オーダーメイド医療実現化プロジェクト ( 第 2 期 ) 推進委員会 ( 第 6 回 ) 議事要旨 < 日時 > 2012 年 2 月 6 日 ( 月 )15:00~18:00 < 場所 > 東京大学医科学研究所 1 号館 2 階セミナー室 < 出席者 > ( 順不同 敬称略 ) 豊島 飯島 稲澤

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1 オーダーメイド医療実現化プロジェクト ( 第 2 期 ) 推進委員会 ( 第 6 回 ) 議事要旨 < 日時 > 2012 年 2 月 6 日 ( 月 )15:00~18:00 < 場所 > 東京大学医科学研究所 1 号館 2 階セミナー室 < 出席者 > ( 順不同 敬称略 ) 豊島 飯島 稲澤 久保 高杉 田島 森崎 森下 湯浅 岡村 鈴木 ( 文科省 ) 丸山 ( 神戸大 ELSI 委員会 ) < 議題 > 報告事項 (1) プロジェクト全体の進捗報告 (2) 疾患関連遺伝子研究の研究成果 及び平成 24 年度の研究の方向性 (3)ELSI 委員会の平成 23 年度事業報告 (4) 将来検討 WG の検討状況協議事項 (1) 平成 24 年度プロジェクト予算案の説明 (2) 平成 24 年度のプロジェクトの進め方その他 < 議事概要 > 委員辞任の報告 鎌谷委員より辞任の連絡があり 受領した旨報告があった (1) プロジェクト全体の進捗報告 久保プロジェクトリーダーより バイオバンクの現在の進捗状況と研究成果 生存調査の進捗状況と広報活動についての報告がなされた ( 資料 報告事項 1 ) (2) 疾患関連遺伝子研究の研究成果 及び平成 24 年度の研究の方向性 文部科学疾患関連遺伝子研究の進捗状況について 各研究テーマの担当者より説明及び報告がなされた 1 がん関連疾患領域 ( 代表者 稲澤先生 )( 報告者 稲澤先生 醍醐先生 三木先生 中川先生 ) 1

2 - 前立腺がんについて SNPと予後との関連は出ているか 中川先生 - ハイリスク前立腺がんとローリスク前立腺がんの分類はSNPではできない - 悪性化につながるSNPを特定できるといい - PSA についても いい判定モデルをつくって頂きたい 中川先生 - PSA と補い合うことが大事と考える 2 メタボリック シンドローム疾患領域 ( 代表者 門脇先生 )( 報告者 前田先生 ) 森崎先生 - 不整脈で2つのSNPによってカテーテルアブレーションの際の方針を少し変える事の妥当性に不安がある 前田先生 - 1つのモデルとして提案されていると理解している SNPの存在する遺伝子がそのような再発を起こす事に非常に強い関連がある可能性があると聞いている 森崎先生 - SNPが全てを決めているわけではないので ある SNPを持った人と持っていない人で 実際にどこが違うのかをみて ほかのマーカーにするような方針を考えられたらいいのではないか 田島先生 - 今後は機能解析を進めていく事となり 予防治療へと進む研究になると期待している 前田先生 - それぞれの遺伝子が各組織でどのような働きを持つかを個々に調べていくのだが 多くの関連遺伝子があり時間がかかる 臨床的にインシュリン分泌の指標 あるいはインシュリン抵抗性との指標との関連から 関連遺伝子が影響する所を予測でき 現時点では大体 7-8 割方はインシュリン分泌に関連するものが多いことは分かっている 森下委員 - ノイズはどのくらいあるのか 前田先生 - 初期のころは 新規の領域 50 個中 10 個はノイズであったが 現在は精度が上がっており 現在のGWASレベルでは問題にはなっていないと考える 森下委員 - 全ゲノムシークエンスとGWASとでは コストの面ではどうか 2

