知的財産法の産業教育上の意義
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- みひな えいさか
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1 知的財産論 茨城工業高等専門学校 2018 年度前期第 9 回授業 ( 平成 30 年 11 月 16 日 ) 担当櫻井博行 1
2 シラバス ( 第 9 週 ) 9 週商標制度 ( 商標法 ) 商標法上の商標 保護対象 商標登録制度の内容 商標の識別力 使用による識別力の獲得 立体商標 商標の類否 商品 役務の類否 登録要件 周知 著名商標の保護等について理解し これらについて説明ができる 前回 (7 週 ) の確認 8 週意匠制度 ( 意匠法 ) 画面デザインの保護 要旨変更 出願の分割 出願変更 意匠権 権利の利用 抵触 実施権 権利侵害 (37 条 ~41 条 ) 判定 審判 再審 訴訟等について理解し これらについて説明ができる 前回 (7 週分も含め ) 意匠法では固有の制度を確認のこと 組物の意匠 (8 条 ) 秘密意匠 (14 条 ) 関連意匠 (10 条 ) 部分意匠 (2 条 8 条 ) ( 既配の資料を参照しつつ ) 2
3 審判制度各法固有のものと共通するものを意識して説明の補充 (1) 3
4 審査前置 既習範囲 ( 特許 ) 説明の補充 (2) 審査前置 とは 拒絶査定不服審判の請求の際 ( 請求の日から 30 日以内 ) に補正がなされた場合には 審判に先立って 審査官に再審査させることをいう ( 特許法第 162 条 ) この再審査を 前置審査 という 審査官の拒絶査定に不服の場合には 出願人は拒絶査定不服審判を請求できる拒絶査定不服審判の請求がなされた場合には 審判官がその審理を行うのが原則しかし 拒絶査定不服審判を請求するとともに補正を行った場合 もとの審査官がその補正内容に基づいて審査を行えば 迅速に特許査定を行うことができる場合もあるそこで 補正があった場合には 一旦 審査官による前置審査を行うこととしている 前置審査の結果 特許できるものであれば 審査官は拒絶査定を取り消して特許査定を行う やはり特許できないものであれば 審判官の審理に移行する なお 審査前置制度は特許法にのみある制度で意匠法 商標法にはない 4
5 商標法上の商標商標法の目的 P65~ 商標とは商品やサービスにつける目印 ( 識別マーク ) のこと 商標法上の定義 ( 定義等 ) 第 2 条この法律で 商標 とは 人の知覚によつて認識することができるもののうち 文字 図形 記号 立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合 音その他政令で定めるもの ( 以下 標章 という ) であつて 次に掲げるものをいう 一業として商品を生産し 証明し 又は譲渡する者がその商品について使用をするもの二業として役務を提供し 又は証明する者がその役務について使用をするもの ( 前号に掲げるものを除く ) 2 前項第 2 号の役務には 小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供が含まれるものとする 3~6 項略 ( 目的 ) 第 1 条この法律は 商標を保護することにより 商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り もつて産業の発達に寄与し あわせて需要者の利益を保護することを目的とする 5
6 商標法上の商標 (2 条 1 項本文 ) p66 6
7 商標法上の商標 (2 条 1 項本文 ) p67 7
8 出願から商標権取得までの流れ (P79) P79 8
9 立体商標 法 2 条 1 項において 立体的形状 を導入した趣旨 ( 平成 8 年改正 ) 1 平成 8 年改正前の商標法においては 標章は平面的なものに限定され 立体的形状は商標の構成要素としては認められていなかった 2 しかし 現実の取引社会においては 例えば 店頭の広告用の人形や商品に付される立体物のような立体的形状であっても 平面的なものと同様に自他商品又は役務の識別標識として機能するにもかかわらず商標登録はできなかった ( 周知であることを条件として不正競争防止法によって保護されるにとどまっていた ) 諸外国では立体も商標としての登録が認められていた ( 商標制度の国際的調和の必要性 ) 3 上記の事情を背景に 平成 8 年改正で商標法 2 条 1 項において 商標を構成する標章に 立体的形状 を追加し 立体的形状や立体的形状と文字 図形 記号等の結合も商標を構成し得ることとした 9
