第14章 国民年金 

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(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

高齢者福祉

国民年金

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

Taro-1-国民年金編2015  作成 

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老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

強制加入被保険者(法7) ケース1

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ただし 対象期間の翌年度から起算して3 年度目以降に追納する場合は 保険料に加算額が上乗せされます 保険料の免除や猶予を受けず保険料の未納の期間があると 1 年金額が減額される 2 年期を受給できない3 障害基礎年金や遺族基礎年金を請求できない 場合がありますのでご注意ください 全額または一部免除

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2 厚年と国年の加入期間がある人 昭和 36 年 3 月以前 20 歳未満および 60 歳以後の厚年の被保険者期間 昭和 36 年 3 月以前の厚年期間のみの人 坑内員 船員 ( 第 3 種被保険者 ) の場合 昭和 61 年 3 月までの旧船員保険の

第9章 国民年金制度について

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2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)

ブック 1.indb

第 2 節強制被保険者 1 第 1 号被保険者頻出 択 ( 法 7 条 1 項 1 号 ) 資格要件 日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の者 ( 第 2 号 第 3 号被保険者に該当する者を除く ) 例 ) 自営業者 農漁業従事者 無業者など 適用除外 被用者年金各法に基づく老齢又は退

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年金額の改定について 公的年金制度は平成 16 年の法改正により永久に年金財政を均衡させる従来の仕組みから おおむね ( 100 ) 年間で年金財政を均衡させる仕組みへと変わった この年金財政を均衡させる期間を 財政均衡期間 という これにより 政府は少なくとも ( 5 ) 年ごとに財政の検証をおこ

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平成 28 年 9 月度実施実技試験 損保顧客資産相談業務 139

第 7 章 年金 福祉 1 年金 日本の公的年金制度は, 予測できない将来へ備えるため, 社会全体で支える仕組みを基本としたものです 世代を超えて社会全体で支え合うことで給付を実現し, 生涯を通じた保障を実現するために必要です 働いている世代が支払った保険料を高齢者などの年金給付に充てるという方式で

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退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

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はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

第 1 号被保険者 資格取得の届出の受理 種別変更の届出の受理 資格喪失の承認申請 ( 任意脱退 ) の受理 資格喪失届出の受理 資格喪失の申出 第 1 号被保険者 任意加入被保険者 付加保険料の納付の申出の受理 付加保険料の納付しないことの申出の受理 に申請 届出または申出をした場合 被保険者 世

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

年金支給開始年齢図 特別支給の ( 給料比例部分 ) 昭和 29 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 特別支給の退職共済年金 昭和 25 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 退職共済年金 経過的職域加算額 ( 旧職域部分 ) 退職等年金給付 ( 年金払い退職給付 ) 平成 27 年 9 月までの組合

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障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

新規裁定当該期間 ( 月又は年度 ) 中に新たに裁定され 年金受給権を得た者が対象であり 年金額については裁定された時点で決定された年金額 ( 年額 ) となっている なお 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65 歳に到達した以降 老齢基礎年金及び老齢厚生年金 ( 本来支給もしくは繰下げ支給 ) を

例 言 厚生年金保険被保険者厚生年金保険被保険者については 平成 27 年 10 月 1 日から被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律が施行されたことに伴い 厚生年金保険法第 2 条の5の規定に基づき 以下のように分類している 1 第 1 号厚生年金被保険者第 2

8-1 雇用保険 雇用保険の適用基準 1 31 日以上引き続き雇用されることが見込まれること 31 日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き この要件に該当することとなります このため 例えば 次の場合には 雇用契約期間が31 日未満であっても 原則として 31 日以上の雇用が見込まれるもの



無年金・低年金の状況等について

国民年金

1 国民年金 第 10 年金と医療給付等 市民課 保険医療課 (1) 国民年金に加入する方 国民年金は すべての方が共通して受けられる 基礎年金 が大きな柱です そのため自営業などの方のほかに 会社員や公務員も国民年金に強制加入することになります また 20 歳から 60 歳未満の会社員などの被扶養

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2. 特別障害給付金 象 次のいずれかに該当する方で 任意加入していなかった期間に初診日があり 現在 障害基礎年金 1 級 2 級相当の障がいに該当する方 平成 3 年 3 月以前に国民年金任意加入象であった学生 ( 夜間通学 通信制の学生は除く ) 昭和 61 年 3 月以前に国民年金任意加入象で

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他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