3 - まだ全ゲノムシークエンスは高額なうえ 解析に時間もかかるので難しいと考える - その他の解析は 家系解析以外は難しいため 今はGWASを中心に機能解析に結びつけて 段階を踏んでいくのが良いと考える 3 肝臓関連(B 型肝炎 ) 疾患領域 ( 代表者 溝上先生 ) 飯島委員 - どのタイプのウイルスに感染したかが分かれば 発がんリスクが予想できるのか 溝上先生 - 例えば中国の南部の人と日本人ではウイルスのタイプが異なるので違ってくるが ウイルス側の要因とホスト側の要因とを両方組み合わせないと詳しいことは分からず まずは候補領域を選んで大規模に進めているところである - DPA1 DPA2はコーディング領域にはいっているか 溝上先生 - サブクラスまで分けて検討はしているが DR に比べて DP の研究はまだ進んでいないため 手がかりを探すところから始めている 4 肝臓関連(C 型肝炎 ) 疾患領域 ( 代表者 加藤 ( 直 ) 先生 ) 森崎委員 - SNPからバイオマーカーを見つけて さらにそれに関連あるものを調べていくという研究方法は 研究の本当の有るべき姿で 素晴らしいと思う - ノイズが高いようなので苦労されているのでは MICAでほんとうは低いはずなのに 非常に高い人たちに対してのみ限った形で全ゲノムシークエンスなりを考えていくとかという方法もあるのではと思う - MICAは 炎症から肝がんへの過程の中では サイトカインなどの系統との関係や バイラスロードそのものにも反映されるのか 加藤 ( 直 ) 先生 - C 型肝炎の炎症自体 ウイルス量は関連していない しかし サイトカインとは関連していると考える インターフェロンやこれからインフラメーションに関連するSNPを GWASの中から見つかる可能性があるかもしれない - DPAは他のがんに関係はあるのか 加藤 ( 直 ) 先生 - 既に調べており 関連がある結果が出てきている 5-1 婦人科関連疾患領域 ( 代表者 田中先生 )( 報告者 井ノ上先生 ) 3

4 - 特に質疑は無かった 5-2 婦人科関連疾患領域 ( 代表者 明楽先生 ) - 特に質疑は無かった 6 骨 筋肉関連疾患領域 ( 代表者 山中先生 )( 発表者 森先生 ) - 特に質疑は無かった (3) ELSI 委員会からの平成 23 年度事業報告 ELSI 委員会の丸山委員長より MCアンケートの結果や 検討テーマについての具体的な検討の進捗 包括同意についての検討の報告を行い 次のとおり質問および意見が出され 議論を行った ( 資料 報告事項 3 ) - 包括同意をとることに向けて 社会にこの研究を理解して頂けるような活動が必要だと思うので そのような提言も一緒に入れて頂きたい 丸山先生 - 幅広の同意に情報提供を加えるというような方向でまとめたい - 医療や健康に無関係の分野まで話が広がることもあるので その辺の線引きや見解をある程度盛り込んだ方が良いと思う - 最近 様々な立場の人が色々な意味で 包括同意 という言葉を使用しているようなので 包括同意 の定義づけをして頂きたい - 死亡統計等の有効な統計データが取れるかどうかは どのような規定で研究を進めるかによって変わってくると思うので そのことについても考慮して頂きたい 稲澤委員 - 幅広の包括同意 とは どういう内容までを含んでいるのか 丸山先生 - 英語で ブロード にあたる言葉として 幅広の を使用した 個人的な意見だが 軍事研究などではない医学研究というような枠組みであれば良いと思っている 森崎委員 - 時代によって研究方法が新しくなっていくのに合わせて 情報公開をしていけば問題ないのではないか - 情報公開というよりは むしろ説明義務がある 包括同意的に広く使えるようにするには 試料の保存 匿名化などのことに関しても統一の合意事項がなければならない - 先日のがん学会でも 研究者と社会がいかに共存するかについて議論したが 研究 4

