 事務所や営 - 8 -

10 業所の封鎖, 手形の不渡り *1 などである また, 弁護士が債務者から破産手続その他の債務整理手続を受任し, 債務者が破綻した経過と今後の予定を簡単に述べた 受任通知 と呼ばれる文書を債権者に一斉に発送するとこれも支払停止と解され ることが多い 破産手続の受任と書かれていなくても, 支払能力を欠くために一般的かつ継続的に債務の支払をすることができないことが, 少なくとも黙示的に外部に表示されているとみる ことができれば支払停止である 最高裁平成 24 年 10 月 19 日第二小法廷判決 ( 集民 241 号 199 頁 ) は, 破産者が破産手続開始の申立て前にした債務の弁済につき, 破産管財人である上告人が, 否認権の行使として上記弁済を否認し, 弁済を受けた債権者 被上告人に対し, 弁済金相当額の返還 ( 支払 ) を求めた事件である 争点は, 破産者の代理人である弁護士が被上告人を含む債権者一般に対して債務整理の開始通知を送付した行為が, 破産法 162 条 1 項 1 号イ及び3 項所定の 支払の停止 に該当するか否かであった 支払停止に該当すれば被上告人の弁済の受領は, 支払停止を知ってした既存の債務についてされた債務の消滅に関する行為 (162 条 1 項 1 号イ ) となって否認権行使の要件に該当するからである 第 1 審判決は支払停止の事実を認めて破産管財人の請求を認容したが, 第 2 審の原判決は, 支払停止の事実を認めず第 1 審判決を取り消し, 破産管財人の請求を棄却した 原判決がいうには, 本件債務整理開始通知は, その記載内容に照らすと, 弁護士が破産申立てを受任した旨の記載はなく, 債務の具体的内容や債務整理の方針の記載もないもので, 弁護士が債務整理を受任したことを示すにとどまるから, これをもって債務者が資力欠乏のため弁済期の到来した債務について, 一般的かつ継続的に弁済をすることができないと考えてその旨を明示的又は黙示的に外部に表示する行為ということはできないというべきである というのであった しかし, 最高裁は, 次のように判示して, 原判決を破棄し, 破産管財人の請求を認容した第 1 審判決に対する控訴を棄却した ( 第 1 審判決が正当なものとして残る ) 本件通知には, 債務者であるAが, 自らの債務の支払の猶予又は減免等についての事務である債務整理を, 法律事務の専門家である弁護士らに委任した旨の記載がされており, また,Aの代理人である当該弁護士らが, 債権者一般に宛てて債務者等への連絡及び取立て行為の中止を求めるなどAの債務につき統一的かつ *1 第 1 回目の手形の不渡り, 第 2 回目の手形の不渡り, 手形交換所の取引停止処分という時間的順序の中のいずれの時点をもって支払停止と考えるかは問題があるが, 最高裁判決の多くは第 1 回目の手形の不渡りをもって支払停止と考えているようである なお,6か月以内に2 回, 手形の不渡りを出すと取引停止処分がなされる - 9 -

11 公平な弁済を図ろうとしている旨をうかがわせる記載がされていたというのである そして,Aが単なる給与所得者であり広く事業を営む者ではないという本件の事情を考慮すると, 上記各記載のある本件通知には,Aが自己破産を予定している旨が明示されていなくても,Aが支払能力を欠くために一般的かつ継続的に債務の支払をすることができないことが, 少なくとも黙示的に外部に表示されているとみるのが相当である そうすると,Aの代理人である本件弁護士らが債権者一般に対して本件通知を送付した行為は, 破産法 162 条 1 項 1 号イ及び3 項にいう 支払の停止 に当たるというべきである 3) 債務超過法人のうち株式会社などの物的会社については, 支払不能のほかに債務超過も破産手続開始原因である 一方, 合名会社及び合資会社のような人的会社については債務超過は破産手続開始原因ではなく, 支払不能のみが破産手続開始原因である ( 16 条 2 項 ) 債務超過とは, 計数上, 消極財産 ( 負債 ) が積極財産 ( 財産 ) を超過している状態をいう 一般に, 倒産 した状態は, 通常は, 支払不能であり, かつ, 債務超過である が, 債務超過ではなくとも支払不能である場合も想定できる たとえば, 計数上債務を完済できる財産を持っている場合には債務超過ではないが, それを換金できないので支払不能ということもあり得る 不動産はあるが金がないという場合である 逆に, 債務超過であっても支払不能でない場合もある 信用力が十分にある場合である この場合は債務超過であるがともかく支払えるのだから支払不能ではない 物的会社であれば, 債務超過であっても支払不能であってもいずれにしても破産手続開始原因となるが, 自然人や人的会社にあっては債務超過は破産手続開始原因でないから, 債務超過のみでは破産にならない 4 破産手続開始決定 1) 裁判所は, 破産の申立てに基づき, 破産原因があると認めるときは破産手続開始決定をする (30 条 1 項 ) 破産手続開始決定に利害関係を有する者は, 地方裁判所がした破産手続開始決定に不服があるときは高等裁判所に即時抗告をすることができるが (9 条前段 33 条 1 項 ), 即時抗告には執行停止の効力がないから, 破産手続はそのまま進められる 抗告審の審理終結時において破産手続開始原因その他の破産手続開始の要件が存在することが認められないときは破産手続開始決定は取り消される 決定が取り消されると, 遡って破産手続開始はなかったことになる 取消決定が確定すると, その旨の公告がなされ, その他必要な処分がなされる (33 条 3 項 81 条 3 項 257 条 7 項など )

12 2) 裁判所は, 破産事件を管財事件として処理するときは, 破産手続開始決定とともに 破産管財人を選任し, あわせて, 次の事項を定めなければならない (31 条 1 項 3 号 ) ア 破産債権の届出期間 (31 条 1 項 1 号 ), これは必ず定められるわけではない 破産財団につき費用不足のおそれがあると 認められるとき, すなわち, 異時廃止になる可能性が高いときは, 裁判所は破産債 権の届出期間を定めないこともできる ( 同条 2 項 ) なお, 破産債権の届出には消 滅時効中断の効力があるから ( 民法 152 条 ), 届出期間が定められないと破産債 権の届出による消滅時効の中断があり得ないので, 債権者は注意が必要である ( 主 たる債務者の破産により保証人に債務の履行を請求するときに主たる債務が時効消 滅したと抗弁されることがある ) イ 破産者の財産状況報告のための債権者集会の期日 ( 同 2 号 ), これも必ず定められるわけではない 裁判所は, 知れている破産債権者の数その 他の事情を考慮して, 財産状況報告集会を招集することが相当でないと認めるとき は, その期日を定めないことができる (31 条 4 項 ) 他方, 破産債権者が100 0 人以上の大規模破産事件であって, かつ, 相当と認めるときは, 裁判所は, 破産 債権者に対する通知をせず, かつ, 債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をす ることができる ( 同条 5 項 ) ウ 破産債権を調査するための期間 ( 調査期日を開くときはその期日 ) 3) また 裁判所は, 次の事項を官報で公告しなければならない (32 条 1 項,10 条 ) ア 破産手続開始決定の主文 イ 破産管財人の氏名又は名称 ウ 破産債権届出期間, 財産状況報告集会の期日, 債権調査の期間又は期日 エ 破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者は, 破産者 にその財産を交付し, 又は弁済をしてはならない旨 オ 簡易配当 (204 条 1 項 2 号 ) をすることが相当と認められる場合にあっては, 簡易配当することにつき異議ある破産債権者は裁判所に破産債権調査の期間の満了 時又はその期日の終了時までに異議を述べる旨 カ 破産債権者が1000 人以上の大規模破産事件において, 裁判所が相当と認め, 破産債権者に通知しないこと, 届出破産債権者を債権者集会に呼び出さない旨の決 定をした事件にあっては (31 条 5 項参照 ), その旨 4) さらに 裁判所は, 次の者には官報公告とは別途, 個別に通知しなければならない ア 破産管財人, 破産者 ( 保全管理命令があった場合においては保全管理人にも ) 通常, 破産管財人と破産者とは, 破産手続き開始決定の当日, 裁判所から破産手

13 続開始決定書等の書類の交付を受ける イ知れている破産債権者債権者一覧表記載の破産債権者には裁判所から, 破産手続開始決定書等の書類が送付される ウ知れている財産所持者等エ労働組合等 労働組合 とは, 破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合, 破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは, 破産者の使用人その従業者の過半数を代表する者である (3 2 条 3 項 4 号 ) 5) 登記情報への登記破産手続開始決定がなされると, 破産者は自己の財産に対する管理処分権を喪失し, 破産者の財産の管理処分権は破産管財人に専属するから (78 条 1 項 ), 破産手続開始後に破産財団に属する財産について取引をしようとする者は, 破産管財人を相手として取引しなければならず, 破産者を相手としてはならない これを誤って破産者と取引した第三者はその取引の効果を破産管財人に対抗できないため, 不測の損害を被ることがある このために第三者に不測の損害を被らせないように債務者が破産したことを一般に知らせるための公示が要請される ア法人登記法人については法務局に登記がなされているが当該法人について破産手続開始決定がなされたときは, 裁判所書記官は, 職権で, 遅滞なく, 破産者の各営業所又は各事務所の所在地を管轄する法務局に嘱託して, 破産手続開始決定の旨を登記情報に登記させなければならない (257 条 1 項本文 ) イ財産の登記裁判所書記官は, 破産者が権利者として登記されている財産を発見したときは, 職権で, 遅滞なく, 法務局に嘱託して, 破産手続開始の旨を登記情報に登記させなければならない (258 条 1 項 ) ウ市町村への通知かつては, 個人について破産手続開始決定があれば裁判所から破産者の本籍地の市町村長へ破産の旨が通知されていた しかし, その後通知制度は改正され, 現在 では, 個人につき破産手続開始決定があった場合において, 免責不許可決定が確定した時にのみ, 裁判所は破産手続開始決定が確定した旨を破産者の本籍地にある市区町村に通知することになった 5 破産手続開始の効果 1) 個人活動の制約

