KPMG Insight Vol.2_税務01

Size: px
Start display at page:

Download "KPMG Insight Vol.2_税務01"

Transcription

1

2 1 KPMG Insight Vol. 2 / Sep 英国法人税率引き下げと在英日系企業への影響 本邦タックスヘイブン対策税制の観点から KPMG 税理士法人 M&A グローバルソリューションパートナー高嶋健一 KPMG 英国レディング事務所 グローバル ジャパニーズ プラクティスマネジャー福田隆 本年 7 月 17 日 英国において 2013 年度財政法案が 女王陛下勅裁 (Royal Assent) を経て成立したことにより 2015 年 ( 平成 27 年 )4 月 1 日以降 英国の法人税率が 20% に引き下げられることが確定しました 多くの方が既にご存知のとおり 当該法人税率の引き下げは 本邦タックスヘイブン対策税制 ( 各事業年度の所得に対して課される租税の割合が 20% 以下である外国関係会社に関して 当該所得を当該外国関係会社の株主である内国法人の収益の額とみなして本邦において課税する制度 ) の観点から 英国に子会社を持つ日系企業に対する影響が懸念されることから 本稿では改めて本邦タックスヘイブン対策税制の概要について解説します なお 本文中の意見に関する部分は筆者の私見である点をあらかじめお断りします たかしま高 けんいち 嶋健一 KPMG 税理士法人 M&A グローバルソリューションパートナー ポイント 2015 年 ( 平成 27 年 )4 月 1 日以降 英国の法人税率は 20% となり 現行のタックスヘイブン対策税制が改正されない限り 英国が軽課税国となる 特定外国子会社等に該当した場合 適用除外基準を充足すれば 事業体ベース合算課税の適用は除外されるが 資産性所得の合算課税は除外されない 実務的に影響がでるのは 3 月決算の場合 2017 年 ( 平成 29 年 )3 月期であることから 比較的 税制改正を期待する時間的余裕はある 英国からの移転の検討等はタイミングも含めて慎重に判断されることが望ましい ふくだ福田 たかし隆 KPMG 英国レディング事務所グローバル ジャパニーズ プラクティスマネジャー Ⅰ はじめに 英国政府は 英国の法人税制を G20のなかで最も競争力のある制度とすることを目標としており これまでに パテント ボックス制度の導入や 研究開発税制の見直し等を実施しております そして 本年 7 月 17 日に 2015 年 4 月 1 日以降の英国の法人税率を 20% に引き下げる内容が盛り込まれた 2013 年度財政法案が 女王陛下勅裁を経て成立しました これにより 英国の法人税率は G20において最低税率となり 企業にとって大変魅力的な国の 1つになると考えます ただし 現行の日本の法人税法の観点からは 当該 20% の法人税率は 必ずしも望ましい税率とは言えません なぜならば 日本の法人税法には タックスヘイブン対策税制 正式名称を 内国法人の特定外国子会社等に係る所得等の課税の特例 とする 軽課税国に所在する子会社等を利用した租税回避行為を防止する規定が存在しており 当該規定においては 税率 20% 以下 の国を軽課税国と定めているからです したがって 現行の日本の法人税法の観点からは 英国が軽課税国に該当することとなり 英国に所在する子会社等の所得について 日本の親会社の所得に合算され 日本の法人実効税率 ( 約 38%) が課されることになるといった懸念が広まっており 特に在英子会社をお持ちの日系企業においては 2013 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

3 KPMG Insight Vol. 2 / Sep 関心が高まっていると思われます Ⅱ タックスヘイブン対策税制の内容 1. 概要 たす場合においても 資産性所得を有する場合には 当該資産性所得は内国法人等の所得に合算 ( 資産性所得の合算課税 ) することとされています ( 図表 1 図表 2 参照 ) (1) 外国法人外国法人とは 内国法人 ( 国内に本店又は主たる事務所を有する法人 ) 以外の法人をいいます タックスヘイブン対策税制とは 内国法人等が 特定外国子会社等 ( 法人の所得に対して課される税が存在しない国又は地域に本店又は主たる事務所を有する外国関係会社又はその事業年度の所得に対して課される租税の額がその所得の金額の20% 以下である外国関係会社 ) の発行済株式等の10% 以上を保有しており 当該特定外国子会社等につき 適用除外基準を満たさない場合 当該特定外国子会社等の所得のうち その内国法人の保有する株式等に対応する部分の金額を内国法人等の所得に合算 ( 事業体ベース合算課税 ) することとされています なお 当該特定外国子会社等が適用除外基準を満 (2) 外国関係会社 外国関係会社とは 居住者及び内国法人が有する直接及び 間接保有の割合が 50% 超の外国法人をいいます (3) 特定外国子会社等 特定外国子会社等とは 下記の外国関係会社をいいます 法人の所得に対して課される税が存在しない国又は地域に本店又は主たる事務所を有する外国関係会社又は その事業年度の所得に対して課される租税の額がその所得の金 図表 1 タックスヘイブン対策税制の概要 図表 2 税負担率テスト ( 外国関係会社の各事業年度における税負担率のテスト ) 2013 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

4 3 KPMG Insight Vol. 2 / Sep 額の 20% 以下である外国関係会社 ( 図表 2 の分数式により計算した税負担割合により判定 ) 2. 適用除外基準 事業体ベース合算課税の適用から除外されるためには 特 定外国子会社等が次の基準のすべてを満たす必要があります ( 図表 3 参照 ) (1) 事業基準 特定外国子会社等の主たる事業が 次の特定事業のいずれ でもないことが必要です 1 株式等もしくは債券の保有 ( ただし 事業持株会社の特例あり ) 2 工業所有権その他の技術に関する権利 特別の技術による生産方式等 著作権等の提供 3 船舶又は航空機の貸付け (2) 実体基準特定外国子会社等の本店所在地国にその主たる事業を行うに必要な事務所 店舗 工場その他の固定的施設を有することが必要です (3) 管理支配基準特定外国子会社等の本店所在地国において その主たる事業の管理 支配及び運営を自ら行っていることが必要です (4) 非関連者基準又は所在地国基準 1 非関連者基準 ( 卸売 銀行 信託 金融商品取引 保険 水運 航空運送業 ) 特定外国子会社等がその主たる事業を関連者以外の者との間で行っていることが必要です 収入金額の50% 超で判断します 卸売業については売上 仕入のいずれか一方 銀行業については受取利息又は支払利息のいずれか一方で判断します ただし 物流統括会社の例外があります 2 所在地国基準 ( 非関連者基準が適用される事業以外 ) 特定外国子会社等がその主たる事業を本店所在地国で行っていることが必要です ただし 不動産業 物品賃貸業は その地において供用されている物件を主として扱うものに限ります 3. 事業基準の特例 特定外国子会社等が 事業持株会社 に該当する場合には 図表 3 タックスヘイブン対策税制の適用除外基準 2013 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

5 KPMG Insight Vol. 2 / Sep 事業基準を満たすこととされます ( 図表 4 参照 ) (1) 事業持株会社事業持株会社とは 統括会社のうち 株式等の保有を主たる事業とするもので 当該統括会社のその事業年度終了の時において有する被統括会社の株式等の帳簿価額の合計額がその事業年度終了の時において有する株式等の帳簿価額の 50% 超である統括会社を指します (4) 統括業務特定外国子会社等が被統括会社との間における契約に基づき行う業務のうち その被統括会社の事業の方針の決定又は調整に係るもの ( その事業の遂行上欠くことのできないものに限る ) であって その特定外国子会社等が2 以上の被統括会社に係るその業務を一括して行うことにより これらの被統括会社の収益性の向上に資することとなると認められるものを指します (2) 統括会社統括会社は 以下の要件のすべてを満たす特定外国子会社等を指します 1 その発行済株式等の 100% を直接又は間接に一の内国法人等に保有されること 2 2 以上の被統括会社に対して統括業務を行っていること 3 本店所在地国に統括業務に係る事務所 店舗 工場その他の固定施設及び当該統括業務を行うに必要と認められる当該統括業務に従事する者 ( 専ら当該統括業務に従事する者に限るものとし 当該特定外国子会社等の役員を除く ) を有すること (3) 被統括会社被統括会社は 以下の要件のすべてを満たす外国法人を指します 1 統括会社がその発行済株式等及び議決権の 25% 以上を直接に保有すること 2 本店所在地国にその事業を行うに必要と認められる当該事業に従事する者を有すること 3 その統括会社の一定の関連者 ( 間接保有 50% 超 ひ孫会社まで ) であること 4. 非関連者基準の特例特定外国子会社等が主たる事業が卸売業となる統括会社である 物流統括会社 に該当する場合 非関連者基準を充足するにあたり 関連者には被統括会社は含まないものとされます 5. 資産性所得の合算課税特定外国子会社等が 前述 Ⅱ.2の適用除外基準を満たす場合においても 資産性所得 ( 特定所得 ) を有する場合には 当該特定所得のうち その内国法人の保有する株式等に対応する部分の金額を内国法人等の所得に合算 ( 資産性所得の合算課税 ) することとされています ただし 一定の少額所得除外基準を満たす場合には その特定外国子会社等については資産性所得の合算課税はないこととされています ( 図表 5 参照 ) 図表 4 事業基準を満たすこととされる事業持株会社 2013 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

