リスク工学グループ演習

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しょうすけしもとり
5 years ago
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1 リスク工学グループ演習最終発表 2014/10/24 福島事故第 1 次航空機モニタリングによる放射線量データの修正 2 班會澤拓也角屋貴則齋藤愛美佐野亨アドバイザー教員羽田野祐子 1

放射線の影響予測の必要性東日本大震災福島第一原子力発電所事故大量の放射性物質発生画像出典 :http://jp.ibtimes.

2 放射線の影響予測の必要性東日本大震災福島第一原子力発電所事故大量の放射性物質発生画像出典 : 原発事故後放射線の悪影響人体土地食品農作物経済影響は多方面に今後の放射性物質の影響を予測することが重要広域測定可能かつ高精度で扱いやすいデータが必要 2

3 航空機モニタリングとは航空機に放射線検出器を搭載地上に蓄積した放射性物質からのガンマ線を広範囲かつ面的に測定する手法等間隔飛行地上のガンマ線を 1 秒間隔で測定計測したガンマ線情報と高度による減弱を考慮得られたデータを地上 1m の高さの空間線量率に換算一定対地高度 3

4 第 1 次 ~ 第 3 次モニタリングデータの欠陥福島県原発周辺航空機モニタリング第 1 次 : 平成 23 年 4 月 6 日 ~4 月 29 日第 2 次 : 平成 23 年 5 月 18 日 ~5 月 26 日第 3 次 : 平成 23 年 5 月 31 日 ~7 月 2 日線量の概算値の把握は可能測定方法 ( 地形と高度に関する計算 ) が確立されていない状態第 4 次モニタリング以降のデータとの間で差が出てしまう 4

5 目的課題第 1 次航空機モニタリングにおいて高度データや地形の考慮不足による線量率の正確性に疑問がある目的第 1 次航空機モニタリングデータの高度データに関する修正修正の必要性の検討 5

6 修正を行うにあたって JAEA 施設訪問目的 : データ修正方法を学ぶ日程 :8 月 7 日場所 : 福島大学内容 : モニタリング機器説明モニタリング方法修正手順について提供データ第 1 次航空機モニタリングデータ解析に利用するツール修正方法の説明測定に使う検出器 6

7 修正作業の流れ計数率データ飛行軌跡の抽出高度を考慮した補正バックグラウンド線量率を考慮した補正補正データのマップ化 7

8 飛行軌跡の抽出等間隔の直線データが必要出発地からの移動周回時の飛行軌跡を除外 ( 赤部分 ) 直線的な飛行時のデータのみ解析に使用 8

9 高度を考慮した補正求めたいデータ : 地表面における放射線量 [Sv/h] 航空機モニタリングデータ : 上空における核種量 [Bq] 上空での核種量を地表面での放射線量に変換変換式 D = Ce μh /Cd D: 地表面での放射線量 C: 上空での核種量 μ: 空気減弱定数 H: 地表に対する航空機の高度 Cd: 線量率換算係数 9

10 バックグラウンド線量率の補正バックグラウンド線量率地表面に潜在的に存在する放射線量率宇宙線や天然核種から放出される代表核種 : ラドン (Rn) 計測された放射線量率 = 事故で放出された放射線量率 + バックグラウンド線量率事故で放出された放射線量率 ( マップ化するデータ ) = 計測された放射線量率ーバックグラウンド線量率 10

11 結果 1 全計数率プロット (Bq 試算 ) ベクレルでも被害状況を把握することは可能人体へのリスクは不明シーベルトへ変換人体へのリスクを見る必要人体への影響が最も大きいセシウムのみで検討 11

12 結果 2 セシウムでの修正比較原発から北西へ高線量地域原発西部は既存より線量が高い線量が低い地域でもつくば市 (0.1μSv/h) の約 40 倍 12

13 結果 2 考察原発北西部の高線量地域事故直後の降雨のタイミングでプルーム ( 煙流 ) の向き決定プルーム中のセシウムが地表に蓄積されて線量が高い地域が形成西部 ( 須賀川付近 ) の線量地域山に囲まれた谷地形地形の影響を受けて蓄積 13

修正データから第 4 次モニタリング時の線量予測修正した 1 次調査のセシウム量 N 0 1e+19 第 1 次調査の中間 :4 月 17 日 1e+18 196 日 1e+17 1e+16 第 4 次調査中間 :10 月 29 日 1e+15 4 次調査時のセシウム量を予測 N t 1

