Microsoft Word - 2012年 刑法Ⅰ(総論)対フ

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1 不作為犯不作為犯とその処罰根拠 2012 年刑法 Ⅰ( 総論 ) 井上先生 作為によって構成要件を実現する場合を作為犯といい 期待された作為をしない という不作為によって構成要件を実現する場合を不作為犯という ただし 全ての不作為を罰することは 不当であり 不作為を処罰するためには 作為犯よりも特別な根拠が必要 真正不作為犯と不真正不作為犯 真正不作為犯: 不作為を明示的に構成要件要素として規定し それが犯罪となる条件を法文上明定しているもの 例保護責任者不保護罪 (218 条後段 ) 不退去罪 (130 条後段 ) 不真正不作為犯: 不作為が明示的に構成要件要素として規定されてはいない犯罪であって 通常は作為により実現される構成要件を不作為によって実現するもの 例殺人罪 (199 条 ) 放火罪不真正不作為犯の要件 :1 保障人的地位に基づく作為義務 2 作為可能性 3 構成要件的同価値性 1 作為義務 期待された ( 構成要件的結果を回避するための ) 作為を行う特別の法的義務 作為義務は 法律 契約 事務管理 条理に基づく先行行為のような義務である必要がある 2 作為可能性 ( 作為の容易性 ) 作為義務が肯定されても 物理的又は心理的に 不作為者にとって 作為の可能性が認められない場合には 不作為犯は成立しない 3 同価値性 ( 同視可能性 ) 不作為によってもたらされる結果が 作為による場合の構成要件と同価値であると言えば良い 真性不作為犯は12を要件とするが 不真正不作為犯は 123を要件とする ( 確認問題 ) 幼稚園児 X は 父親である A と母親である B と湖に遊びに来ていた ところが A B が目を離している間に X が湖に転落した 現場には A,B の他に通行人 C もいたが いずれも X が溺れているのに早くに気づいたのにもかかわらず助けに行かなかったため X は溺死した 仮に A C が気づいてから即座に救助していれば90% の確率で X を助けられたという なお 湖の深さが 1m 強であることを A C 全員は知っていたが B はカナヅチであったらしい ( 問 )A C に不作為の殺人罪が認められるか? ( 解答例 ) C の場合 C は単なる通行人であって保障人的地位にないので 作為義務が認められず 殺人罪は 成立しない B の場合 B は X の保護者として 保障人的地位にあり それに基づく作為義務も存在する しかし B がカナヅチであることを考慮すると 作為の容易性は認められず 殺人罪は成立しない A の場合 A には B と同様に保障人的地位に基づく作為義務があり 湖の深さが1m であるので 作為の容易性も認められる また 溺れている人を放置して溺死させるのは 人を殺す という点 1

2 で作為による殺人と構成要件的に同価値である さらに 即座に救助すれば 90% の確率で助けられるので 不作為と死亡という結果の間に因果関係が認められる よって A には 不作為の殺人罪が成立する 不作為と因果関係 期待された作為を行っていたら結果が回避できたかどうか( 結果回避可能性 ) によって判断 期待された作為を行っても 結果を回避できなかったであろうという場合は 因果関係が否定される 判例では 十中八九救命が可能であったときに因果関係が肯定されている 因果関係条件説 ( 行為なければ 結果なしの公式 ) 重畳的因果関係 単独では結果を発生しえない行為が二つ以上重畳して結果を発生させた場合 一方の行為がなければ結果発生しないのだから 各行為につき 条件関係を肯定 仮定的因果関係 当該行為がなくても 後に結果が発生したであろうという場合 例えば 自動車通行量の多い路上で寝ていた B を A が車でひき殺してしまったが もし A がひかなくとも後続車が速やかに B をひいたであろうという事例 現実に存在しない後続車が B を引くという事実を条件関係に付け加えることはできないので 条件関係を肯定 択一的因果関係 例えば A と B がそれぞれ独立して X を殺そうとして致死量の毒薬を盛って X を殺した場合 二つの行為を一括して除去し 行為なければ結果なし として 条件関係を肯定 相当因果関係説 ( 因果関係内に異常な事態が介在する場合 ) 各説の判断基底の違いに注意!! 主観説 行為者が 認識 予見した事情及び認識 予見しえた事情 客観説 行為当時存在したすべての事情及び行為後に生じた客観的に予見可能な事情 折衷説 行為当時に一般人に認識 予見可能な事情及び行為者が特に認識 予見していた事情客観的帰属論 = 危険の創出 ( 行為 ) 危険の実現 ( 結果 ) にどの程度寄与したか ( 確認問題 )X は 深夜 A に対して激しい暴行を加えて怪我を負わせた X の暴行は A を死亡させる程度ではなかったが 次のア ) あるいはイ ) が原因で A を死亡させるに至った ア )A は血液が凝固しにくい体質 ( 血友病 ) を持っており 出血多量で死亡した イ )A は暴行に耐えかねて逃げ出し 1km ほど離れた高速道路に進入して車にひかれ 死亡した 2

