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1 資料 4-5 モバイルセキュリティの動向と課題 2008 年 1 月 31 日 ( 木 ) KDDI 株式会社

2 本日は 通信事業者の観点から モバイル系を中心に 通信事業環境の現況と 今後の端末やネットワークの進化 それらに伴うセキュリティ上の課題についてお話し致します 1. モバイルとブロードバンドの融合の流れ 2. 拡張 連携を模索するモバイル IT 環境 3. モバイルネットワークの現状と課題 4. 将来のモバイル IT 環境にむけての課題と対策 1

3 1. モバイルとブロードバンドの融合の流れ

4 日本における携帯電話市場の成長 ( 千万 ) 年 12 月末時点加入者総数 :1 億 53 万台 CDMA ,740K cdmaone 456K W-CDMA 54,565K PDC 16,764K アナログ 0( サービス終了 ) ( 年度 ) ( 出展 ) 電気通信事業者協会 (TCA) 各年度 3 月末時点のデータ 3

5 日本のインターネット対応携帯電話端末数の推移 ( 千万 ) i-モート EZweb Yahoo! ケータイの加入者数推移 年 12 月末総数 : 8,728 万加入 ( 携帯電話加入者総数 : 10,053 万加入 ) 6 4 携帯加入者数 Yahoo! ケータイ EZweb < 内訳 > i モート : 4,783 万加入 EZweb : 2,489 万加入 Yahoo! ケータイ : 1,456 万加入 i モード 月 9 月 12 月 3 月 6 月 9 月 12 月 3 月 6 月 9 月 12 月 3 月 6 月 9 月 12 月 3 月 6 月 9 月 12 月 3 月 6 月 9 月 12 月 3 月 6 月 9 月 12 月 3 月 6 月 9 月 月 3 月 6 月 9 月 2007 ( 出展 ) ; 電気通信事業者協会 4

6 0 モバイル通信市場のマクロトレンド ( 百万 ) 1. 加入者数の増加 M 96.71M コンテンツ大容量化 91.79M 個人市場 86.99M 81.52M M 放送連携 69.12M 70 モジュール / マルチメディア 60.94M 動画 3. サービスの多様化 60 静止画 51.14M テキスト 50 ブラウザフォン (1999/2 ~) 41.53M カメラ付きケータイ (2000/11 ~) 40 GPS ナビ (2001/12 ~) 31.52M 着うた (2002/12 ~) 30 パケット定額 (2003/11 ~) 20.87M おサイフケータイ (2004/7 ~) 20 着うたフル (2004/11 ~) M モバイルSuica(2006/1 ~) ワンセグ (2006/4 ~) BCMCS(2006/9 ~) 新規市場 ( 法人 自動車など ) ( 年度 ) 5

7 高速データ通信 (Original) 3GPP2 Family 3GPP Family ダウンロード系サービス強化 3G システムの進化 ~ 数百 Kbps Mbps~ 第~ Mbps~ 3~4Mbps ~10Mbps 数十 EV-DO Rev.0 *2003 年 11 月 CDMA2000 1X *2002 年 4 月 同報 配信系サービス対応 2006 年 9 月 アップロード系サービス強化 EV-DO Rev.A *2006 年 12 月 BCMCS リアルタイム / 双方向サービス EV-DO Rev.B? * 日本での実用化時期 更なるデータ通信強化 UMB(Enhanced cdma2000) W-CDMA HSDPA HSUPA Rel-7 LTE *2001 年 5 月 *2006 年夏 世代へ音声通信 4HSDPA: High Speed Downlink Packet Access HSUPA: High Speed Uplink Packet Access HSPA+: High Speed Packet Access Plus LTE: Long Term Evolution MBMS: Multimedia Broadcast Multicast Service MBMS HSPA+ 6

