平成 28 年度内外一体の経済成長戦略構築に係る国際経済調査事業 (ISDS( 投資家と国との間の紛争解決 ) に係る新レジーム調査 ) 調査報告書 平成 29 年 2 月 長島 大野 常松法律事務所

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1 平成 28 年度内外一体の経済成長戦略構築に係る国際経済調査事業 (ISDS( 投資家と国との間の紛争解決 ) に係る新レジーム調査 ) 調査報告書 平成 29 年 2 月 長島 大野 常松法律事務所

2 目次第 1 章... 1 調査概要... 1 第 1 調査の目的 ISDS を巡る新たな動き CETA 第 8 章に定める常設投資裁判所制度 CFIA に基づく国家間仲裁手続... 3 第 2 調査対象 CETA 常設投資裁判所の判断の性質と執行力 CETA 常設投資裁判所制度と EU 法... 5 第 3 調査方法... 6 第 2 章調査結果... 6 第 1 要旨... 6 第 2 ICSID 2004 Discussion Paper ICSID 仲裁規則 上訴制度の当否 上訴制度の導入方法 上訴手続... 8 第 3 August Reinisch 教授の見解 ICSID 条約に基づく執行の可否 NY 条約に基づく執行の可否 EU 法との整合性 第 4 濱本正太郎教授の見解 ICSID 条約に基づく執行の可否 NY 条約に基づく執行の可否 EU 法との整合性 第 5 結論 作成者 : 小原淳見, 青木大, 杉本花織, 津久井康太朗, 戸田祥太

3 凡例 用語 正式名称 意義 CETA EU-Canada Comprehensive Economic and Trade EU カナダ包括的経済貿易連携協定 Agreement CFIA Cooperation and Facilitation Investment Agreements CJEU Court of Justice of the European Union 欧州司法裁判所 ECHR European Convention on 欧州人権条約 Human Rights ECtHR European Court of Human Rights 欧州人権裁判所 ICSID Convention Convention on the settlement 国家と他の国家の国民との間 of investment disputes between stats and nationals of other stats の投資紛争の解決に関する条約 (ICSID 条約 ) ISDS Investor-State Dispute 投資家対国家の紛争解決 Settlement NY Convention The Convention on the 外国仲裁判断の承認及び執 Recognition and Enforcement of Foreign Arbitral Awards 行に関する条約 ( ニューヨーク条約 /NY 条約 ) TFEU Treaty on the Functioning of 欧州連合の運営に関する条約 the European Union TEU Treaty on European Union 欧州連合条約 UNCITRAL United Nations Commission on International Trade Law 国際連合国際商取引法委員会 Vienna Convention Vienna Convention on the Law of Treaties 条約法に関するウィーン条約 ( ウィーン条約法条約 )

4 第 1 章調査概要 第 1 調査の目的 1. ISDS を巡る新たな動き (1) ISDS の目的外国からの投資の促進を目的とする投資協定では 締約国に相手国の投資家による締約国への投資の保護を義務づけるとともに 相手国が投資家の保護義務に違反した場合 投資家が直接相手国に対し国際仲裁を申し立てて救済を求めることができる紛争解決条項 ( いわゆる ISDS) が規定されていることが多い 投資受入国の法制度 とりわけ司法制度が必ずしも整備されていない場合 ISDS は 投資受入国の司法制度から独立した紛争解決手段を提供し 投資協定上の投資家保護の規定の実効性を担保することで 投資リスクを軽減して外国投資を促進させ 投資受入国及び投資家の母国双方にメリットをもたらしてきた (2) 従来型の ISDS への批判当初 ISDS は先進国の投資家が発展途上国に対して利用することが多かったが 近年途上国の投資家が途上国に対して あるいは先進国の投資家が先進国に対しても利用する例が増え 投資受入国である先進国が敗訴する例も増えてきている とりわけ最近では たばこによる健康被害を抑制するためのたばこのパッケージ規制を争った Philip Morris 事件 ( 被申立国オーストラリア及びウルグアイ ) や福島原発事故を受けたドイツの原発廃止政策に対し補償を求めた Vattenfall II 事件 ( 被申立国ドイツ ) 等 公益目的の政策が ISDS に基づく仲裁で争われる事件が報道されるにつけ 従来型の ISDS に対する批判も出てきている 1 具体的には 私人である仲裁人が一国の公益的政策を評価する行為は 国家の正当な規制権限を害する 仲裁手続きは非公開で透明性に欠ける 上訴機能がなく 類似の争点に関する判断が仲裁廷によって区々で必ずしも一貫していない ISDS の濫用により国家が無用の紛争に巻き込まれるおそれがあるといった批判が向けられている (3) ISDS を巡る新たな動きこのような批判を受け 国家の規制権限を明記するなど 投資家保護を定めた実体規定を整備するとともに 2 仲裁手続きの公開化 3 や 法廷の友 (amicus curie) の導入 仲裁人の利益相反の規 1 Gabriellel Kaufmann-Kohler and Michele Potesta Can the Mauritius Convention serve as a model for the reform of investor-state arbitration in connection with the introduction of a premanet investment tribunal or an appeal mechanism? 3 June 2016, pp UNCTAD では 投資協定に盛り込む投資家保護の実体規定の選択肢や投資協定以外の投資促進策を加盟国に提供して 加盟国における外国投資の促進を支援している Investment Policy Framework for Sustainable Development pp , Reforming the International Investment Regime: An Action Menu (UNCTAD World Investment Report 2015, Chapter IV) pp UNCITRAL 投資協定仲裁における透明性規則 1

5 定を整備するなどして 従来利用されてきた国際仲裁を用いた ISDS の改善 改良を図る動きがある その一方で 国家と投資家との投資協定に基づく紛争を 従来型の国際仲裁とは異なる枠組みで解決する方向性を模索する動きが 国際機関や当事国間で出てきている 例えば UNCITRAL では投資家と投資受入国との紛争を解決する常設投資裁判所及び上訴手続制度の検討の可能性が協議されており EU がカナダとの間で締結した CETA ( EU-Canada Comprehensive Economic and Trade Agreement) 4 (2016 年 10 月 30 日署名 5 ) では 現に常設投資裁判所制度及び上訴制度が導入された 他方 ブラジルが締結した CFIA(Cooperation and Facilitation Investment Agreements) 6 では 投資家が投資受入国に対して直接申し立てることのできる紛争解決手続きを排斥し 投資家の母国が投資受入国との間で紛争を解決する国家間仲裁手続き (interstate arbitration mechanisms) を採用した 以下 両制度につき概観する 2. CETA 第 8 章に定める常設投資裁判所制度 EU は カナダとの CETA において 投資家と国家との投資協定に基づく紛争解決手段として 新たに投資協定に基づく紛争を解決する常設の Tribunal を設置した ( 第 8 章 Section F)( CETA 常設投資裁判所 ) 7 CETA 常設投資裁判所の手続きでは 従前の ISDS 同様 ICSID 条約及び 仲裁規則 ICSID Additional Facility Rules, UNCITRAL 仲裁規則または当事者の合意するその 他の規則のいずれかが適用される (8.23 条 2 項 ) しかし CETA では 同条約及び規則を Tribunal の構成員の選任方法 適用法令 上訴手続き 取消手続きなど 紛争解決手続きの重要 な要素において以下のとおり修正している ICSID 条約 UNCITRAL 仲裁規則 CETA Tribunal 構成員の選任方法 原則 各当事者が仲裁人を1 名ずつ選任 仲裁廷の長は当事者の合意で選任される (37(2)) 原則 各当事者が仲裁人を 1 名ずつ選任 仲裁廷の長は 2 名の当事者仲裁人の合意で選任される (7(1) 9(1)) CETA Joint Committee で 15 8 名の常設投資裁判所の構成員を決定 所長が個々の案件を担当する 3 名をランダムに選任する (8.27(5)(7)) 構成員 両当事者の合意によっ 選任機関は 当事者の国籍 個々の案件を担当する 3 名の 年 2 月 15 日に欧州議会が CETA を賛成多数で承認 同年 2 月 14 日にカナダ下院が CETA を批准する法案を可決 EU 理事会は既に 2016 年 10 月 18 日に暫定適用に関する決定を採択しており 来月カナダ上院において承認されれば CETA は暫定適用され 大部分の関税が撤廃される ただ 投資章の一部を含めた CETA の完全適用には EU 構成各国の国 地域の全議会の承認が必要であり 完全適用の目処は立っていない 6 マラウイとの CFIA( モザンビーク アンゴラとの CFIA ( 7 EU が米国との TTIP 協定 (Transatlantic Trade and Investment Partnership) に係る交渉において提出した 2015 年 9 月 16 日付け提案書 及び EU とベトナムとの FTA( 自由貿易協定 )(2015 年 12 月 2 日交渉妥結 未署名 ) においても 同様の常設投資裁判所の設置が提案又は採用されているが 協定によって若干制度が異なる 本報告書では CETA に規定する常設投資裁判所に特化して論じている 8 15 名のうち 5 名は EU 構成国の国籍を有する者 5 名はカナダ国籍の者 5 名は EU 構成国 カナダ以外の第三国の国籍を有する者でなければならない (CETA8.27(2)) 任期は原則 5 年で (CETA8.27(5)) 被選任者その間常時 availability を確保しておかなければならない 2

