Microsoft Word - FreeBSD

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1 情報環境プラクティス A/B ネットワークコース Unix 環境の利用 概要 この項目では, ネットワークコースの共通の環境として利用するFreeBSD のインストール及び設定を行い, その利用法を習得するのが目的である. ネットワークサービスの設定, ユーザーの登録, シェルの利用, エディタ (emacs) 等のアプリケーションのインストール,X-Window の設定等を行う. 1 FreeBSD について FreeBSD [1] は,4.4BSD Lite 2 をベースにしたBSD Unix の一派生である.4.4BSD Lite においてAT&Tのライセンスに関わるソースコードを全て排除しており, それをベースにしているFreeBSD は, ほとんどの部分がオープンソースで利用できる. 基になっているBSD Unix は, 米国国防省のARPA プロジェクトの推進によりTCP/IP が本格的に実装された最初のOS であり, 歴史的に強力なネットワーク実装を持っている. また,Unix 向けに実装された豊富なネットワークプロトコル, サービス及びアプリケーションの利用が可能である. 2 インストール 実習用サーバ機にFreeBSD をインストールするものとする. インストールを行うにはインストーラを起動する必要がある. それの起動にはブータブルCD/DVD-ROM, ネットワークブートを利用する方法があるが, 今回はDVD-ROM を利用した場合を想定する.

2 2.1 インストーラの起動ここではインストーラの起動について説明する. インストール用のブータブルDVD- ROM を利用して起動すると, インストーラが起動し, 作業の選択 ( 図 1 (a)) とKeymapの選択 ( 図 1 (b)) を行った後に, 図 1 (c) が表示されたら Test を行い Continue を選ぶ. 次に Hostname の設定 ( 図 1 (d)) を行った後に Distribution の選択 ( 図 1 (e)) で ports にチェックが入っていることを確認しOKを選択する. 図 1 (a) 図 1 (b) 2

3 図 1 (c) 図 1 (d) 3

4 図 1 (e) 4

5 2.2 ディスクの割り当て Partitioning ( 図 2 (a)) で新たにFreeBSD をインストールするパーティションを作成する. ここでは Auto(UFS) を選択する 図 2 (a) 5

6 2.3 ディスクのラベリング次に,Partition Scheme ( 図 3 (a)) が表示される. ここでは Partition Scheme を選択する. 次にラベリングを行うことにし, boot, ufs, smap が作成 ( 図 3 (b)) されたことを確認した後,Finish を押してパーティションエディタを終了する. 次に Commit を選択すると設定が反映される. 図 3 (a) ( 図 3 (b)) 6

7 7

8 2.4 root のパスワードの設定次にシステム管理者 root のパスワードを設定する. ここでroot のパスワードを入力する. 入力した文字は表示されない. 入力が終わったらEnter を押す. 次に確認のために, もう一度パスワードを入力しEnter を押す ( 図 4 (a)). これでroot のパスワードの設定が終了し設定メニュー画面へ移る. 図 4 (a) 8

9 2.5 ネットワークコンフィギュレーションの設定ネットワークに接続するため, ここではネットワークインタフェースの設定を行う. ここで利用したいinterfaceを選択する ( 図 5(a)). 次に,IPv4 を利用するか問われるので Yes を選択し, また,DHCP を利用するか問われるので No を選択することとする. 次に IPv6を利用するか問われるので Yes を選択. ネットワーク設定画面 ( 図 5(b)) に移る. ここでは, ホスト名,IPv4 ゲートウェイ, ネームサーバ,IPv4 アドレス, ネットマスクの項目を設定する. フィールドの移動はTAB で行える. 設定が終了したら画面下のメニューからOKを選択する. インタフェースを有効にするか問われるのでYes を選択する ( 図 15 (d)). 図 5(a) 9

10 図 5(b) 図 5(c) 10

11 図 5(d) 図 5(e) 11

12 図 5(f) 図 5(g) 12

13 2.6 タイムゾーンの設定次にタイムゾーンの設定を行う. 協定世界時間に合わせるかを問われるので ( 図 5 (a)), ここでは No を選択する. 次にタイムゾーン選択画面に移る.5 Asia を選択する ( 図 5 (b)). アジアの国一覧が表示されるので 18 Japan を選択する ( 図 5 (c)). 省略形 JST で良いか問われるので Yes を選択する ( 図 5 (d)). これでタイムゾーンの設定は終了する. 図 6(a) 図 6(b) 13