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1. 国保係 事業名 1. 国民健康保険運営協議会 ( 昭和 33 年度 ) 予算額 事 業 概 要 757 国民健康保険事業の運営に関する事項を審議する 被保険者の疾病 負傷 出産又は死亡に対し保険給付を行う 2. 保険給付 ( 昭和 29 年度 ) 5,695,009 一般被保険者療養給付費 退

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(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの

障害福祉制度あらまし目次

年金は 万が一のとき もしっかりサポートします! 一般的に 年金 と言いますと 老後の生活を支える 老齢年金 をイメージしますが それだけではありません! 年金には万が一のときに 障害厚生年金 や 遺族厚生年金 が支給される場合があります 障害厚生年金 病気やけがで障害の状態になったときは 厚生年金

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52 (2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業 無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職再就職老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 3 年金決定請求 ( 一部又は全額支給停止 ) 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありま

しくみ2 厚生年金は基礎年金に上乗せ 厚生年金保険が適用されている事業所に勤めるサラリーマン等は 国民年金と厚生年金保険の2つの年金制度に加入することになります 厚生年金保険から支給される年金は 加入期間とその間の平均収入に応じて計算される報酬比例の年金となっていて 次のように基礎年金に上乗せするか

強制加入被保険者(法7) ケース1

手当を受けられている方へのお願い手当を受けられている方は 次のようなときには資格喪失となる場合がありますので 必ずご連絡をお願いします (1) 施設に入所したとき (2) 障がいの程度が基準に該当しなくなったとき (3) 亡くなられたとき (4) 病院又は診療所に継続して3ヶ月を超えて入院するに至っ

国民年金基金にご加入いただいたみなさまへ

被用者年金一元化法


年金 手当について 特別障害給付金 任意加入対象者が, 任意加入をしていなかったことによって, 障害基礎年金を受けることができなかった方への福祉的措置として平成 17 年 4 月に創設された制度です 特別障害給付金 (1) 支給対象となる方次の1か2の期間に初診日があり, 障害基礎年金を受けることが

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平成25年4月から9月までの年金額は

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1 被用者年金制度一元化以降における公務員年金制度の現状 ⑴ 被用者年金制度の一元化 ( 平成 27 年 10 月 1 日施行 ) 平成 24 年 8 月に成立し 同月に公布された 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律 により 平成 27 年 10 月より共済年金

納付 法 現 払込み ( 納付書払い ) 座振替 クレジットカード 電 納付 ( インターネットバンキング モバイルバンキングなど ) 納付場所 続き先等 融機関 コンビニエンスストアで納付書 ( 国 年 保険料納付案内書 ) を使って納めます 納付書は 加 続きをした後 または毎年 4 などに 本

国保係 国民健康保険運営協議会 ( 昭和 33 年度 ) 予算額 事 業 概 要 752 国民健康保険事業の運営に関する重要事項を審議する 被保険者の疾病 負傷 出産又は死亡に対し保険給付を行う 2. 保険給付 ( 昭和 29 年度 ) 5,947,575 一般被保険者療養給付費 退職被保険者等療養

2. 事例 Q&A [1] 公的年金制度の仕組み Q. 私は昭和 37(1962) 生まれの男性で 現在 55 歳のサラリーマンです 何歳からどのような年 金が受け取れるのでしょうか A. 65 歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が それに加えて配偶者が 65 歳になるまで加給年金が 支給されます 確

老齢基礎年金 老齢基礎年金は 国民年金の加入者であった方の老後の保障として給付され 65 歳になったときに支給されます 老齢基礎年金は 保険料納付済期間 ( 厚生年金保険や共済組合の加入期間を含む ) と保険料免除期間などを合算した資格期間が 10 年以上ある場合に 終身にわたって受け取ることができ

問 28 保険医療機関等 保険医等 (1) 難度 B 64 問 29 保険医療機関等 保険医等 (2) 難度 B 68 問 30 保険医療機関等 保険医等 (3) 難度 B 70 問 31 療養の給付の一部負担金難度 C 74 問 32 入院時食事療養費難度 B 76 問 33 入院時生活療養費難度

2909_0 概要

ライフプランニングと資金計画 問題 1. ファイナンシャル プランナーの顧客に対する行為に関する次の記述のうち 職 業倫理や関連法規に照らし 最も適切なものはどれか 1. 税理士資格を有しないファイナンシャル プランナーが 住宅ローン相談セミナーを開催し その出席者に対して無償で確定申告書の作成代行

