シンガポールにおける 外国企業の会社設立 清算手続きの概要 (2018 年 9 月 ) 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) シンガポール事務所ビジネス展開支援部 ビジネス展開支援課
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- さみ ごちょう
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1 シンガポールにおける 外国企業の会社設立 清算手続きの概要 (2018 年 9 月 ) 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) シンガポール事務所ビジネス展開支援部 ビジネス展開支援課
2 本報告書の利用についての注意 免責事項本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) シンガポール事務所が現地会計事務所 SCS Global Consulting(S) Pte Ltdに作成委託し 2018 年 8 月に入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合があります 掲載した情報 コメントは作成委託先の判断によるものですが 一般的な情報 解釈がこのとおりであることを保証するものではありません また 本報告書はあくまでも参考情報の提供を目的としており 法的助言を構成するものではなく 法的助言として依拠すべきものではありません 本報告書にてご提供する情報に基づいて行為をされる場合には 必ず個別の事案に沿った具体的な法的助言を別途お求めください ジェトロおよびSCS Global Consulting(S) Pte Ltdは 本報告書の記載内容に関して生じた直接的 間接的 派生的 特別の 付随的 あるいは懲罰的損害および利益の喪失については それが契約 不法行為 無過失責任 あるいはその他の原因に基づき生じたか否かにかかわらず 一切の責任を負いません これは たとえジェトロおよびSCS Global Consulting(S) Pte Ltdが係る損害の可能性を知らされていても同様とします 本報告書に係る問い合わせ先 : 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ビジネス展開支援部 ビジネス展開支援課 [email protected] ジェトロ シンガポール事務所 [email protected]
3 目次 Ⅰ. 外国企業の会社設立手続き 必要書類 外国企業の支店設立 現地法人 ( 子会社 ) の設立 個人事業体および合資会社の設立 駐在員事務所の設立 ビジネストラスト... 7 Ⅱ. 外国企業の会社清算手続き 必要書類 支店の閉鎖 法人の登記抹消 法人の任意清算... 9 Ⅲ. その他 管轄官庁... 10
4 外国企業の会社設立 清算手続きの概要 Ⅰ. 外国企業の会社設立手続き 必要書類 外国企業はシンガポールにおいて 支店 現地法人 ( 子会社 ) 個人事業体またはパートナ ーシップ 有限責任パートナーシップまたはリミテッド パートナーシップ 駐在員事務所 ビジネストラスト (Business Trust) のいずれかの形態で事業を実施することができる 1. 外国企業の支店設立 外国企業はシンガポールに事業所を設立し事業を開始するのに先立ち 会計企業規制庁 ( 以下 ACRA) を登記先として登記を行う義務がある ACRA の連絡先は後述の その他 項目内 管轄官庁 を参照のこと 支店の登記を行う場合は シンガポール居住者である授権代表者 (Authorised Representative) を最低 1 人選任しなければならない 授権代表者は支店に関するあらゆる事項に責任を有し 外国企業の代理として送達される書類を受領する権限を有する人物である 授権代表者は支店に課せられる罰則に対する責任を個人的に負うことになる 支店の登記手続きには 支店名の申請と支店登記の手続きがあり いずれも ACRA の BizFile( オンライン登録 ) を利用して行うことができるが 外国企業の支店を登記する場合には 弁護士事務所 会計士事務所など専門家に登記手続きを委託することが一般的である ACRA に支払う登記料は 原則 300 シンガポール ドル ( 以下 S ドル ) である 外国企業の支店の運営は会社法 (Companies Act) で規定されている (1) 支店名の申請 支店登記に先立ち 支店名の許可を ACRA から取得しなければならない ほかの現地会社と同一の商号 使用不適切な商号は許可されない 申請結果は申請料の納付から即日通知されるが 他省庁に照会される場合 ( 例 : 教育サービスは教育省など ) には 14 日 ~2 カ月の所要時間がかかることもある 支店名の許可を受けた場合 許可された各支店名につき 15 S ドルの料金を支払う 許可された支店名は 120 日間確保される 他省庁に照会される事業リスト :ACRA "List of Referral authorities " 1
5 (2) 支店登記 登記に要する情報および書類は次のとおりである なお 英文でない書類は提出前に英語に翻訳しなければならない すべての書類が揃っている場合 登記は通常 1~2 日で完了する a. 外国企業の設立証明書の認証謄本 b. 外国企業の定款の認証謄本 c. 外国企業の取締役に関する情報 d. 授権代表者となるシンガポール居住者の詳細および選任に係る覚書 e. 授権代表者の権限についての記載がある覚書 f. 登記上の事務所の所在地の詳細 g. 外国企業の直近の監査済財務諸表 ( 外国企業の所在地で作成が義務付けられている場合 ) (3) 登記後に発生する義務支店はシンガポールにある登記上の事務所を維持する義務がある 登記上の事務所およびその他の全事業所には看板を設置する必要はないが 支店が発行する公式の書類には支店名を省略せずに明記するとともに 登記番号 (Unique Entity Number) を記載することが義務付けられている シンガポール支店を持つ外国企業には シンガポールで設立された現地法人と類似の申告義務および報告義務が課せられる シンガポール支店は本社の年次株主総会の開催日より 60 日以内に 支店の監査済財務諸表を提出すると同時に 本社の財務諸表も ACRA に提出しなければならない 2016 年 1 月 3 日以降は シンガポールの現地法人と実質的に同等の書類を提出しなければならないものとされ 従来求められていた貸借対照表に加えて 損益計算書 株主資本等変動計算書 キャッシュフロー計算書 財務諸表注記 取締役および会計監査人の報告書等 ( 適用ある場合 ) の提出が求められる なお 休眠している外国企業のシンガポール支店は 未監査の財務諸表でも登記が可能である 2. 現地法人 ( 子会社 ) の設立 シンガポールで設立される現地法人 ( 子会社 ) の最も一般的な形態は有限責任株式会社 (Private Company Limited by Shares) である シンガポールでは 無限責任会社 有限責任株式会社または有限責任保証会社の形態で法人を設立することが可能である 有限責任株式会社には公開会社と非公開会社の 2 種類があり 非公開会社とは株主数が 50 人以下 かつその会社の定款上で株式の譲渡制限が含まれていない会社を指す 法人の登記手続きには会社名 ( 商号 ) の申請と設立手続きの二つのステップがあり いずれの申請も ACRA の BizFile( オンライン登録 ) を利用して行うことができるが 外国人または外国企業が株主となる子会社を設立する場合には 弁護士事務所 会計士事務所 会社秘書役など専門家に設立手続きを委託することが望ましい 有限責任株式会社の運営は会社法 (Companies Act) で規定されている 2
6 (1) 会社名の申請 シンガポールで法人を設立するには 会社名の許可を ACRA から取得しなければならない 法律で保護されている文言を含む商号 ほかの現地会社と同一の商号 使用不適切な商号は許可されない 申請した会社名に親会社の名前の一部または登録商標が含まれる場合は 親会社または商標権者の同意書を提出することが義務付けられている 会社が有限責任会社である場合は Limited ( Ltd ) もしくは Berhad ( Bhd ) の表記を名称の末尾に付けなければならない また 会社が非公開会社である場合は Private ( Pte ) もしくは Sendirian ( Sdn ) の表記を付けなければならない 申請結果は申請料の納付から即日通知されるが 他省庁に照会される場合 ( 例 : 教育サービスは教育省など ) には 14 日 ~2 カ月の所要時間がかかることもある 会社名の申請料は 1 件当たり 15 S ドルである 許可された会社名は 120 