14 個人 ( 自然人 ) について破産手続が開始されると, 破産者には破産法上の義務が課せられる これらの義務は, 破産手続終結決定や廃止決定の確定による破産手続の終了まで続く ア居住制限破産者は裁判所の許可を得なければ居住地を離れることができない (37 条 ) イ郵便物等の受信の制限破産財団に属すべき財産を発見したり, 破産者の財産関係を把握するなど破産管財人の職務の遂行のために必要があると認めるときは, 裁判所は, 信書の送達の事業を行う者に対して, 破産者あての郵便物又は信書便物を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる (81 条 1 項 ) 破産管財人は, 受け取った郵便物等を開いて見ることができる (82 条 1 項 ) 破産者は, その郵便物等の閲覧を求め, 又は, 郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる ( 同条 2 項 ) 2) 個人資格の喪失個人である破産者は, 破産手続開始決定により公私の資格を喪失する ア破産者で復権を得ていない者は次の職業に就く資格を失う 破産者で免責不許可決定を受けた者などがこれに該当する なお, 復権は,1 免責許可決定の確定,2 破産債権者全員の同意による破産廃止決定の確定,3 民事再生計画認可決定の確定のいずれかが生じたときに復権の効力が生じる (255 条 1 項 ) 1 公証人 ( 公証人法 14 条 2 号 ) 2 弁護士 ( 弁護士法 7 条 5 号 ) 3 税理士 ( 税理士法 4 条 2 号 ) 4 公認会計士 ( 公認会計士法 4 条 ) 5 弁理士 ( 弁理士法 8 条 ) 6 宅地建物取引業者 ( 宅地建物取引業法 5 条 1 項 1 号 ) 7 不動産鑑定士 ( 不動産の鑑定評価に関する法律 16 条 3 号 ) 8 風俗営業の許可 ( 風俗営業法 4 条 1 号 ) 9 警備業への就職 ( 警備業法 3 条 ) 10 質屋営業の許可 ( 古物営業法 4 条 1 号 ) イまた, 破産者は次の者になれない アの場合と異なり, 復権に言及されていないから, ひとたび破産者になれば復権いかんにかかわらず生涯を通じて永久に資格を喪失したままであるかのようであるが, それぞれの法の趣旨により解釈すべきである 例えば, 民法 847 条は, 次に掲げる者は, 後見人となることができない 1 未成年者 3 破産者 と規定しているが, そこに言う破産者とは 過去に破産手続開始決定を受けた者 を指すのではなく, 現に破産手続中であ

15 る者 を指すと解すべきである ( 未成年者との対比 ) 1 後見人 ( 民法 847 条 3 号 ) 2 保佐人 ( 同 876 条の2 第 2 項 ) 3 後見監督人 ( 同 852 条 ) 4 遺言執行者 ( 同 1009 条 ) 5 受託者 ( 信託法 56 条 1 項 3 号 ) 6 信託管理人 ( 同 128 条 1 項 ) 7 信託監督人 ( 同 134 条 1 項 ) 8 受益者代理人 ( 同 141 条 1 項 ) ウ合名会社 合資会社 合同会社などの持分会社の社員は, 破産によって退社する ( 会社法 607 条 1 項 5 号 ) ただし, 破産によっても退社しない旨の定めがあれば退社しない (2 項 ) エかつて, 株式会社の取締役の破産は取締役の欠格事由とされていたが会社法の改正により欠格事由ではなくなった しかし, 株式会社の取締役と会社との関係は委任契約関係であり ( 会社法 330 条 ), 委任契約は委任者又は受任者の破産により終了するから ( 民法 653 条 ), 会社が破産したり取締役が破産したりすると委任契約は終了する その段階で, 取締役は法律上の根拠なしに取締役に就任している関係になる とはいっても, 会社法上の機関としての取締役の地位が破産によって当然に終了するわけではなく, 取締役の地位を失わせるには辞任か解任が必要である 有限会社の破産の場合についてではあるが, 最高裁平成 16 年 6 月 10 日第一小法廷判決 ( 民集 58 巻 5 号 1,178 頁 ) は, 有限会社の破産宣告当時に取締役の地位にあった者は, 破産宣告によっては取締役の地位を当然には失わず, 社員総会の招集等の会社組織に係る行為等については, 取締役としての権限を行使し得ると解される と判示している 3) 法人の消滅法人は破産手続開始決定によって解散する ( 株式会社につき会社法 471 条 5 号, 合名会社 合資会社 合同会社などの持分会社につき641 条 6 号 ) 法人は解散すれば清算手続をしなければならないが, 破産による解散の場合には破産手続が清算手続の役割を果たすから, 破産手続の開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合 は清算不要とされている ( 会社法 475 条 1 号括弧書き,644 条 1 号括弧書き ) 第 3 破産管財人 1 破産管財人の選任同廃事件として処理する場合を除き, 裁判所は破産手続開始と同時に破産管財人を選

16 任する (31 条 1 項,74 条 1 項 ) 破産管財人は, 裁判所や破産財団, 破産債権者から委託を受けてその任務を行う感があるが, 法的には裁判所や破産財団, 破産債権者らと委任契約を締結するわけではないから, その関係に民法の委任契約の規定は適用されない そこで, 破産法には委任に類似する次の諸規定が置かれている 1) 破産管財人は裁判所の監督に服する (75 条 1 項 ) 2) 破産管財人は, 善良な管理者の注意をもってその職務を遂行しなければならない ( 85 条 1 項 ) 破産管財人がこの注意義務を怠ったときは, 利害関係人は破産管財人に対して損害賠償を請求できる (85 条 2 項 ) なお, 破産財団や裁判所は破産管財人の使用者ではないから, 破産管財人が行った不法行為について, 使用者責任 ( 民法 715 条 ) は負担しない 3) 破産管財人は, 費用の前払い及び報酬を受けることができる (87 条 1 項 ) 4) 破産管財人は, 職務の執行に際し抵抗を受けるときは, その抵抗を排除するために, 裁判所の許可を得て, 警察上の援助を求めることができる (84 条 ) 2 破産管財人と破産財団 1) 破産財団の管理着手破産管財人は就任後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない (79 条 ) 破産財団とは破産手続開始時に破産者が有していた財産のうち自由財産を除く財産であり 破産管財人が換価して破産債権者への配当財源とすべき財産である 自己破産の場合には, 通常, 破産申立代理人の弁護士が受任時に債務者から財産に関する重要書類や印鑑類を預かっておき, 同弁護士が破産管財人に引き渡すからトラブルになることは少ないが, 破産者が任意に財産の引渡しに応じない場合に備えて, 破産法は156 条の規定を置いている すなわち, 破産管財人は裁判所に申し立て, 破産者に対し, 破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずる決定を得てこれを執行することができる (156 条 1 項 ) 2) 財産目録, 貸借対照表及び報告書の作成と提出破産管財人は, 就任後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手すると共に (79 条 ), 遅滞なく破産財団に属する一切の財産を評価し, 財産目録, 貸借対照表及び報告書を作成して裁判所に提出しなければならない (153 条,157 条 1 項 ) 上記の報告書には, 次の事項を記載しなければならない 1 破産者が破産手続開始に至った状況 2 破産者及び破産財団に関する経過及び現状 3 破産者が法人であるときは役員の財産に対する保全処分 (177 条 1 項 ) 又は役員責任査定決定 (178 条 1 項 ) を必要とする事情の有無 4その他破産手続に関し必要な事項 3) 財産状況報告集会及び債権者集会への報告

17 破産管財人は, 上記 1ないし4の内容を財産状況報告集会に報告しなければならない (158 条 ) 財産状況報告集会とは破産手続開始決定に際し定められる第 1 回目の債権者集会である (31 条 1 項 2 号 ) また, 上記の財産状況報告集会とは別途, 債権者集会が破産管財人に対して破産財団の状況の報告を求める決議をしたときは, 破産管財人は, 債権者集会の決議内容にしたがい破産財団の状況を債権者集会に報告しなければならない (159 条 ) 4) 郵便物等の扱い裁判所は, 破産管財人の職務の遂行のために必要があると認めるときは, 信書の送達事業者に対し, 破産者に宛てた1 郵便物 ( 郵便法 14 条 ),2 信書便物 ( 民間事業者による信書の送達に関する法律 2 条 3 項 ) を, 破産者ではなく破産管財人に配達すべきことを嘱託することができる (81 条 1 項 ) これは例外なく実施されている 破産管財人は, 破産者に宛てた郵便物等の配達を受け, これを開披して中身を見ることができる (82 条 1 項 ) 通信の秘密 ( 憲法 21 条 2 項後段 ) は破産管財人によって侵害される 破産者は, 破産管財人に対し, 破産管財人が受け取った郵便物等を閲覧させるように求め, かつ, 郵便物等のうち破産財団に関しないものについてはその交付を求めることができる (82 条 2 項 ) 5) 説明の聴取 帳簿, 書類などの検査破産管財人は, 破産者, 破産者の代理人, 破産者が法人である場合のその理事, 取締役, 執行役, 監事, 監査役及び清算人, これらに準ずる者, 破産者の従業者など ( 40 条 1 項各号 2 項 ) に対し, 破産に関し必要な説明を求めることができる これらの者が説明を拒絶したり, 虚偽の説明をしたときは,3 年以下の懲役若しくは30 0 万円以下の罰金に処し, 又は併科される (268 条 1 項 ) 破産管財人は破産財団に関する帳簿, 書類その他の物件を検査することができる ( 83 条 1 項 ) 破産者が法人である場合に, 破産管財人は, その職務を行うために必要があるときは, 破産者の子会社などに対しても, その業務及び財産の状況につき説明を求め, 又はその帳簿, 書類その他物件を検査することができる (83 条 2 項 ) 検査を拒んだ場合の刑罰は説明拒否の場合と同じである 3 就任後の破産管財人の任務 1) 破産財団の換価と配当破産手続は破産財団を換価して得た換価金をもって破産債権者に平等な弁済を行う手続であるから, 破産管財人の職務のうちでも破産財団の換価は破産管財人の最も重要な任務である 換価とは, 破産財団を構成する不動産や動産の売却, 債権の回収その他破産財団を構成する財産を金銭に換えることである 一般調査期間又は一般調査期日が終了した後であり, 破産財団に属する財産の換価が終了すれば, 破産管財人はいつまでも換価金を抱えていてはならず, 遅滞なく債権

