外観設計(1校)

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1 ( 42 ) 海外情報 Bilski 最高裁判決後の保護適格性判断手法 Cybersource 事件に見る 2 段階アプローチ 河野英仁 * 1. 概要 2. 背景 米国特許法第 101 条は, 米国において特許を受けることができる発明として以下とおり規定している 第 101 条特許を受けることができる発明新規かつ有用な方法, 機械, 製造物若しくは組成物, 又はそれについての新規かつ有用な改良を発明又は発見した者は, 本法の定める条件及び要件に従って, それについての特許を取得することができる このように, 米国では 新規かつ有用な方法 等であれば新規性及び非自明性等の他の特許要件を満たすことを条件に幅広く特許を認めている ただし, 最高裁は方法が, 自然法則, 物理的現象または抽象的なアイデアにすぎない場合は, 保護適格性を有さないとして特許の付与を認めていない 1) Cybersource 事件においては, 電子商取引における詐欺検出方法及び装置に関する特許発明が米国特許法第 101 条の要件を満たすか否かが問題 2) となった CAFC は Bilski 最高裁事件の判示事項に従い, 方法クレーム及び記録媒体クレーム共に, 米国特許法第 101 条の要件を満たさないと判断した 3) 本稿では約 1 年前に下された Bilski 判決後の CAFC の保護適格性の判断について分析する (1) 特許発明の内容 CyberSource 社 ( 以下, 原告という ) は U.S. Patent No. 6,029,154( 以下,154 特許という ) の所有者である 154 特許は 顧客と業者との間のインターネットを介したクレジットカード取引における詐欺検出方法及びシステム に関する 参考図 1 は 154 特許の代表図である 参考図 1 における IVS(Integrated Verification System)106 における詐欺検出器 (Fraud Detector)210 が, インターネット取引が有効か否かを判断する 154 特許はクレジットカードを用いた取引において, 詐欺を検出する際に IP アドレスを用いるものである 具体的には, ユーザが既に詐欺取引に使用されていた IP アドレスを通じて大量購入した場合, 詐欺と判断するアイデアである 154 特許の実施例には以下の技術が開示されている 詐欺検出器 210 は履歴チェック (History Check)202, 整合性チェック (Consistency Check)204,AVS(Automatic Verification System)206,IIVS(Internet identification Verification System)208 からパラメータを受け取り, 詐欺を検出する 整合性チェック 204 はクレジット情報がユーザ及び他の情報に一致するか否かを判断する AVS206 は公知のクレジットカード情報の照合システムであり, 郵便番号及びクレジットカード番号等を用いて認証を行うシステムである * 弁理士, 河野特許事務所 ; AIPPI ソフトウエア特許研究会メンバー ( 42 ) AIPPI(2012)Vol.57 No.1

2 Bilski 最高裁判決後の保護適格性判断手法 ( 43 ) 参考図 特許の代表図 履歴チェック 202 は対象となる取引が履歴 DB222 に記憶された情報に合致するか否かを判断する IIDVS208 は, 他の業者により情報が追加される DB224 を参照し, インターネットアドレスの有効性を判断する 具体的には,IIDVS208 は, DB224 から特定のインターネットアドレスを用いて処理された一群の取引データを取得する 次いで,IIDVS208 は, 取得した取引データのマップを構築する 最後に,IIDVS208 は, 構築したマップを用いて, 新規クレジットカード取引が有効であるか否かを判定する W1~W4 は各パラメータへの重み付けを行う 詐欺検出器 210 は取引履歴 DB222 及び他の業者により追加された DB224 を参照し, 上述した様々なパラメータに基づきクレジットカード情報に対する認証を行う 問題となったのは方法クレーム 3 及び記録媒体のクレーム 2 である 方法クレーム 3 の内容は以下のとおり 4) 3. インターネットを介したクレジットカード取引の有効性を認証する方法において, a) クレジットカード取引と一致するインターネットアドレスを利用する他の取引についての情報を取得するステップと, b) 前記他の取引に基づき, クレジットカード番号マップを構成するステップと, c) クレジットカード取引が有効であるか否かを決定するためにクレジットカード番号マップを利用するステップとを備えることを特徴とする認証方法 クレーム 2 は所謂ボールガードクレーム (Beauregard claim) 形式である これは,Beauregard 5) 事件以降に名付けられ, コンピュータに特定の処理を実行させるプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な記録媒体 ( 例えば, ディスク, ハードドライブ, その他のデータ記憶装置 ) とするクレームである クレーム 2 6) は長文であるが, AIPPI(2012)Vol.57 No.1 ( 43 )