6 図表 6 合算課税の時期 5 KPMG Insight Vol. 2 / Sep Ⅲ 英国法人税率変更がもたらす在英日系企業への影響 ここまで タックスヘイブン対策税制の概要を説明してきましたが 当該税制は 軽課税国に所在する子会社等を利用した租税回避行為を防止する規定ですが 当該規定の適用の有無を判定するにあたっては たとえ租税回避ではない場合であっても 税負担割合が 20% 以下であるかどうか 適用除外基準の充足の有無 資産性所得の有無等 機械的に行われることから 英国法人税率の20% への引き下げに伴い 今後タックスヘイブン対策税制が改正されないとすると 日系企業の在英子会社は 前述 Ⅱ.1(3) の特定外国子会社等に該当し 当該在英子会社ごとに当該税制の適用の有無の検討を行う必要が出てくると考えられます そこで 当該タックスヘイブン対策税制の改正がされない場合の当該在英子会社への留意点につき 次のようなものが考えられます 1. 影響を受ける時期内国法人に係る特定外国子会社等が 各事業年度において合算課税の対象となる金額を有する場合には その課税の対象となる金額に相当する金額は その内国法人の収益の額とみなしてその各事業年度終了の日の翌日から 2ヵ月を経過する日を含むその内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上 益金の額に算入することとされています 英国における法人税率の引き下げは 4 月 1 日を基準日として行われるため 在英子会社の税負担割合が20% 以下となるのは 在英子会社が 3 月決算の場合には 2016 年 ( 平成 28 年 ) 3 月 31 日終了事業年度であると考えられます また 在英子会社が12 月決算の場合 課税所得を 3 月 31 日までと4 月 1 日以後との 2つの課税年度に按分し それぞれの課税年度の税率を適用することから 最初に 1 年を通じて 20% の税率が適用されるのは 2016 年 ( 平成 28 年 )12 月 31 日終了事業年度だと考えられます したがって 内国法人が 3 月決算とした場合 在英子会社が3 月決算 12 月決算いずれの場合においても 2017 年 ( 平成 29 年 )3 月期の法人税申告書につき 合算課税の影響が出てくるものと思われます ( 図表 6 参照 ) 図表 5 資産性所得の課税 2013 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

7 KPMG Insight Vol. 2 / Sep 以上より 日本の税制改正の動向を勘案しながら対応策を検討する時間的な余裕は比較的あるものと考えられます 2. 事業体ベースの合算課税の対象となる金額図表 7は 事業体ベースの合算課税の対象となる金額に関するポイントを簡素化して示したもので その概要を以下に説明します (1) 基準所得金額基準所得金額は 特定外国子会社等の決算上の所得金額について 日本の法令又は本店所在地国の法令に準拠して ( 選択制 ) 一定の基準により調整を加えた各事業年度の所得の金額となります 主な調整項目は 発行済株式等の 25% 以上を6 ヵ月以上保有する場合のその法人からの配当の減算 現地法令により基準所得を計算する場合には非課税所得 その他の加算となります 別表を作成する事務負担はあるものの 合算課税すべき金額はなく 内国法人に係る税額のインパクトはないこととなります 3. 資産性所得の合算課税仮に 在英子会社が 図表 5にある資産性所得 ( 特定所得 たとえば 持株割合 10% 未満の法人からの配当等 当該法人株式の市場における譲渡 債券の利子 債券の市場における譲渡 その他に係る所得 ) を有する場合には 適用除外基準を満たす場合においても 少額所得除外基準を満たさない場合には 当該特定所得のうち その内国法人の保有する株式等に対応する部分の金額を内国法人等の所得に合算 ( 資産性所得の合算課税 ) する必要があるため留意する必要があります Ⅳ 今後の展望 (2) 適用対象金額適用対象金額は 特定外国子会社等の基準所得金額から 各事業年度開始の日前 7 年以内に開始した事業年度において生じた欠損金及びその事業年度において納付をすることとなる法人所得税の額を控除した残額とされています (3) 課税対象金額課税対象金額は 特定外国子会社等の適用対象金額に 内国法人の有するその特定外国子会社等の請求勘案保有株式等の割合を乗じて計算した金額とされます 仮に 外国子会社 ( 発行済株式等の25% 以上を6 ヵ月以上保有 ) からの受取配当金と経費のみの在英子会社が 特定外国子会社等に該当し 適用除外基準を満たすことができなかった場合においても 基準所得金額算出の際に 当該受取配当金は特定外国子会社等の決算上の所得金額から減算するため 基準所得金額はマイナスとなり 法人税申告書作成の際に 租税回避地の認定緩和政府 税率 18% に下げ検討日本企業進出に配慮 といった見出しで 2013 年 6 月 22 日の日本経済新聞に記事が掲載されたことは記憶に新しいことと思います 当該記事によると 英国の動きが契機となり 経済産業省は 2014 年度の税制改正で タックスヘイブン対策税制の認定を緩めるよう要望すると共に 適用除外の基準緩和も要望し 財務省も検討に応じる構えとあり 税制改正への期待の高まる内容となっています また 英国政府が 3 月 20 日の2013 年度予算案にて 英国法人税率を20% まで引き下げることを公表しましたが 事前にKPMG 英国事務所は英国財務省 (HM Treasury) より 英国法人税率が20% になった場合の日系企業に対する税務上の影響につきヒアリングを受け 当該タックスヘイブン対策税制に関する問題について解説すると共に 当該問題を解決すべく 日本政府に事情を説明するよう促しました 英国の法人税制 図表 7 事業体ベースの合算課税の対象となる金額 2013 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

8 7 KPMG Insight Vol. 2 / Sep をG20のなかで最も競争力のある制度にし 日本を含む海外からの投資をさらに呼び込みたい英国政府にとっても 悩ましい問題であることは間違いなく 英国政府から日本政府へ問題解決への働きかけが行われ 両国にとって望ましい解決策が採用されることが望まれます 企業がとるべき対応策として 在英子会社が特定外国子会社等に該当することを想定して 現行法令に基づき 適用除外基準の充足の可否 資産性所得の有無等を確認し 問題点や影響額を把握することは必要とは思われますが 一方では 日本側での税制改正への動きがあり また時間的余裕も比較的ありますので 在英子会社の英国外への移転等の検討等については そのタイミングも含めて慎重に判断されることが望ましいと思われます 国際税務 グローバル戦略と実務 2013 年 1 月刊 著 KPMG 税理士法人 東洋経済新報社 288 頁 A5 4,410 円 ( 税込 ) 昨今の日本市場を取り巻く環境下において 企業のグローバル化は従来にも増して重要な戦略となっています 本書は 企業のグローバル成長戦略に平仄を合わせ 地域統括会社の活用 サプライチェーンマネジメントの考え方 関税 間接税プランニングの重要性 グローバル キャッシュ マネジメント 移転価格税制 クロスボーダー M&A に関する税務など 経営に必須のグローバル税務戦略を詳しく解説しています 本稿に関するご質問等は 以下の者までご連絡くださいますようお願いいたします KPMG 税理士法人 M&A グローバルソリューションパートナー高嶋健一 TEL : kenichi.takashima@ jp.kpmg.com KPMG 英国レディング事務所グローバル ジャパニーズ プラクティスマネジャー福田隆 TEL : takashi.fukuda@ kpmg.co.uk 2013 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

9

平成 29 年度税制改正解説国際課税 ~ 外国子会社合算税制の改正 2 4. 外国子会社合算税制の適用フローチャート 改正前 合算課税の適用対象となる内国法人等の判定 用語解説 丸数字は左のフローチャートと対応 合算対象法人における判定 1 外国法人の株式を 10% 以上保有しているか? 合算所得な

平成 29 年度税制改正解説国際課税 ~ 外国子会社合算税制の改正 2 4. 外国子会社合算税制の適用フローチャート 改正前 合算課税の適用対象となる内国法人等の判定 用語解説 丸数字は左のフローチャートと対応 合算対象法人における判定 1 外国法人の株式を 10% 以上保有しているか? 合算所得な 平成 29 年度税制改正解説国際課税 ~ 外国子会社合算税制の改正 1 1. 外国子会社合算 ( タックスヘイブン対策 ) 税制の概要 軽課税国の外国子会社等を通じて日本国内における税負担の軽減を図る行為を防止するために 一定の要件を満たす外国子会社の所得を その株主である日本親会社の所得に合算して課税する制度です 2. 改正の背景 改正前の制度では以下のような問題点があるため 制度の総合的な見直しが行われることになりました

More information

Microsoft Word - News_Letter_Tax-Vol.43.docx

Microsoft Word - News_Letter_Tax-Vol.43.docx ~ タックスヘイブン対策税制の範囲拡大について ~ 平成 29 年度税制改正により タックスヘイブン対策税制 ( 外国子会社合算税制 ) に関して改正が加 えられました 本ファームニュースでは平成 29 年度改正により改正により本税制の適用本税制の適用判定判定対象に加わることと なった 特定外国関係会社 の概念についてご説明いたします タックスヘイブン ( 租税回避地 ) とは 香港やシンガポール

More information

KPMG Japan Tax Newsletter

KPMG Japan Tax Newsletter KPMG Japan Tax Newsletter 12 December 2016 2017 年度税制改正 タックスヘイブン対策税制 改正の背景. 2 改正のポイント.2 1. タックスヘイブン対策税制の全体像... 3 2. 外国関係会社 3 3. 納税義務者..... 4 4. ペーパーカンパニー等の定義... 4 5. 適用除外基準 経済活動基準.... 6 6. 会社単位の合算課税ルール....

