Microsoft Word - 09 大阪市

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事業事前評価表 国際協力機構地球環境部環境管理第一チーム 1. 案件名 国名 : パキスタン国案件名 : 和名パンジャブ州上下水道管理能力強化プロジェクト英名 Project for Improving the Capacity of WASAs in Punjab Province 2. 事業の背

1 姉妹都市締結式 (1) 日時平成 28 年 12 月 7 日 ( 水 )17:30 から (2) 場所ヒルトン福岡シーホーク (3) 締結者福岡市長髙島宗一郎ヤンゴン市長マウン マウン ソー 2 締結記念レセプション (1) 日時平成 28 年 12 月 7 日 ( 水 )18:30 から (2

01〔物件明細〕【高架下②】(摂津市鳥飼本町).xlsx

PPP/PFI方針案

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ディスポーザ排水処理システム申請等 手引書 平成 29 年 4 月 柏 市

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再販入札⇒先着順物件調書

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提案評価基準

地域再生計画 1 地域再生計画の名称清らかな森と水のまちづくり いせの水環境再生計画 2 地域再生計画の作成主体の名称伊勢市 3 地域再生計画の区域伊勢市の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 伊勢市の概要伊勢市は 三重県の東南部に位置し 面積は 平方キロメートルである 市内面積の約

水 ) 融雪用水 植樹帯散水用水 道路等の清掃 散水用水 農業用水 工業用水への供給 事業場等への直接供給などがある 下水汚泥については バイオマス ニッポン総合戦略や京都議定書目標達成計画など 地球温暖化対策を推進することが求められている その有効利用量は平成 22 年度に約 78% に達したが

H29 審議会次第

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令和元年 8 月 23 日九州地方整備局 記者発表資料 九州の下水道整備状況について ( 平成 30 年度末 ) 平成 30 年度末の九州の下水道整備状況を取りまとめました 下水道の整備状況 平成 30 年度末の九州の下水道処理人口普及率が67.2% になりました 昨年度から0.5% 増 (H29

Microsoft Word - 05 横浜市

Taro jtd

発刊にあたって 発刊にあたって 山形市長佐藤孝弘 山形市の下水道 ( 汚水 ) は 昭和 40 年に供用を開始して以来 50 年にわたり 市民生活に欠くことのできない重要な都市基盤として さまざまな課題を克服しながら 施設の整備拡張を図り 現在では市内のほとんどの家庭において下水道をご利用いただける

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類似業務対象国 / 類似地域語学の種類 下水道計画に係る各種調査パプアニューギニア / 全途上国英語 5. 条件等 (1) 参加資格のない社等 : なし (2) 必要予防接種 : なし 6. 業務の背景現在 首都 ポートモレスビー市沿岸部には下水処理場が存在しておらず 十分な処理をされていない下水の

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寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

札幌市水道局 ウランバートル市送配水機能改善支援協力事業 ( 草の根技術協力事業 地域活性化特別枠 ) 2016 年 2 月 1 日 ~2019 年 12 月 31 日 モンゴル国の首都ウランバートル市において 水道の送配水に関する技術移転などを通じて水道技術者の育成を行うことを目標とし 将来の同市

横 浜 市 排 水 設 備 要 覧

(2) 実現可能性調査の実施の支援具体的な案件 ( 民間事業者による下水熱利用の取組が望ましい ) に対する実現可能性調査の実施を支援する (2 回程度の派遣を想定 ) なお 実現可能性調査を実施する場合 本事業では支援対象団体より提供されたデータを基に分析を行うことを前提とする また 派遣にあたっ

スライド 1

Microsoft Word - (資料)包括委託の課題と対処に関する検証・評価

平成

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平成18年度標準調査票

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欠であり 運輸交通分野を中心に膨大なインフラ投資が必要になると見込まれる これらのインフラ整備にあたっては 案件ごとにマスタープランから工事まで段階を踏んで検討 建設が進められるが 対象地の地形などを確認 把握するため 検討段階に応じた精度の地図が必要となる 現在 同国では基本的な測地基準点網が整備