8 モバイルとブロードバンドの融合への流れ 第 1 世代アナログ音声 第 2 世代音声 低速データ 第 3 世代音声 高速データマルチメディア 第 4 世代超高速データマルチメディア 低額 ( 定額 ) 常時接続 新たなアクセス網との連携 アクセス非依存の固定移動統合網へ 無線 LAN 連携等 アナログ音声 V.90 モデム / ISDN ADSL FTTH 7

9 ウルトラ3G 構想 とは 移動体コア (MMD) をベースに 多様なアクセス網との相互連携が可能な KDDIの NGNを構築し FMC(FMBC) サービスの提供基盤とするもの 放送と通信のメディア連携 サービスアプリケーション KDDI のウルトラ 3G 構想 加入者 DB の一元化 サービスインタフェース開放 SIP コア SDP(Service Deliverly Platform) 放送サービス連携 ダウンロード回線 新しい無線方式デジタル放送パケットベースコアネットワーク第 2 世代セルラー IMT-2000 無線 LAN 有線 xdsl HSS/AAA 加入者管理 DB NGN サービス制御層 IP 放送 MMDプラットフォーム アクセス非依存 近距離通信 Bluetooth 等 その他 NGN コアトランスポート層 (ALL IP ネットワーク ) セキュリティと QoS を提供 MMD: Multimedia Domain NGN: Next Generation Network 8

10 FMC サービス例 :Onephone Onephone は FMC 型サービスとして 今後期待されるものの一つ 国内ではまだ普及に至っていないが 英国や韓国など FMC 先進国とされる国々では 既に多くのキャリアが Onephone 型サービスを提供している 海外で提供されている Onephone のサービスイメージ 自宅にいる場合は 移動体番号を持った固定端末として機能 固定キャリア網 BB 回線 VoIP 携帯番号発信 モハ イルキャリア網 AP (Bluetooth /WiFi) 外出時は携帯電話として機能 (MVNO のケースもあり ) Onephone 端末 9

11 FMC サービス例 : フェムトセル フェムトセルも 固定網と移動体網を組み合わせたサービスとして 今後展開が予想される FMC サービスの一つと位置づけられる 屋外ではマクロセルと通信 屋外 マクロセル 家の中ではフェムトセルと通信 携帯ネットワーク ユーザ宅 フェムトセル AP BB 回線 ユーザの BB 回線を使用 フェムト用ネットワーク装置 10

12 2. 拡張 連携を模索するモバイル IT 環境

13 携帯電話に格納された UIM に個人情報を記録 携帯環境の PKI を活用 ケータイを使った個人認証の活用例 出社時の入館検査 本人認証 ( 存在認証 ) 誰が入館入館するかを確認 携帯を使ったセキュアな個人認証が可能に 太郎さん 本人性が記載された証明書を提示 受付 入館チェック 証明書 運転免許証 レンタル会員証 社員証 学生証 酒屋でお酒を購入 属性認証 ( 資格認証 ) 20 歳以上であることを確認 ( 誰が購入するかは確認不要 ) 診察券 旅行クーポン券 UIM (User Identity Module) : 携帯電話会社が発行する契約者情報を記録した IC カード 太郎さん 属性が記載された (1960 年 4 月 1 日生 ) 証明書を提示 1960 年 4 月 1 日生まれ 酒屋店員 12

14 ストレージ連携とケータイ個人認証 動画撮影中 ケータイでリモート視聴 宅内レコーダに録画 TV STB PVR PC インターフォン カメラ エアコン EPG 対応ケータイでリモート予約 外出先から家の鍵確認 宅内カメラをチェック 明日の資料? 家庭内ストレージと携帯の連携 固定モバイル統合網 冷蔵庫 家電 ( エアコン 冷蔵庫等 ) を遠隔モニタ 操作 ケータイの持つ個人認証機能により リモート制御に最適 13