10 立体商標の例 (1) 特許情報プラットフォームより 10
11 立体商標の例 (2) 大隈重信像 登録番号 第 号 権利者 学校法人早稲田大学 指定商品 指定役務 印刷物, 技芸 スポーツ又は知識の教授 etc ヤクルト ( 乳酸菌飲料 ) の包装用容器 登録番号 第 号 権利者 株式会社ヤクルト本社 指定商品 指定役務 乳酸菌飲料 11
12 商標法上の商標 ( イメージ : テキストの補足商標の使用対象 ) 12
13 商標法上の保護対象 ( 形式的には ) (1) 形式的な保護対象商標法上の商標そのもの 2 条 1 項この法律で 商標 とは 人の知覚によつて認識することができるもののうち 文字 図形 記号 立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合 音その他政令で定めるもの ( 以下 標章 という ) であつて 次に掲げるものをいう 一業として商品を生産し 証明し 又は譲渡する者がその商品について使用をするもの二業として役務を提供し 又は証明する者がその役務について使用をするもの ( 前号に掲げるものを除く ) 既出 13
14 商標法上の保護対象 ( 実質的には )& 商標の機能 (2) 実質的な保護対象 実質的な保護対象は 商標に化体した 業務上の信用 1 業務上の信用 とは グッドウィル (goodwill:1 好意 善意 親切心 2 店の信用 暖簾 ) 即ち 営業上の顧客吸引力により形成される商品等に関する名声をいうものと解され それ自体営業と離れて独自の経済的価値を有するもの 2 業務上の信用 の商標への化体 (ⅰ) 商標の識別力 ( 識別力を有すること ) 自他商品 ( 役務 ) の識別がその本質的機能 (ⅱ) 商標が使用されること ( 使用とは : 次の駒 ) 商標の機能 (P69) 1 商品又は役務の出所を表示する機能 ( 出所表示機能 ) 2 商品の品質又は役務の質を保証する機能 ( 品質保証機能 ) 3 商品又は役務の広告的機能 ( 広告機能 ) 14
15 商標の使用 P69 商標の使用とは商標の使用とは標章 ( マーク ) を用いて 以下の行為を行うことをいう ( 商標法第 2 条第 3 項 ) 15
16 商標の類否 13 要素の比較 ⅰ) 外観 ( 見た目 ) ⅱ) 称呼 ( 読んだ場合の音 ) ⅲ) 観念 ( 商標から想起される考え ) 2 取引の実情 の考慮商標の類否の判断に当たっては 1 で述べた外観 称呼 観念の対比において またこれに加えて 取引の実情を考慮される ( つまり 外観 称呼 観念の類否判断にあたっては取引の実情が考慮される ) 3 誤認混同のおそれ当該商品やサービスの需要者が 取引時に通常払う注意の程度が基準 大森林 という登録商標( 指定商品 : 石けん類 歯磨き等 ) と 木林森 という商標との類否最高裁判所第三小法廷平成 4 年 9 月 22 日判決 大森林 の楷書体の漢字から成る登録商標と 木林森 の行書体の漢字から成る商標は 全体的に観察し対比してみて 少なくとも外観 観念において紛らわしい関係にあり 取引の状況によっては 類似する関係にあるものと認める余地がある 16
17 特許情報プラットフォームでの検索 項番 出願 / 書換 / 登録番号 商標 ( 検索用 ) 区分出願人出願日登録日イメージステータス 1 登録 大森林 21 中山太陽堂興産株式会社 1985/03/ /07/23 存続 - 登録 - 継続 2 登録 大森林 11 株式会社インターナショナルイ ーシー 1996/09/ /05/29 存続 - 登録 - 継続 3 商願 Great\forest\ 大森 林 張少清 2018/06/05 係属 - 出願 - 審査待 ち 17
18 商標 大森林事件 ( 最高裁判所第三小法廷平成 4 年 9 月 22 日判決 ) 18
