が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

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ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

処分済み

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

11総法不審第120号

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11総法不審第120号

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

11総法不審第120号

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平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

11総法不審第120号

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<4D F736F F D2095BD90AC E D738CC2816A939A905C91E D862E646F63>

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

11総法不審第120号

 

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

11総法不審第120号

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

処分済み

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処分済み

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厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求期間 1について 当該期間のうち請求者のA 社における平成 21 年 9 月 1 日から平成 22 年 12 月 1 日までの期間の標準報酬月額を訂正することが

48

11総法不審第120号

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平成14年7月3日

11総法不審第120号

処分済み

収することが適当でないときとして厚生労働省令で定めるときを除く ) は, 保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村の長は, 第 63 条の保護の実施機関の定める額の全部又は一部をその者から徴収することができる, 2 項では, 前項の規定による徴収金は, この法律に別段の定めがある場合を除き, 国

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

11総法不審第120号

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

年管管発第 1026 第 2 号平成 24 年 10 月 26 日 地方厚生 ( 支 ) 局年金調整 ( 年金管理 ) 課長殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について ( 通知 ) に基づく保護を受けている外国人の国民年金保険料免除の申請の

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

老発第    第 号

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

厚生局受付番号 : 四国 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 四国 ( 厚 ) 第 号 請求者の社会福祉法人 A 会 B 保育所における平成 20 年 6 月 21 日の標準賞与額を 127 万 1,000 円に訂正することが必要である 平成 20 年 6 月 2

11総法不審第120号

件数表(神奈川)

11総法不審第120号

厚生局受付番号 : 九州 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 九州 ( 厚 ) 第 号 請求者のA 社 B 支店における厚生年金保険被保険者資格の喪失年月日を昭和 44 年 4 月 21 日から同年 5 月 1 日に訂正し 昭和 44 年 4 月の標準報酬月額を2

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

第 4 審査関係人の主張の要旨 1 審査請求人の主張審査請求人は 次のとおり 本件処分は 違法又は不当である旨を主張している (1) 審査請求人が 複数の取引先から依頼を受けて行っている翻訳の業務は 法第 72 条の2 第 3 項の規定により個人事業税が課されるべきいずれの事業としても法に定められて

定している (2) 通達等の定めア 生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について ( 昭和 29 年社発第 382 号厚生省社会局長通知 以下 昭和 29 年通知 という 乙 1) は, 一項本文において, 生活保護法第 1 条により, 外国人は法の適用対象とならないのであるが, 当分の間,

11総法不審第120号

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

病が原子爆弾の傷害作用に起因する旨の厚生労働大臣の認定を受けなければならない ( 被爆者援護法 11 条 1 項 ) ⑶ 都道府県知事は ⑵ 記載の厚生労働大臣の認定を受け かつ 当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあるとの要件に該当することについて都道府県知事の認定を受けた者に対し 医療特別手当を支

茨城厚生年金事案 2029 第 1 委員会の結論総務大臣から平成 24 年 10 月 10 日付けで行われた申立人の年金記録に係る苦情のあっせんについては 同日後に新たな事実が判明したことから 当該あっせんによらず 申立人のA 社における資格喪失日に係る記録を昭和 41 年 9 月 5 日に訂正し

(Microsoft Word -

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

答申件数表(1月15日答申分)

< F2D95F193B98E9197BF D86A D D96B1>

国民健康保険、後期高齢者医療及び介護保険に係る保険料の還付の促進及び還付加算金の取扱いの改善(あっせん)

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

11総法不審第120号

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

301121答申件数表

(2)-2 退所時 ( 契約入所の場合 ) 保護者と児童福祉施設等の契約に基づき入所している子どもについては 児童福祉法に基づく障害児施設給付費の支給を行う都道府県が把握していることから 当該都道府県が施設の所在する市町村及び保護者の住所地の市町村へ退所した旨を通知することにより 二重支給を防止し

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

別紙 ( 国内における臓器等移植について ) Q1 一般の移送費の支給と同様に 国内での臓器移植を受ける患者が 療養の給付を受けるため 病院又は診療所に移送されたときは 移送費の支給を行うこととなるのか 平成 6 年 9 月 9 日付け通知の 健康保険の移送費の支給の取扱いについて ( 保険発第 1

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民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資

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件数表(神奈川)

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5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

徳島厚生年金事案 422 第 1 委員会の結論申立人の 申立期間に係る標準報酬月額については 当該期間のうち平成 14 年 4 月から同年 12 月までの期間については30 万円 15 年 4 月から同年 12 月までの期間については20 万円 16 年 4 月から同年 12 月までの期間については