More information

タックスヘイブン対策税制 年度税制改正 -

タックスヘイブン対策税制 年度税制改正 - KPMG Japan Tax Newsletter 19 July 2017 タックスヘイブン対策税制 - 2017 年度税制改正 - I. 改正の概要... 2 II. 外国関係会社の定義及び区分 4 III. 会社単位の合算課税 8 IV. 受動的所得の合算課税 ( 外国金融子会社等以外 ) 9 V. 受動的所得の合算課税 ( 外国金融子会社等 )... 12 VI. 納税義務者及び課税対象金額

More information

税制改正大綱―外国子会社合算税制の見直し

税制改正大綱―外国子会社合算税制の見直し 税制 A to Z 2016 年 12 月 16 日全 15 頁 税制改正大綱 外国子会社合算税制の見直し トリガー税率 は部分的に維持 平成 30 年 4 月以降事業年度から適用 金融調査部主任研究員金本悠希 [ 要約 ] 12 月 8 日 与党が税制改正大綱を公表した 国際課税に関して 外国子会社合算税制の見直しが盛り込まれている 外国子会社合算税制は タックスヘイブン等に所在する子会社等に所得を移転することによる課税逃れを防止するため

More information

新設 ( 大法人により発行済株式等の全部を保有される場合の適用対象金額の計算 ) 66 の 6-10 の 2 措置法令第 39 条の 15 第 1 項第 1 号の規定により特定外国子会社等の適用対象金額につき本邦法令の規定の例に準じて計算するに当たり 特定外国子会社等の発行済株式等の全部を直接又は間

新設 ( 大法人により発行済株式等の全部を保有される場合の適用対象金額の計算 ) 66 の 6-10 の 2 措置法令第 39 条の 15 第 1 項第 1 号の規定により特定外国子会社等の適用対象金額につき本邦法令の規定の例に準じて計算するに当たり 特定外国子会社等の発行済株式等の全部を直接又は間 3 第 66 条の 6~ 第 66 条の 9 内国法人の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例 関 係 改正 ( 適用対象金額等の計算 ) 66 の 6-9 措置法第 66 条の6 第 2 項第 2 号に規定する適用対象金額及び同条第 4 項に規定する部分適用対象金額並びに措置法令第 39 条の 15 第 5 項に規定する欠損金額は 特定外国子会社等が会計帳簿の作成に当たり使用する外国通貨表示の金額により計算するものとする

More information

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6 いわゆる当初申告要件及び適用額の制限の改正について 別紙 目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6 問 5 租税特別措置法における当初申告要件

More information

<4D F736F F F696E74202D C590A782CC89FC90B382C982C282A282C481698DE096B181458D9190C592A1834E838A834194C5816A2E >

<4D F736F F F696E74202D C590A782CC89FC90B382C982C282A282C481698DE096B181458D9190C592A1834E838A834194C5816A2E > CFC 制の改正について ( タックスヘイブン対策制 外国子会社合算制 ) 平成 29 年 8 月経済産業省投資促進課 Ⅰ.CFC 制の概要 CFC(Controlled Foreign Company) 制 ( タックスヘイブン対策制又は外国子会社合算制ともいう ) とは 外国子会社を利用した租回避を防止するために 一定の条件に該当する外国子会社のを日本の親会社のとみなして合算し 日本で課する制度

More information

新規文書1

新規文書1 重要なお知らせ 平成 29 年 1 月 1 日以後の信用組合とのお取引 ( 新規口座開設等 ) について ~ 税務上の居住地国等を記載した届出書のご提出のお願い ~ 平成 29 年 1 月 1 日より 日本において非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度 ( 以下 CRS 制度 という ) が開始することに伴い 同制度に係る法令上の義務が お客さま及び国内の金融機関等に課されます 具体的には

More information

2017年度税制改正 相続税・贈与税国外財産に対する納税義務の範囲の見直し

2017年度税制改正 相続税・贈与税国外財産に対する納税義務の範囲の見直し KPMG Japan Tax Newsletter 19 June 2017 2017 年度税制改正相続税 贈与税国外財産に対する納税義務の範囲の見直し I. 納税義務の範囲 改正前.. 2 II. 納税義務の範囲 改正後.. 3 III. 適用時期 5 相続税は相続により財産を取得した相続人に 贈与税は贈与により財産を取得した受贈者にそれぞれ課される税であり 被相続人 贈与者又は相続人 受贈者の国内における住所の有無及び相続人

More information

平成30年3月期決算の留意事項(税務)

平成30年3月期決算の留意事項(税務) KPMG Insight KPMG Newsletter Vol.29 March 2018 Focus2 平成 30 年 3 月期決算の留意事項 ( 税務 ) kpmg.com/ jp Focus 平成 30 年 3 月期決算の留意事項 ( 税務 ) KPMG 税理士法人タックステクニカルセンターパートナー村田美雪マネジャー風間綾 課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる という考え方のもと平成 27

More information

恒久的施設(PE)と外国子会社合算税制の見直し

恒久的施設(PE)と外国子会社合算税制の見直し 税制 A to Z 2018 年 1 月 31 日全 13 頁 恒久的施設 (PE) と外国子会社合算税制の見直し 平成 30 年度税制改正大綱解説 6 国際課税編 金融調査部主任研究員金本悠希 [ 要約 ] 12 月 14 日 自由民主党 公明党は 平成 30 年度税制改正大綱 を公表した 本稿では 国際課税関連の見直しについて解説する 恒久的施設 (PE) の定義が見直され 課税を逃れるため PE

More information

2018年度改正 相続税・贈与税外国人納税義務の見直し

2018年度改正 相続税・贈与税外国人納税義務の見直し KPMG Japan Tax Newsletter 30 August 2018 2018 年度税制改正 相続税 贈与税 外国人の納税義務の見直し I. 納税義務の範囲 (2017 年度税制改正後 )... 2 II. 2018 年度税制改正 1. 相続税... 4 2. 贈与税... 5 相続税は相続により財産を取得した相続人に 贈与税は贈与により財産を取得した受贈者にそれぞれ課される税であり 被相続人

More information

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械 Ⅲ 国際戦略総合特別区域に係る税制の創設 1 国際戦略総合特別区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除 創設された制度の概要 青色申告法人で 総合特別区域法に規定する指定法人 *1 が 同法の施行日から平成 26 年 3 月 31 日までの間に 国際戦略総合特別区域 *2 内において 特定機械装置等の取得等をして 認定国際戦略総合特別区域計画 *3 に定められた特定国際戦略事業

More information

デンマークとの新租税条約

デンマークとの新租税条約 KPMG Japan Tax Newsletter 18 October 2017 デンマークとの新租税条約 1. 恒久的施設 ( 第 5 条 )... 2 2. 事業利得 ( 第 7 条 )... 2 3. 配当 ( 第 10 条 )... 2 4. 利子 ( 第 11 条 )... 2 5. 使用料 ( 第 12 条 )... 3 6. 譲渡収益 ( 第 13 条 )... 3 7. 特典を受ける権利

More information

IFRS基礎講座 IAS第12号 法人所得税

IFRS基礎講座 IAS第12号 法人所得税 IFRS 基礎講座 IAS 第 12 号 法人所得税 のモジュールを始めます パート 1 では 法人所得税の範囲 および税効果会計を中心に解説します パート 2 では 繰延税金資産および負債の認識を中心に解説します IFRS における 法人所得税 とは 課税所得を課税標準として課される 国内および国外のすべての税金をいいます 例えば 法人税 住民税所得割 事業税所得割などが IFRS における法人所得税に該当します

More information

スピンオフに関する組織再編税制の改正 PwC 税理士法人 国際税務 /M&A タックスグループディレクター原嵩 はじめに 2017( 平成 29) 年度税制改正では事業再編の環境整備のために 経営戦略に基づく先を見据えたスピード感のある事業再編等を加速するため 特定事業を切り出して独立会社とするスピ

スピンオフに関する組織再編税制の改正 PwC 税理士法人 国際税務 /M&A タックスグループディレクター原嵩 はじめに 2017( 平成 29) 年度税制改正では事業再編の環境整備のために 経営戦略に基づく先を見据えたスピード感のある事業再編等を加速するため 特定事業を切り出して独立会社とするスピ PwC s View 特集 : 組織再編税制等に関する税制改正 Vol. 8 May 2017 www.pwc.com/jp スピンオフに関する組織再編税制の改正 PwC 税理士法人 国際税務 /M&A タックスグループディレクター原嵩 はじめに 2017( 平成 29) 年度税制改正では事業再編の環境整備のために 経営戦略に基づく先を見据えたスピード感のある事業再編等を加速するため 特定事業を切り出して独立会社とするスピンオフ等の円滑な実施を可能とする税制の整備を行う

