Oracle Data Provider for .NET の新機能

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Transcription:

Oracle ホワイト ペーパー 2009 年 9 月 Oracle Data Provider for.net 11.1.0.7.20 の新機能

はじめに... 1 Oracle Streams Advanced Queuing... 2 ODP.NET Oracle Streams AQの機能... 2 昇格可能なトランザクション... 4 パフォーマンス... 5 アプリケーションのセルフチューニング... 5 データ取得の高速化とメモリ使用量の最適化... 6 コード アクセス セキュリティ... 6 高可用性イベントの通知およびコールバック... 7 プログラムによるデータベースの起動および停止... 7 まとめ... 8

はじめに Oracle Data Provider for.net(odp.net) は Oracleデータベース用のネイティブなADO.NETデータ アクセス ドライバです ODP.NET 11.1.0.7.20には 開発の容易性 アプリケーションのスケーラビリティ パフォーマンス セキュリティ 管理性を向上させる新機能が導入されています このリリースで公開されるOracleデータベースの独自機能は.NETの開発者がより簡単に使用でき Oracleと.NET Frameworkの統合が向上します 導入された新機能は次のとおりです Oracle Streams Advanced Queuing(AQ) - AQ はデータベース統合型のメッセージ キューイング機能です ODP.NET では 強固なメッセージング アプリケーションの構築に必要な メッセージのエンキュー デキュー および通知などの AQ 操作を プログラムを介して使用できます データベース内の AQ リソースは Oracle Developer Tools for Visual Studio を使用して管理できます 昇格可能なトランザクション - 分散トランザクションの使用が避けられなくなるまでは使用を行わないようにすることで リソース使用量を最適化する機能です ODP.NET トランザクションは 1 つ目のデータベース接続を使用してローカル トランザクションとして開始されます 2 つ目のデータベース接続が加わると ローカル トランザクションが分散トランザクションに昇格されます パフォーマンス : アプリケーションのセルフチューニング - 実行時の問合せ動作をサンプリングした後 ステートメント キャッシュ サイズを動的にチューニングする機能です この機能拡張は パフォーマンスの向上 ネットワーク使用量の低減 クライアントとサーバーのメモリ使用量の節約を実現します パフォーマンス : データ取得の高速化とメモリ使用量の最適化 - OracleDataReader によるデータ取得と OracleDataAdapter.Fill のパフォーマンスが向上しました また フェッチ配列バッファを再利用して 実行済みの文のデータが格納されるようになりました この機能により代表的なアプリケーションで必要となるフェッチ配列バッファが減るため クライアントのメモリ使用量が減少します コード アクセス セキュリティ - このリリースの ODP.NET には OraclePermission クラスと OraclePermissionAttribute クラスが加わったため それぞれ強制コード アクセス セキュリティと宣言コード アクセス セキュリティの適用が容易になりました 1

高可用性イベントの通知とコールバック - データベース サービス サービス メンバー ホスト またはインスタンスで障害が発生した場合や これらが使用できなくなった場合は ODP.NET が通知を受信します.NET 開発者は ODP.NET コールバックを登録して これらのイベントのいずれかが発生したときにアプリケーションに通知してイベント ハンドラを実行することができます プログラムによるデータベースの起動および停止 - データベース管理者権限を持つ ODP.NET ユーザーは プログラムを使用してデータベース インスタンスを起動または停止できます ODP.NET 11.1.0.7.20はOracle Database 9i Release 2(9.2) 以降のデータベースに接続できます データベース サーバーのプラットフォームは Windows Linux UNIXなど 任意のものを使用できます ODP.NETは.NET Framework 2.0 以降をサポートします ODP.NETはOracle Technology Network(OTN) から無償でダウンロードできます http://www.oracle.com/technology/tech/windows/odpnet/ Oracle Streams Advanced Queuing Oracle Streams Advanced Queuing は データベース統合型のメッセージ キューイング機能です AQ は通常 メッセージの管理とアプリケーション間の非同期通信に使用されます たとえば AQ では 標準的な受注情報が検証アプリケーションにルーティングされた後 売上を記録するアプリケーションにルーティングされます その後 商品を発送するために その受注情報は出荷部門に送信されます 発送が完了したら 受注情報は経理部門にルーティングされ 請求処理が行われます AQ と.NET を連携させて この業務プロセス全体を処理できます キューは 送信者と受信者の間のメッセージ リポジトリとして動作します AQ では メッセージの保持 キュー間のメッセージの伝播 Oracle Net Services と HTTP(S) によるメッセージ転送に Oracle データベースを活用しています AQ にはデータベース インフラストラクチャが使用されているため 永続性 高可用性 スケーラビリティ スケジューリング機能 信頼性という操作上のあらゆるメリットが キュー データに適用されます AQ は データベースの標準機能であるリカバリ 再起動 セキュリティなどに対応します ODP.NET Oracle Streams AQ の機能 ODP.NET 11.1.0.7.20 には メッセージのエンキュー メッセージのデキュー キュー メッセージのリスニング メッセージ通知をはじめとする AQ の操作機能にアクセスできる AQ アプリケーション プログラム インタフェース (API) が導入されています ODP.NET AQ API を使用すると Oracle データベースを使用する.NET メッセージング アプリケーションの構築が容易になります Oracle Developer Tools for Visual Studio で AQ リソースを管理できるため 開発者は Visual Studio から離れなくても AQ を操作できます 2