18 者に配当しなければならない (195 条 1 項 ) 配当にあたっては, 破産管財人は配当表を作成し, これに従って配当しなければならない (196 条 1 項 ) 2) 破産債権の調査債権調査は, 届出債権が届出のとおり存在するかどうかを調査する手続である 破 産管財人は, 一般調査期間が定められたときは, 裁判所が指定するときまでに書面に よる認否書を裁判所に提出しなければならず, 一般調査期日が定められたときは, 当該期日において届出債権の認否をしなければならない ( 同条 1 項 ) 特別調査期間や特別調査期日が定められたときも同様である 3) 任務終了時の計算書の提出, 報告破産管財人は, すべての任務が終了した後遅滞なく破産財団に属する財産の処理及び債権債務の決済についての計算書を作成し, 裁判所に提出しなければならない (8 8 条 1 項 ) また, 破産管財人は, 任務終了に伴う計算報告のための債権者集会の招集を求める申立てをしなければならないが (88 条 3 項 ), 債権者集会の招集申立てにかえて, 書面による計算の報告をする旨の申立てをすることができる (89 条 1 項 ) 裁判所は, このような申立てがあり, かつ, 計算書が提出されたときは, 異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告する ( 同条 2 項 ) この期間内に, 破産者, 破産債権者, 後任の破産管財人から異議がなかった場合には, 計算は承認されたものとみなされる ( 同条 4 項 ) もっとも, 異議があったからといっても手続の進行に関係するわけではなく, 破産管財人が後日提起されるかも知れない任務懈怠による損害賠償請求訴訟において免責されないだけである 第 4 破産財団と自由財産 ( 破産財団の範囲 ) 第 34 条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産 ( 日本国内にあるか どうかを問わない ) は 破産財団とする 2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は 破産財団に属する 3 第 1 項の規定にかかわらず 次に掲げる財産は 破産財団に属しない 一 二 民事執行法 ( 昭和 54 年法律第 4 号 ) 第 131 条第 3 号に規定する額に 2 分 の 3 を乗じた額の金銭 差し押さえることができない財産 ( 民事執行法第 131 条第 3 号に規定する金 銭を除く ) ただし 同法第 132 条第 1 項 ( 同法第 192 条において準用する 場合を含む ) の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押 さえることができるようになったものは この限りでない 4 裁判所は 破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後 1 月を 経過する日までの間 破産者の申立てにより又は職権で 決定で 破産者の生活の状況 破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類

19 及び額 破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して 破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる 5 以下略 1 破産財団破産管財人が管理 換価し, 債権者への配当の財源とすることができる破産者の財産 が破産財団である 破産財団になるのは破産手続開始の時に存在する財産であり, 破産者が破産手続開始後の原因により取得した財産 ( 新得財産 ) は破産財団にならない また, 破産者が破産手続開始の時に有していた財産でも政策上の理由や性質上の理由から破産財団にならないとされているものがありこれを自由財産という 自由財産については破産者が完全な管理処分権を有し, 破産管財人はこれに干渉できない 破産手続開始時に有していた財産 破産手続開始後に取得した財産 破産財団 新得財産 自由財産 2 自由財産 1) 現金 99 万円破産者が破産手続開始の時に有していた財産のうち, 現金 99 万円は自由財産とされている 破産者も健康で文化的な最低限度の生活を営む憲法上の権利を有しているとの観点から, 破産者が破産手続開始時に有していた財産であっても破産者の自由財産とされ, 破産財団から除外されたのである すなわち,34 条 3 項 1 号は, 破産財団に属しない財産として, 民事執行法 ( 昭和 54 年法律第 4 号 ) 第 131 条第 3 号に規定する額に2 分の3を乗じた額の金銭 と定めており, そして, 民事執行法 13 1 条 3 号とは 標準的な世帯の2 月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭 であり, さらに, 民事執行法施行令 1 条は 民事執行法 ( 以下 法 という ) 131 条 3 号 の政令で定める額は,66 万円とする と定めているから, 結局,66 万円 3/2=99 万円が破産財団に属しない財産である 自由財産とされている99 万円は現金 99 万円の意味であり, 預金債権のままであれば自由財産とならず預金債権全額が破産財団になる しかし, 自由財産拡張の申立て (34 条 4 項 ) により自由財産とする方法があり, 申立てをすれば難なく認められるようである 2) 差押え禁止動産破産者が破産手続開始の時に有していた財産でも, 民事執行法により差し押さえる

20 ことができないとされている財産は破産財団にならず, 自由財産になる (34 条 3 項 2 号, 民事執行法 131 条 ) 破産は言わば破産管財人による債務者財産の差押え 換価執行であるから差押えが禁止されている財産が破産財団にならないのは当然のことである 1 債務者等の生活に欠くことができない衣服, 寝具, 家具, 台所用具, 畳及び建具 2 債務者等の1 月間の生活に必要な食料及び燃料 3 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具, 肥料, 労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物 4 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具, えさ及び稚魚その他これに類する水産物 5 技術者, 職人, 労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者のその業務に欠くことができない器具その他の物 ( 商品を除く ) 6 実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの 7 仏像, 位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物 8 債務者に必要な系譜, 日記, 商業帳簿及びこれらに類する書類 9 債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物 10 債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具 11 発明又は著作に係る物で, まだ公表していないもの 12 債務者等に必要な義手, 義足その他の身体の補足に供する物 13 建物その他の工作物について, 災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具, 避難器具その他の備品 3) 差押え禁止債権 (34 条 3 項 2 号, 民事執行法 152 条 ) 破産者が破産手続開始の時に有していた財産のうち, 次の債権は民事執行法により差押えが禁止されているからこれも破産財団にならず自由財産になる ア次に掲げる債権のうち支払期に受けるべき給付の4 分の3 *1 に相当する部分 ( その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは, 政令で定める額に相当する部分 ) は自由財産になり,4 分の1のみが破産財団になる 1 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権 ( これは, 企業年金などである ) *1 しかし, 大阪地裁では,8 分の 7 が自由財産であり,8 分の 1 のみが破産財団になるという運 用をしている

21 2 給料, 賃金, 俸給, 退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権 なお, 議員報酬はこれに当たらず全額の差し押さえが可能であるから全額が破産財団になる 非常勤の取締役の役員報酬, 常勤取締役の報酬のうち従業員としての賃金部分を除く純粋の役員報酬部分は給料等に該当しないから全額が破産財団になる イ退職手当及びその性質を有する給与に係る債権のうち給付の4 分の3に相当する部分 4) 特別法による差押禁止財産ア国民年金等国民年金の受給請求権は差押が禁止されているから全額が自由財産である ( 国民年金法 24 条, 厚生年金保険法 41 条 ) 国家 地方公務員共済年金についても同様に全額が自由財産になる ( 国家公務員共済法 49 条, 地方公務員等共済組合法 5 1 条 ) 私立学校教職員共済年金についても, 国家公務員共済組合法 49 条が準用されているから全額が自由財産になる ( 私立学校教職員共済法 25 条 ) イ災害補償請求権及び労災保険給付請求権労働者が業務上負傷し, 又は疾病にかかつた場合においては, 労働者は使用者に対し, 使用者の費用で必要な療養を行うこと又は必要な療養の費用を負担することの請求権を有する ( 労働基準法 75 条 1 項 ) この災害補償請求権は差押えが禁止されているから ( 同法 83 条 2 項 ), 災害補償請求権は全額が自由財産であり破産財団にならない もっとも, 労働者災害補償保険法が適用される場合には, 労働基準法上の災害補償請求権が発生しないから同請求権が問題となることはない ( 同法 75 条 2 項 ) また, 労働者災害補償保険法による保険給付を受ける権利も差押えが禁止されているから ( 労働者災害補償保険法 12 条の5), これも全額が自由財産であり破産財団にならない ウ信託の受託者の破産における信託財産信託の受託者が破産した場合において, 信託の受託者に対する債権者は, その債権が受益債権等信託財産責任負担債務 ( 信託法 21 条 ) である場合を除いて, 信託財産に対して強制執行ができない ( 信託法 23 条 1 項 ) したがって, 受託者の破産の場合において, 信託財産は破産財団にならない エ生活保護の被保護者が既に給与を受けた保護金品及び保護金品を請求する権利 ( 生活保護法 58 条 ) 生活保護の被保護者や要保護者が保護として給与を受け, 又は貸与される金銭及び物品 ( 保護金品 ) は, 請求権段階にあるものを含めて差押えが禁止されているから破産財団にならない

22 5) 拡張された自由財産裁判所は, 破産手続開始決定が確定した日以後 1 月を経過する日までの間, 破産者の申立てにより又は職権で, 決定をもって, 破産者の生活の状況, 破産手続開始の時において破産者が有していた34 条 3 項各号に掲げる財産の種類及び額, 破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して, 破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる (34 条 4 項 ) 例えば, 預金債権は破産財団に属し自由財産にならないが,34 条 3 項 1 号が現金 99 万円は自由財産になることとの関係で, 預金債権のうち現金と合わせて99 万円までの部分を自由財産に拡張することは認められるべきである また, 生命保険の解約返戻金は全額が破産財団になるが, 僅少な金額であって債権者への配当に実質的に関係しないようなものは自由財産にする旨の決定をすることができる 6) 行使上の一身専属権それを行使するかどうかは専ら権利者が決定すべきであり, 権利者に代わって他人 ( 破産管財人 ) が行使 不行使を決定することが許されないと考えられている一身専属権はその性質上破産財団に属しないと考えられている 例えば, 慰謝料請求権は, 専ら請求権者たる被害者自身が慰謝料を請求するか請求しないかを決定するべきであり, 他人 ( 破産管財人 ) が決定するべきではないとの観点から, これは行使上の一身専属権であって破産財団ではなく自由財産であるとされている しかし, 慰謝料請求権でも, 和解契約が成立したり債務名義によって請求権の存在と金額が確定された場合には譲渡性が付与され, 差押えができると解するのが判例である ( 最高裁昭和 58 年 10 月 6 日第一小法廷判決 ( 民集 37 巻 8 号 1041 頁 倒産判例百選第 4 版 44 頁 )) したがって, 和解契約や確定判決により慰謝料請求権の存在と金額が確定した後に破産手続開始決定に至ったときは, 慰謝料請求権も破産財団になるが, 訴訟などで紛争中のまま破産手続開始決定に至ったときは破産財団にならず, 自由財産に関する訴訟として訴訟手続も中断せず従来どおり破産者本人が訴訟当事者として訴訟手続を続行する 7) 法人と自由財産自由財産は個人にのみ存在し, 法人には存在しない 法人の破産事件では, 法人の積極財産のうちで法律で差押えが禁止されている財産は存在しないし, 性質上差押えができない財産も存在しないからである 8) 破産債権者の自由財産に対する強制執行破産債権者は自己の有する破産債権の回収のために, 破産手続中は, 破産財団に対して強制執行できないが, 自由財産に対しても強制執行することができない 破産債権である以上は, この法律に特別の定めがある場合を除き, 破産手続によらなければ, 行使することができない からである (100 条 1 項 )