More information

第4回税制調査会 総4-1

第4回税制調査会 総4-1 現行制度の課題 2: 海外の投資法人 ( ペーパーカンパニー ) を使った租税回避への対応 N 国で Y 社をペーパーカンパニーとして設立 投資に対するリターンや知財使用料に対する優遇措置により 税負担を軽減させることが可能 外国子会社配当益金不算入制度により Y 社から日本の X 社に対して支払われる配当は 益金に算入されない 現行の外国子会社合算税制の下では Y 社の租税負担率が 20% 以上の場合

More information

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡 30. 収益認識基準 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景収益認識に関する会計基準の公表を受け 法人税における収益認識等について改正が行われる 大綱 90 ページ (2) 内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる (3) 適用時期平成 30 年 4 月 1 日以後終了事業年度

More information

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改 経 ViewPoint 営相 ~ 金融所得課税の新ルールを解説 ~ 談金融 証券税制の改正 福田和仁部東京室 平成 25 年度税制改正では 平成 28 年 1 月 1 日以後の金融所得課税の一体化を進める観点から 公社債等および株式等に係る所得に対する課税が大きく変更されました 今回は 平成 28 年 1 月 1 日以後の金融 証券税制のポイントを解説します 1. はじめに 平成 28 年 1 月

More information

目次 Ⅰ タックス ヘイブン対策税制の概要 3 Ⅱ 非課税所得の範囲 連結納税を適用している場合の取扱い 1 非課税所得の範囲 2 連結納税を適用している場合の租税負担割合の算定方法 Ⅲ 各国の事例に基づく検討 1 米国 ( 現物分配 連結納税 LLC) 2 英国 ( グループリリーフ ) 3 ドイ

目次 Ⅰ タックス ヘイブン対策税制の概要 3 Ⅱ 非課税所得の範囲 連結納税を適用している場合の取扱い 1 非課税所得の範囲 2 連結納税を適用している場合の租税負担割合の算定方法 Ⅲ 各国の事例に基づく検討 1 米国 ( 現物分配 連結納税 LLC) 2 英国 ( グループリリーフ ) 3 ドイ www.pwc.com/jp/tax 外国子会社合算税制 ( タックス ヘイブン対策税制 ) の課税上の取扱いの明確化 2014 年 10 月 28 日 ( 火 ) 税理士法人プライスウォーターハウスクーパースパートナー佐々木浩 目次 Ⅰ タックス ヘイブン対策税制の概要 3 Ⅱ 非課税所得の範囲 連結納税を適用している場合の取扱い 1 非課税所得の範囲 2 連結納税を適用している場合の租税負担割合の算定方法

More information

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります 経営情報あれこれ 平成 28 年 11 月号 年末と改正税法 今年も残すところ 1ヶ月余りとなりました この1 年間 会社や個人にとって 様々な取引が発生し その結果として利益又は損失が生じていると思います この利益や損失に対し 税法上 合理的な租税負担となるためには 各税法の規定を確認していただき 所得税 法人税 相続税及び贈与税の確定申告等において 適切に申告することが望まれます 特に 税制改正等がなされた場合

More information

海運関係事項

海運関係事項 平成 30 年 9 月 平成 31 年度税制改正要望 ( 案 ) 一般社団法人日本船主協会 重点要望事項 1. 外航船舶の特別償却制度の延長等 本制度 ( 外航環境負荷低減船日本船舶 18/100 外国船舶 16/100) は平成 31 年 3 月末をもって期限が到来する 本制度は 船主 ( オーナー ) が国際競争力のある船舶を新たに建造し 日本商船隊に適時適切に船舶を供給できる体制を整備するのに必要不可欠であり

More information

税が課税される所得を生み出す事業活動に使われているか否かを基準に損金算入規制を設けていると考えられます 株式などの出資の取得のために資金を使った場合, 株式から生じる配当やキャピタルゲインは資本参加免税により非課税となります このケースでは, オランダでの課税所得を生じないことが想定されるため, 出

税が課税される所得を生み出す事業活動に使われているか否かを基準に損金算入規制を設けていると考えられます 株式などの出資の取得のために資金を使った場合, 株式から生じる配当やキャピタルゲインは資本参加免税により非課税となります このケースでは, オランダでの課税所得を生じないことが想定されるため, 出 国際税務研究会 国際税務 2013 年 3 月号掲載 オランダ 2013 年度税制改正を踏まえた支払利息の法人税法上の取り扱いのアップデート PwC オランダアムステルダム事務所 シニアマネージャーアルノフルネバウト マネージャー白土晴久 1. はじめにオランダは日本企業の海外進出に伴い, 欧州統括会社, 販売会社, 持株会社, 金融子会社等の目的で多く活用されている国です その背景として, 日本企業が事業を行うための十分なビジネスインフラが整備されていること,

More information

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ 欠損金の繰越控除と繰戻還付に係る留意点企業会計上 損失が発生すればそれはその事業年度かぎりのことで その金額が他の年度の損益計算に影響を与えることはありません 税務上の所得計算も 単年度ごとに益金から損金を控除して行いますが ある年度の欠損金を他の年度の所得金額と通算せず所得の発生した年度にだけ課税するのは 企業資本の維持の観点から問題が残ります そこで法人税法では ある事業年度に生じた欠損金について

More information

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違 現物配当に係る会計上 税法上の取扱い Profession Journal No.11(2013 年 3 月 21 日 ) に掲載 日本税制研究所研究員朝長明日香 平成 22 年度税制改正において適格現物分配が組織再編成の一形態として位置づけられたことにより 完全支配関係のある法人間で現物分配を行った場合には その現物分配に係る資産の譲渡損益の計上を繰り延べることとされました 従来 商法において現物配当の可否についての明確な規定は設けられていませんでしたが

More information

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分 相続した財産を譲渡した場合の税務 坂本和則相談部東京相談室花野稔相談部大阪相談室 相続した財産 ( 不動産や株式など ) を譲渡し 相続税の納税資金を捻出する場合があります 特に譲渡する株式が非上場株式である場合は 譲渡しようとしても流通性が乏しく また買取資金を用意する関係などからも その株式を発行会社に買取ってもらうケースが多いと思われます そうしたケースをはじめ 財産の譲渡による所得には 原則として所得税と住民税が課税されますが

More information

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % ( 証券税制について 丸三証券株式会社 当資料は 個人のお客様の税制を解説しています 法人のお客様については 税制が異なる点がありますので 詳しくは担当者等にお電話でお問い合わせ下さい 課税は納税者の状況等によって異なりますので 具体的な税務上の質問等は 税理士等の専門家にご相談下さい 上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年

More information

【表紙】

【表紙】 (5) 課税上の取扱い 日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります 1 投資主の税務 ( イ ) 個人投資主の税務 a. 利益の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受け取る利益の分配は

More information

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について 債券税制の見直し ( 金融所得課税の一体化 ) に伴う国債振替決済制度の主な変更点について 平成 25 年 9 月日本銀行 はじめに 日本銀行は 国債の振替機関として 国債振替決済制度を運営しています 平成 25 年度税制改正において 個人投資家の積極的な市場参加を促進するための環境整備を図る観点等から 債券税制の見直し ( 金融所得課税の一体化 ) が行われることとなり 本年 3 月 29 日に

More information

第4回税制調査会 総4-1

第4回税制調査会 総4-1 平 28. 10. 14 総 4-1 説明資料 国際課税 2 平成 28 年 10 月 14 日 ( 金 ) 財務省 第 3 回政府税制調査会 (9/29) の外国子会社合算税制に関する主な意見 1 近年増加傾向にあるクロスボーダーの直接投資の中には 工場設立を通じた海外進出等の グリーンフィールド 投資だけでなく 10% 超の証券投資などが相当程度含まれているのではないか 国際租税の議論に当たっては

More information

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1) 6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1) 投資主の税務 1 個人投資主の税務 ( イ ) 利益の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受け取る利益の分配

More information

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘 災害損失の繰戻しによる法人税額の還付 ( 法人税法第 80 条第 5 項 ) 及び仮決算の中間申告による所得税額の還付 ( 同法第 72 条 第 4 項 第 78 条 ) の適用を受ける場合の申告書等の記載例 この記載例では 1 災害損失の繰戻しによる法人税額の還付 ( 法人税法 805) 2 仮決算の中間申告による所得税額の還付 ( 法人税法 724 78) の適用を受ける場合の 申告書 還付請求書及び各種明細書の記載例を設例に基づき示しています

More information

労働基準法が改正されます

労働基準法が改正されます Feb 18 ~ 平成 30 年税制改正大綱 ~ 昨年 12 月に税制改正大綱が公表されましたので 代表的なものを今回は紹介いたします 以下のように控除額が引き下げられることとなりました 平成 31 年 12 月まで 平成 32 年 1 月以降 1,800,000 円以下 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 収入金額 40% (650,000 円に満たない場合には 650,000

