Doctoral Thesis Series of Ishida Matsubara Laboratory Department of Social Informatics Kyoto University Copyright 2015 Masanobu Higashida

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1 曖 昧 性 解 消 技 術 に 基 づく 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科 社 会 情 報 学 専 攻 東 田 正 信

2 Doctoral Thesis Series of Ishida Matsubara Laboratory Department of Social Informatics Kyoto University Copyright 2015 Masanobu Higashida

3 内 容 梗 概 本 論 文 では, 番 号 案 内 サービスの 一 部 自 動 化 を 目 的 として,プッシュボタン 式 電 話 機 ( 以 降,PB 電 話 )のテンキーから, 情 報 検 索 を 行 うための 検 索 語 を 簡 単 な 入 力 操 作 で 入 力 できる 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 考 案 とこの 入 力 方 式 を 利 用 した 自 動 化 電 話 番 号 案 内 サービス の 開 発 と 評 価 について,また,この 入 力 方 式 が 利 用 できる 有 用 なアプリケーション 分 野 の 検 討 をした 後 に, 実 際 のプロ トタイプ 開 発 を 通 じたアプリケーションと 入 力 方 式 の 評 価 を 実 施 した 結 果 につ いて 述 べる. 利 用 者 からかかってきた 電 話 を 通 じて, 電 話 加 入 者 の 住 所 と 名 義 を 聞 いて, オペレータが 電 話 帳 を 検 索, 電 話 番 号 を 調 べて 利 用 者 に 案 内 する 電 話 番 号 案 内 サービスは 1890 年 に 開 始 され 120 年 以 上 の 歴 史 を 誇 るサービスである. 電 話 加 入 者 が 急 速 に 増 大 し, 番 号 案 内 の 利 用 が 拡 大 するにつれて, 手 作 業 に よるオペレータ 案 内 には 限 界 が 生 じ,1986 年 ( 昭 和 61 年 )には, 電 話 帳 を 電 子 化 して,オペレータが 端 末 からキーワードを 投 入 して 電 話 帳 を 検 索 するという ANGEL(Advanced Number Guide by Electronic Computer)サービスが 開 始 され,IT 技 術 による 効 率 化 が 図 られた. しかし,1989 年 には 利 用 数 が, 一 日 平 均 330 万 呼, 最 大 で 年 間 12.8 億 呼 にな るに 及 んで, 操 作 端 末 数 が 6,000 台,24 時 間 サービスを 維 持 するためのオペレ ータの 数 は 20,000 人 を 超 えるようになった.この 膨 大 な 費 用 負 担 を 少 しだけで も 軽 減 するために,サービスの 一 部 を 自 動 化 する 必 要 性 が 生 じた 年 には, 自 動 化 サービスの 提 供 が 検 討 された. 当 時 はコンピュータ 端 末 が 一 般 家 庭 にまで 普 及 している 状 況 ではなかったため, 表 示 機 能 はないものの 普 及 していた PB 電 話 機 (ほとんどの 機 種 には 表 示 機 能 がなかった)を 端 末 とし て 利 用 することが 前 提 となった. PB 電 話 機 には 0~9までの 数 字 キーと*と#の 機 能 キー 合 わせて 12 個 のキー が 4 行 3 列 に 配 置 されている.この 端 末 から, 利 用 者 自 身 が, 電 話 番 号 を 調 べ たい 電 話 加 入 者 の 住 所 と 名 義 ( 姓 名 )を よみがな で 入 力 して, 情 報 検 索 を 実 施, 電 話 機 から 流 れてくる 音 声 で 結 果 を 確 認 するというサービスを 構 築 する こととした. 入 力 方 式 について, 検 討 を 進 める 中 で, 若 者 からお 年 寄 りまでの 幅 広 い 年 齢 層 ( 特 に 番 号 案 内 の 利 用 者 は 中 高 年 の 人 が 多 い)の 人 に 利 用 してもらうために iii

4 は, 入 力 操 作 負 担 の 軽 減 が 大 事 であり,そのために 従 来 にはない 負 担 軽 減 型 の 新 入 力 方 式 を 考 案 する 必 要 が 生 じた.ただ,この 入 力 方 式 は, 番 号 案 内 サービ スの 一 部 自 動 化 のためだけではなく, 今 後 の 検 索 サービスにも 広 く 適 用 できる ような 可 能 性 を 有 する 入 力 方 式 とすることなどが 要 求 条 件 となった. 今 回 の 研 究 においては,まず,この 要 求 条 件 に 見 合 う 入 力 方 式 を 提 案 するこ と,その 入 力 方 式 を 適 用 した 番 号 案 内 の 自 動 化 サービスを 開 発 評 価 すること, およびこの 入 力 方 式 が 他 の 情 報 検 索 システムにも 適 用 可 能 であることを 示 すこ とが 求 められた. このために, 当 時 の 簡 易 端 末 からの 文 字 入 力 方 式 を 調 査 すると 同 時 に, 番 号 案 内 のオペレータが 実 際 に 利 用 者 と 対 応 している 対 話 の 内 容 を 分 析 して, 検 索 に 必 要 な 情 報 を 早 く, 効 率 よく 利 用 者 から 聞 き 出 すノウハウなどを 調 査 した. この 結 果 として, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 知 的 対 話 誘 導 技 術 を 開 発 した. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 は,PB 電 話 機 を 使 用 して,それまでに 日 本 では 無 かっ た, 基 本 的 には 1 文 字 1 タッチで 文 字 を 入 力 する 方 法 である.1 つのキーには 基 本 5 文 字 が 配 置 されているので, 文 字 の 情 報 は 縮 退 した 状 態 で, 実 際 には 数 字 の 列 が 入 力 されるため, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 呼 称 した. 利 用 者 には, 覚 え 易 くて 使 い 易 い 入 力 方 式 を 提 供 した 代 償 として, 入 力 された 数 字 列 に 対 応 する よみがな には, 利 用 者 が 入 力 したと 思 っている よみがな 以 外 にも 候 補 が 存 在 することがあり, 曖 昧 性 が 生 じる 可 能 性 がある. このため, 利 用 者 からの 数 字 列 入 力 に 対 する よみがな には,なるべ く 曖 昧 性 が 生 じないような 検 索 語 項 目 の 入 力 を 要 請 するか, 曖 昧 さが 生 じた 時 には, 利 用 者 にその 事 実 を 気 付 かれないように, 自 然 な 対 話 誘 導 で 追 加 項 目 を 聴 取 することで 曖 昧 性 を 解 消 するような, 知 的 対 話 誘 導 技 術 を 併 せて 開 発 した. 知 的 対 話 誘 導 技 術 は, 入 力 情 報 数 最 小 化 技 術 と 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 技 術 からなる. 入 力 情 報 数 最 小 化 技 術 とは,オペレータが 利 用 者 から 聴 取 する 情 報 数 をでき るだけ 少 なくなるように 対 話 を 誘 導 していることに 鑑 み, 何 から 聞 き 出 すのか などのノウハウを 組 み 込 んで 巧 みに 対 話 を 進 める 技 術 である,また, 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 技 術 とは, よみがな をベースにしたオペレータ 対 話 の 中 で 生 じる 曖 昧 性 を 解 消 する 追 加 情 報 の 聴 き 方 ノウハウを 組 み 込 んで, 数 字 列 をベースに した 入 力 で 生 じる 曖 昧 性 の 解 消 に, 利 用 者 に 追 加 情 報 の 入 力 を 要 請 して, 入 力 された 二 つの 数 字 列 の 相 互 連 結 性 ( 双 方 の 実 在 性 )をチェックすることで, 双 方 の 曖 昧 性 を 同 時 に 解 消 する 技 術 のことである. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 知 的 対 話 誘 導 技 術 を 組 み 込 んだ 自 動 電 話 番 号 案 内 システム のプロトタイプシステムが,クライアントサーバー 型 のシステム 構 成 で 1996 年 に 完 成 して, 試 行 実 験 と 評 価 を 行 った.この 結 果,オペレータ 介 在 型 の 平 均 対 応 時 間 が 約 40 秒 であるのに 対 して 情 報 の 手 操 作 による 入 力 などのた iv

5 めに 約 2 倍 の 接 続 時 間 を 要 するものの, 市 区 郡 レベル 以 上 の 情 報 と 姓 名 が 分 か っている 時 には 85% 以 上 の 正 答 率 であることがわかった. この 結 果, 商 用 化 システムの 開 発 が 実 施 された. 商 用 化 システムの 開 発 には, 日 本 全 国 からのアクセス 呼 を 一 か 所 のサービスセンタに 集 めて 処 理 するための 仕 組 みや, 年 中 無 休 のシステムの 構 築, 電 話 番 号 データベースの 元 帳 からの 変 更 データを 受 け 取 っての 日 々のデータ 更 新 など, 信 頼 性 の 高 い 商 用 サービスシ ステムを 構 築 した. 商 用 サービスは 1998 年 5 月 に あんないジョーズ としてサービスが 開 始 さ れ,2007 年 度 末 にインターネットなどの 時 代 の 大 きな 波 の 影 響 を 受 けて,その 役 割 を 終 えるまで, 述 べ 1,600 万 人 分 のアクセス 呼 に 利 用 された.サービス 開 始 直 前 に 社 内 ユーザに 試 用 してもらったところ,おおむね 好 評 であったことや, 正 答 率 も 80%と 高 かったこともあり, 順 調 に 商 用 化 に 移 行 した. 商 用 版 の 使 用 では, 接 続 時 間 平 均 84 秒 での 対 応 を 実 現 し, 全 体 の 約 85%はオペレータと 同 様 の 処 理 内 容 を 実 現 することができた. このように, 番 号 案 内 の 一 部 自 動 化 の 目 標 は 実 現 できたものの, 当 初 のもう 一 つの 目 標 であった, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 利 便 性 を 活 かした,より 多 くの アプリケーションが 出 現 すること,の 目 標 は 他 力 本 願 的 なものであったが,そ のような 環 境 は 醸 成 されず, 達 成 できていない 状 況 にあった. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 開 発 後, 同 様 の 入 力 方 法 で, 予 測 変 換 なども 取 り 込 んだ TouchMeKey や SLIME などの 日 本 語 入 力 方 式 が 考 案 され, 提 供 されたが, これらはいわゆる 文 章 作 成 用 のワープロ(IME: Input Method Editor)のようなも のであり, 生 じた 曖 昧 性 解 消 に 手 間 取 ることなどが 原 因 と 思 われるが, 利 用 者 が 爆 発 的 に 増 えたという 報 告 がない. このため, 本 論 文 においては, 保 有 している 電 話 帳 掲 載 の 名 義 人 名 データベ ースから 抽 出 した 住 所 や 名 義 を 検 索 する 分 野,および, 新 たに 作 成 した Wikipedia から 抽 出 した 有 名 人 などの 人 名 事 典 を 検 索 する 分 野 や IPA の 翻 訳 辞 書 から 作 成 した 日 本 語 辞 書 ( 国 語 辞 書 )の 見 出 しを 検 索 して かな 漢 字 混 じり 文 の 単 語 や 文 節 を 作 成 する 分 野 などで 使 われる 辞 書 やデータベースにおける 性 質 を 測 定 して 評 価 した.データベースの 中 のデータは 住 所 部 品 ( 都 道 府 県 名, 市 区 郡 名, 町 字 名 )や 個 人 名 義 ( 姓 名 )などの 固 有 名 詞 や, 日 本 語 辞 書 の 中 のように 名 詞, 動 詞, 形 容 詞 などの 一 般 語 である.これらのデータベースは 文 字 数 ごとの 分 布 数 が 異 なるので,この 点 に 着 目 して, 文 字 数 ごとの 重 複 度 や 縮 退 率 などを 調 査 して 比 較 した. 調 査 した 内 容 をグラフ 表 示 にした 時 に, 漢 字 表 記 と よみがな を 表 わす 曲 線 と, よみがな と 数 字 列 を 表 わす 曲 線 の 2 つの 曲 線 の 間 幅 が 大 きいと v

6 縮 退 が 大 きく, 間 隔 が 狭 いと 縮 退 が 小 さいことを 意 味 している. 住 所 に 関 しては, 町 字 名 は 34.2 万 件 のデータがあり, 漢 字 表 記 とひらがな, ひらがなと 数 字 列 いずれの 間 隔 も 広 く, 特 にデータが 集 中 する 3 文 字 から 7 文 字 で 縮 退 率, 重 複 度 ともに 大 きい.また, 市 区 郡 に 関 しては, 件 数 も 3,988 件 と 小 さく, 漢 字 表 記 とひらがな,ひらがなと 数 字 列 いずれも, 間 隔 が 狭 く 縮 退 率 も 重 複 度 も 小 さい. 多 くは 4 文 字 から 8 文 字 に 集 中 していることがわかった. 人 名 ( 姓 と 名 )( 特 定 の 県 内 の 加 入 者 名 義, 約 26 万 件 )についてみると, 姓 ( 約 13,700 種 類 )は, 漢 字 表 記 と よみがな を 表 わす 曲 線 の 間 隔 は 狭 く, よみがな と 数 字 列 を 表 わす 曲 線 の 間 隔 は 広 い.また 3 文 字,4 文 字 に 集 中 している. 名 ( 約 10,600 種 類 )については, 漢 字 表 記 と よみがな を 表 わす 曲 線 の 間 隔 が 大 きく 空 いていて, よみがな と 数 字 列 を 表 わす 曲 線 の 間 隔 は 狭 い. 名 は 3 文 字 から 5 文 字 に 集 中 している. 姓 名 併 せて 人 名 でみると, 5 文 字 から 9 文 字 に 集 中 していて, 今 度 は 漢 字 表 記 と よみがな, よみが な と 数 字 列 の 両 曲 線 のいずれも 間 隔 は 狭 いことがわかる.このことから, 姓 は よみがな が 決 まれば 漢 字 表 記 のバリエーションは 少 ないが, 名 は よみがな は 同 じでも 表 記 は 多 種 多 様 (いわゆる 当 て 読 み が 多 い)とい う 状 態 であることがわかる.また, 姓 名 を 併 せた 人 名 データベースで 見 ると, 漢 字 表 記 と よみがな, よみがな と 数 字 列 の 間 は, 縮 退 率, 重 複 度 い ずれも 小 さいので, 数 字 列 で 検 索 して よみがな や 漢 字 表 記 を 得 よう とする 試 みも, 重 複 候 補 が 出 現 する 確 率 が 小 さく, 重 複 しても 出 現 する 候 補 数 は 少 ないことがわかる. 次 に,Wikipedia 人 名 事 典 ( 約 13 万 件 )についてみると,ほとんどが 5 文 字 か ら 9 文 字 に 集 中 していて, 漢 字 表 記 と よみがな, よみがな と 数 字 列 両 曲 線 の,いずれの 間 隔 も 狭 く, 重 複 度, 縮 退 率 ともに 小 さいことがわかる. このことはこの 人 名 事 典 を 数 字 列 で 検 索 しても, よみがな, 漢 字 表 記 に 重 複 を 生 じる 確 率 は 小 さく, 重 複 しても 候 補 数 は 大 きくないことを 示 してい る. さらに, 日 本 語 辞 書 ( 約 10.1 万 件 )についてみると, 特 徴 的 なことは 2 文 字 から 6 文 字 に 集 中 していて, 漢 字 表 記 と よみがな, よみがな と 数 字 列,いずれも 両 曲 線 に 大 きな 間 隔 がある.これは 一 つの 数 字 列 に 対 応 する よみがな の 種 類 も 多 く,また 一 つの よみがな に 対 応 して 多 くの 漢 字 表 記 候 補 (いわゆる 同 音 異 義 語 )が 存 在 することを 意 味 している. 以 上 の 調 査 から, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 のように, 数 字 列 で 数 字 列 化 され た 情 報 データベースに 対 して 情 報 検 索 を 行 うような 場 合 には,10 万 件 規 模 のデ ータであっても, 市 区 郡 レベルの 住 所 や 人 名 のように 固 有 名 詞 の 集 合 体 であれ ば, 多 くのデータが 4 文 字 以 上 に 分 布 し, 検 索 に 大 きな 障 害 は 生 じないことが vi

7 わかる.また, 町 字 レベルの 住 所, 一 般 語 や, 姓, 名 だけのような 場 合 には 文 字 数 が 少 ない 領 域 にデータが 集 中 することと, 一 つの 数 字 列 に 対 応 する よ みがな の 候 補 が 多 く 存 在 することが 多 いことから,このようなデータベース は 数 字 列 での 情 報 検 索 には 適 性 がないことがわかる. このことは,2000 年 以 降 の 日 本 語 文 章 やメール 通 信 文 の 作 成 のための IME を 目 指 した 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 同 様 の 研 究 が, 使 用 する 辞 書 の 規 模 や 内 容 ( 多 くは 一 般 語 に 加 えて 多 数 の 固 有 名 詞 を 含 んでいる)のために, 余 分 な 操 作 が 要 求 され, 利 用 者 には 十 分 に 認 知 されず, 利 便 性 が 感 じられないことから 普 及 し なかったと 考 えられる. 以 上 の 調 査 の 結 果, 現 代 のスマートフォン 時 代 の 携 帯 電 話 機 の 機 能, 性 能 を 考 慮 した 上 で, 有 用 なアプリケーションの 候 補 であると 考 えられる,Wikipedia 人 名 事 典 の 人 物 検 索 をスマートフォンアプリケーション(スマホアプリ)とし て 試 作 した. 本 スマホアプリに 関 しては, 被 験 者 によるユーザビリティ 評 価 の ほかに, 他 のマルチタップ 入 力 方 式 やフリック 入 力 方 式 との 比 較 検 討 も 実 施 し た. 本 スマホアプリは,アンドロイド 上 で 動 作 するアプリケーションとして 設 計 開 発 した. 利 用 者 はスマートフォン 上 の 初 期 画 面 を 起 動 して, 入 力 画 面 か ら 情 報 を 得 たい 人 物 名 を 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 で 入 力 すると, 検 索 結 果 がスマ ホ 画 面 上 に 表 示 され, 表 示 された 候 補 から 自 分 が 希 望 する 候 補 を 選 択 すると, その 人 物 のリンク 先 の Wikipedia に 接 続 して, 情 報 を 返 送 してもらうようになっ ている. 100 名 の 人 物 について 実 験 した 結 果,65 名 については 検 索 結 果 が 1 名 で 選 択 手 間 無 く 情 報 を 得 ることができた.また, 残 りの 35 名 については, 複 数 候 補 が 表 示 されるが,ほとんどは 9 名 表 示 の 1 画 面 上 に 表 示 可 能 で,スクロール 不 要 で 選 択 することができた. 入 力 方 式 を 80 名 の 被 験 者 に 評 価 してもらった 結 果,70% 以 上 の 人 から 情 報 検 索 の 手 段 として 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 使 える,95%の 人 から 覚 え 易 くて 使 い 易 い との 評 価 をもらった.20 代,30 代 の 若 い 人 からは, わざわざこのよう な 新 しい 入 力 方 式 を 使 わなくとも, 通 常 の よみがな 入 力 + 予 測 変 換 で 情 報 検 索 することで 十 分 満 足 できる 結 果 が 得 られていて 新 入 力 方 式 には 興 味 が ない との 意 見 もあった. マルチタップ 入 力 方 式,フリック 入 力 方 式 と 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 との 比 較 では, 若 年 齢 層, 中 年 齢 層, 高 年 齢 層, 各 10 名 の 計 30 名 の 被 験 者 による, 有 名 人 名 40 人 分 の 入 力 速 度, 入 力 時 エラー 回 数 の 測 定 を 行 うことで 実 施 した. この 結 果, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 は 入 力 速 度 の 面 ではすべての 年 齢 層 の 間 で vii

8 最 も 効 率 の 良 い 入 力 方 式 であり, 操 作 回 数 が 多 いマルチタップ 方 式 は 最 も 遅 い ことがわかった.ただ, 若 年 層 の 人 たちは,いずれの 方 式 でも 抵 抗 感 なく 使 用 することができ, 新 しい 技 術 であっても 習 熟 が 早 く,すぐにマスターしてしま う 柔 軟 性 があることがわかる.また, 若 年 層 の 間 では, 入 力 速 度 のばらつきも 小 さいことがわかった. 高 年 齢 層 の 人 は, 三 種 類 の 入 力 方 式 の 中 で 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 は 他 入 力 方 式 との 比 較 で 最 も 少 ない 時 間 で 入 力 することができている.ただ, 若 年 齢 層 の 人 と 比 べると 2 倍 以 上 の 時 間 を 要 しているという 事 実 もあるが,マルチタップ では 若 年 齢 層 の 3 倍 以 上,フリックでは 4 倍 以 上 の 時 間 を 要 していることから, 高 年 齢 層 の 人 にとっては 文 字 入 力 方 式 が 最 も 馴 染 みやすい 方 式 であると 言 える. エラー 回 数 の 面 でみても, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 は, 操 作 が 簡 単 であること から, 操 作 回 数 の 多 いマルチタップやフリックよりも,ほぼすべての 年 齢 層 で エラー 回 数 は 最 も 小 さい.マルチタップ 方 式 では, 同 じ 行 の 文 字 を 連 続 して 入 力 する 時 の 手 戻 りの 操 作 が 複 雑 であることから,エラー 回 数 生 起 も 最 も 大 きく なる.エラー 回 数 の 観 点 からも, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 は, 高 年 齢 層 の 人 にと っては 特 に 適 性 が 高 いということが 言 える.また,このような 有 名 人 の 情 報 検 索 は,スマホアプリとしても 結 構 面 白 いという 評 価 であった. 今 回 のプロトタイプ 試 作 評 価 を 通 じて, 以 下 のことがわかった. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 は, 当 初 は 表 示 機 能 がない PB 電 話 機 のような 簡 易 端 末 からの 情 報 入 力 手 段 として 考 案, 提 供 された.しかし,スマートフォンが 出 現 して 若 者 を 中 心 に 爆 発 的 に 普 及 し, 同 時 に 提 供 されたフリック 方 式 のような, やや 複 雑 な 操 作 を 要 求 されるが 便 利 な 入 力 方 式 に 流 れていった.このような 中 で, 流 行 についていけない 中 高 年 齢 層 の 人 たちは 情 報 検 索 弱 者 になってしまっ た.この 情 報 検 索 弱 者 になってしまった 中 高 年 齢 層 の 人 たちにとって, 今 回 の 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 は 優 しい 入 力 方 法 として 認 知 される 可 能 性 がある. 同 様 に, 入 力 操 作 で 不 自 由 を 訴 える 筋 力 系 の 障 がい 者 にとっても 有 用 な 入 力 支 援 手 段 になりうることもわかった. 以 上, 本 論 文 では, 新 しい 日 本 語 文 字 入 力 方 式 としての 曖 昧 性 解 消 技 術 に 基 づく 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 考 案 とこれを 応 用 した 自 動 化 電 話 番 号 案 内 システ ムの 開 発 と 評 価 の 結 果,および, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 に 適 応 した 応 用 に 関 し て 調 査 検 討 し,プロトタイプを 開 発 して, 評 価 した 結 果 について 述 べた. viii

9 謝 辞 本 研 究 をまとめるにあたり, 熱 心 にご 教 示,ご 指 導 を 賜 りました 京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科 の 石 田 亨 教 授 には, 大 変 お 世 話 になりました. 深 く 感 謝 いた します.また, 多 くのご 助 言 を 頂 きました, 京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科 の 田 中 克 己 教 授, 守 倉 正 博 教 授 に 感 謝 申 し 上 げます. 本 研 究 は,NTT 情 報 通 信 処 理 研 究 所 における 自 動 化 電 話 番 号 案 内 システムの 研 究 開 発 に 端 を 発 しています. 研 究 所 時 代 に, 当 時, 奇 抜 と 思 われたアイデア に 基 づく 実 用 システムの 研 究 開 発 を 理 解 支 持 していただいた, 安 田 浩 研 究 所 長 ( 現 東 京 電 機 大 学 ), 伊 土 誠 一 研 究 企 画 部 長 ( 現 NTT ソフトウェア OB)に 感 謝 いたします. 電 話 番 号 案 内 の 自 動 化 の 研 究 は, 当 時 の 研 究 所 の 第 二 プロジェクトにおいて 推 進 されました. 当 時 の 第 二 プロジェクトのメンバー, 佐 藤 亨 氏 ( 現 NTT アド バンステクノロジ), 奥 雅 博 氏 ( 現 NTT ソフトウェア), 林 智 定 氏 ( 現 NTT デー タシステム 技 術 ), 村 上 仁 一 氏 ( 現 鳥 取 大 学 ), 永 井 良 史 氏 ( 現 NTT ビズリンク), 野 田 良 輔 氏 ( 現 NTT PC コミュニケーションズ), 藤 岡 健 吾 氏 ( 現 NTT ソフト ウェアイノベーションセンタ) 水 澤 紀 子 氏 ( 現 百 瀬 紀 子 氏 ), 大 森 久 美 子 氏 ( 現 NTT イノベーションソフトウェアセンタ)には, 研 究 開 発 の 段 階 で 多 大 な 協 力 を 頂 きました. 特 に, 奥 雅 博 氏, 村 上 仁 一 氏 には, 今 回 の 論 文 内 容 についても いろいろとご 議 論 を 頂 き, 助 言 を 頂 きました.ここに 感 謝 いたします. NTT の 番 号 案 内 を 担 当 する, 当 時 の 番 号 案 内 事 業 部 の 古 賀 哲 夫 氏, 森 田 実 氏, 樫 木 護 氏,また, 実 用 化 システムの 開 発 を 担 当 された, 当 時 の 情 報 システム 本 部 の 渡 辺 徳 雄 氏 には 大 変 お 世 話 になりました. 感 謝 いたします.2012 年 には, 今 回 の あんないジョーズ 開 発 論 文 執 筆 に 当 たり, 当 時 の 貴 重 なデータを 開 示 していただいた NTT タウンページ 株 式 会 社 の 長 塚 順 三 氏 にも 感 謝 いたします. スマホアプリ 調 べ 鯛 の 開 発 に 当 たっては,Wikipedia からのオープンソー スの 取 得 に 関 してご 教 示 いただいた NTT アドバンステクノロジ 社 の 竹 野 浩 氏, このソースデータからの 人 名 抽 出, 加 工,さらには 調 べ 鯛 の 開 発 に 協 力 頂 いた 大 南 正 人 氏 (NTT ソフトサービス OB)には, 心 から 感 謝 いたします. 京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科, 石 田 松 原 研 究 室 の 博 士 後 期 課 程 3 年 の 後 藤 真 介 氏 には, 学 位 論 文 の 書 き 方, 書 式,フォーマットなどについていろいろと ix

10 教 えていただきました. 感 謝 いたします. 本 研 究 をまとめるための 環 境 を 整 えていただき, 動 機 づけをしていただいた, NTT ソフトウェア 株 式 会 社 社 長 山 田 伸 一 氏 に 感 謝 申 し 上 げます. 最 後 に,これまでの 国 内 外 への 論 文 投 稿, 今 回 の 学 位 論 文 の 執 筆 に 集 中 苦 闘 している 姿 をいつも 暖 かく 見 守 ってくれた, 妻 恵 美 子, 長 男 哲 博 由 佳 夫 妻, 二 男 浩 毅 知 恵 夫 妻, 三 男 敬 史 祐 子 夫 妻 に 感 謝 します. x

11 目 次 第 1 章 序 論 研 究 の 背 景 研 究 の 目 的 研 究 の 構 成... 4 第 2 章 簡 易 端 末 からの 文 字 入 力 方 式 技 術 はじめに 端 末 と 文 字 入 力 の 歴 史 米 国 におけるキーボード 端 末 の 歴 史 日 本 におけるキーボード 端 末 と 日 本 語 入 力 簡 易 端 末 からの 入 力 方 法 の 技 術 調 査 外 国 での 技 術 検 討 状 況 日 本 での 技 術 検 討 状 況 各 種 入 力 方 式 の 比 較 外 国 における 各 種 入 力 方 式 技 術 と 比 較 英 文 作 成 検 索 用 キーワード 入 力 日 本 における 各 種 入 力 方 式 技 術 と 比 較 ポケットベルの 時 代 携 帯 電 話 (フィーチャーフォン)の 時 代 スマートフォンの 時 代 まとめ 第 3 章 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 考 案 と 自 動 番 号 案 内 システムの 開 発 評 価 はじめに 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 考 案 と 対 話 誘 導 技 術 オペレータ 番 号 案 内 の 解 析 (A) オペレータ 案 内 の 手 順 (B) オペレータ 対 話 の 効 率 化 対 策 (C) 電 子 電 話 帳 DB の 構 成 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 考 案 (A) 従 来 の 自 動 化 サービスの 課 題 と 新 方 式 検 討 (B) 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 曖 昧 性 解 消 のための 知 的 対 話 誘 導 技 術 知 的 対 話 誘 導 技 術 1 入 力 情 報 数 最 小 化 技 術 知 的 対 話 誘 導 技 術 2 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 技 術 xi

12 3.3 自 動 電 話 番 号 案 内 システムの 開 発 と 評 価 プロトタイプの 開 発 (1) サーバ (2) クライアント プロトタイプの 評 価 A. 接 続 時 間 B. 正 答 率 商 用 システムの 開 発 商 用 システムの 評 価 (1) 呼 の 処 理 件 数 (2) 処 理 性 能 ( 接 続 時 間 ) (3) ヒューマンインタフェース まとめ 第 4 章 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 有 効 性 評 価 はじめに 日 本 における 文 字 入 力 方 式 文 字 コード 化 入 力 方 式 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 循 環 型 文 字 指 定 方 式 (マルチタップ 入 力 方 式 ) フリック 入 力 方 式 各 種 データベースの 縮 退 状 況 の 調 査 住 所 データベース (1) 都 道 府 県 名 レベル (2) 町 字 名 レベル (3) 市 区 郡 レベル 人 名 データベース( 電 話 帳 からの 抽 出 ) (1) 姓 のレベル (2) 名 のレベル (3) 人 名 ( 姓 + 名 )のレベル Wikipedia に 掲 載 の 人 物 名 事 典 日 本 語 ( 国 語 ) 辞 書 の 縮 退 状 況 調 査 結 果 のまとめ まとめ 第 5 章 曖 昧 性 を 許 容 したキーワード 入 力 方 式 に 基 づくスマートフォンアプリケーショ ンの 開 発 と 評 価 はじめに xii

13 5.2 適 用 可 能 性 の 評 価 情 報 検 索 用 DB の 作 成 Wikipedia 人 物 名 DB の 重 複 度, 縮 退 率 調 査 スマートフォンアプリケーションの 開 発 検 索 用 人 物 名 DB の 作 成 スマホアプリ プロトタイプの 概 要 検 索 実 験 と 既 存 入 力 方 式 との 比 較 検 索 課 程 の 検 索 目 標 と 距 離 の 可 視 化 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 とプロトタイプ 評 価 評 価 の 概 要 (A) 入 力 方 式 の 評 価 (B)スマホアプリの 評 価 評 価 者 のプロフィール 入 力 方 式 の 評 価 (1) アンケート 調 査 (2) 文 字 入 力 実 験 と 他 入 力 方 式 との 比 較 スマホアプリ プロトタイプの 評 価 まとめ 第 6 章 結 論 参 考 文 献 発 表 論 文 xiii

14 図 一 覧 図 2.1 米 国 における PB 電 話 機 へのアルファベット 配 置 図 2.2 日 本 における PB 電 話 機 への 50 音 の 配 置 ( 例 ) 図 2.3 フリック 入 力 方 式 の 入 力 例 ( 例 としてキー2) 図 3.1 電 話 機 への 文 字 配 置 図 図 3.2 自 動 電 話 番 号 案 内 サービス あんないジョーズ のシステム 構 成 図 図 4.1 テンキーへのひらがな 配 置 図 ( 図 2.2, 図 3.1 再 掲 ) 図 4.2 マルチタップ 方 式 に 必 要 な 機 能 キー 等 配 置 例 図 4.3 フリック 方 式 採 用 時 のテンキーへの 文 字 表 示 例 図 4.4 よみがな 文 字 数 / 数 字 列 数 Nと 表 現 可 能 数 / 実 在 データ 件 数 図 4.5 町 字 レベルの 地 名 の 分 布 状 況 図 4.6 市 区 郡 レベルの 地 名 の 分 布 状 況 図 4.7 F 県 における 姓 の 分 布 状 況 図 4.8 F 県 における 名 の 分 布 状 況 図 4.9 電 話 帳 記 載 の 人 名 の 分 布 状 況 図 4.10 F 県 における 加 入 者 の 姓 名 の 分 布 状 況 図 4.11 Wikipedia から 作 成 した 人 名 事 典 内 の 人 名 の 分 布 状 況 図 4.12 日 本 語 ( 国 語 ) 辞 書 の 分 布 状 況 図 画 面 に 表 示 された 候 補 の 選 択 で 選 択 が 完 了 する 割 合 図 5.2 スマホアプリ 調 べ 鯛 の 画 面 遷 移 の 例 ( 大 島 優 子 を 検 索 ) 図 5.3 入 力 文 字 数 と 目 的 人 物 との 距 離 変 化 (ひらがな 列 入 力 vs. 数 字 列 入 力 ) 図 5.4 入 力 方 式 と 年 齢 層 による 入 力 時 間 の 比 較 図 5.5 年 齢 と 入 力 方 式, 入 力 時 間 との 関 係 ( 直 線 は 回 帰 直 線 ) 図 5.6 エラー 率 の 3 入 力 方 式,3 年 齢 層 比 較 xiv

15 表 一 覧 表 2.1 外 国 における 各 種 入 力 方 式 の 比 較 表 2.2 日 本 における 各 種 入 力 方 式 の 比 較 表 2.3 文 字 コード 化 方 式 で 使 用 されるコード 表 ( 例 ) 表 3.1 プロトタイプの 性 能 評 価 表 3.2 入 力 時 に 曖 昧 性 が 生 じるいくつかのケースにおける 事 象 と 処 理 時 間 表 4.1 日 本 の 50 音 表 とテンキーへの 配 置 ( 拗 音, 促 音 を 除 く) 表 5.1 実 験 に 使 用 した 人 名 (100 名 ) 一 覧 表 5.2 実 験 対 象 者 100 名 の 内 訳 (10,11 文 字 では 比 率 は 小 さいが 1 名 は 選 択 ) 84 表 5.3 検 索 完 了 までの 操 作 回 数 の 比 較 表 5.4 被 験 者 の 構 成 と 携 帯 スマートフォン 保 有 状 況 表 5.5 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 評 価 表 5.6 入 力 実 験 用 人 名 一 覧 (40 名 ) 表 5.7 スマホアプリ 調 べ 鯛 の 評 価 xv

