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せぴあしどり
5 years ago
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DOI JaLCDOI URL 慰安婦より根深い徴用工問題を蒸し返した韓国の裏事情木村, 幹 ironna,: 2017-10-16 Article

1 Kobe University Repository : Kernel タイトル Title 著者 Author(s) 掲載誌巻号ページ Citation 刊行日 Issue date 資源タイプ Resource Type 版区分 Resource Version 権利 Rights DOI JaLCDOI URL 慰安婦より根深い徴用工問題を蒸し返した韓国の裏事情木村, 幹 ironna,: Article / 一般雑誌記事 author PDF issue:

2 韓国で新たな大統領になった文在寅は左派の政治家だ韓国の左派は中国にも近い反日勢力でありだからこそ徴用工問題を提起するなど反日政策を意図的に進めている増え続ける慰安婦像や新たな徴用工像の設置はその表れであり文在寅政権は各種社会勢力と結託して日本への挑戦を叩きつけようとしているのだ今日の韓国の状況を説明するのによく行われる通俗的な説明だそこでは韓国の政治社会状況を左派と右派 - 韓国で使われる言葉を使えば進歩と保守 -に両分し左派を反日反米親北親中勢力逆に右派を相対的に親日親米反北反中勢力とする断定の下その下でわかりやすく韓国の状況が説明されるこのような論者は歴史認識問題もまたその中に位置づけるつまり歴史認識問題が激化するのは中国や北朝鮮と結びついた左派の組織的な策動の産物とされるのであるとはいえ少し考えればわかるようにこのような説明は明らかな破綻を抱えているそもそも韓国の右派が単純に親日親米反北反中だと言えない事は我々は朴槿惠政権から学んだ筈である慰安婦問題で日本に強硬な姿勢を突きつけ首脳会談さえ長らく拒否した朴槿惠政権は積極的な中国への接近も行った結果これを不快とする米国の反発に直面し日韓慰安婦合意と THAAD 配備を押し付けられた THAAD 配備に向けた約束は中国の反発を呼び中韓関係も悪化した勿論この様な朴槿惠政権の政策が例えば慰安婦像設置等を進める韓国挺身隊問題対策協議会との密接な協力の下行われたかといえばそんな事実も存在しない 2015 年末の慰安婦合意に反対して見せたように歴史認識問題に関心を持つ左派の諸団体は徹頭徹尾朴槿惠政権への対決姿勢を貫いた挺体協は同じ右派政権であった李明博政権下では北朝鮮との関係を疑われ警察の捜査をも受けている韓国の状況は政権と各種市民団体が連携して反日政策を遂行するというほど単純なものでないのである右派の朴槿惠から代わって成立した文在寅政権下においても状況が複雑に捻じれているのは同様であるとりわけ複雑なのが現在再び議論の的となっている徴用工を巡る動きである例えば慰安婦問題については左派の文在寅政権はその理事の一人を大統領官邸に迎えるなど同じ左派色の強い挺体協との間で良好な関係を築いているように見えるしかし同じ事は徴用工問題については言うことが出来ない何故ならそこには慰安婦問題よりも遥かに複雑で錯綜した状況が存在するからだ第一に重要な事はこの徴用工問題には左派右派が入り乱れて参与する状況が存在する事である即ち例えば先日ソウル市内に設置された徴用工像を設置した主体は全国民主労働組合総連盟 ( 民主労総 ) である韓国にはナショナルセンターに当たる労働組合組織はこの民主労総と韓国労働組合総連盟 ( 韓国労総 ) の二つが存在し民主労総はより闘争的な組織として知られているからこれについては左派的な組織の動きだと言って間違いはないしかしながらこの民主労総がどの程度まで文在寅政権と関係を有している