日間確保される (2) 法人設立 法人の設立にあたっては 株主が最低 1 人 さらにシンガポール居住者である自然人の取締役が最低 1 人必要である 最低授権資本に関する要件はなく 通常設立登記は書類が整ってから 1~2 日で完了する 有限責任株式会社の登記料は 300 S ドルである 2009 年 3 月 1 日以降 18 歳以上の自然人 ( ただし 破産者などを除く ) であれば 取締役として法人設立が可能となっている (3) 登記後に発生する義務 設立後は 取締役会議または書面による取締役決議で 会社の設立 最初の取締役の選任 会社秘書役の選任 銀行口座の開設 登記住所 決算期 監査人の選任等に関する確認を行う 会社秘書役には居住者である取締役が兼務することもできるが 公開会社の会社秘書役には公認会計士資格等一定の専門資格を保有していることが求められる 通常 会社秘書役には株主 取締役 最高経営責任者 (CEO) 秘書 監査人 支配者 名目取締役等の名簿 社債および担保の登録簿 会社定款 取締役会決議書 株主総会の議事録 ACRA への法定申告書類を維持することが義務付けられている 会社名を事務所の外に表示する必要はないが 会社が発行する公式の書類にはすべて会社名を省略せずに明記するとともに 登記番号 (Unique Entity Number) を記載することが義務付けられている (4) 申告義務 シンガポールで設立された企業は 定期的に申告および報告を行う義務がある 2018 年 8 月 30 日以前終了事業年度は 最初の年次株主総会を設立日から 18 カ月以内に開催し それ以降は 1 年に 1 回 かつ前回の年次株主総会の開催日から 15 カ月以内に年次株主総会を開催する必要があり 財務諸表は年次株主総会開催日の 6 カ月 ( シンガポールで非上場会社の場合に限る ) 以内に作成され 3
7 たものでなければならないとされていた 2018 年 8 月 31 日以後終了次年度は 会社法改正に伴って 単純に会計事業年度末日から 6 カ月以内に株主総会を開催することとされた ( シンガポールで非上場会社の場合に限る ) 公開会社は 財務諸表を年次株主総会開催日の 4 カ月位以内に作成されたものでなければならない なお 取締役は年次株主総会において直前の会計年度の財務諸表を株主に提示することが求められる 年次株主総会の開催日から 30 日以内に 財務諸表を含む年次報告書 (Annual Return) をオンライン上で ACRA に登記する必要がある 2014 年 3 月 3 日以降 登記する財務諸表は ACRA が無償提供している XBRL ファイル形式に基づくものでなければならない 公開会社や後述する小規模会社 (Small Company) に該当しない会社で休眠状態でない場合 財務諸表は法定監査を受けることが義務付けられている 2018 年 9 月には会社法の改定があり 非上場会社は決算期から 5 カ月以内に財務諸表を含む年次報告書を株主に送付し 株主の同意を得ることができれば 年次株主総会の開催が免除される (5) 小規模会社 (Small Company) の法定監査免除 2015 年 7 月 1 日から小規模会社 (Small Company) という新たな概念が導入され その法規制負担軽減のため 会社が [1] ある事業年度を通じて非公開会社であること [2] ある事業年度の直前 2 事業年度において a) 当該事業年度の売上合計が 1,000 万 S ドル以下 b) 当該事業年度末における総資産価値が 1,000 万 S ドル以下 c) 当該事業年度末における従業員数が 50 人以下 の 3 項目のうち 2 項目以上を満たす 小規模会社 であれば 会社法上の監査義務を免除できるとし 従来 エグゼンプト プライベート カンパニー (Exempt Private Company 株主が 20 人以下で法人株主がおらず かつ年間売上が 500 万 S ドル未満の会社 ) に付与されていた法定監査の免除対象が変更されている なお 当該会社を含む連結ベースで上記 3 項目のうち 2 項目以上を満たす 小規模グループ でなければ 法定監査を免除することはできない ( 会社法第 205B/C 条 ) (6) 休眠会社の財務諸表作成義務免除 2016 年 1 月 3 日から [1] 上場会社または上場会社の子会社でないこと [2] 当該会計年度中の総資産が 50 万 S ドルを超えないこと [3] 前会計年度末から休眠状態にあり かつ その取締役会が ACRA に対して 会社が休眠状態にあることを述べる供述書を提出していること の条件を満たす休眠会社は 監査義務の免除に加えて 当該会計年度の財務諸表を作成する義務も免除されている ( 会社法第 201A 条 ) また 2015 年 7 月 1 日からは 非公開会社の財務支援禁止規制の撤廃と公開会社での同規制の緩和 ( 会社法第 76 条 ) 2016 年 1 月 3 日からは Memorandum & Article Association と呼ばれていた基本定款と附属定款が Constitution と呼ばれるようになり一本化 ( 会社法第 35 条 (2)) された その他 取締役の居住住所に代わる住所登記の許容 ( 会社法第 173 条 ) 通知および文書の電子的方法による送信の許容 ( 会社法第 126 条 (3)) 公開会社の 1 株 1 議決権の原則の緩和 ( 会社法第 4
8 64A 条 ) 少数株主の議決権行使機会の拡大 ( 会社法第 178 条 (1)) などの法規制負担軽減が図ら れている 会社法 :ACRA "Companies (Amendment) Act " 3. 個人事業体および合資会社の設立 (1) 個人事業体 (Sole Proprietorship) 1 人の個人または法人により所有 登録された法人格を持たない事業体をいい その所有者は経営上の損失 その他のリスクについて法律上の全責任を負う 個人事業体の登録を行えるのは シンガポール国籍を持つ個人 または永住権保持者 エントレパスを保有する外国人 シンガポールで登記された法人に限定される 外国企業または外国人が個人事業体を直接登録することはできない 個人事業体設立を希望する外国人は 本人が海外在住の期間中 シンガポール居住者を代表者として任命しなければならない 個人事業体の運営は 事業登録法 (Business Registration Act) で規制されている 名前の許可を得て ACRA に事業体登録を行った場合は 個人事業体として事業を行うことが可能であるが 個人事業体で執り行えない事業が事業登録法 (Business Registration Act) に規定されている 名前の許可料は 15 S ドル 1 年間の登記料は 100 S ドル 3 年間の登記料は 160 S ドルであり その後 1 年間の更新料は 30 S ドル 3 年間の更新料は 90 S ドルを ACRA に支払う 個人事業主は 会社法の規定に基づく会計監査の実施や ACRA へ財務諸表の提出義務はない (2) パートナーシップ (Partnership) 2 人以上 20 人以下の個人または法人により所有 登録された 法人格を持たない事業体をいい その所有者は経営上の損失 その他のリスクについて法律上の全責任を負う パートナーシップの登録を行えるのは シンガポール国籍を持つ個人 または永住権保持者 エントレパスを保有する外国人 シンガポールで登記された法人に限定される パートナーシップ設立を希望する外国人は 1 人以上のシンガポール居住共同経営者を配置しなければならない 共同経営者が全員外国人の場合 シンガポール居住者を代表者として任命しなければならない パートナーシップの運営は 事業登録法 (Business Registration Act) で規制されている 名前の許可を得て ACRA に事業体登録を行った場合は パートナーシップとして事業を行うことが 可能であるが パートナーシップで執り行えない事業が事業登録法 (Business Registration Act) に 規定されている 5
9 名前の許可料は 15 S ドル 1 年間の登記料は 100 S ドル 3 年間の登記料は 160 S ドルであり その後 1 年間の更新料は 30 S ドル 3 年間の更新料は 90 S ドルを ACRA に支払う パートナーシップは 会社法の規定に基づく会計監査の実施や ACRA へ財務諸表の提出義務はない (3) 有限責任パートナーシップ (Limited Liability Partnership: 以下 LLP) LLP は パートナーと切り離された法人格を有するという点で従来のパートナーシップとは異なる LLP は シンガポールに居住する自然人の業務執行者を最低 1 人 パートナーを最低 2 人必要とする シンガポール国籍を持つ個人 または永住権保持者 外国企業を含む法人 ほかの LLP が LLP のパートナーとなることができる LLP