23 次に, 破産手続が終結決定や廃止決定などにより終了した後の免責審理期間中については, 破産法 249 条により強制執行が禁止されている さらに, 免責の審理の結果として破産者の免責許可決定がなされてそれが確定すれば免責許可決定の効力を受ける債権者の権利は実体法上, 強制執行できない権利に変容するから, 債権者は, 破産手続終了後 ( 及び免責審理期間終了後 ) も自由財産に対する強制執行をすることはできなくなる 債権者があえて強制執行を申し立てれば, 債務者は請求異議の訴えにより強制執行を排除できる 免責不許可決定が確定した場合にのみ, 債権者はようやく債務者の財産に対して強制執行をすることができるようになる 3 破産財団になるかどうかが問題となる財産 1) 売買契約との関係ア破産者が買い受けたが所有権移転登記を受けていない不動産破産者が不動産の所有者から買い受けたが破産手続開始当時, 未だ所有権移転登記を受けていなかった不動産も破産財団になり, 破産管財人は売主に対して所有権移転登記を請求できる 以上のことはは破産者が売買代金を全額支払っていた場合にのみ妥当する これに対し, 破産者が売買代金を支払っていなかった場合には破産法 53 条 1 項の 双方未履行の双務契約 の適用問題となる この場合は, 破産者の売買代金支払義務と売主の登記移転義務とが双方未履行の双務契約であるから, 同条により破産管財人は売買契約をそのまま有効に存続させることもできるし, 売買契約を解除することもできる 破産管財人が売買契約を解除すれば売買契約は白紙になって当該不動産は破産財産にならない しかし, 破産管財人が履行を選択すれば当該不動産は破産財団になる ( その一方で, 売買代金債権は財団債権になるから破産管財人は全額を任意に支払わなければならない ) イ破産者が売却したが所有権移転登記を履行していなかった不動産破産手続開始前に破産者が所有不動産を売却していた場合に, 破産者から当該不動産を買い受けていた買主は, 破産手続開始前に所有権移転登記を受けていなければ, 民法 177 条の適用の結果, 破産者から取得した所有権を破産管財人に対抗することができない 破産管財人は民法 177 条の第三者に該当すると考えられるからである 以上は, 買主が破産者に対し売買代金の全額を支払っていた場合にのみ妥当する しかし, 破産者も所有権移転登記義務を履行していないし, 買主も売買代金の支払を完了していない場合には双方未履行の双務契約になって, 破産法 53 条 1 項が適用されるから, 破産管財人が履行を選択すると買主は所有権を取得できる 買主に資力があり売買代金の支払が確実なときは履行を選択する方が破産管財人にとっ

24 てよりよい選択である 2) 債権譲渡破産手続開始前に破産者から債権を譲り受けた譲受人は債権譲渡の第三者対抗要件 ( 民法 467 条 2 項 ) を具備していない限り債権譲受けを破産管財人に対抗できない ( 最高裁昭和 58 年 3 月 22 日第三小法廷判決 ( 集民 138 号 303 頁, 判例時報 1134 号 75 頁 倒産判例百選第 4 版 36 頁 ) したがって, 破産財団との関係では債権譲渡は無効であり, 当該債権は破産財団に帰属し, 破産管財人は債権を回収できる 最高裁判決が支持した原審の大阪高等裁判所の判決は次のように述べている すなわち, 破産宣告は, その形式的確定をまたないで宣告の時から直ちに効力を生じ ( 破産法第 1 条 ), 破産者の有する一切の財産は破産財団を構成し, 右財産は破産管財人の管理処分に委ねられるものであって, 破産宣告前に破産者から債権の譲渡があった場合には, 破産管財人はその債権につき差押え債権者と同一の地位に立つというべきであるから, 破産管財人は, 右譲渡債権につき, その譲受人と両立しない法律的地位を取得した者として民法策 467 条第 2 項の第三者に該当し ( 大判昭和 8 年 11 月 30 日民集 12 巻 24 号 2781 頁参照 ), しかも, 破産管財人による右差押えの効力は, 一般の債権差押えの場合と異なり, 送達を要せず破産宣告の日時に当然に生じ, 何人に対しても, これを対抗しうるものであるから, 破産宣告前の右債権譲渡における譲受人は, 右条項所定の対抗要件を破産宣告の日時より以前に具備しない限り, 結局, 破産管財人に対抗することができないと解するのが相当である 3) 借地権破産手続開始前から破産者所有の土地を破産者から借地していた借地人は, 借地上の建物について自己所有名義の登記を有しておれば借地借家法 10 条 1 項により借地権の対抗力を有するし, 賃貸借の登記 ( 民法 605 条 ) をしていても対抗力を有するので, これらの対抗要件を備えておれば自己の借地権を破産管財人に対抗できる この場合には, 借地権の負担がある不動産の所有権が破産財団になる しかし, 対抗要件を備えていなければ自己の借地権を破産管財人に対抗できない ( 最高裁昭和 48 年 2 月 16 日第二小法廷判決金融法務事情 678 号 21 頁 倒産判例百選第 4 版 34 頁 ) 同判決は次のように述べている 破産管財人は, 破産者の代理人または一般承継人ではなく, 破産債権者の利益のために独立の地位を与えられた破産財団の管理機関であるから, 破産宣告前破産者の設定した土地の賃借権に関しては, 建物保護ニ関スル法律一条 ( 注 : 現在の借地借家法 10 条 1 項に相当 ) にいわゆる第三者にあたるものと解すべきである ところで, 原判決 ( その引用する第一審判決を含む 以下同じ ) が適法に確定した事実によれば, 本件土地には上告人らの主張する賃借権について登記がなされていな

25 いのみならず, その地上に存する本件建物につき所有権保存登記がされたのは昭和 42 年 10 月 16 日であつて, 本件破産宣告に基づく破産の登記 ( 昭和 40 年 10 月 2 日 ) 前に本件土地賃借権の対抗要件たる登記手続を経由していないのであるから, 上告人らは破産管財人たる被上告人に対し右賃借権をもつて対抗できないものというべきである 4) 通謀虚偽表示破産手続開始前に通謀虚偽表示でもって破産者に財産を移転していた者が, 通謀虚偽表示であることを主張してその財産を破産管財人から取り戻そうとしても, 破産管財人は94 条 2 項の第三者に該当するから取り戻せないと判断した地方裁判所の裁判例がある そうするときは, 通謀虚偽表示でもって名義を預かっただけの財産も破産財団になり, 真実の所有者は所有権を失う なお, 民法 94 条 2 項の 善意 を破産管財人自身について見るべきか破産債権者全員に見るべきかについては議論がある 5) 契約解除契約解除についても同様である 破産者の債務不履行を理由として, 契約の相手方が破産手続開始決定後に契約を解除しても, 解除の効果を破産管財人に主張できない 破産管財人は, 民法 545 条 1 項ただし書きの第三者に該当することがその理由である なお, 不動産の売主が, 買主である破産者の債務不履行を理由として売買契約を解除した後に買主について破産手続が開始されたときは, 民法 177 条の適用問題となる 不動産の売主は契約解除により自己に復帰した所有権を破産管財人に対抗できない 6) 詐欺による意思表示破産手続開始前に破産者に欺罔されて財産を破産者に移転した者は, 詐欺による意思表示の取消しを主張して破産管財人から財産を取り戻せるか 破産管財人は民法 9 6 条 3 項の善意の第三者だと主張して取り戻しを拒み得るか 私は法律論としては拒み得ると解する以外にないと考えるが, そうなると, 取り込み詐欺によって取得した財産も破産財団になってしまうなどの弊害を主張して96 条 3 項の適用を否定する説も多い 7) 融通手形破産手続開始前に, 破産者が他人に依頼して融通手形を振り出してもらったが, 割引に出して金銭を入手する前に破産し, 手元に残っていた未割引の約束手形を破産管財人に引き渡した場合において, 破産管財人が振出人に手形金を請求した事件がある 最高裁昭和 46 年 2 月 23 日第三小法廷判決 ( 判例タイムズ260 号 208 頁 倒産判例百選第 4 版 38 頁 ) の事案である 第 1 審は, 振出人である被告は, 融通手形の抗弁を破産管財人に主張できると判断して破産管財人の請求を棄却し, 控訴審も第 1 審判決を維持して控訴を棄却した 最高裁も上告を退けた

26 これは, 破産管財人の側から第三者に対して権利を主張する場合であり, 第三者の側から破産管財人に対して権利を主張できるかどうかの問題ではない この場合は, 民法 94 条 2 項や96 条 3 項などの 第三者 の範囲に関する実体法の解釈の問題であり, 破産管財人の第三者性という形で論じられるが, 本件のように, 破産管財人から第三者に対して権利を主張できるかどうかはその権利が破産財団に属するか否かという単純な問題であり, 破産管財人の第三者性の問題ではない 破産者が破産手続開始前に第三者から受け取っていた融通手形は振出人から融通手形の抗弁を主張されてそもそも破産者が振出人に請求できない権利であり, これは破産になっても同じである 手形紙片という物理的存在を破産管財人が占有しても破産者の振出人に対する手形金請求権は実体法上存在しないから, 第 1 審から最高裁に至るまで, 破産管財人の請求を裁判所が退けたのは当然のことである 破産者の第三者に対する賭博料債権その他公序良俗に反する契約に基づく債権や, 返還請求できない不当利得返還請求権 ( 民法 705 条 ) なども同様であり, これらは破産財団にはならず, 破産管財人は支払を請求できない なお, 破産者が受け取っていた未使用の融通手形の手形紙片はどのように処理されるべきかについては次のように考えるべきである すなわち, 融通手形の振出人 ( 融通者 ) と受取人 ( 被融通者 破産者 ) との間には手形の融通契約が成立している しかし, まだ割引に出していないときは, 双方未履行の双務契約と考えられる ( 受取人から振出人に決済資金を交付する債務と振出人の割引手形を決済する債務とが双方未履行 ) したがって, 破産管財人は履行を選択して手形を割引に出すこともできるがその場合には決済資金を期日までに用意して振出人に支払わなければならないからこの方法は危険であり現実的ではない そこで破産管財人は, 手形融通契約の解除を選択して未使用の融通手形を振出人に返却すべきである 8) 共有物の分割共有物については共有者間で5 年を超えない期間の不分割の特約をすることが可能であるが ( 民法 256 条 ), この場合でも, 共有者の一人が破産すると不分割の特約は効力を失い共有物の分割を請求できるようになる (52 条 1 項 ) したがって, 破産管財人は共有物の分割を請求して共有物の所有権を取得したり代償金を取得して破産財団に組み入れることができる なおこの場合, 他の共有者は, 破産管財人に相当の償金を支払って破産者の持分を取得することができるから (52 条 2 項 ), これにより共有物が破産管財人により分割されるのを防ぐことができる 9) 破産者の退職金債権退職金は賃金の後払い, すなわち, 使用者が労働者に対して本来支払うべき賃金の一部を支払わずに留保 累積してきたものを, 雇用契約終了の際に一括して後払いするものだと認識すれば, 退職金債権のうち破産手続開始当時の評価部分 ( 過去の積立