3 かと言えば不透明だ例えば北朝鮮による立て続けの核とミサイル実験を理由に文在寅政権は THAAD 配備をなし崩しに進めているがこの問題について民主労総は強い反発を見せているそもそも韓国における労働組合の主要政党に対する限定的でありその関係も円滑とは言い難い徴用工像設立を巡る突出した動きの中に歴史認識問題を利用して自らの存在を誇示しようという民主労組の思惑を読み取る事は容易であろうしかしより重要なのはこの問題には当事者がいる事である即ち徴用工問題は第二次世界大戦時に労働者として動員された人々とその遺族が失われた経済的補償を求めている事がその基盤となっており当然韓国各地で進められている裁判や徴用工像設置にはこれらの人々が深く関与しているとりわけ裁判は当事者の存在なしには不可能であり当然彼らの存在は重要になってくるただそれだけなら問題は慰安婦問題も同じように見える何故なら慰安婦問題においても元慰安婦であった当事者が存在するからであるしかしながらここで慰安婦問題と徴用工問題の間にはいくつかの大きな違いが存在する最も重要な違いは慰安婦問題においては運動の主導権が挺体協をはじめとする運動団体が掌握している事である誤解されがちであるが挺体協は元慰安婦ら自身により構成される団体ではなくあくまでその活動等を支援する支援団体に過ぎない言い換えるなら元慰安婦らではなくその支援を行う運動団体が主導権を握っておりこの運動団体が恰も元慰安婦らの意見をそのまま代表するかのような状況が生まれている実際には元慰安婦やその遺族の中にも多様な意見が存在しその中には運動団体と距離を置いている人も多く存在するにも拘わらずこれらの人々の意見が取り上げられないのは元慰安婦やその遺族らが政治的に組織化されていないからであるこれに対して徴用工問題においては当事者たちの力は大きい最大の理由は彼らが長い運動の経験と何よりも組織を有する事である日本ではあまり知られていないが韓国に置いては 1970 年代以降一貫して元日本軍軍人軍属や労務者等第二次世界大戦時に動員された人々やその遺族による補償を求める運動が存在し彼らは今日も一定の組織を有している重要なのは既に生存者数が 30 名余りとなった元慰安婦らと異なり軍人軍属や労務者は被動員数が多くそれゆえ当事者の数も比較ならないほど多かったからである徴用工問題において当事者たちが力を有しているもう一つの理由はその運動や組織が動員された当事者たちよりもその遺族とりわけ子女によって担われていることである第二次世界大戦終焉から 70 年以上を経た今日元慰安婦ら徴用工等の平均年齢は 90 歳を超えようとしており当然彼ら自身による活発で組織的な活動は不可能な状態にあるこれに対してそれよりも一世代若い彼らの遺族たちは依然 70 代前後であり依然活発な運動が可能である元慰安婦という特性上子女を持たない人が多くまた子女が存在する場合においてさえ依然として慰安婦に対する社会的偏見が存在する現状では遺族が自ら積極的にカミ