16 xvi

17 第 1 章 序 論 1.1 研 究 の 背 景 現 在 は,いわゆる 電 信 電 話 の 歴 史 上 大 きな 変 換 点 にさしかかっていると 考 え られる. 電 信 電 話 発 祥 の 明 治 時 代 は, 電 話 は 音 声 通 話 の 大 事 な 手 段 であり, 電 信 は 文 字 通 信 の 大 事 な 手 段 であった. 電 話 機 はオペレータを 呼 び 出 す 電 話 機 (1890 年 電 話 サービス 開 始 [Shiromizu 2004])から 自 分 で 番 号 を 入 力 するダイア ル 式 電 話 機 (1926 年 ),ダイアルからより 高 速 に 番 号 投 入 ができるプッシュボタ ン 式 電 話 機 (PB 電 話 機 )(1969 年 )[NTT 2015]に 代 わり,その 後 携 帯 電 話 機 (1989 年 超 小 型 携 帯 電 話 機 が 発 売 )[Wikipedia 2015]が 戸 外 でも 電 話 ができる 手 段 とし て 登 場,さらには 大 きな 画 面 を 有 してパソコン 並 みの 能 力 を 有 するスマートフ ォン(2008 年 )[Palmer 2008]が 出 現 するに 至 った. 電 信 は 当 初, 電 報 の 文 字 通 信 として 1869 年 にスタート[Shiromizu 2004]して, 長 い 間 電 報 として 市 民 に 親 しまれてきた.また 1930 年 代 からはテレックスも 使 用 されてきたが,ファクシミリやコンピュータを 使 った 電 子 メールの 普 及 等 に より, 急 速 に 衰 退 した(2000 年 代 )[KDDI 2014]. 電 報 は 慶 弔 電 報 などで 引 き 続 きサービスが 継 続 されている. また,インターネット 利 用 が 1990 年 代 に 急 速 に 広 まった.インターネットへ のアクセスはコンピュータからだけではなく, 携 帯 電 話 機 等 の 電 話 機 端 末 から も 利 用 されるようになり, 電 話 機 は 電 話 機 能 だけではなくコンピュータ 機 能 も 併 せて 持 つようになった.このことから 携 帯 電 話 機 は 電 子 メールの 送 受 信 にも 利 用 されている. このように, 携 帯 電 話 機 やスマートフォンを 通 じてインターネットにアクセ スして 情 報 検 索, 収 集 や 電 子 メール 送 受 信 を 行 うためには, 検 索 語 や 通 信 文 を 入 力 する 必 要 がある.この 様 に 電 話 機 は 電 話 機 能 を 利 用 して 音 声 を 送 る 機 能 よ りも, 文 字 を 入 力 して 情 報 検 索 や 電 子 メール 通 信 を 行 う 機 能 のほうがより 多 く 用 いられるようになってきている.また, 音 声 についても 電 話 音 声 ではなく, 1

18 音 声 認 識 を 利 用 したインターネットアクセスなども 機 能 も 使 われ 始 めている 年 以 降 の 四 半 世 紀 において, 電 話 機 の 歴 史 的 変 遷 と 機 能 や 役 割 の 変 遷 の 中 で, 音 声 を 使 うサービスと 文 字 を 使 うサービスが 混 在 してきている このような 状 況 の 中 で, 筆 者 は 明 治 以 来 の 長 い 歴 史 を 持 つ 電 話 番 号 案 内 サ ービス の 自 動 化 という 課 題 に 直 面 する 機 会 を 得 た.それまでは,104 番 に 電 話 をして, 電 話 機 を 通 じてオペレータに 住 所 と 加 入 者 名 義 を 音 声 で 伝 えて 探 している 相 手 の 電 話 番 号 を 聞 くサービスを, 利 用 者 自 身 が 電 話 機 を 通 じて 文 字 を 入 力 するという 画 期 的 な 変 換 を 迫 るサービスの 開 発 を 要 請 された. これが, 今 回 の 研 究 を 開 始 して, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 新 規 に 開 発 する ことの 発 端 になった. 諸 外 国 においては,キーボード 文 化 が 浸 透 しているため, 電 話 機 のような 簡 易 端 末 からの 文 字 入 力 の 研 究 については 研 究 [Rabiner 1976] [Kondraske 1986]はあるものの, 実 用 的 なレベルでの 検 討 はなかった. 国 内 にお いても,キーボードからの 子 音 入 力 を 利 用 してキータッチの 数 を 減 少 させる 特 許 [Okamura 1982]はあるが, 電 話 機 を 使 うという 発 想 は 存 在 していなかった. このため, 今 回 の 入 力 方 式 の 考 案 には, 米 国 の 事 例 を 参 考 にしつつ, 大 量 の データを 対 象 にした 曖 昧 性 解 消 のための 工 夫 が 必 要 であった.この 結 果, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 開 発 され, 同 時 に 曖 昧 性 解 消 のための 知 的 対 話 誘 導 技 術 を 開 発 した[Higashida 1997] [Higashida 2001] [Higashida 2013]. ここで 開 発 した 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 対 話 誘 導 技 術 は, 自 動 化 電 話 番 号 案 内 サービス あんないジョーズ として 1998 年 に 公 衆 サービスとして 具 現 化 さ れ,2007 年 に 終 了 するまで, 多 くの 人 に 利 用 された.また, 当 初 は 他 にも 同 様 のサービスが 提 供 されて 利 用 される と 期 待 した.しかし, 同 様 の 提 案 はい くつかあった[Tanaka 2001] [Tanaka2002] [Masui 2012]ものの, 目 標 が 達 成 される 状 況 が 実 現 することはなかった. あんないジョーズ が 提 供 されて 以 降, 簡 易 端 末 として 考 えていた PB 電 話 機 はオフィスや 家 庭 に 固 定 的 におく 電 話 機 として 引 き 続 き 利 用 されてきた.し かし,1990 年 代 後 半 に 出 現 した 携 帯 電 話 機 は 戸 外 でも 使 用 できる 電 話 機 として 利 用 者 が 急 速 に 拡 大 し, 同 時 に 当 時 急 速 に 普 及 していたインターネット 接 続 を 利 用 して 様 々な 情 報 検 索 サービスが 提 供 された.2008 年 には 日 本 でもスマート フォンが 発 売 されて,さらに 便 利 になった 携 帯 電 話 機 は 広 く 利 用 される 簡 易 端 末 となった.この 間 に, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 以 外 にも 循 環 型 文 字 指 定 方 式 (マ ルチタップ 入 力 方 式 )[Hasegawa 2010] [Komachi2011]やフリック 入 力 方 式 [Hamano2013]などいろいろな 入 力 方 式 が 提 案 されて, 多 くの 利 用 者 に 利 用 され, 浸 透 してきている. このため, 今 回 の 研 究 では,この 四 半 世 紀 における 電 話 機 の 機 能 的, 形 態 的 な 時 代 的 変 遷 による, 利 用 者 とのインタフェースが 変 化 していることを 考 慮 し 2

19 た 上 で,これまでの 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 同 様 の 入 力 方 式 が 利 用 者 に 認 知 さ れなかった 理 由 を 検 討 し, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 適 用 可 能 な 領 域 や 適 用 可 能 になる 条 件 を 明 確 にして,その 実 用 性 を 証 左 することが 必 要 になった. 1.2 研 究 の 目 的 研 究 の 背 景 でも 記 述 したが, 本 研 究 は, 電 話 機 の 歴 史 的, 時 代 的 変 遷 と 電 話 機 を 使 用 した 各 種 サービスと 深 いかかわりを 持 っている. 本 研 究 では,まず,オペレータ 介 在 型 の 電 話 番 号 案 内 サービス ANGEL 1 の 一 部 を 自 動 化 電 話 番 号 案 内 サービスに 代 替 させるために 必 要 な, 電 話 機 からの 情 報 検 索 語 の 簡 便 な 入 力 方 式 の 開 発 ついて 検 討 して, 開 発 に 至 る 検 討 内 容 を 明 確 にするとともに,システム 開 発 を 行 い 商 用 サービスとして 提 供 した 時 の 評 価 を 明 らかにすることを 目 的 とする. そのためには 従 来 のオペレータサービスにおいて,オペレータが 利 用 者 から 効 率 の 良 い 検 索 を 行 うための 検 索 情 報 を 引 き 出 す 対 話 ノウハウを 検 討 [Muller 1955] さらに 実 際 のオペレータ 対 話 を 分 析 してノウハウを 抽 出 する 必 要 がある. またそれまでに 提 供 されていた 端 末 からの 自 動 検 索 サービス[Takahashi 1992] [Kato 1997] [Yatsuhashi 1993]の 利 害 得 失 を 精 査 して, 新 しい 入 力 方 式 を 検 討 する 必 要 性 もある. 次 に, 本 論 文 で 開 発 した 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 当 初 の 期 待 に 反 して 普 及 が 限 定 的 であったこと,また 他 の 同 様 の 入 力 方 式 の 試 みがあるにも 関 わらず, 同 様 に 普 及 に 至 っていないことの 原 因 を 明 確 にすることを 目 的 に, 各 種 データ ベースの 内 容 について 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 入 力 方 式 に 適 合 するか 否 か の 調 査 検 討 を 行 った. 電 話 機, 携 帯 電 話 機,スマートフォンのような 簡 易 端 末 からの 文 字 入 力 方 式 については,それぞれの 国 における 新 しい 端 末 が 出 現 したことによって,それ ぞれの 国 において 利 用 者 の 異 なる 反 応, 対 応 により 新 しい 文 字 入 力 文 化 が 発 生 しているとの 観 点 から,アジアにおける 近 隣 諸 国, 表 意 文 字 使 用 の 中 国 [Lin 2004] と 表 音 文 字 使 用 の 韓 国 における 文 字 入 力 方 式 [Myung 2004]についても 調 査 する こととした. 米 国 におけるタイプライターから 派 生 した QWERTY キーボードに よる 文 字 入 力 文 化 と 電 話 機 のテンキーを 用 いた 文 字 入 力 文 化 は, 携 帯 電 話 やス マートフォンの 形 状, 機 能 と 相 まって, 各 国 における 文 字 入 力 方 式 に 様 々な 影 響 を 与 えている.これらについても 調 査 検 討 することとした.しかしながら, これらの 研 究 は 携 帯 電 話 機 (フィーチャーフォン)に 該 当 するものであり,そ 1 NTT 情 報 通 信 用 語 集 : 3

20 の 後 のスマートフォンに 対 する 入 力 方 式 などについてはインターネット 上 の 情 報 を 参 考 とすることとした 234. その 上 で, 日 本 における 時 代 を 反 映 している 代 表 的 な 4 種 類 の 入 力 方 式 に 絞 って 利 害 得 失 を 比 較 検 討 するとともに, 本 論 文 で 開 発 した 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 適 用 できる 分 野 や 取 り 扱 うデータベースの 必 要 要 件 を 明 確 にすることを 目 的 とした. また,これまで 携 帯 電 話 機 やスマートフォンからの 各 種 文 字 入 力 実 験 評 価 [Hasegawa 2010] [Komachi 2011] [Hamano 2013]は 行 われていたが,スマーフォン が 出 現 してからまだ 間 もない 時 期 であったことにより, 当 時 の 携 帯 電 話 機 (フィ ーチャーフォン)に 有 利 な 結 果 となっている.また, 入 力 の 対 象 が, 文 章 や 意 味 のない 意 味 のない 文 字 列 などであることなどから, 具 体 的 な 検 索 目 標 がはっ きりしていなかった 状 態 での 入 力 実 験 であり, 具 体 的 な 検 索 目 標 があるアプリ ケーションを 想 定 しての 評 価 実 験 はなかった. 今 回, 本 論 文 では,スマートフォンなど 最 新 の 電 話 機 の 端 末 普 及 状 況 を 勘 案 して, 上 記 自 動 化 電 話 番 号 案 内 サービス 以 外 に 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 適 合 可 能 と 思 われるアプリケーションの 一 例 をプロトタイプとして 開 発 して,それが 実 際 に 利 用 者 にとって 有 益 なアプリケーションになっているかどうかの 判 断 が できる 評 価 を 行 うと 同 時 に, 他 の 入 力 方 式 と 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 との 比 較 実 験 を 行 うことで, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 今 後, 一 般 利 用 者 に 利 用 されるよう な 入 力 方 式 であるかどうかの 評 価 を 行 うことを 目 的 とした. 1.3 研 究 の 構 成 本 論 文 は 以 下 の 章 建 てで 構 成 している. 第 2 章 においては, 当 大 学 院 情 報 学 研 究 科 における 社 会 情 報 ネットワークセ ミナー 用 のレポート 技 術 サーベイ 論 文 として 本 年 2 月 に 提 出 したものをも とにして, 加 筆, 充 実 させたものである. 過 去 から 現 在 に 至 るまでの 文 字 入 力 方 式 開 発 の 経 緯 や 技 術 的 な 内 容 について 国 内 外 の 技 術 開 発 動 向 の 様 子 をまとめ た. 特 に 日 本 においては 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 開 発 されてから 20 年 近 い 日 が 経 過 しているが, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 開 発 時 前 後 も 様 々な 文 字 入 力 方 2 スマートフォンで 中 国 語 を 入 力 するには? iphone と Android: 3 Google Pinyin Input:, 4 Google Korean Input:, Google Play の Android アプリ:, 4

21 式 が 検 討 されていることから, 現 在 に 至 るまでの 技 術 開 発 動 向 についても 言 及 している. 続 いて, 第 3 章 は, 電 子 情 報 通 信 学 会 論 文 誌 に 投 稿 した 論 文 PB 電 話 機 を 用 いた 自 動 電 話 番 号 案 内 システムの 開 発 と 評 価 を 基 に 構 成 している.この 章 に おいては, 入 力 時 に 利 用 者 に 覚 え 易 くて 使 い 易 い 入 力 方 法 を 提 供 する 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 検 討 経 緯 について 述 べる.またこの 入 力 方 式 提 供 の 代 償 として, 入 力 された 情 報 が 具 体 的 には 文 字 ではなくキー 上 の 数 字 であること によって 生 じる 文 字 に 対 する 曖 昧 性 を 許 容 することになり,この 曖 昧 性 を 解 消 するための, 知 的 対 話 誘 導 技 術 について 述 べている.また,この 章 の 中 におい て, 商 用 システム あんないジョーズ の 開 発 の 経 緯 やシステム 構 成 など 商 用 システム 開 発 における 留 意 点 についても 言 及 している.また,これを 実 際 に 一 般 に 提 供 した 際 の 評 価 も 行 っている.ただ,この 内 容 については, 商 用 システ ム 提 供 直 前 の 社 内 モニターによるものである. 第 4 章 は, 本 年 10 月 開 催 の IEEE 主 催 Culture and Computing 2015 の 国 際 会 議 に 投 稿 して 採 録 が 決 定 した 論 文 One Touch Character: A Simplified Character Input Method for Mobile Computing に 基 づいている. 同 論 文 に 加 筆, 充 実 を 図 っている. この 論 文 の 中 では, 近 隣 国 で IT 技 術 の 普 及 が 進 んでいる, 韓 国 と 中 国 を 取 り 上 げ, 両 国 において, 入 力 方 式 とキーボード 文 化 との 馴 染 み 具 合, 携 帯 電 話 や スマートフォンの 登 場 による, 文 字 入 力 方 式 の 開 発 状 況 を 調 査 して, 入 力 文 化 がどの 様 に 浸 透 しているのかを 調 査 した. また, 携 帯 型 電 話 機 といっても 形 が 大 きな 自 動 車 電 話 やショルダーフォンの 大 きな 付 属 装 置 付 きの 携 帯 電 話 機 とは 異 なるいわゆる 超 小 型 の 携 帯 電 話 機 や 文 字 表 示 機 能 が 付 いたポケットベルが 出 現 した 1990 年 代 以 降 のポケットベルへの 短 い 通 信 文 の 作 成 や 携 帯 電 話 機 からのメール 作 成 などのために 開 発 された 文 字 入 力 方 式 のうちで, 文 字 コード 化 入 力 方 式, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式, マル チタップ 入 力 方 式, フリック 入 力 方 式 の 4 方 式 を 取 り 上 げて,それぞれの 方 式 について 長 所 短 所 の 調 査 比 較 をおこなった.このうちで, 本 章 では 文 字 情 報 入 力 方 式 を 使 って, 有 意 なアプリケーションが 開 発 できそうなデータベ ースがあるかどうかと,そのデータベースはどういう 性 質 を 備 えているべきか の 条 件 の 明 確 化 をはかった. 第 5 章 では,ヒューマンインタフェース 学 会 論 文 誌 への 投 稿 論 文 曖 昧 性 を 許 容 したキーワード 入 力 方 式 に 基 づく 情 報 検 索 スマートフォンアプリケーショ ンの 開 発 と 評 価,および 本 年 8 月 開 催 の 国 際 会 議 HCII 2015: International Conference on Human-Computer Interaction への 投 稿 論 文 Keyword Input via Digits: Simplified Smartphone Interface for Information Retrieval に 基 づいている.この 章 で は 第 4 章 で 検 討 した 結 果 として, 選 定 された Wikipedia から 作 成 した 約 13 万 5

22 名 分 の 人 物 名 事 典 を 例 題 として, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 利 用 した 情 報 検 索 ス マートフォンアプリケーション 調 べ 鯛 を 試 作 開 発 して, 評 価 している. 評 価 は 被 験 者 によるアンケートや 意 見 聴 取 などによる 定 性 的 な 評 価 と, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 のほかに マルチタップ 入 力 方 式 フリック 入 力 方 式 の 3 方 式 による 入 力 実 験 を 行 い, 定 量 的 な 評 価 も 行 った 結 果 について 述 べる. なお, 今 回 の 論 文 は,HCII2015 の 論 文 集 全 28 冊 のうちの 19 番 目 の 冊 子 LNCS DUXU Part II に 収 録 され,Springer 社 から 出 版 される 予 定 である.LNCS は Lecture Note on Computer Science, DUXU は Design, User Experience, and Usability の 略 語 である. 6

23 第 2 章 簡 易 端 末 からの 文 字 入 力 方 式 技 術 2.1 はじめに 検 索 したい 電 話 加 入 者 の 住 所 や 名 義 ( 個 人 の 場 合 は 姓 名, 法 人 の 場 合 は 法 人 名 義 )などの 検 索 用 キーワードをプッシュボタン 式 (PB) 電 話 機 のテンキーを 利 用 して 入 力 して, 検 索 する 自 動 電 話 番 号 案 内 サービス あんないジョーズ は 1998 年 にサービスが 開 始 された. 本 論 文 においては, 当 時 もっとも 普 及 していた PB 電 話 機 を 利 用 することを 前 提 にしたため, 基 本 的 に 1 文 字 1タッチ 方 式 で 文 字 を 入 力 する 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 (シングルタップ 方 式 )を 採 用 している. この 方 式 を 採 用 するに 当 たっては, 本 サービスの 方 式 検 討 段 階 で, 国 内 外 に おける 従 来 の 文 字 入 力 方 式 を 調 査 して 比 較 検 討 した. 当 時 の 電 話 機 端 末 の 普 及 状 況 や 想 定 される 利 用 者 を 考 慮 して, 覚 えやすくて 操 作 が 簡 単 な 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 採 用 した 年 に 入 るとインターネットが 広 く 一 般 の 人 にも 使 われるようになり, 電 話 番 号 検 索 も 利 用 者 がパソコンなどを 使 って 自 分 で 検 索 できるようになったこ ともあって, 電 話 番 号 検 索 自 体 の 需 要 が 減 少 したことから, あんないジョーズ は 2007 年 にはサービスを 終 了 したが,この 間, 約 1600 万 人 の 多 くの 人 に 利 用 された. しかしながら 2000 年 以 降 には 携 帯 電 話 機 が 急 速 に 普 及 して, 家 庭 用 電 話 機 の 利 用 が 減 ったり,2008 年 にスマートフォンが 発 売 され,その 便 利 さが 利 用 者 に 魅 力 的 であったことから, 従 来 の 携 帯 電 話 機 (フィーチャーフォンと 呼 ばれる) は 急 速 にスマートフォンに 移 行 したりするなど,2000 年 以 前 には 簡 易 端 末 と 呼 ばれていた 電 話 機 のハードとしての 機 能 性 能 などは 大 きく 変 化 してきている. 本 章 では,コンピュータとの 通 信 に 必 要 となる 入 力 方 式 について,コンピュ ータの 歴 史 と 端 末 の 進 化 の 歴 史 を 概 観 するとともに, 文 字 入 力 方 式 の 変 遷 につ いて 初 期 の 頃 から 現 在 に 至 るまでの 調 査 結 果 について 述 べる. 7

24 2.2 端 末 と 文 字 入 力 の 歴 史 米 国 におけるキーボード 端 末 の 歴 史 現 在, 我 々は 日 常 的 に,コンピュータとの 通 信 を 通 じて, 日 常 からビジネス に 至 るまで,コンピュータ 上 の 種 々のアプリケーションを 動 かして, 情 報 を 取 得 したり, 仕 事 をしたりしている. 特 にインターネットが 1990 年 代 後 半 以 降, 急 速 に 普 及 するに 及 んで,ビジネスに 携 わる 人 々 以 外 にも 多 数 の 一 般 の 人 々ま でもインターネット 上 の 情 報 を 享 受 できるようになった. コンピュータを 動 かして 各 種 のアプリケーションを 実 行 したり,インターネ ット 上 の 情 報 を 取 得 したりするためには, 端 末 装 置 と 呼 ばれるコンピュータと の 接 続 通 信 を 実 行 し,コンピュータから 受 け 取 った 情 報 を 利 用 者 に 提 供 する ための 装 置 が 必 要 になる. コンピュータ 発 祥 5 の 地 米 国 において,コンピュータに 対 する 最 初 の 文 字 入 力 手 段 はコンソールからのトグルスイッチだけであった.1960 年 代 にはタイプラ イターをはめ 込 んだ 形 態 のキーボードとディスプレイを 備 えたシステムコンソ ールが 開 発 され,1970 年 代 に 入 ってコンピュータとの 通 信 を 行 うコンピュータ 端 末 が 出 現 した.この 時 代 以 降,キーボードとディスプレイを 備 えた 端 末 装 置 とコンピュータとを 接 続 して,キーボードを 使 ってのビジネスや 業 務 が 行 われ るようになった.1980 年 代 に 入 りパソコンが 普 及 し 始 めるとコンピュータとキ ーボードは 一 体 となった 装 置 となった. このように 米 国 では,コンピュータへの 文 字 入 力 は 基 本 的 に,いわゆる QWERTY キーボードと 称 されるフルキーボードから 行 われ, 入 力 した 文 字 はデ ィスプレイ( 表 示 画 面 )に 表 示 されるような 状 態 で 行 われてきた. 米 国 ではア ルファベットを 入 力 するためのタイプライターに 親 しんできた 文 化 があるため, キーボードからの 文 字 入 力 には 特 に 抵 抗 なく 入 り 込 める 環 境 にあった 日 本 におけるキーボード 端 末 と 日 本 語 入 力 日 本 においても 端 末 やパソコンの 開 発 発 展 の 歴 史 は 米 国 とほぼ 同 じような 経 緯 をたどっている.しかし, 日 本 語 を 扱 えるという 観 点 でみると, 当 初, 米 国 から 導 入 された 端 末 などは 英 数 文 字 だけというような 状 況 であった 年 に 最 初 の 日 本 語 ワープロ JW10 が 発 売 6,1980 年 代 に 入 ってパソコ 5 世 界 初 のコンピュータは 1946 年 に 発 表 された ENIAC. 6 電 子 情 報 通 信 学 会, 通 信 ソサイエティマガジン, 開 発 物 語 : 8

25 ン 上 の 日 本 語 ワープロである 松 7 や 一 太 郎 8 などが 発 売 されて 初 めて, 日 本 語 がコンピュータの 中 で 自 由 に 扱 えるようになった. よみがな というひら がな 列 で 入 力 した 文 字 列 を 変 換 キーで 漢 字 かな 混 じり の 日 本 語 に 変 換 するという かな 漢 字 変 換 方 法 もこの 時 期 に 起 源 を 持 っていて, 日 本 独 特 の 文 字 入 力 方 式 が 開 発 されてきた. キーボードを 使 った 日 本 の 文 字 の 入 力 方 法 としては,パソコンやワープロの キーボードから 入 力 するのが 一 般 的 であった. 仕 事 をする 上 で QWERTY キーボ ードを 使 用 した 多 くの 人 はローマ 字 入 力 方 式 を 使 って 日 本 語 を 入 力 していた 9. 日 本 語 のためのカナキー 配 列 (QWERTY キーボードの 各 キーにカナが 印 字 され ている)や 特 殊 な 日 本 語 専 用 のキーボード 10 も 用 意 されたが, 普 及 は 限 定 的 であ った. 上 記 のような 歴 史 的 経 緯 を 考 えると, 米 国 においても, 日 本 においても 1980 年 代 までは,キーボードとディスプレイを 備 えたコンピュータ 端 末 はほぼ 業 務 用 に 限 られていて,オフィスや 事 業 所 で 働 く 人 たちが 勤 務 時 間 内 で 使 用 してい るというのが 日 常 的 で, 一 般 の 人 が 家 庭 で 使 うような 環 境 にはなかったと 言 え る.このため, 日 米 ともに 身 の 周 りにある 電 話 機 のような 簡 易 端 末 を 使 って, コンピュータとの 通 信 を 行 うことはできないかという 検 討 がなされてきて, 1970 年 代 から 今 日 に 至 るまで 長 い 間 にわたって 研 究 開 発 が 実 施 されてきた. 2.3 簡 易 端 末 からの 入 力 方 法 の 技 術 調 査 外 国 での 技 術 検 討 状 況 米 国 においては,すでに 1970 年 代 からオフィスにしかないキーボード 端 末 に 代 わって, 家 庭 や 街 中 にある PB 電 話 機 をコンピュータ 端 末 として, 情 報 入 力 や 情 報 検 索 に 使 用 できないかの 検 討 がなされてきた[James 1972] [Knowlton 1974] [Rabiner 1976] [Kondraske 1986] [Riskin 1987] [Feinson 1988] [Grover 1998] [UzZaman 2005]. 7 松 紹 介 の URL; AD). 8 一 太 郎 紹 介 の URL; 9 日 本 語 チトシハ キー 配 列 ( 正 式 名 称 JIS キーボード 配 列 )のカナキーボードをを 使 っ て カナ 入 力 をする 人 もいる.かつて 日 本 語 ワープロ 専 用 機 を 使 って 日 本 語 入 力 を 勉 強 した 経 験 者 には 多 くみられるが, 仕 事 でワープロソフトを 使 うオフィスなどでは カナ 入 力 をする 人 を 見 かけることは 少 ない. 10 富 士 通 の OASIS キーボード, 日 本 電 気 の M 式 キーボードなど. 9

26 PB 電 話 機 はキーボードに 比 べるとキーの 数 が 大 幅 に 少 ないため, 複 数 の 文 字 を 一 つのキーに 配 置 せざるを 得 ない. 米 国 においては,PB 電 話 機 には, 早 くか ら 2 から 9 までのそれぞれの 数 字 キーに 3 文 字 から 4 文 字 のアルファベット 26 文 字 が 割 り 振 られていた ABC 3 DEF 4 GHI 5 JKL 6 MNO 7 PQRS 8 TUV 9 WXYZ * A 0 ABC # F 図 2.1 米 国 における PB 電 話 機 へのアルファベット 配 置 PB 電 話 機 のボタンキーを 使 って 文 字 を 入 力 する 時 には, 一 つのキー 上 の 複 数 配 置 された 文 字 の 内 のどの 文 字 を 入 力 するのかを 指 定 するためにはキーを 押 下 した 後 に 追 加 の 操 作 が 必 用 なこと,また 一 つの 数 字 キー 上 に 配 置 された 文 字 を 指 定 しないで 曖 昧 性 を 残 したまま 一 度 のボタン 押 下 で 1 文 字 入 力 するためには, 単 語 文 字 列 などの 複 数 の 文 字 を 連 続 して 入 力 して, 入 力 された 数 字 列 (システ ムが 受 け 取 る 情 報 は 文 字 情 報 ではなく 数 字 情 報 のみ)に 対 応 する 文 字 列 候 補 ( 単 語 文 字 列 の 候 補 )を 表 示 して 選 択 する 曖 昧 性 を 解 消 するための 追 加 的 な 処 理 が 必 要 であることは, 当 時 から 認 識 されていて,これらのトレードオフを 考 慮 し た 上 で, 想 定 しているアプリケーションに 対 応 した 入 力 方 式 が 考 案, 提 供 され ていた 日 本 での 技 術 検 討 状 況 一 方, 日 本 においては, 前 述 したように,1980 年 代 から 日 本 語 をコンピュー タ 上 で 扱 う 動 きが 本 格 化 したが 当 初 はキーボードを 使 った 日 本 語 入 力 であった ため, 米 国 でのように, 電 話 機 のような 端 末 を 文 字 入 力 端 末 として 利 用 すると いう 動 きは 1990 年 代 に 入 ってからである.1990 年 代 に 入 るとポケットベルや 携 11 Western electric, A look at the evolution of dial telephone: 10

27 帯 電 話 でのメッセージ 通 信 や 盛 んになってきた. この 時 期 から,ポケットベル,PB 電 話 機, 携 帯 電 話 機 などの 簡 易 端 末 から 日 本 語 の 文 字 を 入 力 する 種 々の 方 式 が 精 力 的 に 検 討 されてきた[Kitamura1 1999] [Kitamura2 1999] [Ono 1998] [Tanaka 2002] [Tanaka 2003] [Higashida 2001].ただ 後 述 するように, 日 本 語 の 50 音 のテンキーへの 割 り 当 てをはじめとして, 入 力 方 式 についても 文 献 として 残 されているものは 必 ずしも 多 くなく,デファクト 的 に 提 案 されて 普 及 していった 入 力 方 式 が 多 い. 日 本 における 文 字 入 力 用 の 簡 易 端 末, 特 に 電 話 機 からスマートフォンへの 変 遷 は 簡 易 端 末 としてのハードウェアの 形 状, 性 能 や 機 能 が 文 字 入 力 方 式 と 密 接 にかかわっていることが 特 徴 的 である. 簡 易 端 末 の 代 表 としては, 1970 年 代 から 現 代 にいたるまでは PB 電 話 機 があげ られる.しかしながら, 電 話 機 は 1990 年 代 後 半 における 携 帯 電 話 機 の 登 場 から, 従 来 の 電 話 機 とは 異 なる 形 態 のものとなり, 電 話 機 能 以 外 にも,メールの 送 受 信 機 能 やインターネットアクセス 機 能 を 備 えるなど, 従 来 の 電 話 機 とは 大 きく 異 なった 端 末 となってきた. 特 に,2008 年 にスマートフォンが 発 売 されると,スマートフォンは, 電 話 機 能 も 有 するコンピュータ 端 末 の 様 相 を 呈 している.また,それまでの 携 帯 電 話 機 には 付 帯 していた,ハードウェアとしてのテンキーがなくなり, 大 きな 表 示 画 面 上 にソフトキーとして 実 現 されている. 文 字 入 力 方 式 も,これらの 端 末 ハ ードウェアの 機 能, 性 能 の 影 響 を 強 く 受 けている. 携 帯 電 話 やスマートフォン は,オフィスや 家 庭 にある 電 話 機 に 比 べて 比 較 にならないほどの 機 能 が 付 加 さ れていて,パソコンと 同 等 以 上 の 機 能 をもつものも 多 く,もはや 簡 易 端 末 とは 言 えない 状 況 になっている. 次 章 以 降 では,これらのハードウェアの 変 遷 とともに 検 討 されてきた, 各 種 文 字 入 力 方 式 を 調 査 してそれらの 間 の 比 較 検 討 をおこなう. 2.4 各 種 入 力 方 式 の 比 較 外 国 における 各 種 入 力 方 式 技 術 と 比 較 米 国 においては, 電 話 機 の 数 字 キーに 数 字 以 外 にアルファベットやその 他 の 記 号 等 を 複 数 配 置 されていた( 図 2.1 参 照 )ことから,これを 利 用 してメッセ ージを 作 成 したり,コンピュータ 端 末 として 利 用 したりする 方 法 などが 検 討 さ れた. 一 つのキーに 配 置 された 複 数 の 文 字 のうちの 一 つの 文 字 を 指 定 する 方 法 とし 11

28 ては 大 きく 分 けて, 以 下 の 2 通 りの 方 法 がある. 1 1 文 字 ごとに 文 字 を 確 定 する 方 法 意 図 する 文 字 が 書 かれたキーとその 文 字 がキーの 中 でどの 位 置 にあるか( 上 下 左 右, 右 上, 左 下 など)を 見 て, その 方 向 にあるキーを 押 下 して 意 図 する 文 字 を 確 定 する 方 法 ( 文 字 場 所 指 定 方 式,2 タッチ 方 式 などと 呼 ばれていて 一 種 の 文 字 をコード 化 するよう な 方 式 ) 2 1 文 字 ごとには 指 定 しないで 入 力 した 文 字 列 全 体 で 入 力 文 字 を 確 定 する 方 法 文 字 が 書 かれたキーを 意 図 する 単 語 のスペルに 従 って 一 度 ずつ 押 下 し, 押 下 された 連 続 キー 列 ( 実 際 には 数 字 列 )に 対 応 する 単 語 の 可 能 性 を 辞 書 で 調 べて, 候 補 を 利 用 者 に 提 示 して 選 択 させることですべての 押 下 キー 上 の 文 字 を 確 定 する 方 法 ( 予 測 変 換 選 択 方 式,シングルタップ 方 式 などと 呼 ばれている)がある. 米 国 においては, 日 本 の 携 帯 電 話 で 使 われている1の 中 の 一 つの 方 式 と 考 えら れるマルチタップ 方 式 ( 文 字 が 書 かれているキーを 複 数 回 押 下 することで 意 図 する 文 字 が 順 送 りされるようにしておいて, 自 分 の 意 図 する 文 字 が 表 示 された 時 点 で 文 字 を 確 定 する 方 法 )は 使 われていないようである. このような 入 力 方 式 のうち 代 表 的 なものを 表 2.1に 示 す. この 表 では,キーボードタイプ( 形 状,ハード/ソフト)や 表 示 機 能 の 有 無, 予 測 変 換 / 文 字 確 定 入 力 など,それぞれの 方 式 を 特 徴 づける 項 目 で 整 理 した. 表 2.1 に 示 す 入 力 方 式 が 提 案 された 目 的 は 英 文 作 成 と 情 報 検 索 用 キーワード 入 力 に 分 けられる. 英 文 作 成 英 文 作 成 に 関 しては 入 力 した 文 字 や 単 語 を 順 次 確 定 することが 必 要 である.2 度 のキータッチが 必 要 で 入 力 の 手 間 はかかるが 曖 昧 性 が 生 じることを 排 除 した 文 字 場 所 指 定 方 式 [James 1972] [Knowlton 1974], 曖 昧 性 が 生 じることを 前 提 にし て, 利 用 者 に 入 力 の 手 間 がかからないようにして, 予 測 変 換 を 使 って 候 補 を 提 示 して 利 用 者 に 選 択 させる 方 式 が 文 献 [Rabiner 1979] [Kondraske 1986] [Riskin 1987] [Feinson 1988]などで 提 案 されている 年 以 前 は 文 字 を 指 定 する 方 式 が 用 いられているが,1990 年 以 降 は 文 字 を 指 定 しないで 各 文 字 については 曖 昧 性 をのこしたままの 入 力 を 許 容 して, 予 測 変 換 などを 使 って 文 字 列 全 体 を 確 定 する 方 式 が 主 として 用 いられるようになっ 12