ODP.NET のキューは OracleAQQueue オブジェクトで表現されます 通常のメッセ ジ処理はユーザー キューで行われます 未処理または未取得のメッセージは例外キューで処理されます 単一のメッセージまたはメッセージの配列をエンキューできます AQ メッセージ自体を表現するのは OracleAQMessage オブジェクトです このオブジェクトは 制御情報とメッセージ データで構成されます メッセージには XML Raw(OracleBinary またはバイト配列 ) ユーザー定義型のいずれかのデータ型を使用できます 開発者は 多数のカスタマイズ可能なメッセージ オプションを使用できます メッセージの受信者を指定して キューのサブスクライバ リストを上書きすることができます メッセージに異なる優先順位を設定し 優先順位に基づいてデキュー処理をすることができます 開発者が定義した設定時間が経過するまでメッセージをキュー上に保持してから期限切れにし メッセージを例外 キューに移動させることができます これらは 個々のキュー メッセージの管理に使用できる多数のオプションの一部です エンキュー オプションは OracleAQEnqueueOptions クラスを介して設定します たとえば メッセージをディスク上に永続的にエンキューさせたり メモリ内にバッファすることができます ディスク ストレージには高可用性がありますが メモリ ストレージのほうがパフォーマンスが優れています 同様に デキュー オプションは OracleAQDequeueOptions クラスを介して使用できます このオブジェクトを使用すると 一致条件を使用してメッセージを検索したり待機したりすることができます サブスクライバは OracleAQQueue オブジェクトをリスニングして 関連のあるメッセージを検索します または OracleAQQueue.MessageAvailable イベントによる非同期通知を使用することもできます このイベントは コンシューマの配列で構成される OracleAQQueue.NotificationConsumers で使用できるキュー メッセージがあると それを通知します 3