15 ID 連携 ( ポータル連携 ) の概念 事業ドメインをまたがる端末間の安全なアクセス制御 コンテンツ連携 課金連携などの実現が期待される サービスプロバイダ (xsp) 映像 SP#1 音楽 SP#2 生活情報 SP#3 ID 連携プラットフォーム ホームセキュリティポータル 携帯ポータル TV ポータル 14

16 サービス提供プラットフォーム (SDP) SDP による網機能のオープンな利用環境が整えば キャリア以外のプレイヤーによる新規サービス 新規ビジネスモデル提供の可能性が広がる コミュニケーション系サービス MRF AS フ レセ ンス Web 系サービス My ホ ータル リモートアクセス アプリケーション SIP-based SDP HTTP-based SDP SDP(Service Service Delivery Platform) コントロール CSCF HSS MGCF MGW IWF IMS/MMD 連携 課金 位置情報 認証 CRM ネットワーク アクセス クライアント端末 3G モハ イル WLAN/ WiMAX 光フ ロート ハ ント 15

17 MNO と MVNO の連携 MVNO(MVNE) MVNE) ) の登場により モバイル通信サービスの提供形態は複雑 多様化する MNO 無線基地局 サーバー / 交換機 ゲートウェイ MNO 端末 電話網 / インターネット等 サーバー等 料金支払い MVNO 端末 課金 ユーサ ーサホ ート アフ リケーションフ ラットフォーム 等 MVNE 電話網 / インターネット等 MVNO ( 参考 ) 総務省 MVNO ガイドライン 16

18 3. モバイルネットワークの現状と課題

19 社会インフラとしてのケータイに求められる条件 ケータイは既に社会インフラの一要素 あらゆるインフラとの親和性 ( 接続性 ) から 将来コア的存在に 信頼性 サービス継続性の確保 ネットワーク稼動率の確保 ( 故障等からの早期復旧 ) 重要通信の確保 大規模災害の影響範囲極小化 安全性 個人情報等の機密性確保 外部漏洩回避 内外からの違法な攻撃に対するセキュリティ確保 広義に捉えれば これらは全てセキュリティ面の課題 公共性 迷惑メール撃退 有害サイトアクセス規制等の社会的責任 緊急通信位置情報付加 災害伝言板等の公共性高いサービスの提供 18

20 ケータイ利用者への様々な攻撃 携帯利用者の多くは 様々な脅威に曝されていることを知らない 迷惑メール 攻撃 盗聴 攻撃 攻撃攻撃 永遠のビギナー なりすまし ワンギリ 攻撃 携帯電話利用者 攻撃 ウイルス 有害サイト 攻撃 攻撃 盗難 紛失 攻撃攻撃 DoS 攻撃 19

21 現状の対策例 盗聴 迷惑メール ワンギリ 有害サイト ウイルス DoS 攻撃 なりすまし 盗難 紛失 通信内容の暗号化 メールフィルタ等の防御機能サービス機能の制限 URL フィルタサービスの提供年齢認証による web アクセス制限 IDS 設置 Fire Wall 強化端末へのウイルススキャン導入 PKI バイオメトリクス認証 移動機遠隔ロックや遠隔データ消去活性化デバイス (SPC など ) 20

22 わが国のインターネットトラヒックの推移 出典 : 総務省総合通信基盤局調査 21

23 携帯ユーザーの利用形態の変化 コンテンツビジネスはダウンロード型から個人参加型個人参加型へ ユーザが自ら情報発信 個人コンテンツがサービス創造に寄与 サービス例 支える技術 wikipedia YouTube ユーザのネット接触機会の拡大 ネットワークのアップロード対応 大容量ストレージの普及 ブログ SNS 放送連携 FMBC (IP over デジタル放送 ) FTTH ケータイの上り帯域拡大 (EVDO-Rev.A) (HSUPA) ネットワークストレージ 宅内ストレージ HDD レコーダー 1TByte 22

