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2 はじめに FileMaker Server は FileMaker Pro で作成したソリューションを素早く 多人数で共有したい場合に使用するソフトです サーバーという名前がついていますが 専門的なエンジニアでなくても使うことのできる FileMaker Pro の使いやすさをそのまま踏襲しているソフトです 使い方によっては 外出先や離れた支店などからでもデータベースを使用することができます FileMaker におけるコスト削減 業務改善 情報共有化を一段を加速させるツールです しかしながら FileMaker Pro の使いやすさを持ってはいますが ネットワークなどの知識は FileMaker Server を運用していくうえで必要となってきます 本書は そういった FileMaker Server を導入したくても ネットワークやサーバーの運用経験 知識の不足しているビギナーの方が FileMaker Server のスタートアップに必要不可欠な知識から 昨今加速的に普及しているクラウドサービスを使用した FileMaker Server の構築方法まで丁寧に解説しています FileMaker Server を初めて FileMaker を使いこなせるようになりましょう! FIleMaker は FileMaker 社の商標です 本文中に登場する製品等の名称は 各社の商標です また 本文中の表記を省略させていただきます また 本書作成上で内容に関して正確であることを慎重に精査しておりますが 本書 サンプルファイルの不備で起きた損害やトラブル等は一切責任を負いません お使いの環境などによって変わる場合がありますのでご了承ください 本書で書かれている情報は 2016 年 8 月現在の情報です 変更される場合がありますので 現在の情報を確認されるようお願いいたします 基本的に環境として Windows を使用していることをご了承ください 本書は FileMaker Server13 ~ 15 に対応しておりますが 紹介している画面は 15 での画面となっております しかし Admin Console のインターフェイス インストールなどほとんど 13 ~ 15 では変わりがありません 実情に合わせて読み替えてください

3 目次 Contents Section1 FileMaker Server ってなに? バックアップ 多人数で開く 外出先や支店からアクセスしたい 毎日決まった時間にスクリプトを作動させたい Web ブラウザから FileMaker データベースにアクセスしたい サポートされる OS サーバーの用意 選び方 クラウドサービスも選択肢に 8 クラウドサービスを導入するメリットクラウドサービスを導入するデメリット Section2 ネットワークとサーバー IP アドレス ドメイン グローバルとローカル ネットワーク機器 ポート番号 リモートデスクトップ 11 Section3 ルーターの役割と設定 NAT( ナット ) DHCP サーバー フィルタリング ( ファイアウォール ) ポートフォワーディング (IP マスカレード NAT マスカレード ) 固定グローバル IP アドレス RTX RTX-1210 の初期設定 RTX-1210 の GUI での設定 プロバイダー設定 LAN1 の設定 LAN3 の設定 フィルターの設定 IP マスカレードの設定 RTX-1210 のコマンドでの設定 22 Section4 クラウドサービスの利用 Microsoft Azure 日本語化 セキュリティ (Azure) AWS( アマゾンウェブサービス ) セキュリティ (AWS) 仮想マシンのアドレス 仮想マシンの削除 停止 (AWS) 38

4 4-8 仮想マシンのスペック変更 Azure のスペック変更 AWS のスペック変更 39 Section5 FileMaker Server のインストール FileMaker Server のインストールと展開 Windows ファイアウォールの設定 44 Section6 FileMaker Server の初期設定 サーバーの IP アドレス設定 Admin Console を開く Admin Console のメニュー Web 公開って? Web 公開 (WebDirect) Web 公開 (PHP) 電子メール設定 データベースフォルダ データベースのアップロード USB メモリなどで移動 リモートデスクトップを使用する FileMaker Pro のアップロード機能を利用 DNS 設定を行う FileMaker Server 上の ( 共有 ) ファイルの開き方 共有ファイルを開くショートカットを作成 SSL( 通信の暗号化 ) 設定 本番用の SSL 証明書を使う WebDirect に接続 WebDirect のホームページにデータベースを表示させない FileMaker Pro Go の起動センター ( 一覧 ) に表示しない 67 Section7 スケジュールとバックアップ スケジュールとは スケジュールの設定 ( スクリプト ) バックアップの設定 毎日 日だけ実行したいスケジュール プログレッシブバックアップ プログレッシブバックアップからの復帰 スケジュールのバックアップとロード 75 Section8 日々の運用とメンテナンス OS 更新と再起動 FileMaker Server を停止する手順 再起動の良し悪し 使用状況 ログ ログの保存場所 コマンドラインを使おう カスタム SSL サーバー証明書のバックアップと適用 82

