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1 情報リテラシー (7) デジタル情報の保護 2009 年度前期 九州産業大学情報科学部

2 第 5&6 回小テスト (2009/05/26) 紙で配布 自分で手書きしたノートを見てもよい 友人と相談したり 資料を借りてはいけない PC の電源を入れてはいけない 9 時 15 分終了予定 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 3

3 講義計画 第 1 回 (2009/ 4/ 7) ガイダンス 第 2 回 (2009/ 4/14) コンピュータとは? 第 3 回 (2009/ 4/21) インターネットの利用 (1) 第 4 回 (2009/ 4/28) インターネットの利用 (2) 第 5 回 (2009/ 5/12) 情報社会の犯罪とセキュリティ (1) 第 6 回 (2009/ 5/19) 情報社会の犯罪とセキュリティ (2) 第 7 回 (2009// 5/26) ) デジタル情報の保護 情報リテラシー 演習第 1 回 4

4 デジタル情報とは? デジタル ある量またはデータを有限桁の数字列 ( 例えば2 進数 ) として表現すること デジタル時計 アナログ ある量またはデータを連続的に変化しうる物理量 ( 電圧 角度 長さなど ) で表現すること アナログ時計 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 5

5 デジタル情報の利点 (= 問題点 ) 例えば, デジタルカメラとアナログカメラを比較. あるいは, レコードとCDを比較 劣化しない ( ほっておいても色あせしない ) 伝えやすい ( インターネットで送信できる ) 加工しやすい ( コンピュータで容易に修正 合成 ) 蓄積しやすい (HDやCDに保存できる) 完全な複製ができる ( コンピュータでコピー ) 大量のデータから検索できる ( データベース化 ) 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 6

6 デジタル情報の保護 ー対象と関連する法律と技術ー 情報それ自体の保護 個人情報 ( 住所, 氏名, 電話番号, 本籍 ), 家族構成, クレジットカード番号, 購入履歴, カルテ, 手紙 法律 : 個人情報保護法 技術 : 暗号の秘匿機能 所有権の保護 [ デジタル化された ] 小説, 楽曲, 論文, 絵画, 技術 法律 ( 権利 ): 知的所有権 技術 : 暗号の認証機能, 電子透かし, コピープロテクト 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 7

7 話の流れ 情報それ自体の保護 個人情報の不正流出事件とその原因 法律 : 個人情報保護法 技術 : 暗号の秘匿機能 所有権の保護 著作権の侵害事件 法律 ( 権利 ): 知的所有権 ( 著作権 ) 技術 : 暗号の認証機能 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 8

8 情報それ自体の保護 ー個人情報の不正流出事件ー 出典 : フリー百科事典 ウィキペディア (Wikipedia) 個人情報漏洩 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 9

9 情報それ自体の保護 ー個人情報の不正流出事件の件数ー ( 引用 )JNSA 2007 年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書 v1 pdf 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 10

10 ー主要な個人情報漏洩の原因ー メール送信時に BCC を使用せずに, 宛先 や CC 欄にメールアドレスなどを列挙して送信 誰でもアクセスできる場所 ( ファイアーウォールの外側など ) に個人情報を放置 不正アクセスによる漏洩 従業員など内部者による漏洩 外部委託業者や取引先からの漏洩 P2P ソフト + コンピュータウィルス ( ワーム ) 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 14

11 P2P(peer-to-peer p ピア ツー ピア) クライアント サーバ モデルの対義語 ネットワークの形態の一つ 定まったクライアント サーバを持たない 他のコンピュータに対してクライアントとしてもサーバとしても働く より狭義の P2P: P2P ファイル交換システム Winny, Share, WinMX など システム内のコンピュータ間で自由にファイル交換可能 匿名性があると言われているが実際には追跡可能 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 15

12 P2P ファイル交換システムが 引き起こす問題 情報それ自体の保護 : 個人情報 ワーム :Antinny( アンティニー ) ウイルス等が急速に P2P ファイル交換システムに感染拡大する脆弱性 Winny や Share などをインストールしたパソコンから個人情報が漏洩する事件や機密情報漏洩事件が多発 所有権の保護 : 著作権 P2P ファイル交換システムで最も一般的に共有されているファイル 人気のある音楽の mp3 ファイル 映画の AVI ファイル 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 16

13 話の流れ 情報それ自体の保護 個人情報の不正流出事件とその原因 法律 : 個人情報保護法 技術 : 暗号の秘匿機能 所有権の保護 著作権の侵害事件 法律 ( 権利 ): 知的所有権 ( 著作権 ) 技術 : 暗号の認証機能 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 17

14 個人情報保護法ー概要ー 本人の意図しない個人情報の不正な流用や 個人情報を扱う事業者がずさんなデータ管理をしないように 一定数以上の個人情報を取り扱う事業者を対象に義務を課す法律のこと 2005 年 4 月より全面施行される 5 つの原則から成り立つ これを守らない場合 情報主体の届け出や訴えにより 最高で事業者に刑罰が科される 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 18

15 個人情報保護法ー 5つの原則ー 利用方法による制限 ( 利用目的を本人に明示 ) 適正な取得 ( 利用目的の明示と本人の了解を得て取得 ) 正確性の確保確保 ( 常に正確な個人情報に保つ ) 安全性の確保 ( 流出や盗難 紛失を防止する ) 透明性の確保 ( 本人が閲覧可能なこと 本人に本人に開示可能であること 本人の申し出により訂正を加えること 同意なき目的外利用は本人の申し出により停止できること ) 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 19