29 ている. 項 番 表 2.1 外 国 における 各 種 入 力 方 式 の 比 較 C: 曖 昧 性 を 生 じるか 否 か(Yes/No) D: 予 測 変 換 方 式 かどうか(Yes/No) 方 式 名 キーボード A 文 字 の 配 置 B C D 特 徴 独 自 性 等 2タッチ 文 字 指 定 方 式 PB 電 話 機 [James1972],[Knowlt (3 4) on 1976] 予 測 変 換 音 声 選 択 PB 電 話 機 方 式 [Rabiner 1976], (4 3) [Riskin 1987] 予 測 変 換 画 面 選 択 PB 電 話 機 + 方 式,[Kondraske 表 示 装 置 1986][Feinson 1988] 予 測 変 換 選 択 方 式 文 字 場 所 指 定 方 式 (T9),[Grover 1998] [UzZamman 2005] 5 1LineKeyboard [Li 2011] 6 H4 Writer [Mackenzie 2011] 12 個 のキーを 含 む 特 殊 な 入 力 機 器 8ソフトキー+ 機 能 キー 4ソフトキー+ 機 能 キー A:キータイプ(ハード(H),ソフト(S)) B: 表 示 画 面 の 有 無 (Yes/No) H 特 別 な 配 置 N N N H H 現 行 PB 電 話 機 の 英 語 配 置 現 行 PB 電 話 機 の 英 語 配 置 N Y Y Y Y Y H 英 文 字 は 特 別 な 配 置 Y Y Y S QWERTY26 文 字 を8 キーに 集 約, 配 置 S Y Y Y 希 望 する 数 字 文 字 が 表 示 されたキーを 押 下 した 後 その 文 字 がキー 上 のどの 位 置 ( 上 下 左 右 斜 め)にあるかを 再 度 キーを 押 下 して 数 字 文 字 を 確 定 する. 同 一 数 字 列 に 対 して 複 数 候 補 が 生 じたときは, 音 声 で 告 知, 何 番 目 かを 番 号 で 選 択 させて, 文 字 列 を 確 定. 同 一 数 字 列 に 対 して 複 数 候 補 が 生 じたときは, 付 属 画 面 に 表 示, 選 択 させて, 文 字 列 を 確 定. 聴 覚 障 碍 者 用 通 信 手 段 の 提 供. 何 種 類 かの 入 力 方 式 を 提 案.T9 入 力 方 式 のアイデア (アメリカ 版 )も 提 示. キーを 押 すごとに 対 応 する 数 字 列 に 対 する 英 語 候 補 を 画 面 に 表 示, 選 択 させて 文 字 列 を 確 定 する. 他 に3 回 のキー 押 下 で 表 示 されたキー 上 の 文 字 の 位 置 を 指 定 する 方 式,なども 開 示 している. 一 つのソフトキーに 配 置 された 文 字 の 区 別 は 意 識 しな いでキータッチして 予 測 変 換 で 候 補 表 示, 選 択 する. QWERTY26 文 字 のキーを8 個 のソフトキーに 集 約 配 置 したことに 独 自 性. 英 文 字 26 文 字 を 頻 度 ハフマンコーディングに 類 似 の 手 法 で 各 英 文 字 を 上 下 統 計 をもとに4キーに 分 Y N 左 右 (UDLR)の4 文 字 で 符 号 化 して 入 力. 英 文 字 を4 文 類, 配 置 字 でコード 化 したことに 独 自 性. これは, 前 者 の 方 式 を 採 用 するためには,テンキー 以 外 にも 方 向 を 示 すため のキーを 増 設 12 したり,キー 上 の 文 字 の 配 列 などについても 標 準 からは 外 れた 特 別 な 配 置 にしたりするなど, 特 別 なキーボードを 準 備 する 必 要 があったためで あると 考 えられる.その 点,テンキーは 配 置, 文 字 割 り 当 てなどは 標 準 のまま として, 入 力 された 数 字 列 に 対 応 する 文 字 列 の 候 補 が 限 られていることを 利 用 した 候 補 提 示, 選 択 方 式 のほうが 良 いと 考 えられるようになったものと 思 われ る. 文 献 [Grover 1998]は 米 国 Tegic 社 の T9 と 呼 ばれる 方 式 を 含 む 複 数 の 入 力 方 式 に 関 する 米 国 特 許 である.この 中 では 上 記 1に 基 づく 方 法 で 文 字 を 確 定 する 方 式 の 他 に 一 文 字 ずつ 入 力 するたびに(インクリメンタルに),その 文 字 列 で 始 ま る 単 語 候 補 を 提 示 する 予 測 変 換 機 能 なども 開 示 している. 文 字 がかかれている キーを 押 した 後 でキー 上 の 文 字 の 方 向 ( 上 下 左 右 )などを 指 定 する 方 法 は,ス マートフォンやタブレット 端 末 などでソフトキーを 使 ったフリック 入 力 方 式 の 原 型 とも 考 えられる. 12 たとえば 通 常 のテンキー 配 置 では 1 のキーの 左 や 左 上 にはキーがないため, 方 向 性 を 示 すためのキーが 必 要 になる. 13

30 特 に 上 記 のようなソフトキーが 出 現 してからは,PB 電 話 機 などよりもさらに 少 な い キ ー 数 で も 正 し く 入 力 で き る よ う な 仕 組 み が 研 究 さ れ て い る [Li 2011] [Mackenzie 2011]. 文 献 [Li 2011]では,QWERTY キーボード 配 置 のアルファベット 26 文 字 をその まま 1 列 8 つのソフトキー 上 にマッピングしたキーを 使 ってシングルタップ 方 式 で 入 力 できるようにした 試 みであり, 通 常 の 26 文 字 分 の QWERTY キー 配 置 のソフトキーボードと 比 べても 遜 色 のない 性 能 が 得 られるとしている(1Line keyboard と 称 している). 文 献 [Mackenzie 2011]ではさらに 少 ない 4 つのソフトキーしか 用 意 せず,ハフ マンコーディングの 考 え 方 を 使 った 入 力 方 式 を 提 案 している.この 方 式 は 操 作 方 法 に 慣 れるまでに 時 間 がかかる 可 能 性 がある. 検 索 用 キーワード 入 力 一 方, 情 報 検 索 用 のキーワード 入 力 に 関 しては, 実 例 は 少 ないが, 利 用 者 の 入 力 手 間 が 少 なくて 済 む1 文 字 ごとに 文 字 を 確 定 しない 曖 昧 性 を 許 容 した 入 力 方 式 が 採 用 されている.これは, 検 索 対 象 が 文 字 列 の 文 字 情 報 を 確 定 して 検 索 しなくても, 入 力 された 数 字 列 で 検 索 をしても 検 索 したい 対 象 を 特 定 すること ができる 状 態 であることを 意 味 している. 検 索 対 象 としては, 複 数 の 候 補 ( 曖 昧 性 )が 生 じにくい 小 規 模 なデータ 量 の データ 検 索 ( 企 業 内 電 話 帳 検 索 )を 志 向 する[Rabiner 1976]か, 曖 昧 性 が 生 じた 時 には, 画 面 がないために 音 声 で 候 補 を 提 示 して 利 用 者 に 確 認 する[Riskin 1987] ようにしている. 文 献 [Rabiner 1976]では,1000 人 程 度 の 企 業 内 の 電 話 番 号 検 索 を 行 うことをタスクとしているが, 姓 だけでは 重 なりが 増 えることを 考 慮 して, 名 のイニシャル 1 文 字 と 姓 で 検 索 するようにしている. 文 献 [Riskin 1987]では 電 話 機 を 通 じて, 電 話 網 の 先 にあるデータベースをテンキーの 数 字 列 で 検 索 する 技 術 を 紹 介 している.ここでは,テンキーから 入 力 された 数 字 列 を 実 際 に 存 在 する 可 能 な 英 字 文 字 列 に 展 開 して, 候 補 が 複 数 ある 時 には 可 能 な 英 字 文 字 列 を 電 話 機 を 通 じた 音 声 で 列 挙 して 利 用 者 に 選 択 させることで 利 用 者 が 望 む 文 字 列 を 特 定 していく. 特 定 された 文 字 列 で 電 話 網 の 先 に 存 在 するデータベースを 検 索 するようにしている. 文 献 [Kondraske 1986]では, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 同 様 に 文 字 ごとの 曖 昧 性 を 許 容 した 入 力 方 法 で 聴 覚 障 がい 者 のための 簡 単 な 文 字 通 信 用 の 単 語 検 索 ( 短 文 メッセージ 作 成 ) 手 段 を 提 供 している.このように 障 がい 者 のための 福 祉 目 的 で 入 力 操 作 の 手 間 を 軽 減 しようとする 試 みとして 各 種 アプリケーションが 開 発 されている. 14

31 2.4.2 日 本 における 各 種 入 力 方 式 技 術 と 比 較 日 本 における, 入 力 を 効 率 化 するための 検 討 状 況 を 表 2.2 ( 年 代 順 表 示 )に 示 す. 項 番 表 2.2 日 本 における 各 種 入 力 方 式 の 比 較 方 式 名 キーボード A 文 字 の 配 置 B C D 予 測 変 換 選 択 方 式 東 芝 特 許 [Okamura 1982] 文 字 コード 化 方 式 (ポケベル 方 式 ) 1990 年 代 前 半 文 献 無 循 環 型 文 字 指 定 方 式 (マルチタップ 方 式 ) (キー 連 打 方 式 ) 1990 年 代 後 半 文 献 無 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 (シングルタップ 方 式 ) 予 測 変 換 無 選 択 方 式 [Higashida 2001] 文 字 場 所 指 定 方 式 ( 小 野 勝 康 ) [Ono 1998] フルキーボー ド H QWERTY 配 置 Y Y Y 12 個 のキー H 文 字 は 数 字 2ケタで 符 /S 号 化 Y N N 12 個 のキー H 現 行 の 携 帯 電 話 かな 文 N /S 字 配 置 PB 電 話 機 の 12 個 のキー (4 3) 12 個 のキー (いわゆるテ ンキー) ローマ 字 入 力 方 式 5 個 10 個 ( 北 村 拓 郎 他 ) 15 個 等 の 少 [Kitamura1 数 キー 1999][Kitamura2 1999] 予 測 変 換 選 択 方 式 ( 日 本 版 T9) (シングルタップ 方 式 ) 2001,2002 文 献 無 予 測 変 換 選 択 方 式 TouchMeKey ( 田 中 久 美 子 他 ) [Tanaka 2002][Tanaka2003] フリック 入 力 方 式 アップル 2008 文 献 無 SLIME (シングルタップ,フリッ ク 混 合 方 式 )( 増 井 俊 之 ) 2013 文 献 なし H H H 現 行 PB 電 話 機 のかな 文 字 配 置 特 殊 配 置 ( 各 行 の5 文 字 が 複 数 のキーに 配 置 ) 打 鍵 効 率 を 考 慮 した キー 配 置 C: 曖 昧 性 を 生 じるか 否 か(Yes/No) D: 予 測 変 換 方 式 かどうか(Yes/No) 特 徴 独 自 性 等 フルキーボードを 使 用 したローマ 字 入 力. AIUEO のキーは あいうえお を 入 力 するときに のみ 使 用. か 行 以 下 は 子 音 キー (KSTNHMYRWGZDBP)のみを 押 下 して 母 音 の かな 入 文 力 字 を, 省 英 略 文 することでキーストロークを 字, 数 字 などの 各 文 字 を 数 字 削 2ケタ 減. で 符 号 化 して 入 力. 文 字 を 確 定 して 入 力. この 表 についても, 表 2.1 と 同 様 にキーボードタイプ( 形 状,ハード/ソフ N N Y N N N Y N N 12 個 のキー S 現 行 の 携 帯 電 話 配 置 Y Y Y 限 定 キー(10 または4キー + 機 能 キー) ソフトキー12 個 + 機 能 キー ソフトキーひ らがな10 個 + 機 能 キー A:キータイプ(ハード(H),ソフト(S)) B: 表 示 画 面 の 有 無 (Yes/No) S 現 行 の 携 帯 電 話 配 置 Y Y Y S 現 行 の 携 帯 等 のソフト キーが 前 提 Y N N S 10 個 のひらがなソフト キーは2 列 の 横 並 び Y Y Y あ 行 か 行 などが 配 置 された 数 字 キーを 押 す 回 数 でその 行 の 何 番 目 の 文 字 かを 確 定 して 入 力. 数 字 列 化 されたDBの 検 索 を 数 字 列 のキーワー ドで 検 索. 曖 昧 性 を 保 持 したまま 検 索 処 理 実 行. 曖 昧 性 が 解 消 できた 時 点 で 文 字 情 報 に 復 元 して 内 容 を 確 認. 英 文 字 については 文 献 8の 入 力 方 式 の 特 許 にも 開 示 されている. 入 力 したい 文 字 が 書 かれている 数 字 キー+ 上 下 左 右 等 の 方 向 を 示 す 数 字 キーを 押 すことで 入 力 文 字 を 確 定 して 入 力. 日 本 語 かな 文 字 の 配 列 に 独 自 性. 打 鍵 キー 効 率 を 考 慮 して 少 ないキータッチで ローマ 字 で 日 本 語 を 入 力 できるようにした. 日 本 語 の 母 音 清 音 の 子 音 濁 音 の 子 音 などに 英 文 字 を 分 類 してテンキーなどに 配 置. キーを 押 すごとに 候 補 ひらがな 文 字 列 が 画 面 表 示, 選 択 後 にかな 漢 字 変 換 して 再 度 選 択 して 入 力 文 字 列 確 定. 数 字 列 からひらがな 文 字 列,ひらが な 文 字 列 からかな 漢 字 混 じり 文 への 変 換 と2 段 階 変 換.( 現 在 では1 段 階 になっている) キーを 押 すごとに 候 補 文 字 列 (かな 漢 字 混 じり)を 優 先 順 位 により 画 面 表 示, 利 用 者 が 選 択 して 入 力 文 字 列 (かな 漢 字 交 じり 文 ) 確 定. 数 字 列 からかな 漢 字 混 じり 文 への1 段 階 変 換 に 独 自 性 行 の 一 番 目 の 文 字 のときはフリックしない.フリック する 方 向 ( 上 下 左 右 )でその 行 のどの 文 字 かを 指 定 して 文 字 を 確 定 する 入 力 方 式. ソフトキーボードならでは 入 力 方 式 シングルタップ 方 式 では 変 換 キーを 押 すことでそれ までの 入 力 に 対 する 候 補 を 表 示. フリック 方 式 では, 押 したキーの 横 と 下 にその 行 の すべての 候 補 が 表 示 され,そこへ 指 をスライドする ことで 文 字 を 指 定. フリック 入 力 方 式 開 発 者 が 開 発. 無 料 で 公 開 15

32 ト)や 表 示 機 能 の 有 無, 予 測 変 換 / 文 字 確 定 入 力 など,それぞれの 方 式 を 特 徴 づける 項 目 で 整 理 した. 日 本 においては,ポケットベルや 携 帯 電 話 が 普 及 する 以 前 の 1980 年 代 初 期 に, QWERTY フルキーボードからのローマ 字 入 力 の 日 本 語 入 力 の 打 鍵 数 を 削 減 する ために, あいうえお(a, i, u, e, o) の 母 音 以 外 の か 行 以 下 の 50 音 入 力 を 母 音 部 分 の 入 力 を 省 略 して 子 音 情 報 (k, s, t, n, h, m, y, r, w, g, z, d, b, p)だけで,ひ らがな 文 字 列 を 入 力 しようとする 特 許 出 願 がなされている[Okamura 1982]. 入 力 された 子 音 列 に 対 するひらがな 列 候 補 が 複 数 ある 時 は 画 面 に 表 示 されて 利 用 者 が 選 択 するようにしていて,シングルタップ 方 式 に 似 ている 方 式 ではあるが, ハードウェアがキーボードという 点 で 根 本 的 に 異 なる 方 式 であり,この 方 式 で の 実 際 の 入 力 実 施 例 はない. ポケットベルの 時 代 1990 年 代 前 半 に, 当 初 呼 び 出 し 用 に 使 われていたポケットベル(ポケベル) が 若 者 を 中 心 にメッセージ 交 換 用 ツールとして 使 われるようになると, 文 字 を コード 化 して 公 衆 電 話 機 などからもポケベルメッセージを 送 付 できるような 工 夫 がなされた.この 方 式 は 文 字 コード 化 方 式,ポケベル 方 式 などと 呼 ばれる 1 文 字 コード 化 方 式 (ポケベル 方 式 ) 13 文 字 コード 化 方 式 で 使 用 される 文 字 と 数 字 コードの 表 の 例 を 表 2.3 に 示 す 清 音 に 対 するコードはベンダ 間 で 一 致 しているが 濁 点 半 濁 点 の 配 置 や# や*の 記 号 などの 配 置 に 関 してはベンダ 間 で 異 なるものがある 表 2.3 文 字 コード 化 方 式 で 使 用 されるコード 表 ( 例 ) 1 桁 目 に 押 す キー 2 桁 目 に 押 すキー あ い う え お A B C D E 2 か き く け こ F G H I J 3 さ し す せ そ K L M N O 4 た ち つ て と P Q R S T 5 な に ぬ ね の U V W X Y 6 は ひ ふ へ ほ Z?! 7 ま み む め も \ & 8 や ( ゆ よ * # 9 ら り る れ ろ わ を ん 濁 点 半 濁 点 文 献 はないが, 下 記 URL に 説 明 がある.Wikipedia, にも 説 明 あり. 16

33 表 からわかるように, 例 えば あ は 11 い は 12, お は 15, か は 21 のように 2 ケタの 数 字 でコード 化 して 文 字 を 確 定 させながら 入 力 する 方 法 である. 例 えば よこはまし( 横 浜 市 ) を 入 力 するには と 5 文 字 2=10 個 のキーを 押 下 する. 濁 音 や 半 濁 音, 促 音 拗 音 などを 指 定 する 時 は*を 追 加 で 押 下 する 必 要 があるため 平 均 的 には 1 個 の 文 字 を 入 力 するため には 2 よりも 大 きな 数 字 の 操 作 数 となる. ポケベル 方 式 は, 携 帯 電 話 機 が 発 売 された 当 初 は 携 帯 電 話 からの 文 字 入 力 の 1 方 法 として 利 用 されたが,コード 表 を 手 許 においておくか,コードをすべて 覚 えていないと 入 力 できないために 主 流 にはなれなかった. 携 帯 電 話 (フィーチャーフォン)の 時 代 1990 年 代 後 半 に 携 帯 電 話 が 普 及 し 始 めて, 携 帯 メールの 送 受 信 や 携 帯 電 話 を 使 ってインターネットに 接 続 して 各 種 情 報 検 索 取 得 ができるようになると, 携 帯 電 話 機 のテンキーを 利 用 して 種 々の 日 本 語 入 力 方 式 が 提 供 されるようにな った. 上 記 ポケベル 方 式 もそのうちの 一 つである.このほかにも 携 帯 電 話 機 を 利 用 した 入 力 方 式 としては,マルチタップ 方 式 とシングルタップ 方 式 がある. また,1990 年 代 前 半 から PB 電 話 機 には, 数 字 キーの 上 に あ か などの 行 を 表 示 する 文 字 が 書 かれている 電 話 機 が 販 売 されるようになった( 図 2.2). これにより,PB 電 話 機 からも 日 本 語 のひらがな 文 字 を 入 力 する 手 段 が 提 供 され ることになった. 1 ABC あいうえお 2 ABC かきくけこ 3 DEF さしすせそ 4 GHI たちつてと 5 JKL なにぬねの 6 MNO はひふへほ 7 PQRS まみむめも 8 TUV やゆよ 9 WXYZ らりるれろ * A 0 ABC わをん # F 図 2.2 日 本 における PB 電 話 機 への 50 音 の 配 置 ( 例 ) 携 帯 電 話 機 を 使 ったひらがなの 入 力 方 式 では 同 じ 操 作 方 法 ではあっても,50 音 の 内 の 清 音 についての 操 作 方 法 は 同 じでも, 濁 音, 半 濁 音, 拗 音, 促 音 など 17

34 の 扱 いなどについては,ベンダ 間 で 異 なっていて, 利 用 者 は 使 用 機 種 によって 異 なる 操 作 方 法 を 覚 えないといけないという 混 乱 を 招 いた.これは 文 字 の 入 力 方 法 に 関 して 日 本 国 内 で 標 準 化 されなかったためであり,ベンダごとに 異 なっ た 入 力 方 式 が 乱 立 することになった. この 電 話 機 のテンキーへ 配 置 された 50 音 のキー 配 置 を 用 いて 考 案 されたの が, 前 述 の 文 字 コード 化 方 式 (ポケベル 方 式 )を 除 くと 以 下 の 二 つの 方 法 があ る. 1 循 環 型 文 字 指 定 方 式 (マルチタップ 方 式 ) 14 基 本 的 に 同 一 行 の5 個 のひらがな 文 字 の 内 のどの 文 字 かを 指 定 するのにど のキーを 押 下 する 回 数 を 使 う 方 式 である. 例 えば, か 行 を 押 下 する 回 数 ごとに か き く け こ か のように 循 環 して 次 の 文 字 へ 移 動 して いく. 自 分 の 意 図 する 文 字 にきたところでその 文 字 を 確 定 して, 次 の 文 字 入 力 に 移 行 する.このようにして, 順 次 文 字 を 確 定 しながら 入 力 操 作 を 続 ける. 一 つの 文 字 を 入 力 するのに 複 数 のキータップが 必 要 なことから,マルチタッ プ 方 式 という 名 称 や, 文 字 が 順 次 入 れ 替 わることからトグル 方 式 という 名 称 で 呼 ばれることもある. 濁 音 や 半 濁 音 などを 入 力 する 時 は, 清 音 入 力 後 に * キーを 押 下 して 区 別 する. 同 一 行 の 文 字 を 連 続 して 入 力 する 場 合 は, 先 に 入 力 した 文 字 を 確 定 する 操 作 を 実 行 してから 次 の 文 字 入 力 に 移 行 しないと, 意 図 とは 異 なる 文 字 が 入 力 されてしまう. 例 えば,この 方 式 で よこはまし( 横 浜 市 ) を 入 力 するためには とテンキーを 押 下 する. 押 下 するたびに 表 示 文 字 が 変 わるので, 自 分 が 意 図 する 文 字 が 表 示 された 時 点 で 次 の 文 字 入 力 に 移 行 すればよい. 問 題 は, 早 く 入 力 しようとして, 回 数 を 押 しすぎると 入 力 そのものを 取 り 消 して 再 度 やり 直 しになる.また おおさかし( 大 阪 市 ) の おお のように 同 じ 行 の 文 字 を 続 けて 入 力 する 時 は, と 入 力 することはできない ので と 入 力 して 文 字 確 定 キー をおして お を 確 定 してから と 押 して 次 の お を 入 力 することになる. 文 字 確 定 キー とし ては,12 個 キーの 場 合 は#を 充 てる 以 外 に 方 法 はないし, 機 能 キーが 付 い ていて 16 個 以 上 キーのある 場 合 は 右 シフト のキーが 使 用 されることが 多 い.このように 確 実 にキー 操 作 がこなせないと, 一 度 ミスを 犯 すと 手 戻 り が 大 きく, 入 力 の 負 担 が 大 きくなる. 14 トグル 方 式 とも 呼 ばれる. 下 記 URL に 説 明 がある.トグル 入 力 : 18

35 2 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 [Higashida 2001](シングルタップ 方 式 ) すべての 清 音 の 文 字 入 力 は1 文 字 に 対 してその 文 字 が 書 かれている 数 字 キ ーをワンタッチで 入 力 操 作 を 行 う.1 回 のタップではキー 上 のどの 文 字 が 入 力 されたかが 分 からないため, 文 字 情 報 が 縮 退 した 状 態 での 入 力 という 意 味 で[Higashida 2013]では 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 呼 称 している.また,1 文 字 1 タッチで 入 力 することからシングルタップという 名 称 で 呼 ばれる.さらに 英 語 では,ワンタッチで 1 文 字 を 入 力 できることを 意 図 して One Touch Character と 訳 している[Higashida1 2015]. 濁 音, 半 濁 音 などは 清 音 入 力 後 に * を 入 力 する. 全 自 動 電 話 番 号 案 内 サービス あんないジョーズ ではこの 方 式 を 採 用 したが,この 操 作 を 省 略 して, 清 音 も 濁 音 も 半 濁 音 もワンタッチでおこなう 方 法 もある. 文 献 [Tanaka 2002][Tanaka 2003]などでは,この 方 式 を 採 用 している.この 方 法 では 実 際 に 入 力 されるのは, 数 字 列 であるので T9 と 同 様 の 曖 昧 性 を 解 消 するための 追 加 操 作 が 必 要 になる. 全 部 を 清 音 化 する 例 での 入 力 例 を 示 すと, よこはまし( 横 浜 市 ) は の 5 回 の 操 作 ですむ. おおさかし( 大 阪 市 ) でも の 5 回 の 操 作 ですむ. 入 力 操 作 は 簡 単 ですぐに 覚 えられて 使 えるが, 入 力 された 数 字 列 に 対 して 多 数 の 候 補 が 存 在 する 時 には, 候 補 を 絞 り 込 む 操 作 が 利 用 者 の 負 担 に なることが 課 題 である. 入 力 数 字 列 に 対 するひらがな 文 字 列 の 候 補 が 少 ない 時 は 利 用 者 の 候 補 選 択 の 手 間 が 少 なく, 効 率 のよい 入 力 方 式 といえる. この 二 つの 方 式 が 考 案 され, 携 帯 電 話 でのひらがな 入 力 に 使 用 されたが,メ ール 文 の 送 受 信 などでは, 画 面 に 入 力 した 文 字 列 が 表 示 されて 確 認 しながら 入 力 できるマルチタップ 方 式 が 圧 倒 的 に 使 いやすいこともあって,ほとんどの 利 用 者 はマルチタップ 方 式 を 使 用 するようになっていた.ただ,マルチタップ 方 式 を 最 初 に 提 案 した 文 献 が 存 在 しないのは, 文 字 コード 化 方 式 と 同 様 である. シングルタップ 方 式 は,PB 電 話 機 を 検 索 条 件 入 力 端 末 とする あんないジョ ーズ に 使 用 されたことで 多 くの 利 用 者 に 利 用 された.このアプリケーション では 電 話 帳 データベースを 検 索 するための, 住 所 や 名 義 情 報 を 検 索 語 として 入 力 する 専 用 のアプリケーションとして 開 発 されている.シングルタップ 方 式 を 通 常 の 日 本 文 を 作 成 するために 使 うには,この 方 式 専 用 の ひらがな 文 字 列 を 数 字 列 に 変 換 した 辞 書 を 作 成 して 一 つの IME(Input Method Editor)として 作 成 しておく 必 要 がある. あんないジョーズ を 提 供 するにあたって 利 用 者 の 年 齢 層 としては 若 年 層 か ら 高 年 齢 層 までを 考 慮 したが, 利 用 端 末 としては, 機 能 キーをたくさん 有 する 携 帯 電 話 やオフィスの PB 電 話 機 (ビジネスフォン)ではなく, 一 般 の 家 庭 用 の 19

36 キーが 12 個 の PB 電 話 機 を 利 用 する 利 用 者 を 主 要 な 対 象 層 と 考 えていた. 他 に 専 用 の 変 換 DB を 備 えたアプリケーションが 出 現 しなかったために,この 方 式 は, あんないジョーズ 以 外 では 広 く 使 われることはなかった. このため, 携 帯 電 話 機 が 出 現 してから,スマートフォンが 登 場 するまでの 間 は,マルチタップ 入 力 方 式 が 主 として 使 われていた. この 間, 小 野 ( 文 献 [Ono 1998])や 北 村 ( 文 献 [Kitamura1 1999] [Kitamura2 1999]) などのように,キー 上 のひらがな 配 置 方 法 を 変 えた 状 況 での 入 力 方 式 や,かな 文 字 の 使 用 頻 度 を 利 用 して,ローマ 字 入 力 用 の 英 文 字 の 配 置 を 工 夫 した 方 式 な どが 検 討 されたが,いずれも 多 くの 利 用 者 を 獲 得 するには 至 らなかった. 他 には 文 献 [Tanaka 2002] [Tanaka 2003]のように,シングルタップ 方 式 を 普 通 の 日 本 文 を 作 成 するためのワープロとして 使 う 試 みをしていて, 入 力 された 数 字 列 に 対 して 一 旦 利 用 者 が 意 図 した ひらがな 列 に 戻 してから かな 漢 字 変 換 をしないで, 数 字 列 から 一 飛 びに かな 漢 字 変 換 された かな 漢 字 交 じり 文 に 変 換 することを 試 みている 例 もある.これはシングルタップ 方 式 による IME 実 現 しようとした 試 みであるが, 成 功 しているとはいえない 状 況 で ある. スマートフォンの 時 代 2,008 年 にスマートフォンが 発 売 され, 大 きなタッチパネル 上 に 表 示 されたソ フトキーを 用 いたフリック 入 力 方 式 が 提 案 されると, 日 本 語 の 文 字 入 力 環 境 は 一 変 した.フリック 入 力 利 用 者 が 若 者 を 中 心 に 急 速 に 増 大 した. スマートフォンを 利 用 したフリック 入 力 方 式 の 例 を 図 2.3に 示 す. き く く き か 2 こ こ け け き 2 く か こ か け A 図 2.3 フリック 入 力 方 式 の 入 力 例 ( 例 としてキー2) B 20

37 15 1 フリック 入 力 方 式 Aのように 入 力 の 対 象 となる 文 字 がすべてキーに 表 示 されていて, 単 にタッ チすると か が 入 力 され,タッチ 後 左, 上, 右, 下 にフリック( 指 を 引 っ 掻 くように 掃 く)とそれぞれ き,く,け,こ が 入 力 されるという 方 法 と, Bのように, か のキーをタッチするとその 上 にその 行 の 文 字 が 表 示 された 別 のキーが 現 れ, 自 分 が 入 力 したい 文 字 の 方 向 にフリックするとその 文 字 が 入 力 される 入 力 方 式 である.フリック 操 作 で 同 じキーでも 異 なる 文 字 を 入 力 するこ とができることから,この 名 称 で 呼 ばれる. この 方 法 での 入 力 例 として, よこはまし( 横 浜 市 ) を 入 力 するには 8 下, 2 下,6 タッチ,7 タッチ,3 左 となる.このように 操 作 は 簡 単 で 文 字 盤 を 見 ながら 操 作 できるため, 若 者 を 中 心 に 急 速 に 普 及 しているが,フィーチャーフ ォン( 携 帯 電 話 機 )とマルチタップ 入 力 方 式 になじんでいる 中 高 年 齢 層 の 人 に は, 馴 染 みにくい 方 法 と 受 け 取 られているようである. フリック 方 式 において 濁 音, 半 濁 音 入 力 の 時 には*を 追 加 で 入 力 して 明 示 的 に 入 力 することが 多 い.この*キーをタッチする 操 作 を 避 けるために, 図 2. 3,B の 変 形 として, 当 該 キーの 周 りに 濁 音, 半 濁 音, 拗 音, 促 音 などすべての 候 補 を 表 示 して, 意 図 する 文 字 の 方 向 にフリックして 入 力 できるようにしたも のなどもある[Hamano 2013]. この 方 式 は 最 初 アップル 社 の iphone で 2008 年 に ios 用 に 提 供 されたが,その 後,Android OS でも 提 供 されるようになった. 以 降,フリック 日 本 語 入 力 エデ ィタ IME: Input Method Editor としていろんなベンダから 提 供 されていて, 利 用 者 は 自 分 の 好 みの IME をインストールして 利 用 している. スマートフォンが 市 場 に 出 回 ると, 中 高 生 から 20 代,30 代 の 若 者 を 中 心 に 従 来 の 携 帯 電 話 機 からスマートフォンに 移 行 する 人 が 急 速 に 増 え,MM 総 研 の 調 査 では 2014 年 12 月 末 のスマートフォンの 契 約 数 は 6500 万 件 を 越 え, 携 帯 電 話 端 末 数 万 台 の 52%に 達 している 模 様 である 16. 上 記 IME には, 通 常,マルチタップ 方 式 やフルキーボードからのローマ 字 入 力 や 英 文 入 力 などもサポートされている.これらの IME は, 一 つのソフトウェ アテンキー 表 示 画 面 でフリックやマルチタップが 混 合 して 併 用 できるようにな っているものも 多 い 年 には,キーの 配 置 が 通 常 の 電 話 機 配 置 でなく,10 個 のキーを 2 行 5 列 15 コトバンクに 以 下 の 説 明 がある.URL: A%9B #E E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B MM 総 研 2014 年 国 内 携 帯 電 話 端 末 出 荷 状 況 21

38 に 並 べて,フリック 方 式 (5 文 字 の 並 べ 方 は 1 列 表 示 )とシングルタップ 方 式 が 併 用 できるようにした IME も 増 井 から SLIME という 名 称 で 発 表 されていて 提 供 されている[Masui 2012]. スマートフォンの 利 用 者 の 内,30 代 より 下 の 若 者 層 でスマートフォンに 移 行 した 利 用 者 はほとんどが,マルチタップ 方 式 からフリック 方 式 に 移 行 している. 40 代 以 降 の 中 年 層 の 大 半 と 65 歳 以 降 の 高 年 齢 層 の 人 はほとんどがマルチタップ 方 式 の 利 用 者 として 残 されたままか, 高 年 齢 層 の 人 などはメールや 文 章 作 成 機 能 は 使 わないという 人 が 多 いので, 文 字 入 力 方 式 は 利 用 しない 人 も 多 い. 2.5 まとめ コンピュータと 通 信 するために 端 末 が 開 発 されて 以 来 の 端 末 の 変 遷, 端 末 を 利 用 した 文 字 入 力 の 方 式 などの 変 遷 の 調 査 を 実 施 した. 端 末 からの 文 字 入 力 にはキーボードの 開 発 以 降 は, 基 本 的 にいわゆる QWERTY キーボードから 行 われてきた.しかしながら,パソコンが 出 現 してこ れが 一 般 家 庭 に 普 及 するまでの 間 は,キーボード 端 末 はオフィスや 事 業 所 で 仕 事 に 使 われている 状 態 が 普 通 であった.このため, 米 国 においては 1970 年 代 か ら, 日 本 においても 1990 年 代 から 今 日 に 至 るまで, 一 般 家 庭 にもあるような 簡 易 端 末 である, 電 話 機 のテンキーを 使 って 文 字 を 入 力 してコンピュータに 送 る というような 方 法 が 検 討 されてきた. 米 国 においては, 基 本 的 にキーボードからの 入 力 文 化 が 浸 透 していることか ら, 簡 易 端 末 からの 文 字 入 力 の 検 討 は 盛 んではなかったが, 日 本 では, 文 字 入 力 方 式 をポケットベルや 携 帯 電 話 機 から 学 習 した 人 が 多 いことから, 電 話 機 の テンキー 配 置 を 利 用 した 入 力 方 式 が 種 々 検 討 され, 急 速 に 普 及 していった. 文 字 コード 化 方 式 (ポケベル 方 式 )は 携 帯 電 話 機 の 登 場 と 同 時 に 急 速 に 衰 退 したが, 携 帯 電 話 機 上 では 循 環 型 文 字 指 定 方 式 (マルチタップ 方 式 )が 考 案 さ れ,メールの 送 受 信, 情 報 検 索 などに 利 用 された.また,PB 電 話 機 上 ではシン グルタップ 方 式 が 開 発 され, 自 動 電 話 番 号 案 内 サービス あんないジョーズ が 開 発 されて 公 衆 サービスとして 提 供 された. しかし 2008 年 にスマートフォンとフリック 入 力 方 式 が 登 場 すると,マルチタ ップ 方 式 が 全 盛 の 文 字 入 力 方 式 は 若 者 を 中 心 に 一 気 にフリック 入 力 への 移 行 し ている.ただ, 中 高 年 齢 層 は,フリック 方 式 の 操 作 性 になかなか 馴 染 めず,マ ルチタップ 方 式 から 抜 け 切 れないでいるのが 現 状 である.このような 中 で 覚 えやすくて 操 作 が 簡 単 なシングルタップ 方 式 は, 曖 昧 性 解 消 の 問 題 を 抱 えて いるものの, 面 倒 な 入 力 操 作 を 軽 減 できる 有 力 なツールとして, 適 用 するアプ リケーション 領 域 によっては, 中 高 年 齢 層 の 人 に 受 け 入 れられる 可 能 性 がある 22

39 と 思 われる. 今 回 の 調 査 の 結 果, 文 字 の 入 力 方 式 は,その 時 代 の 入 力 端 末 のハードウェア の 形 状 や 機 能, 性 能 などの 影 響 を 大 きく 受 けて 変 遷 していることが 明 らかにな った.それまで 簡 易 端 末 として 使 っていた 電 話 機 は, 携 帯 電 話 機,さらにはス マートフォンへと 移 行 するにつれて, 遠 隔 コンピュータへの 接 続 機 能 を 有 する 電 話 機 というよりは, 高 性 能 コンピュータに 電 話 機 能 もついている 高 機 能 端 末 という 様 相 を 呈 している. 現 在 から 近 い 未 来 においては,スマートフォン 端 末 とタッチパネル 状 のテン キーを 使 ったフリック 入 力 で 育 った 人 が 年 齢 を 重 ねていくようになると,フリ ック 入 力 方 式 がますます 主 流 になっていくものと 思 われる.しかし,スマート フォンがタブレット 端 末 のように 大 きくなってきて,タッチパネルの 上 にソフ トフルキーボードを 表 示 して, 両 手 を 使 っての 文 字 入 力 ができる 環 境 が 出 現 す ると,また 違 った 状 況 が 出 現 する 可 能 性 もある. 23