More information

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額 (5) 課税上の取扱い 投資主及び投資法人に関する一般的な課税上の取扱いは以下のとおりです なお 税制等が改正された場合には 以下の内容が変更になることがあります 1 個人投資主の税務ア. 利益の分配に係る税務個人投資主が投資法人から受け取る利益の分配 ( 利益を超える金銭の分配のうち一時差異等調整引当額の増加額に相当する金額を含みます ) は 株式の配当と同様に配当所得として取り扱われます したがって

More information

改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又

改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又 1 第 42 条の 6 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控 除 関係 改正の内容 平成 26 年度の税制改正において 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度について 次の見直しが行われた 1 中小企業者等が 産業競争力強化法 ( 平成 25 年法律第 98 号 ) の施行の日 ( 平成 26 年 1 月 20 日 ) から平成 29 年

More information

 

  (5) 課税上の取扱い 本書の日付現在 日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 以下のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いがなされることがあります 1 投資主の税務 ( イ ) 個人投資主の税務 a. 利益の分配に係る税務個人投資主が投資法人から受け取る利益の分配は

More information

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12 (5) 課税上の取扱い 日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては 異なる取扱いが行われることがあります 1 個人投資主の税務 ( ア ) 利益の分配に係る税務個人投資主が上場投資法人である本投資法人から受け取る利益の分配

More information

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所 復興特別所得税 ( 源泉徴収関係 )Q&A 平成 24 年 4 月国税庁 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法 ( 平成 23 年法律第 117 号 )( 以下 復興財源確保法 といいます ) が公布され 平成 25 年 1 月 1 日から施行されることに伴い 復興特別所得税の源泉徴収に係る質疑応答事例を取りまとめましたので 参考としてください ( 注

More information

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引 復興増税と平成 23 年度税制改正案の一部が成立しました!! 平成 23 年 11 月 30 日に 東日本大震災からの復興施策としての復興増税 ( 法人税及び所得税などの 臨時増税 ) と 平成 23 年度税制改正案のうち一部 ( 法人税率の引き下げや中小法人の軽減税率の引 き下げなど ) が国会で成立し 平成 23 年 12 月 2 日に公布 施行されました 成立している主な改正事項 企業関係個人

More information

外国子会社合算税制 (CFC 税制 ) の改正と今後の海外投資 M&A に与える影響 PwC 税理士法人国際税務 /M&Aタックスグループパートナー山岸哲也 はじめに 2016 年 12 月 22 日に閣議決定された 2017( 平成 29) 年度税制改正の大綱 ( 以下 2017 年度税制改正大綱

外国子会社合算税制 (CFC 税制 ) の改正と今後の海外投資 M&A に与える影響 PwC 税理士法人国際税務 /M&Aタックスグループパートナー山岸哲也 はじめに 2016 年 12 月 22 日に閣議決定された 2017( 平成 29) 年度税制改正の大綱 ( 以下 2017 年度税制改正大綱 PwC s View 特集 : 組織再編税制等に関する税制改正 Vol. 8 May 2017 www.pwc.com/jp 外国子会社合算税制 (CFC 税制 ) の改正と今後の海外投資 M&A に与える影響 PwC 税理士法人国際税務 /M&Aタックスグループパートナー山岸哲也 はじめに 2016 年 12 月 22 日に閣議決定された 2017( 平成 29) 年度税制改正の大綱 ( 以下 2017

More information

実務特集1. 寄附修正 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステ

実務特集1. 寄附修正 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステ グループ法人課税の導入 清算所得課税の廃止などの大きな実務措置がとられた平成 22 年度改正 本誌では法人税通達および質疑応答を実務に活かせる知識とするための解説を 3 回に渡りお届けしています 第 2 回の今回はグループ法人税制の対象を判断する肝となる支配関係 完全支配関係の判定のほか 寄附修正 中小特例の制限 配当に係る改正点について解説します 目 次 Ⅰ Ⅱ はじめに 25 100% グループ法人間の寄附

More information

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金 公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金だけで課税関係を終了することもできます ( 確定申告不要制度の対象 ) 公共債の利子 平成 27 年

More information

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非 新しい非居住者債券所得 非課税制度について 金融庁総務企画局 政策課金融税制室 新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非課税制度の適用を受けるための手続としては

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 復興特区における税 金融上の特例措置 資料 4-2 復興特区における税制上の特例措置 利子補給金制度 (1 頁 ) 産業集積関係の課税の特例の対象となる地域のイメージ (2 頁 ) 復興産業集積区域における新規立地促進税制 (3 頁 ) 復興産業集積区域における特別償却又は税額控除 (4 頁 ) 復興産業集積区域における法人税の特別控除 (5 頁 ) 復興産業集積区域における研究開発税制の特例等 (6

More information

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc 経営者のための税知識 第一回平成 21 年度税制改正のポイント 平成 20 年 12 月 12 日に公表された与党の平成 21 年度税制改正大綱を基に 経営者のために必要な部分に絞り 平成 21 年度に予定される改正のポイントを解説します 1 金融 証券税制 (1) 上場株式等の配当及び譲渡益に対する特例の延長上場株式 株式投資信託の配当及び譲渡益に対する 10% の軽減税率は 平成 21 年 1

More information

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への 医業継続に係る相続税 贈与税の納税猶予制度 福田和仁相談部東京相談室 国内の医療法人の多くは 出資持分のある医療法人です 医療法人の出資者に相続が発生したときは出資持分に対して相続税が課税され また 一部の出資者が持分を放棄するなど一定の場合は他の出資者に贈与税が課税されます ただ 医療法人の財政状態によっては納税額が多額に上ることがあり得るなど その負担により医療活動の安定的な継続に影響を与えかねないといった懸念が示されていました

More information

平成23年度税制改正の主要項目

平成23年度税制改正の主要項目 平成 23 年度税制改正税制改正の主要項目 平成 23 年 11 月 30 日成立経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律について 及川会計事務所税理士及川小四郎

More information

仮想通貨に係る税制と今後

仮想通貨に係る税制と今後 KPMG Insight KPMG Newsletter Vol.32 September 2018 経営 Topic 3 仮想通貨に係る税制と今後 kpmg.com/ jp 経営 Topic 3 テクノロジー 仮想通貨に係る税制と今後 KPMG 税理士法人 FinTech パートナーアシスタントマネージャー 渡邉直人 松浦尚人 現在 IT 技術を活用した様々なサービスや仕組みが誕生しており 特にブロックチェーン技術を活用した仮想通貨はFintech

More information

スポンサー企業 増減資により 再生会社をスポンサー企業の子会社としたうえで 継続事業を新設分割により切り分ける 100% 新株発行 承継会社 ( 新設会社 ) 整理予定の事業 (A 事業 ) 継続事業 会社分割 移転事業 以下 分社型分割により事業再生を行う場合の具体的な仕組みを解説する の株主 整

スポンサー企業 増減資により 再生会社をスポンサー企業の子会社としたうえで 継続事業を新設分割により切り分ける 100% 新株発行 承継会社 ( 新設会社 ) 整理予定の事業 (A 事業 ) 継続事業 会社分割 移転事業 以下 分社型分割により事業再生を行う場合の具体的な仕組みを解説する の株主 整 事業再生のための第二会社方式の活用 1 第二会社方式の意義と留意点第二会社方式は 第二会社 ( 通常は新設会社とする場合が多い ) に対して会社分割や事業譲渡により事業を承継させることで収益性のある事業を移転させ事業を継続させていく再建手法である 移転元の旧会社は 他の ( 収益性のない ) 事業を停止し 負債の支払などの残務整理を行ったのち 解散 清算される 重要なポイントは 以下の 2 点である

More information

<4D F736F F D208F8A93BE90C520926D8EAF94BB92E E291E >

<4D F736F F D208F8A93BE90C520926D8EAF94BB92E E291E > 税理士講座所得税法学習者専用住民税初学者初学者短期合格コース 問題 < 解答時間 10 分 > < 所得税法知識判定テスト > 設問 1 次のうち 利子所得とならないものを選びなさい ア. 公募公社債等運用投資信託の収益の分配イ. 農林債の利子ウ. 役員が支払を受ける勤務先預け金の利子エ. 合同運用金銭信託の収益の分配 設問 2 国内発行の利子等に係る利子所得の課税方法について 次の空欄に入る語句として

More information

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ (5) 課税上の取扱い 本書の日付現在 日本の居住者又は日本法人である投資主に対する課税及び投資法人の課税上の一般的取扱い は 以下のとおりです なお 税法等が改正された場合は 以下の内容が変更になることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては 異なる取扱いが行われることがあります 1 投資主の税務 ( ア ) 個人投資主の税務 a. 配当等の額に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る金銭の分配のうち

More information

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金 公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金だけで課税関係を終了することもできます ( 確定申告不要制度の対象 ) 公共債の利子 平成 27 年

