はじめに P1 Ⅰ 豊後大野市幼児教育の現状と課題 P2~3 1 幼児数の変遷... P2 2 幼児教育の現状... P2~3 3 幼児教育の課題... P3 Ⅱ 豊後大野市幼児教育の基本方針 P4~7 1 豊後大野市幼児教育の基本... P4 2 豊後大野市幼児教育のねらい... P5 (1) 育

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1 幼児期の教育 保育と小学校教育の違い 幼児期の教育 保育と小学校の教育では 発達の段階の違いだけでなく 教育課程等の違いもあります まずは相互を理解することが必要です 幼児期の教育 保育と小学校教育との間には このように教育課程や指導方法の相違点がある一方で 5 歳児から小学校低学年までの発達の

幼保連携型認定こども園教育・保育要領 中央説明会

乳児期からの幼児教育について 大阪総合保育大学 大方美香

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

幼児期の教育と小学校教育との円滑な接続の在り方について ( 報告 ) ( 概要 ) 子どもの発達や学びの連続性を踏まえた幼児期の教育 ( 幼稚園 保育所 認定こども園における教育 ) と児童期の教育 ( 小学校における教育 ) の円滑な接続の在り方について検討し 以下のとおり 報告をとりまとめた 1

学習指導要領改訂の方向性

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

資料6 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の再整理イメージ(たたき台)

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

第 1 章 札幌市幼児教育振興計画の策定 本計画は 主に幼稚園教育を対象とする 本計画は 平成 18 年度から概ね10 年間を計画期間とし 今後はこの方向性に基づいて早期に具体的な施策 ( アクションプログラム ) を打ち出していく 本計画は 社会情勢の変化などに対応し 必要に応じて計画の見直しを行

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

幼児の実態を捉えると共に 幼児が自分たちで生活をつくり出す保育の在り方を探り 主体的 に生活する子どもを育むための教育課程及び指導計画を作成する 3 研究の計画 <1 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉える 教育課程 指導計画を見直す <2 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉え その要因につ

3 平成 29 年 3 月に幼稚園教育要領 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育 保育要領が改訂され 来年度から全面実施されます 新幼稚園教育要領等では 改訂の基本的な方針として 1) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 の明確化 健康な心と体 自立心 協同性 道徳性 規範意識の芽生え 社会生

幼児教育とは: 幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂を受けて

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

【160420】とりまとめイメージ目次

Microsoft PowerPoint 森ㆨè⁄ªç—¶ã‡™æ´»çfl¨ã†Šã†�ä¿šè‡²å¹¼å–’æŁŽè‡²ã†«éŒ¢ã†Žã‡‰è⁄ªæ²»ä½fi剛強ä¼ı-è³⁄挎(山呣朕絇盋).pptx

エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

幼児教育概要版案 xbd

基本方針 これまでも幼稚園は幼稚園教育要領に 保育園は保育所保育指針に基づいた幼児教育 保育を展開してきた また 平成 20 年 3 月の大幅な改定により 3 歳児から5 歳児の教育に関する内容では整合性が図られている しかし 統一されたカリキュラムがないことで 幼稚園と保育園の内容に違いがあるかの

ハンドブックp10-14:東京都教育委員会

(2) 施設の状況 幼稚園施設は 昭和 50 年前後に建築され 築 30 年以上が経過しています ( 表 2) ( 表 2) 公立幼稚園施設一覧 施設名称 竣工年月 構造 階数 酒匂幼稚園 昭和 48 年 2 月 鉄筋コンクリート造 ( 一部鉄骨造 ) 地上 2 階 東富水幼稚園 昭和 46 年 3

目 次 1 実施方針策定の趣旨 P. 1 2 振興計画に基づく取組みと求められる対応 P. 1 (1)Ⅰ 期期間中の取組み (2) 新制度のもと求められる対応 3 当面の実施方針 P. 2 (1) 基本となる考え方 (2) 当面の実施方針 4 新制度のもとでの市立幼稚園 P. 3 (1) 市立幼稚園

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地域の幼児教育の拠点となる幼児教育センターの設置及び「幼児教育アドバイザー」の育成・配置に関する調査研究 実施報告書(2年次)(4)

第3部 次世代育成支援対策(前期行動計画) 第3章 子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備