3 ( 44 ) Bilski 最高裁判決後の保護適格性判断手法 方法クレーム 3 の方法を実行するプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な記録媒体以上のものではない クレーム 2 の概要は以下のとおりである 2. インターネットを通じた顧客, 業者間のクレジットカード取引における詐欺を検出するためのプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な記録媒体において, コンピュータシステムの一または複数のプロセッサによる前記プログラム命令の実行により, 一または複数のプロセッサに以下のステップを実行させる ; ( 中略 ) a) クレジットカード取引と一致するインターネットアドレスを利用する他の取引についての情報を取得するステップと, b) 前記他の取引に基づき, クレジットカード番号マップを構成するステップと, c) クレジットカード取引が有効であるか否かを決定するためにクレジットカード番号マップを利用するステップ (2) 訴訟の経緯原告は Retail Decisions, Inc.( 以下, 被告 ) に対し,154 特許を侵害するとして,2004 年 8 月 11 日訴訟を提起した 被告は USPTO に 154 特 7) 許に対する査定系再審査を請求した 地裁はこれを受けて USPTO の審査が完了するまで審理手続を中断した 2008 年 8 月 USPTO は 154 特許を維持する決定をなした その後, 連邦地裁における審理が再開され 2008 年 10 月 30 日,Bilski 8) 事件において,CAFC は大法廷判決を下したことから, 被告は米国特許法第 101 条に基づく無効を主張した 地裁は, 被告の主張を認め, クレーム 2 及び 3 は保護適格性を有さないと判断した 被告はこれを不服として,2009 年に控訴した ただし,Bilski 事件が最高裁に上告されたため,2010 年 10 9) 月 28 日に最高裁判決が下されるまで,CAFC による審理が中断された 3.CAFC での争点争点 : 方法クレーム 3 が保護適格性を有するか否か, 方法クレーム 3 の各ステップを含む記録媒体クレーム 2 が保護適格性を有するか否かクレーム 3 はインターネットを介したクレジットカード取引の有効性を認証する方法を権利化している クレーム 2 はクレーム 3 と同一の方法を実行するプログラム命令を有するコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体を権利化している Bilski 最高裁判決後, このようなクレームが米国特許法第 101 条の要件を具備するか否かが問題となった 4.CAFC の判断結論 : クレーム 2 及び 3 は特許を受けることができない心理プロセスの独占を試みており, 米国特許法第 101 条の規定に基づき, 無効である (1)Bilski 最高裁事件方法クレームに対する保護適格性判断は Bilski 最高裁判決により明確化された 以下,Bilski 最高裁事件について解説する Bilski は, ヘッジ取引に関する方法クレームについて権利化を試みた 本方法クレームが, 米国特許法第 101 条の規定に基づき, 保護適格性を有するか否かが争点となった 最高裁は過去の判例により, 自然法則, 物理的現象, 及び, 抽象的なアイデアは保護適格性を有さないが, ビジネス方法に関する発明自体は米国特許法による保護対象になると判示した さらに, 方法が抽象的なアイデアをクレームしているか否かを判断する基準として CAFC が示した機械変換テストは有用なツールではあるが, 当該テストが唯一の基準ではないと判示した 最高裁は, 機械変換テストを唯一の基準として制限することは特許法の制定趣旨及び判例に反し, また, 将来発生する新技術を保護すべく, 他の判断基準を判示することを否定した CAFC が判示した機械変換テスト (machine- ( 44 ) AIPPI(2012)Vol.57 No.1

4 Bilski 最高裁判決後の保護適格性判断手法 ( 45 ) or-transformation test) とは, 方法クレームが以下の 2 条件のいずれかを具備する場合に, 米国特許法第 101 条の要件を満たすとする判断基準である (I) クレームされた方法が特別な機械または装置に関係していること, または (II) 特別な物 もの (article) を異なる状態または物体へ変換していること最高裁は,Bilski のヘッジ取引に係る方法ク 10) レームの保護適格性を否定すべく Benson 事件 11) 及び Flook 事件を挙げた Benson 事件において, 最高裁は,2 進化 10 進数 (BCD) 形式にあるデータを, 純粋なバイナリ形式へ変換するアルゴリズムに関する特許出願が, 米国特許法第 101 条に規定する 方法 であるかどうかを検討した 最高裁は最初に, 抽象的なアイデアにおける法則は, 基本的な真理であり, 発端であり, 