More information

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする 平成 25 年度税制改正の大綱の概要 Ⅰ 個人所得課税 1. 所得税の最高税率の見直し現行の所得税の税率構造に加えて 課税所得 4,000 万円超について 45% の税率を創設 ( 適用時期 : 平成 27 年分以後の所得税に適用 ) 2. 金融 証券税制 10 年間 500 万円の非課税投資を可能とする日本版 ISA( 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置 ) の創設

More information

24年度税制改正(案)の解説

24年度税制改正(案)の解説 平成 24 年度税制改正 ( 案 ) の解説 関連者間の利子を利用した租税回避への対応 ( 過大支払利子税制の導入 ) について 所得金額に比して過大な利子を関連者間で支払うことを通じた租税回避を防止するため 次の措置が講じられます 1 新制度の内容 (1) 関連者等に係る支払利子等の損金不算入法人の各事業年度に下記 (3) イの関連者支払利子等の額がある場合において 法人の下記 (3) の関連者純支払利子等の額が下記

More information

TAC2017.indb

TAC2017.indb 法人税法ーー問題 解答 法 人 93 無断複写 複製を禁じます ( 税 17) 法上 (2) 問 3 資料 の 1 及び 2 に基づき 次の (1) 及び (2) の問いに答えなさい ( 注 ) 解答は答案用紙の指定された枠内に記載すること (1) 法人税法第 121 条第 1 項に規定する青色申告 法人税法第 122 条第 1 項及び第 2 項に規定する青色申告の承認の申請について簡潔に述べなさい

More information

タイ財務省 (Ministry of Finance) は 2015 年 5 月 1 日付の官報にて勅令 (Royal Decree) No. 586, 587 を公布しました これは 国際地域統括本部 (International Headquarters IHQ ) 及び国際貿易センター (In

タイ財務省 (Ministry of Finance) は 2015 年 5 月 1 日付の官報にて勅令 (Royal Decree) No. 586, 587 を公布しました これは 国際地域統括本部 (International Headquarters IHQ ) 及び国際貿易センター (In NEWSLETTER GJP - THAILAND GJP タイニュースレター 2015 年 5 月 /Vol.2 国際地域統括本部 (IHQ) 及び国際貿易センター (ITC) に対する優遇税制措置に関する勅令の公布 お問い合わせ タイ財務省 (Ministry of Finance) は 2015 年 5 月 1 日付の官報にて勅令 (Royal Decree) No. 586, 587 を公布しました

More information

【修正】07_別表五~.indd

【修正】07_別表五~.indd 141 別表六 ( 一 ) 所得税額の控除に関する明細書 別表六 ( 一 ) 所得税額の控除に関する明細書の 作成のしかた Ⅰ 別表六 ( 一 ) の作成の目的 この明細書は, 法人が平成 28 年 1 月 1 日以後に終了する各事業年度において支払を受ける利子及び配当等並びに懸賞金等及び償還差益について源泉徴収された所得税額について, 法人税法第 68 条第 1 項 所得税額の控除 ( 復興財源確保法第

More information

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想 平成 30 年 1 月東京都主税局 所得拡大促進税制 ( 雇用者給与等支給額が増加した場合の付加価値額の控除 ) に関する Q&A Q1 外形標準課税における 所得拡大促進税制 とはどのような制度ですか? Q2 当該制度の適用対象年度は いつからいつまでですか? Q3 当該制度の適用を受けるためには どのような要件を満たすことが必要ですか? Q4 連結法人ですが 適用に当たっての要件に違いがありますか?

More information

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及 租税特別措置法 ( 昭和三十二年三月三十一日法律第二十六号 ) 抜粋 ( 特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等 ) 第二十九条の二会社法 ( 平成十七年法律第八十六号 ) 第二百三十八条第二項若しくは会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 ( 平成十七年法律第八十七号 ) 第六十四条の規定による改正前の商法 ( 明治三十二年法律第四十八号 以下この項において

More information

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま (5) 課税上の取扱い 日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります ま た 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります 1 投資主の税務 ( ア ) 個人投資主の税務 a. 利益の分配に係る税務 個人投資主が上場投資法人である本投資法人から受け取る利益の分配の取扱いは

More information

PE 帰属所得計算の実務と課題 平成 28 年 7 月 4 日公開草案事例を検討する 平成 29 年 7 月 11 日 ユナイテッド パートナーズ会計事務所代表取締役西村善朗 1. 平成 28 年 4 月 1 日以後開始事業年度に 報告対象となるもの (3 月決算法人である内国法人については 平成

PE 帰属所得計算の実務と課題 平成 28 年 7 月 4 日公開草案事例を検討する 平成 29 年 7 月 11 日 ユナイテッド パートナーズ会計事務所代表取締役西村善朗 1. 平成 28 年 4 月 1 日以後開始事業年度に 報告対象となるもの (3 月決算法人である内国法人については 平成 PE 帰属所得計算の実務と課題 平成 28 年 7 月 4 日公開草案事例を検討する 平成 29 年 7 月 11 日 ユナイテッド パートナーズ会計事務所代表取締役西村善朗 1. 平成 28 年 4 月 1 日以後開始事業年度に 報告対象となるもの (3 月決算法人である内国法人については 平成 29 年 3 月期以降適用 ) (12 月決算法人である外国法人については 平成 29 年 12 月期以降適用

More information

第 5 章 N

第 5 章 N 第 5 章 相続税 N 相続税は原則として 相続や遺贈により取得し た次に掲げるような財産のすべてに対して課税されます 500 500 相続財産のなかで その財産の性質や社会政策的な見地などから相続税の課税対象から除かれ 非課税となるものもあります 30 1000 39 第 5 章 N 59 60 3000600 26123150001000 93 40 第 5 章 r t r 20 100 40q

More information

2. 減損損失の計上過程 [1] 資産のグルーピング 減損会計は 企業が投資をした固定資産 ( 有形固定資産のほか のれん等の無形固定資産なども含む ) を適用対象としますが 通常 固定資産は他の固定資産と相互に関連して収益やキャッシュ フロー ( 以下 CF) を生み出すものと考えられます こうし

2. 減損損失の計上過程 [1] 資産のグルーピング 減損会計は 企業が投資をした固定資産 ( 有形固定資産のほか のれん等の無形固定資産なども含む ) を適用対象としますが 通常 固定資産は他の固定資産と相互に関連して収益やキャッシュ フロー ( 以下 CF) を生み出すものと考えられます こうし 減損会計の基礎知識 米澤潤平相談部東京相談室 昨今 上場企業などの有価証券報告書などにおいて 減損会計の適用による 減損損失 が 損益計算書の特別損失に計上されている例が非常に多くなっています 新聞などでも 事業について減損処理を行い 億円の減損損失が計上された といった記事が頻繁に見受けられようになり その名称は一般にも定着してきました 今回は このような状況を踏まえ 減損会計の意義や目的などを改めて確認し

More information

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の 営 ViewPoint 法人税における 特別償却 と 特別控除 久住透部東京室 法人が特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供した一定の場合 通常の減価償却のほかに認められる 特別償却 の制度や 一定の金額を法人税額から控除する 特別控除 ( 税額控除 ) の制度の適用を受けることができます 今回は 法人税における特別償却および特別控除について それぞれの概要と選択のポイントを解説します 特別償却や特別控除の効果は

More information

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及び第三号に掲げるものにあつては エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部を改正する法律 ( 平成三十年法律第四十五号 ) の施行の日 ) から平成三十二年三月三十一日までの期間 ( 第三項において

More information

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ 租税特別措置 ( 相続税関係 ) の適用状況等についての報告書 ( 要旨 ) 平成 2 9 年 1 1 月 会計検査院 1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとされ

More information

国外転出時課税制度(出国税)の導入

国外転出時課税制度(出国税)の導入 1 KPMG Insight Vol. 12 / May 2015 国外転出時課税制度 ( 出国税 ) の導入 KPMG 税理士法人タックステクニカルセンター マネジャー山崎沙織 2015 年度税制改正において 個人が国外転出する時に有する株式等に係る未実現のキャピタルゲイン等に対して課税する国外転出時課税制度 ( いわゆる出国税 ) が導入され 2015 年 7 月 1 日から適用されることとなりました

More information

1. 国際的二重課税の発生理由と態様 3 税を行っていますが 諸外国においても 一般に 我が国の場合と同様に 国だけでなく地方公共団体も独自に課税権を有していますので 国の段階と地方公共団体の段階とで重複して 国際的二重課税 が生ずることとなっています 国際的二重課税 とは 基本的には このように捉

1. 国際的二重課税の発生理由と態様 3 税を行っていますが 諸外国においても 一般に 我が国の場合と同様に 国だけでなく地方公共団体も独自に課税権を有していますので 国の段階と地方公共団体の段階とで重複して 国際的二重課税 が生ずることとなっています 国際的二重課税 とは 基本的には このように捉 2 序国際的二重課税について 序国際的二重課税について 近年は 企業の経済活動が国境を越えて拡大するという状況が顕著となっています このように 経済活動が国際化してくると 自ずと 多国間で課税が重複するいわゆる 国際的二重課税 が生ずる可能性が高まることとなってきます この 国際的二重課税 とは 一般に 1 一の納税者が 2 同一の課税物件に対し 3 国際法上の複数の国等から課税を受けること をいいます