14 図 6(c) 図 6(d) 14

15 2.7 システムコンフィギュレーションの設定次にシステムコンフィギュレーションの設定を行う. ブート時に稼働させたいサービスを選択する ( 図 6 (a)). 図 7 (a) 15

16 2.8 ユーザの追加次にユーザの追加を行う. 以下を参考に設定する ( 表 1 (a)). 入力が終わると確認画面が表示されるので問題がなければ yes を選択. さらにユーザの追加を行うなら yes, 終了するなら no を選択. ここまでの設定に問題があれば変更 無ければ Exit を選択. ここで新しいシェルに変更が必要ならばYes 特に必要なければNo. 最後に Reboot を選択して再起動を行う. 表 1 (a) Username 任意のログイン ID Full name ユーザのフルネーム Uid() 1001 Login group 空欄 Login group is [Username]. wheel Invite [Username] into other groups? Login class 空欄 Shell tcsh Home directory 空欄 Home directory permissions 空欄 Use password-based authentication? 空欄 Use an empty password? 空欄 Use a random password? 空欄 Enter password 任意のパスワード入力 Enter password again 再度パスワード入力 Lock out the account 空欄 after creation? 16

17 3 システムの利用に関する設定 3.1 スーパーユーザーによるログイン及びログアウト Unix には管理者権限を持ったスーパーユーザーである root と呼ばれるユーザーがある. コンピュータの設定及び管理は, このスーパーユーザーで行うのが一般的である. 起動が終了すると, ログインプロンプトが現われる. ここではスーパーユーザー root でのログインを行うこととする ( 図 12 (a)). login: とプロンプトが表示され,root と入力し,Enter を押す. 初期設定でパスワードを設定していればパスワード入力が求められ, パスワードを入力し,Enter を押す. パスワードが合致しログインが成功すれば図 12 (b) の画面となりシェルの利用が可能になる. また, ログアウトを行いログインプロンプトに戻るには logout と実行 ( 1) する. ( 1) 実行は,Enter を押す. 17

18 3.2 設定メニューの表示インストール時に幾つか設定を行ったが, 設定メニューを再度呼び出す必要がある場合は bsdconfig と実行する ( 図 13 (a)). これらの作業は全てスーパーユーザーである root で行う. 18

19 3.3 ネットワークサービスの設定次に,inetd の設定を行う. セキュリティの問題から, 現在のFreeBSD では標準設定ではftp,telnetサーバが利用できなくなっている.ftp,telnet を有効にするにはinetd と呼ばれるデーモンの設定を変更することになる.(*) (*) デーモンとは,Unix 上でユーザに意識させずに動作しているサービスを提供するプロ セスのことである. chmod 777 /etc/inetd.conf vi /etc/inetd.conf ee /etc/inetd.conf と実行する ( 図 16 (d)(e)). #ftp stream tcp nowait root /usr/libexec/ftpd ftpd -l #ftp stream tcp6 nowait root /usr/libexec/ftpd ftpd -l #telnet stream tcp nowait root /usr/libexec/telnetd telnetd #telnet stream tcp6 nowait root /usr/libexec/telnetd telnetd となっている行の先頭の # を削除しファイルを保存する 19

20 3.5 システムの終了 FreeBSD では, 以下の要領でシステムを終了させる. システムを終了するには, スーパーユーザーである root で, shutdown h now と実行する ( 図 19 (a)). 暫くすれば, 図 19 (b) と表示され電源断が可能となる. そこで, 何かキーを押せば再起動を開始する. 20

21 4 Unix の利用 4.1 ユーザーのログインユーザーでログインする場合は, login: とプロンプトが表示され, 先ほど作成したユーザーのアカウント名を入力し,Enter を押す. 次に, 設定したパスワードを入力し,Enter を押す ( 図 20 (a)). パスワードが合致しログインが成功すれば, 図 20 (b) の画面となりシェルの利用が可能になる. ログアウトする場合は, logout と実行すればよい. 21

22 4.2 パスワードの変更自身のパスワードを変更するには,passwd コマンドが利用出来る. passwd コマンドの実行を行うと Old Password と表示されるので, 旧パスワードを入力し,Eeter を押す. 入力したパスワードが正しければ, New Password と表示されるので, 新たなパスワードを入力し,Enter を押すと, Retype New Password と表示されるので, 再度新たなパスワードを入力し,Enter を押せば, パスワードが更新される ( 図 21 (a)). 図 21 (a) 22