5 者と一般の国民の方々が研究を協働できるという意識があれば 包括同意は可能と考える 研究者と一般の方の情報共有意識がお互いに無いと信頼関係が成り立たず 包括同意は難しい - インフォームド コンセントをとる側 とられる側など色々な立場があるので 論点を分けて検討して頂きたい - 一般的な説明事項が社会に対して どの程度 公開説明がされているかによって その合意の深さが変わるので 一番重要だと考える 丸山先生 - ベースとなる情報提供がどこまでできるかというのが非常に重要と思う また より詳しく知りたい人に対して詳細な情報提供をする際 誰もが入手できる情報をどのように提供するかが難しい - ゲノム分野でも 情報提供は日本の数カ所で毎回行っているが 説明が十分であるとは言えず 社会的な合意が出来上がらない 今後 一般の患者さんに対する信頼関係の上に立った包括合意を頂く時に どのようにして広めていくかが 一番重要なこれから先の課題である (4) 将来検討 WG の検討状況 将来計画検討ワーキンググループの検討状況について 中間報告を行った ( 資料 報告事項 4-1 報告事項 4-2 ) - 共有や共同の中で 公共性と同時に公益性 医療を介してお互いにメリットが得られるということを盛り込むことはできないか ( 研究者は知的財産 患者は 治療に対する信頼 一般の人は 予防まで含めた 利益 ) - 個人的には 最終的にオールジャパン体制でやる場合には 国全体に還元するという 公共性を重要視したような知財の考え方をするべきではないかと思う 飯島委員 - 公共性も大事だが モンゴロイドの遺伝子という観点からは中国なども研究を行っているので 防衛もできて オールジャパンで公共性もある知財のありかたを考えねばならない - 本研究や東北メディカルメガバンクは文部科学省の委託事業であり ナショナルバンクは厚生労働省の事業であるので 最終的には国として決めていただくのが良いと考える 岡村戦略官 5

6 - 各省連携により より広い立場から このプロジェクトや他の日本全体のゲノムコホートやバイオバンクを見ていきたいと思う - 公共利用や国全体の健康に貢献できる事の中には 重要な目的として 薬の開発がある 世界では将来的に 薬の開発とともに診断薬を一緒に開発するという方向に動きつつあるので このような研究に使われることは公共に使われるのと同じ事であると理解して頂き 前向きにサンプルを使えるようになれば より大きなメリットを享受できると考える また 今後 別の研究で集められたサンプルを一緒に収容するような能力はバイオバンク ジャパンにあるのか 無いとしたら それらのサンプルを 今後どのように日本として扱っていくべきかも検討をお願いしたい (1) 平成 24 年度プロジェクト予算案の説明 文部科学省岡村戦略官より 平成 24 年度予算案について説明があった ( 資料 協議事項 1 ) 岡村戦略官 - このプロジェクトは前年同額の予算を確保した - 第 3 期に向けて本プロジェクトが本当に国益のためにどうあるべきか アドバイスをいただきたい 東北メディカルメガバンクが立ち上がる中 本プロジェクトがどのように連携していくのかを考えなければ 本プロジェクトは不要となってしまう (2) 平成 24 年度のプロジェクトの進め方 久保プロジェクトリーダーより 平成 24 年度のプロジェクトの進め方について説明があっ た ( 資料 協議事項 2 ) - 製薬メーカーとの共同研究については 既に発売されている薬についての研究だと思うが どういう研究なのか - 先方は 病気の進行速度の差に対する薬の使用方法や 適合性を調べることを予定しており すぐに新薬には結びつかないが 薬に対する新しいバイオマーカーを発見したいとしている - 今後 実際に臨床の現場で用いられるようなキットの試験をして それの評価をしなくてはならないようなガイドラインができていくと思うので そのモデルになるよう期待している 6

7 その他 第 5 回の議事要旨の確認をお願いした 以上 7

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