27 部分 ) は破産手続開始前に生じた財産であるから, 差押え禁止部分 (4 分の3) を除く部分 (4 分の1) が破産財団になる しかし, 退職金債権には履行期があり, 履行期は雇用契約の終了という将来の不確定な事実到来の時である したがって, 破産者たる労働者が退職しない限り弁済期が到来せず, 破産管財人は退職金 (4 分の1) の支払を使用者に対して請求できない そこで, 破産管財人は, 破産者に自発的に退職を求めて退職させて退職金の履行期を到来させることが考えられるが, 任意の退職を拒否されればそれまでであるし, 破産者の再生という観点からすれば道義的に問題がある措置である 理論的には, 雇用契約は双務契約であり双方未履行の双務契約の一つであるから破産管財人は破産法 53 条 1 項により雇用契約の解除 ( 労働者を退職させること ) ができると解し得ないわけではなく, そう解すれば, 破産者の意思を無視して破産管財人において退職を強制できることになるが, 反対説もある上に ( 伊藤第 2 版 179 頁 ), そうしてよいかどうかも道義的に問題である 結局のところ, 破産管財人は破産者と交渉して退職金の4 分の1 *1 に相当する金額を自由財産から破産財団に差し入れさせて退職金債権 (4 分の1) を破産財団から放棄し, 全部を破産者の自由財産とする妥協的措置が考えられ, 多くの場合そのように処理されている 10) 生命保険解約返戻金破産者が破産手続開始前に保険契約者として保険会社との間に締結していた生命保険契約はこれを解約すれば保険会社から解約返戻金が支払われるから, 破産者が保険会社に対して有する解約返戻金請求権は破産手続開始前の原因に基づく将来の請求権 (34 条 2 項 ) としてその全部が破産財団に属する ( 解約返戻金には賃金のような差押え禁止がない ) しかし, 解約返戻金を取得するためには生命保険契約が現実に解約されることが必要である そこで, これが双方未履行の双務契約であるとして破産管財人が破産法 53 条 1 項に基づき生命保険契約を解除して解約返戻金を破産財団に組み入れることも考えられるが, 破産者が生命保険契約の存続を希望すれば, 生命保険契約を仮に解約した場合に支払われる解約返戻金に相当する金額 を破産者が自由財産から提供することを条件に生命保険契約を解約しないで破産財団から放棄することもできる 11) 敷金返還請求権敷金を差し入れている賃借家屋の賃借人が破産した場合に, 賃借人が賃貸人に対して有する敷金返還請求権 ( 敷金から敷引額を控除した残額の請求権 ) は破産手続開始当時に破産者が有する債権であるから, 自由財産でも新得財産でもなく, 破産財団に *1 大阪地裁の運用では,8 分の

28 なる しかし, その履行期は賃貸借契約の終了時であるから, 賃貸借契約が終了して敷金返還請求権の履行期が到来しない限り敷金を回収できない したがって, 前記の生命保険解約返戻金と同じように, 破産者が賃貸借契約の存続を希望すれば, 賃貸借契約を仮に解約した場合に返還される敷金相当額 を破産者が自由財産から提供することを条件に賃貸借契約を解約しないで破産財団から放棄することもできる 破産者が拒めば双方未履行の双務契約として賃貸借契約の解除を選択し, 敷金の返還を受けて破産財団に組み入れるほかない 4 破産財団の処分 ( 開始後の法律行為の効力 ) 第 47 条破産者が破産手続開始後に破産財団に属する財産に関してした法律行為は 破産手続の関係においては その効力を主張することができない 2 破産者が破産手続開始の日にした法律行為は 破産手続開始後にしたものと推定する 1) 破産者による破産財団に属する財産の処分行為の効力破産手続が開始されると, 破産管財人が破産財団を構成する財産の管理処分権を取得し, 破産者は自己の財産に対する管理処分権を失う したがって, 管理処分権を失った破産者が破産財団を構成する財産を売却するなど通常は考えられないが, 邪な破産者が, ひそかに隠しておいた財産をこっそり処分することも考えられなくもない しかし, 破産者がそのようなことをしても, 財産の取得者はその取得を破産管財人に主張できない (47 条 1 項 ) なお, 破産財団を構成する財産について破産者が破産手続開始後にした売買契約も絶対的に無効というわけではなく, 債権契約としては有効であり, 民法 560 条の 他人の物の売買 と同じ法律関係になる 法律行為の相手方は破産手続の関係においてはその効力を主張することができないから破産管財人に対して所有権移転登記や引渡しを請求できないが, 破産管財人の側からは破産者へ売却して買主に所有権を取得させ, 売買代金を破産財団に組み入れさせるという示談的解決も可能である また, 破産者が破産手続開始後に破産財団に属する動産を処分したときは, 譲受人に民法 192 条の即時取得が成立するのではないかとの疑問が生じるが, 通説は破産法 47 条 1 項が民法 192 条を排斥すると解し, 即時取得の成立を否定している 2) 破産手続開始前の処分一方, 破産手続開始前に破産者がした法律行為は, 保全処分に反しない限りは, 破産手続開始後も有効である しかし, 否認の要件が備わっておれば, 後日, 破産管財人から否認権を行使されて法律行為の効力が無効になることがあり得る (160 条以下 )

29 3) 破産者の法律行為によらない権利取得と破産手続 ( 開始後の権利取得の効力 ) 第 48 条 破産手続開始後に破産財団に属する財産に関して破産者の法律行為によら ないで権利を取得しても その権利の取得は 破産手続の関係においては その効 力を主張することができない 2 前条第 2 項の規定は 破産手続開始の日における前項の権利の取得について準用 する 48 条は, 破産手続開始後の破産者の法律行為によらない権利取得の効力を否定しているが, 破産者の法律行為によらない権利の取得 と言えば非常に範囲が広い 例えば, 破産手続開始後に破産財団に属する財産について取得時効 ( 民法 162 条 ) が完成し当該財産の所有権を取得する場合についてみれば, これは時の経過により所有権を取得する場合であるから, 破産者の法律行為によらない権利の取得 であり 48 条の適用の結果, 取得時効を主張できないように思われる また, 破産財団に属する財産に関し, 破産者以外の者からの即時取得, 附合, 混和, 加工などによる所有権の取得などについても, 破産者の法律行為によらない権利の取得 であるから 4 8 条が適用されるように思われる しかし, これらの場合に通説は48 条の適用を否定し, これらの規定による権利の取得を認めている ( 伊藤第 2 版 257 頁など ) しかし,48 条の適用範囲を制限する通説には条文上の根拠がない 条文は条文どおりに理解すべきであり, そうすると, 通説が48 条の適用を否定する時効取得, 即時取得, 附合, 混和, 加工などについても48 条が適用され, これらの規定による権利取得は破産財団に対抗できないと解すほかないのではなかろうか 4) 破産者が破産手続開始後にした登記 登録 ( 開始後の登記及び登録の効力 ) 第 49 条不動産又は船舶に関し破産手続開始前に生じた登記原因に基づき破産手続開始後にされた登記又は不動産登記法 ( 平成 16 年法律第 123 号 ) 第 105 条第 1 号の規定による仮登記は 破産手続の関係においては その効力を主張することができない ただし 登記権利者が破産手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については この限りでない 2 前項の規定は 権利の設定 移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定 移転若しくは変更に関する登記について準用する 破産手続開始後に駆け込みで破産者から第三者への所有権移転登記がなされた場合に, 登記原因は破産手続開始前にあったから登記は有効だ と第三者が主張することを許さない趣旨である ただし, 登記の当時, 破産手続開始の事実を知らなかったときは登記の有効性を主張できるとされている (49 条 1 項 ) 法人について破産手続開始決定がなされたときは, 裁判所書記官は, 職権で, 遅滞

30 なく, 破産手続開始の登記を当該破産者の各営業所又は各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託し (257 条 1 項本文 ), 破産者が権利者として登記されている財産を発見したときは, 職権で, 遅滞なく, 破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない (258 条 1 項 ) これらのことからすると, 破産者から登記権利者への不動産の所有権移転登記を依頼された司法書士が法務局に登記の申請をした直後に破産手続が開始され, 官報公告, 法人登記, 当該不動産に対する破産登記が遅れた場合にのみ 破産手続開始後にした登記 登録 が想定できるのであるが, この場合には, 代理人の司法書士において, 登記の当時, 破産手続開始の事実を知らなかったときに限り登記の有効性を主張できることになる (49 条 1 項 ) なお, 不動産登記法 105 条 2 号に定める請求権保全の仮登記 ( 2 号仮登記 という ) については, 仮登記権利者が善意すなわち破産手続開始の事実を知らないで破産者から仮登記を受けたときであっても破産手続との関係においてその効力を主張することができないとされている 2 号仮登記は 請求権 保全の仮登記であって, 破産手続開始前には仮登記によって保全すべき実体的な権利変動がなされておらず, 破産手続との関係で善意者を保護する必要がないからである 5) 破産者に対する弁済と破産手続 ( 開始後の破産者に対する弁済の効力 ) 第 50 条破産手続開始後に その事実を知らないで破産者にした弁済は 破産手続の関係においても その効力を主張することができる 2 破産手続開始後に その事実を知って破産者にした弁済は 破産財団が受けた利益の限度においてのみ 破産手続の関係において その効力を主張することができる 破産者が破産手続開始当時に有していた債権は破産財団になるから, 破産管財人のみが履行の請求や弁済受領等の管理処分ができる 破産者は, 破産手続開始以後は債務者に返済を請求できないし債務者から弁済を受領することもできない 債務者が破産管財人ならぬ破産者に弁済しても破産管財人から請求されれば二重弁済の危険を負担しなければならない しかし, 善意の弁済者を保護する必要があるから, 弁済が破産手続開始の事実を知らないでなされたときは, 弁済の効力を破産手続との関係においても主張することができるとされている とはいえ, 破産手続開始決定の公告後は悪意と法律上推定されるから (51 条 ), 債務者が善意を主張できることは少ないと思われる また, 悪意で破産者に弁済した場合でも, 破産者が受領した給付が破産財団に組み込まれれば, 破産財団に利得があるから, 弁済者は, 破産財団が受けた利益を限度として弁済の効力を破産管財人に主張できる (50 条 2 項 )