主な取組 質の高い幼児教育の推進 幼稚園教育要領の内容の定着を図るため幼稚園において 幼児の実態等を踏まえた適切な教育課程を編成し 家庭や地域と連携 協力しつつ幼児教育を推進します 幼稚園において運動遊びを充実させ 幼児の体力向上を目指します ふかやこども園モデル園運営事業に係る3 歳児受入れ 平日

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を


草津市 ( 幼保一体化 ) 集計表 資料 4 幼児教育と保育の一体的提供のための現況調査 ( 施設アンケート ) 速報 平成 25 年 7 月草津市 1

【参考資料1】審議のまとめ反映版

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資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

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幼稚園と小学校の連携の在り方について 学びの連続性 の視点に立って考察する 3 研究内容と考察 (1) 学びの連続性 に立った幼稚園と小学校の連携とは何か中教審の答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について は 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえ 今後の幼児教育の方向性と

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中央説明会 改訂幼稚園教育要領 幼稚園教育要領の改訂について 主な改訂内容 平成29年 7月 文部科学省 初等中等教育局 幼児教育課 1

平成 29 年度児童発達支援センターバンビ事業計画 1. 基本方針 児童発達支援センターバンビは相模原市南区の発達障害児の療育を遂行するため 以下の基本理 念 療育基本指針に則りサービスを提供する 1) 基本理念 1 児童一人ひとりに対する丁寧な 根拠 ある療育相模原療育園の医療スタッフとの連携によ

1

2 教育及び保育の 標 Q17 認定こども園法第 9 条に規定する6つの教育及び保育の目標の達成に努めるとともに これらが満 3 歳未満の園児の保育にも当てはまることを理解している Q18 第 2 教育及び保育の内容に関する全体的な計画の作成 教育及び保育の内容に関する全体的な計画は 教育及び保育を

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高松っ子いきいきプラン策定の趣旨 本プランは, 就学前の子どもが幼稚園 保育所 幼保一体化施設など, どこに在籍していても, 等しく質の高い教育 保育を受けられるよう, 各施設が積み上げてきたものを生かしつつ, 今後, 重点的に取り組むための方針や具体的な取り組みを示しています さらに小学校との連携

を生かした環境を構成することも求められます 3 安全で保健的な環境次に 施設などの環境整備を通して 保育所の保健的環境や安全の確保などに努めること としています 子どもの健康と安全を守ることは保育所の基本的かつ重大な責任です 全職員が常に心を配り 確認を怠らず 子どもが安心 安全に過ごせる保育の環境

Taro-H29 教育課程編成届3

1 小学校入学前の子どもの学びとは 幼児期の生活のほとんどは 遊びによって占められています 子どもは遊びを中心として 頭も心も体も動かして様々な対象と直接関わりながら 総合的に学んでいます (1) 幼児教育と子どもの学び 幼稚園の遊びの一場面子どもたちがものを転がす遊びに集中しています 子どもたちは

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彦根市立城陽幼稚園 幼稚園の特色 本園は 荒神山を間近に仰ぎ 琵琶湖岸まで広がる田畑や犬上川 宇曽川の両河川に囲まれた 自然に恵まれたところに位置し 旧市街地と新興住宅地が点在する地域にあります 平成 3 年 ( 旧 ) 平田幼稚園の一室を借りて開園し 翌年 3 月 日夏町の現在地に移りました 今年

地域子育て支援拠点事業について

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第2節 茨木市の現況

1 一日の生活の連続性及びリズムの多様性への配慮 (1) 全体的な計画の作成幼保連携型認定こども園教育保育要領第 1 章総則では 幼保連携型認定こども園の 全体的な計画 の作成について示されています 全体的な計画は 保育所保育指針における保育課程 幼稚園教育要領における教育課程に当たります また 全

山口県教育庁社会教育・文化財課

目 次 第 1 章趣旨 1 第 2 章プログラムの位置付け 2 第 3 章基本的な考え方 2 第 4 章育てたい幼児像 3 第 5 章これまでの取り組み 3 第 6 章基本施策 5 1. 保育所 幼稚園 認定こども園等における充実した幼児教育の提供 2. 発達や学びの連続性を踏まえた幼児教育の充実

ポイント 1: 幼児教育と小学校教育の特徴や違いを理解する 保幼小の円滑な接続に向けて まずは 幼児教育と小学校教育の特徴や違いを理解することが重要です 幼児教育 幼児期の教育では 幼児の自発的な活動としての 遊び を通して 様々な体験や学びの芽生えを積み重ねることができるよう 保育者が環境を構成し