以下の表に 主要な ODP.NET AQ API の一部を示します 表 1:ODP.NET AQ の機能と実装例 AQ の機能 ODP.NET の例 メッセージの作成単一メッセージのエンキュー複数メッセージのエンキュー単一メッセージのデキュー複数メッセージのデキューキュー上のメッセージのリスニングメッセージ通知 OracleAQMessageオブジェクトを作成する OracleAQMessageメッセージ OracleAQQueueキュー OracleAQQueueのエンキュー オプションを指定する 最後に OracleAQQueue.Enqueueを呼び出す OracleAQMessage メッセージ配列を OracleAQQueue.EnqueueArray に指定する OracleAQQueueのデキュー オプションを指定し OracleAQQueue.Dequeue を呼び出す OracleAQQueue.DequeueArrayを呼び出す OracleAQQueue.Listenを呼び出す 複数のキューをリスニングするには 静的なOracleAQQueue.Listenメソッドを使用する OracleAQQueue.MessageAvailableイベントとOracleAQQueue.Notification Consumersプロパティを使用する 昇格可能なトランザクション 分散トランザクションの処理には アプリケーション トランザクション コーディネータ および複数のリソース マネージャを連携させる必要があります ローカル トランザクションの場合に必要なのは 1 つのアプリケーションと 1 つのリソース マネージャだけです 分散トランザクションと比較すると オーバーヘッドはローカル トランザクションのほうがはるかに尐なく アプリケーションのパフォーマンスとスケーラビリティを高めるには ローカル トランザクションのほうが適しています 設計時には 分散トランザクションが必要になる場合とローカル トランザクションが必要になる場合が明確でないことがあります 同じトランザクション コードでも 実行時の状況によっては データベース接続を 1 つだけ必要とする場合 ( ローカル トランザクション ) があったり 複数のデータベース接続を必要とする場合 ( 分散トランザクション ) があります 通常 開発者は ローカル トランザクションを使用できることがあったとしても すべての場合において分散トランザクションを想定して設計する必要があります ODP.NET の昇格可能なトランザクションを使用すると すべてのトランザクションをローカルに起動することができます トランザクションは 複数のリソース マネージャが参加する場合にのみ 分散トランザクションに昇格されます 昇格可能なトランザクションを使用すると 実行時のシステム リソースの最適化の程度が向上します この新機能では 最初に Oracle Database 11g Release 1 以降のデータベースに接続する必要があります 2 つ目以降の接続では 他の任意の Oracle リソースやバージョン または他のベンダーのデータベースに接続できます 昇格可能なトランザクションを有効化するために ODP.NET のコードを変更する必要はありません Promotable Transaction 属性の設定を "promotable" に設定する必要がありますが デフォルトでこの値に設定されます 中間層では Oracle Services for Microsoft Transaction Server 11.1.0.7.20 以降と.NET Framework 2.0 以降を使用する必要があります 4

パフォーマンス ODP.NET には データ アクセス速度の大幅な向上とリソース使用量の大幅削減を実現するパフォーマンス拡張機能が導入されています これらの拡張機能は コードを変更しなくても使用できます つまり プロバイダをアップグレードするだけで ODP.NET のデータ アクセスの高速化と効率化を実現できます 拡張機能には アプリケーションのセルフチューニング データ取得の高速化 およびメモリ使用量の最適化が含まれます アプリケーションのセルフチューニング ODP.NET では ステートメント キャッシュをアプリケーションで動的にセルフチューニングする ことができます ODP.NET が実行時の問合せ実行をサンプリングし 全体的なパフォーマンスが最適化されるようにステートメント キャッシュ サイズを動的に変更します 頻繁に実行される文がキャッシュされていない場合は ステートメント キャッシュ サイズが動的に拡張されます メモリを使用しすぎているためにアプリケーションの全体的なパフォーマンスが低下している場合は ステートメント キャッシュが動的に縮小されます この機能により パフォーマンスの向上 ネットワーク使用量の低減 クライアントおよびサーバーのメモリ使用量の節約が実現される一方 開発者の生産性は これまでにステートメント キャッシュ サイズをチューニングしてこなかった場合は特に 向上します 開発者は今後 ODP.NET のステートメント キャッシュを手動で最適化する必要はありません さまざまなキャッシュ サイズで実験し キャッシュする文を決定し 時間が経過してアプリケーションの動作が変化したらキャッシュ サイズを変更する というような作業は不要です ステートメント キャッシュ操作自体によって ODP.NET では 頻繁に実行される SQL および PL/SQL について 文の解析がキャッシュされます 解析された文は Oracle の共有プールに保持されます クライアント カーソルはオープンしたままの状態であるため サーバー カーソルのルックアップは必要ありません また 文のメタデータはクライアント上に残ります これらの改善により SQL および PL/SQL の実行速度が向上します ODP.NET 11.1.0.7.20 より前のリリースでは 開発者が設計時にステートメント キャッシュのサイズを設定していたため もっとも最近に実行された文のうち ユーザーが定義した数の文がキャッシュされていました 時間が経過すると もっとも過去に実行された文がキャッシュから削除されました 設計時にステートメント キャッシュ サイズを設定していたため 実行時のキャッシュ サイズを最適な状態に維持するのは困難でした 頻繁に実行される文の数は 時間の経過とともに変化する可能性があり 1 日の中で変化する場合もあれば 1 年の間に変化することもあります キャッシュ サイズが小さすぎると 不要な解析と検索が増えます キャッシュ サイズが大きすぎると メモリの使い過ぎになります ODP.NET のアプリケーション セルフチューニング機能により これらの問題が解決され ステートメント キャッシュは自動的に管理されます アプリケーションのセルフチューニング機能は Windows レジストリでデフォルトで有効化されま す セルフチューニングは Self Tuning 接続文字列属性.NET 構成ファイル (web.config アプリケーション構成ファイルなど ) Windows レジストリを使用して設定できます 接続文字列属性を設定すると そのアプリケーション用の.NET 構成ファイルの設定は無視されます 同様に.NET 構成ファイルのセルフチューニング属性を設定すると Windows レジストリの設定は無視されます 5