31 6) 為替手形の振出人 裏書人の破産と支払人の地位 ( 為替手形の引受け又は支払等 ) 第 60 条 為替手形の振出人又は裏書人について破産手続が開始された場合において 支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは その 支払人又は予備支払人は これによって生じた債権につき 破産債権者としてその権利を行使することができる 2 前項の規定は 小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価 証券について準用する 3 第 51 条の規定は 前二項の規定の適用について準用する 為替手形の支払人が手形を引き受けたり, 引受人が手形を決済したりするのは振出人や裏書人から委託を受けてのことと思われる したがって, 支払人が手形を引き受ければ, 委託者たる振出人や裏書人に対し, 受任者の委任者に対する費用の前払請求権 ( 民法 649 条 ) を取得する, また, 引受人が現実に手形を決済すれば, 受任者の委任者に対する費用償還請求権 ( 民法 650 条 1 項 ) を取得する しかし, これらは破産手続開始後の引受や支払行為により取得した債権であるから本来は破産債権にはならないはずであるが, 善意の引受人や支払者については上記の請求権について破産債権になることを認めたものである なお, 破産手続開始の事実についての善意 悪意は, 引受け又は支払が破産手続開始決定の公告前になされていれば善意と推定され, 公告後であれば悪意と推定される (6 0 条 3 項による51 条の準用 ) 5 相続の単純承認 放棄と破産 ( 破産者の単純承認又は相続放棄の効力等 ) 第 238 条破産手続開始の決定前に破産者のために相続の開始があった場合において 破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は 破産財団に対しては 限定承認の効力を有する 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も 同様とする 2 破産管財人は 前項後段の規定にかかわらず 相続の放棄の効力を認めることができる この場合においては 相続の放棄があったことを知った時から3 月以内に その旨を家庭裁判所に申述しなければならない 破産手続開始前に破産者の被相続人が死亡して相続が開始されたときに, 破産者は, *1 熟慮期間内であれば破産手続開始後であっても, 破産管財人とは関係なく, 自ら相続 の限定承認と放棄をすることができる またし, 熟慮期間を経過すれば単純承認とな *1 熟慮期間は, 民法 915 条 1 項が定める 自己のために相続の開始があったことを知った時か ら 3 か月以内 である

32 る ( 民法 921 条 2 号 ) 破産管財人はこれらの相続手続に関与できない しかし, 破産者がした限定承認は破産手続においてもそのまま限定承認の効力が認められるが, 単純承認は破産手続との関係では限定承認として扱われる (238 条 1 項 ) また, 破産者がした相続の放棄はそのまま放棄として扱うか, 限定承認として扱うかが破産管財人の選択に委ねられている (238 条 2 項 ) なお, 破産管財人が相続の放棄を放棄として扱うときは, 相続の放棄があったことを知った時から3 月以内に, その旨を家庭裁判所に申述しなければならない したがって, 相続人の破産管財人は, 限定承認として扱うときは, 相続財産と固有財産とを明確に区別し, 相続債権者たる破産債権者に対しては相続財産の換価金のみをもって配当し, 相続人固有の破産債権者に対しては固有財産の換価金のみをもって配当しなければならない 相続放棄として扱うときは, 相続債権者の破産債権を否認すべきである なお, 破産手続開始後に破産者の近親が死亡するなどして相続が開始したときは, 破産者が相続する相続財産は完全に破産者の新得財産であり, 破産財団にならない 破産債権者はこのような財産からの債権回収を期待する立場にないからである また, 破産手続開始前に破産者の近親が死亡するなどして相続が開始したが, 相続人が相続の単純承認 限定承認 相続放棄をした後に破産手続開始になったときは, 破産管財人は否認権を行使してこれを否認することはできない さらに, 破産手続開始後に破産者自身が死亡したときは, 破産者の相続財産について破産手続が続行される (227 条 ) 6 相続財産の破産と破産財団 1) 民法上の制度としての相続の限定承認遺産のうち積極財産の方が多いか消極財産の方が多いかが判明しないときに相続人により用いられる相続方法として, 相続の限定承認がある ( 民法 922 条 ) 相続人が相続の限定承認をすると, 相続人は相続財産を責任の限度として相続する すなわち, 相続財産をもって債務を弁済したあとに債務が残ってもその債務は相続しない 逆に, プラスの余りが出ればプラス分は相続する 相続人は限定承認をすることにより, 相続債権者や受遺者が相続人の固有財産に対して弁済を迫る ( 強制執行をしてくる ) のを阻止できる 民法上の相続の限定承認は, 相続人が相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し, 限定承認をする旨を申述してする ( 民法 924 条 ) 共同相続人の一人からする限定承認は許されず, 共同相続の場合には相続人全員共同してしなければならない ( 民法 923 条 ) また, 時期にも制限があり, 限定承認は自己のために相続が開始されたことを知った日から3か月以内にしなければならない ( 民法 915 条 1 項,921 条 2 号 ) 相続人が数人いる場合には裁判所は相続人の中から相続財産管理人を選任

33 する ( 民法 936 条 ) 相続財産管理人は, 知っている債権者には個別に, その他には官報で債権届出を催告し, その一方において遺産を換価し債権者に按分配当する 残余の債権は消滅し, 相続人は免責される 2) 破産法上の制度としての相続財産の破産民法の限定承認とは別に, 破産法は相続財産の破産手続を定めている (222 条から237 条 ) 相続財産の破産手続開始の申立ては, 相続債権者 ( 被相続人に対する債権者 ), 受遺者 ( 被相続人から遺贈を受けた者 ), 相続人, 相続財産の管理人, 遺言執行者がすることができる (224 条 1 項 ) 相続財産の破産手続開始の申立てを受けた裁判所は, 相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対する債務を完済することができないと認めるとき, すなわち相続財産が債務超過の状態にあるときに相続財産の破産手続開始決定をする (223 条 30 条 1 項 ) ア相続債権者や受遺者が相続財産の破産手続を申し立てる実益は, 相続財産が相続人の固有財産と融合して相続人固有の債務弁済に使用されることを防止できる点にある 相続の限定承認がなされている場合にはその手続に任せておけばよいようにも思われるが, 限定承認にあっては, 相続人の一人が相続財産管理人となって手続を進めるから ( 民法 936 条 ), 相続債権者や受遺者としては公正さに疑問を感じることがある そこで破産管財人による相続財産の破産手続を望んで相続財産の破産を申し立てる実益がある イ一方, 相続人が相続財産の破産手続を申し立てる実益は, 限定承認手続の煩わしさを避ける点にあろう すなわち, 限定承認をして自ら相続財産管理人となって煩わしい手続をするよりか破産管財人に清算してもらう方がありがたいからである しかし, 相続財産の破産の方法だけでは相続債権者や受遺者が相続人の固有財産 に対してする債権回収の矛先をかわせないという重要な法律上の問題があることが認識されなければならない というのは, 相続財産の破産をしたところで, それに限定承認の効力があるわけではないから, 相続債権者や受遺者は, 相続財産の破産手続が終了した後でも, 相続財産の破産で配当を受けなかった残債権の権利者であり続けるのである 相続人は相続債権者や受遺者が残債権の弁済を請求してくるのを法律上阻止できないのである この点を誤解して, 相続財産の破産手続をすれば残余の債務は消滅すると考えるのは誤りである 考えてみれば当然のことである すなわち, 破産手続によって配当を受けなかった破産債権者の残債権が実体法上変容を被ることがあるとすればそれは破産免責によるか, 相続の限定承認をする以外になく, 相続財産の破産においては相続財産の免責を認める制度がないのである したがって, 相続財産の破産手続により配当を受けなかった残債権は, 免責許可がない破産債権と同様であり, 権利として存在し続け, 相続人の固有財産にかかっていける これを防ぐには限定承認によるほかない ( 倒産判例百選第 4 版 90 頁の事

34 案は, 限定承認をしていない相続人について, 相続財産の破産に限定承認の効力がないとされた事例である ) このようなこともあって, 相続財産について破産手続開始決定があった場合でも, 限定承認 を妨げないとの注意規定が置かれている (228 条本文 ) 3) 相続財産の破産の申立時期相続財産の破産手続はいつまででもできるというわけではない 相続財産の破産手続開始の申立ては, 次の期間内にのみすることができる ア 財産分離の請求をすることができる間に限りすることができる すなわち, 相続 開始の時から 3 か月以内が原則であるが,3 か月経過後でも相続財産が相続人の固 有財産と混合しない間は申立てをすることができる ( 民法 941 条 1 項 ) イ 限定承認又は財産分離があったときは, 相続債権者及び受遺者に対する弁済が完 了するまでの間も, 破産手続開始の申立てをすることができる (225 条ただし書き ) 4) 相続財産の破産における破産財団相続財産について破産手続開始決定があった場合には, 相続財産が日本国内にあるかどうかを問わず, 相続財産に属する一切の財産が破産財団を構成する (229 条 1 項 ) この場合において, 被相続人が相続人に対して何らかの権利を有していたときは ( 例えば, 親が子に金銭を貸し付けて貸金返還請求権を有していたときなど ), その権利は消滅しなかったものとみなされる また, 相続人が被相続人に対して有していた権利 ( 例えば, 子が親に金銭を貸し付けて貸金返還請求権を有していたときなど ) も同様にして消滅しなかったものとみなされる 相続財産についての破産手続開始決定があったときに, 既に相続人が相続財産の全部又は一部を売却するなどして処分していたときは, 相続人が取得していた売買代金債権などの反対給付を受ける権利は破産財団に属し (229 条 2 項 ), 相続人がすでに反対給付を受けているときは, 相続人はこれを破産財団に返還しなければならない ( 同条 3 項本文 ) しかし, 相続人が破産の原因となる事実又は破産手続開始の申立てがあったことを知らないでしたときは, 反対給付の全部を返還する義務はなく, 現存利益のみを返還すれば足りる ( 同条 3 項ただし書き ) 第 5 財団債権と破産債権 1 財団債権 ( 財団債権の取扱い ) 第 151 条財団債権は 破産債権に先立って 弁済する ( 破産財団不足の場合の弁済方法等 ) 第 152 条破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになっ

35 た場合における財団債権は 法令に定める優先権にかかわらず 債権額の割合によ り弁済する ただし 財団債権を被担保債権とする留置権 特別の先取特権 質権 又は抵当権の効力を妨げない 2 前項の規定にかかわらず 同項本文に規定する場合における第 148 条第 1 項第 1 号及び第 2 号に掲げる財団債権 ( 債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって 同条第四項に規定するものを含む ) は 他の財団債権に先立っ て 弁済する 破産管財人が破産財団の換価金から支払う債権には, 破産債権のほかに財団債権がある 財団債権は, 破産者に対する債権のうち, 破産債権に優先し, 破産配当によらずに破産管財人から随時に弁済されるべき債権として破産法で特に定められている債権である 1) 財団債権に該当する債権は, 破産債権に先立って個別に弁済される (151 条 ) 破産債権のように配当率を定めて一斉に配当されることはない とは言っても, 破産財団が逼迫して財団債権すら弁済できない場合には, 財団債権も債権額の割合により弁済される (152 条 1 項 ) ただし, その場合でも, 次の2の1と2の財団債権は財団債権の中でもとくに共益性が高いので, 他の財団債権に先立って弁済される ( 同条 2 項 ) 財団債権を有する債権者は裁判所に債権の届出をする必要はなく, 破産管財人に対する任意の履行の請求や訴えの提起などの法的手段によって権利を行使できる 破産債権を有する債権者が破産債権の届出によってのみ権利を行使できるのと異なる ただし, 財団債権に基づく強制執行は破産債権と同じく禁止されている すなわち, 42 条 1 項は, 破産手続開始の決定があった場合には 破産財団に属する財産に対する強制執行 仮差押え 仮処分 一般の先取特権の実行 企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で 破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは することができない と定めている 2) 財団債権となる請求権は,148 条ないし150 条に列挙されている 1 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権 2 破産財団の管理, 換価及び配当に関する費用の請求権 3 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権 (97 条 5 号に掲げる加算税等の請求権 =これは破産債権とされる=を除く ) であって, 破産手続開始当時, まだ納期限の到来していないもの又は納期限から1 年 ( その期間中に包括的禁止命令が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には, 当該期間を除く ) を経過していないもの 4 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権 5 事務管理, 不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権

