1/4 環境との共生を図る建築の実現 所在地 山梨県北杜市 主な用途 事務所 敷地面積 43, 延床面積 6,470 駐車場棟 エネルギー棟除く 構 造 木造 一部鉄骨造 階 数 2階建て 工 期 ゼロエネルギービルの実現 敷地は八ヶ岳南麓のなだらかな斜面

Similar documents
各家庭の 1 年間の出費のうち約 7% は電気 ガス 灯油といったエネルギーへの支出です 詳しくは 各制度のパンフレット W EB で 市民向け 太陽光発電 燃料電池 ( エネファーム ) HEMS ( ホームエネルギーマネジメントシステム ) 定置用蓄電 太陽熱利用 ガスエンジン木質コージェネバイ

環境・設備からみたLCCM住宅へのアプローチ

真空ガラス スペーシア のご紹介 一般に使用されている一枚ガラスの約 4 倍の断熱効果を発揮!! お部屋全体を快適にします オフィスやパブリックスペースの環境は 冷房や暖房に常に取付専用グレチャン気を配らなければなりません 高断熱 Low-Eガラスしかし一方で経営者の方々にとっては節電対策も重要な項

<4D F736F F D208E9197BF315F B838D C8C768E5A977697CC5F FC C8AEE8F808F808B925F E646F63>



公開用_ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の定義と評価方法(150629)

表紙

見直し後11 基準相当1.64GJ/ m2年hh11 基準相当見直しH11 基準と見直し後の省エネ基準の比較について 住宅 建築物判断基準小委員会及び省エネルギー判断基準等小委員会平成 24 年 8 月 31 日第 2 回合同会議資料 1-1 より抜粋 設備機器の性能向上により 15~25% 程度省

今回の調査の背景と狙いについて当社では国のエネルギー基本計画の中で ZEH 普及に関する方針が明記された 200 年より 実 邸のエネルギー収支を調査し 結果から見えてくる課題を解決することが ZEH の拡大につなが ると考え PV 搭載住宅のエネルギー収支実邸調査 を実施してきました 205 年

図 - 1 設備関連改修工事の取組み 2. 自然エネルギーと高効率機器を利用した熱源システム 2.1 熱源システム概要熱源システムは, 自然エネルギーの有効利用 高効率 トップランナーシステムの採用 をポイントとして計画し, 電気とガス, および氷蓄熱システム ( 既設再利用 ) による夜間電力を利

AISIN GROUP REPORT 2011

1. 目的 実施計画 高度なエネルギーマネジメント技術により 需要家側のエネルギーリソースを統合的に制御することで バーチャルパワープラントの構築を図る < 高度なエネルギーマネジメント技術 > 蓄熱槽を活用した DR 複数建物 DR 多彩なエネルギーリソースのアグリゲーション < 便益 > 系統安

<93CD8F6F976C8EAE81698B4C8DDA97E1816A2E786C7378>

NHK環境報告書2008

住宅部分の外壁 窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準 ( 平成 28 年国土交通省告示第 266 号 ) における 同等以上の評価となるもの の確認方法について 住宅部分の外壁 窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準 (

1. はじめにインターネット等の情報通信需要の高まりを受け データセンターの需要が拡大している 最近のデータセンターは サーバの高密度化に伴い サーバからの発熱は 1 ラック当たり 5kW ~10kW 程度と増大している その為 冷房密度は オフィスビルの 10 倍以上となり この膨大な冷房消費エネ

Microsoft Word - モデル建物法H28_解説書_ALL_v2.1_ docx

Microsoft PowerPoint - 資料7-5.ppt

自然熱エネルギー 未利用エネルギーを活用し 環境配慮に貢献する 配管システムのご提案 クリーンな エネルギーを 有効利用 で 様々なシーン ギー 利 用 自 然 熱 エネ ル 未利用熱回収タンクユニット ホット Reco FRP製貯湯槽 ホットレージ 熱交換槽 貯湯槽 架橋ポリエチレン管 温泉引湯

