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中南米地域戦略を考える 2016 年 10 月 14 日 ジェトロ サンパウロ 大久保敦

1 中南米地域戦略を考えるー冷静な目で中南米市場を再評価する 中南米でビジネスをする10の理由 1 経済規模 GDP ASEAN インド凌駕 1人当たりで3.5倍 2 海外日系人数 世界最大の日系人在住数 推定在住数 2014年 約325万人の約6割が在住 日本の文化 食 製品 技術 ブランドの普及と信頼向上に貢献 ビジネス人材 3 消費市場 ASEAN インド凌駕 家計最終消費支出 2015年 ブラジル8位 メキシコ12位 アルゼンチン21位 インド9位 インドネシア17位 4 資源エネルギー 5 食糧供給 穀物 大豆 小麦 食肉 広大な耕作可能地 南半球ならではの端境期供給 病害虫影響小 6 グローバル生産拠点の一角 自動車生産台数 メキシコ 世界7位うち日系6位 ブラジル9位うち日系10位 7 インフラ 2014-20予測でインフラ需要と同投資不足額とも南アジアに次ぐ規模 中国より大規模 8 域内コミュニケーション 主要国はブラジル ポルトガル語 以外すべてスペイン語 両言語で意思疎通可 長い経済統合史 9 和平の進展 2015年GPI 世界平和度指数 が中南米で最も改善 途上国 新興国ではASEANに次いで良い 2015年 GTIスコアでは中南米で最も高いコロンビア 6.662 でもインド 7.747 やタイ 7.279 より低い 10 投資ビジネス環境 ASEAN インド同等の投資環境 同適格国数 Doing bussiness平均スコアとも同レベル ただし 太平洋同盟諸国で高評価 中南米を敬遠する4つの理由 可採埋蔵量 シェールガス アルゼンチン2位 メキシコ6位 ブラジル10位 中南米シェア26.1 石油 ベネズエラ1位 ブラジル15位 メキシコ17位 エクアドル19位 中南米シェア20.3 リチウム(チリ1位 アルゼンチン3位 ブラジル7位 計シェア68.2 銅 チリ1位 ペルー3位 メキシコ4位 計シェア45.0 通商白書2016 138P 1 遠い 2 特殊言語 3 欧米潜在市場 4 治安 1

1. 中南米地域戦略を考える - 中南米地域統合の現状 1 NA ロサンゼルス ( 消費財 ) デトロイト ( 自動車 ) NY( 商社 金融 ) シカゴ ( 自動車 ) マイアミ ( 医療機器 ) カリブ共同体 (CARICOM) 中米統合機構 (SICA) 日米との経済協定締結状況 日本 米国 /EPA メキシコ コロンビア ( 交渉中 ) ペルー チリ BITs DTAs 二重課税防止条約 SSA 社会保障協定 コロンビア ペルー メキシコ ブラジウルグアイ ( 未発効 ) ル ケイマン諸島 ブラジルアルゼンチン ( 新型 : バミューダ交渉へ ) アルゼンチン ボリビメキシコ (NA) ア エクアドル グレ中米 5カ国 パナマ ナダ ホンジュラス コロンビア ペジャマイカ パナマ ルー チリ ウルグアイ メキシコ チリ ( 未発効 ) ベネズエラ チリ 太平洋同盟 対 EU 交渉 メキシコ : 域内 メルコスール : 域内 等 協定締結相手国発効 協定締結相手国発効 TPP 合意 アンデス共同体 (CAN) ラテンアメリカ統合連合 (ALADI) サンパウロ コロンビア コロンビア 1995 チリ チリ 1999 ウルグアイ ウルグアイ 2004 ペルー ペルー 2012 中米 エルサルバドル ニカラグア グアテマラ ホンジュラス コスタリカ 2012 2013 パナマ パナマ 2015 ACE-35 ACE-36 チリ 1996 ボリビア 1997 ACE-54 メキシコ 2003 ACE-55 ( 自動車 *) ACE-58 ACE-59 メキシコ 2003 ペルー 2006 アンデス共同体 (CAN) 2005 米州拠点 北 中米拠点 ( 一部米州拠点 ) 南米拠点 メルコスール 太平洋同盟 (2015 年枠組協定発効 ) メキシコ コロンビア ペルー チリオブザーバー : 中米 5 カ国 カリブ 3 カ国 南米 ( エクアドル パラグアイ ウルグアイ アルゼンチン ) ACE-69 (***) ベネズエラ 2014 ( 注 ) 経済補完協定 (ACE)ACE AAP は 2 年 3 年などの期限付きであり 満期ごとに更新するか否かを両国で決定 *1 原産地基準を満たす自動車 同関連製品に関して相互に輸入税削減 2 域内調達率の順次引き上げ 3 完成車無税輸入枠設定 4 完全自由化は 2019 年 3 月 19 日以降 ** ペルー除く ベネズエラは 2006 年脱退 ***1 メルコスール規則履行できない恐れ 2 伯 亜 ウルグアイとは両国原産品は原則無税 ( 例外品目あり 自動車関連 亜との砂糖関連品目は個別協定締結を目指すも現状 ACE-59 準拠 ) 3 パラグアイ原産品は一部無税 2