データ取得の高速化とメモリ使用量の最適化 ODP.NET の実行時のパフォーマンスが内部的に最適化され OracleDataReader の使用によるデータ取得 および DataSet への移入の速度が向上しました この機能により ODP.NET アプリケーションのパフォーマンスとスケーラビリティが向上します また ODP.NET では 連続して実行される 1 つ 1 つの文に新しいバッファを作成するのではなく 同じフェッチ配列バッファを再利用します このフェッチ配列バッファには 実行された文のデータが格納されます この機能により代表的なアプリケーションで必要となるフェッチ配列バッファが減るため クライアントのメモリ使用量が減尐します ODP.NET をアップグレードするだけで データ取得パフォーマンスの向上とメモリ使用量の減尐を確認できます コード アクセス セキュリティ 保護されたリソースや操作に.NET アセンブリがアクセスするのを制限するのがコード アクセス セキュリティです 開発者はこの機能を使用して システム リソース権限およびコード グループ セキュリティ ポリシーを管理できます ODP.NET では OraclePermission クラスと Oracle PermissionAttribute クラスをそれぞれ使用して 強制セキュリティと宣言セキュリティの両方をクライアント アプリケーションに設定できます これらの新しいクラスを使用することにより ODP. NET および Oracle データベースを使用したセキュアなコード アクセス管理が容易になります ODP.NET 11.1.0.7.20 では コード アクセス セキュリティを使用することで.NET アセンブリによる Oracle データベースへのアクセスを十分に制限することができます Oracle データベースに接続できるのは OraclePermission が付与されているアセンブリのみです アセンブリに OraclePermission が付与されていない場合はセキュリティ例外が発生します このルールは コール スタック内のすべてのアセンブリに適用されます データベースにアクセスするには それらすべてに Oracle Permission を付与しておく必要があります OraclePermission を使用すると データベース アクセスを柔軟に制御できます ODP.NET の開発者は 特定の接続文字列属性と属性値に基づいてアクセス権を許可したり拒否することができます 次の例を検討します OraclePermission.Add("Data Source=orcl;"," User Id=;Password=;", KeyRestrictionBehavior.AllowOnly); このコード例では データソースが 'orcl' に設定され ユーザー ID とパスワードが任意の組み合わせで その他の接続文字列属性が設定されていない接続文字列に 接続権限を付与します これ以外の接続文字列の組合せで接続しようとすると セキュリティ例外が発生します OraclePermission クラスと OraclePermissionAttribute クラスはそれぞれ System.Data.Common.DBData Permission と DBDataPermissionAttrubute から継承されるため ODP.NET の開発者は標準の.NET コード アクセス セキュリティ機能をすべて使用できます コード アクセス セキュリティを構成するには NET Framework Configuration ツール (Mscorcfg.msc) を使用するか アプリケーション構成ファイル web.config security.config または Windows レジストリ ( または これらすべて ) を手動で変更します たとえば DemandOraclePermission 構成属性を変更して OraclePermission の要求を有効化または無効化することができます 6