平成 30 年 1 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 6 千億円 (1.3%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

平成 30 年 2 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 7 千億円 (1.4%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案《概要》

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社会保障 国民年金 問題 第 3 号被保険者とは 性別を問わず 第 2 号被保険者 ( 厚生年金保険の被保険者及び各共済組合等の組合員 加入者 ) の被扶養配偶者であって 20 歳以上 60 歳未満の者である 2 第 1 号被保険者の場合は 日本国内に住所を有する必要があるが 第 2 号

はじめに 1 掛金は毎月 1 日に引き落としいたします 国民年金基金にご加入いただきありがとうござい ます 国民年金基金は 自営業者などの国民年金の第 1 号被保険者の方々の多様化するニーズに応え より豊かな老後を過ごすことができるよう 国民年金 ( 老齢基礎年金 ) に上乗せした年金を受け取るため

ファイナンシャル プランニングと倫理 関 連法規 Copyright (c) Akira Sugiyama all rights reserved 2

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[ 組合員期間等の特例 ] 組合員期間等については 年齢 職種などにより 過去の制度からの経過措置が設けられており 被用者年金制度の加入期間 ( 各共済組合の組合員期間など ) については 生年月日に応じて次表の年数以上であれば 組合員期間等が 25 年以上とみなされます 生 年 月 日 組合員期間

スライド 1

算が加算されるようになったとき 260 / 12. 振替加算が加算された老齢基礎年金の受給権者が額計算の基礎となる組合員期間または加入者期間が 240 月以上である退職共済年金等を受けられるようになったとき 262 / 13. 振替加算が加算された老齢基礎年金の受給権者が障害を支給事由とする年金給付

PowerPoint プレゼンテーション

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Microsoft Word ①概要(整備令)

国民健康保険・国民年金

12 ページ, 図表 ,930 円 保険料納付済月数 + 全額免除月数 1/2+4 分の 3 免除月数 5/8+ 半額免除月数 3/4+4 分の 1 免除月数 7/8 ( 出所 ) 厚生労働省 老齢年金ガイド平成 2730 年度版 より筆者作成 40 年 ( 加入可能年数

5. 手当 年金等 各種制度の対象者や支給額は 障害種別 等級 年齢や所得によって異なります 詳細は各担当窓口に お問い合わせください 手当 心身障害者福祉手当 ( 都の制度 ) 支給対象者 20 歳以上であって 次のいずれかの障害を有する方 1 身体障害者手帳 1 2 級 2 脳性まひ 3 進行性

( 第 1 段階 ) 報酬比例部分はそのまま定額部分を段階的に廃止 2 年ごとに 1 歳ずつ定額部分が消える ( 女性はすべてプラス 5 年 ) 報酬比例部分 定額部分 S16 S16 S18 S20 S22 4/1 前 4/2 ~4/2 4/2 4/2 4/2 ~~~

第七条二被用者年金各法の被保険者 組合員又は加入者 厚生年金保険法 国家公務員共済組合法 地方公務員等共済組合法 私立学校教職員共済法 国内居住要件 被用者年金各法 社会保険の適用事業所にお勤めの方 国家公務員 地方公務員 私立学校教職員 なし 年齢要件なし (65 歳以上の老齢厚生年金等の受給権者

Transcription:

第 17 章 国民年金 国民年金は すべての国民を対象として 老齢 障害 死亡について年金を 支給し 健全な国民生活の維持 向上に寄与することを目的としています - 151 -

国民年金のしくみ 1 被保険者 国民年金に必ず加入しなければならない人は 日本国内に住所がある 20 歳以 上 60 歳未満の人たちです 被保険者は次の 3 種類となります ⑴ 第 1 号被保険者 日本国内に住所のある 20 歳以上 60 歳未満の自営業者と その被扶養配偶者 学生 フリーターなど ⑵ 第 2 号被保険者 厚生年金保険や共済組合の加入者 ⑶ 第 3 号被保険者 厚生年金保険や共済組合の加入者に扶養されている配偶者で 20 歳以上 60 歳未 満の人たちです * 任意加入被保険者 老齢( 退職 ) 年金の受給権者で 20 歳以上 60 歳未満の人 海外に在住している 20 歳以上 65 歳未満の日本人 日本国内に住所がある 60 歳以上 65 歳未満の人 * 任意加入被保険者の特例 昭和 40 年 4 月 1 日以前に生まれた人で 日本国内に住所がある 65 歳以上 70 歳未満の人 または日本人で国内に住所がない 65 歳以上 70 歳未満の人 ( ただし 老齢基礎年金の受給資格を満たしている人を除く ) 加入されると第 1 号被保険者として取り扱われます 加入状況 ( 各年度末現在 / 単位 : 人 ) 区分第 1 号被保険者年度強制加入者任意加入者 3 号被保険者 合 計 平成 25 37,030 625 27,625 65,280 平成 26 36,377 527 27,284 64,188 平成 27 35,311 508 26,862 62,681 平成 28 34,020 456 26,332 60,808 平成 29 33,155 425 25,963 59,543-152 -