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(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

人間関係を深めるとともに, 児童が自己の生き方についての考えを深め, 家庭や地域社会との連携を図りながら, 集団宿泊活動やボランティア活動, 自然体験活動などの豊かな体験を通して児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない その際, 特に児童が基本的な生活習慣, 社会生活上の

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

幼児教育部会における審議の取りまとめ

平成 30 年度なごや小学校努力点推進計画 1 研究主題なかまとともに感性輝くなごやっ子 (1 年次 ) 2 研究主題について本校では 昨年度までの努力点研究において 道徳や特別活動の時間を中心に 子ども一人一人の成長と互いの認め合いをめざすことで 子ども自らが なごや小でよかった と感じられるよう

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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農山漁村での宿泊体験活動の教育効果について

第4章 道徳

Taro-平成30年度 幼児教育に関す

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

補足説明資料_教員資格認定試験


子ども・子育て支援新制度における教育委員会の役割について 3

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

幼保連携型認定こども園教育・保育要領告示文

基本施策情報活用能力の育成を図ります 幼児教育の推進 にあたっては 幼児期が生涯の人格形成の基礎を培う大切な時期であるとの認識のもと 子どもたちの心身の発達に資する質の高い幼児教育を推進します 2 人との絆や自然との関わりの中で伸びゆく豊かな心の育成 子どもたちが生命を大切にする心や思いやりの心 感

総合的な学習の時間とカリキュラム・マネジメント

第 2 第 3 第 4 食育の推進 環境及び衛生管理並びに安全管理 災害への備え 第 4 章第 1 第 2 第 3 子育ての支援子育ての支援全般に関わる事項幼保連携型認定こども園の園児の保護者に対する子育ての支援地域における子育て家庭の保護者等に対する支援 - 2 -

説明会の内容 1 事業計画について 1 2 認定こども園について 2 3 認定こども園での教育 保育について 3 4 認定こども園の概要 ( 案 ) について 1 施設の所在等 2 施設の規模 3 開園時期 4 主な配置施設 5 5 認定区分 6 保育日及び保育時間 7 利 定員 6 8 認定区分に

目次 第 1 章策定の趣旨 1 第 2 章現状と課題 2 第 3 章基本理念と基本目標 4 第 4 章基本方針 6 第 5 章担い手とその役割 10 用語の定義 本指針において使用する用語の定義は以下のとおりとします 乳幼児期 生後から小学校に入る前まで 幼児期 概ね3 歳から小学校に入る前 幼児教

北見市特別支援教育の指針 平成 25 年 11 月

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

保育をシンプルにする 1 子どもと現状把握からスタートする子どもの心や体は大丈夫か? もっとこうしてあげたいという願い専門的視点と時代の要請から 2 プランが生まれる! 見通しを持つそうだ こうしよう! ( 例 ) 船であそこへ行こう! (5 つの要素 ) 船 スタッフ プラン 目的 旅の意義園舎

八街市教育振興基本計画(平成26年~平成35年)

幼稚園教育要領解説

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訂されている 幼稚園 小 中学校学習指導要領改訂の基本的な考え方として 次の 3つがあげられる 1. 子供たちに求められる資質 能力を明確にし それらを社会と共有していくという社会に開かれた教育課程を実現していく 2. 現行学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で 知識の理解の質を高めていく 3

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H30全国HP

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

公立保育所 石岡市みなみ保育所 設置者石岡市電話番号 石岡市月岡 1375 番地 2 号計 99 名 (3 歳 :31 名 4 歳 :34 名 5 歳 :34 名 ) 3 号 計 41 名 ( 0 歳 3ヵ月 ~:9 名 1 歳 :14 名 2 歳 :18 名 ) 標準時間

幼稚園 保育所ができること 一緒にやりましょう! 幼稚園 保育所は 子ども同士がふれあう以外に 保護者同士が交流できる場でもあります ここでは 各幼稚園 保育所が保護者と連携するとともに 保護者同士のふれあい つながりづくりに向けた取組みを記載しています 1 ( 幼稚園 保育所 ) 幼稚園 保育所と

PowerPoint プレゼンテーション

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平成 30 年度豊後大野市公立幼稚園 幼児教育方針 豊後大野市教育委員会 平成 30 年 3 月