36 6 委任の終了又は代理権の消滅の後, 急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 7 双方未履行の双務契約に関し,53 条 1 項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権 ( なお,53 条 1 項の規定により破産管財人が解除を選択した場合における相手方の破産管財人に対する給付物の返還に代わる価額請求権も財団債権である (54 条 2 項 )) 8 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ (53 条 1 項又は2 項の規定による賃貸借契約の解除を含む ) があった場合において破産手続開始後, 解除 解約による契約終了までの間に生じた請求権 9 破産者を受遺者とする負担付遺贈について破産管財人が遺贈の履行を受けた場合において, 遺贈義務者が当該負担の履行を求める請求権 ( 遺贈の目的の価額を超えない限度 ) 10 保全管理人が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権 11 破産手続開始前 3 月間の破産者の使用人の給料請求権 (149 条 1 項 ) 12 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権のうち, 退職前 3 月間の給料の総額 ( その総額が破産手続開始前 3 月間の給料の総額より少ない場合にあっては, 破産手続開始前 3 月間の給料の総額 ) に相当する額の請求権 (149 条 2 項 ) 13 社債管理者等の費用及び報酬で財団債権とすることについて裁判所の許可を得たもの (150 条 ) 2 破産債権 1) 破産債権と手続外債権 破産債権は, 破産手続開始前の原因に基づいて生じた破産者に対する財産上の請求権のうち財団債権に該当しないものである 破産手続開始後の原因により生じた債権は破産債権に該当しないから破産配当に預かれないが, 例外的に破産債権とされているものもある (57 条による委任終了後に生じた債権など ) その例外を除けば, 破 産手続開始後の原因に基づいて生じた債権は破産債権にはならず, 財団債権になる旨が法定されている場合には財団債権になるが, それを除けば破産債権にもならない それは破産手続とは関係がない手続外債権であり, 破産財団から弁済されることはなく, 破産者の新得財産を含む自由財産のみを引き当てとする債権である 2) 手続外債権個人である破産者は破産手続開始後も命のある限り経済的社会的生活を維持していかなければならず, そのためには債務を負担することもあり得るが, そうして負担する債務に対応する債権は手続外の債権である 破産債権も財団債権も破産財団から破産管財人が支払うが, 手続外債権は自由財産のみを引き当てとし, 破産者本人が支払

37 う 破産管財人は, 破産債権と財団債権の請求は放置できないが, 手続外債権は自己の任務と関係がない債権であるから無視できるし, 無視すべきである 手続外債権は破産者自身が破産手続と関係なく支払うべき債権である 3) 破産債権破産債権とは, 破産手続開始前の原因に基づいて生じた破産者に対する財産上の請求権であって, 財団債権に該当しないものをいう (2 条 5 項 ) なお, 破産手続開始後の利息や遅延損害金の請求権などは破産手続開始後の原因に基づいて生じた債権であり破産債権でないのではないかとの疑問が生じるが,97 条がこれを破産債権として認めている ただし,97 条により破産債権と認められる債権のうち同条 1 号から 7 号までの債権は破産債権の中でも劣後的破産債権になる (99 条 1 項 1 号 ) 劣後的破産債権は, 優先的破産債権と一般破産債権が100% 満足を受けた後になお余裕の配当原資がある場合に限り配当される破産債権であるから, 配当がゼロであるのが普通である 破産手続が開始されると, 破産債権の回収は破産手続を通じてのみ実現されなければならないから, 破産債権者の個別の権利行使は禁止される 破産債権者は, 破産者に対して債務の履行を請求したり, 破産者から弁済を受領したり, 訴訟を提起したり強制執行を申し立てたりするなど, 通常の債権者としての権利行使をすることができない 破産債権者は, 破産債権を裁判所に届け出て, 破産管財人による配当を待たなければならない 破産債権破産管財人が支払う % 配当として支払う 財団債権 破産管財人が支払う 個別に随時に支払う 訴訟もできる 手続外債権 破産者個人が支払う 4) 破産債権の要件 ア イ 物権的請求権は破産債権ではない 破産者に対する 債権 が破産債権になるから, 所有権に基づく物の返還請求権 *1 や占有回収請求権などの物権的請求権は債権ではないから破産債権にならない それは取戻権の内容たる実体法上の権利である 責任財産が一定の財産に限定された債権は破産債権ではない 破産手続は破産者の総財産を売却して得た金銭から満足を受ける手続であるから, *1 物権的請求権は債権ではないから, 民法の債権総則の規定は適用されない

38 債務の責任財産が債務者の総財産ではなく, 総財産中の特定の財産のみに限定されている債権は破産債権にならない もしそのような債権を破産債権と認めれば責任財産以外の財産による弁済を認める結果になり責任財産を特定の財産に限定した法の趣旨に反する結果になるからである 例えば, 海難救助をした救助者が積み荷の所有者に対して取得する救助料債権の責任財産は, 救助された積み荷に限定されており積み荷所有者の全財産を責任財産としないから ( 積荷ノ所有者ハ救助セラレタル物ヲ以テ救助料ヲ支払フ義務ヲ負フ ( 商法 812 条 )), このような救助料債権は積み荷の所有者の破産事件において破産債権にはならない ウ金銭に評価できない不代替的作為請求権は破産債権ではない 破産手続は, 破産者の総財産の換価金から金銭的配当による満足を実現する手続であるから, 破産債権は金銭債権であるか少なくとも金銭に評価できる債権でなければならない (2 条 5 項 ) 金銭の支払を目的としない債権でも, その債務者以外の者が債務者に代わって債務を履行しても債務の履行と言える代替的作為請求権であれば, 破産手続開始の時における評価額が破産債権の額とされるけれども (10 3 条 2 項 1 号イ ), 歌手の出演債務のようにその債務者がしなければ債務の履行とは言えない不代替的作為請求権は, 金銭に評価できないから破産債権ではないとされる また, 騒音を出さない債務のような不作為を内容とする請求権も金銭に評価できないから破産債権ではないとされるが, 破産手続開始前に債務者に不履行があり損害賠償請求権に転化していれば, その損害賠償請求権は破産債権になる エ強制執行することができない債権は破産債権ではない 破産は破産者の総財産を強制的に換価して換価金を配当する制度であり総括的強制執行とも言えるから, 免責許可を受けた債務者に対する債権のように, 強制執行できない債権は破産債権にならない これは破産者が二度目の破産を受けた場合に第 1の破産の債権 ( 免責許可済み ) は二度目の破産における破産債権とならないと言う意味である オ破産手続開始前の原因に基づいて生じた債権のみが破産債権である 破産債権は破産手続開始前の原因に基づいて生じた債権である (2 条 5 項 ) 破産手続開始後の原因に基づいて生じた債権は破産債権ではなく, 財団債権になる債権を除いては手続外の債権になる このような手続外債権が破産債権として届け出れば破産管財人は否認すべきである 債権が破産手続開始前の原因に基づいて生じたのかそうでないのかの判断に迷う場合がある 例えば, 破産手続開始前に債務者の保証人になった者が破産手続開始後に保証債務を履行して取得した求償権はどうか この求償権が保証契約に基づいて生じたものであると理解すればそれは破産債権になる しかし, 保証債務の履

39 行 ( 代位弁済 ) という事実に基づいて発生したと理解すればそれは破産債権ではない 一体, どのように解すべきかについて, 最高裁平成 24 年 5 月 28 日第二小法廷判決 ( 民集 66 巻 7 号 323 頁 ) は次のように述べて, 破産債権であると判断している 保証契約が主たる債務者の破産手続開始前に締結されていれば, 当該求償権の発生の基礎となる保証関係は, その破産手続開始前に発生しているということができるから, 当該求償権は, 破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権 ( 破産法 2 条 5 項 ) に当たるものというべきである したがって, 無委託保証人が主たる債務者の破産手続開始前に締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合において, 保証人が主たる債務者である破産者に対して取得する求償権は, 破産債権であると解するのが相当である カ 破産手続開始後の例外的破産債権 破産手続開始後の原因により発生した債権であり本来は破産債権ではなく手続外 債権になるところを, 他の債権者との公平などの理由から, 破産債権とされ破産財 団からの配当に預かれるものがある 1 委任契約終了後に発生した債権 委任者が破産した場合において, 受任者が, 民法 655 条の規定による破産手続開始の通知を受けず, かつ, 破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは, これによって生じた債権について, 破産債権者としてその権利を行使することができる (57 条 ) 2 為替手形の引受人の費用償還請求権 破産手続開始後にその事実を知らないで為替手形を引き受けたり支払ったりし た場合の引受人の破産者に対する費用償還請求権も, 例外として破産債権とされ る (60 条 ) 3 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権など ( 破産債権に含まれる請求権 ) 第 97 条 次に掲げる債権 ( 財団債権であるものを除く ) は 破産債権に含まれる ものとする 一破産手続開始後の利息の請求権 二 三 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 破産手続開始後の延滞税 利子税若しくは延滞金の請求権又はこれらに類す る共助対象外国租税の請求権 四国税徴収法 又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権 ( 五 以下 租税等の請求権 という ) であって 破産財団に関して破産手続開始 後の原因に基づいて生ずるもの 加算税 若しくは加算金 の請求権又はこれらに類する共助対象外 国租税の請求権