真意であり, これらは特許されるべきではない と述べた これらは, 何人にも使用させる必要があるものであり, 独占権を付与すべきではないからである 当該アルゴリズムについて権利を付与すれば, 完全に数学的公式についての権利を先取り (pre-empt) させることとなる 以上の理由により,Benson 事件における発明は単なる抽象的アイデアであり, 米国特許法第 101 条に規定する 方法 でないと判断した また,Flook 事件において, 出願人は, 石油化学製品及び精油産業において, 触媒変換プロセスの間, 状態を監視する方法について特許化を試みた Flook 事件における発明は, 石油化学製品及び製油産業への適用に限定しているが, 本質は数学的アルゴリズムにある 従って, 第 3 者は当該数学的アルゴリズムを他の分野において使用することができる しかしながら最高裁は, 出願に係る発明は, 数式を特定の分野 ( 石油分野 ) に限定したにすぎず, 実質的に数学的アルゴリズムを先取りするものであり, 特許出願全体として何ら特許性ある発明を含んでいないことから, 米国特許法第 101 条 に規定する 方法 に該当しないと判示した このように, 数学的アルゴリズムの使用を, 特定分野に形式的に限定したとしても, 保護適格性を有さないと判示した Bilski のクレームは, ヘッジングの基本的コンセプト, または, リスクに対する保護を記載している ヘッジングは, 経済社会システムにおいて古くから普及している基本的な経済プラクティスであり, 経済学の入門授業においてさえ解説されている事項である クレームに記載したヘッジングの概念は,Benson 事件及び Flook 事件におけるアルゴリズムと同じく, 特許されない抽象的なアイデアである 最高裁は, 申立人に当該リスクヘッジングに係る特許を認めれば, 当該分野におけるこのアプローチの使用を先取りさせることとなり, ひいては抽象的アイデアの独占を認めることとなると判示した 最高裁は以上の判例に照らし, 申立人の出願に係る発明は単なる抽象的なアイデアであり, 米国特許法第 101 条に規定する 方法 に該当しないと判断した (2)Cybersource 事件における方法クレームの保護適格性 (i) 機械変換テスト CAFC は本事件における方法クレーム 3 は機械変換テストを満たさないと判断した クレーム 3 は単に ビジネスリスクに関連する無形のデータを取得及び比較 しているにすぎないからである クレジットカード番号及びインターネットアドレスデータに関するデータの単なる収集及び編成は, 機械変換テストの変換要件を満たすのに十分でなく, かつ, クレーム 3 の文言そのものは, 特定の機械により実行されることを要件としていないからである (ii) 心理的プロセスの独占 CAFC は続いて, クレーム 3 が心理的なプロセスを独占するものであるか否かを判断した CAFC は, 本事件におけるクレーム 3 の法定主題は保護適格性を有さない心理プロセスであることは明ら AIPPI(2012)Vol.57 No.1 ( 45 )

5 ( 46 ) Bilski 最高裁判決後の保護適格性判断手法 かであると述べた クレーム 3 の全ステップは, 人間の心理において実行されるか, またはペン及び紙を用いて実行することができると判断した なお, クレーム 3 は特定の詐欺検出アルゴリズムに限定しておらず, 明細書にも具体的なアルゴリズムが記載されていない 方法ステップ (a) についての分析 a) クレジットカード取引と一致するインターネットアドレスを利用する他の取引についての情報を取得するステップ CAFC は既に存在するデータベースから単にインターネットクレジットカード取引の記録を読む人間により実行され得ると判断した 方法ステップ (b) についての分析 b) 前記他の取引に基づき, クレジットカード番号マップを構成するステップ CAFC は, 人間が特定の IP アドレスから取得されるクレジットカード取引リストを記述することにより, クレジットカード番号マップを構成 することができると判断した 方法ステップ (c) についての分析 c) クレジットカード取引が有効であるか否かを決定するためにクレジットカード番号マップを利用するステップ CAFC は, ステップ (c) は, 余りに広く記載されすぎており, 詐欺を検出するいかなる方法をも含んでおり, 完全に人間の心の中で実行される論理的な推論をも含むと判断した 以上のとおり, クレーム 3 のステップは全て人間の心理において実行できる CAFC は, 人を通じてのみ実行される方法は単なる抽象的なアイデアであり, 米国特許法第 101 条における保護適格性を有さないと結論づけた CAFC は, 心理プロセスをクレームに記載するということが悪いというのではなく, むしろ, 完全に人間の心理において実行される方法は, 全人類に自由であり, かつ誰にも独占的に留保されな い 科学的及び技術的作業の基本的ツール basic tools of scientific and technological work を具現化する方法だからであると述べた (3) 装置クレーム原告は, クレーム 2 のカテゴリーは 方法 ではなく, 米国特許法第 101 