はじめに P1 Ⅰ 豊後大野市幼児教育の現状と課題 P2~3 1 幼児数の変遷... P2 2 幼児教育の現状... P2~3 3 幼児教育の課題... P3 Ⅱ 豊後大野市幼児教育の基本方針 P4~7 1 豊後大野市幼児教育の基本... P4 2 豊後大野市幼児教育のねらい... P5 (1) 育みたい資質能力 ------------------------------------------ P5 (2) 基本となる 5 領域のねらい ---------------------------------- P5 (3) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 --------------------- P6~7 Ⅲ 幼児教育の実際 P8~11 1 教育課程の編成について... P8 2 幼稚園教諭の専門性向上... P9 3 特別支援教育の充実... P9 4 学びの連続性を踏まえた小学校との連携... P10 5 家庭や地域との連携... P10 6 子育て支援... P11

はじめに 幼児期は 生活や遊びなどの体験を通して人と関わる力 感性 表現する力など生涯にわたる人間形成の基礎が培われる大切な時期であり 幼児教育は義務教育をはじめ その後の学習活動につながる重要な役割を担っています 基本的な生活習慣の乱れ 規範意識の希薄化 コミュニケーション能力の不足などは 幼児期の育ちが影響していると言われており これらの解決が課題になっています そのような中 生活や遊びなどの体験を通して 様々な体験を積み上げさせるなど幼児教育のさらなる充実を図ることが求められています 幼児を取り巻く環境は 人々の価値観や生活形態の多様化に伴い 急速に変化しています また 家庭や地域の教育力の低下も指摘されており 幼児の実態からは 自立が遅れている 集団になじめないなど 発達の個人差による課題が多くみられるようになっています さらに 近年 問題になっている小学校入学後に 集団学習や生活に適応できないといった小 1プロブレムの解消に向けて組織的な取り組みをする必要があります そのためには 市内の公立幼稚園や私立幼稚園 保育園 ( 所 ) 認定こども園が相互に連携をとって幼児教育を含む就学前教育の充実を図ることが必要です また 子どもを取り巻く環境や生活様式などが大きく変化する中 子育てに関する悩みや不安 孤立感を抱えている保護者や職業に就いているものの子どもを幼稚園に通わせたいという保護者もいることから そのような保護者への支援が課題となっています 子ども 子育て関連 3 法に基づく 子ども 子育て支援新制度 が平成 27 年 4 月より導入され 地域の子育て支援の量の拡充や幼児期の教育 保育の質の向上が求められています 公立幼稚園は現在 三重幼稚園 東幼稚園 新田幼稚園 ( 休園中 ) おおのさくら幼稚園 千歳幼稚園 通山幼稚園があり 平成 29 年度は 5 歳児 53 名 4 歳児 15 名の在籍があります 公立幼稚園では 利用者負担額の変更と4 園 ( 三重幼稚園 東幼稚園 おおのさくら幼稚園 通山幼稚園 ) で預かり保育 (5 2 名利用 ) を実施しています 今後も 保護者のニーズに応える幼稚園教育を提供していく必要があります - 1 -

Ⅰ 豊後大野市幼児教育の現状と課題 1 幼児数の変遷 平成 25 年度平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度平成 29 年度 三重幼稚園 24 24 14 13 22 東幼稚園 34 21 23 9 15 新田幼稚園 3 5 休 6 休 おおのさくら 29 26 25 16 16 幼稚園 (4 歳児 9) (4 歳児 13) (4 歳児 8) (4 歳児 3) (4 歳児 10) (5 歳児 20) (5 歳児 20) (5 歳児 17) (5 歳児 13) (5 歳児 6) 千歳幼稚園 15 17 15 20 8 通山幼稚園 20 23 17 10 7 (4 歳児 9) (4 歳児 16) (4 歳児 5) (4 歳児 4) (4 歳児 4) (5 歳児 11) (5 歳児 7) (5 歳児 12) (5 歳児 6) (5 歳児 3) 合計 125 116 94 74 68 ア菅尾幼稚園 百枝幼稚園 長谷幼稚園は 平成 27 年度より廃園し 平成 29 年度現在は 三重幼稚園 東幼稚園 おおのさくら幼稚園 千歳幼稚園 通山幼稚園が開園し 新田幼稚園が休園している イ園児数は 5 年間で半減している 2 幼児教育の現状 ア現在 5つの園にて 豊かな自然環境 少人数の良さを取り入れた教育 が遊びを通して行われている イ教育課程についても 5 領域 健康 人間関係 環境 言葉 表現 を複合的にバランスよく取入れた 1 期 2 期 3 期 4 期 年間の活動で構成されたものを作成 運用している ウ市主催の研修を 幼稚園職員 市内保育所 子ども園職員も参加し 年 3 回行っている 内容は平成 29 年度幼稚園教育課程地区別協議会教育 - 2 -