19 事案の概要 中山太陽堂興産 ( 株 ): 指定商品を せっけん類 歯みがき 化粧品 香料類 とする 大森林 の登録商標を有している 関連会社に同商標の使用権を許諾 薬用頭皮用育毛料に同商標を付して製造 販売している ダイリン ( 株 ): 木林森 の商品名で頭皮用育毛剤 シャンプーを製造 販売そこで 中山太陽堂は このダイリンに対して 同社の商品 木林森 は 中山太陽堂の登録商標 大森林 を侵害しているとして 木林森 の使用の差止を求めて 平成元年に東京地方裁判所に訴訟を提起しました 中山太陽堂興産 ( 株 ): 指定商品を せっけん類 歯みがき 化粧品 香料類 とする 大森林 の登録商標を有している 中山太陽堂は このダイリンに対して 同社の商品 木林森 は 中山太陽堂の登録商標 大森林 を侵害しているとして 木林森 の使用の差止を求めて 平成元年に東京地方裁判所に訴訟を提起 19
20 東京地裁 本件の争点同訴訟の争点 : 大森林 と 木林森 の類似性 類似性の判断基準 : 昭和 43 年 2 月 27 日最高裁判決が 商標の類否は 同一又は 類似の商品に使用された商標がその外観 観念 称呼等によって取引者に与える印象 記憶 連想等を総合して全体的に考察すべきであり しかもその商品の取引の実情を明らかにし得る限り その具体的な取引状況に基づいて判断すべき 裁判所の判断 (1) 東京地方裁判所 ( 平成 2 年 6 月 22 日判決 ) 本件商標は 大森林 の漢字を楷書体で横書きしており 他方でダイリンの標章は 木林森 の漢字を行書体で縦書き 横書きしており 両者は外観上類似しないと判断称呼については 本件商標の称呼は だいしんりん か だい しんりん であり 他方でダイリンの標章は きはやしもり か もくりんしん であり 称呼も類似せずと判断観念については 本件商標が 多数の樹木が密生した広大な場所 という観念を生じるのに対して ダイリンの標章は 木 で構成される文字を木の数の少ないものから多いものに並べたにすぎず 特定の観念は生じないとして 両者は類似しないと判断東京地方裁判所は 中 山太陽堂の請求を棄却 中山太陽堂は これを不服として東京高等裁判所に控訴 20
21 東京高裁 最高裁 (2) 東京高等裁判所 ( 平成 3 年 7 月 30 日 ) 外観の点については 大森林 も 木林森 も いずれも日頃慣れ親しんだ文字で構成されており 両者が外観上類似しないことは明らかとの理由を付加観念の点については 頭皮用育毛剤等の需要者は 育毛 増毛を強く望む者であるから 商品に付された標章に強い関心を抱き 注意深く商品を選択すると推認されるとして 取引の実情を考慮しても 観念による混同は生じないと判断 中山太陽堂は 最高裁判所に上告 (3) 最高裁判所 ( 平成 4 年 9 月 22 日 ) 原審の東京高等裁判所の判決を破棄して 同裁判所に事件を差し戻す旨を判示 破棄差戻判決とは 原判決が誤りであるとして破棄はするものの 最終結論については 更に原審裁判所で審理を尽くしたうえで判断することを命ずるもので 最終結論自体は 差し戻された裁判所での判断に持ち越される 同判決中で 最高裁判所は 商標の類否の一般的判断基準について 本稿 2 項で引用した基準を確認したうえで 更に 綿密に観察する限りでは外観 観念 称呼において個別的に類似しない商標であっても 具体的な取引状況いかんによっては類似する場合があり したがって 外観 観念 称呼についての総合的な類似性の有無も 具体的な取引状況によって異なってくる場合もあることに思いを致すべきである と判断そのうえで 本件商標と相手方標章は 使用されている文字が 森 と 林 の二つにおいて一致しており 一致していない 大 と 木 の字は 筆運びによっては紛らわしくなるものであること 相手方標章は意味を持たない造語にすぎないこと 両し者はいずれも増毛効果を連想させる樹木を想起させるものであること等からすると 全体的に観察し対比してみて 両者はは少なくとも外観 観念において紛らわしい関係にあることが明らかであって 取引の状況によっては 需要者が両者を見誤る可能性は否定できず ひいては両者が類似 21 する関係にあるものと認める余地もあるものと言わなければならない 旨判断