23 4.3 コマンド実行 Unix のコマンドは, プロンプト上で, コマンド名オプション引数と入力する. そして,Enter を押すと結果が表示される. 例えば, 図 22 (a) は, cal とコマンドを実行したものであり, 今月のカレンダーが表示される. また, 図 22 (b) は, cal -m 10 とオプションを指定してコマンドを実行したものであり,10 月のカレンダーが表示される. マニュアルコマンド等の使い方を調べたい場合には,man コマンドを使いリファレンスマニュアルを表示させることが出来る. man コマンド名と入力して実行を行うと, 指定したコマンド名の説明及びオプション等の情報が表示される. 図 23 は,cal コマンドのマニュアルを見るため, man cal を実行したものである. 23

24 4.4 ファイル及びディレクトリ操作ファイルの複製ファイルの複製は,cp コマンドが利用出来る. cp 複製元のファイル名複製されるファイル名と入力して実行を行うと, ファイルが複製される. ファイル名の変更とファイルの移動ファイル名及びディレクトリ名の変更は,mv コマンドが利用出来る. mv 変更元のファイル名変更後のファイル名と入力して実行を行うと, ファイル名が変更される. また,mv コマンドはファイルのディレクトリ移動も行える. mv 移動元のファイル名移動先のパスと入力して実行を行うと, ファイルが移動する. ファイルの削除ファイルを削除するには,rm コマンドが利用出来る. rm ファイル名と入力して実行を行うと, 指定したファイルが削除される. ファイルの内容の表示ファイルの内容を参照するには,cat コマンドが利用出来る. cat ファイル名と入力して実行を行うと, 指定したファイルの内容が表示される. 画面に収まる文量ごとに表示する,more コマンドが利用出来る. more ファイル名と入力して実行を行うと, スペースキーを押すごとに一画面ごとに指定したファイルの内容が表示される. 図 24 は, more.cshrc と実行したものである. 24

25 ファイルやディレクトリのリストの表示ディレクトリ内にあるファイルやディレクトリを知るためには,ls コマンドが利用出来る.ls コマンドは, カレントディレクトリ内に存在するファイルを表示する. また, ls -al と実行すれば, ディレクトリ内にあるすべてのファイルを表示し, 作成日時や属性情報等を表示することができる. 図 25 は, ls -al とオプションを指定してコマンドを実行したものである. カレントディレクトリの表示カレントディレクトリを調べるためには,pwd コマンドを利用出来る. 例えば, ログインした直後には, カレントディレクトリはユーザのホームディレクトリになっている. ユーザー 01ie999 のホームディレクトリで, pwd を実行した場合は, /usr/home/01ie999 と表示する. 25

26 ディレクトリの作成と消去新たにディレクトリを作成するのには,mkdir コマンドが利用出来る. mkdir ディレクトリ名と入力して実行を行うと, 新たにディレクトリが作成される. また, ディレクトリを削除するには,rmdir コマンドが利用出来る. rmdir ディレクトリ名と入力して実行を行うと, ディレクトリが削除される.rmdir コマンドは, ディレクトリ内が空でない場合は削除出来ない. また, rm -rf ディレクトリ名と入力して実行を行うと, 指定したディレクトリの削除がファイルごと行える. カレントディレクトリの移動カレントディレクトリを移動するには,cd コマンドが利用出来る. cd ディレクトリ名 ( またはパス ) と入力して実行を行うと, 指定したディレクトリにカレントディレクトリが移動する. cd.. と実行した場合, 一つ上位のディレクトリに移動する. また,cd と入力して実行した場合, ホームディレクトリに移動する. 26

27 ファイルのモード変更ファイルには, 読み書き実行を指定するモードがある. ファイルのモードを変更するのには,chmod コマンドが利用出来る. モードは, 対象設定アクセス制御として記述する. モードの対象は, u 所有者 g グループ o その他 a 全員 として指定が出来る. また, モードの設定は, + 追加 - 除く = 直接指定 として指定が出来る. また, モードのアクセス制御は, r 読み出し可 w 書き出し可 x 実行可として指定が出来る. そして, chmod モードファイル名とすることにより, ファイルのアクセス制御が行える. 例えば, chmod go+rw ファイル名を実行すれば, グループ及びその他の読み込み及び書き込みが可能となる. また,+ を-に変更して実行した場合は, 許可を取り消すこととなる. 27