三建設備工業つくばみらい技術センター汎用機器を用いた潜熱処理システムの運転実績

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

目次 1. 設計ガイドライン パンフレットの必要性 2. 設計ガイドライン ( 案 ) について 3. パンフレット ( 案 ) について 4.ZEB の実現 普及に向けて ZEB:Net Zero Energy Buildings ( ネット ゼロ エネルギー ビル ) 1

<4D F736F F D20335F F5A91EE835B838D C8C768E5A977697CC5F FC C8AEE8F808F808B DC58F4994C5817A5F

【HP公表 最終版の公表前確認修正有り】 北陸取組み(個票)

第二面 1. 建築物の位置 延べ面積 構造 設備及び用途並びに敷地面積に関する事項 建築物に関する事項 1. 地名地番 2. 敷地面積 m2 3. 建築面積 m2 4. 延べ面積 m2 5. 建築物の階数 地上 階 地下 階 6. 建築物の用途 一戸建ての住宅 共同住宅等 非住宅建築物 複合建築物

Heading title

<4D F736F F F696E74202D F8EC08DDD8C9A95A B29835A B8BF392B22E >

PowerPoint プレゼンテーション

【配布資料】

低炭素都市づくりガイドライン(案)について

外気カット制御 有 外気冷房制御 無 全熱交換器制御 有 ( 全熱交換効率 0.) 2 換気設備 室用途毎に基準設定換気風量 ( 換気回数 ) 基準設定全圧損失 標準的な送風機の送風機効 率 伝達効率 余裕率 モータ効率を定め これらを標準設備仕様とする 基準設定換気風量 : 設計者へのヒアリング調

表紙01

<4D F736F F D208E9197BF332D342D335F835B838D C838B834D815B89BB8EC08CBB89C2945C90AB8C9F93A B E E646F63>

1. 背景 目的 -1- CO2 排出量 の削減 地球温暖化防止 電力消費の削減と平準化 電力不足への対応 グローバルな要求事項 今後の電力供給体制への影響が大きい 地球温暖化が叫ばれる中 グローバルな要求事項として CO2 排出量の削減が求められている 加えて震災後の電力供給体制に対し 電力消費そ

,745 3,000 JK

2

PowerPoint Presentation

<4D F736F F F696E74202D F8EC08DDD8C9A95A B29835A B8BF392B22E >

資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

5

業績の概要とカーボンニュートラル化に係わる取り組みの要旨 自然の恵みを活かした低カーボンエネルギーによる室内環境の形成 株式会社電算は 長野県を基盤としてインフォメーションテクノロジーの研究開発に取り組み サービスとして提供する総合情報サービス企業である 旧本社の老朽化のため 長野市内にて新本社を建

平成 27 年度補正予算中小企業等の省エネ 生産性革命投資促進事業費補助金 設備別省エネルギー効果計算の手引き 省エネルギー効果計算について 平成 28 年 7 月 2.0 版

Preface Proposal Framework of the Action Plan Background I

資料2:地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(議論のたたき台)(案)

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

PowerPoint プレゼンテーション

分譲マンション「パークホームズ蘆花公園(総戸数86戸)《専有部、共用部にLED照明を採用

章の表紙

4 推進体制別途添付いたします 5 公表の方法等 ホームページアドレス 閲覧場所 窓口で閲覧 所在地 冊 子 閲覧可能時間 冊子名 入手方法 その他

Microsoft PowerPoint _ _挰喬表è³⁄挎(æ¡‹)H _报渖é£�åfi†.pptx

Microsoft PowerPoint - 遮蔽コーティングの必要性 [互換モード]

npg2018JP_1011

都有建築物に最新の省エネ 再エネ技術を導入する取組 ~ スマートエネルギー都市東京の実現に向けた率先行動 ~ 中島透 大瀧友敬 東京都財務局建築保全部技術管理課 ( 東京都新宿区西新宿 2-8-1) 東京都では スマートエネルギー都市東京の実現に向け 建築物による環境負荷低減を図る