6 の国籍適用法令上訴手続取消手続 ICSID 条約 UNCITRAL 仲裁規則 CETA て全ての仲裁人が選任 と異なる国籍を有する仲裁 構成員は EU 構成国の国籍 される場合を除き 仲 人を選任することが望ましい を有する者 カナダ国籍の 裁廷の過半数は当事 か考慮しなければならない 者 第三国の国籍の者で構 者の国籍以外の国籍を (6(7)) 成され 第三国の国籍を有す 有する者でなければな る者が議長となる (8.27(6)) らない (39) 仲裁廷は当事者が合 仲裁廷は当事者が指定した 常設投資裁判所は CETA 及 意した法を適用し 合 法を適用し 指定がない場 びその他の国際法を解釈し 意がない場合は被申 合は 仲裁廷が適切と判断 争われている措置が紛争当 立国の国内法及び国 する法を適用する (35(1)) 事国の国内法に基づき適法 際法を適用する か否かにつき判断する権限 (42(1)) はない (8.31(1)(2)) 仲裁判断に対する上訴 規定なし Appellate Tribunal( 上級審 ) 禁止 (53(1)) 但し多くの国内仲裁法で への上訴が可能 上訴審は 上訴は制限または認められ 所長がランダムに選任する 3 ていない (UNCITRAL モデ 名の構成員で構成 ル仲裁法 34(1) 参照 ) (8.28(5)) 上訴理由は 1 ICSID 条約 52 条の取消事由 に加えて 2 法令の適用 解 釈の誤り 3 重大な事実評価 ( 国内法評価を含む ) の誤り (8.28(1)(2)) 当事者は 仲裁廷の権 規定なし 常設投資裁判所の判断の取 限踰越 重大な手続き 但し多くの国内仲裁法で 消申立の禁止 (8.28(9)(b)) 的瑕疵 腐敗等を理由 重大な手続的瑕疵 公序違 に仲裁判断の取消し 反等を理由に仲裁地の裁判 ( annulment ) を ICSID 所に取消を申し立てることが に申し立てることができ できる (UNCITRAL モデル る (52) 仲裁法 34(2) 参照 ) 3. CFIA に基づく国家間仲裁手続ブラジルは 2015 年 3 月から 6 月にかけて モザンビーク アンゴラ メキシコ チリ マラウイ コロンビア各国との間で Cooperation and Facilitation Investment Agreements (CFIA) という投資協定を締結し 現在もペルーその他との間でも締結に向けた交渉を進めている 3

7 ブラジルとメキシコ間の CFIA 締結に関するブラジル外務省のプレスリリース 9 にもあるとおり ブラジル政府は CFIA の目的を 政府間協議メカニズムを通じた相互投資の促進 (encourage mutual investments through intergovernmental dialogue mechanism) としている これを受けて CFIA は 当事国間で紛争が生じた場合には 仲裁を最終手段 (last resort) と位置づけ 一定の手続きを経なければ仲裁に付託することはできないとする また 投資家が相手国政府による CFIA 違反を理由として相手国政府に対し直接仲裁を申し立てる制度は規定されず CFIA 違反を主張する投資家は 自国政府をして CFIA 違反を理由に相手国政府に申立をしてもらう必要がある ( ただし 自国政府が CFIA 上の手続きを開始するか否かはその裁量に委ねられるため 投資家にとって CFIA 上の手続きが開始される保証はない ) 国家間仲裁手続きの対象となる紛争について メキシコ マラウイ モザンビーク アンゴラとの CFIA に制限はないが コロンビア チリとの CFIA では 安全 汚職 環境 雇用等に関する紛争に限定されている CFIA が規定している紛争解決手続きは概ね次のとおりである すなわち 締約国間で紛争が生じた場合 まず当事国から指名を受けたオンブズマンが mediator となって和解による解決を目指す オンブズマンの主たる責任は 他の当事国からの投資家の地域内における支援 (the support for investor from the other Party in its territory) である ( マラウイとの CFIA4 条 1 項参照 ) 和解が成立しない場合 当事国は両国によって指名される政府代表者で構成される共同委員会 (Joint Committee) に紛争を付託する 付託する当事国は 手続きを開始するために 利害関係を有する投資家の名称及び引き起こされた課題や困難な点を明記した付託書を提出しなければならないとされている ( マラウイとの CFIA13 条 3 項 a モザンビークとの CFIA15 条 3 項 i アンゴラとの CFIA15 条 3 項 i 参照 ) また 利害関係を有する投資家の代理人は手続きに参加することが認められている ( マラウイとの CFIA13 条 3 項 c モザンビークとの CFIA15 条 3 項 iii a) アンゴラとの CFIA15 条 3 項 iii a) 参照 ) Joint Committee によっても紛争が解決しない場合にはじめて 当事国は紛争を仲裁に付託することができる ( マラウイとの CFIA13 条 6 項 モザンビークとの CFIA15 条 6 項 アンゴラとの CFIA15 条 6 項参照 ) なお 本委託調査では 経済産業省の指示に基づき 専ら CETA 常設投資裁判所の調査 とりわけ ICSID 条約及び EU 条約との関係の調査を行った 第 2 調査対象 1. CETA 常設投資裁判所の判断の性質と執行力 CETAは 常設投資裁判所の手続きに ICSID 条約及び仲裁規則 UNCITRAL 仲裁規則等が適用される (8.23(2)) と規定するが 上記のとおり紛争解決手続きの枠組みに関わる部分においてそれらの条約及び規則を修正している そのため 果たして CETA 常設投資裁判所による判断が ICSID 条約及び仲裁規則や UNCITRAL 仲裁規則に定める award( 国際仲裁判断 ) に当たると言 9 nt-mexico-city-may