28 4.5 emacs emacs は,vi とともに Unix で一般的に利用されているスクリーンエディタである. 起動 emacs を起動するには, コマンド emacs を実行する. emacs ファイル名とすれば, 指定したファイル名のファイルの編集が始まる. 例えば, emacs.cshrc と実行すれば,.cshrc の編集が始まる ( 図 26). ファイルのオープン及び挿入ファイルを開くには, ctrl-x ctrl-f を入力する. このとき, ミニバッファにファイル名の入力を行う. また, ctrl-x i を入力しファイル名を与えれば, ファイルの内容の挿入となる. 28

29 ファイルの保存及び終了ファイルを上書き保存するには, ctrl-x ctrl-s を入力する. ファイル名を指定して保存するには, ctrl-x ctrl-w を入力する. このとき, ミニバッファでファイル名を入力する. また, 終了するには, ctrl-x ctrl-c を入力する. 内容が変更されていた場合, ウィンドウ下部のミニバッファに, Save file ファイル名? (y, n,!,., q, C-r or C-h) と表示され, 変更内容を保存するには y, 保存しない場合は n を入力すればよい. 削除及びカーソル移動以下のキー操作で, 一文字削除及び一行削除が行える. ctrl-d 一文字削除 ctrl-k 一行削除 以下のキー操作で, カーソル移動が行える. M-< 先頭 M-> 末尾 ctrl-p 上 ctrl-n 下 ctrl-f 前 ctrl-b 後 29

30 置換置換を行いたい場合は, M-% を入力する. ミニバッファに, Query replace: と表示されるので, 置換前のワードを入力する. そして, Query replace test with: と表示されるので, 置換後のワードを入力する. そして, Query replacing free with test: と表示されるので, 置換する場合は y, しない場合は n を入力する. また, 一括して置換する場合は!, 終了する場合は q を入力する. 検索検索を行いたい場合は, ctrl-s を入力する. ミニバッファに, I-search: と表示されるので, 検索したいワードを入力する. インクリメンタルサーチであるため, 文字を入力するごとに一致する文字列へカーソル を移動する. 次の候補に移動するには ctrl-s と入力する. また, 前の候補に移動するに は ctrl-r とする. 検索を終了し, その位置にカーソルが移動するには Enter を押す. また,del で検索を キャンセルし, カーソルを元の位置に戻すことができる. 30

31 コピー & ペースト emacs では選択領域 ( リージョン ) を設定するためにポイントとマークを利用する. ctrl-space でカーソル位置がマークになる. ポイントは現在カーソルがある位置になる ( カーソルを 移動させるだけで変化する ). マークからポイントまでの領域がリージョンになり, この 状態でリージョンの一括操作を行う. コピー & ペーストをしたい場合は, リージョンを設定した後に ctrl-w で削除後コピーとなり, M-w ではコピーのみとなる. そして, カーソルを移動させて ctrl-y を入力すれば, コピーした内容が挿入される. その他以下は, その他の主要なキー操作である. ctrl-l 再描画 ctrl- 処理を戻す ctrl-g キャンセル 31

32 演習内容以下の内容の実習を行うこと. 作業内容, 結果は適切に記録しておくこと. また, 実習に関しては, 文献 [2] が参考になる. 1. FreeBSD のインストールを行う. また, アプリケーションとして emacs をインストールする. そして, 以下の内容の作業を行うこと. スーパーユーザーである root のログイン / ログアウトを行う. 作成したユーザーのログイン / ログアウトを行う. 2. 作成したユーザーでログインを行い, 以下の内容の作業を行うこと. passwd コマンドを利用してパスワードの変更を行う. コピー(cp), 名前変更 (mv), 削除 (rm) 等のファイル操作, 移動 (cd), 作成 (mkdir) 等のディレクトリ操作を行う. chmod を用いてファイル, ディレクトリの属性変更を行う. 3. emacs を起動して, 各種操作を行い, テキストファイルを編集する. 4. その他 参考文献 [1] FreeBSD : [2] 山口和紀監修 : 新 The UNIX Super Text 上, 技術評論社, ISBN ,