事例8_ホール素子

1

1 タウンメガソーラーの実現 7 2 街の発展を想定したメガソーラー整備及び連結 8 3 北九州水素タウン 9 4 風の道に沿った小型風力発電の導入 10 5 工場廃熱の活用 ( 工場廃熱の植物工場等利用 ) 11 6 工場廃熱の活用 ( バイナリー発電 ) 12 7 次世代 BDF の開発などバイ

2011年10月6日

( 第二面 ) 1. 建築主 イ. 氏名のフリガナ ロ. 氏名 ハ. 郵便番号 ニ. 住所 ホ. 電話番号 2. 代理者 イ. 氏名 ロ. 勤務先 ハ. 郵便番号 ニ. 住所 ホ. 電話番号 3. 設計者 イ. 氏名 ロ. 勤務先 ハ. 郵便番号 ニ. 住所 ホ. 電話番号 4. 備考

<4D F736F F D2089C692EB BF B C838C815B CC AF834B E2895BD90AC E368C8E29>

B.2 モニタリング実績 (1) 活動量 ( 燃料消費量 生成熱量 生産量等 ) 記号 モニタリング項目 定義 単位 分類 1 モニタリング方法 概要 頻度 実績値 モニタリング実績 計測対象期間 ( 年月日 ~ 年月日 ) 備考 F PJ,biosolid プロジェクト実施後のバイオマス固形燃料使

「節電対策パンフレット」(家庭向け)

3 補助金額等 交付対象機器 交付要件 補助金の交付額 太陽電池容量が1キロワット以上のもので 住宅の屋根等への設置に適しているもの 電力会社と系統連系( 余剰電力を商用電力に送電できるようにしていること ) に伴う 5 万円 太陽光発電システム 電力受給契約を自ら又は同一世帯の方が締結している場合

カーボンニュートラル賞受賞名称第 4 回カーボンニュートラル賞北信越支部カーボンニュートラル賞選考支部名称カーボンニュートラル賞選考委員会北信越支部業績名称佐久総合病院佐久医療センター所在地長野県佐久市中込 3400 番地 28 応募者又は応募機関代表応募者 機関建築主設計者施工者 株式会社日建設計

住宅・建築物の 着実な省エネルギー設計への誘導

<4D F736F F D2088F38DFC AC28BAB8D488A778CA48B8689EF81698EAD93878C9A90DD D B A2E646F63>

マートシティ 省エネルギー対策の推進 <ビル 工場等における省エネルギー対策の推進 > 大規模事業所が対象のキャップ & トレード制度 * ( 以下 C&T 制度 という ) について 2020 年度からの第 3 計画期間に向け 専門家による検討会の設置に係る準備等を実施 新規 東京 2020 大会

平成 29 年度家庭部門の CO 2 排出実態統計調査の分析事例 ( 参考資料 ) 平成 31 年 3 月 環境省地球環境局 低炭素社会推進室 1 はじめに環境省は 家庭部門の詳細な CO 2 排出実態等を把握し 地球温暖化対策の企画 立案に資する基礎資料を得ることを目的に 平成 29 年度から 統

再生可能エネルギー等導入推進基金事業計画書 ( 各年度計画書 ) ( 事業計画の概要 ) 計画の名称 神戸市環境保全基金 計画の期間 交付対象 神戸市 計画概要 全体計画書で記載した内容のうち 当該年度に実施する部分について記載して下さい 特に 2 年目以降は 全体計画のうち どの程度の進捗状況なの

調査要領 1. 調査の目的 : 4 月からの電力の小売り全面自由化に対する会員事業所の意識及びその影響を把握し 今後の参考資料とする 2. 調査実施機関 : 甲府商工会議所 3. 調査実施時期 : 平成 28 年 3 月 24 日 ( 木 )~31 日 ( 木 ) 4. 調査対象 : 当所会員 30