条において規定されている 製造物 であることから, クレーム 2 はそれ自体保護適格性を有すると主張した CAFC は, 単にクレームのカテゴリーだけに着目するのではなく, 保護適格性に関しては, 発明の根本に着目しなければならないと述べた クレーム 2 及び 3 双方の基礎をなす発明は, クレジットカード詐欺を検出する方法であり, コンピュータ読み取り可能な情報を記憶する製造物ではないことは明らかであることから, 原告の当該主張を退けた CAFC は, クレーム 2 は確かに記録媒体クレームフォーマットであるが, 実質的に方法クレーム 3 と同内容であるため, 保護適格性判断を行う際に, クレーム 2 を方法クレームとして取り扱った CAFC は, 記録媒体クレーム 2 を方法クレームとして分析し, 機械変換テストを満たすか否か判断した (i) 変換テスト原告は, クレーム 2 は, インターネットクレジットカード取引を示すデータの変換に言及しており, 変換テストを満たすと主張した 原告によれば, クレーム 2 は IP アドレスまたは電子メールアドレス等の インターネットアドレス を使用しており, インターネットアドレスを利用するインターネット取引からクレジットカード番号 マップ を構築していることから, データの変換があると主張した しかしながら,CAFC は, これは, 単なるデータの操作 (manipulation) または再編成 (reorganization) にすぎず, 変換テストを満たさないと判断した (ii) 機械テスト原告は, クレーム 2 は コンピュータ読み取り ( 46 ) AIPPI(2012)Vol.57 No.1

6 Bilski 最高裁判決後の保護適格性判断手法 ( 47 ) 可能な記録媒体 と記載しており, コンピュータシステムのプロセッサによってのみ実行されるソフトウェア命令を含んでいることから, 機械テストを満たすと主張した CAFC は, 機械の使用は, クレームの範囲において意味のある限定を行っていなければならないと述べた すなわち, 機械は, クレームされた方法を実行させることにおいて, 明確な役割を果たさなければならない 12) 最終的に,CAFC は, 方法クレーム 3 の心理プロセスを実行するためのコンピュータの付随的な使用は, クレームに十分に意味のある限定をなしているとはいえないことから, 記録媒体クレーム 2 の コンピュータ読み取り可能な記録媒体 それ自体は, クレーム 3 において特許できない方法を, 米国特許法第 101 条の元, 保護適格性ありとすることはできないと結論づけた CAFC は, クレーム 2 及び 3 は特許を受けることができない心理的プロセスを独占しようと試みていることから, 米国特許法第 101 条の規定に基づき, 無効であると結論づけた 5. 考察 クレームのカテゴリーが記録媒体であり, かつ, 各ステップがプロセッサにより実行されると記載されていたとしても, 意味のある限定がなされておらず, また心理プロセス自体の独占を試みるものであることから, 保護適格性を有さないと判断された 本事件においては方法クレームと同様の 2 段階アプローチにより記録媒体クレームの保護適格性が判断されたが, これは記録媒体クレーム 2 が方法クレーム 3 と実質的に同一であったからであり, 例外的な取り扱いであると考える 装置クレーム 記録媒体クレームに対しては,2009 内部インストラクション 13) に従い審査が行われるのが大原則である (3)Bilski 最高裁判決後に保護適格性が争われた他の事件 14) 15) SiRF Tech. 事件及び Research Corp. 事件においては, 人間の心理において完全に実行することができるものではなく, 心理プロセスを独占しないことから, 保護適格性を有すると判断された 本事件とは対照的な結論となったため, 以下にこれら 2 つの事件を簡単に説明する (1) 機械変換テストと心理的プロセスの独占テストの 2 段階アプローチ Cybersource 事件において, 方法クレーム 3 は心理プロセスをクレームしており, 抽象的なアイデアについての独占を認めない Benson 最高裁判決の判示事項に従い, 特許が無効とされた Bilski 最高裁判決以降, 方法クレームについては最初に比較的判断の容易な機械変換テストが行われ, 機械変換テストを満たさない場合, 心理的プロセスを独占するか否かを判断する 2 段階アプローチがとられている 今後もこの傾向が続くものと考えられる (2) 装置クレーム 記録媒体クレームに対する保護適格性クレーム 2 は記録媒体クレームであるが, 実質的に方法クレーム 3 の各ステップを記載している (i)sirf Tech. 事件 SiRF Tech. 事件においては GPS 受信機の絶対位置及び衛星信号の受信絶対時間を算出する方法 の保護適格性が問題となった SiRF Tech. 事件で CAFC は, 同じく 2 段階アプローチを採用した SiRF Tech. 事件で CAFC は, 機械テストを満たすと判断した上で, さらに争点となっている方法の各種演算処理が, 人間の心の中で完全に実行されるものとはいえないと述べた CAFC は反対に, 本発明は,GPS 受信機の使用なしには実行することができず, 保護適格性を有すると判示した (ii)research 事件 Research 事件においては, ピクセル毎にデジタル画像を青ノイズマスクと比較することによりデジタル画像のハーフトーン画像を提供する方法 の保護適格性が問題となった CAFC は, 当該方 AIPPI(2012)Vol.57 No.1 ( 47 )