More information

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮 13. (1) 特定の一般社団法人等に対する相続税の課税 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景一般社団法人及び一般財団法人に関する法律が施行された平成 20 年 12 月以降 一般社団法人等は 事業の公益性の有無や種類に制限がなく 登記のみで設立できるようになった 一般社団法人等は 持分の定めのない法人 であり 一般社団法人等が保有する資産は相続税の課税対象とならないことから 個人の財産を一般社団法人等に贈与等し

More information

ミャンマーでの建設受注に関わる税務問題

ミャンマーでの建設受注に関わる税務問題 KPMG Insight KPMG Newsletter Vol.21 November 2016 海外トピック 2 ミャンマーでの建設受注に関わる税務問題 kpmg.com/ jp ミャンマーでの建設受注に関わる 税務問題 KPMG ミャンマー ヤンゴン事務所長パートナー藤井康秀 ミャンマーは 2011 年に成立したテインセイン政権による外資誘致政策の下 鉄道や港湾 発電所や上下水道の整備 ティラワ経済特別区

More information

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政 はしがき 会社の純資産の部は 株主が会社に拠出した払込資本の部分と利益の内部留保の部分で構成されています 法人税においては 前者を 資本金等の額 後者を 利益積立金額 と定義するとともに 両者を厳格に区分 ( 峻別 ) しています 様々な理由で 会社が株主に金銭などを交付した際に 株主に対する課税を適正に行うためです 資本金等の額を減らすためには 会社から株主へ金銭などを交付しなければなりません そのため

More information

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000 平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 相続税の基礎控除が引き下げられます 相続税の税率構造が見直されます 未成年者控除 障害者控除の控除額が引き上げられます 内容 基礎控除 ( ) 50,000 千円 +10,000 千円 法定相続人の数 30,000 千円 +6,000 千円 法定相続人の数 税率構造 ( ) 10% 15% 20% 30% 40% 50%

More information

ことも認められています 施行日前 ( 平成 26 年 3 月 31 日以前 ) にリース契約を締結し リース資産の引渡しを行ったリース取引についてこの特例により賃貸借処理を行っている場合には 旧税率の 5% が適用されます 3. 資産の貸付け に関する経過措置指定日の前日 ( 平成 25 年 9 月

ことも認められています 施行日前 ( 平成 26 年 3 月 31 日以前 ) にリース契約を締結し リース資産の引渡しを行ったリース取引についてこの特例により賃貸借処理を行っている場合には 旧税率の 5% が適用されます 3. 資産の貸付け に関する経過措置指定日の前日 ( 平成 25 年 9 月 消費税率引上げに向けての経過措置の対応 ( 第 2 回 ) ( はじめに ) 消費税法改正に伴う消費税率の引上げは 消費税率及び地方消費税率について 次のと おり 2 段階で引き上げることと予定されています 消費税率 5.0% 8.0% 10.0% 施行日 現行 平成 26 年 4 月 1 日 平成 27 年 10 月 1 日 指定日 平成 25 年 10 月 1 日 平成 27 年 4 月 1 日

More information

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま (5) 課税上の取扱い 日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります 1 投資主の税務 ( イ ) 個人投資主の税務 a. 利益の分配に係る税務個人投資主が上場投資法人である本投資法人から受け取る利益の分配の取扱いは

More information

税調第20回総会 資料2-1

税調第20回総会 資料2-1 平 3 0. 1 1. 7 総 2 0-2 説明資料 国際課税について 平成 30 年 11 月 7 日 ( 水 ) 財務省 目次 BEPS プロジェクト の勧告を踏まえた国際課税のあり方に関する論点整理 ( 平成 28 年 11 月 14 日 )[ 抄 ] 3 1. 過大支払利子税制 BEPS 行動 4 最終報告書の概要等 5 参考 第三者への利子の支払いにおけるBEPS( 行動 4 最終報告書パラ3をもとに作成

More information

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で 会計検査院法第 30 条の 2 の規定に基づく報告書 ( 要旨 ) 消費税の課税期間に係る基準期間がない法人の納税義務の 免除について 平成 23 年 10 月 会計検査院 検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し

More information

NY Word Proposal Template New

NY Word Proposal Template New 電気通信利用役務の提供に対する消費税課税制度の見直し Issue 109, March 2015 In brief 2015 年 3 月 31 日 平成 27 年度税制改正法 ( 所得税法等の一部を改正する法律 及び 地方税法等の一部を改正する法律 ) が国会で可決されました 改正消費税法では 電気通信回線を介して行われる一定の役務の提供が 電気通信利用役務の提供 と定義され その役務提供の内外判定は

More information

Ⅰ 電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し 電子書籍 音楽 広告の配信などの電気通信回線 ( インターネット等 ) を介して行われる役務の提供を 電気通信利用役務の提供 と位置付け その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準 ( 内外判定基準 ) が 役務の

Ⅰ 電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し 電子書籍 音楽 広告の配信などの電気通信回線 ( インターネット等 ) を介して行われる役務の提供を 電気通信利用役務の提供 と位置付け その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準 ( 内外判定基準 ) が 役務の 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について ( 国内事業者の皆さまへ ) 平成 27 年 5 月国税庁 ( 平成 28 年 12 月改訂 ) 所得税法等の一部を改正する法律 ( 平成 27 年法律第 9 号 ) 等により 消費税法等の一部が改正され 国境を越えて行われるデジタルコンテンツの配信等の役務の提供に係る消費税の課税関係の見直しが行 われました 当該見直しにおける改正の主なポイントは以下のとおりです

More information

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲 譲渡所得税 N 譲渡所得とは簡単にいえば資産の譲渡による所得のことですが この譲渡とは 通常の売買のほか 交換 収用 競売 現物出資 代物弁済などの有償譲渡 法人に対する贈与などの無償譲渡も含まれます なお 譲渡所得は 毎年必ず発生する所得ではなく臨時的に発生する所得であるため その人の他の所得と切り離して課税される申告分離課税という特別な課税の方式がとられています ( 棚卸資産 山林を譲渡した場合を除きます

More information

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申 平成 30 年度税制改正について 平成 30 年 4 月 1 日に施行 ( 特段の定めがあるものを除く ) された改正税法について 第 68 回税理士試験に影響すると考えられるものを中心にご紹介致します なお 第 68 回税理士試験において適用される法令等は平成 30 年 4 月 2 日現在施行のものとされております 所得税法 所得税法では 働き方が多様化している現代 様々な形で働く個人を広く支援すること等の観点から

More information

平成30年3月決算における税務上の留意事項

平成30年3月決算における税務上の留意事項 税務 平成 30 年 3 月決算における税務上の留意事項 デロイトトーマツ税理士法人税理士 すずききよひろ鈴木ᅠ清博 1. はじめに平成 29 年度税制改正では 我が国経済の好循環を確 かなものとするために コーポレートガバナンスを強化することにより 中長期的な企業価値の向上に資する投資など 攻めの経営 を促進することに重きを置いたものとなった 平成 29 年度税制改正に関する 所得税法等の一部を改正する等の法律

More information

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万 ViewPoint 営 平成 30 年度税制改正 個人編 坂本和則部東京室木本泉部大阪室 平成 30 年度税制改正では 個人に関係する改正として 働き方改革 を後押したり 世代内 世代間の公平性を確保したりする観点から 給与所得控除や公的年金控除など所得の種類に応じた控除額の見直しが行われました また これらの一部をどのような所得にも適用される基礎控除に振り替えることや 高額所得者に適用されるべき控除額の見直しなども行われました

More information

本日の内容 GIPS 基準における公正価値の考え方 (GIPS 評価原則 ) と実務上の留意点および課題 GIPS 2010 年改訂版におけるポートフォリオ評価 ポートフォリオ評価に関する重要な変更 GIPS 評価原則 について 公正価値 と 検証 GIPS 基準と既存の評価方法との差異分析 GIP

本日の内容 GIPS 基準における公正価値の考え方 (GIPS 評価原則 ) と実務上の留意点および課題 GIPS 2010 年改訂版におけるポートフォリオ評価 ポートフォリオ評価に関する重要な変更 GIPS 評価原則 について 公正価値 と 検証 GIPS 基準と既存の評価方法との差異分析 GIP ( 社 ) 日本証券アナリスト協会 GIPS セミナーシリーズ第 3 回 パフォーマンス計算と公正価値の考え方 GIPS 基準における公正価値の考え方 (GIPS 評価原則 ) と実務上の留意点および課題 2010 年 12 月 8 日 あずさ監査法人神谷精志 ( あずさ監査法人金融本部 / 第 1 事業部 ) SAAJ 投資パフォーマンス基準委員会委員 GIPS Verification / Practitioner

More information

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る 資産課税個人事業者の事業用資産に係る納税猶予制度の創設 個人事業者の事業承継税制が 10 年間の時限措置として新たに創設される 認定相続人 受贈者が 青色申告の承認を受けていた個人事業者から 相続等又は贈与によりその個人事業者の事業の用に供されていた 特定事業用資産 を取得し 事業を継続していく場合には その取得した特定事業用資産の課税価格に対応する相続税又は贈与税の全額について その納税を猶予する