8 えるかかが問題となる 仮に CETA による ICSID 条約及び仲裁規則 UNCITRAL 仲裁規則等の修正により CETA 投資協定裁判所による判断が ICSID 条約及び仲裁規則 並びに UNCITRAL 仲裁規則に則った仲裁判断でないとなると CETA 常設投資裁判所の判断の執行に支障がないか検討する必要がある そこで1CETA 常設投資裁判所の判断が ICSID 条約及び仲裁規則に則った仲裁判断といえるか 2 仮に ICSID 条約及び仲裁規則に則った仲裁判断でないと解釈された場合 CETA 常設投資裁判所の判断をニューヨーク条約に基づき執行することができるかという観点から とりわけ以下の点にフォーカスして調査を行った (1) CETA 常設投資裁判所制度と ICSID 条約の整合性ア. CETA は ICSID 条約及び規則を修正して常設投資裁判所手続きに適用しているが EU とカナダは ICSID 条約及び規則を修正できるか イ. 修正された ICSID 条約及び規則を適用した CETA 常設投資裁判所の判断は ICSID 条約に基づく仲裁判断として ICSID 条約 54 条に基づき ICSID 条約当事国たる第三国で執行できるか (2) CETA 常設投資裁判所の判断のニューヨーク条約に基づく執行可能性 CETA 常設投資裁判所の判断が ICSID 条約に基づく仲裁判断に当たらず ICSID 条約 54 条に基づく執行ができない場合 同裁判所の判断をニューヨーク条約に基づき執行することができるか 具体的な調査項目は以下の通りである ア. CETA 常設投資裁判所の判断は ニューヨーク条約 1 条 2 項が適用される仲裁判断 (arbitral awards) に当たるか イ. CETA 常設投資裁判所に基づく紛争解決手続きにつき 投資家と被申立国との間に ニューヨーク条約 2 条 1 項に定める書面による仲裁合意 10 があるといえるか ウ. CETA 常設投資裁判所の判断を執行する地の国が ニューヨーク条約 1 条 3 項に基づき 商事紛争に限ってニューヨーク条約を適用する旨の留保を行っている場合 11 CETA 常設投資裁判所の判断を執行することはできるか 2. CETA 常設投資裁判所制度と EU 法欧州司法裁判所は 欧州人権裁判所や欧州特許裁判所が EU 法の統一的解釈適用に支障を 10 Each Contracting State shall recognize an agreement in writing under which the parties undertake to submit to arbitration all or any differences which have arisen or which may arise between them in respect of a defined legal relationship, whether contractual or not, concerning a subject matter capable of settlement by arbitration. ( 各締約国は 契約に基づくものであるかどうかを問わず 仲裁による解決が可能である事項に関する一定の法律関係につき 当事者の間にすでに生じているか 又は生ずることのある紛争の全部又は一部を仲裁に付託することを当事者が約した書面による合意を承認するものとする )(NY 条約 2 条 1 項 ) 11 It may also declare that it will apply the Convention only to differences arising out of legal relationships, whether contractual or not, which are considered as commercial under the national law of the State making such declaration ( いかなる国も 契約に基づくものであるかどうかを問わず その国の国内法により商事と認められる法律関係から生ずる紛争についてのみこの条約を適用する旨を宣言することができる ) 5

9 もたらすおそれがあるとの立場を表明している 12 また ICSID 仲裁判断の履行が EU 法に抵触するとして EU 委員会が EU 構成国に対し ICSID 仲裁判断の履行の差止を命じたケースがある 13 このため CETA 常設投資裁判所制度が EU 法と整合しているのか 同裁判所の判断が EU によって実質的に覆されることがないかという観点から調査を行った 具体的な調査項目は以下の通りである (1) 欧州司法裁判所 (CJEU) が CETA 常設投資裁判所は EU 法と整合しないと判断する可能性があるか (2) EU が CETA 常設投資裁判所の判断を EU 法と整合しないと判断した場合 どのような措置を執ることができるか 第 3 調査方法本調査では 経済産業省との協議の上 ICSID 事務局が 2004 年 10 月に公表した ICSID 仲裁への上訴制度の導入の可能性をとりあげた ICSID 仲裁の可能な枠組みの変革 (Possible Improvements of the Framework for ICSID Arbitration) 14 と題するディスカッション ぺーパー ( 以下 ICSID 2004 Discussion Paper という ) の分析の他 濱本正太郎京都大学大学院法学研究科教授及び August Reinisch ウィーン大学教授の 2 名の専門家へのヒアリング調査を実施した 第 2 章調査結果 第 1 要旨 CETA 常設投資裁判所は 当事者による仲裁人の選任権限 仲裁人の国籍 適用法令 上訴手続き 取消手続きなど 紛争解決手続きの重要な要素において ICSID 条約の規定を修正している そのため CETA 常設投資裁判所の判断が ICSID 条約に基づく判断に当たるのか 仮に ICSID 条約に基づく判断に当たらないと解釈された場合 NY 条約に基づき CETA 加盟国以外の国で執行することができるのかが問題となる その関係でまず問題となるのが ICSID 条約の加盟国である EU 構成国とカナダが ICSID 条約を当事者間で修正することができるのか 即ち CETA 常設投資裁判所の紛争解決手続きが ICSID 条約に加えた修正が ICSID 条約の全体の趣旨及び目的の効果的な実現と両立しない修正かどうか とりわけ ICSID 条約自体が上訴を明示的に禁 12 欧州人権裁判所につき CJEU, Opinion 2/13, European Convention on Human Rights, Opinion pursuant to Article 218(11) TFEU, 18 December 2014 欧州特許裁判所につき ECJ, Opinion 1/09, European and Community Patent Court, [2011] ECR, I ICSID Case No. ARB/05/20, Ioan Micula, Viorel Micula, SC European Food SA. SC Starmill SRL, SC v. Romania, Final Award 11 December Micula 事件では ルーマニアが外国投資を呼び込むために創設した優遇措置を EU 加盟交渉過程において EU 法に合致させるために廃止したことが ルーマニアとスウェーデンの BIT が規定する公正衡平待遇に違反するかが問題となった ICSID 仲裁廷は 投資家の主張を認めたのに対し EU 委員会は ルーマニアが ICSID 仲裁判断を履行することは EU 法が禁止する State Aid の提供に相当するとして ルーマニアに対し同判断の履行の差止を命じた COMMISSION DECISION (EU) 2015/1470 of 30 March of%20icsid%20arbitration.pdf#search=possible%20improvements%20of%20the%20framework 6

10 止していることから 問題となる この点 ICSID 事務局は 上訴制度の導入に言及した ISID 2004 Discussion Paper において 上訴制度は ICSID 条約の全体の趣旨及び目的の効果的な実現と両立するという前提に立っているように見受けられる また Reinisch 教授及び濱本教授ともに CETA が加えた 当事者による仲裁人の選任権限 仲裁人の国籍 適用法令 上訴手続き 取消手続きなどの ICSID 条約の変更は ICSID 条約の全体の趣旨及び目的の効果的な実現と両立すると解釈している 但し EU 構成国またはカナダを被申立国とする CETA 常設投資裁判所の判断を CETA 加盟国以外の ICSID 条約に加盟する第三国で執行する場合 第三国は ICSID 条約に基づく判断として 同条約 54 条に基づき執行する義務を負うか否かについては 両教授は必ずしも見解が一致していない もっとも EU は ICSID 条約の加盟国ではなく EU を被申立国とする CETA 常設投資裁判所の判断は ICSID 条約に基づく判断には当たらず CETA 加盟国以外で同判断を執行する場合には 両教授とも NY 条約に依拠する必要があるとの見解を採っている 次に EU 法と CETA 常設投資裁判所の整合性について CJEU に EU 法の解釈適用の専権があることを踏まえ CETA 常設投資裁判所には EU 法を含め domestic law に基づき争われている措置が適法かどうかの判断権限が付与されていない もっとも CETA 常設投資裁判所の判断が EU 法に反すると EU が判断した場合には EU 域内での判断の執行が困難となるおそれがある 第 2 ICSID 2004 Discussion Paper 1. ICSID 仲裁規則 ICSID は 1967 年に仲裁規則 1978 年に Additional Facility Rules を採用 その後も規則の改正を重ね 投資家と国家との紛争解決制度を整備してきた 15 ICSID 仲裁案件が増えるにつれ 新たな規則の必要性の有無が討議され ICSID 事務局が 2004 年 10 月に公表した ICSID 2004 Discussion Paper では 円滑な暫定手続きや請求の早期却下 (early dismissal) や仲裁判断の公表等に加え 上訴制度の創設を協議の対象に提案している 2. 上訴制度の当否当時の ICSID 事務局の上訴制度の当否に関する見解は以下の通りである i. 一般に上訴制度は投資協定に基づくいわゆる判例法の統一的発展に資するものの 既にいくつかの国が採用しているような投資協定ごとの別々の上訴制度は 判例法の統一的発展の目的を阻害する ii. 現時点では いわゆる ICSID の判例法理については甚だしく統一していないというわけではなく 上訴制度を導入すると 上訴制度が利用できる仲裁と上訴制度が利用できな 15 ICSID 条約は 全加盟国の同意がない限り変更ができないが 規則は Administrative Council の決議で変更ができる (ICSID 条約 6 条 66 条 ) ことから規則改正を通じて紛争解決手続きの制度改正がなされてきた 7