課程研究会に係るもので 教育の今日的課題や実際の公開保育を通しての協議会を行っている エ家庭や地域との連携を生かした教育を行い 幼児が多くの 人 こと もの にふれあう機会をつくり 体験的な遊びを通しての学びを行っている オ接続する小学校との連携を生かした教育では 小学生とのふれあい活動を通して 人間関係形成に役立っている また 小 1プロブレムの解消にもつながっている カ子育て支援として 各園で預かり保育を実施している キ未就園の子どもを対象に 園庭開放や体験活動などを行っている 3 幼児教育の課題 ア幼児数の確保が課題イ園の教育方針を もっと保護者に理解してもらう必要がある ウ新しい教育課題に対応するための 教職員の研修の機会確保が必要となる しかし 預かり保育等のため 参加が難しい面もある エ家庭の多様化により 教育内容や子育て支援も個に応じたニーズが高まっている オ特別支援を要する子どもは 一人一人対応が違うので その子どものニーズに合った支援計画などの作成が必要となる カ小学校との接続を考えると 小学校区に幼稚園があるといいが 人数確保に課題が生まれ幼稚園教育の基本である集団による教育が難しくなる キ地域との連携もよりすすめる必要がある - 3 -

Ⅱ 豊後大野市幼児教育の基本方針 1 豊後大野市幼児教育の基本 豊後大野市は 日本ジオパークの認定を受け 自然豊かな環境を生かしたさまざまな体験活動が可能で 幼児教育には適した環境があります 公立幼稚園では 教師と幼児との十分な信頼関係のもとに幼児期の特性を踏まえて教育を行う必要があります 環境を通して行う教育 遊びを通して行う教育 を基本とする幼稚園教育要領 ( 平成 30 年新幼稚園教育要領施行 ) の下 幼児が身近な環境に主体的に関わり 環境との関わりや意味に気づき これらを取り込もうとして試行錯誤したり考えたりするプロセスを通して 幼児教育にて育みたい資質能力 ( 知識及び技能の基礎 思考力 表現力 判断力等の基礎 学びに向かう人間性等 ) の育成をめざします そのため 幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿を見通した教育課程を編成し 幼児一人ひとりの個性を把握して その個性に適応した指導方法の工夫改善に努めなければなりません また 地域と連携をとった体験活動を重視し 幼児期にふさわしい豊かな感性を培います さらに 幼小連携 家族との会話や幼児同士の遊びを通して健全な生活習慣を確立するとともに コミュニケーション能力や規範意識などの社会性を育成していきます このような幼稚園における幼児教育を土台にして 連続する小中学校のキャリア教育につなげ 子どもたちが将来 学び と 将来の仕事や夢 を主体的に自己実現できるよう 幼児教育を 豊後大野市 3Dヘプタゴン教育 の一環として取り組みます 主体的な自己実現をめざして ~ 15 に春を ~ 3D ヘプタゴン 多面的な教育の実現をめざした 3 次元空間で育てる豊後大野っ子 - 4 -

2 豊後大野市幼児教育のねらい 幼児教育では 幼児からの発達の連続性や 資質 能力 を中心とした考 え方によって 小学校以降で育む 知識及び技能 思考力 判断力 表現 力等 学びに向かう力 人間性等 の 基礎を培うことをねらいとします (1) 育みたい資質能力 1 知識及び技能の基礎 2 思考力 判断力 表現力等の基礎 3 学びに向かう力 人間性等 (2) 基本となる 5 領域のねらい 1 健康 健康な心と体を育て 自ら健康で安全な生活をつくり出す力を育成する 2 人間関係 他の人々と親しみ 支え合って生活するために 自立心を育て 人と関わる力を育成する 3 環境 周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり それらを生活に取り入れていこうとする力を育成する 4 言葉 経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し 相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て 言葉に対する感覚や言葉で表現する力を育成する 5 表現 感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して 豊かな感性や表現する力を育成し 創造性を豊かにする - 5 -