7 ( 48 ) Bilski 最高裁判決後の保護適格性判断手法 法はコンピュータデータ構造 ( 例えば, デジタル画像のピクセル及びマスクとして知られている 2 次元行列 ) の操作, 及び, 修正コンピュータデータ構造 ( ハーフトーンデジタル画像 ) の出力を必要としていると認定した そして, この方法は実際上人間の心理において完全に実行できるものではないことから, 保護適格性を有すると判示した なお, クレームにはプリンター, メモリ, 及びディスプレイ等のハードウェアが記載されていたため, 機械テストについては当然に満たすと判示している このように, 両事件とも,Cybersource 事件と同様に, 発明が人間の心理において実行されるか否か, 心理的プロセスを独占 (capture) するものであるか否かに着目し保護適格性を判断している 6. まとめと実務上の注意点通常, 日本企業は最初に日本国特許庁に出願を行い, 当該日本国出願を基礎としてパリルートまたは PCT ルートにて米国へ特許出願を行う その際日本企業が依拠するのは日本国特許実用新案 16) 審査基準である 審査基準第 VII 部第 1 章 コンピュータ ソフトウェア関連発明 には, ソフトウェアによる情報処理が, ハードウェア資源を用いて具体的に実現されていること 17) を満たすよう記載することが求められている 日本の審査基準に適合するよう請求項, 明細書及び図面を記載していれば, 自ずと機械変換テストを満たし, 米国において保護適格性の拒絶理由を受ける可能性は低減できよう つまり, 米国 USPTO は装置クレーム及び記録媒体クレームに対しては, 上述した 2009 内部インストラクション, 方法クレームについては 2010 内部インストラクション 18) を用いて審査を行うところ, 日本の審査基準に適合するよう請求項を記載していれ ば米国の審査基準にも適合する可能性が高いといえる 広い権利範囲を狙うべく, クレーム構成要件中のハードウェアをできるだけ少なく記載することも一つの策略である ただしその際米国では,2 段階アプローチにより保護適格性無しとの拒絶を受けるリスクが生じる 拒絶理由を受けた際に, 請求項に係る各ソフトウェア処理を, ハードウェアを用いて補正できるよう実施例中に, ソフトウェア処理がハードウェアと協調して実行されるよう書き込んでおくことが極めて重要となる Cybersource 事件における 154 特許は, 実施例がたった 1 頁強, 図面も 4 枚にすぎず, 十分な記載がなされていなかった このことも敗因の一つであろう ( 注 ) 1)Diamond v. Chakrabarty, 447 U. S. 303, 308 (1980) 2)Bilski v. Kappos, 129 S. Ct (June 1, 2009) 3) 判決の全文は連邦巡回控訴裁判所のホームページから閲覧することができる 判決 2011 年 8 月 16 日 ( opinions-orders/ pdf) 4)3. A method for verifying the validity of a credit card transaction over the Internet comprising the steps of: a)obtaining information about other transactions that have utilized an Internet address that is identified with the [ ] credit card transaction; b)constructing a map of credit card numbers based upon the other transactions and; c)utilizing the map of credit card numbers to determine if the credit card transaction is valid. 5)In re Beauregard, 53 F.3d 1583 (Fed. Cir. 1995) 6)2. A computer readable medium containing program instructions for detecting fraud in a credit card transaction between a consumer and a merchant over the Internet, wherein execution of the program instructions by one or more processors of a computer system causes the one or more processors to carry out the steps of: a)obtaining credit card information relating to the transactions from the consumer; and b)verifying the credit card information based upon ( 48 ) AIPPI(2012)Vol.57 No.1