More information

上場株式等の配当等に対する課税

上場株式等の配当等に対する課税 Ⅱ 上場株式等の配当等に対する課税 第 1 上場株式等の配当等に係る配当所得の課税の特例の創設等 1 上場株式等の配当等に係る配当所得の申告分離課税制度の創設居住者等が 平成 21 年 1 月 1 日以後に支払を受けるべき上場株式等の配当等を有する場合において その上場株式等の配当等に係る配当所得の課税方法について 総合課税 に代えて 申告分離課税 の適用を受けようとする旨の記載のある確定申告書を提出したときは

More information

<4D F736F F D F95B6817B967B95B6298D918DDB89DB90C D8BA68B6389EF2095BD90AC E937890C590A789FC90B D>

<4D F736F F D F95B6817B967B95B6298D918DDB89DB90C D8BA68B6389EF2095BD90AC E937890C590A789FC90B D> 国際課税連絡協議会平成 25 年度税制改正に関する要望 国際課税連絡協議会は 日本貿易会が わが国の国際課税制度の改善を共同して要望 実現することを目的として 関係団体に呼びかけ平成 12 年 6 月に設立したものである 平成 25 年度税制改正要望は 4 項目からなり 7 月 18 日 24 団体の連名にて経済産業省等へ提出した 平成 25 年度税制改正要望 平成 24 年 7 月 18 日国際課税連絡協議会

More information

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲 譲渡所得税 N 譲渡所得とは簡単にいえば資産の譲渡による所得のことですが この譲渡とは 通常の売買のほか 交換 収用 競売 現物出資 代物弁済などの有償譲渡 法人に対する贈与などの無償譲渡も含まれます なお 譲渡所得は 毎年必ず発生する所得ではなく臨時的に発生する所得であるため その人の他の所得と切り離して課税される申告分離課税という特別な課税の方式がとられています ( たな卸資産 山林を譲渡した場合を除きます

More information

試験研究費 9,, 7,, Check7 14,, 14,, Check8 7,, 2,, 14,, 6,, 6,, 税務弘報

試験研究費 9,, 7,, Check7 14,, 14,, Check8 7,, 2,, 14,, 6,, 6,, 税務弘報 PART2 別表はココを確認しよう! 法人税申告書の提出前チェック 試験研究費 税理士法人プライスウォーターハウスクーパース公認会計士 税理士荒井優美子 8,,, Check2.15 9,, 9,, Check1 4,,,, Check3 9,, Check5 24 1 1 24 31 28,, 14,, 2,, 34,, 28,, 28,, 2,, Check4 Check6 9,,,, 1,,

More information

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな 平成 23 年度税制改正 ( 相続税関係 ) のポイント JA 共済連全国本部普及部吉川厚 本稿では 平成 23 年度税制改正のうち 共済契約に関係する相続税の改正とその影響について見ていく 内容については政府税制調査会の税制改正大綱にもとづいているが 現時点 (3/28) では詳細が明らかになっていない点があること また 東日本大震災等の影響により 税制改正法案自体が成立しないおそれもあることについて

More information

間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高 Z-68-F 第一問 解答 問 1 計 30 点 (1) について (20 点 ) 1 概要消費税法第 9 条第 1 項の規定が適用されずに 課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて納税義務が課されるのは 以下の特例が適用される場合におけるそれぞれに定める課税期間である 1 課税事業者の選択 2 前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例 3 新設法人の納税義務の免除の特例

More information

Microsoft Word - 不動産ファンドに関する国際財務報告基準 第6回.doc

Microsoft Word - 不動産ファンドに関する国際財務報告基準 第6回.doc 第 6 回 固定資産の減価償却 あらた監査法人代表社員公認会計士清水毅 はじめに 投資不動産の会計処理については 第 2 回 投資不動産の会計処理 で解説したとおり 国際会計基準 ( 以下 IAS) 第 40 号 投資不動産 の規定により 1) 公正価値による評価 ( 公正価値モデル ) と2) 原価による評価 ( 原価モデル ) の選択適用が認められています 原価モデル を選択した不動産ファンドは

More information

外国法人課税とAOAの適用開始④

外国法人課税とAOAの適用開始④ 05 マエストロの解説 複雑になりすぎた 法人税をもう 一度勉強しよう 2 法人税額の計算と申告 納税 1 法人税額の計算 外国法人に対する法人税額の計算は 次の国 内源泉所得ごとに 23.4% の税率を乗じて計算 されるしたがって それぞれの国内源泉所得 が損失である場合 他の国内源泉所得との通算 税務における第一人者 税務マエストロ による税実務講座 はできないこととなる 法法 143 今週のマエストロ

More information

( 注 3) その他の少額上場株式等の非課税口座制度の詳細については 証券会社等の金融商品取引業者等にお問い合わせ下さ い b. 利益を超える金銭の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 平成 27 年 4 月 1 日以後開始事業年度に係る利益を超える金銭の分配につ

( 注 3) その他の少額上場株式等の非課税口座制度の詳細については 証券会社等の金融商品取引業者等にお問い合わせ下さ い b. 利益を超える金銭の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 平成 27 年 4 月 1 日以後開始事業年度に係る利益を超える金銭の分配につ (5) 課税上の取扱い 日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは以下のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いがなされることがあります 1 投資主の税務 ( イ ) 個人投資主の税務 a. 利益の分配に係る税務個人投資主が投資法人から受取る利益の分配

More information

Title Slide One

Title Slide One 税務調査の事例 柴田智以 Executive Director, Tax & Legal 1 1. 税務調査の概要 税務調査の流れ 時効に関する規定 スタート 申告内容の確認調査 一般調査 申告書をレビューして問題点を指摘 税務当局は 法人税申告書の提出日から 2 年以内に召喚状を発行する権限を有する ただし 税務当局が租税回避を疑った場合には 召喚状を発行する権限が同 5 年以内に延長される 民商法上の租税債務の消滅時効は

More information

2. サプライチェーン マネジメントと国際税務戦略 サプライチェーン マネジメントと国際税務戦略には密接なつながりがあります グローバルに事業を展開している多国籍企業のサプライチェーンは 複数の国の複数の関係会社を通じて行われているのが通常であり 関係会社間の製品やサービスの取引価格は 移転価格税制

2. サプライチェーン マネジメントと国際税務戦略 サプライチェーン マネジメントと国際税務戦略には密接なつながりがあります グローバルに事業を展開している多国籍企業のサプライチェーンは 複数の国の複数の関係会社を通じて行われているのが通常であり 関係会社間の製品やサービスの取引価格は 移転価格税制 月刊国際税務 Vol.30 No.9 平成 22 年 9 月 5 日発行 アジアにおけるサプライチェーンの再構築 西田宏之 アーンスト アンド ヤングタイ事務所 Anthony Loh Contents 1. はじめに 2. サプライチェーン マネジメントと国際税務戦略 3. プリンシパルストラクチャーの概要 (1) 製造の集約 (2) の集約 4. プリンシパルストラクチャーへの移行と税務上の留意点

More information

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺 営 ViewPoint 相続税 贈与税の改正 坂本和則部東京室花野稔部大阪室 平成 25 年度税制改正では 相続税では基礎控除の引下げや税率構造の見直しが行われる一方で 贈与税では税率構造の見直しや 教育資金の一括贈与の非課税措置の創設などの改正が行われました 今回の改正により これまでは相続税の負担が生じなかったケースであっても 今後は負担の発生が予想され これまで以上に事前対策などが重要になると考えられます

More information

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 ) 営 V iewpoint 個人が土地建物等を譲渡したときの税金 久住透部東京室 個人が土地建物等を譲渡 ( 売却 ) したことにより生じる所得は 譲渡所得 とされ 所得税と住民税が課税されます そこで 土地建物等の譲渡代金の使途を検討する場合は あらかじめ税負担がどの程度生じるかを考えておく必要があります 今回は 個人が土地建物等を譲渡したときの所得税および住民税の算出方法を解説するとともに 居住用財産を譲渡した場合の主な特例について

More information

台湾における2018年度税制改正

台湾における2018年度税制改正 KPMG Insight KPMG Newsletter Vol.30 May 2018 海外 Topic4 における 2018 年度税制改正 kpmg.com/ jp 海外1 海外 Topic 4 における 2018 年度税制改正 KPMG パートナー友野浩司 シニアマネジャー横塚正樹 2018 年 2 月 7 日に改正所得税法が総統により公布され 2018 年 1 月 1 日に遡って施行されました

More information

その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の

その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の 企業会計基準適用指針第 3 号その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理 目次 平成 14 年 2 月 21 日改正平成 17 年 12 月 27 日企業会計基準委員会 目的 1 適用指針 2 範囲 2 会計処理 3 適用時期 7 議決 8 結論の背景 9 検討の経緯 9 会計処理 10 項 - 1 - 目的 1. 本適用指針は その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理を定めるものである

More information