の運営は有限責任パートナーシップ法 (LLP Act) で規制されている LLP は会社名の許可を受け ACRA に登記しなければならない 登記申請料は 名前の許可料 15 S ドルを含めて 115 S ドルである (4) リミテッド パートナーシップ (Limited Partnership: 以下 LP) 無限責任を持つ少なくとも 1 人のジェネラル パートナーと 有限責任を持つ少なくとも 1 人のリミテッド パートナーから構成され パートナーと切り離された法人格を持たない 外国企業または外国人は LP のジェネラル パートナーまたはリミテッド パートナーとなりえるが すべてのジェネラル パートナーが外国企業または外国人となる場合は シンガポールに居住する自然人の業務執行者を最低 1 人任命しなければならない LP は 受動的投資家 (passive investors) として有限責任パートナーとなり 経営に関与することは認められない LP は 米国や英国で一般的な事業体ストラクチャーで ほとんどの専門家集団に利用できる仕組みとなるが プライベートエクイティ ファンドや投資分野で広く活用されている LP の運営は 2009 年 5 月に施行されたリミテッド パートナーシップ法 (Limited Partnership Act) で規制されている LP は会社名の許可を受け ACRA に登記しなければならない 名前の許可料は 15 S ドル 1 年間の登記料は 100 S ドル 3 年間の登記料は 160 S ドルである 4. 駐在員事務所の設立 駐在員事務所が実施できる業務内容は 市場調査と連絡業務 に限定されている マーケティング 広告 市場調査などの業務を実施することは認められているが 契約交渉 受注 請求 支払金の徴収 アフターサービスの実施は認められていない これは駐在員事務所が法人格のない組織として管理 取り扱いを受けているためで 法人に対して求められる申告義務は発生しない 駐在員事務所が上記の制限範囲を逸脱して業務を行う場合は 支店または法人として登記する義務がある 6
10 駐在員事務所の所轄当局は エンタープライズ シンガポール (Enterprise Singapore: 以下 ESG) である 駐在員事務所を開設する外国企業は 設立後 3 年以上経過していること 売り上げが 25 万米ドル超であること 駐在員が 5 人未満であることが求められる 駐在員事務所の開設は 外国企業の設立証明書および直近の監査済財務諸表の写し ( いずれも英文のもの ) ESG の Web サイトよりダウンロードできる Terms and Conditions( 利用規約 ) を添えて ESG に対して申請する その際は 会社の業務内容や製品についての記載があるパンフレットを添付するのが望ましい ESG の連絡先については後述の その他 項目内 管轄官庁 を参照のこと 駐在員事務所の設立申請は認可まで約 1~3 週間が必要で 年間 200 S ドルの申請費を支払わなければならない ESG は 1 年単位で駐在員事務所の認可を行うが その後は認可の更新を申請することができる ただし 2012 年 1 月 1 日以降 駐在員事務所の更新は設立日より最長 3 年とされ その後は支店または法人の設立が求められる なお 銀行など金融機関が駐在員事務所を開設する際には 所轄当局はシンガポール通貨金融庁 (MAS) となる 登録にあたっては MAS の所定フォームに記入のうえ申請する 5. ビジネストラスト ビジネストラストとは 企業と信託の両方の要素から成る複合型の事業形態であり 原則として信 託証書により設立される 事業資産の法律上の所有権は受託者にあり 言い換えると ビジネストラ ストのユニットの法律上の所有者が ビジネストラストの資産の受益権を有することになる ビジネストラストでは 受託者は受益者のために事業を管理する 一般に ビジネストラストは 不動産投資信託 (REIT) 船舶 航空機 インフラ関連資産の投資信託などで利用されている ビジネストラストの運営は ビジネストラスト法 (Business Trust Act) で規制され シンガポール通貨金融庁 (MAS) が所轄当局となっている ビジネストラストの登録にあたっては MAS の所定フォームに記入のうえ申請する 7