3 正当防衛と緊急避難正当防衛 (36 条 1 項 ) 成立要件 :1 急迫性 2 不正 ( 違法性 )3 防衛の意思 4 必要性 相当性 1 3までが 正当防衛の前提状況であり 一つでも欠けると正当防衛は成立しない 1 3を具備しているという前提の下 4により 過剰防衛 (36 条 2 項 ) かどうかが判断される 論点 積極的加害意思のある場合 1が欠けて 正当防衛不成立 積極的加害意思とは 確実に侵害が予期されたとしても侵害の急迫性は 直ちに失われないとしながらも その機会を利用して積極的に相手に加害行為をする意思で侵害に臨んだときは 侵害の急迫性の要件は満たされないとする ( 判例 ) 対物防衛の可否 2の問題 ( 物が違法な行為をし得るか ) 肯定説と否定説否定説 ( 行為無価値論 ) 違法な行為をし得るのは 人だけであり 物には 違法性を肯定することが出来ないとする説 よって 原則として対物防衛は 緊急避難を用いることとなる ただし 飼い主 物を管理 保管する者等の故意 過失があれば 正当防衛が肯定される 肯定説 ( 結果無価値論 ) 被害者からすれば 侵害 ( という危険 ) の結果を発生させるのが 人であろうが 物であろうが変わりはないので 正当防衛が成立するとする説 侵害者が第三者の物を用いた場合と防衛者が第三者の物を用いた場合 Ex Y は X を襲うために 隣人 A 所有の犬 B( 血統書付 30 万 ) を X にけしかけた なお A は B をしっかりと家につないでおき B の管理につき過失はなかった X は 自分の身を守るためにやむなく 側にあった C から預かっていた C 所有の壷 ( 鑑定書付 1000 万 ) を B に向かって投げた その結果 B は全治 3 日の打撲傷を負い C の壷は割れてしまった X の A と C に対する器物損壊罪の違法性阻却について検討せよ A 否定説の立場からは A の B に対する管理 監督に何ら過失がなかったため不正の侵害とはいえず正当防衛は成立しない なので 緊急避難の要件 ( 後述 ) にあてはまるかを検討すれば良い 肯定説の立場からは 侵害結果が発生している以上正当防衛の問題となる 次に C に対しての違法性阻却については 否定説 肯定説のどちらに立っても C の X に対する侵害が無いため正対正となり 緊急避難が成立するかどうかが問題となる 偶然防衛の処理 3の問題 ( 防衛の意思は必要かどうか ) 必要説と不要説必要説 ( 行為無価値論 ) 防衛の意思を欠く行為は 社会的相当行為でない 不要説 ( 結果無価値論 ) 防衛の意思が無かろうと客観的に見て 結果発生の危険性は変わらない 誤想防衛 正当防衛にあたるとした事実が存在しないのに 存在すると誤信した場合 誤想過剰防衛過剰について認識があるか否かで処理を分ける見解が多数 認識有り ( 故意の過剰防衛 ) 行為者に過剰性の認識があるときには 行為者の認識した事実は違法な過剰防衛となる事実であるから故意犯成立 狭義の誤想過剰防衛 3