40 第 3 章 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 考 案 と 自 動 番 号 案 内 システムの 開 発 評 価 3.1 はじめに 電 話 加 入 者 の 住 所 と 名 義 を 聞 いて, 電 話 番 号 を 調 べて 利 用 者 に 案 内 する 電 話 番 号 案 内 サービスは 1890 年 に 開 始 され 120 年 以 上 の 歴 史 を 誇 るサービスである. このサービスは 電 信 電 話 事 業 の 付 帯 事 業 として, 当 初 無 料 で 開 始 された.し かし, 電 話 加 入 者 が 急 速 に 増 大 し, 番 号 案 内 の 利 用 が 拡 大 するにつれて, 手 作 業 によるオペレータ 案 内 には 限 界 が 生 じ,1986 年 ( 昭 和 61 年 )には, 電 話 帳 を 電 子 化 して,オペレータが 端 末 からキーワードを 投 入 して 電 話 帳 を 検 索 すると いう ANGEL(Advanced Number Guide by Electronic Computer) 17 サービスが 開 始 さ れ,IT 技 術 による 効 率 化 が 図 られた.この ANGEL サービスが 開 始 されるまで は, 番 号 案 内 のオペレータは 印 刷 配 布 される 全 国 の 県 別 電 話 帳 から 目 的 の 電 話 帳 を 探 して 手 で 繰 りながら 探 していたわけで,その 手 間 は 大 変 なものであった と 言 われている. ANGEL 開 始 後,1989 年 には 利 用 数 が 一 日 平 均 330 万 呼,1 時 間 最 繁 時 30 万 呼, 最 大 で 年 間 12.8 億 呼 になるに 及 んで, 操 作 端 末 数 が 6,000 台,3 交 代 24 時 間 サービスを 維 持 するためのオペレータの 数 は 20,000 人 を 超 えるようになった. このため,さらなる 効 率 化 のために 自 動 化 と 有 料 化 が 検 討 された 年 に 利 用 者 がパソコン 端 末 を 利 用 して 自 分 で 検 索 できる 自 動 化 サービス ANGEL LINE[Takahashi 1992] [Kato 1996] [Kato 1997]および, 番 号 検 索 用 専 用 端 末 ANGEL NOTE [Yatsuhashi 1993] 18 ( 両 者 とも 1 検 索 10 円 )が 有 料 化 に 合 わせ て 提 供 された 年 には, 新 たな 自 動 化 サービスの 提 供 が 検 討 され, 同 時 に 料 金 改 定 も 収 支 相 償 を 目 的 に 検 討 された.このために,これまでに 提 供 されてきた 電 話 番 号 17 NTT 情 報 通 信 用 語 集 : 18 端 末 の 写 真 掲 載 URL: 24

41 案 内 の 自 動 化 技 術 とオペレータの 番 号 案 内 の 対 話 技 術 を 検 討 した.この 結 果 と して, 文 字 入 力 方 式 として 新 たに 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 開 発 した.またこの 入 力 方 式 は 曖 昧 性 を 発 生 させる 場 合 があるため,これらを 極 力 抑 え, 曖 昧 性 が 生 じても 効 率 的 に 解 消 する 技 術 を 含 む 知 的 対 話 処 理 技 術 を 開 発 した. 次 に 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 知 的 対 話 誘 導 技 術 を 用 いた 自 動 電 話 番 号 案 内 シ ステムはプロトタイプを 開 発 して, 操 作 性, 実 用 性 を 評 価 した 後, 商 用 システ ムとして 開 発 された.このシステムは,1998 年 あんないジョーズ として 公 衆 サービスとして 提 供 され,2007 年 のサービス 終 了 まで 一 般 の 利 用 者 に 利 用 さ れた.アクセス 呼 数 は 約 1,600 万 に 上 る( 検 索 処 理 された 呼 数 は 約 1,300 万 ). 以 下,3.2 では 現 行 のオペレータによる 番 号 案 内 サービス 内 容 の 分 析 をして 新 たに 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 考 案 したプロセスと, 利 用 者 に 負 担 を 最 小 にして, 曖 昧 性 解 消 情 報 を 獲 得 する 対 話 誘 導 技 術 について,3.3 ではこの 技 術 を 用 いたシ ステム 開 発 と 評 価 について 述 べる. 3.2 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 考 案 と 対 話 誘 導 技 術 オペレータ 番 号 案 内 の 解 析 (A) オペレータ 案 内 の 手 順 番 号 案 内 のオペレータは 利 用 者 から 住 所 情 報 と 名 義 情 報 を 取 得 して 目 的 とす る 加 入 者 名 義 を 6,300 万 件 の 膨 大 な 電 話 帳 DB の 中 から 特 定 し,その 電 話 番 号 を 利 用 者 に 伝 えることを 任 務 としている. オペレータはコスト 削 減 のため, 利 用 者 との 応 対 時 間 をできる 限 り 短 くする ことを 求 められている.このため, 最 少 の 情 報 で 目 的 とする 検 索 結 果 を 出 せる ように, 地 名 の 取 得 順 序, 確 認 や, 姓 名 の 聴 取 確 認 などにおいては 高 度 な 知 的 活 動 をしている( 下 記 (2)の4~7,(3)の235など)[Muller 1995]. オペレータは 検 索 時, よみがな をキーワードとして 入 力 して 電 子 電 話 帳 DB を 検 索 する.また DB 検 索 時 は よみがな を 清 音 化 19 したもので 検 索 する. オペレータの 基 本 動 作 を 以 下 に 示 す. 19 濁 音 半 濁 音 をすべて 清 音 に 変 える.これは 利 用 者 が 中 島 を なかじま と なかしま など, 読 みを 混 同 していることがあるため,これを 救 済 するために 検 索 は 清 音 化 する.ただこれ だと 長 嶋 永 島 (ながしま)なども 検 索 されてくるため,オペレータは 漢 字 情 報 も 参 考 にし て, 画 面 を 見 ながら, 利 用 者 に 応 対 する. 25

42 (1) 個 人 名 義 検 索 か, 法 人 名 義 検 索 かを 聞 く (2) 個 人 名 義 の 時 1 まず, 地 域 ( 市 区 郡 )の 情 報 を 聞 く 2 町 字 しかわからない 時 はその 情 報 を 聞 く( 同 時 に 上 位 の 市 区 郡 まで 確 定 する) 3 県 名 しかわからない 時 は, 検 索 不 可 とする(サービス 終 了 ) 4 12で 得 られた 地 域 を 基 本 検 索 範 囲 とする( 確 認 の 時 は 常 に 一 つ 上 位 の 地 名 から 行 う) 5 姓 と 名 を 聞 く( 姓 しかわからない 時 も 結 果 が 得 られない 場 合 があること を 利 用 者 に 承 諾 してもらい, 検 索 は 実 行 する) 6 検 索 結 果 が 複 数 存 在 する 時 は, 丁 目 ( 必 要 に 応 じて 番 地 情 報 も 利 用 )ま での 住 所 情 報, 表 記 ( 漢 字 ) 情 報 をもとに 絞 り 込 む 7 候 補 の 絞 込 みにあたっては, 他 の 候 補 者 の 個 人 情 報 を 開 示 しないように, 利 用 者 からの 情 報 を 引 き 出 して 利 用 する(オペレータからの 情 報 提 供 は しない) 8 電 話 帳 不 掲 載 希 望 者 の 場 合 を 除 いて 番 号 を 案 内 してサービスを 終 了 する (3) 法 人 名 義 の 時 1 まず, 住 所 ( 市 区 郡 )を 聞 く 2 都 道 府 県 名 しかわからない 場 合 でもそこを 検 索 範 囲 として 検 索 を 実 行 す る 3 名 義 情 報 を 聞 く( 名 義 は 途 中 まででもよいし, 部 分 的 な 情 報 でもよい. また 当 該 会 社 が 提 供 する 製 品 名 などで 検 索 することも 可 としている) 4 名 義 情 報 を 聞 いて, よみがな で 投 入 5 検 索 結 果 が 複 数 ある 時 ( 本 店 支 店, 地 域 1 号 店,2 号 店 などのケース が 多 い)は, 例 示 して, 利 用 者 の 選 択 に 基 づいて 電 話 番 号 を 案 内 する. (B) オペレータ 対 話 の 効 率 化 対 策 オペレータ 会 話 を 分 析 してわかったことは, 以 下 の 2 つの 方 針 の 下 に 利 用 者 との 対 話 を 進 めていることである. 方 針 1: 入 力 情 報 数 を 最 少 化 26

43 利 用 者 からの 聴 取 情 報 の 個 数 を 最 少 にする. 特 に 住 所 情 報 は 検 索 範 囲 絞 込 みに 必 要 な 範 囲 にとどめる. 実 際, 基 本 的 には 市 区 郡 ( 都 内 の 場 合 は 市 区 郡 よりも 町 字 ) 情 報 + 名 義 名 ( 個 人 の 場 合 は 姓 + 名, 法 人 の 場 合 は 名 義 名 称 )から 電 話 番 号 を 検 索. 住 所 や 姓 名 で 曖 昧 性 ( 下 記 方 針 2 参 照 )が 生 じた 時 のみ, 追 加 情 報 獲 得 の 誘 導 対 話 を 実 行. 方 針 2: 対 話 の 中 での 曖 昧 性 解 消 聴 取 情 報 に 曖 昧 性 が 含 まれる 時 には, 解 消 のために 最 も 有 効 な 情 報 を 利 用 者 か ら 聴 取 する. 住 所 では 同 よみがな 異 表 記, 同 よみがな 同 表 記 異 場 所 の 曖 昧 性 が 生 じる 20. 前 者 の 場 合, 曖 昧 性 解 消 と 検 索 地 域 のさらなる 絞 込 みのためにより 下 位 の 情 報 を 聴 取 することが 検 索 範 囲 のさらなる 絞 込 みが 可 能 で, 効 果 的. 同 様 に 後 者 の 場 合 も,より 下 位 の 情 報 を 聴 取 することが 効 果 的. 下 位 情 報 が 得 られない 場 合 は 上 位 情 報 を 聴 取 することで 曖 昧 さを 解 消. 姓 / 名 の 場 合 は 同 よみがな 異 表 記 は 発 生 する 可 能 性 が 高 い.このよう な 場 合 は, 姓 と 名 の 合 わせ 技 21 か, 漢 字 の 表 記 情 報 を 使 うかして, 曖 昧 さを 解 消. (C) 電 子 電 話 帳 DB の 構 成 電 話 帳 DB の 加 入 者 インスタンスの 構 成 を 以 下 に 示 す( 表 記,よみがなを 含 む). 加 入 者 情 報 = 住 所 + 名 義 + 電 話 番 号 (1) 名 義 = 個 人 名 義 or 法 人 名 義 (2) また, 住 所 DB の 構 成 を 以 下 に 示 す. 住 所 = 都 道 府 県 名 + 市 区 郡 名 + 町 字 名 + 丁 目 + 番 地 情 報 (3) 個 人 名 義 法 人 名 義 の 構 成 を 以 下 に 示 す. 個 人 名 義 = 姓 + 名 (4) 法 人 名 義 = 名 義 + 枝 情 報 ( 本 支 店 名, 部 署 名 など) (5) 住 所 情 報 は 番 地 情 報 まで 含 めるとすべての 加 入 者 インスタンスには 異 なる 情 報 が 割 り 振 られている. 上 位 ( 都 道 府 県 名 )から 下 位, 細 部 ( 番 地 情 報 )まで 20 同 よみがな 異 表 記 の 例 : いずみし には 和 泉 市 ( 大 阪 府 ) と 出 水 市 ( 鹿 児 島 県 ) がある. 同 よみがな 異 表 記 居 場 所 の 例 : ちゅうおうく( 中 央 区 ) は 複 数 の 県 市 に 存 在 す る( 東 京 都 中 央 区, 大 阪 市 中 央 区, 札 幌 市 中 央 区 )など. 21 該 当 検 索 範 囲 に 取 得 した 姓 名 (よみがな)を 両 方 有 する 加 入 者 が 実 在 するかどうかをチェ ックして 曖 昧 性 を 解 消 する. 27

44 の 住 所 情 報 がすべて 取 得 できれば, 名 義 を 特 定 できる. 加 入 者 インスタンスを よみがな レベルで 見 ても, 同 様 にすべてのインス タンスは 異 なる よみがな 情 報 を 持 つ.この DB を, 市 名 と 姓 名 の よみが な だけの 情 報 で 検 索 しようとすると 両 方 とも 同 じ よみがな であるインス タンスである 場 合 が 発 生 する.これがオペレータ 案 内 で 生 じる 曖 昧 性 である. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 に 対 応 する DB は, よみがな をさらに, 図 3.1 に 基 づく 対 応 により 数 字 列 に 変 換 している. 従 って,この DB を, 市 名 と 姓 名 だ けの 数 字 列 情 報 で 検 索 しようとすると 同 数 字 列 で 異 なるインスタンス が 存 在 する 場 合 が 発 生 する.これが 今 回 開 発 するシステムで 発 生 する 曖 昧 性 で ある. 曖 昧 性 が 生 じた 時 には,これらのインスタンスの 間 で 異 なる 情 報 を 持 ってい る 部 分 を 探 し 出 し, 利 用 者 からその 情 報 を 取 得 することで 曖 昧 性 の 解 消 が 図 れ る. 利 用 者 が 所 有 する 情 報 の 内 で, 上 記 曖 昧 性 を 解 消 するための 最 適 情 報 を 聞 く ことが, 最 短 時 間 で 候 補 を 一 つに 絞 り 込 んで 番 号 案 内 をするために 必 要 である. 情 報 エントロピーの 観 点 からみると 以 下 のようになる.4,000 万 の 個 人 名 義 イ ンスタンスの 集 合 は 25.3bit の 情 報 エントロピーを 持 っており,2,300 万 の 法 人 名 義 インスタンスの 集 合 は 24.4bit の 情 報 エントロピーを 持 っている. インスタンスが 全 国 に 均 一 に 分 布 しているとすると, 都 道 府 県 名 (47)がわか れば 5.5bit 減 少 して 19.7bit になる.このようにしてインスタンス 集 合 の 中 から, 住 所 や 名 義 の 部 分 情 報 を 利 用 して 情 報 エントロピーを 減 少 させ, 情 報 エントロ ピーが 0bit になる 部 分 集 合 を 見 つけることが, 加 入 者 インスタンス 候 補 が 1 件 になったということである. 電 話 番 号 案 内 における 情 報 検 索 とは, 検 索 条 件 に 合 致 したインスタンスの 部 分 集 合 を 作 成 して 情 報 エントロピーを 減 少 させ, 最 終 的 には 情 報 エントロピーを 0 にするインスタンスの 部 分 集 合 ( 候 補 が 1 件 ) を 作 るゲームであると 言 える 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 考 案 (A) 従 来 の 自 動 化 サービスの 課 題 と 新 方 式 検 討 ANGEL LINE などの 自 動 化 サービスの 利 用 状 況 を 分 析 した 結 果, 以 下 が 新 た な 課 題 であることがわかった. 1 利 用 端 末 数 の 増 加 当 時 普 及 が 進 んでいた 電 話 機 を 端 末 として 利 用 する( 加 入 電 話 数 6,300 万 28

45 ( 住 宅 用 電 話 4,000 万, 事 務 用 電 話 2,300 万 ),および 公 衆 電 話 ). 2 簡 便 な 検 索 条 件 入 力 方 式 の 開 発 [Higashida 1997] [Satou 1997] [Higashida 1998] キーボード 操 作 に 不 慣 れな 利 用 者 ( 番 号 案 内 サービス 利 用 者 には 中 高 年 者 が 多 い)でも 電 話 機 を 使 って 簡 単 な 操 作 で 検 索 キーワードを 入 力 できる. これを 実 現 するため, 簡 便 な 検 索 キーワード( 住 所, 名 義 名 )の 入 力 方 法 に 関 して, 以 下 の 2 案 を 検 討 した. (1) 音 声 入 力 方 式 音 声 認 識 技 術 を 利 用 した 電 子 オペレータを 実 現 して, 利 用 者 とシステムの 音 声 対 話 で, 入 力 情 報 を 確 認, 検 索 処 理 を 実 行 する. (2) 文 字 入 力 方 式 PB 電 話 機 のボタンキーを 利 用 して 利 用 者 が 検 索 キーワードを 入 力,システム との 音 声 対 話 で 入 力 情 報 を 確 認, 検 索 処 理 を 実 行 する. (1) の 音 声 入 力 方 式 は 全 国 にあるすべての 電 話 機 から 使 用 可 能 なことから, 利 用 者 にとっては 便 利 である. 当 時, 外 国 ではいくつかの 先 行 事 例 [Mathew 1995] [Kamm 1995] [Seide 1997]として 実 験 された,あるいは 特 許 レベル[Lenning 1995] [Meador 1997]のものがあるが,いずれも 商 用 システ ムとして 成 功 したという 報 告 はない. 音 声 認 識 の 精 度 が 十 分 でないこと から, 利 用 できる 語 彙 を 大 きく 制 限 して 認 識 精 度 を 上 げる[Mathew 1995] [Kamm 1995] [Seide 1997] 工 夫 をするものや, 認 識 不 可 の 場 合 は 利 用 者 に 何 度 か 再 入 力 を 促 し,それでも 不 可 の 時 はオペレータにつなぐ[Lenning 1995]ハイブリッド 型 のもの,あるいは 単 語 認 識 と 音 韻 認 識, 綴 り 認 識 を 組 み 合 わせて 正 解 候 補 を 出 そうとするもの[Meador 1997]などがあるが, 利 用 者 には 大 きな 負 担 を 強 いるものであると 考 えられる. (2) の 文 字 入 力 方 式 については,PB 電 話 機 のボタンキーを 利 用 した 文 字 入 力 方 式 のアプリケーションとしては,ベル 研 究 所 内 の 職 員 1,300 名 程 度 を 対 象 にした 番 号 案 内 を 試 行 したもの[Rabiner 1976]があるが, 対 象 者 数 を 大 きく 絞 り 込 むことで 成 功 している.さらに, 後 年 には, 聴 覚 障 害 者 でメ ッセージ 送 信 をボタンキー 操 作 で 送 るサービスなどを 試 行 した 例 [Kondraske 1986]がある.しかし,この 場 合 も 使 用 できる 語 彙 を 絞 り 込 ん でいるため, 対 象 者 数 や 対 象 語 彙 が 膨 大 になった 場 合 についての 適 用 可 能 性 については 言 及 されていない. 29

46 2015 年 の 現 在 においては, 音 声 認 識 の 性 能 も 精 度 も 1990 年 代 に 比 べて 格 段 に 向 上 している. 特 にスマートフォンが 販 売 されてからは, 音 声 認 識 が,スマホ 単 体 ではなく, 入 力 音 声 がスマートフォンからインターネット 経 由 でバックグ ラウンド(クラウド)に 送 られて 高 性 能 な 処 理 承 知 で 認 識 処 理 がなされて 結 果 がスマートフォンに 返 送 されるようになり, 認 識 率 も 認 識 速 度 も 向 上 している. 文 章 レベルではまだ 十 分 な 性 能 が 得 られてはいないが, 単 語 レベルでは 精 度 よ く 認 識 できている. 現 在 においては, 住 所 や 名 義 のキーワード 入 力 に 音 声 認 識 を 使 うことも 考 え られるが,1995 年 当 時 においては, 性 能 も 精 度 も 利 用 者 を 満 足 させられるレベ ルではなかった. その 上, 音 声 認 識 を 使 った 入 力 は, 周 囲 に 人 がいないか, 入 力 内 容 を 聞 かれ ても 構 わない 環 境 にあるとかなど, 入 力 環 境 に 制 約 がある. 電 車 の 中 や, 公 衆 の 面 前 では 音 声 入 力 が 許 される 環 境 にないし, 周 囲 の 雑 音 環 境 で 性 能 や 精 度 が 低 下 することが 予 測 されるため, 音 声 入 力 を 主 要 な 入 力 方 法 として 選 択 するこ とは 見 送 ることとした.1995 年 当 時 としては 極 めて 妥 当 な 判 断 である. 以 上 のことを 考 慮 して,1990 年 代 のシステム 開 発 においては(2)の 文 字 入 力 方 式 を 採 用 することとして, 利 用 者 に 覚 え 易 くて 使 い 易 い 検 索 キーワード 入 力 方 法 を 提 供 する 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 [Higashida 1998] [Satou 1997]を 新 規 に 開 発 した. 卓 上 電 話 機 や 携 帯 電 話 機 などのような,キー 数 が 少 ない 端 末 装 置 からキーワ ードやメッセージ, 文 章 などの 日 本 語 文 字 を 入 力 できるようにする 試 みは, 本 入 力 方 式 の 提 案 後 も 種 々 開 発 されてきている[Grover 1998] [Tanaka 2002] [Tanaka 2003] [Chun 2011] [Mackenzie 1998]. 特 に 携 帯 電 話,スマートフォンが 普 及 し 始 めた 頃 からは, 表 示 機 能 があるため, 複 数 候 補 を 表 示 して 選 択 させるなど, 入 力 の 仕 方 に 大 きな 変 化 が 生 じてきている.また, 表 示 機 能 があることでメッセ ージや 文 章 などの 文 字 数 が 多 い 文 も 入 力 できるようになった. あんないジョーズ のサービスが 提 供 されて 以 降 に 提 案 された 各 種 入 力 方 式 を 比 較, 方 式 の 違 いなどは, 第 2 章 にまとめた. (B) 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 今 回 の 課 題 のうちで 大 きなものは, 以 下 の3 点 である. 入 力 装 置 として 特 別 な 装 置 を 用 意 するのではなく, 家 からオフィス,また 街 30

47 中 に 至 るまでどこにでもある PB 電 話 機 を 使 用 すること. 利 用 者 は 若 者 から 高 年 齢 層 の 男 女 と 幅 広 い 年 齢 層 とパソコンなどへの 関 与 に 関 しても 多 様 な 人 が 考 えられるため,これらの 人 々がすぐに 操 作 方 法 を 覚 え られ,すぐにでも 使 える( 覚 え 易 くて 使 い 易 い )ようにすること. PB 電 話 機 を 使 用 することから, 一 般 には 表 示 機 能 がないことを 想 定 して, 入 力 操 作 はなるべく 少 なく, 表 示 機 能 がなく 目 視 確 認 できなくても 操 作 に 大 きな 支 障 が 生 じないこと(すなわち, 入 力 負 担 を 軽 減 すること) 以 上 の 点 から, 今 回 の 入 力 方 式 としては 操 作 がなるべく 簡 単 になるように 以 下 のようにした. 1つの 文 字 を 入 力 するのには, 入 力 操 作 負 担 を 軽 減 する 観 点 からキー 操 作 は1 度 の 押 下 操 作 で 済 むこと. 入 力 操 作 で 生 じる 文 字 の 曖 昧 さは, 複 数 の 文 字 入 力 の 結 果 として 可 能 性 の ある 文 字 列 がなるべく 少 なくなるようにすること,および 曖 昧 性 が 生 じた 時 は 利 用 者 との 対 話 で, 曖 昧 性 を 解 消 するようにすること. これが, 今 回 開 発 した 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 である. 一 つの 文 字 入 力 に 1 度 し か 押 下 操 作 をしないため, 文 字 情 報 が 縮 退 している 状 態 での 入 力 方 式 であるこ とからこのような 名 称 とした. (その 後,シングルタップ( 第 2 章 参 照 )とかワンタッチキャラクタ ー One-Touch-Character [Higashida1 2015]などの 名 称 も 使 っているが,いずれも 本 方 式 の 特 徴 を 表 現 した 名 称 である.) 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 での 入 力 方 法 は,PB 電 話 機 の 各 ボタンキーに 配 置 され た 文 字 を 見 ながら, 入 力 する 日 本 語 の よみがな を ひらがな 文 字 列 とし て,そのひらがな 文 字 列 が 配 置 されている PB キー( 図 3.1 参 照 )を 文 字 単 位 に 一 度 ずつ 押 していくという 入 力 方 式 である. 1 ABC あいうえお 4 GHI たちつてと 7 PQRS まみむめも * A 濁 点 半 濁 音 2 ABC かきくけこ 5 JKL なにぬねの 8 TUV やゆよ 0 ABC わをん 3 DEF さしすせそ 6 MNO はひふへほ 9 WXYZ らりるれろ # #: 区 切 り ##: 終 了 F 図 3.1 電 話 機 への 文 字 配 置 図 31

48 結 果 として, よみがな 文 字 列 に 対 応 した 数 字 列 を 入 力 することになる. 例 えば, とうきょうと( 東 京 都 ) を 入 力 するには,そのよみがな とうき ょうと を 清 音 化 した とうきようと の 各 文 字 と う き よ う と に 対 応 するキーの 数 字 をこの 順 に 一 度 ずつ 押 下 する. 入 力 される 数 字 列 は となる.この 場 合 は に 対 応 する 地 名 は とうきょうと( 東 京 都 ) 以 外 には 存 在 しないので, とうきょうと と 認 識 される. 入 力 操 作 は, 全 部 で 5 回 である.これは 入 力 の 負 担 が 大 幅 に 減 少 する 例 である.(マルチタップ 方 式 でこれと 同 様 の 情 報 を 入 力 するためには と(4 を 5 回 ) う(1を 3 回 ) き(2 を 2 回 ) よ(8 を 3 回 ) う(1を 3 回 ) と(4 を 5 回 ) と 20 回 の 押 下 操 作 が 必 要 ) 次 に おおたし( 太 田 市 ) を 入 力 するつもりで, 同 様 に お(1) お(1) た(4) し(3) と 入 力 すると, 入 力 される 数 字 列 は 1143 である. ところが, 今 回 は 1143 に 対 応 する 日 本 の 地 名 は おおたし( 太 田 市 ) のほかにも おおだし( 大 田 市 ), いいだし( 飯 田 市 ) おおつし( 大 津 市 ) うおづし( 魚 津 市 ) があり,これらの 候 補 の 中 から, 意 図 した 地 名 を 選 択 す るためにはさらなる 操 作 が 必 要 になる. 情 報 縮 退 入 力 方 式 では 4 回 の 操 作 で 済 むが 曖 昧 さが 生 じるためさらなる 操 作 が 必 要 になる.マルチタップ 方 式 では 13 回 の 操 作 が 必 要 であるが, 確 実 に おおたし が 入 力 できる. このように 情 報 縮 退 入 力 方 式 では, 利 用 者 が 意 図 した 入 力 情 報 を 縮 退 させた 状 態 で 入 力 させるために, 一 般 的 に 入 力 情 報 には 曖 昧 性 を 生 じる. この 入 力 方 式 を 用 いてアプリケーションを 開 発 する 時 には, 曖 昧 性 が 生 じた 時 に, 利 用 者 にこのことを 意 識 させずに, 曖 昧 性 を 解 消 することが 利 用 者 の 負 担 軽 減 という 観 点 からは 望 ましい.このために 必 要 な 付 加 情 報 を 利 用 者 から 負 担 感 を 少 なくするようにして 取 得 する 対 話 プロセスを 組 み 込 む 必 要 がある. オペレータと 利 用 者 との 対 話 分 析 を 通 じて,オペレータが 利 用 者 から 目 的 と する 加 入 者 名 義 を 特 定 するのに 必 要 な 情 報 をうまく 入 手 するために 蓄 積 してき たノウハウを 抽 出 して, 特 別 な 知 的 対 話 誘 導 技 術 を 考 案 した 曖 昧 性 解 消 のための 知 的 対 話 誘 導 技 術 PB 電 話 機 を 利 用 した 自 動 化 電 話 番 号 案 内 システムにおいては,オペレータ 介 在 型 電 話 番 号 案 内 システムに 比 較 して 以 下 の 制 約 条 件 が 存 在 する. 1 利 用 者 からの 入 力 は PB 電 話 機 の 12 個 のボタンキーからの 数 字 (*,#を 含 む) 列 に 限 られる( わからない を 表 現 する 方 法 も 必 要 ) 32

49 2 文 字 情 報 以 外 には,Yes/No 型 の 質 問 しかできない( 情 報 確 認 などに 使 用 ) 上 記 の 制 約 条 件 を 踏 まえて,オペレータの 知 的 な 対 話 戦 略 を 考 慮 して, 下 記 の 二 つの 知 的 対 話 誘 導 技 術 を 開 発 した. 知 的 対 話 誘 導 技 術 1 入 力 情 報 数 最 小 化 技 術 利 用 者 の 入 力 操 作 の 負 担 を 最 小 にするため, 住 所 や 名 義 の 構 成 部 分 の 内, できるだけ 少 数 の 入 力 情 報 から, 住 所 の 特 定 ( 検 索 範 囲 の 限 定 )と 名 義 の 特 定 ( 検 索 名 義 数 の 限 定 )を 行 えるようにする 技 術. どの 構 成 部 分 を 選 択 するかは, よみがな から 数 字 列 への 変 換 過 程 に おける 情 報 縮 退 の 度 合 いを 情 報 エントロピーの 減 少 割 合 から 推 定 して 選 択 する[Higashida 1997].この 場 合 にオペレータの 対 話 ノウハウを 活 用 する. オペレータは, 住 所 を 聞 くのに 都 道 府 県 名 市 区 郡 名 町 字 名 の 順 番 には 聞 かない. 都 道 府 県 名 を 聞 いても 対 して 有 効 な 探 索 領 域 を 限 定 す るための 情 報 は 得 られない.かといって,いきなり, 町 字 名 を 聞 いても 選 択 肢 が 多 すぎて, 県 名 や 市 区 郡 名 を 聞 く 必 要 が 生 じることが 多 いので,オ ペレータは,ある 程 度 探 索 範 囲 が 限 定 できる 市 区 郡 名 を 獲 得 することを 目 指 して, 利 用 者 に 市 区 郡 名 を 聞 くことを 最 優 先 にする.これが 確 定 す れば, 次 に 加 入 者 の 名 義 を 聞 くことに 移 動 できるし,もし 確 定 できなけれ ば, 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 技 術 で, 町 字 情 報 や 都 道 府 県 名 を 聞 くようにする. このように, 利 用 者 からはなるべく 少 ない 情 報 を 聞 くことで 処 理 時 間 の 短 縮 を 図 っている. 同 様 なノウハウを 技 術 として, 当 システム 内 に 活 かして いる. また, 副 次 的 効 果 として, 入 力 の 文 字 列 が 少 なくなるほど 入 力 ミスも 減 る. 知 的 対 話 誘 導 技 術 2 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 技 術 PB 電 話 機 を 利 用 した 利 用 者 からの 入 力 情 報 では, 同 数 字 列 異 よみがな, 同 数 字 列 同 よみがな 異 表 記, 同 数 字 列 同 よみがな 同 表 記 異 場 所 の 曖 昧 性 が 生 じる.これに 関 連 する 追 加 情 報 を 利 用 者 から 取 得 ( 上 記 と 同 様 の 曖 昧 性 が 生 じている 可 能 性 がある)し,その 両 者 の 相 互 接 続 可 能 性 から, 両 者 の 曖 昧 性 を 一 挙 に 解 消 しようという 技 術 [Higashida 2001]. 言 い 換 えれば, 両 者 の 検 索 キーワードを 有 するインスタンスが 検 索 対 象 の 中 に 存 在 するかどう かをチェックすることである. ( 例 : 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 技 術 の 例 ( 濁 音, 半 濁 音 などは*で 指 定 している) 地 名 では, 数 字 列 13*73 では, いずみし( 出 水 市, 和 泉 市 ) い 33

50 ずもし( 出 雲 市 ) の 曖 昧 性 が 生 じ, 数 字 列 2748*1 では, かみちょ う( 香 美 町, 上 町 ) かもちょう( 加 茂 町 ) くめちょう( 久 米 町 ) な どの 曖 昧 性 が 生 じるが, 両 方 の 情 報 を 併 せ 持 つ 地 名 を 探 すと 13* *1 では いずみしかみちょう( 和 泉 市 上 町 ) しか 存 在 しないこ とから 個 々での 曖 昧 性 は 実 在 性 チェックで 解 消 できる. 姓 名 では 姓 で 数 字 列 112 だと あおき,いおか,おおき,うえき などの 曖 昧 性 が 生 じ, 名 で 8132 では ゆうすけ,ようすけ,ゆうさ く などの 曖 昧 性 が 生 じるが, 検 索 地 域 に 実 在 する 人 が 上 記 組 み 合 わせ のうちで うえき ようすけ だけだとすると 曖 昧 性 が 解 消 されて 一 意 に 決 まる.( 漢 字 表 記 についてはまだ 複 数 候 補 がありうるが,これも 実 在 性 ( 指 定 された 住 所 領 域 に 居 住 しているかどうか)のチェックをおこ なうことで 曖 昧 性 が 解 消 される.) 利 用 者 には, 入 力 方 式 に 起 因 する 曖 昧 性 が 生 じていることを 開 示 しないで 曖 昧 性 解 消 を 図 る.このため, 利 用 者 には 聞 かれても 不 自 然 ではない 情 報 を 聞 けるように 働 きかける.( 例 : 数 字 列 4873 に 対 して とやまし( 富 山 市 ) と つやまし( 津 山 市 ) が 候 補 として 出 るが, 利 用 者 が 入 力 したいのはど ちらかであるため, 単 に その 市 のどこにお 住 まいか 教 えてください と 町 字 情 報 を 利 用 者 に 聞 く. 利 用 者 からの 町 字 情 報 が 富 山 市 にあるか 津 山 市 にあ るかで, 市 名 の 確 定 とさらに 探 索 範 囲 を 狭 小 化 するための 町 字 情 報 の 両 方 を 確 定 することができて 一 挙 両 得 になる.もし, 利 用 者 が 町 字 情 報 を 知 らない 場 合 には, 都 道 府 県 名 を 聞 くこと( では, 同 じ 地 名 が 2 か 所 にあるようで すが,どちらの 件 にあるか 教 えてください )で, 市 区 郡 のレベルまでの 情 報 を 確 定 することができる.このようにシステム 内 に 曖 昧 さが 生 じているこ とを 知 らせないような 話 し 方 にも 工 夫 を 行 っている.) 追 加 情 報 の 選 択 は, 上 記 1 の 技 術 による. 以 上 の 知 的 対 話 誘 導 技 術 は, 以 下 の 3 ステップ 6 対 話 誘 導 戦 略 に 展 開 した. ステップ1 住 所 入 力 戦 略 1 利 用 者 が 最 初 に 入 力 する 情 報 は 住 所 で, 最 も 曖 昧 性 が 生 じにくい 市 区 郡 名 とする. 住 所 情 報 のうち 市 区 郡 が1 表 記 2よみがな 3 数 字 列 への 変 換 での 情 報 エ ントロピーの 減 少 度 合 いが 小 さい.すなわち 曖 昧 性 が 生 じる 可 能 性 が 低 い. これは 利 用 者 が 持 ち 合 わせている 情 報 の 中 で 最 も 正 確 な 情 報 が 期 待 できるも のでもある. 34