14 修正データから第 4 次モニタリング時の線量予測修正した 1 次調査のセシウム量 N 0 1e+19 第 1 次調査の中間 :4 月 17 日 1e 日 1e+17 1e+16 第 4 次調査中間 :10 月 29 日 1e+15 4 次調査時のセシウム量を予測 N t 1 N t 4 N t = N 0 exp( γt) 減衰量 Bq 1e+14 1e+13 1e+12 1e+11 第 1 次第 4 次 t 1 t 4 1e Year 公開されている第 4 次データと予測の第 4 次データとの比較経過年数 14

15 結果 3 修正データを用いた第 4 次線量予測予測した方が線量が高い公開データの約 5 倍 15

16 結果 3 考察線量率変化の要因の欠如半減期以外の要因 ( 拡散等 ) による線量率変化が考慮なし Bq 1e+19 1e+18 1e+17 1e+16 1e+15 1e+14 1e+13 1e+12 1e+11 1e Year 拡散地中浸透除染作業などの影響 16

17 まとめ福島事故における第 1 次航空機モニタリングのデータ修正を実施マップ化したものを既存データと比較第 1 次データの比較既存のデータには見られなかった傾向が得られた第 4 次の推測データ範囲外に拡散した放射性物質の概算値が得られた既存データとの違いがあることから修正の必要性あり 17

18 今後の課題山や谷の影響の考慮算出された線量率は地形に応じた補正が必要データ欠陥への対処マップ上で表示できない部分 ( データ欠陥 ) を埋める減少要因の考慮拡散地中浸透除染作業等の考慮により正確な値に近づける 18

19 参考文献原子力規制委員会 HP 最終閲覧日 2014 年 5 月 29 日原子力規制委員会原子力ネットワーク環境防災 N ネット最終閲覧日 2014 年 5 月 29 日原子力規制委員会 HP 放射線モニタリング情報最終閲覧日 2014 年 6 月 26 日日本原子力研究開発機構 : 広域環境モニタリングのための航空機を用いた放射性物質拡散状況調査報告書日本原子力研究開発機構報告 2012 年 6 月鳥居健男眞田幸尚杉田武志田中圭 : 航空機モニタリングによる東日本全域の空間線量率と放射性物質の沈着量調査日本原子力学会誌 Vol.54 No 年原子力規制委員会 : 文部科学省及び米国エネルギー省航空機による航空機モニタリングの測定結果について原子力規制委員会報告 2011 年 5 月大原利眞森野悠田中敦 : 福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気中の挙動保険医療科学 Vol.60 No.4 p 年鳥居健男眞田幸尚杉田武志近藤敦哉志風義明高橋昌樹石田睦司西澤幸康ト部嘉 : 広域モニタリングのための航空機を用いた放射性物質拡散調査原子力規制委員会報告 2012 年眞田幸尚西澤幸康山田勉池田和隆松井雅士土田清文佐藤義治平山弘克高村善英西原克哉伊村光生石田睦司ト部嘉志風義明杉田武志近藤敦哉鳥居健男 : 原子力発電所事故後の無人ヘリコプターを用いた放射線測定原子力規制委員会報告 2013 年経済産業省原子力安全保安院 : 東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に係る 1 号機 2 号機および 3 号機の炉心の状態に関する評価について経済産業省原子力安全保安院報告 2011 年 6 月経済産業省原子力安全保安院 : 東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故トラブルに対する INES( 国際原子力放射線事象評価尺度 ) の適用について経済産業省原子力安全保安院報告 2011 年 4 月 19

20 ご清聴ありがとうございました 20

21 航空機モニタリングとは算出された線量率を飛行軌跡とデータを基にして計算で補間しマップ化航空機での測定データの補間空間線量率マップ化一定対地高度線量率飛行情報 21

22 事故において放射性物質の試算値 [Bq]* * 平成 23 年 6 月 6 日原子力安全保安院報告東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に係る 1 号機 2 号機および 3 号機の炉心の状態に関する評価についてより 22

福島第１原子力発電所事故に伴う 131 Iと 137 Csの大気放出量に関する試算(II)

福島第１原子力発電所事故に伴う 131 Iと 137 Csの大気放出量に関する試算(II) 福島第一原子力発電所事故に伴う Cs137 の大気降下状況の試算 - 世界版 SPEEDI(WSPEEDI) を用いたシミュレーション - 平成 23 年 9 月 6 日 ( 独 ) 日本原子力研究開発機構 1. はじめに第 23 回原子力委員会定例会議 (6 月 28 日 ) では福島第一原子力発電所事故によるプラント北西地域の線量上昇プロセスの解析について概説したその後中部関東東北を含む東日本におけるCs137の広域拡散と地表沈着について4