(3) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 1 健康な心と体幼稚園生活の中で充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ 見通しをもって行動し 自ら健康で安全な生活をつくり出せるようになる 2 自立心身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で しなければならないことを自覚し 自分の力で行うために考えたり 工夫したりしながら 諦めずにやり遂げることで達成感を味わい 自信をもって行動するようになる 3 協同性友達と関わる中で 互いの思いや考えなどを共有し 共通の目的の実現に向けて 考えたり 工夫したり 協力したり 充実感をもってやり遂げるようになる 4 徳性 規範意識の芽生え友達と様々な体験を重ねる中で してよいことや悪いことが分かり 自分の行動を振り返ったり 友達の気持ちに共感したりし 相手の立場に立って行動するようになる また きまりを守る必要が分かり 自分の気持ちを整理し 友達と折り合いを付けながら きまりをつくったり 守ったりするようになる 5 社会生活との関わり家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに 地域の身近な人と触れ合う中で 人との様々な関わり方に気付き 相手の気持ちを考えて関わり 自分が役に立つ喜びを感じ 地域に親しみをもつようになる また 幼稚園内外の様々な環境に関わる中で 遊びや生活に必要な情報を取入れ 情報に基づき判断したり 情報を伝え合ったり 活用したりするなど 情報を役立てながら活動するようになるとともに公共の施設を大切に利用するなどして 社会のつながりなどを意識するようになる - 6 -

6 思考力の芽生え身近な事象に積極的に関わる中で 物の性質や仕組みなどを感じ取ったり 気付いたりし 考えたり 予想したり 工夫したりするなど 多様な関わりを楽しむようになる また 友達の様々な考えに触れる中で 自分と異なる考えがあることに気付き 自ら判断したり 考え直したりするなど 新しい考えを生み出す喜びを味わいながら 自分の考えをよりよいものにするようになる 7 自然との関わり 生命尊重自然に触れ感動する体験を通して 自然の変化などを感じ取り 好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら 身近な事象への関心が高まるとともに自然への愛情や畏敬の念をもつようになる また 身近な動植物に心を動かされる中で 生命の不思議さに気付き 身近な動植物への接し方を考え 命あるものとして関わるようになる 8 数量や図形 標識や文字などへの関心 感覚遊びや生活の中で 数量や図形 標識や文字などに親しむ体験を重ねたり 標識や文字の役割に気付いたりし 自らの必要感に基づき これらを活用し 興味や関心 感覚をもつようになる 9 言葉による伝え合い先生や友達と心を通わせる中で 絵本や物語等に親しみながら 豊かな言葉や表現を身に付け 経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり 相手の話を注意して聞いたりし 言葉による伝え合いを楽しむようになる 10 豊かな感性と表現心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で 様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き 感じたことや考えたことを自分で表現したり 友達同士で表現する過程を楽しんだりし 表現する喜びを味わい 意欲を持つようにする - 7 -

Ⅲ 幼児教育の実際 1 教育課程の編成について 幼児は 遊びを通して成長することから 幼稚園においては 幼児期の発達の特性を踏まえ 幼児教育の基本である遊びを通しての教育の充実を図りながら 安定した情緒のもとで 知識及び技能の基礎 思考力 判断力 表現力等の基礎 学びに向かう力 人間性等 を養い 生きる力 の基礎をはぐくむ幼児教育の教育課程編成を推進します (1) 新幼稚園教育要領の趣旨や意義を踏まえ 幼児期の終わりまでに育っ てほしい姿を見通した編成を行います そして 主体的 対話的で 深い学び を実現できるよう具体的な指導の手立てを講じます (2) 健康 人間関係 環境 言葉 表現 の 5 領域がバランスよく 取り入れられた単元構成を行い 自主性や社会性 言語能力や知的能 力を育成します (3) 教育課程の評価改善を促進し カリキュラム マネジメントを実施し ます (4) 小学校との接続を意識したアプローチカリキュラムを作成し活用しま す (5) 家庭や地域との連携を取入れます (6) 支援を要する子どもの個別の支援 指導計画を作成し活用します (7) 豊後大野市 3D ヘプタゴン教育の要であるキャリア教育で育む 人間 関係形成能力 を あらゆる教育活動にて育むようにします 人間関係形成能力 とは 多様な他者の考えや立場を理解し 相手の意見を聴いて自分の考えを正確に伝えることができるとともに 自分の置かれている状況を受け止め 役割を果たしつつ他者と協力 協働して社会に参画し 今後の社会を積極的に形成することができる力である 要素としては 他者の個性を理解する力 他者に働きかける力 コミュニケーション スキル チームワーク リーダーシップ等があげられる - 8 -