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事業計画及びストックマネジメントに関する Q&A ( 平成 29 年 3 月版 ) 目次 Ⅰ 事業計画及びストックマネジメントに関する共通の Q&A(Q1) Ⅱ 事業計画に関するQ&A 1. 制度全般 (1) 事業計画の必要性 (Q1~Q7)

相馬市 橋梁長寿命化修繕計画 平成 28 年 12 月 福島県 相馬市建設部土木課

淀川水系流域委員会第 71 回委員会 (H20.1 審議参考資料 1-2 河川管理者提供資料

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スライド 1

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

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名 称 最上川流域下水道置賜浄化センター 位 置 山形県南陽市宮崎地内他 処理方式 標準活性汚泥法 処理能力 全体 20.2 千立方メートル / 日 今回 20.2 千立方メートル / 日 土木工事 ( 耐震 ) 流入渠施設 土木工事 ( 更新 ) 沈砂池施設 土木工事 ( 更新 ) 最初沈殿池施設

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平成 25 年度農林水産省委託業務報告書 平成 25 年度 水資源循環の見える化 調査 検討事業 報告書 平成 26 年 3 月 みずほ情報総研株式会社

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Microsoft Word - P20~P21 処理施設

普通財産の売却及び利活用の基本方針

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キ入札参加グループの構成員は 他の入札参加者の構成員に加わることはできない ク事業者は 本工事の一部を下請業者に発注する場合は 可能な限り当該契約の相手を地元企業から選定するよう努めなければならない なお 地元企業とは 諫早市に本社 ( 本店 ) を置く者とする ケ入札参加グループ以外の地元企業への

公共下水道 私たちは 日常の生活や社会生活の活動のなかで たくさんの水を使っています ここで使われた水をそのまま自然に流し続けると 川や海は汚れを増していくこととなり やがて生活に必要なきれいな水が欲しいときに 手に入れることがむずかしくなってしまうようになります 必要な水を いつまでもきれいなまま

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民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 ( 平成 11 年法律第 117 号 以下 PFI 法 という ) 第 7 条の規定に基づき 大阪市海老江下水処理場改築更新事業 ( 以下 本事業 という ) を特定事業として選定したので 同法第 11 条の規定に基づき特定事業の選定に係る

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目 次 1 本書の位置付け 落札者決定の手順 落札者の決定... 5

Microsoft Word 修正【起案】29_手引き_利用者

質問1

事務事業名水路整備事業担当部局 課 浸水被害の防止及び生活環境の改善を図るため 排水路の整備及び排水管渠の築造を行う 浸水被害の防止と生活環境の改善を図るため 主として内水域における水路の整備を行う D. の協力や参加を得ながら 行政の主体性のもとに行う領域 D. の協力や参加を得ながら 行政の主体

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1. 平成 28 年度公益社団法人船橋市清美公社事業報告書 第 49 期 平成 28 年 4 月 1 日から平成 29 年 3 月 31 日まで 法人の全体的事項当法人は 廃棄物の処理等環境衛生事業を行い 市民生活の向上に寄与することを目的として 昭和 43 年に設立された社団法人であり 平成 24

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資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

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地下水の水質及び水位地下水の水質及び水位について 工事の実施による影響 ( 工事の実施に伴う地下水位の変化 地下水位流動方向に対する影響 並びに土地の造成工事による降雨時の濁水の影響及びコンクリート打設工事及び地盤改良によるアルカリ排水の影響 ) を把握するために調査を実施した また

第1編 春日井市下水道事業の現状と課題

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市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

一太郎 10/9/8 文書

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事業事前評価表 国際協力機構社会基盤 平和構築部 運輸交通 情報通信グループ第二チーム 1. 案件名国名 : バングラデシュ人民共和国案件名 : 和名国際空港保安能力強化プロジェクト英名 The Project for Security Improvement of International Ai