11総法不審第120号

第1 審査会の結論

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 ( 平成 12 年厚生省告示第 20 号 ) 介護保険法第 46 条第 2 項及び第 58 条第 2 項の規定に基づき 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準を次のように定め 平成 12 年 4 月 1 日から適用する 一指定居宅介護支

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

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は 国が新たに補助を行うこととされた しかし 既存の特養ホームの改築 大規模改修等については国の補助の対象となっていないため 特養ホームが施設の改修等を行うに当たっては 自己資金の確保が重要となっている (3) 社会福祉法人の財務諸表社会福祉法人は社会福祉法 ( 昭和 26 年法律第 45 号 )

遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 国 ) 第 号 第 1 結論昭和 52 年 4 月から同年 8 月までの請求期間及び昭和 52 年 9 月から昭和 56 年 12 月までの請求期間については 国民年金保険料を納付した期間に訂

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諮問番号 : 平成 29 年度諮問第 5 号答申番号 : 平成 29 年度答申第 7 号 答申書 第 1 審査会の結論 福祉事務所長 ( 以下 処分庁 という ) が審査請求人に対して行った生活保護法 ( 昭和 25 年法律第 144 号 以下 法 という ) 第 63 条に基づく費用返還決定処分 ( 以下 本件処分 という ) に係る平成 29 年 5 月 18 日付け審査請求 ( 以下 本件審査請求 という ) は棄却されるべきであるとする審査庁の判断は 妥当である 第 2 審査関係人の主張の要旨 1 審査請求人本件の生命保険の解約返戻金は少額で 保護開始時の保護費の半額の手持金は保有が認められているので法第 63 条の返還の理由にはならない また 本件の解約返戻金は臨時的収入であり 収入認定の際に控除が認められる8,0 00 円を下回るため 返還の必要はない さらに 本件処分に係る審査請求人の債務は 地方自治法第 236 条に基づき5 年の経過により時効消滅している したがって 本件処分には理由がないので取り消されるべきである 2 審査庁 (1) 結論審理員意見書のとおり 本件審査請求は棄却されるべきである (2) 理由本件の解約返戻金は 日々の消費に対応するためいつでも使用可能な状態にはなかったといえるため 保護開始時の程度の決定に際し配慮する 家計上の繰越金 に当たらない 法第 63 条を適用する場合で 保護開始時から資力を有していた場合は 必要経費等を除き実際の受給額全額を返還の対象とすべきであり 収入認定の際に認められる控除等は適用されない 法第 63 条による返還決定日の前 5 年間を超える保護費については消滅時効 1

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護の事務については 生活保護法 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 生活保護法による保護の実施要領について ( 昭和 36 年 4 月 1 日厚生省発社第 123 号厚生事務次官通知 以下 次官通知 という ) 生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて ( 昭和 38 年 4 月 1 日社保第 34 号厚生省社会局保護課長通知 以下 課長通知 という ) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会 援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) に基づいて行われている (2) 課長通知 ( 第 10の10-2) によれば 保護開始時に保有する金銭のうち保護の程度の決定に際し配慮する手持金とは 日々の消費に対応するためにいつでも使用可能な現金又は預貯金を指すものと考えられる 本件においては 生命保険の解約手続を行い 審査請求人の口座に現金が振り込まれなければ日常生活において自由に使用できる手持金とはいえず 処分庁が生命保険解約返戻金を保護開始時に保有する資産として取り扱ったことは適切であるといえる (3) 問答集問 13-23によれば 法第 63 条を適用する場合で 保護開始時から資力を有していた場合は 必要経費等を除き実際の受給額全額を返還の対象とすべきであり 次官通知により収入認定の際に認められる控除等は適用されない 審査請求人は処分庁から自立更生費についての説明はなかったと主張しているが 自立更生費の控除は認められず 説明の有無は問題とはならない (4) 問答集問 13-18によれば 法第 63 条に基づき返還額の決定をする日が当該請求権を行使する日となり その日の前 5 年間を超える保護費につい 2