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6 Section 1 FileMaker Server ってなに? FileMaker Pro で様々なソリューションを作成していくと業務上有用なものもだんだん作れるようになり 使用する範囲も広くなってきます すると 外出先からデータベースにアクセスして 事務処理を行いたくなってくることが出てくるでしょう FileMaker で行う業務の範囲が広がってくると必要になるのが FileMaker Server( ファイルメーカーサーバー ) です このセクションではまず FileMaker Server とはなんなのかを見ていきたいと思います まず 下記のようなメリットや特徴があります こんな場合 FileMaker Server を導入します バックアップを自動でとりたい 6 人以上でファイルを共有 ( 開く ) したい 外出先や支店などから会社の FileMaker データベースにアクセスしたい 毎日決まった時間にスクリプトを作動させたい Web ブラウザから FileMaker データベースにアクセスしたい FileMaker Server にはこのようなメリットや特徴があります いずれも FileMaker Pro だけではできない ( 難しい ) 機能です この本では 上記の項目を始め ネットワークやサーバーに詳しくない方が FileMaker Server を使って上記のことができるようになるために必要な方法 知識を解説していきます 1-1 バックアップ 自動で毎日好きな時間に好きな頻度でバックアップをデータベースを開いたままとることができます 開いたままなので FileMaker Pro や Go からアクセスして 作業をしている裏で 自動的に FileMaker Server がバックアップを取ってくれます また とったバックアップは最大 7 日分 ( デフォルト ) 保存していてくれるので もしもの時に安心です

7 1-2 多人数で開く 5 人までは FileMaker Pro の共有機能を利用することで開いて同時に作業することが大切ですが 同時にファイルを開く人数が6 人以上になると FileMaker Server が必要になります 1-3 外出先や支店からアクセスしたい 外出先や支店など 外から FileMaker データベースにアクセスして 営業日報を入力したり 顧客からの受注を登録などをしたい場合は FileMaker Server が必要になります また ネットワークとしては 外 のネットワークからアクセスすることになるので ネットワーク機器 ( ルーター ) に特別な設定が必要になります オフィスにただ FileMaker Server を置いただけでは 外部からアクセスできません 本書では ルーターの設定やネットワークの基本的な知識も紹介します また クラウドサービスを使った方法も紹介します 1-4 毎日決まった時間にスクリプトを作動させたい FileMaker にも慣れ 様々な業務を FileMaker で扱うようになると 件数が多いデータを集計したりする場合も出てきます またスクリプトによっては 処理に時間がかかり クライアントで行うと業務上支障が出る場合もあります こういったときに 誰もまだ出社していない早朝にスクリプトを自動で動かし 集計処理のスクリプトを動かすこともできます 1-5 Web ブラウザから FileMaker データベースにアクセスしたい インターネットエクスプローラ クロームといった Web ブラウザから FileMaker データベースを開くことができる WebDirect という機能が FileMaker Server にはあります 通常 FileMaker データベースを開くには FileMaker Go か FileMaker Pro が必要ですが どの PC にも初めからインストールされているような Web ブラウザを使って FileMaker Pro と同じような操作性で開くことができます 1-6 サポートされる OS サーバーは基本的には事務用として使っている PC と基本は変わりません ただし 24 時間つけっぱなしであったりという普通の PC とは違う用途なので それ用の OS(=サーバー OS) 耐久性の高いパーツで構成されます サーバー OS といっても見た目は普通の OS(=クライアント OS) とあまり変わりなく デスクトップ画面があり Windows ではおなじみ スタート もあり FileMaker Server の用途ではコマンドを打つといったことはほとんど必要なく使えます 日常 Windows や Mac を事務で使用している人ではれば扱うことが可能です Mac ではクライアント OS もサポートされています Windows ではかつてはクライアント OS もサポートされましたが FileMaker 社のサポートはなくなりました しかし FileMaker Server15 は Windows10 Pro 以上であればインストールは