40 六罰金 科料 刑事訴訟費用 追徴金又は過料の請求権 ( 以下 罰金等の請求権 という ) 七破産手続参加の費用の請求権八以下略 前記の通り, これらは破産手続開始後に発生した債権であっても破産債権, ただし劣後的破産債権とされている (97 条 2 号,99 条 1 項 1 号 ) 3 破産債権の種別 1) 破産債権には, 次の種類がある 1 優先的破産債権 一般の先取特権により担保される債権や租税債権のように優先 権がある破産債権は優先的破産債権とされる (98 条 1 項 ) 2 劣後的破産債権 一定の種類の債権は劣後的破産債権や約定劣後破産債権とされ ている (99 条 1 項 2 項 ) 3 約定劣後破産債権 いわゆる劣後債権ローンによる借入金などであり, 債務者が 万一破産した場合に他の債権に劣後して満足を受けることが破 産手続開始前に合意されている債権である 利率が通常の場合 より高く設定されているのが通例である 4 一般破産債権 これら以外の破産債権は一般破産債権である 破産債権の種類の区別は破産配当の区別である 破産配当は,1 優先的破産債権, 2 一般破産債権,3 劣後的破産債権,4 約定劣後破産債権の順に, かつ, 同種の債権者の間では平等に配当がなされる (194 条 2 項 ) 2) 優先的破産債権 ( 優先的破産債権 ) 第 98 条破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権 ( 次条第 1 項に規定する劣後的破産債権及び同条第 2 項に規定する約定劣後 破産債権を除く 以下 優先的破産債権 という ) は 他の破産債権に優先する 2 前項の場合において 優先的破産債権間の優先順位は 民法 商法その他の法律 の定めるところによる 3 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には その期間は 破産手続 開始の時からさかのぼって計算する 優先的破産債権は, 優先的 とはいっても, 財団債権のように随時に弁済を受けられるわけではなく, 破産配当として弁済を受ける破産債権であるが, その配当が一般破産債権や劣後的破産債権に優先するものである 優先的破産債権には次のものがある ア 一般の先取特権により担保される破産債権 破産者の総財産を対象とする一般の先取特権により担保される破産債権 ( 民法

41 306 条ないし310 条 ) が優先的破産債権であり (98 条 1 項 ), 次のものがある ただし,1は財団債権になる 1 共益の費用 ( 各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保全, 清算又は配当に関する費用の請求権 ( 民法 307 条 1 項 )) 2 雇用関係 ( 給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権 ( 民法 308 条 )) 3 葬式の費用 ( 債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額の請求権 ( 民法 309 条 1 項 )) 4 日用品の供給 ( 債務者又はその扶養すべき同居の親族およびその家事使用人の生活に必要な最後の6か月間の飲食料品, 燃料及び電気の供給に関する請求権 ( 民法 310 条 )) イ 租税債権のうち財団債権にならないもの 破産手続開始前の原因に基づいて発生した租税債権は, 破産手続開始当時において納期限経過後 1 年以内か納期未到来のものは財団債権になる (148 条 1 項 3 号 ) そして, 納期限経過後 1 年を超えているものは優先的破産債権になる (98 条 1 項 ) ウ 給料債権及び退職金債権のうち財団債権に該当しないもの 給料債権及び退職金債権は一般先取特権により担保されるから優先的破産債権になるが ( 民法 306 条,308 条 ), 破産手続開始前 3か月間分の未払給料債権, 破産手続終了前に退職した従業員の未払の退職手当のうち退職前 3か月間の給料の総額に相当する額は財団債権に格上げされており, 優先的破産債権にならない 3) 劣後的破産債権 ( 劣後的破産債権等 ) 第 99 条次に掲げる債権 ( 以下 劣後的破産債権 という ) は 他の破産債権 ( 次項に規定する約定劣後破産債権を除く ) に後れる 一第 97 条第 1 号から第 7 号までに掲げる請求権二以下略 2 破産債権者と破産者との間において 破産手続開始前に 当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権 ( 以下 約定劣後破産債権 という ) は 劣後的破産債権に後れる 劣後的破産債権は, 優先的破産債権及び一般破産債権に劣後して配当を受けることができる破産債権である 優先的破産債権と一般破産債権に100% の配当をしてなお余りがある場合にのみ配当されるが, 現実にはそのようなことはまず考えられないから, 劣後的破産債権に該当すれば破産配当はないと考えてよい

42 4) 約定劣後破産債権企業による多様な資金調達の一環として, 資金の借入れにあたり, 当該債権者に対する弁済を他の一般債権者に対する債務の弁済よりも劣後させる合意を特約する場合があり, それが約定劣後破産債権である 約定劣後破産債権は配当の順位において劣後的破産債権にも後れる (99 条 2 項,194 条 1 項 4 号 ) 5) 一般破産債権一般破産債権は, 優先的破産債権, 劣後的破産債権, 及び約定劣後破産債権を除いた, 他のすべての債権である 4 破産債権の金銭化破産債権は現物ではなく, 金銭で配当されるから破産債権は金銭に評価されなければならない 金銭でないものを金銭に評価することを 金銭化 という 貸金債権や売買代金債権のように初めから券面額のある債権は改めて金銭化の必要はなく, 破産手続開始時の残存元本, 利息及び遅延損害金の合算額が破産債権額になる これに対して, 金銭の支払を目的としない非金銭債権, 金額の不確定な金銭債権, その額を外国の通貨をもって定めた外国通貨債権, 存続期間が不確定な定期金債権については, 金銭化が必要である 破産債権の届出をする債権者は, 自ら金銭化をして, 破産手続開始の時の評価額 (103 条 2 項 1 号 ) を届出書に記載して破産債権を届け出る必要がある 債権調査において破産管財人が認め, かつ, 届出破産債権者から異議がない場合には, 債権者が自ら評価して届け出た金額が破産債権の額として確定し (124 条 1 項 ), 破産管財人が認めず, 又は届出破産債権者が異議を述べた場合には, 破産債権査定の裁判等の手続を通じて金銭化された破産債権額が確定される (125 条,126 条 ) 5 破産債権の現在化 1) 期限未到来の期限付債権 第 103 条 3 破産債権が期限付債権でその期限が破産手続開始後に到来すべきものであるときは その破産債権は 破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなす 債権者が破産者に対して有する破産債権の弁済期が到来していなければ本来は破産債権としての権利行使ができないところであるが, 破産法上は破産手続開始の時に期限が到来したものとみなされ, 破産債権として届け出て配当を受けることができる ( 103 条 3 項 ) たとえば 10 年先に弁済を約束した融資債権の債務者が破産したときは, 融資債権の弁済期が到来したとみなして破産債権として認められる存在になる これが現在化の意味である ゴルフ場経営会社が破産した場合における償還期限未到来の預託金返還請求権も同様にして現在化により破産債権になる

43 2) 条件未成就の条件付債権 第 103 条 4 破産債権が破産手続開始の時において条件付債権又は将来の請求権であるときでも 当該破産債権者は その破産債権をもって破産手続に参加することができる ア 債権者が破産者に対して有する債権が停止条件付であり停止条件が成就していな ければ現在において有効に存在する債権ではないが, 破産法上は無条件の債権として破産手続に参加できる (103 条 4 項 ) また, 債権者が破産者に対して有する債権が解除条件付であれば現在有効な債権であっても, 将来解除条件が成就すれば無効になる可能性があるが, 破産法上は無条件の債権として破産手続に参加できる ( 同 ) イ しかし, 中間配当の段階で停止条件や解除条件の成否が未確定であれば, 単純に 中間配当するわけにはいかない 破産管財人は, 停止条件付債権については配当額を債権者に配当せずに寄託すべきである (214 条 1 項 4 号 ) ここに言う 寄託 とは, 法務局への供託を言うのではなく, 金融機関に対する消費寄託すなわち預金のことである また 解除条件付債権である破産債権については相当の担保を供しなければ 中間配当を受けることができない (212 条 1 項 ) 担保が供されていない解除条件付債権については, 中間配当額は寄託される (214 条 5 項 ) ウ 最後配当の段階になると, 最後配当の除斥期間内に停止条件が成就していなけれ ば配当から除斥されるし, 解除条件が成就していた場合にも配当から除斥される これに対し, 停止条件が成就していたり解除条件が成就していなければ, 破産管財人は金融機関に寄託していた金額の払戻しを受けて破産債権者に追加配当しなければならない (198 条 2 項 ) 6 金銭化 現在化と保証人 物上保証人との関係破産債権の金銭化と現在化は破産手続内の効力であるから, 破産手続外の第三者 ( 保証人, 連帯債務者, 物上保証人など ) には効力が及ばない 例えば, 保証人は主たる債務が期限未到来であれば保証債務の履行を請求されても履行を拒み得るし ( 現在化の効力は保証人に及ばない ), 物上保証人が提供した担保権について, 担保権者は, 債務者が破産したことを理由に期限未到来の債権の履行期が到来したと主張して担保権者の実行を申し立てることはできない ( 現在化の効力は物上保証人に及ばない ) 第 6 破産債権の届出と調査 1 破産債権の届出 破産債権者が破産債権を行使するには, 破産手続による以外に方法がない (100 条 1 項 ) 破産手続による権利行使とは, 自ら進んで自己が有する破産債権を裁判所に届

44 け出て, 調査 確定の手続を経て, 配当を受けたり債権者集会の審議 決議に加わることである 届出がない破産債権は, 破産配当に預かれないし債権者集会の決議に加われない しかし, 破産債権の届出をしなかったからといって債権自体が消滅するわけではない 免責許可決定が確定すれば届出のない債権も含めて免責の効力を受け, 強制執行できない債権に変容するが, 免責不許可決定があった場合にはそういう効果は受けないし免責許可決定があっても非免責債権 (253 条 1 項ただし書き ) に該当すれば, 破産債権の届出に関係なく完全に有効な債権として破産手続終了後も存続する 2 破産債権届出の手続等 1) 届出期間破産債権の届出期間は, 破産手続開始決定と同時に裁判所が定める (31 条 ) しかし, 異時廃止が見込まれるときは, 破産債権を届出させても無駄になることが多いから, 裁判所は破産債権の届出期間を決めない運用をすることもある なお, 破産債権者が, 自己の責めに帰することができない事由により届出期間内に届出できない救済措置として, その事由が消滅した後 1 月以内に限り破産債権を届け出ることが認められている (112 条 1 項 ) 2) 届出事項次のとおりである (111 条 1 項 ) 1 破産債権の額及び原因 2 優先的破産債権であるときは, その旨 3 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であるときは, その旨 4 自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは, その旨 5その他最高裁判所規則で定める事項なお, 別除権者は, 次の事項を届け出なければならない (111 条 2 項 ) 6 別除権の目的である財産 7 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 3) 債権届出の消滅時効の中断効破産債権の届出には, 消滅時効を中断させる効力がある ( 民法 152 条 ) 破産債権の届出は, 債権を行使する債権者の意思の表明であり, 破産債権者表という債務名義の成立を目指す権利行使とも言えるから, 訴えの提起と同様, 消滅時効の中断事由とされた 4) 届出名義の変更破産債権者が破産債権の届出をした後に, 破産債権者から破産債権を譲り受けて債権者となり, 破産管財人に対する対抗要件 ( 債権譲渡の対抗要件 ) を具備した新債権

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