24 ヘビーユーザーの寡占状況 昨年の ネットワーク中立性懇談会 にて一部のヘビーユーザーがインターネットトラヒックの多くの割合を占めている状況が報告されているが 携帯利用環境においても同様の傾向がみられるようになっている ネットワーク中立性に関する懇談会報告書 の記述より抜粋 転送量 全ユーザの転送量分布 総トラフィックにおけるユーザの分布状況 総トラフィックについて P2P ユーザ (10%) でトラフィックの 75% を占有 各ユーザ [ 転送量で昇順 ] P2P トラフィック 75% ( ユーザ 10% 以下 ) P2P ヘビーユーザトラフィック 63% ( ユーザ 10%) P2P ライトユーザトラフィック 37% ( ユーザ 90%) 他トラフィック 25% ( ユーザ90% 以上 ) 23

25 携帯 E メールの状況 海外からの の増加 世界各国から届く( 発信国は常に変化 増加 ) 英文が多いが 和文記述のものも散見 送信間隔は一定周期 個々のIPアドレスから数通ずつ送信 宛先不明が多く 一般のメール疎通に影響 詐称したメールの増加 KDDIやauなどのキャリア またはmixi 等架空 現状は 一見して詐称とわかるレベル 送信元 urlリンク先サーバは海外 適正 なのか 迷惑 なのか 送り方だけでなく本文でも判別が難しいメールが増加 さらに 地域密着型メルマガ利用の拡大 多くは防災 防犯系のメール メール配信に リアルタイム性が求められる メルマガ新規参入も拡大 アドレス帳管理状態の悪い配信業者も 宛先不明メールが多い送信元を規制 24

26 スマートフォンの拡大 スマートフォンでは オープンなプラットフォームが採用されているため キャリア以外のプレイヤーがアプリケーションを開発 提供することが可能 新たなビジネスモデルの創成が期待されている 大容量ストレージ アプリ追加が簡便 汎用アプリも利用可能 多種多様なインターネット接続 I/F web ブラウザもフル機能で搭載 インターネット環境で培われてきた技術の多くがスマートフォンに適用されており 今後 事業者ブランドの携帯電話とは異なる発展形を見せる可能性も 25

27 スマートフォン拡大による脅威 汎用プラットフォームの採用 インタフェースオープン化による脅威の増大 米国で発売された A 社のスマートフォンは 発売後 1 ヶ月で脆弱性が発見され 攻撃コードも公開された 有力プレイヤーによるスマートフォン提供はハッカー クラッカーの興味の的 G 社のオープン PF は? オープン化によりアプリ開発の自由度があがるとともに ハッキング クラッキングツール類も拡充 通信ネイティブアプリがオープン PF 上に実装されることで ネットワークへの攻撃手法も多様化 インターネットアプリの移植 開発の自由度向上に伴う潜在的な脆弱性 PC 系アプリ ( オープンソース ) の移植増加により PC 系のウイルスがスマートフォンをも攻撃 PC 並みの本格的なウイルス駆除機能がスマートフォンには必要になるかもしれないが ハードウェア スペックは PC 並みにあらず 限界も 携帯電話の特性も併せもつことで 総合的な脅威は携帯電話や PC よりも大きい 端末内に アドレス帳などの個人情報や業務メールなどの機密情報が多く格納される 利用者はみな常時持ち歩く ウイルス感染機会は PC とは比較にならない 紛失 盗難の危険性は携帯電話並みに大きい スマートフォンに搭載される web サーバー機能のセキュリティホールを攻撃されると 端末に格納されている個人情報や重要情報が不正に搾取される恐れ PC 環境のセキュリティ対策と携帯電話のセキュリティ対策の双方をうまく組み合わせた 総合的な対策強化が必要 26