2 幼稚園教諭の専門性向上 幼稚園の教員等には 教育にたずさわる者としての責任感や使命感 深い幼児理解を基礎として 協力し総合的な指導を展開する力 多様な保育ニーズに対応する力量を養うことが求められています そこで 園内 園外における各種研修の充実を図るとともに 教員等は 日々の保育や生活の中においても 常に自己啓発 自己研鑽に努めます (1) 新幼稚園教育要領の趣旨や意義の周知及び理解を図ります (2) 教育課程研における園内研修の実施 園外研修への参加を積極的に推進し 教育の今日的課題解決に努め 実践力の向上を図ります (3) 研究協議会を定期的に開催し 研修を深めるとともに 各園の課題の解決を図ります (4) 実践交流 人事交流 幼稚園間の情報交換を促進し 幼稚園教諭の資質向上を図ります (5) 接続を見通し 小学校教育についての理解を深めます (6) 学校評価について理解を深め 全職員で学校評価を実施し 園の教育の質を高めます 3 特別支援教育の充実 幼稚園においては 知的 情緒 肢体不自由などの障がいだけでなく LD ( 学習障がい ) ADHD( 注意欠陥 / 多動性障がい ) 高機能自閉症なども含め 障がいのある幼児について 一人一人の教育的ニーズや発達の課題を的確に把握し 遊びや生活上の困難を改善または克服するため 適切な指導や教育的支援を行います (1) 個別の配慮が必要な幼児の指導方法について 合理的配慮を提供する観点から 園内で 教職員全体の協力体制をつくりながら 安全面の確保 施設の整備等に共通理解を図り 教育にあたります (2) 個別の支援計画 指導計画を作成し 指導に活用します (3) 医療福祉などの専門機関と連携し 教育相談にあたり指導に生かします - 9 -

4 学びの連続性を踏まえた小学校との連携 全国的にも いわゆる 小 1プロブレム と呼ばれる問題が発生する中 幼稚園と小学校とがそれぞれの教育目標や指導の内容 方法などについて 情報を共有するとともに生活の連続性に配慮しつつ 小学校との連携 接続の取組の充実に努め 小学校以降の生活や学習につなげる教育を推進します (1) 小学校の教育活動への円滑な接続を図るためのアプローチカリキュラム スタートカリキュラムの充実を図ります (2) 公立幼稚園の園児と小学校の児童の交流活動 公立幼稚園教諭と小学校教職員の交流を促進します (3) 幼児教育と小学校教育の円滑な接続に関する県や市等で開催される研修会に参加します 5 家庭や地域との連携 幼稚園においては 保護者や地域住民の幼児教育への関心を高め 園の教 育方法や幼児の生活について理解と協力を得るために 保護者や地域住民と 積極的な連携に努めます (1) 家庭や地域の方に参観保育や行事などに参加してもらうことを通して 園の教育方針の理解を図ります (2) 家庭や地域の方の参観保育や行事などを積極的に行い 子どもたちに多様な教育の機会を提供します (3) 家庭や地域に 園の教育方針や教育活動を 積極的に広報します - 10 -

6 子育て支援 幼稚園は 保護者の子育てを積極的に支援するため 園舎 園庭の開放 子育て講演会 子育て相談 子育てに関する情報提供 保護者同士の交流の機会を提供するとともに 教育 児童福祉機関などと密接な連携を図り 子育て支援活動の一層の充実に努めます (1) 子育て相談や園の開放日を設定し 子育ての相談を受ける体制をつくります (2) 預かり保育を実施し 子育て支援を行います 地域の実態や子育てニーズを十分検討しその充実に努めます 実施に当たっては 適切な指導体制を整えるとともに 幼児の心身の負担に配慮した保育内容 方法 実施時間の工夫を図ります (3) 児童館や放課後児童クラブとの連携を深めます - 11 -