11 い仲裁がうまれてしまうこと 仲裁判断の終局性が損なわれるおそれがあり 仲裁判断の執行を遅らせることができてしまうという問題がある iii. もっとも ICSID 及び ICSID 以外の仲裁判断の集積により 仲裁判断が一貫していない面もあることから ICSID が上訴制度を導入するのであれば ICSID 仲裁判断のみならず ICSID 以外の仲裁判断のための統一的な上訴制度を模索すべきである 3. 上訴制度の導入方法 ICSID 事務局は 上訴制度を導入することが決定された場合の具体的な導入方法について以下の通り提案している i. ICSID が新たに Appeal Facility Rules を採用 投資協定などで同協定に基づく仲裁判断は ICSID Appeal Facility Rules に服する旨規定する ICSID 仲裁に限らず あらゆる投資家と国家との紛争にかかる仲裁手続きに ICSID Appeal Facility Rules が利用されるのが望ましい ii. ICSID 条約 53 条 1 項は 条約に別途規定がある場合を除き ICSID 条約に基づく仲裁判断に対する上訴を禁じており ICSID 条約そのものを全加盟国の同意で修正することは事実上困難 他方 ICSID Appeal Facility Rules に定める上訴制度を採用するのは 投資協定であり そのような投資協定の当事国は ウィーン条約法条約 41 条に基づき 協定の当事国間でのみ効力を持たせる形で ICSID 条約を改定することができる iii. ICSID Appeal Facility Rules が導入されれば ICSID 条約に基づく仲裁は ICSID Appeal Facility Rules に服させることができるが ICSID 条約に基づく仲裁以外の仲裁でも 投資協定の当事国の合意により ICSID Appeal Facility Rules に服させることができる 他方 当事国は 仲裁合意から上訴制度を除外すれば足りる iv. 紛争解決手続きは合意に基づくものである以上 投資協定によって ICSID Appeal Facility Rules に定める上訴制度を変更できるようにする v. 6 年間試験導入したうえで 制度の見直しを行う このように当時の ICSID 事務局は ICSID 条約は上訴を禁じているものの ICSID 条約の当事国が投資協定において 投資協定仲裁が ICSID Appeal Facility Rules に服することを合意することで 当事国間で ICSID 条約を修正することができると考えていた 従って ウィーン条約法条約に定める条約の一部の加盟国間で条約を修正するための要件に鑑みれば 当時の ICSID 事務局は ICSID 条約は上訴制度の導入を禁止しておらず ICSID 条約の一部の当事国間で上訴制度導入により 他の ICSID 当事国の権利義務に影響を及ぼすものではないと考えていたことが窺える 4. 上訴手続 ICSID 事務局が ICSID 2004 Discussion Paper で提案した上訴手続きは以下のとおりである (1) 上級審パネル 8

12 ICSID の Administration Council が ICSID 事務局の推薦に基づき 異なる国籍の 15 名の上級審パネルを選任 当事者と協議の上 ICSID 事務局が 3 名の上級審担当のメンバーを選任する (2) 上訴理由現行の取消事由 (ICSID 条約 52 条 ) に加えて 明らかな法の誤り (a clear error of law) 重大な事実の誤り (serious errors of fact) が上訴理由となる (3) 上訴手続 UNCITRAL 仲裁規則では 中間判断も直ちに争えることから ICSID の手続きと ICSID 以外の手続きで差が生じないよう 上級審パネルの構成員の同意のもと 中間判断も争えるようにしつつ 仲裁手続きは続行される 上訴審は 仲裁判断を破棄差戻しすることもできる 上級審が 仲裁判断を取消 変更 覆したため紛争が解決されない場合には 当事者は新たな仲裁申立を行うことができる 上訴手続規則では 上訴申立から主張書面の提出までの期間 上訴審が裁定を下すまでの期間等の時間制限を設ける 上訴を申し立てた場合には 取消等上訴以外の救済が制限される ICSID が公表した 2005 年 5 月 12 日付け ICSID 規則及び規律の変更提案 (Suggested Changes to the ICSID Rules and Regulations) 16 では ICSID は 2004 年の上訴手続きの提案を見送っている もっとも 見送った理由を 技術的及び政策的に困難な問題 (para 4) と記載しており 技術的及び政策的に困難な問題 の内容は明らかではない もっとも上記上訴制度が ICSID 条約と整合しないとする趣旨ではないものと解される 17 第 3 August Reinisch 教授の見解 1. ICSID 条約に基づく執行の可否 i) CETA 常設投資裁判所制度は ICSID 条約及び規則を一部修正した内容となっているが EU とカナダは ICSID 条約及び規則を修正できるか ICSID 条約を修正するには ICSID 条約当事国による全会一致の決議が必要となる (ICSID 条約 65 条 66 条 ) ところ 全会一致決議を得ることは現実的に困難である 次に CETA 当事国の間でのみ ICSID 条約を修正する (inter se modification) ことができるかを判断するにあたっては 多数国間の条約を二以上の当事国の間においてのみ修正する合意を認めるウィーン条約法条約 41 条 1 項が参考となる and%20Regulations.pdf) 17 August Reinisch 教授が CETA 常設投資裁判所制度について論じた論文として The European Union and Investor-State Dispute Settlement: From Investor-State Arbitration to a Permanent Investment Court CIGI Investor-State Arbitration Series Paper No.2 March 2016 がある 18 ウィーン条約法条約は 1980 年以降に発効した条約に適用されるところ ICSID 条約は 1966 年に発効したため 9

13 ウィーン条約法条約 41 条 1 項は 多数国間の条約を二以上の当事国の間においてのみ修正する合意を認める規定であるところ state でない EU は ICSID 条約当事国となることができない (ICSID 条約 67 条 ) EU を ICSID 条約当事国とするには 前述のとおり ICSID 条約当事国による全会一致の決議が必要となる (ICSID 条約 65 条 66 条 ) したがって EU を ICSID 条約当事国とする全会一致の決議が得られない限りは EU はウィーン条約法条約 41 条 1 項に基づく修正合意の当事者となることができない 仮に EU を ICSID 条約当事国とする全会一致の決議が得られたとしても EU とカナダの間で ICSID 条約を修正するには ウィーン条約法条約 41 条 1 項の要件を充たす必要がある ウィーン条約法条約 41 条 1 項は 多数国間の条約を二以上の当事国の間においてのみ修正する合意の要件として以下のとおり規定する (a) このような修正を行うことができることを条約が規定している場合 (b) 当該二以上の当事国が行おうとする修正が条約により禁止されておらずかつ次の条件を満たしている場合 (i) 条約に基づく他の当事国による権利の享有又は義務の履行を妨げるものでないこと (ii) 逸脱を認めれば条約全体の趣旨及び目的の効果的な実現と両立しないこととなる条約の規定に関するものでないこと ICSID 条約は inter se modification について規定していないので (a) には該当せず (b) の要件が基準となる また ICSID 条約は 二以上の当事国の間における多数国間条約の修正を禁止していないので 上記 (b) の (i) 及び (ii) の要件を充たすかが問題となる (i)( 条約に基づく他の当事国による権利の享有又は義務の履行を妨げるものでないこと ) については 常設投資裁判所を用いた紛争解決手続きは CETA 当事国 ( すなわち EU 及び EU 構成国並びにカナダ ) にのみ適用され 他の ICSID 条約当事国は EU 構成国及びカナダに対し従前どおり ICSID 条約に基づく投資協定仲裁を利用できる したがって 条約に基づく他の当事国による権利の享有又は義務の履行を妨げるものでないこと との要件は充たされると考える (ii)( 逸脱を認めれば条約全体の趣旨及び目的の効果的な実現と両立しないこととなる条約の規定に関するものでないこと ) については ICSID 条約 1 条 2 項は ICSID 設置の ウィーン条約法条約は ICSID 条約に適用されない もっとも ウィーン条約法条約は国際慣習法の考えを反映していることから その趣旨は ICSID 条約にも適用があるものと考えられる 10