4 ングアウトして活動するハードルも高いこれに対して元軍人軍属や徴用工らの遺族にはカミングアウトを憚らねばならない理由は存在せず故に彼らは長年活発な活動を続けてきた当然の事ながらイデオロギー的に編成されがちな運動団体とは異なり遺族たちが作る団体には様々な人々が含まれておりそのイデオロギー的配置はまちまちなものとなるそして最後に重要な事はこのような徴用工問題に関わる当事者たちはこれまで韓国政府や進歩派系の運動団体により主導されてきた慰安婦問題とは距離を置いてきた人が多い事であるその論理は簡単だ同じ第二次世界大戦時において日本による戦争遂行の為に動員された人々でありながら慰安婦には大きな注目が集まり手厚い保護が為されているこれに対して元軍人軍属や徴用工に対する彼らの姿勢はそうではない 1965 年に結ばれた日韓基本条約とその付属協定により韓国政府が得た資金は元軍人軍属や徴用工等の個人的な請求権を一つの根拠として積み上げられたものであったものの韓国政府からなされた彼らへの補償は極めて限られたものだったそれは進歩派の政権も同じだった歴史認識問題を重視した盧武鉉政権は対日抗争期強制動員被害調査及び国外強制動員犠牲者等支援委員会 ( 支援委員会 ) を通じて補償を行ったがその審査は時に厳格で冷徹なものだったとりわけ重要なのは徴用工の遺族らの運動が遺族会というくくりの下同じ遺族である元軍人軍属らの遺族と共に行われてきた事だった保守勢力との対決状況の下盧武鉉政権は歴史認識問題への日本への対決姿勢を強めると同時に国内における親日派問題にも取り組んだその中で多くの軍人軍属の一部は自ら進んで日本統治に協力した者として親日派に分類され彼らは補償を受ける権利を否定された補償を受けられると聞いて申請した結果返ってきたのはお前の父親は親日派だという認定だった筆者のインタビューに対してこのように憤る遺族たちは一人や二人ではない結局今回も我々は切り捨てられるのだどうして慰安婦とその運動を支える団体ばかりが優遇されるのだ遺族会の一部にはそのような根強い不満が蠢いている彼らにとって韓国の保守派は朴正熙政権の下日韓基本条約とその付属協定により得た資金をかすめ取った人々でありまた進歩派は自らを親日派の疑いを持って見続ける人々である信用できないのは日本政府も韓国政府も同じだ徴用工問題を巡る複雑な状況には元軍人軍属や徴用工等によって構成された遺族会の長い苦悩の歴史があるそしてこの様な中 8 月 17 日の記者会見にて徴用工問題について私的請求権は残っているとしてこれを取り上げる姿勢を見せた文在寅は僅か 1 週間余り後の 25 日の安倍総理との電話首脳会談にて今度は一転して徴用工問題は日韓基本条約にて解決済みという判断を確認した揺れ動く韓国政府の背後に見え隠れするのはこの問題を巡る一貫しない姿勢であり遺族たちはそこに韓国政府の不誠実な姿勢を読み取る事になるそもそも彼らが韓国政府を本当に信頼し協調関係が確立しているなら彼らは黙ってこれを見守ればいいだけの筈であるにも拘わらず彼らが自ら立ち上がり時にイデオ

5 ロギー的に距離がある左派労働組合とさえ手を組もうとするのは彼らがこの問題に十分な関心が集まっていないと考えているからである日本大使館前に慰安婦像を立てる動きが本格化したのは挺体協が保守派李明博政権と対立を深めるさ中の事でありそこには日本政府と並んで李明博政府への非難の意が込められていたそして今各地に徴用工像が立とうとしているそこには労働組合や遺族らの複雑な思惑が存在しその中で進歩派の文在寅政権は明確な姿勢を決められずにいる高齢者に保守層が多い韓国では高齢者が多数を占める遺族らの中にも進歩派政権に強い拒否感を持つ人々も数多く存在するこうして見るなら徴用工像が日本の過去清算に対する異議表明であると同時に元軍人軍属や徴用工等慰安婦以外の問題に真摯に取り組まない韓国政府や支援団体への不満表明であることがわかる韓国政府は各種運動団体等を統制して日本へ挑戦状をたたきつけるという状態にではなく寧ろこの反発を抑え込み落としどころを何処に見出すかに苦労している問題は彼らが政府を中心にまとまっている事にではなく韓国政府がこの問題における当事者能力を喪失している事にある左右の様々な団体の活動や裁判所の判決に一喜一憂せざる弱い韓国政府の存在こそが問題の核心なのかも知れない

極めて不自由な文在寅韓国大統領が本領発揮するために必要なこと文在寅が直面する問題の数々 5 月 9 日韓国では大統領選挙が行われ文在寅氏が当選した通常であれば大統領選挙での当選者は就任までに与えられた数ヵ月の時間を使って政府の構成や政策について準備することができるしかしながら朴槿

極めて不自由な文在寅韓国大統領が本領発揮するために必要なこと文在寅が直面する問題の数々 5 月 9 日韓国では大統領選挙が行われ文在寅氏が当選した通常であれば大統領選挙での当選者は就任までに与えられた数ヵ月の時間を使って政府の構成や政策について準備することができるしかしながら朴槿 Kobe University Repository : Kernel タイトル Title 著者 Author(s) 掲載誌巻号ページ Citation 刊行日 Issue date 資源タイプ Resource Type 版区分 Resource Version 権利 Rights DOI JaLCDOI URL 極めて不自由な文在寅韓国大統領が本領発揮するために必要なこと木村, 幹現代ビジネス,:

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