16 話の流れ 情報それ自体の保護 個人情報の不正流出事件とその原因 法律 : 個人情報保護法 技術 : 暗号の秘匿機能 所有権の保護 著作権の侵害事件 法律 ( 権利 ): 知的所有権 ( 著作権 ) 技術 : 暗号の認証機能 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 20

17 所有権の保護 - 著作権侵害 - 刑事事件 顧客にメールで 1,000 タイトルの海賊版を宣伝 販売の男性を追送致 海賊版と 自動認証ツール を販売 男性を逮捕 ジャパネットおかま からノウハウを入手 海賊版販売グループを逮捕からノウウを入手 DS 海賊版とマジコン販売の男性 違法アップロードで再逮捕 海賊版をマジコンとセット販売 男性を逮捕 秋葉原の路上海賊版販売 中国人 2 人を現行犯逮捕 以上のヤフー ID を取得し海賊版販売を継続 男性を逮捕 ニンテンドー DS の海賊版販売の 3 人を逮捕 買い受け捜査で発覚 オークションに海賊版出品の男性を逮捕 自作の Web サイトで海賊版を販売 男性を逮捕 オンラインストレージサービスを悪用してソフトを販売 出典 : 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 jp/criminal/ 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 21

18 話の流れ 情報それ自体の保護 個人情報の不正流出事件とその原因 法律 : 個人情報保護法 技術 : 暗号の秘匿機能 所有権の保護 著作権の侵害事件 法律 ( 権利 ): 知的所有権 ( 著作権 ) 技術 : 暗号の認証機能 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 22

19 知的所有権のいろいろ 著作権 文化的な創造物 表現を保護 創造時に自動的に権利が発生, 原則として創造者死後 50 年持続 工業所有権 登録しないと権利が発生しない 技術的なアイデアを保護 : 特許権, 実用新案権 物品のデザインを保護 : 意匠権 商品やサービスのマークを保護 : 商標権 その他 種苗法 不正競争防止法 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 23

20 著作物の引用と転載 以下に示す例外的に当該他人の許諾を得ずに利用できる場合を除き, 他人の著作物は原則として当該他人の許諾を得ずに引用や転載をしてはいけない. ホームページを作る場合も同様 著作物の保護期間が終了している場合 法令, 通達, 判決など 著作権法 32 条の 引用 に該当する場合 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 24

21 著作物の保護期間が終了している場合 原則として 50 年間, ただし, 例外規定あり 江戸時代の浮世絵 明治時代に死亡した文豪の小説 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 25

22 法令, 通達, 判決など 憲法その他の法令 国又は地方公共団体の機関が発する告示, 訓令, 通達等 裁判所の判決, 決定, 命令等 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 26

23 著作権法 32 条の 引用 に該当する場 合 公表された著作物は, 引用して利用することができる. この場合において, その引用は, 公正な慣行に合致するものであり, かつ, 報道, 批評, 研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない. 著作者の同意なく引用することができるための要件 他人の著作物を自己の著作物中に持って来る必然性 カギ括弧をつけるなど, 自分の著作物と引用部分を区別すること ( 明瞭区別性 ) 自分の著作物が主で, 引用される著作物が従であること ( 主従関係 ) 出所 ( 著作物の題号と著作者名が最低限 ) を明示すること ( 出所明示義務 ) 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 27

24 著作権法 32 条の 引用 に該当する場合 -いくつかの具体例ー 単にある著作物をホームページ中に用いる 絵画を表紙や挿し絵に用いる 自分の主張と対立する他人の主張を批判する場合 自分の主張の補強に他人の主張を使用するような目的で, 他の著作物を引用する場合 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 28

25 無断リンクと著作権 了承を得るのがベター, 明確な判例などはないが, 以下は避けたほうがよい リンク先のコンテンツをリンク元のフレームの一部に表示する形のリンク 他人のコンテンツである画像等だけにリンクを張る その他, リンクの結果, リンク先の著作物がリンク元の著作物であるかのような誤解を生ぜしめる場合 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 29

26 話の流れ 情報それ自体の保護 個人情報の不正流出事件とその原因 法律 : 個人情報保護法 技術 : 暗号の秘匿機能 所有権の保護 著作権の侵害事件 法律 ( 権利 ): 知的所有権 ( 著作権 ) 技術 : 暗号の認証機能 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 30

27 暗号技術の機能 / 秘匿と認証 秘匿 : 文書を隠して他人に見せないこと 電子メイル クレジット番号を他人に知られないようにネットワークで送る 認証 : 文書やその所有者の正当性を証明すること 電子署名 電子マネー 電子商取引 2009 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 32

28 共通鍵方式 出典 :IPA 教育用画像素材集サイト Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 35

29 公開鍵方式 出典 :IPA 教育用画像素材集サイト Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 36

30 参考リンク集 法律関係 社団法人著作権情報センター (CRIC): 著作権 Q&A サイバースペースの法律 : 著作権, 電子ネットワークと個人情報保護 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS): 著作権侵害事件等 暗号技術 知ってるつもり? セキュリティの常識 Faculty of Information Science, Kyushu Sangyo University 38