1. 中南米地域戦略を考える - 中南米主要国の貿易協定締結状況 ラテンアメリカ統合連合 (ALADI) 枠組み ( 自由貿易協定 ) 未達貿易協定 特恵貿易協定 自動車協定 (M) は ACE18 はメルコスール加盟 4 カ国経済補完協定 その他はメルコスールと第 3 国との経済補完協定 アルゼンチン アルゼンチン ボリビアブラジル ACE14 チリ コロンビア ( 注 1)ALADI 枠組み以外の自由貿易協定 ( 包括 ) は と表記 ( 注 2) パナマの ALADI 正式加盟は 2012 年 5 月 キューバ エクアドル メキシコ ACE06 パナマ パラグアイ ACE13 ペルー ウルグアイ ACE57 ベネズエラ ACE68 ボリビア ACE22 ACE47 ACE66 ブラジル ACE14 ACE53 ACE02 ACE69 チリ ACE22 ACE24 ACE42 ACE65 ACE41 ACE38 ACE23 コロンビア ACE24 ACE49 ACE33 キューバ ACE47 ACE42 ACE49 ACE46 ACE51 ACE71 ACE50 ACE40 エクアドル ACE65 ACE46 メキシコ ACE06 ACE66 ACE53 ACE41 ACE33 ACE51 ACE67 ACE60 パナマ ACE71 パラグアイ ACE13 ACE64 ペルー ACE38 ACE50 ACE67 ウルグアイ ACE57 ACE02 (M) ACE60 ACE63 ベネズエラ ACE68 ACE69 ACE23 ACE40 ACE64 ACE63 出所 ) ラテンアメリカ統合連合 (ALADI) 資料を基礎に作成 3

1. 中南米地域戦略を考える - 現状認識まとめ & 事業戦略の方向性 中南米地域統合 (4 つのトレンド ) 〇 NA とメルコスール双方競って 締結により中南米域内で潜在市場を拡大 〇 TPP に対しメルコスールは対 EU 交渉加速 伯大統領を含め加盟国個別 締結を容認発言 〇域内各国は NA とメルコスール双方の広域市場 アジア 欧米との関係を踏まえゲートウエー ビジネス展開を模索 〇中南米域内は言語等社会文化的類似性を有し ラテンアメリカ統合連合 (ALADI) 枠組みによる経済文化協力 統合が進展 域内各国間で経験 ノウハウを共有化が比較的容易 進出日系企業 (2 つの広域拠点 ) 〇 NA 域内は米主要都市に北中米広域拠点 世界各国と 締結を推進するメキシコに製造拠点が急速に集積 NA の一大工業地帯に 〇メルコスールはブラジル ( サンパウロ州内等 ) に南米拠点が集積 ブラジルコストを理由に一部製造拠点がパラグアイに集積 〇航空アクセスの良いマイアミは医療機器等の中南米広域拠点 ウルグアイとパナマは FTZ を活用した輸入機器 製品の中南米供給拠点 鉱業大国チリは周辺国を管轄する鉱業現地法人が集積 3 つの中南米市場アプローチ 1.2 つの広域市場アクセス〇ブラジル拠点は国内のみならず主に南米地域 ( メルコスールおよび同潜在市場 ) への販路開拓が喫緊の課題 さらにコスト削減や市場確保を目的とした事業展開 拠点設置を志向 〇 NA メキシコ製造拠点は域内向け生産体制確立が喫緊の課題 次に他の中南米市場への輸出を志向 サンパウロ事務所 (and メキシコ事務所 ) 主導による域内広域的な販路開拓 事業展開を支援 2. 域内横展開共通言語や統合枠組みを利用して域内にモデル事業 プロジェクトを立ち上げ 中南米域内各国に横展開 域内モデル事業立ち上げ支援 + 横展開支援 3. 広域プラットフォーム ビジネス太平洋同盟諸国その他中 小規模国の進出拠点は自国市場のみならず 同国の比較優位性 ( 産業 市場特性 事業コスト ) を踏まえ域内広域市場 (and/or 域外 ) 向けプラットフォーム ビジネスを志向 ( 例 ) パラグアイ ( 自動車部品製造拠点化 ) チリ ( 鉱業エンジニアリング ) ウルグアイ ( 製品在庫倉庫 ) 所在ジェトロ事務所主導によるプラットフォームビジネス広域化支援 4