4 認識無し ( 過失の過剰防衛 ) 行為者に過剰性についての認識 予見がなければ 行為者には正当防衛を構成する事実の認識しかないから故意はなく 過剰性についての予見 認識を欠いたことに過失があるとき 過失犯が成立するにすぎない 誤想防衛とも呼ばれる ( 確認問題 )X が夜道を歩いていると 前から木の棒を持った男が近づいて来た 強盗だと思った X は 近くに落ちていた棒を拾い 男を殴打した 次の場合 どのように処理するか? 1 X が拾った棒はゴルフクラブであったが 木の棒だと思って攻撃した 男は強盗だった 認識無き過剰防衛 誤想防衛として処理される ( 錯誤論の部分で解説 ) 2 X が拾った棒は木の棒であったが 男は散歩中のおじさんだった 誤想防衛として処理される ( 同上 ) 3 X が拾った棒はゴルフクラブであり それを知って攻撃した 男は散歩中のおじさんだった 認識有る過剰防衛 違法な過剰行為となる事実を認識しているから故意犯成立 緊急避難 (37 条本文 ) 成立要件 :1 現在の ( 急迫性 )2 危難 3 避難の意思 4 補充性 5 害の均衡 正当防衛と同じく 1 3の要件を具備していることが緊急避難の前提条件となり 45を満たさない場合は その程度を超えた行為 となって過剰避難 (37 条但書 ) の問題となる 1 現在性 正当防衛における急迫性とほぼ同義 ただし法益侵害の切迫度はより緩やかに解する 2 危難 違法な行為である必要はない 正対正の関係でも成り立つことに意義有り 3 避難の意思 正当防衛の要否の議論と同様 4 補充性 条文中の やむを得ずにした行為 に相当 ( 正当防衛の やむを得ず との違いに注意 ) 意味は 危難回避のため より侵害性の低い行為が他に存在しないかというものである 緊急避難では危難回避のより良い方法が他に存在しない場合に限り補充的に認められるとされる 5 害の均衡 保全法益 ( 回避しなかったら生じたであろう害 ) が侵害法益 ( 回避した結果によって生じた害 ) と同程度 又はそれよりも優越している場合に害の均衡が認められる 防衛行為の結果が第三者まで及んだ場合 Ex X はかねてから対立していた甲からの襲撃に備えてピストルを常に携帯していた ある日 X と遭遇した甲は予想通りピストルを構えたまま襲いかかってきた X はやむなく甲に向けて所持していたピストルを発砲した 弾は 甲に当った後 通行人の乙にも当たり ともに怪我を負った X の甲 乙に対する罪責をそれぞれ述べよ A X の甲に対する罪責は ピストルで甲を撃って怪我をさせたことが傷害罪にあたる 次に当該傷害結果に 正当防衛が成立するか検討する まず 急迫性に関しては 襲撃行為を予測し それに対して準備していたとしても直ちに急迫性が失われるとは言えず それを積極的に利用する意思が必要となる 本件の場合は 積極的に利用する意思があったとは言えないので急迫性は失われない 続いて ピストルを持って襲撃してくる甲に対して防衛の意思で発砲しているので 不正の侵害に対し 4

5 て 防衛行為をしていると言える 最後に 必要性 相当性だが 本件は 相手がピストルを構えて襲いかかってきたのに対して 同じピストルで対抗したことは 必要最小限度であったと言える よって正当防衛が成立する 次に乙に対しての罪責について述べる ( 以下 二つの立場をあげます 本来は どちらか一方の立場をとって解答してください ) 緊急避難説 :X と通行人乙との関係は 正対正の関係に立つため正当防衛は使えないとすると 傷害罪の構成要件に当るとして ( ここに 具体的事実の錯誤の問題があるがひとまず置いておく ) 緊急避難の要件を考慮して判断 誤想防衛説 : 乙に対して正当防衛となる事実を誤信したとみなし 誤想防衛として扱う 傷害罪の構成要件にあたるとして ( 同上 ) 正当防衛の要件を考慮して判断 誤想避難 誤想過剰避難 誤想防衛と誤想過剰防衛と同様に判断 錯誤論 ( どの範囲で故意を阻却するか?) 具体的符合説 故意における認識の対象は 特定のもの 人というように具体化されることを必要とする 被害者の相違は 重要な錯誤となる (= 方法の錯誤は 故意阻却 ) 法定的符合説 認識 予見した事実と実際に発生した事実とが構成要件の範囲内において重なり合っている場合 (= 構成要件内の範囲内で符号している場合 ) に 実際に発生した構成要件該当事実について故意を肯定する見解 抽象的符合説 何らかの構成要件該当事実を認識 予見していれば 実際に発生した構成要件該当事実についての故意を肯定しうるとする説 事実の錯誤 ( 客体の錯誤 方法の錯誤 ) 具体的事実の錯誤 同一の構成要件内における事実の錯誤 抽象的事実の錯誤 異なった構成要件にまたがる事実の錯誤 客体の錯誤 A を撃とうと思ってその人に当たったが 実は A ではなく B であった場合 方法の錯誤 ( 打撃の錯誤 ) A を撃とうと思って弾がそれて 隣にいた B に当った場合 具体的符合説 法定的符合説 抽象的符合説 客体 ( 具 ) 故意を肯定 故意を肯定 故意を肯定 方法 ( 具 ) 故意を阻却 故意を肯定 故意を肯定 客体 ( 抽 ) 故意を阻却 故意を阻却 軽い方の罪の故意を肯定 方法 ( 抽 ) 故意を阻却 故意を阻却 軽い方の罪の故意を肯定 構成要件が異なっても保護法益が同じであれば 同一のものとみなし故意を肯定し得る 5