28 4. 将来のモバイル IT 環境にむけての課題と対策

29 課題と対策 1 海外 BOT 端末からのスパム攻撃 迷惑メールへの対応 設備保護を目的とした受信フィルタだけでは 正当な送信元からのメールが巻き添えになるといった課題もあり 対策として不十分 特定ユーザーを対象としたスピア型攻撃が拡大すると 設備保護対応の名目が成り立たず ユーザー申告頼みとなる恐れもある 受信側対策だけでは限界 送信元をおさえていく対策も必要か? ソーシャルエンジニアリングを駆使した犯罪行為への対処 なりすまし させないための技術的対策や法制度整備は次世代環境においても必要 匿名性を認めても良い範囲 があれば 考慮すべきだが 巧妙化する犯罪手口に迅速に対策するためには 攻撃元の動向や具体的な攻撃手法などについて 関係間で逐次情報共有することも大事 ウイルスやマルウエアが関与するケースも想定 ネットワークへの流入状況をリアルタイムモニタすることも有効な手段 通信の秘密遵守との関係は要整理 28

30 課題と対策 2 NGN 化進展 IP リーチャブルな端末の拡大等による新たな脅威 音声サービスのVoIP 化が進展 SIPベースの相互接続の時代を見据えると 事業者間で協調した対策検討も必要 IPv4 IPv6への移行 IPv6アドレス割り当て端末の普及等でどのような脅威が起こりうるのか? オープンな仕様 汎用的な技術が多く採用されることから 事前の対策だけでは考慮漏れの恐れ 対症療法的なメカニズムの確立も重要 MVNO やスマートフォン FMC サービス等の登場で 新たなビジネスモデルが伸張 オープン化の潮流においては 各ステークホルダーが協調してセキュリティ対策に取り組める体制づくりも必要 FMC サービスにおいては どのような脅威が想定されるのか 具体的な分析掘り下げを行うことも有効 29

31 IPv6 プロトコル仕様上の課題 既に多くの報告にもあるとおり 以下のようなプロトコル上の課題への対処は 次世代の IPv6 環境において必須 1 ステートレス自動設定に関する問題ネットワーク上に故意に別アドレスを報知する機器やルータが設置されると IPv6 ネットワークが動作不全に追い込まれたり 他ノードの通信傍受が可能となる恐れがある 2 マルチキャストの悪用マルチキャスト アドレスとして すべてのルーター宛て や すべての DHCP サーバー宛て にパケットを送信すると サイト中の当該ノードから返答を得られ 全サービス ノードの IPv6 アドレスが入手される恐れ 3ICMPv6 のエラー返答の悪用エラーを引き起こすようなパケットをマルチキャストアドレス宛てに送信すると 大量の ICMPv6 トラフィックが発生 このような不正パケットの始点アドレスが詐称されると 特定のホストに対する DoS 攻撃につながる 4 経路制御ヘッダ利用によるアクセス フィルタの回避経路制御ヘッダに関しては 終点アドレスが順次書き換えられるため 経路制御ヘッダを利用することによって終点アドレスによるアクセス フィルタが回避されてしまう可能性 5 中継点オプションヘッダの悪用中継点オプション ヘッダが多数付加されると パケット転送経路途中のルータすべてに負荷がかかり 必要以上のリソースが占有される恐れ 30

32 モバイル環境への IPv6 導入課題 モバイル環境への IPv6 適用が進むことで インプリ上 運用上のセキュリティ脅威が増大するケースが想定される もともと個人との結びつきが強い携帯電話に IPv6 IPv6アドレスが割り当てられると より個人識別性が高まるため ユーザープライバシーへの配慮は必須 IPv6 IPv6アドレス自体が電話番号と同じような性格を持つと 電話サービスで起きたことが IPv6 IPv6 環境でも発生する? 特定個人を狙った攻撃として 特定 IPv6 IPv6アドレスへの不正パケット送信や P-P P-Pアプリを悪用した局所的な攻撃なども想定される P-P P-Pアプリの利用が拡大すると 事業者側で不正利用状況が監視できなくなるため ため P-P P-Pアプリに特化したセキュリティ対策なるものも要考慮 スマートフォンなどの汎用プラットフォーム搭載端末が IPv6 IPv6アドレスによりネットへの常時接続を行うようになると ボット化 ゾンビ化するモバイル端末の数が爆発的に拡大するかも知れない IPv6 IPv6 化は一日にしてならず IPv4 IPv4との一時的な並存環境も想定され 運用上の様々な課題 問題が発生する懸念もある 31