51 この 入 力 で 検 索 範 囲 を 市 区 郡 レベルに 絞 り 込 める 期 待 が 大 きい 戦 略 2 上 記 戦 略 1 で 曖 昧 性 が 生 じた 場 合 は, 利 用 者 に 追 加 情 報 の 入 力 を 求 める. 追 加 情 報 は 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 効 果 が 期 待 できる 項 目 を 選 ぶ. 最 初 は 町 字 情 報 の 入 力 を 求 める. 不 可 の 場 合 は 都 道 府 県 名 の 入 力 とする. 戦 略 1 戦 略 2 により, 検 索 範 囲 を 市 区 郡 レベルまたは, 町 字 レベルにま で 絞 り 込 みができる. ステップ2 名 義 入 力 戦 略 3 個 人 名 義 の 場 合, 姓 名 を 続 けてではなく, 姓, 名 の 順 に 入 れてもら う. 一 度 に 入 力 したい 利 用 者 には 区 切 り 記 号 # を 挟 んでもらう 22. 姓, 名 は 曖 昧 性 が 生 じる 可 能 性 が 大 きいので, 姓 と 名 の 両 方 の 入 力 を 基 本 とする. 曖 昧 性 が 生 じない 姓 や 長 い 姓 などでは 姓 だけも 検 索 実 行 可 とする. 戦 略 4 法 人 名 義 の 場 合, 名 称 が 長 い 場 合 や 略 称 が 通 称 になっている 場 合 も あり, 入 力 情 報 最 小 化 戦 略 に 基 づき, 名 称 の 一 部 分 や 通 称 などの 入 力 も 可 とす る. 名 称 が 長 い 場 合 は, 同 数 字 列 同 よみがな の 曖 昧 性 が 生 じる 可 性 は 極 めて 低 い.このため, 正 式 名 称 の 入 力 が 望 ましいが, 利 用 者 が 保 持 していない ことも 多 い. 部 分 検 索 も 実 施 するために 検 索 高 速 化 の 検 討 も 実 施 した[Oku 2001]. 人 間 オペレータ 案 内 と 同 様 に, 当 該 企 業 が 扱 う 製 品 名 称 などの 入 力 も 可 と する. ステップ3 検 索 結 果 の 曖 昧 性 の 解 消 ステップ1 で 絞 り 込 まれた 地 域 と ステップ2 で 入 力 された 名 義 情 報 で 検 索 を 実 施 して, 複 数 の 名 義 候 補 が 検 索 された 場 合 は,さらに 絞 り 込 む 必 要 がある. 法 人 名 義 の 場 合 はほとんどが 名 義 は 1 件 に 絞 り 込 まれ,あとは 名 義 内 細 部 部 署 (3.3.2, 式 (5)を 参 照 )の 絞 込 みに 入 るだけとなる. 個 人 名 義 の 場 合 には, 検 索 地 域 内 に 同 数 字 列 同 よみがな 異 表 記 同 数 字 列 異 よみがな が 発 生 する 可 能 性 が 大 きい. 戦 略 5 まず, 検 索 範 囲 を 絞 り 込 むための 町 字 名 情 報 を 取 得 する.( 既 に 町 字 情 報 が 取 得 済 みの 場 合 は 下 位 の 丁 目 情 報 を 取 得 する.) 姓 + 名 で 検 索 し, 該 当 検 索 範 囲 で 複 数 の 候 補 が 残 る 場 合 が 生 じる 可 22 例 えば, はしもとじろう がこの 文 字 列 として 入 力 された 時 には はし,もとじろう なの か はしもと,じろう なのかの 区 別 がつかなくなる. 35

52 能 性 がある 姓 について 同 数 字 列 同 よみがな の 場 合 で, 名 について 同 数 字 列 同 よみがな 同 数 字 列 異 よみがな いずれの 場 合 も, 利 用 者 に 安 心 感 を 与 え るために 姓 の よみがな を 利 用 者 に 伝 えて 名 の 曖 昧 性 解 消 のため( 検 索 範 囲 を 絞 り 込 む)の 住 所 の 追 加 情 報 の 入 力 を 促 す. 姓 について 同 数 字 列 異 よみがな がある 場 合 は, 検 索 範 囲 に 複 数 の 候 補 者 がいる 事 だけを 伝 えて, 検 索 範 囲 を 絞 込 むため,より 詳 細 な 住 所 の 追 加 情 報 の 入 力 を 促 す. 丁 目 情 報 を 取 得 する 時 は 候 補 が 存 在 する 丁 目 を 列 挙 して 選 択 しても らう. 戦 略 6 上 記 戦 略 5 でも 候 補 が 一 意 に 絞 り 込 めない 時 は 以 下 の 場 合 に 分 けて 対 応 する. 1 利 用 者 が 丁 目 情 報 を 持 ち 合 わせていない. 2 丁 目 情 報 を 利 用 して 絞 り 込 んでもまだ 複 数 の 候 補 が 同 一 地 域 に 存 在 す る. 3 丁 目 情 報 で 絞 り 込 むと 候 補 なしになる. の 3 通 りの 場 合 が 存 在 する. 13に 関 しては, 検 索 解 が 見 つからないとして 番 号 案 内 不 可 として 処 理 する.2に 関 しては 利 用 者 が 番 地 情 報 までを 持 っていることが 確 認 できる 場 合 は, 番 地 情 報 を 入 力 してもらい, 候 補 の 絞 り 込 みをする.2で 番 地 情 報 がなく ても, 姓 名 の 漢 字 情 報 で 区 別 ができる 場 合 は, 利 用 者 に 漢 字 情 報 を 伝 えて 1 件 に 絞 り 込 む[Fujioka 1997] [Oku 1997]. 基 本 的 には 番 地 までの 情 報 が 取 得 出 来 た 時 には 候 補 は 一 人 になるので, 姓 名 の 読 みを 確 認 後, 利 用 者 に 電 話 番 号 を 通 知 する. 番 地 情 報 を 持 っていない 時 は, 番 号 案 内 不 可 として 処 理 する. 以 上 の 戦 略 により, 利 用 者 の 入 力 ミスを 減 らすために 入 力 情 報 数 を 最 少 化 し, 採 用 した 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 に 起 因 する 曖 昧 性 を 利 用 者 に 開 示 しないことで, 利 用 者 にストレスを 感 じさせることなく 解 消 できる 見 通 しを 得 た[Higashida 1998]. 3.3 自 動 電 話 番 号 案 内 システムの 開 発 と 評 価 自 動 電 話 番 号 案 内 システムは,まず, 小 規 模 なプロトタイプシステムを 構 築 し, 機 能, 操 作 性, 性 能 などを 評 価 した.ここでは, 電 話 帳 DB は 全 国 版 を 使 用, 新 規 に 導 入 した 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 や, 曖 昧 性 解 消 の 知 的 対 話 誘 導 技 術 など を 組 み 込 んだ. 次 に, 全 国 からのアクセスを 可 能 とするサービス 提 供 を 目 的 に, 36

53 トラヒック 量 に 応 じたアクセス 呼 の 処 理, 課 金 処 理, 電 話 帳 DB 住 所 DB の 日 々 更 新 処 理 などを 実 装 した 商 用 システムの 開 発 をおこなった プロトタイプの 開 発 プロトタイプの 構 成 については,クライアント/サーバ(C/S) 構 成 [Satou 1997]とし,100Mbit/s の FDDI(Fiber-Distributed Digital Interface)で 接 続 されて いる.このシステムは 利 用 者 の 増 加 に 伴 い,クライアントを 増 設 するだけで 呼 の 増 大 に 対 処 できることを 見 越 した 構 成 とした. (1) サーバ サーバには, 電 話 帳 の 加 入 者 情 報 データベース( 日 本 語 での DB( 表 記 +よみ がな)と 数 字 列 に 変 換 された DB)と 検 索 高 速 化 のためのインデックス, 対 話 誘 導 のためのガイダンス 文 や 対 話 誘 導 用 の 可 動 部 付 きのテンプレート 等 が 搭 載 さ れている. 電 話 帳 DB(6,300 万 加 入 者 ( 個 人 4,000 万 加 入, 法 人 2,300 万 加 入 の 名 義 ) 約 64GB 検 索 の 高 速 化 のために 新 たに 導 入 したインデックス[Oku 2001] 約 20GB 合 計 で 約 84GB となる. サーバは 以 下 の 処 理 をおこなう. (a) クライアントからの 検 索 キーワードを 受 け 取 り, 電 話 帳 DB を 検 索 する. 検 索 した 結 果 をクライアントに 提 供 する. (b) クライアントからのガイダンス 文 や 対 話 誘 導 用 のテンプレート 文 の 要 求 に 基 づき, 読 み 情 報 を 付 加 した 応 対 文 をクライアントに 提 供 する. (2) クライアント 利 用 者 との 対 話 誘 導, 回 線 制 御 などは,クライアントが 処 理 する.クライア ントは 利 用 者 とのやりとり( 対 話 誘 導 ), 呼 処 理, 回 線 制 御 などを 受 け 持 つ. クライアント 本 体 に 接 続 された 回 線 制 御 ボードは 以 下 の 処 理 をおこなう. (a) 利 用 者 からの 呼 を 受 けつける. (b) 利 用 者 が 入 力 した PB 信 号 (DTMF 信 号 )を 受 け 取 って 数 字 列 (0~9までの 数 字 および *, # )としてクライアント 本 体 に 送 る. (c) クライアント 本 体 で 音 声 化 された 応 対 文 やガイダンス 文 の 合 成 音 声 を 利 用 者 に 送 出 する. 37

54 (d) 通 信 が 終 われば 呼 の 終 了 処 理 を 行 う. クライアントでは, 対 話 制 御 機 能 を 受 け 持 っていて, 以 下 の 処 理 をおこなう. (a) PB 電 話 機 から 受 け 取 った 数 字 列 ( 利 用 者 により 入 力 された 検 索 キーワード) と, 現 在 の 対 話 誘 導 の 局 面 とから, 次 に 検 索 する 内 容 を 決 め, 検 索 条 件 を サーバに 送 る. (b) サーバからの 検 索 結 果 を 受 け 取 り,その 結 果 と 利 用 者 との 検 索 要 求 との 分 析 を 行 い, 次 に 利 用 者 に 提 供 すべき 情 報 (あるいは 要 求 すべき 情 報 )とそれを 埋 め 込 む 応 対 テンプレート,あるいはガイダンス 文 の 選 択 を 行 い,サーバに 提 供 を 要 求 する. (c) 受 け 取 った 応 対 文 の 読 み 情 報 を,クライアント 内 蔵 の 音 声 合 成 器 にかけて 出 力 音 声 を 生 成 する プロトタイプの 評 価 新 規 に 導 入 した 入 力 方 式 の 操 作 性 や 対 話 誘 導 の 印 象 などを,45 名 のモニター によるプロトタイプの 試 用 から 得 た. (1)モニターの 構 成 モニターは, 今 後 新 サービスを 利 用 してもらいたい 30 歳 台 の 若 い 人 を 半 数 とし 10 歳 台 ~60 歳 台 まで 幅 広 い 年 齢 層 から 選 んだ. 男 女 の 比 率 は 4:6 であっ た. 一 般 の 人 から 募 集 したため, 番 号 案 内 を 頻 繁 に 利 用 する 人 は 少 なく(5%), 時 々 利 用 する,たまに 利 用 するという 人 がほとんど(95%)であった. (2) 操 作 性 の 評 価 モニターによる 操 作 性 の 評 価 では,80%の 人 が 操 作 方 法 を 学 習 するのは 簡 単, 70%の 人 が 入 力 する 文 字 を 探 すのが 容 易,と 評 価 している. 入 力 結 果 の 表 示 が ないことに 不 安 を 感 じる 人 が 40% 近 くいて, 感 じない 人 と 同 割 合 になってい る.しかし,80%の 人 が 対 話 誘 導 で 正 しい 結 果 が 得 られることで, 安 心 して 利 用 できると 答 えている.40 歳 以 上 の 人 にも 入 力 方 式, 入 力 操 作 について 特 に 抵 抗 感 は 見 られなかった. サービスが 実 施 されたら 利 用 するか? という 質 問 に 対 しては, 料 金 が 無 料 または オペレータ 案 内 よりも 格 安 なら 利 用 してもよいと 答 えた 人 が 70% で, 利 用 料 金 が 高 い 場 合 は,やはりオペレータ 番 号 案 内 のほうを 利 用 すると 答 えた 人 が 60%に 上 った.ただ, 曖 昧 性 がいつの 間 にか 解 消 される 過 程 が 面 白 い インタフェースでサービス 対 話 を 楽 しめるので 使 いたいという 人 も 30%いた. 38

55 ガイダンスや 対 話 誘 導 に 用 いた 音 声 は 合 成 音 声 を 使 用 したが, 聞 き 取 りにく いとの 意 見 が 多 く 寄 せられたため, 商 用 システムでは, 改 良 を 図 ることとした. 表 3.1 に 個 人 名 義 の 電 話 番 号 を 入 力 情 報 の 条 件 を 変 えて 検 索 した 時 の 平 均 的 な 処 理 時 間 を 示 す.ここでは, 利 用 者 からの 入 力 情 報 を 4 種 類 設 定 して,それ ぞれの 接 続 時 間 と 正 答 率 を 測 定 した. プロトタイプでは,ガイダンスは 簡 素 なものとした.また, 利 用 者 が 市 区 郡 と 町 字 の 両 方 がわかっている 時 には,これらの 情 報 を 連 続 して 入 力 できるよう に, 入 力 情 報 間 を # で 区 切 って 入 れるようにしている.なお, 入 力 の 終 了 時 には ## を 入 れるようにしている. 表 3.1 プロトタイプの 性 能 評 価 ケース 1 入 力 情 報 ( 市 区 郡 + 町 字 )& ( 姓 + 名 ) 接 続 時 間 ( 秒 ) 正 答 率 (%) ( 市 区 郡 )&( 姓 + 名 ) ( 市 区 郡 + 町 字 )& ( 姓 ) ( 市 区 郡 )&( 姓 ) 120~ A. 接 続 時 間 ここでは, 呼 を 受 け 付 けてから, 利 用 者 とのやりとりを 完 了 するまでに 要 す る 時 間 を 接 続 時 間 として 測 定 している. 接 続 時 間 は 利 用 者 が 持 ち 合 わせている 情 報 により 若 干 の 差 異 が 出 るが, 市 区 郡 までの 情 報 と 姓 名 情 報 があるとおおむね(85% 以 上 ) 加 入 者 を 特 定 できて,1 分 程 度 でサービスを 成 功 裏 に 終 了 することができている. 実 際 の 番 号 案 内 におけるオペレータの 1 件 当 たりの 呼 の 処 理 時 間 は 平 均 で 約 40 秒 である. オペレータは, 利 用 者 との 対 話 とキーボード 入 力 を 並 行 して 進 めていること を 考 えると,このシステムでの 所 要 時 間 は 下 記 の 理 由 により 妥 当 なものと 考 え ることができる. 1 対 話 誘 導 に 要 している 時 間 と, 利 用 者 が PB 電 話 機 を 使 って 入 力 操 作 をし ている 時 間 を 並 行 処 理 できない. 2 ガイダンスや 情 報 確 認 などは, 明 瞭 度 を 上 げるために 時 間 をかけて 実 施 し ている. 39

56 B. 正 答 率 ここでは 正 答 率 を, 受 け 付 けた 呼 の 中 で 利 用 者 が 適 切 な 情 報 を 入 力 した 後 で, 利 用 者 が 望 む 電 話 番 号 を 案 内 できた 呼 の 全 呼 に 対 する 割 合 とする. 正 答 率 は, 利 用 者 がどのような 情 報 を 持 っているかに 大 きく 依 存 する. 表 4. 1より, 利 用 者 が 市 区 郡 と 町 字 レベルの 住 所 情 報 と 姓 と 名 情 報 とを 正 しく 入 力 すれば,ほぼ 加 入 者 を 一 人 に 特 定 できることがわかる. また, 町 字 レベルの 情 報 まで 提 供 してもらい 検 索 地 域 を 限 定 することよりも, 姓 と 名 の 両 方 が 入 力 される( 入 力 方 法 に 起 因 する 曖 昧 性 が 残 っている 可 能 性 が ある)ことの 効 果 が 大 きいこともわかる. プロトタイプの 評 価 により, 以 下 のことがわかったので, 商 用 システムの 開 発 に 移 行 した. (1) 新 規 に 導 入 した 検 索 キーワードの 入 力 方 式,システムとの 対 話 が 利 用 者 に とって 受 け 入 れられるものである. (2) 番 号 案 内 サービスの 基 本 である, 住 所 情 報 と 正 確 な 名 義 情 報 があれば, 入 力 方 式 に 起 因 する 曖 昧 性 があっても,これを 解 消 して 検 索 を 成 功 させて 番 号 を 案 内 することができる. 所 要 時 間 はオペレータ 案 内 に 比 べると 遅 いが, 対 話 誘 導 の 手 間 のかけ 方 からし て 妥 当 である 商 用 システムの 開 発 プロトタイプシステムの 概 念 を 受 け 継 ぎ, 商 用 システムの 開 発 を 実 施 した. このシステムは,1998 年 5 月 に あんないジョーズ という 名 称 で 商 用 に 導 入 され,2007 年 3 月 にサービスが 終 了 するまで 9 年 間, 公 衆 サービスとして 提 供 された.サービス 開 始 前 後 には 各 種 新 聞 に,そのサービス 内 容 や 技 術 内 容 が 紹 介 された 23. システム 構 成 を 図 3.2 に 示 す. 商 用 システムの 開 発 に 向 けて, 新 規 に 考 慮 された 事 項 は 以 下 の 通 りである. (1) 24 時 間 365 日 無 休 のサービスを 提 供 する. 23 以 下 の 新 聞 記 事 で 紹 介 された , 読 売 新 聞 朝 刊, 104 番 号 案 内 5 値 上 げ- 自 分 で 検 索 新 システムが 登 場 -, , 日 本 経 済 新 聞 朝 刊, NTT の 電 話 番 号 案 内, 自 動 応 答 で 新 方 式 -プッシュホンで 簡 単 に 50 音 入 力 , 朝 日 新 聞 夕 刊, NTT の 新 番 号 案 内 あんないジョーズ - 手 抜 き 入 力 で 相 手 を 特 定 -. 40

57 他 の 自 動 化 システムと 同 等 のサービスとする. (2) 番 号 案 内 センタと PB 用 DB 配 信 センタを 分 離 プロトタイプシステムの 機 能 を 基 本 的 に 番 号 案 内 センタに 構 築, 日 々 最 新 化 された DB に 更 新 24 して 案 内 センタに 配 信 している PB 用 DB 配 信 センタに 分 離 した. 案 内 センタはプロトタイプと 同 様 C/S 構 成 で, 対 話 サーバ(クライアント 4 台 :256 回 線 収 容 )と 案 内 サーバ(サーバ 2 台 )とからなる. 図 3.2 自 動 電 話 番 号 案 内 サービス あんないジョーズ のシステム 構 成 図 (3) 特 番 の 使 用 他 の 自 動 サービスと 同 様 の 扱 いとし, 検 索 に 成 功 して 電 話 番 号 を 通 知 出 来 た 呼 については 課 金 できるようにした.このためにアクセス 番 号 は 全 国 共 通 の という 10 桁 の 番 号 とした.この 特 番 を 使 うことで, 完 了 呼 に 対 して 課 金 することができる. (4) 電 話 帳 DB の 日 次 更 新 加 入 者 データは 日 々, 新 規 加 入, 内 容 変 更, 解 約 などのために 変 更 が 生 じる. 一 日 の 更 新 データは 顧 客 管 理 システムから 送 信 されてくる. 電 話 帳 DB はこ 24 日 々 約 30 万 件 の 更 新 件 数 がある. 41

58 の 更 新 情 報 を 反 映 した 最 新 の DB を 作 成 して,ANGEL と あんないジョー ズ のセンタに 配 信 するようにした. 電 話 帳 DB を 保 有 維 持 管 理 している 場 所 と, 本 システムが 設 置 されている 場 所 とを FR 網 (フレームリレー 網 ) で 接 続 してデータの 最 新 化 を 図 れるようにした. 日 々 配 信 される DB 量 は, 約 100GB になる. (5) 地 名 人 名 の 録 音 DB 作 成 更 新 利 用 者 に 取 って, 聞 いた 音 声 の 了 解 度 をよくするために, 地 名 と 個 人 名 義 の 姓 と 名 の 異 なる 読 み のものをすべて 録 音 した.また,ガイダンス 文 やテ ンプレート 文 などもすべて 録 音,テンプレート 文 の 可 変 部 分 にも, 録 音 音 声 を 埋 め 込 むことで, 利 用 者 にとって, 聞 きやすく, 確 認 しやすい 音 声 とした. 録 音 音 声 DB は 約 14.5GB である. (6) 法 人 名 義 に 対 して 音 声 合 成 器 を 使 用 また 法 人 名 義 に 関 しては,2300 万 件 と 膨 大 な 数 になることと, 日 々の 更 新 件 数 ( 新 規 削 除 変 更 )が 多 く 対 応 が 困 難 なこと, 一 部 加 入 者 だけに 録 音 音 声 を 収 録 すると 加 入 者 間 での 不 公 平 が 生 じることから,すべてを 合 成 音 声 とすることとし, 音 声 品 質 を 向 上 するために 音 声 合 成 器 は,NTT 研 究 所 で 開 発 された FLUET[Hakota 1996]を 使 用 した. (7) キータッチミス, 濁 音 半 濁 音 キーの 押 し 忘 れなどの 入 力 ミス 自 動 修 正 機 能 の 追 加 プロトタイプ 実 験 の 中 で, 実 験 中 の 約 15%の 呼 については, 入 力 ミスのため に 対 話 誘 導 がうまくいっていないことがわかった.この 中 には,1 誤 入 力 の 数 字 列 に 対 応 する 住 所 や 名 義 名 に 対 応 する 検 索 結 果 が 存 在 し,これに 基 づい た 対 話 誘 導 がうまくいかない 場 合 と,2 誤 入 力 の 数 字 列 に 対 応 した 検 索 結 果 が 存 在 しないがために, 対 話 誘 導 がうまくいかない 場 合 が 混 在 している.こ のうち,1については 対 話 誘 導 で 住 所 や 名 義 の 入 れ 直 しなどで 対 応,2につ いては 誤 入 力 のパターンや 頻 度 を 調 査 して, 利 用 者 の 入 力 数 字 列 に 対 応 する 検 索 結 果 が 得 られない 場 合 にのみ,1 文 字 のミスについてはシステムで 自 動 修 正 できるような 機 能 を 新 規 に 組 み 込 んだ 商 用 システムの 評 価 商 用 システムを 公 衆 サービスとして 提 供 する 前 に 社 内 モニターによる 番 号 案 内 の 実 験 を 行 い,アンケートを 実 施 した.モニター 数 は 1,100 名 で 男 女 比 は 3: 42

59 7, 年 齢 では 30 代 と 40 代 が 約 7 割,104 の 番 号 案 内 利 用 経 験 者 は 9 割 であった. この 結 果,システム 全 体 として1 使 える,まずまず 使 えると 答 えた 人 が 69%, 104 に 比 べて2 遜 色 ない(13%),やや 劣 るが 使 える(66%),であった. また, 対 話 誘 導 については3 言 葉 遣 いが 丁 寧 (34%), 普 通 (62%),4 応 答 がわかりやすい(50%), 普 通 (30%),5 応 答 が 速 い(6%), 適 当 (90%)で あった. 検 索 時 間 については,6 思 ったより 速 い(36%), 普 通 (22%), 手 間 がかか ることもある(29%)であり, 検 索 結 果 については,7うまく 検 索 できた(44%), うまく 検 索 できないこともあった(45%), 入 力 の 手 間 については8 手 間 取 らなかった 普 通 (56%), 手 間 取 った(37%) であった. 検 索 正 答 率 については, 当 初 目 標 とした 75% 25 を 越 える 正 答 率 をクリアする 80% を 達 成 できた. この 結 果, 正 式 に 商 用 サービスとして 提 供 されることになった. 上 記 アンケート 結 果 からも, 本 システムで 採 用 した 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 採 用 した 入 力 情 報 最 少 化 技 術 や 利 用 者 に 不 自 然 さを 感 じさせないで 曖 昧 性 を 解 消 する 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 技 術 などが 有 効 性 を 発 揮 していることがわかる. 以 下,いくつかの 点 について 定 量 的 な 観 点 からの 評 価 について 述 べる. (1) 呼 の 処 理 件 数 サービス 開 始 当 初 は 年 間 でアクセス 呼 が 約 300 万 呼 であった.これは 番 号 案 内 全 体 の 利 用 呼 の 約 0.3%にあたる. 徐 々に 利 用 数 の 減 少 が 始 まり 最 終 的 には 年 間 で 20 万 呼 にまで 減 少 した.サービスの 期 間 中 のアクセス 呼 は 1,500 万 呼,こ のうち 実 際 に 検 索 処 理 された 呼 数 は 90%の 約 1,300 万 呼 になる. そのうちで 案 内 が 完 了 した 呼 は 約 1,000 万 呼, 残 りは 検 索 結 果 が 一 意 に 決 まら ず, 電 話 番 号 の 通 知 ができなかった 呼 ( 不 完 了 呼 )であった.1,300 万 件 の 検 索 実 行 呼 から, 表 示 機 能 がないことによる 入 力 内 容 のミスやキータッチのミスな どに 起 因 する あんないジョーズ 固 有 の 不 完 了 呼 を 除 外 すると,オペレータ と 同 等 の 処 理 ( 代 替 機 能 )が 提 供 できた 呼 となる.これは 1,300 万 呼 のうちの 約 85%であった. また,104 番 号 案 内 のオペレータ 検 索 では 90%が 法 人 で 10%が 個 人 だが, あ んないジョーズ ではそれぞれ 60%,40%で, 比 率 でみると 個 人 検 索 が 圧 倒 的 に 多 い. 25 ANGEL LINE, ANGEL NOTE の 他 の 自 動 化 サービスでの 平 均 の 検 索 正 答 率. 43

60 これは, 商 用 サービスでもやはり 名 前 の 長 い 法 人 名 義 の 検 索 は 敬 遠 されてい るということを 示 している. (2) 処 理 性 能 ( 接 続 時 間 ) 検 索 条 件 が 明 確 で, 実 際 にその 人 が 実 在 する 場 合 の 検 索 について,100 件 の 検 索 実 験 をした 結 果 を 表 3.2 に 示 す. 表 3.2 入 力 時 に 曖 昧 性 が 生 じるいくつかのケースにおける 事 象 と 処 理 時 間 市 区 郡 入 力 での 項 番 表 4.2 入 力 時 に 曖 昧 性 が 生 じるいくつかのケースにおける 事 象 と 処 理 時 間 事 象 1 住 所 + 姓 で1 件 に 確 定 市 区 郡 ( 確 )+ 姓 ( 確 ) 市 区 郡 入 力 で 住 所 が 確 定 ( 数 字 列 に 対 するよみ がなは 一 意 で 表 記 も 一 意 ) 市 区 郡 入 力 では 住 所 が 未 確 定 ( 同 数 字 列 異 よ みがな 同 数 字 列 同 よみがな 異 表 記 が 発 生 ) 姓 + 名 で1 件 に 確 定 ( 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 を 含 む) 姓 + 名 では 曖 昧 性 残 ( 同 数 字 列 ( 同 よみがな+ 異 よみ がな)の 人 が 複 数 地 区 に 存 在 ) 町 字 名 丁 目 名 などを 必 要 漢 字 情 報 も 必 要 な 場 合 も 町 字 名 入 力 で 住 所 確 定 ( 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 を 含 む) 住 所 + 姓 で1 件 に 確 定 町 字 名 入 力 で 住 所 確 定 ( 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 を 含 む) 姓 + 名 では 曖 昧 性 残 ( 同 数 字 列 ( 同 よみがな+ 異 よみ がな)の 人 が 複 数 地 区 に 存 在 ) さらに 丁 目 名 などを 必 要 漢 字 情 報 も 必 要 な 場 合 も 市 区 郡 ( 確 )+ 姓 ( 曖 )+ 名 ( 曖 / 確 ) 市 区 郡 ( 確 )+ 姓 ( 曖 )+ 名 ( 曖 / 確 定 )+ 町 字 ( 確 ) 市 区 郡 ( 曖 )+ 町 字 ( 曖 / 確 )+ 姓 ( 確 ) 市 区 郡 ( 曖 )+ 町 字 ( 曖 / 確 )+ 姓 ( 曖 )+ 名 ( 曖 ) 例 (いずれも 実 在 の 人 物 ではなく 例 示 できる 姓 名 に 変 更 ) 金 沢 区 + 御 法 川 253* 天 理 市 ( 確 )+ 石 野 ( 曖 )+ 健 次 郎 ( 確 ) *91 金 沢 市 ( 確 )+ 浅 野 ( 曖 )+ 浩 紀 ( 曖 )+ 泉 が 丘 ( 確 ) 253* *72*12 木 更 津 市 ( 曖 )+ 本 郷 ( 曖 / 確 ) + 御 法 川 ( 確 ) 岸 和 田 市 ( 曖 )+ 本 町 ( 曖 / 確 ) + 石 野 ( 曖 )+ 寛 治 ( 曖 ) 135(いしの いその あさの 等 ) 203*(かんじ けんじ きんじ 等 ) 完 了 呼 の 平 均 処 理 時 間 ( 秒 ) 石 野 浅 野 磯 野 は 同 数 字 列 (135) 春 子 弘 子 浩 紀 春 樹 は 同 数 字 列 (693) 木 更 津 市 と 岸 和 田 市 は 同 数 字 列 (2304*3) 本 郷 は 異 場 所 にも あるが 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 で 一 意 に 本 町 も 同 様 に 異 場 所 が 複 数 あるが 同 様 の 解 消 で 一 意 に 山 口 県 と 山 形 県 では 山 口 市 中 尾 (なかお)と 山 形 市 中 江 (なかえ)のように 数 字 列 による 市 名 入 力 で 区 別 がつかず 数 字 列 町 名 入 力 でも 区 別 がつかないケースもある この 場 合 は 県 名 を 聞 いても 同 数 字 列 のため 読 み( やまぐちけん や やまがたけん )を 提 供 して 区 別 する 必 要 が 生 じる このようなケースはここ 以 外 にはない 出 現 比 率 生 起 比 率 ** * * 同 数 字 列 同 よみ がなが 無 い 確 率 ** 実 験 時 の 想 定 値 これから, 利 用 者 が 各 ケースに 対 応 する 確 かな 情 報 を 保 有 していて, 入 力 ミ スをしない 状 態 で 利 用 すれば,50 秒 から 90 秒 程 度 で 検 索 が 成 功 して 番 号 を 通 知 することができる. 平 均 処 理 時 間 は 84.4 秒 であった. プロトタイプシステムの 時 と 比 べるとモニターの 構 成 は 異 なるもののおお よそ 同 程 度 の 時 間 で 処 理 が 完 了 している.また,この 時 間 が 利 用 者 にとって, 妥 当 な 処 理 時 間 と 受 け 取 られていることから, 利 用 者 への 負 担 感 はかなり 抑 え られていると 評 価 できる, (3) ヒューマンインタフェース 表 3.2 の 実 験 に 関 して, 利 用 者 が 入 力 する 情 報 の 回 数 を 計 算 すると 平 均 で 3.64 回 になる( 情 報 確 認 のためのシステムからの Yes/No 質 問 への 応 答 等 はカウント 44

61 しない).これは 同 じ 情 報 内 容 を 利 用 者 が 持 っている 場 合 に,104 オペレータが 利 用 者 から 聴 取 して 検 索 端 末 に 入 力 する 平 均 回 数 3.62 回 に 比 して 若 干 多 い 程 度 であり, 知 的 対 話 誘 導 のおかげで, 利 用 者 の 入 力 回 数 は 曖 昧 性 を 含 んだ 入 力 を 許 容 したにも 関 わらずそれほど 大 きくなっていない. 利 用 者 の 入 力 情 報 数 によ る 負 担 がほぼオペレータと 同 等 のレベルまで 軽 減 できていることを 示 している. 3.4 まとめ ここでは, 家 庭 やオフィスから PB 電 話 機 を 使 用 して, 利 用 者 が 自 ら 操 作 して 検 索 キーワードを 投 入 する 自 動 電 話 番 号 検 索 システムの 開 発 とその 評 価 につい て 述 べた. このシステムでは 利 用 者 の 入 力 に 対 するストレスを 軽 減 するために 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 呼 ぶ 新 しい 検 索 キーワードの 入 力 方 式 を 考 案 して 採 用 した.こ の 入 力 方 式 は 曖 昧 性 を 許 容 した 方 式 であるが, 情 報 縮 退 度 の 情 報 を 利 用 して 利 用 者 からの 入 力 情 報 の 数 を 最 少 にする 入 力 情 報 数 最 少 化 技 術 も 開 発 した.また, 入 力 方 式 に 起 因 する 曖 昧 性 については, 処 理 を 進 める 対 話 誘 導 の 中 で 得 られた 複 数 の 情 報 の 相 互 接 続 可 能 性 を 検 定 することで 解 消 していく 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 技 術 を 開 発 した.これら 二 つの 技 術 は 知 的 対 話 誘 導 技 術 として 本 システムの 中 に 組 み 込 んだ. 入 力 情 報 数 最 少 化 技 術 に 関 しては, 本 システムにおける 入 力 情 報 数 が,オペ レータが 入 力 する 回 数 とほぼ 同 等 となり, 有 効 性 が 確 認 出 来 た. 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 技 術 に 関 しても, 対 話 誘 導 に 満 足 している 利 用 者 が 多 いこ と,また, 応 対 時 間 の 平 均 はオペレータ 応 対 平 均 時 間 の 約 2 倍 になるものの, 全 体 的 に 満 足 と 答 えている 人 が 多 いことから, 有 効 に 機 能 していると 判 断 でき る. 今 回 の 検 討 においては, 利 用 者 から 住 所, 姓 名 に 関 して, 二 つの 情 報 を 得 て 双 方 の 曖 昧 性 を 同 時 に 解 消 する 相 乗 的 曖 昧 性 解 消 技 術 を 考 案 したが, 利 用 者 か ら 当 初 得 られる2-3 個 の 数 字 列 で 得 られる 情 報 を 基 に 元 のデータベースをこ れらの 数 字 列 で 検 索 して, 得 られる 候 補 (かなり 数 が 多 い 可 能 性 がある)の 構 成 要 素 を 比 較 して, 次 にどの 属 性 情 報 を 利 用 者 から 聞 き 出 すのが 希 望 する 候 補 を 一 人 に 絞 り 込 むために 最 適 なのかを 計 算 して 割 り 出 すことが 真 の 入 力 数 最 小 化 につながる 検 討 内 容 になると 考 えるが,これについては 今 後 の 検 討 課 題 とす ることとした. 今 回 の 最 小 化 技 術 の 検 討 ではオペレータが 長 年 の 経 験 から 得 て いるノウハウを 対 話 誘 導 戦 略 に 組 み 込 むにとどめている. あんないジョーズ サービスは,サービス 開 始 後 9 年 間 に 1,300 万 件 の 検 索 処 理 を 実 行 し, 約 1,000 万 件 については 利 用 者 に 電 話 番 号 を 通 知 することができ 45

62 た. あんないジョーズ が 利 用 者 に 対 してオペレータと 同 等 の 応 対 が 提 供 でき た 呼 は, 全 体 のうちの 約 85%であった. このサービスは, 利 用 者 からのクレームがほとんどない 状 態 で 年 中 無 休 のサ ービス 提 供 を 維 持, 人 間 のオペレータによる 案 内 サービスを 補 完 する 自 動 案 内 サービスとしての 役 割 を 果 たした. 今 回 の 商 用 システム 開 発 を 通 じて, 利 用 者 の 検 索 キーワードの 入 力 負 担 を 軽 減 することを 目 的 に 新 規 に 提 案 した 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 や, 知 的 対 話 誘 導 技 術 は, 表 示 機 能 がない 端 末 上 に 十 分 有 用 な 情 報 検 索 アプリケーションを 開 発 で きることを 示 すことができた. 表 示 機 能 があるスマートフォンのような 端 末 が 使 えれば, 更 にバリエーションのある 情 報 検 索 アプリケーションを 開 発 するこ とも 可 能 である. 今 後 は, 情 報 案 内 分 野 において 音 声 認 識 を 使 った 電 子 オペレータを 実 現 する ことも 課 題 である.2000 年 以 降 にも 音 声 認 識 を 用 いた 番 号 案 内 の 自 動 化 への 試 みは 続 いている[Schramm 2000] [Lehtinen 2000]. 今 回 提 案 したような 知 的 対 話 誘 導 を 使 用 すれば,100%でない 音 声 認 識 技 術 を 用 いて, 対 話 の 中 で 発 生 する 曖 昧 さを 自 然 に 解 消 して 目 的 の 情 報 を 検 索 し, 利 用 者 に 提 供 するような 自 動 化 情 報 案 内 システムを 実 現 できる 可 能 性 があり [Ohmori 2000] [Higashida 2000],キー 操 作 に 不 慣 れな 利 用 者 にとって 利 便 性 を 提 供 することが 期 待 できる. [ 著 作 権 関 連 引 用 記 述 ] 本 章 の 記 述 の 一 部,および 図 表 の 一 部 については, 電 子 情 報 通 信 学 会 論 文 誌 に 掲 載 の 文 献 [Higashida 2013]から 引 用 した. 46