目 次 第 1 審査概要 本書の位置づけ 審査方式 審査体制... 1 第 2 優先交渉権者決定の手順 参加資格審査 基礎審査 加点審査 優先交渉権者の決定... 6 別紙 1 提案内容の審査項目及び評

背景 3.11 以降 電力供給量不足が懸念され 再生可能エネルギー導入の期待も高まっていますが 太陽光発電や風力発電などは 気象条件などによる発電量の変動が大きく 電力システム全体での需給調整が難しくなるとされています 一方 電気やガスなどの国内エネルギー使用量のなかで ビルや住宅など民生部門の割合

性能基準 計算ルート 性能基準 計算ルート の評価フロー項目 床 壁 天井等は断熱材以外にも色々な材料で構成されていますので 各材料の熱伝導率と厚さで熱抵抗値を求 め それを合算して各部位のを逆算します 計算で求める方法が3種 あらかじめ示された構成の数値で求 める方法が2種あります 面積を拾う 詳

2011年9月20日

北杜市新エネルギービジョン

スマートライフおすすめ BOOK P2_P 省エネ ネ エ 蓄 ネ 創エ! なるほど はじめに もう中学生! フ イ ラ ト ー マ ス が そ れが それ も くじ 地球温暖化と私たち 4 エネルギーと私たち 6 スマートライフ はじめよう スマートライフ 10 HEMS

アジェンダ 1. 市場動向 2. ハイブリッド給湯機とは 3. 省エネ性 4. 経済性 5. 環境性 6. 快適性 7. 当社製品の特 2

(2) 技術開発計画 1 実施体制 環境省 明和工業株式会社 ( 共同実施者 ) 国立大学法人東京工業大学 (2) ガス利用システムの技術開発エンジン発電機の試験運転における稼働状況の確認 評価 (3) 軽質タール利用技術開発エンジン発電機を用いた燃焼試験 (4) トータルシステムの技術開発物質 熱

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項

A.3 排出削減量の算定方法 A.3.1 排出削減量 ER EM BL EM PJ ( 式 1) 定義単位 数値 4 ER 排出削減量 1 kgco2/ 年 0 t<1 年 年 t<2.5 年 年 <t EM BL ベースライン排出量 2 kgco2/

1

住宅の省エネエネ改修改修に伴う固定資産税固定資産税の減額制度減額制度について 平成 20 年 1 月 1 日以前に建てられた住宅 ( 賃貸住宅を除く ) について 平成 20 年 4 月 1 日から平成 32 年 3 月 31 日までの間に 一定の要件を満たす省エネ改修工事を行った場合 120 m2

suma_fan_leaf_160923_entry_CS6.ai

[ 建築主等に関する事項 ] 1. 建築主 イ. 氏名のフリガナ ロ. 氏 名 ハ. 郵 便 番 号 ニ. 住 所 ホ. 電 話 番 号 ( 第二面 2. 代理者 イ. 資 格 ( 建築士 ( 登録 第 号 ロ. 氏 名 ハ. 建築士事務所名 ( 建築士事務所 ( 知事登録 第 号 ニ. 郵便番号

第1号様式(第9条第1項関係)

2011 年夏季における日建設計東京ビルの節電対策と実績 Reduction of Electric power consumption in Nikken Sekkei Tokyo building in Summer 2011 株式会社日建設計設備設計部門環境 設備技術部 NIKKEN SEKK

Japan Beverage Report 2017

<826295CF8D588C7689E68F912E786C73>

スライド 1

Microsoft Word - モデル建物法H28_解説書_ALL_v2.1_ docx

ファインコート大塚 の主なメリット 1. 電力ピークシフトの実現家庭用燃料電池 エネファーム により 家庭内で使用する電力の約 6 割を発電することが可能 さらに家庭用蓄電池 (7.2kWh) に蓄えた深夜電力を電力需要が高まる時間帯に使用することで 昼間は電気をほとんど購入しないくらしを実現し 消