2 保険料国民年金は保険料を 20 歳から 60 歳に達するまでの 40 年間 納めることになっています 老齢基礎年金を受けるためには この間に最低 25 年間 ( 平成 29 年 8 月からは10 年 ) 以上の保険料を納めることが必要です 第 1 号被保険者の保険料は年齢 性別 所得に関係なく全国一律です 定額保険料平成 30 年 4 月から 1か月 16,340 円 付加保険料( 第 1 号被保険者で希望する人 )1か月 400 円保険料の納付については 平成 22 年 1 月から日本年金機構が納付書の送付 口座振替等の事務を行っています ⑴ 保険料の免除制度等第 1 号被保険者の人 ( 強制加入被保険者に限る ) で 所得が低く保険料を納めるのが困難な人は 下記の6 種類の免除制度等がありますので 国民年金の窓口へ申請してください 1 全額免除保険料を納付することが経済的に困難な場合に申請し 本人と配偶者 世帯主の所得状況の審査の結果 承認を受けると保険料の納付が免除されます この場合 年金を受けるための資格期間には算入されますが 免除期間の年金額は2 分の1(20 年度までは3 分の1) に減額されます しかし 10 年以内であれば遡って保険料を納めること ( 追納 ) ができます 2 4 分の3 免除保険料を全額納めることは難しいが 一部でも納めたい場合に申請し 本人と配偶者 世帯主の所得状況の審査の結果 承認を受けると保険料の4 分の3が免除されます この場合全額免除と異なるところは 免除期間の年金額が8 分の5(20 年度までは2 分の1) となります ただし この制度は4 分の1の保険料を納めないと未納として扱われます 3 半額免除保険料を全額納めることは難しいが 半額でも納めたい場合に申請し 本人と配偶者 世帯主の所得状況の審査の結果 承認を受けると保険料が半額免除されます この場合全額免除と異なるところは 免除期間の年金額が4 分の3(20 年度までは3 分の2) となります ただし この制度は半額の保険料を納めないと未納として扱われます 4 4 分の1 免除保険料を全額納めることは難しいが 一部でも納めたい場合に申請し 本人と配偶者 世帯主の所得状況の審査の結果 承認を受けると保険料の4 分の1が免除されます この場合全額免除と異なるところは 免除期間の年金 - 153 -

額が8 分の7(20 年度までは6 分の5) となります ただし この制度は4 分の3の保険料を納めないと未納として扱われます 5 納付猶予制度 50 歳未満の方が申請し 本人と配偶者の所得状況の審査の結果 承認を受けると保険料の納付が猶予されます 承認された期間は年金を受けるための期間には算入されますが 追納をしなければ年金額には算定されません 6 学生納付特例制度学生で本人の所得が一定以下の場合 申請し承認を受けると保険料の納付を要しません 承認された期間は年金を受けるための期間には算入されますが 追納をしなければ年金額には算定されません 3 給付の種類 国民年金では 全国民に共通する給付として 老齢基礎年金 障害基礎年金 遺族基礎年金を支給します また 第 1 号被保険者の独自給付として 付加年金 寡婦年金 死亡一時金を支給します ⑴ 老齢基礎年金 大正 15 年 4 月 2 日以降に生まれた人に適用されます 保険料を納めた期間 ( 保険料の免除期間を含む ) が 10 年以上ある人が 65 歳 に達したときに受けられるのが老齢基礎年金です 老齢基礎年金の年金額 ( 平成 30 年度 ) 20 歳から 60 歳に達するまでの 40 年間がすべて保険料納付済期間である場合 年額 =779,300 円 * 老齢基礎年金の計算式 ( 平成 21 年 3 月までの期間 ) 779,300 円 ( 保険料納付済月数 )+ ( 保険料 4 分の 1 免除月数 ) 5/6+ ( 保険料半額免除月数 ) 2/3+( 保険料 4 分の 3 免除月数 ) 1/2+( 保険料全額免除月数 ) 1/3 加入可能年数 12( 昭和 16 年 4 月 2 日以降生まれの人の加入可能年数は 40 年となります ) * 老齢基礎年金の計算式 ( 平成 21 年 4 月からの期間 ) 779,300 円 ( 保険料納付済月数 )+ ( 保険料 4 分の 1 免除月数 ) 7/8+ ( 保険料半額免除月数 ) 3/4+( 保険料 4 分の 3 免除月数 ) 5/8+( 保険料全額免除月数 ) 1/2 加入可能年数 12( 昭和 16 年 4 月 2 日以降生まれの人の加入可能年数は 40 年となります ) 老齢基礎年金受給状況 ( 各年度末状況 / 単位 : 人 円 ) 年度 区分 受給権者数 受給年金 平成 25 61,693 40,551,611,900 平成 26 64,619 41,953,318,200 平成 27 67,031 44,055,230,832 平成 28 68,925 45,406,590,309 平成 29 71,775 46,793,860,101-154 -