14 目的を 本条約に基づき当事国とその他の当事国の国民との間の投資紛争の調停及び仲裁を促進すること (The purpose of the Centre shall be to provide facilities for conciliation and arbitration of investment disputes between Contracting States and nationals of other Contracting States in accordance with the provisions of this Convention.) と規定し ICSID 条約の目的に国家と投資家との紛争解決手続きの提供を掲げている このことは ICSID 条約のタイトル ( 投資紛争の解決 (Settlement of Investment Disputes)) 並びに前文 4 項 (Attaching particular importance to the availability of facilities for international conciliation or arbitration to which Contracting States and nationals of other Contracting States may submit such disputes if they so desire) 及び前文 5 項 (Desiring to establish such facilities under the auspices of the International Bank for Reconstruction and Development) からも明らかである ICSID 条約 1 条 2 項が 本条約に基づ く(in accordance with the provisions of this Convention) 紛争に言及しているのは ICSID 条約に規定された通りの調停又は仲裁の形態での ISDS に ICSID 条約の目的を限定するものとみなすべきではなく ICSID 条約が当事国及びその国民に対し ISDS を提供する目的にどのように資することが企図されているかという観点から考えるべきである a) Tribunal の構成 常設投資裁判所 ( 第一審 上訴審 ) の Tribunal の構成は ICSID 仲裁廷の構成と大きく異なっている ICSID 条約では 当該紛争の当事者に仲裁人の選任権が与えられているのに対し CETA では予め指名された Tribunal Member の中から裁判長がランダムで選任する また ICSID 条約では 仲裁廷の過半数は紛争当事者である締約国及び紛争当事者の国籍の属する締約国以外の国の国民でなければならないのに対し CETA では 3 名の Tribunal のうち 1 名は EU 構成国の国籍を有する者 1 名はカナダ国籍の者 もう 1 名は EU 構成国 カナダ以外の第三国の国籍の者とされている このような CETA の制度に対しては 当事国に選ばれた当事国の 裁判官 が紛争解決手続きに関与することで 紛争解決手続きが政治化する 当事国のみの意向で Tribunal の構成員が選任されること等から Tribunal が pro-state バイアスになるとの批判が向けられている しかし 条約全体の趣旨及び目的の効果的な実現と両立するか という観点に絞って検討すると ICSID 条約 38 条は 一定の期間内に仲裁人が選定されない場合には ICSID 議長が当事者に代わって仲裁人を選任する権限があることに鑑みれば ICSID 条約は 当事者の仲裁人選任権よりも 効果的な紛争解決をより重視していることが窺われ ICSID 条約 37 条 2 項が定める当事者の仲裁人選任権が ICSID 条約の中心的特質であるとすることには疑問がある 以上を考慮すると CETA が規定する Tribunal 11

15 の構成は 条約全体の趣旨及び目的の効果的な実現と両立しない とまでは言えないと考えられる また CETA が定める国籍要件についても同様である 確かに ICSID 仲裁の仲裁廷がホスト国又は投資家が国籍を有する国の仲裁人で構成されることは稀ではあるが ICSID 条約自体は国籍要件についてそこまで厳格な要求をしていない ICSID 条約 39 条が 仲裁廷の過半数は紛争当事者である締約国及び紛争当事者の国籍の属する締約国以外の国の国民でなければならないとしつつ 当事者が合意をした場合の例外を規定しているのはその証左である b) 適用法令 ICSID 条約 42 条 1 項は 仲裁廷は当事者が合意した法律を適用し 合意がない場合は被申立国の国内法及び国際法を適用する旨規定する CETA では 常設投資裁判所 ( 第一審 上訴審 ) の Tribunal の権限は条約の解釈に限られ EU 法及び紛争当事者である国の国内法に基づき適法性を判断する権限を有しない (CETA8.31(2)) この適用法としての国内法の排除は 明らかに Tribunal 以外による EU 法の解釈は EU 法と両立しないとする欧州司法裁判所の立場の影響を受けたものである CETA の適用法としての国内法の排除は 当事者に準拠法選択の自由を認めている ICSID 条約と両立するものである 実際に NAFTA やエネルギー憲章条約 (ECT) など他の二国間協定において協定のみを適用法と定めるものもあり これは ICSID 条約と両立するものとして解釈されている c) 上訴制度 ICSID 条約 52 条は 当事者に仲裁判断の取消し (annulment) の申立を認め かかる申立を受けたアドホック パネルは一定の限定された理由に基づき ICSID 仲裁判断を取り消すことができる ICSID 条約は 取消手続き以外で ICSID 仲裁判断を争う手続きを排除している (ICSID 条約 53 条 1 項 ) 他方 CETA の常設投資裁判所制度では 第一審の判断 (provisional awards) に対する上訴審への上訴が認められており 上訴審は ICSID 条約 52 条が定める取消事由に加えて 明らかな法の誤り 重大な事実の誤りを理由として 第一審の判断を修正することができる CETA の定める上訴制度は 上訴制度を禁止している ICSID 条約と整合しておらず ICSID 条約の modification に該当する もっとも 重要な点は それがウィーン条約法条約 41 条に基づく inter se modification として認められるか である 12

16 この点 取消事由の限定が ICSID 条約の効果的かつ効率的な仲裁という概念の根幹にかかわるのであれば CETA の上訴制度は ICSID 条約とは両立しないものとなるが そのような考えには疑問がある 前述のとおり ICSID 条約の目的は仲裁又は調整を通じた投資紛争の解決である 仲裁判断のレビューのメカニズムが完全な上訴制度の形態を取るか 限定された取消制度の形態を取るかは 条約全体の趣旨及び目的の効果的な実現 にとって重要であるとは言えないと解される Tribunal の判断を争う理由を拡げることは手続きの長期化につながりうるが 一貫した投資ルールの解釈及び適用などのメリットもあるため ICSID 条約の目的の実現を阻害するとは言えないと思われる CETA に基づく上訴理由に ICSID 条約の取消事由が含まれていることも CETA に基づく修正が許されることの一つの根拠となり得る さらに 上訴制度の創設は数年前に ICSID 自身が検討しており その事実も CETA に基づく上訴制度が ICSID 条約上の ISDS と矛盾するものではないことの根拠となり得る d) 小活 以上を考慮すると CETA による ICSID 条約の修正は ウィーン条約法条約 41 条 1 項の要件を充たし 許されると考えられる ii) CETA 常設投資裁判所の判断を ICSID 条約 54 条に基づき第三国で執行することが認められるか ICSID 条約 53 条 1 項は 仲裁判断の拘束力を規定し 各当事者は 本条約の関連規定により執行が停止される場合を除き 仲裁判断の条項を遵守しなければならない (Each party shall abide by and comply with the terms of the award except to the extent that enforcement shall have been stayed pursuant to the relevant provisions of this Convention.) と定める また ICSID 条約 54 条 1 項は ICSID 仲裁の紛争当事国だけでなく 各当事国は 本条約に基づき付与された仲裁判断を拘束力あるものとして承認し 当該判断によって課された金銭的義務を当該地域において当該国の裁判所における終局的判断と同様に執行しなければならない (Each Contracting State shall recognize an award rendered pursuant to this Convention as binding and enforce the pecuniary obligations imposed by that award within its territories as if it were a final judgment of a court in that State.) と定める かかる執行の唯一の障害となるのが ICSID 条約 55 条が定める state immunity である 13