ては消滅時効が完成する 本件においては 処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから平成 24 年 3 月 2 日以前の保護費について消滅時効が完成するが 平成 24 年 3 月 3 日を始期としてその日以降支給した保護費について返還を求めることとなる (5) 処分庁は 審査請求人に対し本件処分の通知書及び納入通知書を送付し 法第 63 条を適用した根拠を説明し 審査請求人は了承しているため 手続においても適切に本件処分を行ったものである 第 4 調査審議の経過 平成 29 年 12 月 11 日 審査庁から諮問 平成 30 年 1 月 11 日第 1 回審議 同年 1 月 25 日第 2 回審議 同年 2 月 15 日第 3 回審議 第 5 審査会の判断 1 本件審査請求に係る審理手続について本件審査請求に係る審理手続は 適正に行われたものと認められる 2 審査会の判断について (1) 本件処分について法第 4 条第 1 項は 保護は 生活に困窮する者が その利用し得る資産 能力その他あらゆるものを その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる ( 保護の補足性 ) と定めている これを受けて 法第 63 条は 被保護者が 急迫の場合等において資力があるにもかかわらず 保護を受けたときは 保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して すみやかに その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない と定めている このうち 保護開始時に資力を有する場合について 問答集問 13-23 は もし保護の開始時点で資力が活用可能な状態にあれば それは現金化することにより最低生活の維持のために当てられていたものであるから 必要 3

経費等を除き実際の受給額全額 を法第 63 条の返還の対象とすべきとしている そこで 本件についてみると 審査請求人は急迫状態にあり 直ちに保護する必要があるとして 平成 22 年 7 月 9 日の申請時点から保護が開始され その後の調査によって 失効した生命保険解約返戻金の請求権を有していることが同年 8 月 25 日に判明している この請求権は 保護開始時点で解約手続をとっていれば現金化することにより最低生活の維持のために当てられていたものであるから 保護開始時の資力に当たると認められる そうすると 処分庁が 解約返戻金の額に相当する受給額全額の返還を求めた本件処分は 法令 通知に示された解釈に基づくものであり 違法又は不当な点はない (2) 審査請求人の主張について ア 手持金の該当性について 審査請求人は 本件の生命保険は保護の開始時点で既に失効して保険としての機能を失っており その解約返戻金は現金としての意味しかないものであるから 保有を認められる手持金に当たると主張している この点 課長通知 ( 第 10の10-2) は 保護開始時に保有する金銭のうちいわゆる家計上の繰越金程度のものについては 程度の決定に当たり配慮する こととして 手持金の保有を一定の範囲で容認している しかし 一般に生命保険の解約返戻金を請求するには一定の手続が必要であるから 本件の解約返戻金は 保護開始時において保有が認められる 家計上の繰越金程度のもの とは性質が異なる よって 手持金に当たるという審査請求人の主張は採用できない イ 収入認定の際の控除の適用について 審査請求人は 解約返戻金が預金口座に振り込まれ 現金化された時点をもって収入とみることができ 収入認定の際の控除が適用されるべきと主張する しかし 問答集問 13-23は 資力の発生時点に着目して 保護開始時に資力を有している場合は 収入認定の際に認められる控除は適用しな 4

いとしている これによると 本件の解約返戻金は 前述のとおり保護開始時の資力と認められるから 収入認定の際の控除は適用されない したがってこの点の審査請求人の主張は採用できない ウ 時効について 審査請求人は 本件処分に係る審査請求人の債務は時効消滅していると主張する 問答集問 13-18は 法第 63 条の返還請求権の消滅時効について 資力の発生の事実があったとき以降いつでも 保護の実施機関が決定した額について法律上の返還請求権を行使することができる ので その消滅時効の起算点を 資力があるにもかかわらず保護を受けたとき と解し 実際に当該請求権を行使する日( 法第 63 条に基づき返還額の決定をする日 ) 前 5 年間を超える保護費については 消滅時効が完成したものとして 取り扱うとしている 本件においては 平成 22 年 7 月 9 日の保護開始以降 保護費の支給が継続していたため 本件処分が行われた平成 29 年 3 月 3 日の前 5 年間に支給された保護費に対する法 63 条返還請求権については 消滅時効が完成していないとする審査庁の判断は相当である したがって 審査請求人の時効消滅の主張も採用できない 3 結論以上により 本件処分に違法又は不当な点は認められないから 本件審査請求は棄却されるべきであるとする審査庁の判断は 妥当である 第 6 付言 本件処分に当たっては 処分庁が平成 23 年 12 月に審査請求人に対し失効した生命保険の解約を促してから 平成 29 年 2 月に改めて解約を促すまで5 年以上の間の経過が記録上確認できない 仮に 長期間放置した上で返還を求めているのであれば 被保護者に不公正感を与えかねず 事務処理のあり方として妥当とはいえない 地方自治法における地方公共団体の有する金銭債権の消滅時効などを踏まえ 5

ると 適切な事務手続が求められる 熊本県行政不服審査会 第 1 部会 委員出田孝一 委員倉田賀世 委員谷山則男 6