一次エネルギー消費量比率 (%) 1 東京ガス株式会社 大阪ガス株式会社 東邦ガス株式会社 パナソニック株式会社 ヤンマーエネルギーシステム株式会社 アイシン精機株式会社との共同受賞 2 低炭素社会に向けた住まいと住まい方 の推進方策についての中間とりまとめ ( 平成 24 年 7 月経済産業省国土

<4D F736F F F696E74202D D34966B8BE38F428E735F907B8E52976C C835B83932E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

取組概要 ( 申請書からの転記 ) 全 般 排 出 量 の 認 識 取組名称 認証取得者名取組の概要 適用したカーボン オフセット第三者認証基準のバージョン認証の有効期間オフセット主体認証ラベルの使途 認証対象活動 認証番号 :CO 有効期間満了報告書受領済み 持続可能な島嶼社会の発展に

世界の CO2 排出量と東京都 2013 年度は 東京 63.8 百万トン シンガポールフィンランドポルトガルスウェーデンデンマーク < 東京 < マレーシアベルギーオーストリア 2

店舗・オフィス用パッケージエアコン「省エネの達人プレミアム」新シリーズを発売

Microsoft PowerPoint - ä¹šå·žéł»å−łï¼ıㅊㅬㇼㅳè³⁄挎+报本語; [äº™æ‘łã…¢ã…¼ã…›]

Microsoft Word - 02H26補助金交付要領.doc

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

補足資料 1-2 運用実施 温水ボイラの空気比低減による燃料消費量の削減 (13A ガス ) 現状 問題点都市ガスボイラを使用 燃料を完全燃焼させるための空気比が大きい ( 排ガス温度 200 空気比 1.5) そのため 排ガス量が増加し 排ガス熱損失が増加している 空気比 21/{21-( 排ガス

Transcription:

カーボンニュートラル賞 業績の名称 生長の家 森の中のオフィス - 日本初のゼロエネルギービル 所在地 山梨県北杜市大泉町西出 8240 番地 2103 受賞名称 カーボンニュートラル賞 ( 関東支部 ) カーボンニュートラル大賞 建物概要 応応募又募機は者関 業績の概要 大賞選考委員長講評 カーボンニュートラル賞選考支部名称 延床面積 階数地下 0 階地上 2 階塔屋 0 階 主用途 竣工年月日 代表応募者 機関 建築主 設計者 施工者 定性的な実績 カーボンニュートラル賞選考委員会関東支部カーボンニュートラル大賞選考委員会 ( 本部 ) 2013 年 5 月 清水建設株式会社 清水建設株式会社 m2 宗教法人 生長の家 清水建設株式会社一級建築士事務所 環境配慮の木造建築 地産地消 ( 伐採樹木のウッドデッキなどへの利用 出石の蓄熱材などへの利用 ) 4) カーボンクレジット等ならびにその他 該当無し 一次エネルギー消費量の業績の実績値 省エネ法 9.760(GJ/ 年 kwh) CO 2 排出係数 出典名 / 電力 (t-co 2 /kwh) 出展根拠 -/0.385(t-CO2/ 千 kwh) CO 2 排出量の合計 5.2(kg-CO2/ 年 m2 ) CO 2 削減率 事務所 1) 省エネルギーへの取組み 工夫 6,470 自然風冷房 ( 冷房無し ) 高断熱と太陽光暖房 + 補助ペレットボイラ (51% 削減 ) 自然採光 (87% 削減 ) 2) 低カーボンエネルギーへの転換 太陽光発電 木質バイオマス発電( 木質ペレット用木質チップ ) 敷地を生かした配置( 自然通風 ( 冷房無し ) 自然採光 太陽光パネル 太陽集熱パネル( 補助暖房にペレットボイラ ) 3) 再生可能エネルギー利用 工夫 定量的な実績 一次エネルギー消費量の省エネ率を算定するための参照値 ( ベースライン ) の根拠 出典名 省エネルギーセンター オフィスビルの規模別エネルギー消費量原単位 省エネルギーセンター 省エネガイドブック 1,363(MJ/ 年 m2 ) 131(MJ/ 年 m2 ) 一次エネルギー換算係数根拠 100.0% 本業績の応募業績名は 生長の家 森の中のオフィス 日本初のゼロエネルギービル である 名称に掲げられた ゼロエネルギービル 化の王道は 要求するエネルギーの 元を絶つ を基盤とし, 次いで 再生可能エネルギーをふんだんに取り入れる工夫 である 言うまでもなく本業績も基本に則った形で 日本初のマイナスエネルギービルを達成しており まさにカーボンニュートラル大賞に好適な事例として ここに推薦するものである ただ 審査過程においてもそうであったように 業績名にある オフィス と ビル と言った2つの文言から 恐らく多くの技術者がイメージする所謂 事務所ビル とは次元が異なる オフィス 様式と捉えざるを得ないのも事実である 即ち 標高 1,320mの冷涼な気候である八ヶ岳南麓 ( 山梨県北杜市 ) の広大な ( 敷地面積約 43,500m2 ) 緩やかな斜面に地元産材の木造 2 階建てのオフィス棟 ( 延約 6,500m2 ) が6つのブロックで広間隔に配置されており 通風のみで冷房要らず また 国内有数の日照率から太陽の熱と光がふんだんに降り注ぐと言った地の利が生かされた 森の中のオフィス である そのような恵まれた条件であるから 日本初のマイナスエネルギービルを実現できたと言えるのかも知れないが そのための省エネルギーと創エネルギーへの工夫と努力 また性能検証の取り組みも評価に値する 300mmの断熱材 ( 外壁 屋根 ) 高気密 高断熱の木製サッシ 高窓等による通風や採光 採石利用の床下蓄熱などと言った建物側の工夫の他 太陽熱空気集熱 太陽光発電とリチウム蓄電池 調光制御 木質バイオマス発電と排熱の利用 ( 給湯 補助暖房 ロードヒーティング ) 最適運転監視制御などのハード面の採用と運用である 2014 年冬 甲信地方を襲った観測史上初めての大雪を経験したにも関わらず マイナスエネルギーを達成できており その意味する価値は大きい 今後も性能検証が為され 情報発信が継続されることを期待したい 支部選考委員長講評 標高 1,320m の冷涼な気候である八ヶ岳南麓に立地し日照率の高さを十分に利用した太陽熱 太陽光発電とバイオマス発電を利用した創エネシステムを採用し 建物は大断面集成材を利用した木造とし建設時と解体時に発生する CO2 を長期貯蔵 ハイサイドウインドウチムニーによる通風で冷房が不要 トップライトとハイサイドライトによる採光 屋根と外壁には 300 mmの断熱材を採用し外部建具は高気密 高断熱の木製サッシュ 太陽熱集熱パネルにより暖められた空気を床下から室内に送り 晴れた日の暖房を不要にするなど 日本初のゼロエネルギーを実現している点が大きく評価された 関与した建築設備士の言葉 森の中のオフィス は建築主のオフィス移転における基本構想 現代人が現代の生活を営みながら自然環境と調和した生活を送るモデル社会の構築 というコンセプトを受けて 4 つの視点から取り組みました 1. 省エネルギーの視点自然と共生するために選ばれた敷地 気候特性を有効に生かしたパッシブ建築計画 2. ワークスタイルの視点建築主の 涼しい温かいから 暑くない寒くないを良しとする 意識改革方針に対し PMV による室内環境設定に踏み込んだ計画 3. 運用管理からの視点全使用者が積極的に行った節電などの省エネの成果がわかるエネルギーの見える化や 予測制御による機器運転時間の省時間化 4. 創エネルギーによるエネルギー供給の視点高い日照時間 豊富な木資源を利用した地産エネルギー計画これらの視点のもと建築主 設計者 施工者が一体となって取組みました 敷地で大量に発生した石を擁壁に利用するだけでなく 砕いて蓄熱材として利用するなど より地産地消に取り組みました 竣工後は建築主 設計者 施工者で定期的な連絡会を開催し 運用段階における実証とさらなる省エネルギーを図り カーボンニュートラル化を超えカーボンマイナスを実現することができました さらに電気を電気自動車充電用として近隣などへ提供するなど 北杜市の 人と自然と文化が躍動する環境創造都市 への低炭素社会に向けた地域貢献にも役立っています 一般社団法人建築設備技術者協会カーボンニュートラ賞運営委員会