17 EU 側交渉担当者は常設投資裁判所による判断の終局性及び執行可能性についてかなりの重きを置いてきた とりわけ CETA 草案では 常設投資裁判所の終局的判断は 上訴 再審査 破棄 取消その他の救済 (appeal, review, set aside, annulment or any other remedy) の対象とならないと規定されていた また CETA8.41 条 1 項は 本節に従い発行された判断は紛争当事者の間で 及び当該特定の紛争に関して拘束力を有するものとする (An award issued pursuant to this Section shall be binding between the disputing parties and in respect of that particular case.) と規定し 同条 2 項は 第 3 項に従い 紛争当事者は遅滞なく判断を承認し遵守しなければならない (Subject to paragraph 3, a disputing party shall recognize and comply with an award without delay.) と規定する もっとも これらの規定は関連する投資協定の当事国のみに適用され 第三国に義務を課すものではないことは明らかである そこで ウィーン条約法条約 41 条 1 項に基づき ICSID 条約の inter se modification が認められたとして その結果出された判断が ICSID 条約 53 条及び 54 条でいう ICSID 仲裁判断と見なされるのかが問題となる ウィーン条約法条約 41 条に基づく inter se modification は 他の当事国には影響を及ぼさない このことは ウィーン条約法条約 41 条のタイトル 多数国間の条約を一部の当事国の間においてのみ修正する合意 (Agreements to modify multilateral treaties between certain of the parties only) からも確認できるし ILC のコンメンタールの記述 本条は多国間条約の当事国の一部の当事国のみで締結された合意で 当該当事国間でのみ修正することを意図する合意に関する規定である ([t]his article [ ] deals [ ] with an agreement entered into by some only of the parties to a multilateral treaty and intended to modify it between themselves alone.) からも明らかである したがって CETA による inter se modification に関与していない ICSID 条約当事国は 当該修正による影響を受けず 常設投資裁判所の判断を ICSID 条約に基づき執行する義務を負わない 常設投資裁判所の判断を第三国で執行するためには EU 及びカナダは当該第三国との間で特別の承認及び執行に関する取り決めを結ぶ必要がある 2. NY 条約に基づく執行の可否上記のとおり 常設投資裁判所の判断を ICSID 条約に基づき EU カナダ以外の第三国で執行することはできない そこで NY 条約に基づく承認 執行の手続きに従って EU カナダ以外の第三国で執行することができないかが問題となる i) CETA 常設投資裁判所は NY 条約 1 条 1 項の arbitral award に当たるか NY 条約 1 条 1 項は 仲裁判断 (arbitral award) を 仲裁判断の承認及び執行が求められる国以外の国の領域内においてされ かつ 自然人であると法人であるとを問わず 当事者の間の紛争から生じた判断 (arbitral awards made in the territory of a State other 14

18 than the State where the recognition and enforcement of such awards are sought, and arising out of differences between persons, whether physical or legal) と定義する 重要な点は 承認及び執行の申立を受けた NY 条約当事国の国内裁判所が 常設投資裁判所の判断を arbitral body による判断とみなすか である NY 条約の目的は仲裁判断の執行であって外国裁判所の執行ではない この点 常設投資裁判所制度は arbitration であり 常設投資裁判所の Tribunal が下す判断は arbitral award であると考えるのが適切であると思われる もっとも 承認及び執行を求められた国内裁判所が 常設投資裁判所の Tribunal が下した判断を arbitral award とは見なさない可能性もあることに留意しなければならない ii) NY 条約 2 条の arbitration agreement in writing があるか NY 条約 2 条 1 項は NY 条約に基づく承認及び執行にあたって 紛争を仲裁に付託することにつき 書面による合意 (an agreement in writing) を要求する そもそも投資仲裁は 被申立国と投資家の間の直接の仲裁合意を根拠とするものではなく 二国間協定その他の投資協定に含まれる紛争解決条項を根拠とする そして一般に 投資家が仲裁申立をすることによって 被申立国による二国間協定に定められた仲裁条項の申込みを投資家が承諾したものと考えられており (arbitration without privity) 国内裁判所では一般に 仲裁条項を含む二国間協定自体が NY 条約でいう 書面による合意 を構成すると考えられている さらに CETA は 常設投資裁判所への仲裁申立書の提出が NY 条約上の 書面による合意 を構成する旨明記している (CETA 8.25 第 2 項 (b)) 以上を前提とすると 国内裁判所が 書面による合意 の要件を満たさないと判断する可能性は低いと考えられる iii) NY 条約 1 条 3 項の commercial disputes only の留保を行っている国での執行の可否 投資仲裁で争われるのは 国の立法権 規制権限に関することが多いため そのような紛争が NY 条約に定める commercial dispute に当たるのかという点はしばしば議論されてきた NAFTA など多くの投資協定は 当該投資協定に基づき提起された申立を NY 条約でいう commercial dispute に該当する旨明示的に定めている また UNCIITRAL モデル法の 商事仲裁 の定義には 投資 に関する言及も明示的になされている さらに 投資仲裁判断の執行の申立がなされた国内裁判所は 実際に commercial dispute の留保をしている国でも投資仲裁判断の執行をしている 3. EU 法との整合性 CETA が定める常設投資裁判所の EU 法との整合性については多く疑問が呈されてきた 特に 15

19 欧州人権条約 (ECHR) の EU による加盟に関する欧州司法裁判所 (CJEU) の意見書 19 が出された後は CJEU が国際投資仲裁廷を紛争解決の 競合する (competing) 司法機関として受け入れられるかについては疑問が出された 現在 EU シンガポール FTA 20 についての意見の申立がなされているところであり CJEU の回答が待たれる これまでのところ CJEU の ISDS に対する正式な見解は発表されていないため 以下は CJEU の可能性ある基準について検討するものである i) 欧州司法裁判所 (CJEU) が CETA の常設投資裁判所は EU 法と整合しないと判断する可能性はあるか CJEU 及びその前身である ECJ は 欧州共同体 欧州連合の法秩序の 自治 (autonomy) は EU の国際紛争解決に関する権限に制約を加えるものであることを強調してきた すなわち CJEU は EU 法は究極的には EU の組織 (CJEU が望ましい ) によってのみ解釈及び決定されるべきであるとの立場を取ってきた 例えば CJEU は欧州特許裁判所 (European Patent Court) の設置に関する意見書で 欧州特許裁判所に関する合意書の規定を解釈及び適用するだけでなく 欧州特許法その他の EU 法に関する規制権限を有する欧州特許裁判所の設置は 欧州連合の自治を脅かすものであり EU 法の正しい適用及び解釈の統一を確保する CJEU の権限を奪うもので EU 法と両立しない と述べている 21 また CJEU は 欧州人権条約への加盟に関する意見書の中で 欧州人権裁判所 (European Court of Human Rights) の管轄権の承認は 究極的には EU 法の特徴及び自治に悪影響を及ぼすものであり EU 法と両立しない と述べ その理由の一つに 欧州人権裁判所は CJEU の EU 法を統一的に解釈し適用する権限を阻害することを挙げている 22 以上を踏まえると CJEU が CETA の常設投資裁判所制度は EU 法と両立しないとの見解をとる可能性はある なお この CJEU の立場を前提として CETA は 1 被申立人が EU か EU 構成国かにつき EU に判断権限がある 2 常設投資裁判所は CETA を適用法令とする (EU 法の排除 ) 3 常設投資裁判所は被申立国の措置が EU 法を含む国内法に適合するか否かの判断権限を有しない 4 常設投資裁判所による EU 法の解釈は EU の裁判所及び当局を拘束しない と規定している もっとも このような CETA の規定を前提として CJEU が EU 法との両立性につきどのように判断するかは不明である 特に CJEU に管轄のない CSFP( 共通通商政策 ) との整合性につき CETA 常設投資裁判所が 19 CJEU, Opinion 2/13, European Convention on Human Rights, Opinion pursuant to Article 218(11) TFEU, 18 December ECJ, Opinion 1/09, European and Community Patent Court, [2011] ECR, I-1137, para. 77, CJEU, Opinion 2/13, European Convention on Human Rights, Opinion pursuant to Article 218(11) TFEU, 18 December 2014, para