11 Ⅱ. 外国企業の会社清算手続き 必要書類 外国企業のシンガポール支店が自主的に事業を終了する場合 登記の抹消を行えばよく 清算手続きは 不要となる シンガポールの現地法人 ( 子会社 ) を自主的に閉鎖するには 任意清算 (Member s Voluntary Winding up) と 登記抹消 (Striking off) の二つの方法がある 1. 支店の閉鎖 外国企業のシンガポール支店が自主的に事業を終了する場合 登記の抹消を行えばよく 清算手続 きは不要となる 支店の代理人は A Notification by A Foreign Company of the Cessation of Business を事業停止日から 7 日以内に ACRA に提出することが要求される 外国企業のシンガポール支店は 本店が清算手続きに入った場合 あるいは株主による解散が決議されると 直ちにその業務を終了しなければならない その際 支店の代理人は Notice by Authorised Representative of Foreign Company of Liquidation or Dissolution of Company を その手続き開始日から 14 日以内に ACRA に提出しなければならない なお 当該支店がシンガポールでの事業を終了している場合や 違法な目的のために設置されたものと合理的に認められる場合に加えて 2016 年 1 月 3 日以降 次の三つの場合が支店登録を抹消できる事由に追加された 唯一の授権代表者 (authorized representative) が 外国企業に対して辞任を通知し かつ ACRA に対して通知を提出したが 当該外国企業が 12 カ月以内に応答または ほかの授権代表者の選任を行わなかった場合 授権代表者が 支店登録を継続するかどうかについての指示を 外国企業に求めてから 12 カ月以内に 何らかの指示も外国企業から受領しなかった場合 唯一の授権代表者が死亡してから 6 カ月以内に 後任の授権代表者の選任がなされなかった場合 2. 法人の登記抹消 現地法人 ( 子会社 ) が設立以来 事業活動を行っていない あるいは事業を停止して一定の期間 休眠状態にある場合には ストライクオフ (Strike Off) による登記抹消手続きを取ることができる 会社が営業を停止し 係争中の案件がなく 資産および負債を有していない 未払債務 ( 政府のライセンス費用と税金含む ) がない 過半数の株主の同意を得ているなど 一定の要件を満たした上で ACRA に対してストライクオフの申請 (Application for Striking Off) をすることができる ACRA で申請が受諾されると 1 カ月後に官報で公告され 公告後 3 カ月間に異議申し立て (Lodgment of an Objection Against Striking Off) がなければ 登記抹消が完了することとなる 8
12 3. 法人の任意清算 会社清算には 株主または債権者による任意清算と裁判所による強制清算がある 一般的な株主による任意清算 (Members Voluntary Winding up) を行うには すべての債権者に対 する債務を完済することが要件とされている 株主による任意清算の手続きは まず取締役会により 任意清算を行う旨の決定を行う その際 清算開始日から 12 カ月以内に会社の債務の完済が可能であることを宣誓する 支払能力宣誓書 に署名する 会社が債務超過に陥っているような場合には 親会社による債権放棄や増資等により 事前に債務超過の状態を解消しておく必要がある 支払能力宣言書を ACRA に登記した後 株主総会召集通知を発送の上 ( 支払能力宣言書作成から 5 週間以内 ) 株主総会特別決議により 任意清算を行う旨の決議 清算人の選任を行う 当該総会決議を 決議から 7 日以内に ACRA に登記 14 日以内に清算人の選任を ACRA に登記 10 日以内に日刊紙に公告を行わなければならない 清算開始後 清算人は会社の資産の換価および債務の整理を進め 清算開始日から 6 カ月の期間が過ぎるごとに 当該期間における入出金および資産 負債の残高を報告する計算書を作成し ACRA に登記する 通常 株主による任意清算において最も時間を要するのは内国歳入庁 (IRAS) による税金精算手続 きであり 会社は IRAS からすべての税金債務の納付が完了したことを証明する文書 ( タックスクリ アランス ) を入手する必要がある 清算手続きのすべてが終了すると 清算人は 資産の処分等に関する最終計算書を作成し 結了集会を招集する 結了集会の招集通知は シンガポールで発行される英語 マレー語 中国語 タミール語の新聞各 1 紙以上 合計 4 紙以上に公告しなければならない その招集通知期間は 1 カ月以上とされている 結了集会の開催日から 7 日以内に 清算人は 結了集会開催申告書を ACRA に登記する この申告書が ACRA に登記された日から 3 カ月を経過した時点で 法人格が消滅 (Dissolution) することになる 9