8 Bilski 最高裁判決後の保護適格性判断手法 ( 49 ) values of plurality of parameters, in combination with information that identifies the consumer, and that may provide an indication whether the credit card transaction is fraudulent, wherein each value among the plurality of parameters is weighted in the verifying step according to an importance, as determined by the merchant, of that value to the credit card transaction, so as to provide the merchant with a quantifiable indication of whether the credit card transaction is fraudulent, wherein execution of the program instructions by one or more processors of a computer system causes that one or more processors to carry out the further steps of; [a] obtaining information about other transactions that have utilized an Internet address that is identified with the credit card transaction; [b] constructing a map of credit card numbers based upon the other transactions; and [c] utilizing the map of credit card numbers to determine if the credit card transaction is valid. 7) なお,USPTO における査定系再審査では本事件の争点である保護適格性 ( 米国特許法第 101 条 ) は争われていない 8)In re Bilski, 545 F.3d 943 (Fed. Cir. 2008) (en banc) 9)Bilski v. Kappos, 130 S. Ct (2010) 10)Gottschalk v. Benson, 409 U. S. 63, 70 (1972) 11)Parker v. Flook, 437 U. S. 584, 588?589 (1978) 12)SiRF Tech., Inc. v. Int l Trade Comm n, 601 F.3d 1319, 1333 (Fed. Cir. 2010) 13) Aug24.pdf pdf Aug24.pdf 14)SiRF Tech., Inc. v. Int l Trade Comm n, 601 F.3d 1319, 1333 (Fed. Cir. 2010) 15)Research Corp. Techs. v. Microsoft Corp., 627 F.3d 859 (Fed. Cir. 2010) 16) 特許実用新案審査基準第 VII 部第 1 章 コンピュータ ソフトウェア関連発明 17) ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて具体的に実現されている とは, ソフトウェアがコンピュータに読み込まれることにより, ソフトウェアとハードウェア資源とが協働した具体的手段によって, 使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより, 使用目的に応じた特有の情報処理装置 ( 機械 ) 又はその動作方法が構築されることをいう そして, 上記使用目的に応じた特有の情報処理装置 ( 機械 ) 又はその動作方法は 自然法則を利用した技術的思想の創作 ということができるから, ソフトウェアによる情報処理が, ハードウェア資源を用いて具体的に実現されている 場合には, 当該ソフトウェアは 自然法則を利用した技術的思想の創作 である 特許実用新案審査基準第 VII 部第 1 章 コンピュータ ソフトウェア関連発明 P11-P12 18) ski_guidance_27jul2010.pdf ( 原稿受領日平成 23 年 11 月 27 日 ) AIPPI(2012)Vol.57 No.1 ( 49 )

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