20 判断することになると ( 例えば EUの経済制裁に伴う措置など ) 欧州人権条約への加盟に関する CJEU の見解と同様 CJEU が CETA 常設投資裁判所は EU 法と整合しないとの見解をとる可能性は十分ある ii) EU 又は EU 構成国の措置が EU 法に適合するか否かの判断を CETA 常設投資裁判所の管轄外とする CETA8.31 条の効果 現行の投資協定仲裁では 仲裁廷が国内法を幅広く解釈適用しているが CJEU に EU 法の解釈適用の専権があることを踏まえ EU 法との整合性を保つために常設投資裁判所の管轄外としたものである 実際の常設投資裁判所の審理は従前の仲裁廷の判断とさほど異ならないと思われる 常設投資裁判所での争点に関して EU 法の prevailing interpretation がない場合には 常設投資裁判所は淡々と EU 法を解釈することになるが 常設投資裁判所による EU 法の解釈は 当事国の裁判所や当局を拘束しないことを明記することで EU 法の解釈の最終権限が CJEU にあることを確保している 常設投資裁判所の 管轄権 を制限することで常設投資裁判所の判断の取消や執行拒絶の可能性を高めたということはないものと思われる iii) EU 法との整合性を問う手段 a) CJEU に事前に opinion を求める方法 (TFEU218 条 11 項 ) CETA の EU 法適合性を CJEU に判断してもらう手続き EU 構成国 欧州議会 欧州理事会 欧州委員会が申請することができるが 現時点で CETA について CJEU の opinion を求める手続きは申請されていないという理解である 仮に CJEU が CETA は EU 法と両立しないと判断した場合 欧州委員会は CETA を再交渉することになる 23 b) 取消手続き (TFEU263 条 ) CETA が発効した後でも 欧州議会 欧州委員会 EU 構成国は EU の行為の取消を申し立てることができる 24 c) CJEU による preliminary ruling (TFEU 267 条 ) EU が締結した条約の EU 法との整合性につき CJEU の判断を求めることができる EEA において CJEU の opinion を受けて EU は再交渉を行った 24 EU 委員会と米国司法省との独禁法の執行に関する取り決めにつき CJEU は EU 委員会にはそのような取り決めを締結する権限がないとして EU 委員会の行為を取り消した 25 EU と米国との条約に基づき情報交換 (data exchange) ができると判断した EU 委員会の決定に対し EU の一市民が CJEU で争ったケースがある 17

21 d) 欧州委員会が個別の常設投資裁判所の手続きに amicus curiae を提出する 一連の EU による投資協定仲裁に関連した amicus curiae の提出は いずれも intra EU の紛争に関わる CETA は EU 自らが条約の当事者となることから 一連の intra EU 紛争におけるような仲裁廷の管轄問題 (intra EU 紛争は EU が判断すべし ) が生じないため 同様の事態は想定されない e) 欧州委員会が EU 構成国に対し常設投資裁判所の判断の履行を禁じ 投資家に対して既履行分の返還を求める 基本的には EU 法の上位に CETA が位置づけられることから EU 委員会が CETA に基づく常設投資裁判所の判断が EU 国内法に違反するとして EU 構成国による履行を阻止する行為にでることは考えにくい EU は intra EU の紛争は EU に管轄権があるとの立場をとっているため Micula 事件では EU は管轄権のない投資協定仲裁の仲裁廷の仲裁判断の履行を阻止する行為に出た 26 EU 委員会は ルーマニアに対し仲裁判断の履行の阻止を命令 投資家にも連帯責任を負わせているが 投資家自身は欧州委員会の命令の直接の名宛人にはなっていない 27 EU 域外の投資家に対しても同様の構成の欧州委員会の命令が出ないとも限らない なお CETA では EU 及び EU 構成国による state aid の終了や投資家に対し受領済み state aid の返済を求める行為が投資章に違反しないことが明記されており (CETA8.9(4)) Micula 事件の再来は考えにくい 第 4 濱本正太郎教授の見解 1. ICSID 条約に基づく執行の可否 i) CETA 常設投資裁判所制度は ICSID 条約及び規則を一部修正した内容となっているが EU とカナダは ICSID 条約及び規則を修正できるか EU は ICSID 条約の当事国ではなく 国 (state) ではないため ICSID 条約 67 条の改正無しには ICSID 条約の当事国になることができない したがって EU が被申立人となる仲裁手続きに ICSID 条約は適用できない もっとも カナダと EU との間では 両者の合意を根拠として ICSID 条約 ICSID 仲裁規則に基づく仲裁を行うことが考えられなくはなく ICSID 事務局もカナダ EU 間の合意に基づいて事務局としての機能を果たすことを受け入れるかもしれない しかし そのような形態の仲裁は 法的には ICSID 条約に基づいた仲裁ではないのではないか 他方 EU 構成国でかつ ICSID 条約の当事国 ( 例えばフランス ) に対しカナダの投資家が 26 COMMISSION DECISION (EU) 2015/1470 of 30 March Id. 18

22 CETA 上の請求を行った場合に カナダとフランスとの間では CETA により ICSID 条約が修正されたかという問題が生ずる 28 CETA による ICSID 条約の修正がウィーン条約法条約 41 条に則っている場合に 29 常設投資裁判所の判断は ICSID 条約に基づく仲裁判断と扱われる ウィーン条約法条約 41 条 1 項 (b) は 当該二以上の当事国が行おうとする修正が条約により禁止されておらず と規定する この禁止は明示的禁止に限られる 一部当事者間で上訴制度を導入することが他の ICSID 条約当事国に何らかの影響を与えるものではないため ICSID 条約 53 条の上訴の禁止は ウィーン条約法条約 41 条 1 項 (b) の 禁止 には当たらない ウィーン条約法条約 41 条 1 項 (b) の (i) 条約に基づく他の当事国による権利の享有又は義務の履行を妨げるものでないこと (ii) 逸脱を認めれば条約全体の趣旨及び目的の効果的な実現と両立しないこととなる条約の規定に関するものでないこと との要件については いずれも要件は満たされると考えるが 異論はあり得る ii) CETA 常設投資裁判所の判断を ICSID 条約 54 条に基づき第三国で執行することが認められるか CETA 当事国間で ICSID 条約が修正された場合であっても 第三国は引き続き ICSID 条約 54 条に基づく執行義務を負うのではないか もっとも 第三国は1CETA はウィーン条約法条約 41 条に基づく修正要件を満たしていない 2そもそも ICSID 条約上の仲裁ではない 3CETA による ICSID 条約の修正は inter se の効果しかないため 第三国には影響を及ぼさない と反論する余地はある iii) CETA 常設投資裁判所の手続きは ICSID 条約の arbitration (36 条等 ) に当たるか a) Tribunal の構成投資家は任意に CETA 常設投資裁判所を選択して請求を申し立てていることから常設投資裁判所構成員の選定及び国籍要件につき ICSID 条約上の合意があると言える b) 適用法令投資家は任意に CETA 常設投資裁判所を選択して請求を申し立てていることから適用法令につき ICSID 条約上の合意がある 28 CETA が単独条約の場合でも 混合条約の場合でも同じ問題が生ずる 29 ICSID 条約の発効後にウィーン条約法条約は発効しているがウィーン条約法条約は国際慣習法を条約化したものであるため 実質的にウィーン条約法条約の要件を満たしている場合には国際法に則った条約の修正となる 19