高可用性イベントの通知およびコールバック ODP.NET 10.2 以降.NET アプリケーションで Fast Application Notification(FAN) イベントを使用できるようになったため ODP.NET 接続をクラスタ内でロードバランシングしたり データベース リソースに障害が発生した場合に高速接続フェイルオーバー (FCF) を起動することができます FAN イベントは サーバー ホスト サービス サービス メンバー インスタンスおよびデータベースのステータス変更に関する情報を ODP.NET に提供します この情報は Oracle Real Application Clusters(RAC) を使用してリアルタイムに接続をロードバランシングする場合や RAC または Oracle Data Guard に対する不正な接続を接続プールから削除するのに不可欠です FAN イベントは ODP.NET で内部的に管理されていたため FAN イベントに応答する独自のアプリ ケーション ロジックを.NET の開発者が設計することはできませんでした ODP.NET 11.1.0.7.20 では FAN イベントに対する独自の.NET コールバックを登録し そのイベントに基づくイベント ハンドラを実行することができます この機能を使用すると アプリケーション開発者は データベース コンポーネントの障害や追加に応じて.NET アプリケーションをより適切に管理できます 高可用性イベントが発生すると イベント ハンドラでクライアントに返されたデータベース イベント データのコンシューム および 操作が行われます イベント データには イベント ソース インスタンス名 サービス名 ホスト名 ソース ステータスなどの情報が含まれます サーバー リソースに障害が発生したり サーバー リソースが使用できなくなると イベントがトリガーされます サーバー リソースには ホスト サービス メンバー インスタンス データベースなどがあります この機能をプログラムで使用する手順は次のとおりです 1. ODP.NET 接続文字列の HA Events 属性を true に設定します 2. イベント ハンドラ (HAEventHandler) をアプリケーションに定義します 3. OracleConnection.HAEvent += new OracleHAEventHandler(HAEventHandler) によりコールバックをアプリケーションに登録します プログラムによるデータベースの起動および停止 データベース管理者権限を持つ ODP.NET ユーザーは プログラムを使用してデータベースを起動または停止できるようになりました この機能は Oracle データベースを管理するアプリケーションに有効です データベースの起動または停止には データベース管理者権限 (SYSDBA または SYSOPER) が必要です この権限は 接続文字列属性 DBA Privilege に設定できます OracleDatabase クラスでは データベース インスタンスの起動または停止のみを目的とした特殊用途の接続が使用されます このクラスには データベースの起動または停止に使用するモードを制御できるメソッドが含まれています 7

まとめ ODP.NET 11.1.0.7.20 には 開発者の生産性 アプリケーションのパフォーマンス スケーラビリティ およびセキュリティを向上させる多数の新機能が含まれています.NET の開発者は Oracle データベースの独自機能である Oracle Streams Advanced Queuing アプリケーションのセルフチューニング データ取得の高速化とメモリ管理の向上 高可用性イベントの通知とコールバック プログラムによるデータベースの起動および停止などの機能を使用できるようになりました 同時に 使用できる.NET Framework の機能が増え 昇格可能なトランザクションと.NET コード アクセス セキュリティが使えるようになりました.NET の開発者は Oracle Database と.NET Framework の両方の優れた機能を活用できます 8

Oracle Data Provider for.net の新機能 2009 年 9 月 著者 :Alex Keh Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores,CA 94065 U.S.A. 海外からのお問い合わせ窓口 : 電話 :+1.650.506.7000 Fax:+1.650.506.7200 oracle.com Copyright 2009, Oracle and/or its affiliates.all rights reserved. 本文書は情報提供のみを目的として提供されており ここに記載される内容は予告なく変更されることがあります 本文書は一切間違いがないことを保証するものではなく さらに 口述による明示または法律による黙示を問わず 特定の目的に対する商品性もしくは適合性についての黙示的な保証を含み いかなる他の保証や条件も提供するものではありません オラクルは本文書に関するいかなる法的責任も明確に否認し 本文書によって直接的または間接的に確立される契約義務はないものとします 本文書はオラクルの書面による許可を前もって得ることなく いかなる目的のためにも 電子または印刷を含むいかなる形式や手段によっても再作成または送信することはできません Oracleは米国 Oracle Corporationおよびその子会社 関連会社の登録商標です その他の名称はそれぞれの会社の商標です