13 Ⅲ. その他 いずれの形態の場合も 事業所の登記は会計企業規制庁 (ACRA) を通じて行う 駐在員事務所の設立 に関しては 所轄機関であるエンタープライズ シンガポール ( 金融機関の場合は通貨金融庁 ) への申請 が必要となる 管轄官庁 会計企業規制庁 (Accounting & Corporate Regulatory Authority:ACRA ) 10 Anson Road #05-01/15, International Plaza, Singapore Tel: Fax: BizFile オンライン登録ウェブサイト ( 英語 ) エンタープライズ シンガポール (Enterprise Singapore ) Trade Service & Policy Group, Representative Office Unit 230, Victoria Street, #07-00 Bugis Junction Office Tower, Singapore Tel: 駐在員事務所設立 更新 "Setup Representative Office " シンガポール通貨金融庁 (Monetary Authority of Singapore:MAS ) 10 Shenton Way, MAS Building, Singapore Tel: Fax: [email protected] 金融機関の駐在員事務所登録申請書の入手先 "Representative Offices " ビジネストラスト登録申請書の入手先 "Business Trusts-Forms " 10
目次 1. シンガポール法人の清算手続の種類 株主による自発的清算手続 (Members Voluntary Winding Up) のポイント... 1 (1) 必要条件... 1 (2) 清算準備... 1 (3) 清算手続の流れ Striking Off のポイ
シンガポール法人の清算に係る実務上のポイント 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) シンガポール事務所 進出企業支援 知的財産財産部進出企業支援課 目次 1. シンガポール法人の清算手続の種類... 1 2. 株主による自発的清算手続 (Members Voluntary Winding Up) のポイント... 1 (1) 必要条件... 1 (2) 清算準備... 1 (3) 清算手続の流れ...
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Web エムアイカード会員規約 第 1 条 ( 目的 ) Web エムアイカード会員規約 ( 以下 本規約 といいます ) は 株式会社エムアイカード ( 以下 当社 といいます ) がインターネット上に提供する Web エムアイカード会員サービス ( 以下 本サービス といいます ) を 第 2 条に定める Web エムアイカード会員 ( 以下 Web 会員 といいます ) が利用するための条件を定めたものです
派遣添付書類一覧(30年1月訂正)
事業所の新設 ( 要事前相談 )( 続きがあります ) 労働者派遣事業変更届書 ( 様式第 5 号 ) [ 第 面 ~ 第 3 面 ] 労働者派遣事業計画書 ( 様式第 3 号 ) [ 第 面 ~ 第 面 ] 複数事業所を同時申請する場合 事業所ごとに作成 キャリア形成支援制度に関する計画書 ( 様式第 3 号 ) [ 第 面 ] 3 複数事業所を同時申請する場合 事業所ごとに作成 雇用保険等の被保険者資格取得の状況報告書
規程番号
ブラザー工業株式会社株式取扱規則 平成 21 年 8 月 3 日改定 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条 1. 当会社の株式および新株予約権に関する取扱いおよび手数料 株主の権利行使に際しての手続等については 定款第 12 条に基づき 本規則の定めるところによるほか 振替機関である株式会社証券保管振替機構 ( 以下 機構という ) ならびに口座管理機関である証券会社および信託銀行等 ( 以下