⑵ 障害基礎年金原則として国民年金加入中に 病気やケガで障害者になったとき また 20 歳前の病気やケガによって障害者になった場合に (20 歳から ) 障害基礎年金が支給されます * 支給が受けられる要件 初診日の前々月までに加入期間の 3 分の 2 以上の保険料納付済期間 ( 保険料免除期間を含む ) が必要です ただし 初診日が平成 38 年 3 月末までにある場合は 初診日の前々月までの 1 年間に未納期間がなければ受給できます 障害認定日に政令で定められている障害等級表の 1 級又は 2 級の障害の状態になっていること 障害基礎年金の年金額 ( 平成 30 年度 ) 等級 年 額 1 級障害 974,125 円 2 級障害 779,300 円 また 障害基礎年金の受給者によって生計を維持されている 18 歳到達年度の末日までにある子 ( 障害者は 20 歳未満の子 ) があるときは 次の額が加算されます 加算対象の子 年額 (1 人につき ) 1 人目 2 人目 224,300 円 3 人目以降 74,800 円 障害基礎年金受給状況 ( 各年度末状況 / 単位 : 人 円 ) 区分年度 受給権者数 平成 25 3,726 3,225,538,200 平成 26 3,835 3,265,723,000 平成 27 3,885 3,337,379,250 平成 28 3,977 3,411,323,300 平成 29 4,110 3,516,706,750 ⑶ 遺族基礎年金国民年金加入中の死亡 または老齢基礎年金を受ける資格期間を満たした人が死亡したときには 遺族基礎年金が支給されます * 支給が受けられる要件次の要件にあてはまる人が死亡した場合に その人によって生計を維持されていた子のある配偶者または 子 (18 歳到達年度末までの子 あるいは1 級,2 級障害のある 20 歳未満の子 ) に支給されます 1 国民年金の被保険者であること 2 国民年金の被保険者であった人で 日本国内に住所を有し 60 歳以上 65 歳未満であること - 155 -

3 老齢基礎年金の受給権者であること 4 老齢基礎年金の受給資格期間を満たした人であること ただし 1 2 の場合 被保険者期間のうち保険料納付済期間 ( 保険料免除 期間を含む ) が 3 分の 2 以上必要です なお 平成 38 年 3 月 31 日以前に死亡 した場合は 特例として死亡日の属する月の前々月までの 1 年間に未納期間が なければ受給できます 遺族基礎年金の年金額 ( 平成 29 年度 ) 子の数 子のある配偶者に支給される年金額 ( 年額 ) 子のみの場合に支給される年金額 ( 年額 ) 1 人のとき 1,003,600 円 779,300 円 2 人のとき 1,227,900 円 1,003,600 円 3 人目以降のとき 1 人につき 74,800 円を加算 1 人につき 74,800 円を加算 ( 注 ) 子 1 人あたりの年金額は 表中 年金額 の欄の額を子の数で割った額になります 遺族基礎年金受給状況 ( 各年度末状況 / 単位 : 人 円 ) 年度 区分 受給権者数 平成 25 501 393,979,200 平成 26 472 368,101,600 平成 27 483 378,409,100 平成 28 492 385,419,600 平成 29 466 367,751,414 ⑷ 第 1 号被保険者の独自給付 1 付加年金付加年金は 付加保険料を納めたことがある人が 老齢基礎年金の受給権を得たときに老齢基礎年金に加算して支給されます 付加年金の年金額は 次の式によって計算されます 200 円 付加保険料納付月数 2 寡婦年金第 1 号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間を合計して 25 年以上ある夫 ( 婚姻期間が 10 年以上 ) が 老齢基礎年金などを受けずに死亡した場合 妻に 60 歳の翌月から 65 歳になるまでの間支給されます 年金額は 夫が受けることができたはずの老齢基礎年金の額の4 分の3です 3 死亡一時金 死亡一時金の額 ( 単位 : 円 ) 第 1 号被保険者として保険料を3 年以上納めた人が老齢基礎年金 障害基礎年金のいずれも受けないで死亡し その遺族が遺族基礎年金を受けられない場合に支給されます 保険料納付済期間 金 額 3 年以上 15 年未満 120,000 15 年以上 20 年未満 145,000 20 年以上 25 年未満 170,000 25 年以上 30 年未満 220,000 30 年以上 35 年未満 270,000 35 年以上 320,000 ( 注 ) 付加保険料納付期間が 3 年以上あるときは 8,500 円が加算されます - 156 -