目次 Ⅰ 本書の位置づけ... 1 Ⅱ 受託者選定の手順... Ⅲ 参加資格審査... 3 Ⅳ 一次審査 ( 基礎審査 )... 3 Ⅴ 二次審査 ( 技術審査 ) 二次審査の考え方... 4 二次審査の審査項目及び配点 入札価格以外の審査項目の得点化方法... Ⅵ 入札

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資料 6-1 仙台市下水道事業会計 平成 27 年度補正予算 平成 28 年度当初予算説明資料 ( 平成 28 年第 1 回定例会 ) 1. 事業計画 2. 収益的収入及び支出 3. 資本的収入及び支出 4. 企業債 5. 建設改良事業の概要 6. 債務負担行為 7. 予算雨水汚水内訳表 仙台市建設


タイトル

類似業務対象国 / 類似地域語学の種類 各種評価調査インドネシア / 全途上国英語 5. 条件等 (1) 参加資格のない社等 : なし (2) 必要予防接種 : なし 6. 業務の背景インドネシア政府は 食料安全保障や農家の所得向上を政策上の優先課題の一つとして位置付けており 2013 年 7 月に

平成18年度標準調査票

開発許可申請の手引き 平成 31 年 4 月改訂 熊本市都市建設局

1 日本再興戦略 2016 改革 2020 隊列走行の実現 隊列走行活用事業モデルの明確化ニーズの明確化 ( 実施場所 事業性等 ) 技術開発 実証 制度 事業環境検討プロジェクト工程表技高齢者等の移動手段の確保 ( ラストワンマイル自動走行 ) 事業モデルの明確化 ( 実施主体 場所 事業性等 )

管路リスク 管路の老朽化のリスクです 経年劣化による腐食や破損などにより管路に不具合が生じるかどうかを評価するリスクです 管路に 不具合が生じると トイレが使えなくなったり 道路陥没の原因となることがあります 破損した管路 管路の破損による道路陥没 リスク評価結果 リスク評価は 下水道台帳の情報や改

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1

Microsoft Word - 現地調査説明会資料(インドネシア)(最終案) (厚労省修正)

第 2 回姫路市下水道事業経営懇話会会議録 ( 要約 ) 14 時 00 分開会 14 時 02 分事務局による説明 投資 財政計画について 14 時 24 分質疑開始 質疑要旨 問下水道使用料は 水道使用量と同量を下水道に流したものとして請求されるが 水道を使っても洗車 散水など下水道には流さない


( 仮称 ) 大阪新美術館の運営への PFI 手法導入に向けた マーケット サウンディング ( 市場調査 ) 実施要領 平成 29 年 11 月 大阪市経済戦略局

2) 管理数量 下水道 終末処理場には汚水と雨水用の施設があります 管理数量は次のとおりで す 表 2-26 下水道 終末処理場の管理数量 施設名種別数量備考 下水道 ( 汚水 ) 下水道 ( 雨水 ) 汚水管きょ下水道終末処理場中継ポンプ場汚水低地排水ポンプ雨水管きょ雨水低地排水ポンプ雨水ゲート

新潟中越地震における行政機関の初動対応.doc

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スタイルシェルフ 〈クローク収納プラン〉

2

Transcription:

平成 25 年度自治体国際協力促進事業 モデル事業 ミャンマー国 ヤンゴン市 汚水処理改善事業 大阪市 一般財団法人 1 都市技術センター

1. 事業実施に係る経緯ミャンマーにおける 2011 年 3 月の新政府誕生 民政移管を支援する国際的な取り組みの一環として 日本政府は 過去の円借款延滞債権の放棄や 25 年ぶりの円借款再開を実施しており 日本企業のミャンマー進出が加速すると期待されている 一方 ミャンマーでは 長らく続いた軍事政権の影響もあり 電力 通信をはじめとして様々なインフラ整備が遅れており 上下水道施設の整備も大きく不足している 特にヤンゴン市の下水道人口普及率は約 7% と言われており 下水道未整備地域におけるオンサイトの生活排水処理の整備が求められている 大阪市 大阪府と経済団体で構成する 大阪水 環境ソリューション機構 においても ミャンマーにおける水 環境技術の展開に大いに関心があり 平成 24 年 2 月に関西経済連合会によるミャンマー現地調査に参加し 水 環境事業に関する本市や関係企業の技術力についてヤンゴン市等に説明した また 平成 24 年 9 月には 松井大阪府知事のヤンゴン市長表敬訪問に参加し 水 環境分野の様々な問題解決に協力していくことを報告した 平成 24 年度はさらに 国土交通省調査業務の ミャンマー国下水道整備計画等策定業務 において 大阪市が参画する官民連携チームが採択を受け 官民連携チームによりヤンゴン市における雨水排水および下水道施設の現状 今後の施設整備や維持管理等に係る課題を調査し 整備計画等を策定 提案や意見交換を行った 2. 事業の目的本事業では 大阪市建設局とヤンゴン市都市開発委員会 ( 以下 YCDC とする ) の上下水道局との技術交流を実施することにより 高度経済成長期に水質汚濁等の環境問題を克服してきた大阪市の経験やノウハウを効果的にヤンゴン市都市開発委員会に移転し また 下水道未整備地域におけるオンサイト排水処理施設のパイロット事業の計画作成を目的とする なお パイロット事業実施については 他の援助スキームの活用を検討する 3. 事業内容 (1) 事業概要平成 25 年度実施の事業概要は 以下のとおりであり 大阪市建設局と ( 一財 ) 都市技術センターが協力して実施した 1 専門家派遣 ( 日本での研修内容調整 下水処理場視察を含めた技術指導及び講義 ) 2 日本での下水道分野の研修 (2) 対象機関について 1 対象機関ヤンゴン市都市開発委員会上下水道局 2 対象機関の概要 2

ヤンゴン市の行政機関である YCDC は 20 部局から構成されている これらの部局の中で上下水道を担当しているのは Engineering Department(Water & Sanitation) である また 汚水処理の管轄部署は上下水道局 (Engineering Department, Water Supply and Sanitation) の衛生部 (Sanitation Division) である (3) 専門家派遣について 1 出張先ミャンマー国ヤンゴン市 2 期間平成 25 年 6 月 9 日 ( 日 )~15 日 ( 土 ) 3 出張者大阪市建設局下水道河川部水環境課から技術者 1 名 ( 一財 ) 都市技術センター事業部事業企画課長 ) 4 専門家派遣の目的 昨年度に実施した下水処理場調査に基づくアドバイスを現地研修として実施する 下水管渠の現状調査 平成 25 年 9 月に実施する YCDC 職員 (3 名 ) の日本での研修に関する調整 5 日程日時 内容 6/ 9( 日 ) 終日移動 ( 関空 ~ バンコク ~ ヤンゴン ) 6/10( 月 ) 6/11( 火 ) 6/12( 水 ) 6/13( 木 ) 6/14( 金 ) YCDC 上下水道局との打合せ / 本邦研修計画の提案 YCDC への講義 YCDC との下水管渠維持管理に関する打合せ下水管渠の視察ミャンマー国 ヤンゴン市上下水道調査に関するヒアリングガンドージ湖の視察下水処理場視察本邦研修運営に関する調整ヤンゴン市郊外の視察ヤンゴン出発 6/15( 土 ) 帰国 ( ヤンゴン ~ バンコク ~ 関空 ) 3

6 成果 YCDC 上下水道局との打合せ / 本邦研修計画の提案昨年度までの取組状況の報告を行い また その内容を踏まえ 今年度実施する本邦研修計画を提案し 内容の確認を行った YCDC への講義下水処理場調査結果について講義を行った MLSS が高すぎることは問題であるが 必要写真 2 YCDC 打合せ状況な量の高分子凝集剤を調達できない等の様々な問題の中で 工夫して維持管理している状況が分かったことを伝えた 下水管渠の視察圧送管及び取付管の現地調査を行った 圧送管の内側には 数センチ程度の石膏状の付着物がある状況を確認し また取り付け管及びマンホールについて 清掃 点検等が今後の課題であることが確認できた 写真 3 Inspection Chamber を開けた様子 ( かなり硬くなった管内側の付着物 ) 写真 4 取付管のマンホール (200mm パイプ ) 写真 5 Inspection Chamber の例 写真 6 Inspection Chamber の確認 4