63 第 4 章 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 有 効 性 評 価 4.1 はじめに 今 日, 我 々はオフィスや 家 庭 においてはパソコンを 利 用 して,また 戸 外 にお いては 携 帯 電 話 機 やスマートフォンなどを 使 って,メールを 送 受 信 したり,イ ンターネットにアクセスしたりしている.このような 活 動 を 行 うためには,こ れらの 端 末 機 器 を 使 って, 単 語 や 文 章 を 入 力 するという 操 作 が 不 可 欠 である. 日 本 における 文 字 入 力 方 式 は 使 用 するハードウェア 機 器 のキーの 数 やキーの 配 置 などに 影 響 を 強 く 受 けている. 日 本 においては 子 供 や 若 者 は, 西 洋 におけ るように, 小 さい 頃 からキーボードを 利 用 して 自 国 語 の 文 字 を 入 力 する 方 法 を 学 習 するようにはなっていない. 日 本 では,すでにオフィスで 働 いている 人 は, 高 校 生 から 大 学 生 の 時 期 にキーボードを 使 ってローマ 字 入 力 (たまにはかな 入 力 )で 日 本 語 文 字 を 入 力 する 方 法 を 学 習 している 年 当 時 の 若 者 は,キーボードではなく,まずPB 電 話 機 のテンキーを 使 ってポケットベル( 第 2 章 参 照 )に 文 字 メディアを 使 って 短 いメッセージを 送 ることから 文 字 入 力 方 法 を 学 習 した.この 様 に 日 本 では, 電 話 機 のような 簡 易 端 末 から 文 字 を 送 信 する 方 法 を 学 習 するという 経 緯 をたどったことで, 西 欧 と は 全 く 異 なる 文 字 入 力 の 文 化 が 生 まれた.このため,この 後, 携 帯 電 話 機 やス マートフォンが 出 現 すると,これらの 端 末 に 備 わっている,テンキーを 使 って 文 字 を 入 力 する 方 法 を 考 案 して 使 用 するようになった. このように, 日 本 においては,PB 電 話 機 や 携 帯 電 話 機 のような 簡 易 端 末 を 使 っての 様 々な 日 本 独 自 の 文 字 入 力 方 式 が 開 発 されてきて,2000 年 以 降, 文 字 入 力 文 化 が 花 開 くような 状 況 が 生 じている. 韓 国 や 中 国 など, 西 洋 とは 異 なる 文 字 を 使 用 している 国 々においても,それ ぞれ 独 自 の 文 字 入 力 方 式 が 考 案 されて 使 用 されてきている. 韓 国 においては 母 音 をあらわす 部 分 文 字 と 子 音 をあらわす 部 分 文 字 から 日 本 における ひらがな のような 表 音 文 字 を 構 成 していることを 利 用 して 携 帯 のキーへの 文 字 配 置 を 考 案 し ている[Myung 2004] し ている. 実 際 に は スマートフォンの 画 面 上 に 47

64 QWERTY キーボードと 同 様 だが,キーにはハングル 文 字 の 母 音 子 音 部 品 が 配 置 されている. 右 半 分 には 母 音 が, 左 半 分 には 子 音 が 配 置 されていて,これを 複 数 組 み 合 わせることで 一 つのハングル 文 字 を 得 る.ハングル 文 字 は 母 音 が 実 際 の 入 力 の 様 子 を 示 しているサイトもある 26. 韓 国 ではこの 方 式 が 一 般 的 のよう だが,スマートフォン 上 の 3 4 配 列 テンキーにハングルの 基 本 形 を 配 置 して 複 数 の 形 でハングルの 文 字 を 組 み 合 わせる オンハングル という 入 力 方 法 もあ る.さらに,6 5 配 列 のキーの 左 半 分 (3 列 )14 のキーに 子 音 を 配 置, 右 半 分 (2 列 +1キー)に 21 の 母 音 を 複 数 配 置 して, 母 音 + 子 音 の 組 み 合 わせでより 効 率 的 に 入 力 しようとする 試 みもある(Ganada キー 配 置 入 力 方 式 ) 27. 中 国 においては, 携 帯 電 話 機 の 時 には,テンキーに 筆 使 い(stroke と 呼 ばれ ている) を 分 類 したものを 配 置 して, 漢 字 の 書 き 順 の 筆 使 いにしたがって, 候 補 漢 字 の 種 類 を 絞 り 込 んでいく 方 法 を 採 用 している[Lin 2004]が,スマートフォ ンが 出 現 してからは,スマートフォンの 画 面 上 に QWERTY キーボードを 配 置 し, これを 使 用 して 中 国 の 漢 字 ( 簡 体 文 字 )の よみ を 発 音 ( 日 本 語 での よ みがな に 相 当 するが, 英 文 字 で 表 示. 母 音 の 抑 揚 の 違 いによる 発 音 の 違 いな どの 候 補 表 示 は 母 音 を 押 下 するとプルダウンメニューのように 表 示 される.)で 入 力 して, 候 補 の 漢 字 から 選 択 する 方 法 (ピンイン 入 力 ) 28 を 採 用 している ものが 多 い.スマートフォンの 画 面 にテンキーに 同 様 に 複 数 のアルファベット を 配 置 して, 同 様 のピンイン 入 力 方 法 で 入 力 することも 可 能 である. このように, 近 隣 の 表 意 文 字 の 中 国 では, 漢 字 の 書 き 順 の 筆 使 いにより 漢 字 の 形 を 示 唆 して 表 記 を 得 る 方 法 や, よみ の 発 音 を 発 音 記 号 ( 英 文 字 ) で 入 力 して 候 補 から 選 択 して 表 記 を 得 るピンイン 方 法 などを 採 用 し, 表 音 文 字 の 韓 国 では,1 ハングル 文 字 ( 日 本 語 の1よみがな 文 字 に 相 当 )を 得 るために,キ ーの 数 と 配 置 に 工 夫 しているなど, 様 々な 入 力 方 法 が 考 案 されていることがわ かる.まさに, 個 々の 国 における 文 字 文 化 の 反 映 としての 文 字 入 力 文 化 がある. 日 本 においては, かな 漢 字 混 じり の 表 現 が 一 般 的 であるという 特 徴 がある. このため, 韓 国, 中 国 いずれの 方 法 も 基 本 的 には 採 用 できず, 日 本 独 自 の 方 法 を 考 案 してきた. 通 常, 日 本 においては 2 段 階 に 分 けている.まず, 入 力 した 26 QWERTY 類 似 のキーボード 左 半 分 に 子 音, 右 半 分 に 母 音 を 配 置 して,これを 指 操 作 でタ ッチして 組 み 合 わせ, 一 つのハングル 文 字 を 得 る 操 作 をデモ: 27 韓 国 独 特 のキー 数 による 入 力 方 法 : 28 QWERTY ソフトキーボードはそのまま 使 用,ピンイン 入 力 操 作 をデモ: 48

65 い 日 本 語 文 の 一 部 ( 文 節 や 単 語 )の よみがな を かな 文 字 入 力 方 式 ある いは ローマ 字 入 力 方 式 で 入 力 する. 次 に 入 力 した よみがな に 対 して 変 換 キーを 押 下 する.すると 対 応 する かな 漢 字 変 換 の 結 果 として かな と 漢 字 混 じりの 候 補 表 現 が 提 示 され,そのうち 自 分 の 意 図 した 選 択 肢 を 選 ぶ ことで, 希 望 する 単 語 や 文 節 を 得 ることができ,これを 繰 り 返 すことで 日 本 語 文 を 作 成 することができる. コンピュータ 端 末 のようなフルキーボードからの 日 本 語 入 力 はそれほど 困 難 な 作 業 ではないが,PB 電 話 機 のような 簡 易 端 末 を 使 用 しての 上 記 のような 日 本 語 文 を 作 成 することは 結 構 ハードな 作 業 である. 上 記 のような 環 境 におかれた 日 本 では,1990 年 代 初 頭 に PB 電 話 機 からポケ ベルに 短 い 通 信 文 ( 漢 字 を 含 まない 文 )を 送 るための 文 字 入 力 方 式 が 開 発 され て 以 降, 今 日 に 至 るまで, 様 々な 入 力 方 式 が 提 案 され 開 発 されてきた.PB 電 話 機 を 使 用 した 文 字 入 力 方 法 としては 12 個 のテンキーを 使 った 文 字 コード 化 入 力 方 式 と 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が,また 携 帯 電 話 機 (フィーチャーフォン) 用 に は 12 個 + 機 能 キーを 使 ったマルチタップ 入 力 方 式 が 1990 年 代 に 開 発 された 年 にスマートフォン iphone が 発 売 され,ソフトテンキーを 使 ったフリッ ク 入 力 方 式 が 提 供 されると, 学 生, 若 者 を 中 心 に 急 速 に 広 まった.このように 文 字 入 力 方 式 はハードウェア 形 態 や 機 能 の 影 響 を 強 く 受 けているが,1990 年 代 から 20 年 の 間 に 上 記 4 種 類 のほかにもさまざまな 入 力 方 式 が 提 案 されている(2 章 参 照 ).このように, 新 しい 機 器 やメディアが 登 場 すると 人 々の 挙 動 が 変 化 [Nakatsu 2013]して,すぐに 適 応 できる 人 と 適 応 できずにデジタルデバイド 状 態 になってしまう 人 とに 分 かれる 年 代 後 半 に 我 々が 日 本 で 初 めて 開 発 した 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 は 覚 え やすくて 使 いやすい ことが 利 用 者 に 受 け 入 れられて,これを 利 用 した 自 動 電 話 番 号 案 内 サービス あんないジョーズ は 多 くの 人 に 利 用 された 実 績 を 有 す る. 我 々がこのサービスを 提 供 して 以 降 も, 同 様 の 文 字 入 力 方 式 が 提 案 されて いる[Kitamura2 1999] [Ono 1998] [Tanaka 2002] がいずれも 多 数 の 利 用 者 に 利 用 されたという 報 告 はない.また 最 近 では 増 井 俊 之 による 文 字 情 報 縮 退 入 力 やマ ルチタップ 入 力 方 式,フリック 入 力 方 式 が 統 合 された IME (Input Method Editor) のオープンソースが 提 供 されている[Masui 2012]がこれも 多 くの 人 に 使 われてい る 形 跡 がない(ダウンロード 数 が 少 ない)( 第 2 章 参 照 ). このような 状 況 下 において, 上 記 あんないジョーズ が 2007 年 にインター ネット 化 の 波 を 受 けてサービスを 停 止 して 以 降, 文 字 情 報 入 力 方 式 は 利 用 され ない 状 況 が 続 いていた.しかしながら, 覚 え 易 くて 使 い 易 い という 特 徴 を 生 49

66 かして, 多 くの 人 々に 使 ってもらえるようなアプリケーションが 出 現 すること を 期 待 していたことから,この 現 状 を 良 く 分 析 して, 文 字 情 報 の 長 所 短 所 を 考 慮,データベースの 特 性 を 調 査 分 析 して,どのような 条 件 が 揃 ったデータベ ース,アプリケーションなら 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 生 かせるかについて 調 査 検 討 した. 以 前, 主 として 文 字 入 力 用 の 対 象 機 器 としては PB 電 話 機 しかなかった 時 代 を 想 定 していたが, 現 在 はその 後 発 売 された 携 帯 電 話 機 やスマートフォンが 普 及 している 時 代 であることから,スマートフォン 時 代 の 入 力 環 境 条 件 も 考 慮 する 必 要 がある. 4.2 日 本 における 文 字 入 力 方 式 米 国 においては,タイプライターを 原 形 とするキーボードをオフィスにおい ても 家 庭 においても 日 常 的 に 使 用 している.すべての 人 が 小 さい 時 からキーボ ードの 環 境 と 使 用 に 馴 染 んでいることから, 彼 らは 電 話 機 や 携 帯 電 話 機 のテン キーなどから 文 字 を 入 力 することなど 考 えてはいなかった. 西 洋 では 携 帯 電 話 機 から 文 字 を 入 力 する 時 には 携 帯 電 話 機 のテンキーとは 別 にアルファベットキ ーを 実 装 したブラックベリーなどの 携 帯 電 話 機 を 開 発 してきた.キーボードは 携 帯 電 話 機 の 表 面 に 実 装 されるものと 二 つ 折 りになっていて 内 部 にキーボード を 実 装 しているケースがある. スマートフォンが 出 現 すると, 大 きな 表 示 画 面 を 利 用 して 画 面 上 にソフトキ ーとしてキーボードを 実 現 している.このような 経 緯 を 考 えると, 米 国 などに おいては,キーボード 文 化 が 深 く 浸 透 しているがために,キーの 数 が 少 ない 簡 易 端 末 機 からの 文 字 入 力 方 法 には 基 本 的 に 無 関 心 であったと 思 われる. 一 方 日 本 においては, 状 況 が 全 く 異 なっている. 日 本 では 1990 年 代 頃 には, 高 校 生 や 大 学 生 になるまでコンピュータキーボードに 接 する 機 会 がないのが 普 通 であった. 大 学 でコンピュータキーボードを 使 うことを 学 んだ 人 たちが 卒 業 して 会 社 に 入 り, 仕 事 の 上 でキーボードを 使 うことはあっても, 家 庭 でパソコ ンを 所 有 していてインターネット 接 続 していろんな 業 務 をするということは 1995 年 以 降 のインターネット 爆 発 が 生 じてからである.このインターネット 爆 発 も 携 帯 電 話 機 からの 接 続 がその 大 半 をしめていたのが 実 情 である. 最 近 では 小 中 学 の 子 供 達 まで 親 から 携 帯 電 話 機 やスマートフォンを 買 い 与 え られて, 電 話 機 能 だけではなく,メールやインターネット 検 索 などを 楽 しんで いるようである.この 様 に, 日 本 はキーボードからの 文 字 入 力 方 法 を 学 ぶので はなく,まずは 携 帯 電 話 機 などの 簡 易 端 末 機 からの 文 字 入 力 方 法 を 学 んで 使 用 50

67 することが 日 本 における 文 字 入 力 環 境 である. このように 日 本 においては 諸 外 国 とは 全 く 異 なる 環 境 で,その 時 々の 簡 易 端 末 機 器 の 形 態 や 機 能 を 反 映 させて, 様 々な 文 字 入 力 方 法 が 考 案 されてきた.こ れらの 入 力 方 法 は 一 種 の 独 特 な 日 本 文 化 を 形 成 してきている. 日 本 におけるさまざまな 文 字 入 力 方 式 については 第 2 章 に 詳 しく 述 べた. ここでは,ここで 紹 介 した1 文 字 コード 化 入 力 方 式,2 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式,3マルチタップ 入 力 方 式,4フリック 入 力 方 式 の 長 所, 短 所 などについて 簡 単 にまとめる. 1 文 字 コード 化 入 力 方 式 この 入 力 方 式 は,1990 年 代 初 頭 にポケットベル 29 に 簡 単 なメッセージを 送 るために 考 案 された.ポケットベルは 本 来 ビジネスマンに 対 して 緊 急 要 件 が 発 生 して 急 遽 連 絡 を 取 るように 指 示 を 出 すための 一 方 向 の 簡 易 通 信 装 置 だ が, 高 校 生 や 大 学 生 の 間 での 通 信 手 段 として 大 流 行 した. 最 初 のうちは 文 字 を 送 るのではなくゴロ 合 わせのような 数 字 ( 例 : 0840 (おはよう) 0906(おくれる) など)を 送 るだけだったが, 文 字 が 送 れ るようになってからは, 短 い 文 を 送 るメッセージ 通 信 が 行 われるようになっ た. 前 述 のような 短 い 定 型 文 ( 例 : おはよう は , 今 着 いた は など,コード 表 は 表 2.3 を 参 照 )を 送 ることが 多 かった ため, 文 字 をコードに 置 き 換 えた 数 字 列 を 覚 えておくという 利 用 者 負 担 もそれほど 苦 にしない 年 代 層 の 人 が 使 用 したが, 通 信 が 片 方 向 ( 一 方 通 行 ) だったことと, 携 帯 電 話 が 出 現 したことから,1990 年 代 後 半 をピークに 急 速 に 衰 退 した. 文 字 入 力 方 式 の 観 点 からすると, 長 所 としては, 当 時 文 字 を 受 信 者 に 送 る 手 段 がなかった 時 に, 外 出 中 の 相 手 に 簡 単 な 通 信 文 を 送 ることができたこと は 大 きな 点 であった. 携 帯 電 話 機 のない 時 代 に, 待 ち 合 わせの 時 間 に 遅 れ る,などの 場 合 に 相 手 にその 情 報 を 伝 えることができた 利 点 は 大 きい. 短 所 としては, 文 字 コードをすべて 覚 えてから 文 字 を 入 力 して 単 語 や 文 章 を 入 力 するか,コード 表 を 見 ながらの 文 字 入 力 は 利 用 者 にとっては 大 変 な 負 担 であり, 高 校 生 や 大 学 生 以 外 には 普 及 しなかった. 特 に 携 帯 電 話 機 が 発 売 されて, 場 所 不 定 の 通 信 相 手 に 簡 単 に 連 絡 が 取 れるようになってからは, 利 用 数 は 激 減 し,2007 年 にはポケットベルサービスも 廃 止 された. 文 字 コード 化 方 式 は, 携 帯 電 話 機 の 入 力 方 式 として 引 き 続 き 提 供 されたが, 利 用 者 は 多 くなかった (ポケットベルの 歴 史 ) 51

68 2 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 この 方 式 は,シングルタップ 入 力 方 式 30,ワンタッチキャラクター 入 力 方 式 などの 名 称 でも 呼 ばれる.[Higashida 1997] [Grover 1998] [Tanaka 2001] [Tanaka 2002] [Higashida 2015] この 方 式 では, 基 本 的 に よみがな を ひらがな 表 記 して, 濁 音, 半 濁 音, 拗 音, 促 音 などをすべて 清 音 表 記 に 変 えて,1 文 字 1 タッチで 入 力 す るようにしている. 拗 音, 促 音 を 除 いて 日 本 語 のいわゆる 50 音 は 清 音 46 文 字, 濁 音 半 濁 音 25 文 字 で 合 計 71 文 字 がある. この 71 文 字 とそれぞれ 子 音 情 報 などによって,これらの 文 字 が 割 りつけら れているテンキー 数 字 を 示 したものを 表 4.1 に 示 す. 表 4.1 日 本 の 50 音 表 とテンキーへの 配 置 ( 拗 音, 促 音 を 除 く) Vowe あ(a) い(i) う(u) え(e) お(o) ls 1 か(ka) き(ki) く(ku) け(ke) こ(ko) k 2 さ(sa)し(si) す(su) せ(se) そ(so) s 3 た(ta) ち(ti) つ(tu) て(te) と(to) t 4 な(na) に(ni) ぬ(nu) ね(ne) の(no) n 5 は(ha) ひ(hi) ふ(fu) へ(he) ほ(ho) h 6 ま(ma) み(mi) む(mu) め(me) も(mo) m 7 や(ya) ゆ(yu) よ(yo) y 8 ら(ra) り(ri) る(ru) れ(re) ろ(ro) r 9 わ(wa) を(wo) w 0 ん(nn) nn 0 が(ga) ぎ(gi) ぐ(gu) げ(ge) ご(go) g 2 ざ(za) じ(zi) ず(zu) ぜ(ze) ぞ(zo) z 3 だ(da) ぢ(di) づ(du) で(de) ど(do) d 4 ば(ba) び(bi) ぶ(bu) べ(be) ぼ(bo) b 6 ぱ(pa) ぴ(pi) ぷ(pu) ぺ(pe) ぽ(po) p 6 この 入 力 方 式 の 特 徴 は, 入 力 したい 日 本 語 の よみがな を ひらがな 表 記 して 清 音 化 した ひらがな 文 字 列 を 文 字 が 表 示 されているテンキーを 見 ながら 1 文 字 1 タップで 入 力 していく 入 力 方 法 で, 簡 単 に 覚 えられて 入 力 操 作 も 簡 単 という 点 である. この 様 に 実 際 の 入 力 操 作 は 表 4.1 を 見 ながらするのではなく, 図 4.1 に 示 す 30 増 井 俊 之 :Slime-Slich &Slim) 52

69 ようなテンキーを 見 ながら 行 うので, 目 をテンキーから 離 すことがないため, 操 作 も 容 易 である. 1 ABC あいうえお 2 ABC かきくけこ 3 DEF さしすせそ 4 GHI たちつてと 5 JKL なにぬねの 6 MNO はひふへほ 7 PQRS まみむめも 8 TUV やゆよ 9 WXYZ らりるれろ * A 0 ABC わをん # F 図 4.1 テンキーへのひらがな 配 置 図 ( 図 2.2, 図 3.1 再 掲 ) 短 所 は, 実 際 に 入 力 しているのは 文 字 列 ではなく 数 字 列 であることか ら, 入 力 された 数 字 列 に 対 応 する よみがな として 意 味 がある ひら がな 文 字 列 候 補 が 複 数 存 在 することがあることであり,これが 意 図 した 日 本 語 文 字 列 に 到 達 するまでに 時 間 を 要 することである. 曖 昧 性 が 生 じた 場 合 は, 生 じた 複 数 候 補 の 中 から 利 用 者 が 意 図 している ひらがな 文 字 列 を 何 らかの 方 法 で 選 択 して,さらには,これを 自 分 の 意 図 する かな 漢 字 表 現 にする 必 要 がある.この 場 合 には 利 用 者 に 余 分 な 負 荷 をかけることになり, それが 短 所 となる.( 文 字 入 力 の 目 的 が 情 報 検 索 で 検 索 キーワードを 入 力 す る 場 合 で, ひらがな 文 字 列 のままで 検 索 しても 良 い 場 合 には, かな 漢 字 変 換 の 必 要 性 は 生 じない.) 上 記 の 場 合 で 入 力 された 数 字 列 のままで 検 索 しても ひらがな 文 字 列 にしてから 検 索 しても 検 索 された 候 補 の 数 が 少 ない 場 合 には, 数 字 列 の ままで 検 索 処 理 をすることも 可 能 であり,この 場 合 は 利 用 者 の 負 担 は 特 に 増 えることがなく,データベースがそのような 性 質 を 持 っている 限 りは, 数 字 列 での 検 索 方 法 は 処 理 の 高 速 化 検 索 の 効 率 化 の 点 で 長 所 となる. この 入 力 方 式 は 第 3 章 で 述 べているように, 実 際 の 商 用 アプリケーション に 採 用 して 多 くの 利 用 者 利 用 実 績 があることから,アプリケーションの 作 り 方 やデータベースの 性 質 などから, 利 用 者 に 受 け 入 れられるケースもあるこ とを 示 している. 53

70 3 循 環 型 文 字 指 定 方 式 (マルチタップ 入 力 方 式 ) 入 力 方 式 は 第 2 章 で 詳 述 しているが, 電 話 機 の 各 キーに 配 置 された 文 字 の うちのどれかを 指 定 する 方 法 として,キーを 押 した 回 数 を 使 用 する 方 法 であ る[Imaeda 2004].この 入 力 方 式 は, 携 帯 電 話 機 31 (フィーチャーフォン)が 発 売 されて,メール 送 信 サービス(1997 年 )が 利 用 可 能 になった 時 期 に 導 入 された 入 力 方 式 である. この 方 式 の 短 所 は, 意 図 する 文 字 が 順 に 回 ってくるまでにキーを 連 続 して 押 下 するために, 確 実 な 操 作 が 要 求 され 時 間 がかかることである. 行 き 過 ぎ てしまうともう 一 度 もとに 戻 るまでに 時 間 がかかるのも 短 所 である. また 同 じ 行 の 文 字 を 続 けて 入 力 する 場 合 も, 後 の 文 字 を 入 力 前 に 前 に 入 力 した 文 字 を 確 定 する 操 作 をしないといけないので,そのためにも 追 加 の 操 作 が 必 要 になる.( 例 えば うえ や かく などを 入 力 する 時, 先 に 入 力 し た う や か を 確 定 させるための 操 作, 確 定 キーを 押 す あるいは 右 シフトキーを 押 す の 操 作 が 必 要 となる. 最 近 は 最 初 の 文 字 を 押 して 数 秒 待 つ ことで 確 定 するような 機 種 もある.)これもこの 方 式 が 入 力 操 作 に 時 間 がかかる 要 因 で 短 所 になる. このためにこの 方 式 は 図 4.1 のような 家 庭 用 の PB 電 話 機 のような 12 個 の キーでは 機 能 キーが 不 足 することも 考 えられ, 一 般 には 複 数 の 機 能 キーを 備 えた 図 4.2 のようなキー 配 置 の 携 帯 電 話 機 のような 機 種 が 使 われる.これら の 機 能 キーは, 携 帯 電 話 機 の 幅 の 制 約 からテンキーの 上 下 に 配 置 されること が 多 く,スマートフォンでは 左 右 に 配 置 されることが 多 い. ABC 1 ABC あいうえお 2 ABC かきくけこ 3 DEF さしすせそ X 1 文 字 F削 除 F 左 シフト 4 GHI たちつてと 5 JKL なにぬねの 6 MNO はひふへほ 右 シフト F 123 あ 7 PQRS まみむめも 8 TUV やゆよ 9 WXYZ らりるれろ * 0 # 濁 A半 濁 ABC A F わをん?! 変 換 F 完 了 F 図 4.2 マルチタップ 方 式 に 必 要 な 機 能 キー 等 配 置 例 31 携 帯 電 話 機 の 原 点 は 自 動 車 電 話 に 搭 載 された 電 話 機 であるが,ここいう 携 帯 電 話 機 は,いわ ゆる 手 のひらに 乗 るサイズの 携 帯 電 話 機 をさす. 英 語 では Mobile Phone と 呼 ばれるもの. 54

71 しかしながら, 入 力 された 文 字 を 確 定 して ひらがな 文 字 列 を 入 力 でき るので 確 実 な 入 力 ができ,その 後 の かな 漢 字 変 換 の 環 境 が 整 っているこ とは 長 所 としてあげられる フリック 入 力 方 式 フリック 入 力 方 式 [Hamano 2013]の 入 力 方 法 は 図 2.3 に 詳 述 した. 12 個 のテンキーへの 配 置 は 図 4.3 のとおりである. フリック 入 力 方 式 の 特 長 は 5 文 字 ずつ 配 置 された 上 記 のような 数 字 キーの 押 下 を 起 点 としてフリックの 方 向 で 行 先 頭 文 字 以 外 の 文 字 をコンパクトな 指 操 作 で 入 力 可 能 であることである. 先 頭 文 字 は 該 当 する 数 字 キーを 押 下 す るだけで 入 力 できる.このため, 先 頭 文 字 は 1 回 押 下 の 1 操 作, 先 頭 以 外 の 文 字 は( 数 字 キー 押 下 + フリック 方 向 で 2 操 作 )で 指 定 することが できる. 濁 音 半 濁 音 の 場 合 は 上 記 の 操 作 + *キー 押 下 で 指 定 できて 操 作 数 は 3 である.このように 中 心 に 配 置 された 行 先 頭 文 字 の 周 りに 配 置 され た 残 りの 4 文 字 を 目 視 確 認 しながら 入 力 できるので 操 作 方 法 をマスターした 人 にとっては 指 の 移 動 も 小 さくてコンパクトなどで,1 操 作 でも 2 操 作 でも あまり 操 作 時 間 はあまり 変 わらないほど 効 率 よく 入 力 できる. う いあ え お つ ちた て と む みま め も 濁 点 大 小 字 半 濁 点 く きか け こ ぬ にな ね の ゆ ( や ) よ ん を わ ー ~ す しさ せ そ ふ ひは へ ほ る りら れ ろ?! 図 4.3 フリック 方 式 採 用 時 のテンキーへの 文 字 表 示 例 しかしながら,キーを 押 下 した 後 に 自 分 が 意 図 する 目 的 でキーから 指 を 離 すと,そのキーの 中 心 の 文 字 が 入 力 されてしまう.また,それを 避 けるため 32 (Harvey:Alternative Japanese iphone Input Method in the WILD) 55

72 に, 中 心 を 押 下 した 後 にフリックの 方 向 を 確 認 していると 時 間 を 浪 費 してし まう.このため, 不 慣 れな 者 や 慎 重 な 操 作 者 などは 1 操 作 に 時 間 を 要 するた め, 必 ずしも 効 率 的 な 方 式 とはならない 点 が 短 所 である. 以 上 取 り 上 げた 4 つの 入 力 方 式 のうちから, 本 論 文 では2の 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 選 んだ.これは,1の 文 字 コード 化 入 力 方 式 は 方 式 的 に 魅 力 がないこ とと,すでに 利 用 者 がほとんどいないことによる.3の 循 環 型 文 字 指 定 (マル チタップ) 入 力 方 式,4のフリック 入 力 方 式 はすでに 一 定 の 利 用 者 がいること, および,これらの 入 力 方 式 はすでに IME(Input Method Editor)としての 地 位 を 確 立 していることから 選 択 対 象 としなかった. 本 論 文 では,すでに 利 用 実 績 があり, 利 用 者 層 の 開 拓 ポテンシャルがあるに も 関 わらず, 認 知 度 が 低 い2の 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 魅 力 である 覚 え 易 く て 使 い 易 い 特 長 をさらに 発 展 させて,スマートフォンの 機 能, 性 能 にも 適 合 して, 利 用 者 にとって 有 益 なスマートフォンアプリケーションを 開 発 する 可 能 性 について 検 討 した. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 採 用 した 情 報 検 索 アプリケーションでは, 入 力 方 式 が 各 入 力 文 字 に 対 して 生 じる 曖 昧 性 を 許 容 した 方 式 であるため,アプリケーシ ョンの 利 用 者 が 検 索 の 利 便 性 を 享 受 できるためには, 入 力 情 報 の 曖 昧 性 によっ て 生 じる 選 択 候 補 が 多 数 生 じて,その 候 補 選 択 に 多 くの 時 間 を 要 しないように することが 必 要 である. 4.3 各 種 データベースの 縮 退 状 況 の 調 査 ここでは, 自 動 電 話 番 号 案 内 システムで 使 用 した, 住 所 情 報 ( 県 名, 市 区 郡 名, 町 字 村 名 )データベースと 電 話 帳 の 加 入 者 名 義 のうち, 個 人 宅 で 加 入 している 名 義 ( 姓 名 )データベース[Higashida 2013]について,その 細 部 にわたって 調 査 した. また, 電 子 的 に 収 集 編 集 が 可 能 であったオープンソースとして 提 供 されて いる Wikipedia 日 本 語 版 から 収 集 した 人 名 データベース, 機 械 翻 訳 用 に 開 発 され た 日 本 語 辞 書 から 収 集 した 日 本 語 辞 書 データベースについても 調 査 した 住 所 データベース 住 所 は, 都 道 府 県 名, 市 区 郡 名, 町 字 村 レベル,それ 以 降 丁 目 番 地 などのレ ベルからなる.これらの 情 報 は, 自 動 番 号 案 内 システムの 中 で, 対 象 となる 電 56

73 話 加 入 者 名 義 の 探 索 のために, 探 索 範 囲 を 限 定 するために 使 用 される. 個 人 名 義 の 加 入 者 の 場 合, 例 えば 都 道 府 県 レベルの 探 索 範 囲 では,その 人 名 ( 姓 名 ) には 同 姓 同 名 ( 漢 字 表 記 と よみがな 表 記 )の 人 もおおく,まして よみが な レベルでの 同 姓 同 名 はさらに 多 く 存 在 すると 考 えられる. 電 話 帳 に 掲 載 さ れている 個 人 名 義 の 加 入 者 は 4,000 万 にも 上 り, 単 純 平 均 で 見 ても 85 万 加 入 が 1 都 道 府 県 に 存 在 することになる. したがって, 探 索 範 囲 はできる 限 り 小 さいほうがよいのだが, 小 さくするた めにはそれに 必 要 な 入 力 レベルでの 負 担 増 も 考 えられる.できる 限 り 少 ない 入 力 操 作 で, 検 索 範 囲 を 狭 くできることが 望 ましい.オペレータ 介 在 の 番 号 案 内 サービスでは, 市 区 郡 以 下 のレベルまで 探 索 範 囲 を 絞 り 込 めれば, 加 入 者 の 個 人 名 義 を 聞 いて, 探 索 を 開 始 するようにしていた. 以 下, 住 所 の 各 レベルについて 調 査 した 結 果 について 述 べる. (1) 都 道 府 県 名 レベル 日 本 には 47 件 の 都 道 府 県 名 がある. 市 区 郡 レベルでは 3,988 件, 町 字 村 レベ ルでは 約 342,000 件 のデータが 存 在 する. 都 道 府 県 名 は 漢 字 表 記 レベル, よみ がな レベルではいずれもすべて 異 なっているため, 重 複 や 縮 退 はない.しか しながら,これを 数 字 列 にコード 化 された 状 態 で 見 ると, やまぐちけん と やまがたけん の 両 者 が で 同 じになり,この 数 字 列 レベル では, 重 複 が 生 じて 情 報 の 縮 退 が 起 こっている. ここで, 本 節 で 共 通 となる 重 複 (OL: OverLapping) 度 と 縮 退 (DG: DeGeneration) 率 ( 単 位 %)を 定 義 する.A 表 記 からB 表 記 への 率 については A-to-B という 付 則 を 付 ける. OL A-to-B =(A 表 記 での 異 なり 件 数 )/(B 表 記 での 異 なり 件 数 ) DG A-to-B =(1-1/OL A-to-B )*100 (%) 重 複 度 OL はレベル B の 一 つの 表 現 に 対 して 平 均 的 にレベル A の 表 現 がいく つ 存 在 するかという 数 値 である. 数 値 が 1.0 なら 重 複 はない,2.0 なら 重 複 が2 ということで, 平 均 で 2 個 重 複 していることを 意 味 する. 縮 退 率 DG はレベル A の 表 現 がレベル B の 表 現 に 変 換 された 時 にどれくらい の 割 合 のレベル A の 件 数 が 減 少 したかの 数 値 である. 数 値 が 0%なら 縮 退 が 生 じていないことを 示 しているし, 縮 退 が 50%なら, 半 分 に 減 ったことになる. この 場 合 には 一 つのレベル B の 表 現 に 平 均 で 2 個 のレベル A の 表 現 が 存 在 する ことを 意 味 する. これで 漢 字 表 記 から よみがな 表 記, よみがな 表 記 から 数 字 列 表 記 57