1/4 環境との共生を図る建築の実現 所在地 山梨県北杜市 主な用途 事務所 敷地面積 43,455.76 延床面積 6,470 駐車場棟 エネルギー棟除く 構 造 木造 一部鉄骨造 階 数 2階建て 工 期 2012.03 2013.05 ゼロエネルギービルの実現 敷地は八ヶ岳南麓のなだらかな斜面に位置し 豊 かな自然の中に建つ大規模木造オフィスである 標高1,320mの冷涼な気候と日本有数の日照率の 高さなど地域の特性を生かし 通風や自然光 太 陽熱等の自然エネルギーを利用して徹底した省エ ネを図り 更に太陽光発電やバイオマス発電など の創エネ技術を積極的に採用して 日本初のゼロ エネルギービルを実現した 年間実績 2013.10 2014.9 一般的 な 事務所 ビル 568tCO2/ 年 財団法人省エネルギー センターの調査による 20,000 以下の自社ビ ルの平均値 省エネルギー による CO2削減 75 現状実績 139t-CO2/年 電化厨房 EV 充電を除く 環境に配慮した木造建築の実現 大断面集成材による日本最大級の木造建築である 木造にしたのは 下記の理由による 建設及び将来解体時に発生するCO2を削減でき 更に出来た建物にCO2を長期貯蔵しておくことが 出来ること 建設用に伐採した山には 新たに植栽すると いった林業サイクルができ 適切な森林整備が可 能になり 更には地域林業の活性化につなげる 地産地消による環境配慮 木材の9割以上は地元山梨県産材を使用 敷地内 で伐採した樹木は 車止め ウッドチップ舗装な どに再利用 現場から掘り起こされた岩石は 擁 壁 基壇の仕上や床下の蓄熱材として再利用 バイオマス発電の木質チップや ペレットボイラ の木質ペレットも山梨県産 建設材料 エネル ギー共に地産地消とすることで 輸送に関わる CO2発生量を削減するとともに 地域にも貢献し ている 創エネルギー によるCO2削減 45 現状実積 242t-CO2/年

2/4 省エネルギーの取組み 工夫 1 敷地を生かした 建築計画 オフィス棟は6つのブロックで構成されて いるが 自然通風と自然採光が確保できる ように隣棟間隔を確保し 敷地の高低差を 利用したスキップフロアとしている 屋根は南斜面の地形勾配に合わせた片流れ とし 太陽光発電パネルと太陽熱集熱パネ ルを設けている 1階平面図 断 面 図 自然通風による森の冷房 冷房の為のエネルギー0 庇により日射を遮蔽し 執務室南側には ウッドデッキを設け床までの開口とし 北側に設けたハイサイドウィンドウのチ ムニー効果により 自然通風を確保し 冷房設備は不要としている 執務室前のウッドデッキ ハイサイドウィンドウ 高断熱と太陽熱による暖房 51 削減 屋根と外壁には厚さ300 の断熱材を設け 外部建具は高気密 高断熱の木製サッシュ ガラスはLow eペアガラスと高断熱仕 様とした また屋根面に設けた太陽熱集熱パネルによ り 約60 に温められた空気を床下より 室内に送り 晴れた日はほぼ暖房不要とし ている 尚 補助暖房設備として 木質バ イオマス発電の排熱とペレットボイラーによる温水を 利用したファンコンベクター方式を採用している 太陽熱集熱パネル 床下蓄熱材 地産砕石