33 IPv4/IPv6 端末並存環境での課題 モバイル環境では IPv6, v4 並存環境が長期化する可能性が高いことから セキュリティ対策の機能不全が発生しないよう 考慮が必要 v4 端末 v4 効果なし v6 端末 ベースのアクセス制御 v4 端末 v6 端末 GW 型ウイルス対策効果なし (v6 未対応 ) v4 over v6 トンネル IPsec による E2E 暗号化 v4 端末 v4 ベースのセキュリティ対策は効果なし v6 端末 フォレンジック製品 コンテンツサーバー NW 上でのモニタ不可 証跡保全できない 32

34 VoIP(SIP) のセキュリティ 長いテレコミュニケーションサービスの歴史の中でも 電話サービスは常に可用性と品質 (QoS) が厳しく求められてきた VoIP になっても同じレベルの運用が必要となる 一方で これまで 様々なセキュリティ上の攻撃を受けてきた IP ネットワークが電話サービスのベースとなることから 電話サービスの運用レベルを低下させることがないよう あらゆる脅威や脆弱性への対処を予め想定し 対策していく必要がある VoIP の脅威や脆弱性を考えるにあたり VoIP(SIP) プロトコルに対する攻撃 VoIPのベースとなるIPネットワークそのものへストレスをかける攻撃手法 VoIP 運用環境におけるソーシャルエンジニアリングを駆使した犯罪 に分けて考えてみる さらに 現在の VoIP システムにおいて 攻撃事例が具体的にどの程度確認されているか 事例検証もよいかもしれない 33

35 VoIP(SIP) プロトコルに対する攻撃 VoIP(SIP) の想定攻撃例 Fuzzing 攻撃 : 通常とは異なる形式のパケットを送信し ターゲットとなるSIPサーバー等をクラッシュさせる攻撃 実装段階で生じるセキュリティホールを衝くもの メッセージインジェクション : 偽のメッセージをシグナリングチャネルに差し込む攻撃 通話中に突然切れるといったサービス面の影響を引き起こす恐れ 盗聴 :IP 化により 従来の電話サービスよりも盗聴行為のハードルは低いと想定 シグナリングパケットやRTPパケットの暗号化技術などで対策 VoIP のベースとなる IP ネットワークそのものへストレスをかける攻撃手法 SIP Flooding: 大量のSIPパケット送信によるDoS 攻撃 シグナリングパケットやRTPパケットを大量に送りこみ SIPサーバー等のターゲットを麻痺させる SPIT(SPAM over IP Telephony):VoIP 版スパム SIPスタックを用いた擬似的な電話発信を大量に行う 電話サービスの安定的運用に対して大きな脅威 SIPBOT:BOT 化した端末がSPITを繰り返すことにより 影響がさらに拡大 VoIP 運用環境におけるソーシャルエンジニアリングを駆使した犯罪 ワンギリのような ナンバースキャニングや SIP スキャニングによる電気通信番号等の不正搾取 34

36 その他 ( 最後に ) セキュリティ対策の共有 協調により高度な安心 安全環境を構築することは 利用者にとって望ましいこと ただし 自由な市場競争に任せるべき範囲と 各ステークホルダーが協調して対策を講じるべき範囲を明確にし 分けて議論したい 例えば 海外 BOTなど無差別攻撃については協調して対策 迷惑メールフィルタのような商品競争色の強い対策は市場競争に任せる? 汎用プラットフォームの脆弱性情報 ソーシャルエンジニアリングによる犯罪行為などは 可能な限り情報共有して対策 35

37 CUSTOMER SATISFACTION. 36