74 への 重 複 度 と 縮 退 率 を, 都 道 府 県 レベルで 計 算 すると 以 下 のようになる. OL 漢 字 to よみがな =1.0, DG 漢 字 to よみがな =0 %. すなわち 表 記 レベルから よみがな レベルでは, 重 複 度 は 1.0 で 重 複 する 件 数 はないということ,また 縮 退 率 も 0%で 縮 退 も 生 じていないことを 示 す. 同 様 に OL よみがな to 数 字 列 =47/46=1.021, DG よみがな to 数 字 列 =(1-1/1.021)*100 = 2.1 %. すなわち, よみがな レベルから 数 字 列 レベルでは, 重 複 度 は で 若 干 の 重 複 があり, 縮 退 率 でみると 2.1%が 縮 退 していることになる. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 使 用 して, 都 道 府 県 名 レベルで 住 所 を 入 力 することは, 特 に 何 の 問 題 もないが, 都 道 府 県 名 がわかったところでは, 情 報 検 索 範 囲 が 大 きすぎることが 多 く, 以 降 の 加 入 名 義 者 の 検 索 において,さらに 探 索 範 囲 の 狭 小 化 を 図 る 必 要 が 生 じて,さらに 詳 細 な 住 所 情 報 を 聞 くことになる. したがって, 利 用 者 にこのレベルから 情 報 入 力 を 行 うことは 番 号 案 内 業 務 の 観 点 からは 有 効 な 方 式 とは 考 えられない. (2) 町 字 名 レベル 次 に, 市 区 郡 レベルではなく, 町 字 レベルからの 入 力 方 法 について 調 査 した 結 果 について 述 べる.これは 件 数 の 多 い 町 字 レベルでは 実 在 する 件 数 が 大 きい ことから, 表 現 可 能 数 との 差 について 概 観 するためである. ここでは,まず, 文 字 数 が 決 められた 時 にその 文 字 数 で 表 現 可 能 な 数 と 実 在 する 数 の 開 きについて 考 察 する. 文 字 数 がNの 時 に 日 本 語 の 50 音 に 対 応 する 71 文 字 の 文 字 で 表 現 可 能 な 数 と 数 字 列 で 表 現 可 能 な 数,および,それぞれに 対 して 実 在 する 町 字 レベルの 件 数 を 図 4.4 に 示 す. 文 字 数 がNの 時 のひらがな 文 字 列 の 表 現 可 能 数 は 71 N (71 のN 乗 )( 図 の1の 直 線 ), 数 字 列 数 Nの 時 の 表 現 可 能 数 は 10 N ( 図 の2の 直 線 )になる. 縦 軸 が 対 数 の 時 は 図 のように 直 線 になる. 1 文 字 33 では 71 文 字 のうち 51 文 字 (72%)が,2 文 字 では 5041(71 71)の 組 み 合 わせのうち 1299(25%)が 出 現 するが,3 文 字 以 上 からは 急 速 に 減 少 し 33 : よみがな 1 文 字 は 字 名 がほとんどで イ ロ 阿 (あ) 亥 (い) などが,2 文 字 は 阿 井 (あい) 粟 生 (あ お) などがある. 58

75 表 現 可 能 数 / 実 歳 数 て,3 文 字 で 3%,4 文 字 では 0.1%しか 実 在 しない.5 文 字 以 上 になると 可 能 な 組 み 合 わせは 指 数 的 に 増 大 するが, 実 在 する 組 み 合 わせは 殆 どない( 図 曲 線 3). 1E+10 1E 音 文 字 列 での 表 現 可 能 数 数 字 列 での 表 現 可 能 数 音 文 字 列 での 実 在 件 数 4 数 字 列 での 実 在 件 数 よみがな/ 数 字 列 の 字 数 図 4.4 よみがな 文 字 数 / 数 字 列 数 Nと 表 現 可 能 数 / 実 在 データ 件 数 数 字 列 についてN 4 の 時 は, 数 字 の 表 現 可 能 数 と 実 在 数 は 結 構 近 い 関 係 にあるが,N 5 で 次 第 に 乖 離 するようになり,N 7 以 上 では 可 能 数 と 実 在 数 の 比 率 は 1% 以 下 になる( 図 の 曲 線 4).( 縦 軸 の 横 線 の 1 つの 間 隔 が 1/10 にな るので 2 間 隔 では 1/100 で 1%になる.) 町 字 以 上 のすべての 住 所 について, よみがな の 文 字 列 数 に 対 する 分 布 状 況 をと よみがな を 1 文 字 1 数 字 への 変 換 を 行 う 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 での 数 字 列 表 現 に 変 換 した 数 字 列 の 分 布 状 況 を 示 したものが 図 4.5 である. ここでも, 重 複 度 (OL), 縮 退 率 (DG)を 計 算 して 表 示 する.この 図 では 縦 軸 をリ ニアスケールにしている. 左 辺 OL( ) 内 の 数 字 はひらがな 列 や 数 字 列 の 文 字 数 を 表 わし, 右 辺 の( ) 内 の 数 字 はそれぞれの 文 字 数 に 対 応 する OL 値 を 表 わす.これは( ) 内 の 数 字, この 例 では 文 字 列 数 1~10 までの OL 値 をまとめて 表 示 するために 用 いた 表 示 形 式 である.DG についても 同 様 である. 59

76 異 なり 件 数 よみがな 文 字 数 / 数 字 列 数 漢 字 よみがな 数 字 列 図 4.5 町 字 レベルの 地 名 の 分 布 状 況 ( 漢 字 の 文 字 数 は 表 記 の 文 字 数 ではなく,よみがな 文 字 数 で 分 類 している) OL 漢 字 to よみがな (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (11.1, 7.1, 4.1, 3.1, , 1.4, 1.1, 1.05, 1.03), DG 漢 字 to よみがな (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9. 10) = (91, 86, 76, 68, 51, 33, 27, 8.8, 5.2, 3.1) %, OL よみがな to 数 字 列 (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (5.1, 13.0, 12.1, 5.4, 2.2, 1.4, 1.2, 1.05, 1.01, 1.00), DG よみがな to 数 字 列 (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (80, 92, 92, 81, 54, 30, 17, 4, 7, 1.7, 0.7) %. N が 8 以 上 の 領 域 では,OL 値 がほとんど 1 になり,DG 値 が 0%に 近 い 状 態 で ある.このことはN 8 の 領 域 では, 複 数 候 補 が 生 じることがほとんどなく, 数 字 列 で 検 索 式 を 入 力 したら,それに 対 応 する よみがな も 一 つしかなく, それに 対 応 する 漢 字 表 現 も 一 つしかないことを 意 味 している. OL よみがな to 数 字 列,DG よみがな to 数 字 列,については,N 7 の 領 域 では, 両 者 の 値 が 比 較 的 大 きい.OL 値 は 1 以 上 の 値 になるが,OL 値 が 1 の 時 は, 一 つの 数 字 列 キーワードが 与 えられた 時 に 検 索 される よみがな 候 補 は 一 意 に 決 まる ことを 意 味 している.OL 値 が 2 以 上 の 時 は 重 複 ( 一 つの 数 字 列 キーワード に 対 して 平 均 2 個 以 上 の よみがな 候 補 が 生 じる)がほとんどの 場 合 生 じる (OL 値 は 平 均 値 のため ほとんどの 場 合 という 表 現 を 使 用 している)ことを, またその 数 値 が 大 きいほど よみがな 候 補 数 が 多 くなることを 意 味 している. 60

77 1<OL<2 の 時 は(OL よみがな to 数 字 列 -1)の 確 率 で 重 複 が 生 じる. 町 字 名 のうちほとんどの 地 名 (94.6%)が,Nが 3 N 12 の 範 囲 に 含 まれる. 3 N 5の 範 囲 ではほぼ 確 実 に 重 複 が 生 じるし,9 N 12 では 重 複 が 生 じる 確 率 は 0 である( 重 複 が 生 じない).また,N=6,7,8 の 重 複 が 生 じる 確 率 は, それぞれ 0.43,0.20,0.05 である. 重 複 が 生 じた 時 は, 一 つの 数 字 列 キー ワードに 対 して 複 数 の よみがな 候 補 が 返 されることになり,3 N 8 の 範 囲 では 時 には 10 個 以 上 になることもある. ( 例 : 入 力 数 字 列 に 対 して 4 個 の よみがな 候 補 さたちょう ( 佐 多 町 ) さだちょう( 佐 田 町 ) しどちょう( 志 度 町 ) せとちょう( 瀬 戸 町 ) が 候 補 として 提 示 される. 最 後 の せとちょう( 瀬 戸 町 ) だけが 愛 媛 県 と 岡 山 県 の 2 か 所 に 存 在 するが, 他 の 候 補 は,すべて 所 在 地 は 1 か 所 に 限 定 される.) 以 上 の 調 査 結 果 をまとめると, 町 字 名 はそのほとんど(94.6%)が 3 文 字 か ら 8 文 字 に 分 布 していて,この 領 域 では 一 つの 数 字 列 キーワードに 対 して, 対 応 するひらがな 候 補 に 重 複 が 生 じやすいし, 重 複 による 候 補 数 が 大 きい,そ のために 候 補 選 択 の 手 間 に 余 分 の 時 間 が 必 要 になることを 示 している. 図 4.5 からもわかるように, よみがな をキーワードにして, 意 図 する 漢 字 表 記 を 得 るためのプロセスにおける 重 複 も 大 きいことがわかる.このことから, 町 字 レベルの 地 名 を 特 定 するのに, 数 字 列 をキーワードとして 入 力 して, 得 られた 複 数 の よみがな 候 補 の 中 から 目 的 とする よみがな を 選 択 して, さらにその よみがな をキーワードとして 入 力,えられた 複 数 の 漢 字 表 記 の 中 から 木 手 とする 一 つの 場 所 を 特 定 することには 多 くの 手 間 と 時 間 を 要 するこ とが 予 測 され,このレベルで 地 名 を 入 力 するという 方 法 は 良 い 方 策 とはいえな い. (3) 市 区 郡 レベル 市 区 郡 レベルの 地 名 についても 同 様 の 調 査 結 果 を 図 4.6 に 示 す. 市 区 郡 レベルの 地 名 は 3,988 件 ある. よみがな が 異 なる 地 名 は 3,728 件 あ り, 数 字 列 化 した 時 に 異 なる 地 名 は 3,108 件 ある. 漢 字 to よみがな への 平 均 重 複 度 は 1.069, よみがな to 数 字 列 の 平 均 重 複 度 は である. 3,988 件 の 地 名 はそのほとんどが 3 文 字 から 9 文 字 に 分 布 している. 図 4.5 と 比 較 してみると 漢 字 表 記 ラインと よみがな ライン, よみがな ライン と 数 字 列 ラインの 間 が 狭 まっていることがわかる.これはそれぞれを 間 の 重 複 度 が 小 さく, 縮 退 率 も 小 さいことを 意 味 している. 61

78 異 なり 件 数 漢 字 よみがな 数 字 列 よみがな 文 字 数 / 数 字 列 文 数 図 4.6 市 区 郡 レベルの 地 名 の 分 布 状 況 ( 漢 字 の 文 字 数 は 表 記 の 文 字 数 ではなく,よみがな 文 字 数 で 分 類 している) 町 字 レベルと 同 様 に 重 複 度 (OL)と 縮 退 率 (DG)を 以 下 に 示 す. OL 漢 字 to よみがな (2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (1, 1.18, 1.07, 1.06, 1.09, 1.04, 1.02, 1, 1), DG 漢 字 to よみがな (2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9. 10) = (0, 16, 6.9, 6.0, 8.5, 4.4, 2.2, 0, 0) %, OL よみがな to 数 字 列 (2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (1, 1.4, 1.4, 1.2, 1.2, 1.1, 1.0, 1, 1), DG よみがな to 数 字 列 (2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (0, 28, 29, 18, 17, 10, 0.46, 0, 0) %. OL 漢 字 to よみがな の 値 はNが 3 と 8 の 間 で 非 常 に 小 さい.Nが 3 と 4 に 含 まれる 全 体 の 12.9%の 地 名 が 0.3 の 確 率 で 重 複 を 生 じる.またNが 5 から 7 までに 含 まれ る 全 体 の 78%の 地 名 は 0.15 の 確 率 で 重 複 が 生 じる. OL よみがな to 数 字 列 についても 同 様 なことがいえるが, 重 複 度 や 縮 退 率 が 漢 字 to よみがな の 時 よりも 若 干 大 きな 数 値 となっていることがわかる. ( 例 : 数 字 列 1143 に 対 して 以 下 の 6 個 の 候 補 がある: いいだし( 飯 田 市 ), うえだし( 上 田 市 ). おおたし( 太 田 市 ), うおづし( 魚 津 市 ), おおだ し( 大 田 市 ), おおつし( 大 津 市 ).しかし 数 字 が 1 文 字 異 なる 1142 に 対 しては おおたく( 大 田 区 ) しか 存 在 しない.) 以 上 の 調 査 結 果 で, 市 区 郡 のレベルでは, 入 力 された 数 字 列 から 意 図 す る よみがな を 特 定 するための 手 間 はほとんどなく,あっても 少 しの 手 間 で 62

79 解 決 することがわかる.このレベルでの 文 字 情 報 縮 退 入 力 は 有 益 であると 考 え られる 人 名 データベース( 電 話 帳 からの 抽 出 ) ここでは, 電 話 帳 データベースの 中 で 特 定 のF 県 から 抽 出 した 個 人 名 のデー タベースを 作 成 して 調 査 した. 全 体 で 約 26 万 人 文 の 人 名 を 収 集,これを 姓 と 名 に 分 離 したデータベースと 姓 名 全 体 のデータベースを 作 成,この よみがな を 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 用 に 数 字 列 化 したデータも 付 け 加 えた.オペレー タ 案 内 の 場 合 は, 基 本 的 に 市 区 郡 のレベルまで 確 定 できた 時 は,その 区 画 を 探 索 範 囲 として 加 入 者 名 義 の 検 索 を 開 始 する. 東 京 都 内 の 一 つの 区 では 上 記 の 人 数 を 上 回 ることもあるが, 適 当 な 検 索 範 囲 のサイズと 考 えてよい. (1) 姓 のレベル 日 本 人 の 姓 を 入 力 することは, 日 本 人 の 姓 を 集 めた 辞 書 を よみがな で 検 3435 索 して 所 望 の 表 記 の 姓 を 同 定 することと 等 価 である. 日 本 人 の 姓 は 10 万 種 類 とも 30 万 種 類 36 とも 言 われている[Hayakawa 2012].これは 数 え 方 の 違 いで,お そらく 表 記 の 違 い( 例 : 龍 と 竜 と 辰 など)をどう 扱 うかによって 同 じ 姓 とする か 異 なる 姓 とするかにもよるものと 思 われる. 我 々が 電 話 帳 に 掲 載 されているある 県 F( 加 入 者 数 約 26 万 人 )について 調 べ たところ, 姓 は 表 記 異 なりで 約 13,700 種 類 37, よみがな 異 なりで 約 10,600 種 類, 数 字 列 では 3,700 種 類 であった. 姓 については 都 道 府 県 間 で 共 通 のものと, 都 道 府 県 で 特 有 のものがあること から, 全 国 47 都 道 府 県 では,おそらく 上 記 の 10 数 倍 程 度 になるものと 予 想 さ れ, 上 記 の 報 告 の 範 囲 外 になる 38. この 調 査 結 果 を 図 4.7 に 示 す. 図 からは, 全 体 として 漢 字 表 記 から よみがな への 縮 退 は 小 さいが, よみ がな から 数 字 列 への 縮 退 は 大 きい 傾 向 にある. 文 字 数 2~8 文 字 の 範 囲 で, 縮 退 率 をみると,2 文 字,3 文 字 ではそれぞれ 0.86,0.81 と 大 きく,4 文 字 で 0.59 となっているが,それ 以 外 ではほとんど 縮 退 は 生 じていない. 平 均 重 複 度 で 見 34 : 名 前 についての 豆 知 識 ) 35 : 人 名 力 : 都 道 府 県 別 の 姓 数 ランキング) 36 : 日 本 苗 字 大 辞 典 HP) 37 : 韓 国 籍 や 中 国 籍 の 人 の 名 前 も 含 む. 38 : 正 確 には 日 本 全 国 の 住 民 票 登 録 の 姓 名 データを 入 手 して 検 討 する 必 要 がある. 63

80 異 なり 件 数 ても,2~4 文 字 で 7.1,5.2,2.4 と 大 きい 以 外 は 極 めて 小 さい 漢 字 よみがな 数 字 列 ひらがな 文 字 数 / 数 字 列 数 図 4.7 F 県 における 姓 の 分 布 状 況 ( 漢 字 の 文 字 数 は 表 記 の 文 字 数 ではなく,よみがな 文 字 数 で 分 類 している) 日 本 の 姓 はほとんどが 3 文 字 から 5 文 字 である(99%の 姓 がこの 範 囲 に 含 ま れる)ことを 考 えると,このことから, 日 本 人 の 姓 を 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 で 数 字 列 を 入 力 して よみがな を 確 定 し,さらに 表 記 まで 確 定 することは, 結 構 手 間 を 要 するタスクと 考 えられる. 適 しているタスクとは 言 えない. また, 事 前 に 日 本 の 姓 を 網 羅 的 に 収 集 して,あらかじめ, よみがな とその 数 字 列 の DB を 作 成 しておくことも 大 きな 労 力 を 要 する. ( 例 : 入 力 数 字 列 1138 に 対 して おおしま あおしま うえしま うおずみ などが よみがな 候 補 として 提 示 される.それぞれに おおし ま( 大 島, 大 嶋, 大 嶌, 大 志 摩 など), あおしま( 青 島, 青 嶋, 青 嶌 など), うえしま( 植 島, 上 島, 上 嶋, 上 嶌 など) うおずみ( 魚 住 ) などのように 漢 字 表 記 のバリエーションは 数 多 くあることが 多 い.) (2) 名 のレベル 日 本 人 の 姓 は よみがな が 異 なるものが 多 く 種 類 が 多 い((1) 参 照 )が, 名 前 ( 名 )について, 表 記 は 千 差 万 別 ではあるが, よみがな の 種 類 に 関 しては 1 万 通 りくらい( 脚 注 3 参 照 )だと 言 われている.ただ, 表 記 の 異 なりは 一 つの 読 みにかなりの 数 存 在 することから,630 万 種 類 という 調 査 結 果 もあるようであ 64

81 異 なり 件 数 る 39. 実 際 に 上 記 F 県 について 調 査 した 結 果 を 図 4.8 に 示 す ひらがな 文 字 数 / 数 字 列 数 漢 字 よみがな 数 字 列 図 4.8 F 県 における 名 の 分 布 状 況 ( 漢 字 の 文 字 数 は 表 記 の 文 字 数 ではなく,よみがな 文 字 数 で 分 類 している) 名 については 漢 字 表 記 の 異 なりは 38,900 件, よみがな の 異 なりが 10,600 件, 数 字 列 の 異 なりでは 3,800 件 となっていて 上 記 と 同 様 の 傾 向 が 見 られる. 電 話 帳 の 加 入 者 名 義 は 男 性 が 多 いことを 考 えると, 上 記 に 含 まれない 女 性 や 子 供 の 名 前 などの よみがな や 漢 字 表 記 を 加 えるとさらに 数 は 増 えること が 予 想 される.しかし, よみがな の 異 なりは 1 万 のオーダーに 収 まり, 表 記 の 異 なりは 上 記 よりも 大 きくなることが 予 想 される. 姓 と 名 の 大 きな 差 は, 姓 は よみがな から 数 字 列 への 変 換 で 縮 退 が 大 きくなるのに 対 して, 名 はこの 縮 退 は 小 さく, 漢 字 表 記 から よみがな へ の 変 換 で 縮 退 が 大 きいことである.これは, 日 本 においては, 名 に 当 て 字, 当 て 読 み 40 の 文 化 が 深 く 根 付 いていることを 示 している. 縮 退 率 DG 漢 字 to ひらがな でみると,2 文 字 から 6 文 字 までについてそれぞれ,77%, 80%,61%,56%,44%と 大 きく, 全 体 の 99%を 占 める 名 前 で 大 きく 縮 退 してい て, 重 複 度 OL 漢 字 to ひらがな も 2,3,4 文 字 でそれぞれ 4.4,4.9,2.5 と 大 きい. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 で 名 前 を 数 字 列 で 入 力 して 提 示 された よみがな 候 補 の 中 から 意 図 する 一 つを 特 定 して, 更 に 候 補 の 多 い かな 漢 字 表 記 の 候 補 の 中 から 意 図 する 特 定 の 一 つまで 絞 り 込 むのは 姓 の 入 力 よりも 大 きな 手 間 を 要 する. 事 前 に 名 前 の DB を 準 備 しておくことの 労 力 は 姓 の 時 と 同 様 である. 39 : 雑 学 集 ) 40 1 つの よみがな に 対 して 漢 字 を 適 当 に 選 んで 組 み 合 わせていくやり 方. 漢 字 の 選 び 方 で 何 通 りもできる. 65

82 全 体 に 対 する 割 合 (%) (3) 人 名 ( 姓 + 名 )のレベル 本 人 の 姓 名 を 姓 と 名 を 自 由 に 組 み 合 わせて 別 々に 入 力 する 手 間 が 大 きいこと は(1),(2)の 項 で 述 べた.しかしながら, 電 話 番 号 検 索 などのように, 実 在 する 人 に 限 って,DB に 収 録 された 人 の よみがな やそれをコード 化 した 数 字 列 を 検 索 語 として 使 用 して, 情 報 DB を 検 索 することは, 実 在 人 物 の 姓 と 名 の 組 み 合 わせは 限 定 的 であるため, 比 較 的 容 易 に 行 えることが 予 想 される. しかしながら 日 本 全 国 13,000 万 人 もの 全 体 を 対 象 にして,あらかじめ DB を 作 成 しておき, 姓 と 名 をそれぞれ 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 で 検 索 して, よみがな と 表 記 を 確 定 することは 容 易 でない( 同 姓 同 名 も 結 構 多 い). このような 大 きな DB を 対 象 にして,シングルタップ 方 式 で 姓 名 を 特 定 す るためには,この 大 きな DB を 県 別 や 市 区 町 村 別 に 区 切 って 検 索 範 囲 を 狭 小 化 し ておく 必 要 がある. 前 述 の 電 話 番 号 検 索 では, 市 区 町 村 レベルの 住 所 が 特 定 さ れていることが 必 要 なのは,このような 理 由 による. 上 記 F 県 ( 電 話 帳 加 入 者 26.2 万 名 )の 姓 名 の 分 布 の 調 査 結 果 が 図 4.9 である. 姓 名 では よみがな で 5~9 文 字 が 全 体 の 98.4%を 占 める.また,この 分 布 状 況 はどの 都 道 府 県 でもほぼ 同 様 である.いわゆる 同 姓 同 名 が 約 15.7%,この ため, 全 体 26.2 万 名 のうち 漢 字 表 記 の 異 なる 加 入 者 数 が, 約 22.1 万 件, よ みがな の 異 なりが 17.7 万 件, 数 字 列 の 異 なりは 約 13.5 万 件 となっていて, その 分 布 状 況 は 図 4.10 に 示 す 通 りである. 全 体 の 約 97%の 人 名 が よみがな が 5 文 字 から 9 文 字 に 分 布 していること がわかる.ここで よみがな to 数 字 列 に 対 する 重 複 度 OL と 縮 退 率 DG を 計 算 すると 以 下 のようになる 人 名 ( 姓 + 名 )のよみがな 文 字 数 図 4.9 電 話 帳 記 載 の 人 名 の 分 布 状 況 66

83 異 なり 件 数 重 複 度 OL と 縮 退 率 DG OL よみがな to 数 字 列 (3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (1, 1.0, 1.5, 1.6, 1.3, 1.1, 1.1, 1.0), DG よみがな to 数 字 列 (3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (0, 4, 33, 36, 25, 13, 10, 6) % よみがな 文 字 数 // 数 字 列 数 漢 字 よみがな 数 字 列 図 4.10 F 県 における 加 入 者 の 姓 名 の 分 布 状 況 ( 漢 字 の 文 字 数 は 表 記 の 文 字 数 ではなく,よみがな 文 字 数 で 分 類 している) 表 記 から, よみがな, 数 字 列 への 縮 退 の 状 況 もほぼ 他 の 都 道 府 県 と 同 様 である. ひらがな から 数 字 列 での 縮 退 率 DG ひらがな to 数 字 列 でみると, 比 較 的 大 きな 5~7 文 字 でもそれぞれ 33%,36%,25%で 重 複 度 OL ひらがな to 数 字 列 も 1.5,1.6,1.3 と 2 を 大 きく 下 回 っている.このことはこの 文 字 数 の 領 域 でも 3-4 回 に 1 回 程 度 の 確 率 で 重 複 が 生 じることを 示 しているが, 重 複 の 度 合 いは 大 きくなく,2-3 個 の 候 補 の 中 から 選 択 することが 多 いこともわかる. このように, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 利 用 した 入 力 を 考 えると, 数 字 列 の 入 力 からの よみがな の 曖 昧 性 解 消, よみがな から 表 記 の 曖 昧 性 解 消 ともに, 大 きな 手 間 を 要 しないことがわかる. 電 話 番 号 検 索 のように, 市 区 郡 レベルにまで 検 索 範 囲 が 狭 小 化 されていれば, 各 種 の 曖 昧 性 解 消 はさらに 容 易 になると 考 えられる. このように 検 索 対 象 の 範 囲 をある 区 域 に 居 住 する 人 物 だけに 絞 り 込 むことで も 可 能 であるが, 人 名 事 典 のように,ある 選 定 基 準 で 事 典 に 掲 載 されている 人 物 に 限 定 することでも 同 様 の 絞 り 込 みが 可 能 であり, 人 名 事 典 を 検 索 するよう な 場 面 でも 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 使 える 可 能 性 がある. 67

84 4.3.3 Wikipedia に 掲 載 の 人 物 名 事 典 前 述 のように, 人 物 事 典 のようなものが 電 子 的 に 構 築 可 能 であれば,これを 作 成 して 実 験 を 行 うことが 可 能 である. インターネット 上 の 最 大 の 百 科 事 典 である Wikipedia は,そのソースファイル がオープンになっている.これを 利 用 すれば,Wikipedia の 情 報 の 中 から 自 分 の ほしい 項 目 ( 見 出 し)だけを 選 択 的 に 収 集 して, 見 出 しの 部 分 データベースを 作 ることができる.ここで 必 要 とする 情 報 は, 人 名 表 記 と よみがな であ る. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 使 用 するために, よみがな を 数 字 列 に 変 換 しておく. 検 索 が 成 功 して, 意 図 する よみがな と 表 記 がえられれば, そのもとになる 情 報 は Wikipedia の URL をリンクしておくことで 参 照 が 可 能 と なる 年 度 のオープンソースファイルから 約 13 万 名 分 の 人 名 と 思 われる 情 報 を 抽 出 した. 抽 出 方 法 は,ソースファイの 中 で 見 出 しが かな 漢 字 で 構 成 され ていること, よみがな らしき 項 目 があること, 生 年 月 日 没 年 年 齢 や 職 業 を 表 わす 項 目 を 含 んでいることなどを 条 件 として 自 動 的 に 抽 出 した. 抽 出 したデータは 見 出 しをすべてチェック, 人 物 であるかどうかチェックした. したがって,ここで 抽 出 した 項 目 はすべて 人 物 であることは 保 証 できるが, 人 物 事 典 に 掲 載 されるべき 人 物 でも Wikipedia へ 投 稿 する 人 がいなければ, 収 録 されていないし,また,Wikipedia に 収 録 はされていても, 自 動 収 集 のツールの 条 件 にうまく 合 わないで 収 録 できなかったものもある. 収 録 された 人 物 は,す べて 日 本 人 または 中 国 人 など かな 漢 字 表 記 のある 人 物 で, 歴 史 上 の 人 物, 政 治 家, 学 者, 作 家,アイドル,アスリート,スポーツ 選 手,TVタレント, 映 画 俳 優, 時 の 人 などの 有 名 人 である. こうして 収 録 した, 人 物 事 典 の 内 容 について,これまでと 同 様 の 分 析 を 行 っ た 結 果 を 図 4.11 に 示 す. 約 99%の 人 名 は よみがな が 3 文 字 から 10 文 字 の 間 に 含 まれる.また 7 文 字 ( 約 35%)をピークに 5 文 字 から 9 文 字 に 約 94%の 人 名 データが 収 容 されて いる. 3 本 の 線 の 形 は, 電 話 帳 データベースの 場 合 とほとんど 同 じだが,これと 比 べ て, 漢 字 表 記, よみがな と 数 字 列 のそれぞれの 間 隔 が 狭 いことから, 重 複 度 も 小 さく, 縮 退 率 も 小 さいことがわかる. 68

85 異 なり 件 数 よみがな 文 字 数 / 数 字 列 数 漢 字 よみがな 数 字 列 図 4.11 Wikipedia から 作 成 した 人 名 事 典 内 の 人 名 の 分 布 状 況 ( 漢 字 の 文 字 数 は 表 記 の 文 字 数 ではなく,よみがな 文 字 数 で 分 類 している) OL よみがな to 数 字 列 と DG よみがな to 数 字 列 の 具 体 的 な 数 値 を 示 す. OL よみがな to 数 字 列 (3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (2.4, 1.8, 1.4, 1.3, 1.1, 1.1, 1.1, 1.0), DG よみがな to 数 字 列 (3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (58, 46, 26, 21, 12, 7, 7, 2) %. 我 々が 通 常 良 く 調 べる 人 物 は 5 文 字 から 9 文 字 である( 姓 と 名 がある 人 はこ の 範 囲 に 入 る.4 文 字 以 下 はタレント 名 などに 多 く,10 文 字 以 上 は 歌 舞 伎 役 者 などが 多 い)ことを 考 えると,この 範 囲 では 重 複 度 もそれぞれ 1.4,1.3,1.1, 1.1 であるし, 縮 退 率 も 26%,21%,12%,7%,7%で, 重 複 が 生 じる 確 率 も 4~14 回 に 1 回 くらいで 小 さいし, 重 複 しても,2-3 個 の 候 補 の 中 から 選 ぶことが 多 いと 思 われる.データ 全 体 でもみても, 約 65%の 人 物 名 は 重 複 が 生 じない. 残 りの 約 35%で 重 複 が 生 じる. 以 上 のことから, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 用 いて の 人 物 名 事 典 の 中 の 検 索 は, 特 定 の 県 内 での 人 物 検 索 よりもずっと 軽 度 なタス クであることがわかる.すなわち,この 様 なデータベースは 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 に 適 しているといえる. ( 例 : では あべしんぞう( 安 倍 晋 三 ) 一 人 しかいない では, わたなべけん( 渡 辺 謙 ) と わたなべかん( 渡 辺 寛, 渡 辺 完 ) の 3 名 が 出 てくる では かいけい( 快 慶 ) くうかい( 空 海 ) など 30 名 以 上 の 僧 侶 が 候 補 として 提 示 される.) 69

86 異 なり 件 数 日 本 語 ( 国 語 ) 辞 書 の 縮 退 状 況 次 に 一 般 の 日 本 文 を 作 成 するために 日 本 語 辞 書 を 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 で 入 力 することを 考 える. 今 回 使 用 した 日 本 語 辞 書 は IPA から 公 開 されている 形 態 素 解 析 用 の 電 子 辞 書 から 固 有 名 詞 などを 除 いた 名 詞, 動 詞, 形 容 詞, 副 詞 などからなる 一 般 語 を 抽 出 したものを 作 成 した.この 中 には, 東 京, 京 都 や 富 士 山, 橋 本, 優 子 などの 地 名, 人 名 などの 固 有 名 詞 は 含 めていない. 収 集 した 語 は 約 10.1 万 語 である よみがな 文 字 数 / 数 字 列 数 漢 字 よみがな 数 字 列 図 4.12 日 本 語 ( 国 語 ) 辞 書 の 分 布 状 況 この 一 般 語 辞 書 の よみがな 文 字 数 に 対 する, 表 記, よみがな, 数 字 列 の 異 なり 数 について 図 4.12 に 示 す. 当 然 ながら, 山 川 山 岳 河 川 行 く 帰 る 美 しい などの よ みがな が 短 い 語 が 多 いことから 分 布 は 10 文 字 以 下 に 集 中 する.このため,10 文 字 までの 情 報 を 示 している(10 文 字 までの 件 数 が 全 体 の 98.7%を 占 める).こ の 図 から 一 般 語 辞 書 では 同 じよみがなで 表 記 が 異 なる いわゆる 同 音 異 義 語 が 多 いことがわかる. まず.OL 漢 字 to よみがな, DG 漢 字 to よみがな の 値 を 下 記 に 示 す. OL 漢 字 to よみがな (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (7.3, 3.5, 2.0, 1.8, 1.8, , 1.1, 1.1, 1.1), DG 漢 字 to よみがな (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (86, 71, 49, 45, 43, 33, 18, 11, 9, 0) %. よみがな に 対 する 表 記 の 重 複 度 は 2~5 文 字 まで,それぞれ 3.5,2.0, 70

87 1.8,1.8 となっていて, 重 複 度 はそれほど 大 きくはなく, 重 複 が 生 じた 場 合 でも 平 均 的 には2~4 個 ぐらいの 候 補 がでることになるが, 複 数 候 補 が 出 る 確 率 は 高 い. OL よみがな to 数 字 列 (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (6.7, 18, 12, 4.5, 1.6, 1.1, 1.0, 1.0, 1.0, 1), DG よみがな to 数 字 列 (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10) = (85, 94, 92, 78, 38, 11, 2, 1, 1, 0) %. この 値 を 見 ると, 文 字 列 が 2 文 字 から 5 文 字 については, 数 字 列 に 対 する よみがな の 重 複 度 OL よみがな to 数 字 列 は,18,12,4.5,1.6 となっていて, 一 つ の 数 字 列 に 対 して,2 文 字 3 文 字 のあたりは よみがな だけでも 2 桁 以 上 の 候 補 が 出 現 する. 表 記 の 異 なりまで 考 えると 平 均 で 20 以 上 の 重 複 を 生 じる 可 能 性 もある.また, 複 数 候 補 が 出 現 する 確 率 は 90% 代 から 40% 程 度 と 大 きい. 以 上 の 調 査 結 果 から, 日 本 語 辞 書 は 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 使 用 する 環 境 と しては 適 していないことが 言 える. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 で 日 本 語 文 章 を 作 るには, 単 語 ( 見 出 し 語 ) 単 位 だけ で 辞 書 を 検 索 して, 利 用 者 が 意 図 する よみがな を 復 元 して, 更 に 意 図 する かな 漢 字 表 記 まで 確 定 していくだけでなく, 助 詞 や 活 用 語 尾 まで 含 めた 文 節 単 位 で 上 記 と 同 様 の 手 順 を 踏 まなければならない. さらに, 一 般 語 だけで 日 本 語 文 章 を 作 成 できるわけではなく,そのためには, 地 名 や 姓, 名, 会 社 名 などの 固 有 名 詞 も 含 めた 日 本 語 辞 書 を 作 成 することにな るが, 固 有 名 詞 の 数 は 膨 大 であるので 組 み 込 む 固 有 名 詞 をうまく 限 定 しておか ないと,シングルタップ 方 式 は 有 効 に 働 かない. 重 複 度 や 縮 退 率 が 大 きくなる と, 数 字 列 から よみがな, よみがな から かな 漢 字 表 記 へと, 曖 昧 性 解 消 のための 多 くの 手 順 を 踏 まないといけなくなる. 上 記 の 手 順 を 踏 んでも 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 で 日 本 語 を 作 成 するのが 利 用 者 にとって 便 利 で 効 率 が 良 いか,または 他 の 循 環 型 文 字 指 定 入 力 方 式 やフリック 方 式 を 用 いて よみがな を 確 定 した 上 で,かな 漢 字 変 換 で 表 記 を 表 示 し て 選 択 する 方 法 で 日 本 語 文 章 を 作 成 するのが 良 いかは, 利 用 者 の 選 択 になるが, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 はこの 局 面 で 優 位 な 立 場 にいるとは 言 えない. 4.4 調 査 結 果 のまとめ 4.3 において,2 種 類 のデータベースについて 調 査 検 討 した. 一 つは 自 動 電 話 番 号 案 内 システムの 開 発 時 に 使 用 した, 電 子 電 話 帳 のデータベースのうち, 住 所 を 構 成 する 都 道 府 県 名, 市 区 郡 名, 町 字 名 などの 各 レベルにおける 住 所 パー 71