22 商標登録出願第 5 条 商標登録出願 : 商標法 5 条 特許法 36 条 実用新案法 5 条 意匠法 6 条に相当 ( 商標登録出願 ) 第 5 条商標登録を受けようとする者は 次に掲げる事項を記載した願書に必要な書面を添付して特許庁長官に提出しなければならない 一商標登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所二商標登録を受けようとする商標三指定商品又は指定役務並びに第 6 条第 2 項の政令で定める商品及び役務の区分 2 次に掲げる商標について商標登録を受けようとするときは その旨を願書に記載しなければならない 一商標に係る文字 図形 記号 立体的形状又は色彩が変化するものであつて その変化の前後にわたるその文字 図形 記号 立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合からなる商標二立体的形状 ( 文字 図形 記号若しくは色彩又はこれらの結合との結合を含む ) からなる商標 ( 前号に掲げるものを除く ) 三色彩のみからなる商標 ( 第 1 号に掲げるものを除く ) 四音からなる商標五前各号に掲げるもののほか 経済産業省令で定める商標 3~6 項略 22
23 商標登録出願第 6 条 ( 一商標一出願 ) 第 6 条商標登録出願は 商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して 商標ごとにしなければならない 2 前項の指定は 政令で定める商品及び役務の区分に従つてしなければならない 特許法 37 条 実用新案法 6 条 意匠法 7 条に相当 商標法施行令 ( 昭和三十五年三月八日政令第十九号 ) ( 商品及び役務の区分 ) 第二条商標法第六条第二項の政令で定める商品及び役務の区分は 別表のとおりとし 各区分に属する商品又は役務は 千九百六十七年七月十四日にストックホルムで及び千九百七十七年五月十三日にジュネーヴで改正され並びに千九百七十九年十月二日に修正された標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定第一条に規定する国際分類に即して 経済産業省令で定める 23
24 商標登録出願 ( 商品 役務の類否 ) 政令で定める商品の区分 別表 ( 第二条関係 ) 第一類第二類第三類第四類第五類第六類第七類第八類第九類 工業用 科学用又は農業用の化学品 塗料 着色料及び腐食の防止用の調製品 洗浄剤及び化粧品 工業用油 工業用油脂 燃料及び光剤 薬剤 卑金属及びその製品 加工機械 原動機 ( 陸上の乗物用のものを除く ) その他の機械 手動工具 科学用 航海用 測量用 写真用 音響用 映像用 計量用 信号用 検査用 救命用 教育用 計算用又は情報処理用の機械器具 光学式の機械器具及び電気の伝導用 電気回路の開閉用 変圧用 蓄電用 電圧調整用又は電気制御用の機械器具 以下略 24
25 商品 役務の類否 ( 肯定事例 ) 商品 役務の類似性の基本的な考え方 1 取引の実情を考慮し 2 当該商品 当該役務に当該標章を付した場合 3 出所の混同が生じるか否か 類似性が肯定された事案 ヴィラージュ白山 事件 ( 東京地裁平成 11 年 10 月 21 日判決 ) 分譲マンションの販売 ( 株式会社プロパスト ) にあたり ヴィラージュ白山 とする標章を 表示板 立看板 チラシ等に付して 販売した行為と 登録商標 ( 住友不動産株式会社 ) ヴィラージュ の指定役務である 土地の売買 建物の売買 との類否が争点 裁判所は 建物の売買 という役務と 建物 という被告の商品の間では 役務提供の主体が商品販売の主体でありと認識され 通常需要者も一致するから 出所の混同を招くおそれがあるという理由で 類似性を肯定 25
26 商品 役務の類否 ( 否定事例 ) (500) 商品及び役務の区分の数 1 (511) 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務 第 9 類 CCD カメラ ドーム型 CCD カメラその他のビデオカメラ, ビデオカメラ用交換レンズ,AC アダプター,DC プラグ, マイクロフォン, コネクター, ケーブル,CCD カメラの附属品, その他の電気通信機械器具 国際分類第 7 版 (210) 出願番号 商願 (T ) (220) 出願日 平成 12 年 8 月 10 日 ( ) (732) 商標権者 識別番号 氏名又は名称 ワテック株式会社 登録番号 号 (450) 発行日 平成 13 年 10 月 2 日 ( ) 公報種別 商標公報 (111) 登録番号 商標登録第 号 (T ) (151) 登録日 平成 13 年 8 月 31 日 ( ) (540) 登録商標 26