ミャンマー国 ヤンゴン市上下水道調査に関するヒアリング現在のマスタープランの状況について 担当者にヒアリングを行い 今後の展開について確認した ガンドージ湖視察湖から雨水排水溝への outlet を確認した また 付近の雨水排水溝について 生活排水の放流状況を確認した 写真 7 Kandawgyi 湖から雨水排水溝への Outlet( 大量のアオコ発生 ) 写真 8 Kandawgyi 湖脇の雨水排水溝 ( 生活排水が放流されている ) 下水処理場視察等下水処理場の改善に関する意見交換を実施した 維持管理の問題点について議論し アドバイスを行うと共に 現地にて今後の維持管理に役立つよう 放流部の四角堰の水位測定による放流水量測定のデモを行った 写真 9 下水処理場改善に関する意見交換 写真 10 四角堰で放流水量簡易測定のデモ 5

本邦研修に関する打ち合わせ本邦研修を行うため 必要書類の確認及び 準備に必要な日数等について確認をおこなった ヤンゴン市郊外の視察ヤンゴン市郊外に計画中である新都市候補地について視察を行った (4) 日本での研修について 1 研修員ヤンゴン市都市開発委員会 (YCDC) の上下水道部下水道課の技術職員 3 名 2 目的下水道分野全般に関する技術移転 3 研修日程平成 25 年 9 月 2 日 ( 月 )~7 日 ( 土 ) 4 主な研修内容 大阪市副市長表敬訪問 大阪市の下水道事業概要 管渠施工の講義と視察 ( シールド工法 推進工法等 ) 写真 11 研修風景 下水管渠の維持管理 下水処理 汚泥処理の概要 下水処理場視察 ( 大阪市中浜下水処理場 寝屋川南部流域下水道竜華水みらいセンター ) 5 研修結果 推進工法の講義と視察ヤンゴン市では 市街地中心部のみ下水道が普及しており 現在使用している管渠は 100 年以上前に敷設されたものであり 管渠の修復 更新は 喫緊の課題である 一方 ヤンゴン市中心部の交通渋滞は特に顕著であり 非開削工法の導入は避けられないと思われる 今回の研修で必要となる推進工法に関する技術を効果的に移転することができた 写真 12 推進工法の視察 6

酸素利用速度測定の実習ヤンゴン市の下水処理場では 大量のセプティックタンク汚泥を受け入れていること 汚泥引抜量が不足していることから 良好な生物処理が行われていない 良好な生物処理の判断指標として 顕微鏡観察と酸素使用速度測定の実習を行った 研修員は ヤンゴン市でも必要な分析器具等の準備を進めていることから 今回の実習内容を現地で実施する意向を示していた 写真 13 酸素利用速度の測定 新旧下水処理場の視察中浜下水処理場 ( 視察した西系処理場は 昭和 43 年供用開始 ) と竜華水みらいセンター ( 平成 22 年供用開始 ) を視察した 中浜下水処理場では 機器の予防保全や補修により下水処理場を長期間使用している状況や 消化ガス発電等の汚泥有効利用を視察した また竜華水みらいセンターでは 下水処理場上部空間利用の実例を視察するとともに 遠方監視により無人で運転している現在の日本の下水処理場の実態を確認した 4. まとめ平成 24 年度は 国土交通省による ミャンマー国下水道整備計画等策定業務 への参加 平成 25 年度は本事業の実施により ヤンゴン市都市開発委員会と大阪市建設局及び ( 一財 ) 都市技術センターの技術協力関係が強化され JICA の草の根技術協力 ( 地域経済活性化特別枠 ) の案件を提案し 平成 25 年 11 月に内定通知を得た 今後もヤンゴン市の環境改善のための技術移転や 下水道案件の事業化に向け 市間の連携を深めていきたい 写真 14 副市長表敬 7