3/4 省エネルギーの取組み 工夫 自然光を利用した 照明計画 2 87 削減 トップライト及びハイサイドウインドウを効果 的に設け 更にタスク アンビエント照明方式 を採用し 照度センサーにより調光制御してい る 竣工後 トップライト効果が高く 晴れた 日は照明不要となっている 2階ラウンジ 執務室 再生可能エネルギー利用 地域特性を生かした 太陽光発電 年間発電量414Mwh 年 日照率が高い地域特性を生かし 屋根全面に合計 470kW設置している 太陽光発電パネルは汎用性が高く,製造過程での CO2排出量が少ない多結晶型のパネルを採用して いる 355kW 40kW 鳥 太陽光発電パネル 瞰 木質バイオマス発電 75kW 年間発電量214Mwh 年 地元の豊富な資源を活用し 木質バイオマスを利用した エネルギーシステムを採用している 木質バイオマスガ ス化コジェネレーションは 地元製材所から出た端材な どを使用した木質チップをガス化して発電すると共にそ の排熱により熱を得るシステムである また その排熱および木質ペレットボイラにより 給湯 暖房 敷地内道路のロードヒーティングに温水を供給し ている 木質チップ バイオマス発電 ペレットボイラ 木質チップ 木質ペレット ペレットボイラ ガス化炉 ガスエンジン 発電機 電気 175KW 燃 焼 排熱230KW ロード 補助暖房 ヒーティング 木質ペレット 熱50万kcal バイオマスガス化コジェネレーション 給湯

様式 3 4/4 エネルギー利用の工夫 ( 電力自給計画 ) リチウムイオン蓄電池 太陽光発電, バイオマス発電の設置と省エネルギにより ZEB を目指すだけでなく, 蓄電池を設置し, マイクログリッド制御による電力の安定化を図り 電力需要に応じた充放電制御により, 電力の自給率 ( 需要電力に対して買電電力を抑え自己発電電力にて賄う割合 ) の向上を図っている 蓄電池は定置型の最大級のリチウムイオン蓄電池 (408kWh) を設置し 充放電による受電電力の抑制と夜間の待機電力への放電利用をするなど, 最大限の電力自給率の向上を図っている シミズ マイクログリッド スマート BEMS 設備監視, 操作を行う中央監視設備と合わせて, スマート BEMS システムを設置し, エネルギー管理システム, 熱源ナビゲーション, マイクログリッド運転システムを構築して, 運転の最適化を図り, ゼロエネルギー達成および商用受電の抑制制御を行っている 天気予報から太陽光発電量を予測し, バイオマス発電機の最適運転台数の予測および空調負荷予測によるペレットボイラの運転要否予測を行い 最適運転を行っている また, オフィス棟にエネルギーの見える化画面を設置し, 創エネルギ量, 消費エネルギー量をリアルタイムで表示し, 来館ならびに在館者へのアピールと省エネ意識の向上を図っている エネルギーの見える化画面 環境性能評価 ZEB の検証 Kwh Kwh 年間収支 本建物は 2013 年 5 月に竣工 10 月から運用を開始し ちょうど 1 年経った 今年は記録的な大雪にも見舞われ厳しい冬を経験したが トップライトなどによる自然光利用の効果が高く またユーザーの省エネ意識の高さも重なり 設計時予測より消費が少なく 供給が需要を大きく上回り マイナスエネルギービルを達成している CASBEE( 既存 ) で過去最高得点 設計時予測値 竣工後 建物の運用段階で 設計どおりに省エネルギーかつ環境に配慮した運用が成されているかどうかを評価する CASBEE 既存 で 過去最高得点となる 7.1 を取得した 実測値 (H25.10.1~H26.9.30)