27 商品 役務の類否 ( 否定事例 ) 裁判所の判断 指定商品中の商品に該当するか否かの判断例 CCD カメラ事件 ( 東京地裁平成 15 年 12 月 10 日判決 ) 原告 : ワテック株式会社 1 被告商品の用途は主として業務用であって 一眼レフカメラ デジタルカメラ等の写真機械器具が一般の消費者を需要者とするのと異なる 2 写真機械器具と被告商品とは製造業者も異なる 3 写真機械器具を扱っている店舗でも 特に大型の店舗でない限り 一般的には監視用 CCD カメラを扱っておらず 販売経路が異なる 4 大型店舗においても 監視用 CCD カメラと写真機械器具の売り場は異なる 27
28 商標登録の要件 (3 条 ) 一般的登録要件 ( 商標登録の要件 ) 第 3 条自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については 次に掲げる商標を除き 商標登録を受けることができる 一その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標二その商品又は役務について慣用されている商標三その商品の産地 販売地 品質 原材料 効能 用途 形状 ( 包装の形状を含む 第 26 条第 1 項第 2 号及び第 3 号において同じ ) 生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴 数量若しくは価格又はその役務の提供の場所 質 提供の用に供する物 効能 用途 態様 提供の方法若しくは時期その他の特徴 数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標四ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標五極めて簡単で かつ ありふれた標章のみからなる商標六前各号に掲げるもののほか 需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標 2 前項第 3 号から第 5 号までに該当する商標であつても 使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては 同項の規定にかかわらず 商標登録を受けることができる 28
29 商標登録の要件 (3 条 ) 商標登録を受けることができない商標 P71 29
30 3 条 2 項による登録例 P71~73 30
31 商標登録の要件 (4 条 ) 不登録事由 ( 商標登録を受けることができない商標 ) 第 4 条次に掲げる商標については 前条の規定にかかわらず 商標登録を受けることができない 一国旗 菊花紋章 勲章 褒章又は外国の国旗と同一又は類似の商標二パリ条約 (1900 年 12 月 14 日にブラッセルで 1911 年 6 月 2 日にワシントンで 1925 年 11 月 6 日にヘーグで 1934 年 6 月 2 日にロンドンで 1958 年 10 月 31 日にリスボンで及び 1967 年 7 月 14 日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する 1883 年 3 月 20 日のパリ条約をいう 以下同じ ) の同盟国 世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国の紋章その他の記章 ( パリ条約の同盟国 世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国旗を除く ) であつて 経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標三国際連合その他の国際機関 ( ロにおいて 国際機関 という ) を表示する標章であつて経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標 ( 次に掲げるものを除く ) イ自己の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似するものであつて その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものロ国際機関の略称を表示する標章と同一又は類似の標章からなる商標であつて その国際機関と関係があるとの誤認を生ずるおそれがない商品又は役務について使用をするもの以下略 31