6 法律の錯誤 (38 条 3 項 ) 自己の行為が法律上許されないことを知らないこと又は許されていると誤信すること 原則故意は肯定ただし 違法性の意識がない場合は故意を阻却し得る ( 故意説 ) 故意説 38 条 3 項は 個々の法律の規定 ( 条文 ) をしらなくても故意を阻却しないという規定 責任説 38 条 3 項は 法律の錯誤が故意を阻却しないという規定 ( 責任を阻却することあり ) 厳格故意説 違法性の意識を故意の要件 (= 違法性の意識がなければ故意阻却 ) 制限故意説 違法性の意識の可能性を故意の要件 (= の可能性がなければ故意阻却) 制限責任説 違法性阻却事由該当事実の誤信の場合に故意阻却を肯定 厳格責任説 違法性の意識の問題を責任の部分で判断 (= 基本的に故意を肯定 ) 違法性阻却事由の前提事実に関する錯誤( 主に誤想防衛 ) はいずれに分類されるか? 厳格責任説 法律の錯誤それ以外 事実の錯誤 ( 確認問題 )X は 自分が経営する飲食店の宣伝のため 1 万円札を模したサービス券を発行した これを警察官に見せたときも特に何も言われなかったため このようなサービス券の発行は許されると考えた ( 実際には違法 ) X の故意は阻却されるか 厳故 : サービス券を発行しても良いと誤信したことについて 違法性の意識がないため故意阻却 制故 : 警察官 ( 公務員 ) に見せても 何も言われずに それを信じてサービス券を発行したことは 違法性の意識の可能性を欠くのに相当な理由があるので 故意阻却 制責 : 警察官に見せたときに何もいわれなかったことは X が違法性の意識を欠くことに相当な理由があるとして責任阻却 ( 減少もあり ) 厳責 : 違法性の意識を欠いたとしても故意は阻却されず 責任が減少する余地があるにすぎない ( 確認問題 )X は A 女と B 男が ふざけてもみ合っているのに遭遇した A が一方的に B に襲われているものと誤信した X は A と B のもとに近づいて行った すると B がボクシングのファイティングポーズに似た構えをとったため とっさに B を攻撃した ( ケース1)X は空手 3 段の腕前であったため B に回し蹴りを浴びせた B は頭蓋骨骨折により死亡した X としては 自らの回し蹴りが致命傷になりうることは十分に分かっていた ( ケース2)X は武道の心得がなかったものの 足下に棒状のものが落ちているのに気づき それが何であるか確認しないまま B を数回たたいた しかしそれはゴルフクラブであり B は頭蓋骨骨折により死亡した それぞれのケースにつき X の罪責を論じなさい ( 解答例 ) ( ケース1)X は B が A を襲っているという急迫不正の侵害を誤信し 正当防衛だと思って攻撃したのであるから 誤想防衛である B がファイティングポーズのようなものをとって X を威嚇したことは X が自分に危害を加えられると誤信するのに相当な理由があり 違法性の意識の可能性を欠く 6