23 c) 上訴制度 ICSID 条約の取消制度は 仲裁判断の取消手続きから国内裁判所を排除することを目的としている 国内裁判所の関与が排除されている限り 上訴制度が導入されても ICSID 条約上は問題ないと考えられる ICSID 条約上の annulment の申立理由より広い範囲の上訴理由が認められているのであれば annulment 制度に代えて上訴制度を導入しても ICSID 条約上問題はないと考えられる 2. NY 条約に基づく執行の可否 i) CETA 常設投資裁判所は NY 条約 1 条 1 項の arbitral award に当たるか Iran US Claims Tribunal の判断が NY 条約上の permanent arbitral bodies による仲裁判断と解釈されていたことから CETA 常設投資裁判所も NY 条約上の permanent arbitral bodies と解釈される余地があるのではないか ただし 国内裁判所次第であり 判断が割れる可能性はある ii) NY 条約 2 条の arbitration agreement in writing があるか CETA に限らず投資協定仲裁一般の問題である 従前 NY 条約 2 条の仲裁合意の要件を満たすと解釈されてきた iii) NY 条約 1 条 3 項の commercial disputes only の留保を行っている国での執行の可否 CETA に限らず投資協定仲裁一般の問題である commercial disputes only の留保をしている NY 条約当事国でも投資協定仲裁を執行してきた もっとも 契約違反を伴わない条約違反の場合 commercial disputes ではないと判断する国内裁判所はあり得る 3. EU 法との整合性 i) 欧州司法裁判所 (CJEU) が CETA 常設投資裁判所は EU 法と整合しないと判断する可能性はあるか CJEU が CETA は EU 法と整合しないとの見解をとる可能性ある 1ヨーロッパ人権条約への加盟に関連した CJEU の見解に立てば CJEU は 常設投資裁判所における EU 法の争点につき CJEU が既に判断を下した争点か否かを CJEU が常設投資裁判所に先立ち判断しなければならないが ( 参照 CJEU Opinion 2/13, paras ) CETA では何が prevailing interpretation かにつき常設投資裁判所がまず判断することから CJEU が CETA は TFEU/TEU に適合しないと解釈するおそれがある 2CJEU の裁判管轄権は原 20

24 則として CFSP 分野に及ばない (TEU 24 条 1 項 2 段 ) が 常設投資裁判所が CFSP 分野に該当する EU の措置につき判断する権限を持つとすると CJEU は CETA が TFEU/TEU に適合しないと解釈するおそれがある ( 参照 CJEU Opinion 2/13 30, paras ) ii) EU 又は EU 構成国の措置が EU 法に適合するか否かの判断を常設投資裁判所の管轄外とする CETA8.31 条の効果 EU 法の解釈権限を CJEU が独占しているという CJEU の判例法によれば 常設投資裁判所が EU 法の解釈に際して CJEU の解釈と異なる解釈を採用すると CJEU の権限が侵害されるため そのようなことを常設投資裁判所に認める条約は TEU/TFEU と両立しないと CJEU が判断する事態を回避する目的で CETA では国内法適合性判断を常設投資裁判所の管轄外と定めたものである Prevailing interpretation がない場合は 常設投資裁判所は既存の CJEU の判例法から合理的に推論して解釈をすることとなる iii) EU 法との整合性を問う手段 a) CJEU に事前に opinion を求める方法 (TFEU218 条 11 項 ) EU 委員会 他の EU の機関 もしくはいずれかの EU 構成国は TFEU218 条 11 項に基づき EU 法との適合性につき CJEU の判断を求めることができる 現在 EU 委員会は CJEU の見解を求めることなく CETA の署名手続きを進めている これは EU 委員会が CETA を混合条約として処理することを決めたため EU 委員会としては CETA と EU 法との整合性に関する問題点が moot になったと解釈しているためではないか もっとも CJEU のヨーロッパ人権条約への加盟に対する見解に基づけば 上述のとおり CETA が TEU TFEU と整合しないと CJEU が判断する可能性はある にもかかわらず EU 委員会が敢えて CJEU の opinion を求めていないのは 政治的判断ではないか 現在 EU Singapore の FTA の TEU TFEU 適合性に関する問題が CJEU に付託されているが 上記 CJEU の見解に則れば EU Singapore FTA も TEU TFEU に適合しないことになる ただし 現在 CJEU に付託されている事項は EU が単独で FTA を締結する権限があるか否かであって 31 CJEU もその範囲に限定して意見する可能性が高い なお 仮に CJEU に意見を求めた場合には意見取得までに 2 年はかかる 30 Opinion pursuant to Article 218(11) TFEU Draft international agreement Accession of the European Union to the European Convention for the Protection of Human Rights and Fundamental Freedoms Compatibility of the draft agreement with the EU and FEU Treaties 年 12 月 12 日の avocat général 意見では ポートフォリオ投資については EU の権限は排他的ではない また 紛争処理手続きは権限配分に影響するものではない との見解が示されている CJEU の意見は 2017 年中には示されるものと思われる 21

25 b) 取消手続き (TFEU263 条 ) FTA は共通通商政策 (TFEU206 条以下 ) の一貫として締結されるが 共通通商政策は理事会特定多数決で決定される (TEU16 条 3 項 ) ため 反対する構成国があっても理事会は決定できる (TFEU238 条 3 項 ) そのため反対する構成国が取消 無効確認訴訟を起こす可能性はある c) CJEU による preliminary ruling (TFEU 267 条 ) 投資家が UNCITRAL 仲裁規則に基づく手続きを選択し かつ EU 構成国が仲裁地となった場合には CJEU の見解によれば常設投資裁判所も court or tribunal of a Member State に含まれ CJEU の preliminary ruling がなされる可能がある d) 欧州委員会が個別の常設投資裁判所の手続きに amicus curiae を提出する EU の一連の amicus curiae は intra EU の紛争に関連したものに限られる模様 常設投資裁判所で EU 法の解釈が争点となった場合 EU 法の Prevailing interpretation を示すため EU 委員会が常設投資裁判所に amicus curiae を提出することは考えにくい そのような権限は EU 委員会にはない e) 欧州委員会が EU 構成国に対し常設投資裁判所の判断の履行を禁じ 投資家に対して既履行分の返還を求める Micula 事件は intra EU dispute であるため EU 構成国間の条約は EU 法に劣後すると解釈され EU は EU 法域内での執行を阻止しようとしている CETA は EU 自身が当事者となるため事情が異なる TEU3 条 5 項は国際法遵守を規定するが EU 法秩序内において国際法がどのような階層的地位を占めるかについての規定はない 他方 CJEU は TEU/TFEU が最上位 国際法がその次 その下に EU 派生法 ( 規則 指令等 ) が来ると理解している模様 32 仮に常設投資裁判所の判断が TEU/TFEU に反すると解釈されれば EU 法秩序内では常設投資裁判所の判断を執行できない EU 域外の投資家も EU 法秩序内で活動している限り EU 委員会の命令の対象になる 第 5 結論 CETA 常設投資裁判所の制度は とりわけ欧州における ISDS 批判を受けて新たに導入された制度である CETA モデルは 国家と投資家との間の紛争解決手続きとして適切な制度か とりわ 32 安保理決議に基づく制裁措置の EU 法秩序における適用が問題になった Kadi 事件 (C-402/05) でそのような立場が示されている 日本も同様の立場を採っている 22

26 け Tribunal の構成に関し疑問視する声も根強く 上訴制度についても 個々の協定ごとの上訴制度は 非効率であるばかりか 国際投資法の統一的な判例法の形成という上訴制度の本来の目的を達成できないとの批判もあるものの ICSID 条約の枠組みの中で許容されたモデルであるというのが ICSID 事務局 (2004 年当時 ) August Reinisch 教授及び濱本正太郎教授の一致した見解であった 従って 今後は CETA モデルに限らず ICSID 条約の枠組みに収まる多様な国家と投資家との紛争解決手続きが生まれる可能性がある 他方 EU は EU 法の最終解釈権限は EU にあるという見解をとっていることから CETA 常設投資裁判所の判断が TEU/TFEU に反すると解釈した場合には EU 加盟国による CETA 常設投資裁判所の判断の履行の差止を命ずる等 様々な形で EU が CETA 常設投資裁判所の紛争解決手続きに介入する可能性があり 投資家保護の観点からは課題が残る状況である もっともこのような問題は概念的には EU に限られるわけではない 23

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