88 ツデータベースと 特 定 の 県 内 の 加 入 者 人 名 データベース(これらはすべて 数 字 列 化 された 情 報 が 付 加 されている),そしてもう 一 つは,インターネット 上 にオ ープンソースとして 開 放 されている 辞 書, 事 典 情 報 から 抽 出 して 加 工 したデー タベースで,ここでは Wikipedia から 抽 出 した 人 物 事 典 と 翻 訳 用 日 本 語 辞 書 から 抽 出 した 一 般 語 の 日 本 語 ( 国 語 ) 辞 書 である. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 利 用 して 入 力 しようとする 場 合 に,これらの 情 報 デ ータベースがどんな 状 況 にあるかの 特 徴 を 調 査 した 結 果 を 以 下 にまとめる. (1) 都 道 府 県 名 での 入 力 には 特 に 問 題 なく 都 道 府 県 ( 対 象 数 47)を 特 定 できる が,これだけでは 住 所 の 詳 細 を 決 められない.このため,さらに 下 位 レベル の 住 所 情 報 の 入 力 が 必 要 になり,さらなる 入 力 操 作 が 必 要 になる. (2) 町 字 から 住 所 ( 対 象 数 34.2 万 )を 入 力 しようとすると, 数 字 列 入 力 に 対 して 候 補 の 数 が 多 く,これらの 候 補 の 中 から 一 つを 抽 出 するのに 手 間 がかかる. このため,このレベルでの 住 所 を 数 字 列 で 入 力 して, 一 度 に 町 字 までの 住 所 を 特 定 しようとすることは, 良 い 入 力 手 段 とは 言 えない. (3) 市 区 郡 レベルでの 入 力 は, 対 象 数 も 少 なく(3988 件 ), 入 力 された 数 字 列 に 対 する 重 複 度 も 小 さく, 重 複 が 生 じる 確 率 も 小 さいので, 候 補 選 択 が 生 じて も 選 択 肢 が 小 さいので 操 作 負 荷 も 小 さい. 市 区 郡 レベルまでの 住 所 をとくて いするには,この 方 法 がベストである. (4) 電 話 帳 DB 内 の 人 名 (F 県 内, 約 26.2 万 名 )を 特 定 するには, 姓 と 名 の 両 方 が 分 かっている 時 は, 数 字 列 入 力 での 検 索 で 十 分 効 率 よく 特 定 できる. 一 方, 姓 や 名 だけを 数 字 列 で 特 定 するには, 入 力 数 字 列 に 対 する よみがな や 漢 字 表 記 の 候 補 が 多 数 出 ることで, 選 択 に 手 間 取 る. (5) Wikipedia から 作 成 した 人 名 事 典 内 の 人 名 ( 対 象 数 約 13 万 名 )からの 姓 名 を 数 字 列 入 力 で 検 索 しても, 重 複 を 生 じる 確 率 も 重 複 度 も 小 さく, 特 定 は 容 易 である. (6) 機 械 翻 訳 用 の 辞 書 から 作 成 した 日 本 語 ( 国 語 ) 辞 書 ( 対 象 10.1 万 語 )から 数 字 列 入 力 で 単 語 を 特 定 するには, 辞 書 内 の 単 語 が 一 般 的 に 短 いこと, 入 力 数 字 列 に 対 する よみがな 候 補 が 多 数 出 ることから, 選 択 に 手 間 がかかるこ と,さらに よみがな がとくていできても, 対 応 する 漢 字 表 記 が 多 数 出 ることから, 手 間 がかかり,2 段 階 で 多 くの 操 作 を 要 することから, 単 語 を 特 定 する 方 法 としてあまりよい 方 法 とは 言 えない. (7) 一 般 的 に, よみがな の 文 字 数 が 8 文 字 をこえるような 場 合 には,ほとん ど 重 複 は 生 じない. 重 複 が 大 きな 領 域 は 文 字 数 の 少 ない 2~7 文 字 の 間 で 大 き い. 72

89 1998 年 に 提 供 された, 自 動 電 話 番 号 案 内 サービスが 成 功 裏 に 終 わった 理 由 を データベースの 特 徴 から 述 べると 以 下 の 2 点 になると 思 われる. (a) 重 複 が 小 さいデータベースを 検 索 対 象 として 選 ぶ. 当 時 は, 表 示 機 能 がない PB 電 話 機 を 使 用 端 末 として 使 用 したため, 検 索 対 象 とするデータ 範 囲 をできる 限 り 小 さくする 工 夫 をした. 複 数 候 補 が 出 た 時 に, 絞 り 込 むためには 音 声 対 話 を 必 要 としたことから, 候 補 数 は 3 を 上 回 ら ないようにシステム 設 計 を 行 った. (b) 利 用 者 に 関 連 するキーワードを 入 力 させる. 最 初 に 対 象 としてデータベースに 対 して, 入 力 数 字 列 で 検 索 した 時 に 多 数 の 候 補 が 出 現 した 時 には,これを 3 以 下 に 絞 り 込 むために, 最 初 のキーワード に 関 連 するキーワードを 同 様 に 数 字 列 で 入 力 してもらうことで, 二 つの 数 字 列 の 候 補 を 用 いて,その 連 結 性 ( 二 つの 数 字 列 を 同 時 に 満 足 する 候 補 を 検 索 する)を 利 用 して 候 補 の 絞 り 込 みを 行 った. 現 在 は 大 きな 表 示 画 面 を 持 つスマートフォンの 時 代 であることを 考 えると, (a)の 3 件 以 内 という 条 件 は 緩 和 されて,1 画 面 に 収 まる 9 件 前 後 の 数 字 まで 緩 和 されるし,スクロール 機 能 を 使 えば,それ 以 上 の 候 補 が 出 ても 対 処 可 能 である. これまでの 住 所 や Wikipedia 人 名 事 典 の 事 例 を 考 えると, 重 複 生 起 確 率 は 0.35 以 下 であることが 望 ましい.この 重 複 生 起 確 率 が 小 さいほど, 重 複 が 生 起 した 時 も 候 補 数 が 少 なくなるため, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 にとっては 都 合 のよいこ とになる.(b)は 候 補 数 を 3 以 下 に 減 らすための 方 策 であるから, 表 示 画 面 があ ることで 候 補 数 の 制 約 がなくなったことにより, 音 声 対 話 により 候 補 数 を 減 少 させる(b)は.スマートフォン 時 代 にはなくなったと 考 えてよい. 4.5 まとめ 覚 え 易 くて 使 い 易 い という 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 利 点 を 活 かして, 過 去 の 使 用 実 績 のある 住 所 と 加 入 者 名 義 のデータベースと 新 たに 電 子 的 に 収 集 可 能 で,スマートフォン 時 代 にも 適 用 可 能 性 のあるデータベース 2 種 類 を 調 査 し た. 調 査 結 果 の 詳 細 については,4.4 にまとめた. この 結 果, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 を 利 用 するスマートフォンアプリケーショ ンにとって 大 事 なことが 二 つあることがわかった. 73

90 一 つ 目 は 地 名 や 人 名 などの 固 有 名 詞 であること. 固 有 名 詞 の 多 くは 3 文 字 以 上 であることが 多 いことも 付 帯 的 な 条 件 である. 固 有 名 詞 という 条 件 を 考 える と, 病 名 や 薬 品 名 なども 数 万 にものぼる 固 有 名 詞 の 集 合 であるし, 歌 手 名 や 歌 の 名 前 なども 大 きな 集 合 になる. 作 家 著 者 名 と 書 物 の 名 前 なども 同 様 である. 病 名 薬 品 名 などは 病 院 での 診 断 名 や 処 方 された 薬 品 の 詳 しい 内 容 を 知 りた い 時 などに 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 使 えると 便 利 である.また, 歌 手 と 曲 名 に ついては,カラオケなどで 歌 手 名 検 索 や 曲 名 検 索 で 自 分 が 歌 いたい 歌 を 捜 すの に 効 率 的 な 検 索 ができる. 作 家 著 者 名 と 書 物 名 などに 関 しては, 書 店 やと 者 間 などで 買 いたい 書 籍 を 捜 すのに 役 に 立 つことが 考 えられる.これらは 一 般 的 に 3 文 字 以 上 の 長 い 固 有 名 詞 であることが 多 いため, 重 複 度, 縮 退 率 が 小 さい ことが 期 待 できる.また,このような 分 野 では, 最 初 の 数 文 字 分 を 数 字 列 で 投 入 して 検 索 を 可 能 にするような,インクリメンタルな 検 索 もできる 可 能 性 が 大 きい. 二 つ 目 は, 検 索 対 象 となるデータベースの 内 容 を 数 字 列 に 変 換 した 時 に, 重 複 度 が 小 さく, 重 複 生 起 確 率 が 小 さいことである.このためには, 重 複 度 は 1.35 以 下 が 望 ましく, 生 起 確 率 も 0.35 以 下 が 望 ましい. データベース 全 体 についての 平 均 重 複 度 や 平 均 縮 退 率 が 小 さいということが あっても. 検 索 頻 度 の 高 い 文 字 列 ( 数 字 列 )の 部 分 において, 重 複 度 や 縮 退 率 が 大 きい( 例 えば 重 複 度 が 4 以 上, 縮 退 率 が 70%) 状 態 が 生 じると, よみがな や 漢 字 表 記 を 確 定 するのに 手 間 がかかる.これは 平 均 重 複 度 が 4 でも 重 複 しない 場 合 から, 重 複 候 補 が 10 以 上 になることもあるためである.また, 平 均 重 複 度 が 2 であるということはほぼ 毎 回 重 複 が 生 起 して, 候 補 選 択 の 手 間 が 生 じることを 意 味 している.このため, 上 記 の 数 字 はあくまでも 目 安 であって, 厳 密 な 有 効 性 を 規 定 する 数 値 ではない. 有 効 性 を 数 値 で 表 現 することは 簡 単 ではない. 本 章 で 記 述, 議 論 したような 縮 退 率 や 重 複 度 は 数 式 として 定 義 できるが, 有 効 性 を 数 式 として 定 義 すること は 現 時 点 では 困 難 である. 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 で 検 索 するデータベースを 収 集 して,そのよみがなデータベースと 数 値 化 データベースを 作 成 すると 重 複 を 生 じている 数 字 列 と 重 複 を 生 じない 数 字 列 の 集 合 に 分 割 でき, 何 %の 確 率 で 重 複 を 生 じるかは 計 算 できるし, 平 均 重 複 度 も 計 算 できる.しかし,どの 程 度 の 重 複 度 合 いであれば 利 用 者 が 我 慢 できるかや, 表 示 画 面 での 曖 昧 性 候 補 の 表 示 方 法 などで 利 用 者 の 満 足 度 などが 異 なるため, 曖 昧 性 候 補 の 提 示 方 法 と 利 用 者 の 満 足 度 など 複 数 の 変 数 を 用 いた 有 効 性 を 定 義 して 関 数 化 することは, 相 当 の 試 行 錯 誤 を 行 わなければならないと 考 える. このため 本 章 では 定 性 的 な 議 論 にとどめ, 有 効 性 の 定 量 的 な 定 義 方 法 や 実 験 74

91 方 法 などは, 今 後 の 課 題 としたい. さらに, 技 術 的 な 内 容 ではないが, 想 定 するアプリケーションが 利 用 者 にと って 魅 力 的 なことである.これについては, 上 記 のような 検 索 ニーズがあるか どうかということと,そのようなニーズを 示 している 年 齢 層 がどこにあるかと いうことを,アプリケーションを 開 発 する 前 に 調 査 しておく 必 要 がある. 上 記 の 観 点 からすると,これまで 調 査 した 結 果 からは,Wikipedia から 抽 出 し た 人 名 事 典 が 最 も 有 望 である. 電 話 番 号 検 索 においては 住 所 と 名 義 が 必 要 であ ったが, 住 所 だけ, 人 名 だけを 入 力 したいという 需 要 はないように 思 われる. その 点,テレビや 新 聞 で 見 かける 有 名 人 や 政 治 家,タレントなどについて,さ らに 詳 細 な 情 報 を 得 たいというニーズはあるのではないかと 思 われる.スポー ツ 番 組 に 選 手 の 詳 細 情 報, 結 果 や 成 績 の 情 報 などを 電 子 透 かしで 埋 め 込 んで, 映 像 を 写 真 でとって 電 子 透 かしの 情 報 を 復 元 して 利 用 者 に 提 供 するような 類 似 の 情 報 提 供 サービスもある[Tsutsuguchi 2014]. 第 5 章 において, 上 記 のアプリケーションを 試 作, 評 価 した 結 果 について 述 べる. [ 著 作 権 関 連 引 用 記 述 ] 本 章 の 記 述 の 一 部,また 図 表 の 一 部 は,IEEE Press 出 版 物 の Proc. of Culture and Computing 2015 に 掲 載 の 参 考 文 献 [Higashida2 2015]から 日 本 語 に 翻 訳 するか, 引 用 した. 75

92 第 5 章 曖 昧 性 を 許 容 したキーワード 入 力 方 式 に 基 づくスマートフォンアプリケ ーションの 開 発 と 評 価 5.1 はじめに 本 論 文, 第 3 章 において, 電 話 番 号 案 内 の 自 動 化 サービス あんないジョーズ [Higashida 2013]の 開 発 が 行 われた 1990 年 代 に, 同 サービスの 検 索 語 である 住 所 や 人 名 などの 検 索 語 となる 固 有 名 詞 の 情 報 を, 表 示 機 能 がないプッシュボタン 式 電 話 機 ( 以 降,PB 電 話 機 )から 入 力 する 方 法 として, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 [Higashida 1997]を 提 案 した.この 入 力 方 式 を 適 用 した 自 動 化 電 話 番 号 案 内 サー ビス あんないジョーズ が 1998 年 に 商 用 化 された[Higashida 2013]. あんないジョーズ サービスを 一 般 の 利 用 者 に 提 供 した 時 の 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 導 入 の 目 的 は, 以 下 の 通 りであった[Higashida 2013]. 1 利 用 者 には 覚 え 易 くて 使 い 易 い 入 力 方 法 を 提 供 すること.そのために は, 文 字 入 力 課 程 で, 個 々の 文 字 入 力 に 曖 昧 性 を 含 むような 文 字 情 報 入 力 方 式 も 使 用 可 とする. 換 言 すれば, いい 加 減 なユーザインタフェースを 提 供 する ことも, 利 用 者 に 利 便 性 を 与 えられるのであれば, 許 容 する. 2 上 記 利 便 性 を 提 供 することで 生 じた, 負 の 側 面, 入 力 された 情 報 の 曖 昧 性 の 解 消 の 必 要 性 は, 利 用 者 にほとんど 負 担 をかけず,システムが 自 動 的 に 解 消 する. あんないジョーズ が 提 供 された 後 の 2000 年 前 後 に, 当 時 の 携 帯 電 話 から メッセージ 通 信 等 の 文 章 生 成 に 使 用 するため, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 と 同 様, 基 本 的 に 1 文 字 1 タッチ で 入 力 する 入 力 方 式 として,T9[Grover 1998]や TouchMeKey[Tanaka 2002]などの 入 力 方 式 が 提 案 されている. これらの 入 力 方 式 では,いわゆる かな 漢 字 変 換 を 用 いて 日 本 語 の 文 章 を 作 成 することを 目 的 としているため,1 文 字 入 力 されるごとに,インクリメンタル に 候 補 となる ひらがな 文 字 列 を 想 定 して,それに 対 応 した かな 漢 字 変 換 を 施 した 日 本 語 文 候 補 を 提 示 して 選 択 させるという 手 段 を 提 供 している. TouchMeKey[Tanaka 2002]は, 自 らの 論 文 [Tanaka 2001]や 他 の 人 の 論 文 [Komachi 76

93 2011]の 中 で, 実 際 の 携 帯 電 話 機 に 搭 載 して 使 用 するには, 変 換 用 辞 書 に 学 習 機 能 をつけて,パーソナライズ 化 を 図 り, 不 要 な 選 択 肢 の 提 示 をなくすことを 課 題 としている. 要 は, 変 換 用 辞 書 内 の 見 出 し 語 を 利 用 者 に 応 じてカスタマイズ して, 利 用 者 を 煩 わせるような 候 補 選 択 の 手 間 をできる 限 り 小 さくするという 方 針 であるが 十 分 なカスタマイズができるまで 時 間 がかかるという 問 題 がある. 一 方,1990 年 代 後 半 から 急 速 に 普 及 してきた 携 帯 電 話 には 2000 年 代 に 大 きな 環 境 変 化 が 生 じた.2008 年 にスマートフォンが 発 売 されると, 普 及 に 弾 みがつ いた.2013 年 度 末 で, 携 帯 電 話 契 約 数 は 1.4 億 超 に 達 し,そのうちスマートフ ォンは 約 40%の 5700 万 件 となっている 41.スマートフォンの 登 場 と 同 時 に, 文 字 入 力 方 式 についても,それまでの 携 帯 で 主 として 使 われてきたマルチタップ 方 式 [Hamano 2013]に 加 えて,フリック 方 式 [Hamano 2013]が 提 案 され, 若 者 を 中 心 に 急 速 に 広 まっている. 今 日 では, 電 車 の 中 や 街 頭 で 若 者 がスマートフォンの 画 面 を 見 ながら 種 々の 情 報 検 索 を 駆 使 して, 当 日 の 行 動 計 画 に 役 立 てたり, 関 連 情 報 を 楽 しんだりし ている 光 景 を 日 常 的 に 目 にする. 一 方 で,フリックやマルチタップを 使 いこな せない 人 は, 情 報 検 索 意 欲 はあるものの, 検 索 語 入 力 の 壁 に 当 たって, 入 力 に 逡 巡 している 人 々となって, 情 報 検 索 弱 者 になってしまっている.こうして 一 部 の 人 は,インターネット 上 に 溢 れる 情 報 世 界 から 隔 離 された 状 態 となり,デ ジタルデバイドが 生 じている. 特 に, 高 齢 者 や 就 学 前 後 の 児 童,それに 指 先 が 自 由 に 操 れない 筋 力 系 の 障 が い 者 などが 情 報 検 索 弱 者 になっている.このような 人 達 は, 電 子 メールな ども 十 分 に 利 用 して 機 微 に 至 るまでの 意 思 疎 通 ができていない.このような 人 達 に, 簡 単 で 便 利 な 情 報 検 索 ツール を 提 供 できれば, 彼 らの 生 活 をより 豊 か なものにすることが 期 待 できる. このような 情 報 検 索 弱 者 を 支 援 するために, 我 々はかつて あんないジ ョーズ で 培 ってきた 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が, 電 話 番 号 検 索 という 情 報 検 索 に 実 績 を 残 してきたことを 考 え,その 利 用 実 態 や 反 省 点 などを 踏 まえて, 現 在 のスマートフォンの 機 能 機 器 仕 様 に 適 合 させることで, 覚 え 易 くて 使 い 易 い 情 報 検 索 のための 検 索 語 の 入 力 方 式 として 提 供 することを 試 みた. 一 般 に, 我 々がインターネットで 情 報 検 索 をするのは, 日 常 生 活 の 中 で, 疑 問 に 思 った 事 が 生 じた 時 や, 見 聞 きした 事 に 対 してさらに 深 い 知 識 や 情 報 を 得 たい 時 である.これまでは 出 版 された 辞 書, 辞 典, 事 典 などを 手 で 繰 って 調 べ ていたが, 今 ではインターネット 端 末 の 検 索 スロットに 検 索 語 を 入 力 さえすれ ば 容 易 に 情 報 が 得 られる.ここでは 対 象 とするデータベース 内 のデータの よ みがな 情 報 を 数 字 列 化 したデータベースを 数 字 列 で 検 索 しても 効 率 よく 検 索 できるかが 問 題 である. 第 4 章 で 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 適 用 可 能 なデータベースの 条 件 を 調 査 した が,ここで 調 査 したデータの 中 では, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 が 有 用 な 応 用 分 野 41 株 式 会 社 MM 総 研 ニュースサイト) 77

94 としては, 日 本 語 Wikipedia から 抽 出 して 作 成 した 人 物 事 典 を 検 索 するアプリケ ーションが 適 当 であることがわかった. 本 章 においては,まず, 上 記 Wikipedia 人 物 事 典 の 内 容 をもう 少 し 詳 しく 調 査 した 後, 実 際 にスマートフォン 上 で 人 物 名 検 索 を 行 うアプリケーション( 一 般 的 には, 若 者 の 間 で スマホアプリ という 愛 称 で 呼 ばれている)をデザイン 思 考 [Kurokawa 2012],quick and dirty 的 [Brooke 1996]な 考 え 方 のもとでプロトタ イプを 開 発 した. 次 に,このスマホアプリを 実 際 の 利 用 者 に 使 ってもらって 入 力 方 式 の 評 価 とスマホアプリの 有 用 性 の 評 価 を 実 施 した.スマホアプリについては, 実 際 に 80 名 の 利 用 者 の 方 にデモを 見 て 頂 いたり, 試 用 してもらったりして, 意 見 を 収 集 した. さらに,これまでに, 研 究 報 告 として, 高 齢 者 (60-70 歳 の 12 名 )を 対 象 に, スマートフォンからの 入 力 経 験 がほとんど 無 い 人 に 対 して,マルチタッチ,フ リック 入 力 方 式 等 の 入 力 実 験 を 実 施 して, 性 能 や 精 度 の 比 較 をしたものもある [Hamano 2013]が, 各 入 力 方 式 間 の 明 確 な 差 異 を 見 いだせていないことから, 本 論 文 では, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 に 加 えて, 他 のマルチタップ 入 力 方 式 とフリ ック 入 力 方 式 を 加 えて, 入 力 速 度 とエラー 生 起 率 の 観 点 から 各 方 式 を 比 較 検 討 して,その 差 異 を 明 確 にした. 被 験 者 としては, 上 記 意 見 収 集 の 被 験 者 80 名 の 中 から,30 名 の 方 に 被 験 者 に なってもらい,スマートフォン 上 に 実 装 されている 他 の 入 力 方 式 (マルチタッ プ 方 式,フリック 方 式 )との 性 能, 精 度 の 観 点 から 比 較 を 行 って 評 価 した. 被 験 者 は 若 年 齢 層, 中 年 齢 層, 高 年 齢 層 から 10 名 ずつ 参 加 してもらって, 年 齢 層 と 入 力 方 式 の 適 合 性 などについても 考 察 した 5.2 適 用 可 能 性 の 評 価 情 報 検 索 用 DB の 作 成 よみがな で 検 索 する 情 報 検 索 用 DB( 一 般 に 見 出 し 語 は よみがな で 記 述 されている)としては, 文 献 [Higashida 2013]で 扱 っている 電 話 帳 のように 地 名 や 人 名 を 収 集 した 地 名 辞 典, 人 物 名 辞 典 や 同 窓 会 名 簿, 百 科 事 典 ( 植 物 百 科, 動 物 百 科, 病 名 百 科, 薬 名 百 科 ), 専 門 用 語 辞 典 ( 医 学 用 語 辞 典,IT 用 語 辞 典 ) などが 頭 に 浮 かぶ. 電 話 帳 や 同 窓 会 名 簿 では 人 名 を よみがな で 検 索 して 連 絡 先 ( 住 所 や 電 話 番 号,メールアドレスなど)の 情 報 を 得 ることに 使 用 するし, 百 科 事 典 では, 見 出 し 項 目 に 関 する 知 識 を 得 ることに 使 用 する. 日 本 語 辞 書 は 文 章 を 書 く 時 などに 漢 字 表 記 や 意 味 を 確 認 する 時, 携 帯 電 話 で 電 子 メールの かな 漢 字 変 換 をする 時 などに 使 用 する. 第 4 章 でも 述 べたよ 78

95 うに, 日 本 語 辞 書 は 収 録 語 を 見 てみると, 短 い 語 が 多 いこと, 同 音 異 義 語 が 多 いことなどから よみがな レベルですでに 縮 退 している 上 に, 数 字 列 に 変 換 した 時 にはさらに 縮 退 が 進 むことが 予 測 されることから,ここでの 文 字 情 報 縮 退 を 利 用 した 単 語 検 索 には 適 していないと 考 えられる. 収 集 した 情 報 DB 全 体 の 情 報 量 や 数 字 列 化 した 時 の 情 報 量 の 変 化 ( 縮 退 状 況 ) などを 調 査 するためには, 収 集 する 規 模 は 少 なくとも 数 万 語 以 上 の 規 模 で,か つ, 電 子 的 に 収 集 可 能 である 必 要 がある. 我 々はインターネットに 存 在 する 人 名 辞 典 の 内, 無 償 で 公 開 されている Wikipedia に 着 目 した.Wikipedia は 250 万 以 上 の 項 目 に 関 する 情 報 DB であり,ネット 上 最 大 の 百 科 事 典 であるが,ここに 掲 載 されている 人 物 だけを 収 集 すれば,ほぼ 人 名 辞 典 に 近 いものが 得 られると 考 えられる. 人 物 名 と 思 われる 項 目 を Wikipedia 42 の 中 から 表 記 +よみがな 43 + 内 容 掲 載 URL だけを 収 集 ( 約 13 万 件 )して 人 物 名 DB とした. 次 に 文 字 情 報 縮 退 方 式 を 使 った 検 索 に 利 用 するため,この 人 物 名 DB に 見 出 し 語 人 名 の よみがな を 数 字 列 化 した 情 報 DB に 変 換 した DB を 付 加 作 成 し た.この 人 物 名 DB は SQLite を 使 って 作 成 した Wikipedia 人 物 名 DB の 重 複 度, 縮 退 率 調 査 Wikipedia から 作 成 した 人 物 名 DB の 重 複 度, 縮 退 率 の 調 査 は 第 4 章 で 実 施 し た(4.3.3 参 照 ). 調 査 の 結 果, よみがな で 検 索 する 場 合 には 重 複 度 は 1.1 以 下,また 数 字 列 で 検 索 する 場 合 でも 重 複 度 は 1.48(5 文 字 )から 1.15(9 文 字 )であり,い ずれの 検 索 の 場 合 でも 入 力 された 検 索 用 の よみがな や, 数 字 列 に 対 する 候 補 はそれほど 多 くない.このことから,Wikipedia の 人 物 名 DB であれば, 文 字 情 報 縮 退 方 式 による 情 報 検 索 を 行 っても 重 複 度 が 小 さいことから 有 用 性 が 発 揮 できる 可 能 性 は 大 きい. ここでは,スマートフォンの 表 示 画 面 の 能 力 を 考 えて よみがな による 検 索 と 数 字 列 による 検 索 を 比 較 する. よみがな で 検 索 した 場 合 には, 検 索 候 補 が 複 数 になるのは 同 よみがな 同 表 記 ( 読 みも 漢 字 も 同 じ.いわゆる 同 姓 同 名.) 同 よみがな 異 表 記 ( 読 みは 同 じだが 漢 字 が 異 なる) の 場 合 になるが,この 重 複 生 起 確 率 は 4 文 字 以 下 では 30%,5 文 字 以 上 なら 10%であり, よみがな による 検 索 では 人 物 名 が 一 意 に 年 3 月 時 点 のダウンロードファイルを 使 用 した. 43 Wikipedia は 記 述 の 雛 形 がないので, 表 記 以 外 の 場 所 で 生 年 月 日, 生 誕 地 などの 項 目 がある 場 合, 人 物 だと 判 断 して 表 記 近 くのひらがな 列 を よみがな として 収 集 した.このため 誤 収 集, 収 集 漏 れなどもある.したがってカタカナ 表 記 の 外 国 人 などは 収 集 不 可 となる. 最 終 的 には 全 項 目 を 目 視 チェックした. 79

96 候 補 数 がNまでにが 収 まる 割 合 (%) 決 まることが 多 い. 候 補 が 複 数 でもほとんどの 場 合 は 少 数 のため,スマートフ ォンの 一 画 面 に 表 示 が 可 能 で 選 択 もしやすい. 数 字 列 で 検 索 する 場 合 は, 同 一 数 字 列 で よみがな が 同 じ 場 合 と よみがな が 異 なる 場 合 もあるため, 候 補 が 増 える 可 能 性 がある. 全 部 の 候 補 を 画 面 に 表 示 して 選 択 してもらう 手 間 を 軽 減 するためには,スマートフォン の 一 画 面 に 表 示 可 能 かどうかが 重 要 になる. 数 字 列 で 検 索 した 場 合, 候 補 者 を 画 面 に 表 示 する 人 数 (N)を 3 名,6 名, 9 名 に 制 限 した 場 合 に, 候 補 者 すべてを 画 面 に 表 示 できる 割 合 を 示 したものが 図 5.1 である( 参 考 :N=1 は 結 果 が 1 名 しか 存 在 しない 割 合.N=1 である 割 合 はこ の 人 名 辞 典 の 場 合 約 65%である). 図 5.1 からわかるように,1 画 面 に 9 候 補 まで 表 示 できるようにする 44 と 5 文 字 以 上 の 人 物 に 対 しては 97%~100%, 一 画 面 の 候 補 者 の 中 に 利 用 者 が 意 図 する 人 物 が 入 っているという 状 況 を 作 ることができる N=1 N=<3 N=<6 N=<9 人 物 名 文 字 数 図 画 面 に 表 示 された 候 補 の 選 択 で 選 択 が 完 了 する 割 合 このため, 今 回 のアプリケーション 開 発 では, 文 字 情 報 縮 退 入 力 方 式 の 特 徴 である, 内 在 する 曖 昧 性 の 存 在 を 利 用 者 には 隠 して 追 加 質 問 で 解 消 するという 曖 昧 性 解 消 技 術 の 特 徴 [Higashida 2013]を 使 用 しないで, 利 用 者 の 利 便 性 を 考 慮 44 ここでは, 画 面 の 大 きさ, 入 力 スロットのフォントサイズ, 複 数 候 補 の 配 置 から 見 たフォン トサイズなどのバランスから, 一 画 面 9 名 とした. 使 用 機 種 は Galaxy Note SC-01F. 45 長 い 名 前 でも 100%にならないのは 式 守 伊 之 助 (9 文 字 ) (39 代 目 までいる) 市 川 團 十 郎 (11 文 字 ) (12 代 目 までいる)などのように 世 襲 している 名 跡 のようなものがあるため. 80

97 して, 曖 昧 性 に 起 因 する 検 索 結 果 をすべて 画 面 に 表 示, 表 示 された 複 数 候 補 か ら 利 用 者 が 見 て 一 つを 選 ぶ 方 法 を 採 用 することとした. 以 上 の 検 討 結 果 を 含 めて, 入 力 方 式 及 びスマホアプリの 有 用 性 を 検 証 評 価 するために, 実 際 にスマートフォン 上 にアプリケーションを 開 発 して 実 装 した. 5.3 スマートフォンアプリケーションの 開 発 検 索 用 人 物 名 DB の 作 成 我 々が 開 発 した 人 物 名 検 索 のスマホアプリは,Wikipedia を 検 索 するためのポ ータルサイトを 利 用 者 に 提 供 するものである.13 万 件 の 人 物 に 関 するコンテン ツをスマートフォン 上 にあらかじめ 取 り 込 むことはメモリ 容 量 の 観 点 からも 現 実 的 でない.したがって 我 々の 作 成 した 人 物 名 DB は 人 物 の1 表 記,2 よ みがな,3 よみがな に 対 応 する 数 字 列,および4 その 人 物 の 情 報 が 記 載 されている URL である. 実 際 に 特 定 された 人 物 の 詳 細 情 報 は URL でリ ンクされた 先 に 存 在 する.13 人 分 のデータは SQLite でデータベース 化 されてい て 約 13MB の 規 模 になっている スマホアプリ プロトタイプの 概 要 次 に, 上 記 人 物 名 DB に 対 して, 検 索 したい 人 物 の よみがな を 文 字 情 報 縮 退 方 式 で 入 力 して 検 索, 人 物 を 特 定 したのちに,スマートフォン 画 面 表 示 用 に 編 集 された Wikipedia の 情 報 を 表 示 するスマホアプリの 開 発 を 行 った.これはア ンドロイド 46 上 で 動 作 する. 開 発 言 語 はプログラム 部 分 が Java で 画 面 制 御 部 分 が XML で, 合 計 で 約 800 ステップである( 全 体 で 約 3MB). アプリ 名 称 は 調 べ 鯛 (しらべたい) とし,アイコンは 鯛 の 写 真 を 採 用 してスマートフォン(Galaxy Note SC-01F) 上 にインストールした( 図 5.2 参 照 ). 図 5.2 の 1. 起 動 画 面 で 開 始 キーにタッチすると PB 電 話 機 と 同 様 のテン キー 配 列 がスマートフォンの 画 面 に 表 示 され,それぞれのキーには 各 行 に 含 ま れる 文 字 が 書 かれている 47. あいうえお のキーは PB 電 話 機 の 1 に 対 応 48, 46 現 段 階 では ios には 対 応 できていない. 47 か 行 における が 行, は 行 における ば 行,ぱ 行 は 表 示 していない.また 各 キー 上 の 数 字 も 表 示 していない. 48 長 音 (ー)があ 行 に 配 置 されているのは, おお おう などの 読 み 音 は おー と 考 えて いる 人 に 対 応 するため. 81

98 以 下 わおん が PB 電 話 機 の 0 のキーに 対 応 する 49. * キー, # キー は,この 入 力 方 式 では 使 用 しない 50 ので, 画 面 には 表 示 していない. 画 面 の 上 部 には 検 索 語 入 力 用 のスロットが 配 置 されていて, 検 索 で 入 力 したキー 上 の 先 頭 文 字 が 表 示 される( 図 5.2 の 2. 検 索 語 入 力 画 面 ).キーはタッチすると 色 が 明 る くなってタッチしたことを 知 らせるようにした. 1. 初 期 画 面 2. 検 索 語 入 力 画 面 3. 検 索 結 果 表 示 画 面 4.Wikipedia 検 索 結 果 表 示 画 面 図 5.2 スマホアプリ 調 べ 鯛 の 画 面 遷 移 の 例 ( 大 島 優 子 を 検 索 ) 検 索 したい 人 物 名 の よみがな を 1 文 字 1 タッチ で 入 力 して, 入 力 が 終 わったら, 最 後 に 検 索 キーをタッチする. 図 5.2 の 例 では おおしまゆうこ ( 大 島 優 子 ) を 調 べようとして をタッチすると ああさまやあか と 表 示 される. 検 索 キーをタッチすると, 入 力 されたキー 配 列 に 対 応 する 可 能 性 のある 人 物 名 候 補 が( 漢 字 表 記 +よみがな) 画 面 に 表 示 される( 図 5.2 の 3. 検 索 結 果 表 示 画 面 ). 利 用 者 はその 中 から 自 分 が 探 している 人 物 ( 例 では 上 から 4 番 目 )を 選 んでタッチすると,Wikipedia の 大 島 優 子 の URL にリンクが 張 られて,その 内 容 が 表 示 され( 図 5.2 の 4.Wikipedia 情 報 表 示 画 面 ), 利 用 者 は 目 的 とする 人 物 の 詳 細 情 報 を 得 ることができる. 利 用 者 が 大 島 ゆう 子 大 島 優 子 のどちらが 自 分 の 求 めていた 人 物 かの 判 断 がつかない 場 合 は 順 次 内 容 をチェックする 必 要 がある 当 初 は 各 キーには 数 字 が 併 記 され, 入 力 画 面 には 数 字 が 表 示 されていたが, 利 用 者 の 意 見 を 入 れて 数 字 は 削 除, 入 力 スロットには 行 先 頭 文 字 を 表 示 するようにした. 清 音 と 濁 音 を 区 別 しなくてもそれほど 候 補 数 が 増 えないことから, 入 力 ミスを 避 けるために * は 使 用 しないことに,また # は 入 力 終 了 = 検 索 となるため, 検 索 キーを 設 ける ことで # キーは 使 用 しないこととした. 82

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