7 ので 過失犯として考える しかし X は 自身の防衛行為が 過剰であり 致命傷になると認識しつつ それにもかかわらず B に回し蹴りを加えたことは 故意があったといえる よって 傷害致死罪となる ( ケース2) 最初は同じ 過剰部分について X は認識をしていなかったが ゴルフクラブを木の棒と間違えてたたいたことにつき過失が認められるので 過失致死罪となる 因果関係の錯誤 侵害が生じた客体に錯誤はないが 侵害に至る因果経過に錯誤がある場合 Ex A をナイフで刺殺しようとしたが かすり傷を負わせるにとどまったところ A が血友病患者であったため出血多量で死亡した事例 B を溺死させるつもりで橋から突き落としたところ B が落下中に 橋脚に激突して死亡した事例 故意を肯定 因果関係が存在すれば その具体的ありかたは問題ではない 未遂犯 (43 条本文 )( 予備行為 実行の着手 障害未遂 ( 通常の未遂 )/ 不能未遂 / 中止未遂 ) 不能未遂 ( 不能犯 ) 方法の不能 客体の不能 方法の不能 結果惹起の方法が不適切であったため 結果発生に至らなかった場合 Ex 殺人の意思で硫黄粉末を服用させた事例 殺意をもって被害者の静脈に空気を注射したが 量が不足して目的を遂げなかった事例 絶対不能 でなければ 不能犯は成立せず ( 未遂犯 ) 客体の不能 客体の不存在により結果発生に至らなかった場合 Ex 通行人から財物を奪取しようとしたが 財物を所持していなかった場合 銃撃を受け倒れている人にとどめを刺そうと 殺意をもって日本刀を突き刺したが 被害者はすでに死亡していた場合 基本的に不能犯は成立せず 具体的危険説 一般人が行為の時点で認識可能な事実及び 行為者により認識されていた事実に基づいて結果惹起の可能性 蓋然性を判断する見解 ( 多数説 ) 客観的危険説 事後的な視点を入れて 結果惹起の可能性 蓋然性をより客観的に判断する見解 ( 確認問題 )X は A を殺害する意思をもって 警察官から奪ったピストルの引き金をひいたところ 偶然 弾が入っていなかった X は不能犯といえるか ( 方法の不能 ) ( 解答 ) 具危 : 一般人にとって 警察官の持つピストルには 常時弾が装填されていると認識できるので 殺害の結果を発生する可能性を有するので 不能犯は成立せず 殺人未遂 客危 : 事後的に見て 空のピストルから弾が出るはずがないので 客観的に殺害の結果を惹起させる可能性がないので 不能犯となる 中止未遂 ( 中止犯 )(43 条但書 ) 要件 :1 自己の意思により 2 中止した 3 未遂に終わる 中止犯における減免根拠 1( 政策説 ) 未遂にまで至った犯罪者に 後戻りのための橋 を提供する端に政策的な物 ( 従来 ) 2( 法律説 )A( 違法減少説 ) 行為者による犯罪遂行の意思の放棄又は結果発生の防止による違法性 7

8 減少を根拠とする見解 ( 法律説 )B( 責任減少説 ) 中止行為に示された行為者の態度が責任を減少させるとする見解 自己の意思により ( 任意性 ) 主観説 限定主観説 客観説 主観説 行為者の主観において できるのに止めたのか できないから止めたのか を基準とする 限定主観説 広義の悔悟 によることを必要とする 客観説 行為者の認識した事情が経験上一般に犯行の障害となるものか否か を基準とする 中止した (= 作為が必要か 不作為で足りるか ) 着手未遂 ( 実行行為終了前 ) と実行未遂 ( 実行行為終了後 ) で分ける見解!! 着手未遂 当該行為をただ単に止めれば ( 不作為で ) 足りる 実行未遂 結果発生を妨げるための特別な作為が必要 結果防止は 単独で行う必要はないが そのときは 犯人が防止にあたったと同視する 真摯な努力 が必要とされる 中止行為と結果不発生との間の因果関係は必要か? 違法減少説 必要責任減少説 不要 ( 真摯な努力さえすれば責任は減少 ) ( 確認問題 )X は口論をしていた A の首を絞めだしたが A が瀕死の状態になったのを受けて X は このまま放っておいたら自分の罪が重くなる と考えたため その場で携帯電話を使い救急車を呼び 建物の入り口まで誘導した すると X のいない間に 建物を巡回していた警備員が A を介抱し 救命治療を施していたため A は一命をとりとめた X に中止犯は成立するか ( 解答例 )( 任意性 ) このまま放っておいたら罪が重くなる の部分について 主観説であれば 行為者が 行為を続けることが出来たのに止めたので 任意性有りとなる 限定主観説であれば 自分の罪が重くなると思うだけで 悔悟がないため 任意性無しとなる 客観説は 一般的に瀕死の重傷の者を見てとっさに自分の行為を止めることは 犯行の障害となり得るものなので 任意性無し ( 実行未遂 ) 違法性減少説からは 行為者が自ら結果発生の防止に努めなければならないので 警備員の行為によって救命されたことは X の行為と結果不発生の因果関係がないとして 中止犯が成立しない 責任減少説からは X は A を助けようと即座に救急車を呼ぶなど真摯な努力を見せているので X の行為と結果不発生に因果関係がなかろうと 中止犯が成立する 8

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