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淡路町知財研究会 ( 松宮ゼミ ) 大阪地方裁判所 平成 28 年 5 月 9 日判決言し 平成 26 年 ( ワ )8187 号審決取消請求事件 不正競争行為差止等請求事件 検索連動型広告 他 2018 年 5 月 26 日 ( 土 ) 藤岡茂 1 当事者 原告 ( 商標権者 ) 株式会社生活と科学社日用品雑貨, 洋品雑貨, 石けんの販売等を業とする株式会社インターネットに 石けん百貨 の名称で石けん等を取り扱う店舗サイトを開設し,
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第四節包括委任状 1. 包括委任状の援用による個別の手続における代理権の証明 包括委任状とは 手続をする者がその者の代理人に対し 特許出願等の手続について事件を特 定せずに包括的な代理権を授与したことを証明する書面です オンライン手続において委任状自 体を提出することは不可能であることから この包括委任状をあらかじめ特許庁長官に提出した 場合には 代理権を証明する書面の提出を必要とする個別手続において包括委任状を援用するこ
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商標権侵害訴訟におけるにおける損害賠償額損害賠償額の算定 1 損害賠償請求権の根拠民法 709 条 商標法自体には 損害賠償請求権の根拠規定はない 弁護士柳澤美佳 ダイソン株式会社勤務 2 損害賠償の範囲 1 積極的損害例 : 侵害の調査に要した費用 ( 東京地判昭 43 3 6) 弁護士費用 ( 最判昭 44 2 27) 最近では 信用損害 精神的損害なども ( 大阪地判昭 56 1 30 など
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動き出す新制度 - 平成 26 年特許法等改正 - 平成 26 年特許法等の一部を改正する法律における商標法の改正の概要 特許庁審査業務部商標雑貨繊維審査室審査官 鹿児島直人 平成 26 年の商標法改正により 商標法の保護対象が拡充され 色彩のみ 音 動き ホログラム及び位置といった 新しい商標 についても商標として保護を受けることが可能となった また 併せて 地域団体商標の登録主体の拡充及び国際機関の紋章等と類似する商標の不登録事由の見直しも行われた
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(*) 8 商標審決取消訴訟における取引の実情に関する調査研究 商標の類否判断にあたって 従来の外観 称呼 観念の三要素に加えて 取引の実情 等を含めた全体的 総合的判断がなされている 特許庁での審理と裁判所での裁判 ( 審決取消訴訟 ) における 取引の実情 の参酌の仕方における審理結果の不一致により審決が裁判所によって取り消される事例が発生しており 審判請求人の審決に対する予見性の低下が問題になっている
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平成 24 年 1 月 18 日判決言渡同日原本受領裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 10282 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 12 月 22 日 判 決 原告 X 同訴訟代理人弁理士正林真之八木澤史彦被告日本電信電話株式会社補助参加人株式会社エヌ ティ ティ データ上記両名訴訟代理人弁護士水谷直樹曽我部高志 主 文 原告の請求を棄却する 訴訟費用は原告の負担とする
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諮問番号 : 平成 29 年諮問第 9 号 答申番号 : 平成 30 年答申第 1 号 答申書 第 1 京都府行政不服審査会 ( 以下 審査会 という ) の結論本件諮問に係る審査請求 ( 以下 本件審査請求 という ) は 棄却されるべきであるとする審査庁の判断は 妥当である 第 2 事案の概要本件は 京都府 広域振興局長 ( 知事の権限の受任者 以下 処分庁 という ) が審査請求人に対して行った地方税法
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