4 その他 ( 旧国民年金法による給付 ) ⑴ 老齢年金 受給状況 ( 各年度末状況 / 単位 : 人 円 ) 大正 15 年 4 月 1 日以前に生まれた人で 保険料を納付した期間と免除した期間が その人の生年月日に応じて一定年数以上ある人が 65 歳になったときに支給されます 区分受給権者数年度 平成 25 1,295 666,965,200 平成 26 1,130 567,007,900 平成 27 963 497,928,500 平成 28 806 420,817,226 平成 29 680 353,852,066 ⑵ 通算老齢年金 受給状況 ( 各年度末状況 / 単位 : 人 円 ) 大正 15 年 4 月 1 日以前に生まれた人で 会社員 公務員 自営業などと職業がかわったような場合は それぞれ厚生年金保険 共済組合 国民年金というように各種の公的年金制度に加入することになります 区分受給権者数年度 平成 25 1,626 369,367,700 平成 26 1,425 319,233,700 平成 27 1,273 291,422,300 平成 28 1,085 249,902,349 平成 29 929 216,520,821 しかし ひとつの年金制度で老齢 ( 退職 ) 年金を受ける受給資格期間を満たさなくても 各制度の加入期間を合わせて一定期間以上になれば それぞれの制度から通算老齢 ( 退職 ) 年金を受けられることになっています ⑶ 障害年金 受給状況 ( 各年度末状況 / 単位 : 人 円 ) 障害認定日が昭和 61 年 3 月 31 日 以前である人が 一定の納付要件を 満たしている場合に支給されます 区分受給権者数年度 平成 25 73 62,020,900 平成 26 67 55,448,400 平成 27 64 53,631,400 平成 28 57 47,391,075 平成 29 52 43,251,150 ⑷ 老齢福祉年金 受給状況 ( 各年度末状況 / 単位 : 人 円 ) 拠出制の年金が中心になっている国民年金制度は 昭和 36 年 4 月 1 日に発足しましたが 当時すでに高年齢に達していた人は 拠出年金を受けるための受給資格期間を満たすこ 区分受給権者数年度 平成 25 4 707,900 平成 26 1 395,900 平成 27 2 399,700 平成 28 1 399,700 平成 29 0 0 とができませんので 無拠出の老齢福祉年金が支給されます * 支給を受ける要件明治 44 年 4 月 1 日以前に生まれた人が 70 歳になったとき - 157 -

5 特別障害給付金 国民年金の任意加入期間に未加入であったため 障害基礎年金などの受給資格のない障害者に対して 福祉的措置として特別障害給付金が支給されます * 支給が受けられる要件次の要件にあてはまる障害基礎年金 1 2 級相当の障害に該当し 障害を原因とする年金給付を受給していない人に特別障害給付金が支給されます 1 生年月日が昭和 41 年 4 月 1 日以前で 20 歳から昭和 61 年 3 月 31 日までの期間に初診日があり そのときに被用者年金制度加入者などの配偶者であった 2 生年月日が昭和 46 年 4 月 1 日以前で 20 歳から平成 3 年 3 月 31 日までの期間に初診日があり そのときに任意加入対象の学生であった 特別障害給付金の給付額 等級 月 額 1 級障害 51,650 円 2 級障害 41,320 円 本人の所得や老齢基礎年金などの他の公的年金の受給状況によって支給制限されます 経過的福祉手当との併給はできません - 158 -