株式取扱規程 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条当会社の株式および新株予約権に関する取扱い ( 株主の権利行使に際しての手続等を含む ) および手数料については 定款第 10 条の規定に基づき 本規程の定めるところによるほか 振替機関である株式会社証券保管振替機構 ( 以下 機構 という )
株式取扱規程 平成 24 年 6 月 23 日改正 岐阜県大垣市久徳町 100 番地 株式取扱規程 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条当会社の株式および新株予約権に関する取扱い ( 株主の権利行使に際しての手続等を含む ) および手数料については 定款第 10 条の規定に基づき 本規程の定めるところによるほか 振替機関である株式会社証券保管振替機構 ( 以下 機構 という ) ならびに口座管理機関である証券会社および信託銀行等
( 除名 ) 第 9 条社員が次のいずれかに該当するに至ったときは 社員総会の決議によって当該社員を除名することができる (1) この定款その他の規則に違反したとき (2) この法人の名誉を傷つけ または目的に反する行為をしたとき (3) その他除名すべき正当な事由があるとき ( 社員資格の喪失 )
一般社団法人サンプル定款第 1 章総則 ( 名称 ) 第 1 条この法人は - 般社団法人サンプルと称する ( 事務所 ) 第 2 条この法人は 主たる事務所を東京都 区に置く 第 2 章目的および事業 ( 目的 ) 第 3 条この法人は 一般社団法人の に関する事業を行い その業務に寄与することを目的とする ( 事業 ) 第 4 条この法人は 前条の目的を達成するため 次の事業を行う (1) 一般社団法人の
三井化学株式会社 株式取扱規則
株式取扱規則 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条当会社における株主権行使の手続きその他株式に関する取扱い及び手数料については 株式会社証券保管振替機構 ( 以下 機構 という ) 及び株主が振替口座を開設している証券会社等の口座管理機関 ( 以下 証券会社等 という ) が定めるところによるほか 定款第 12 条に基づきこの規則の定めるところによる ( 株主名簿管理人 ) 第 2 条当会社の株主名簿管理人及び同事務取扱場所は
Microsoft Word - 添付書類(変更)
- 事業所の新設 -( 要事前相談 ) 労働者派遣事業変更届出書 ( 様式第 5 号 ) [ 第 面 ~ 第 3 面 ] 労働者派遣事業計画書 ( 様式第 3 号 ) [ 第 面 ~ 第 面 ] キャリア形成支援制度に関する計画書 ( 様式第 3 号 -)[ 第 面 ] 雇用保険等の被保険者資格取得の状況報告書 ( 様式第 3 号 -3) 派遣労働者のうち雇用保険又は社会保険の未加入者がいる場合のみ必要
文書管理番号
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5 根抵当権者の会社分割 61 根抵当権者の会社分割 Ⅰ ケース概要甲野銀行は 乙野商事に対する融資取引の担保として乙野商事所有の土地につき根抵当権の設定を受けていたが その後 丙川銀行を承継会社とする吸収分割が行われた 今般 当該確定前の根抵当権について 他の事由により登記を行うこととなったため 当該登記の前提として 上記会社分割についても登記手続を行う Ⅱ 留意点 1 元本の確定前に根抵当権者について会社分割があった場合に
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日本バイオプラスチック協会 規 約 日本バイオプラスチック協会 日本バイオプラスチック協会規約 第 1 章総則 ( 名称 ) 第 1 条本会は 日本バイオプラスチック協会と称する ( 目的 ) 第 2 条本会は 生分解性プラスチック及びバイオマスプラスチックの技術的事項および評価方法等に関する調査 研究を行うとともに 内外関係機関等との交流を促進すること等により 生分解性プラスチック及びバイオマスプラスチックに関する技術の確立および実用化の促進
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