第3回成長資金の供給促進に関する検討会配付資料

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平成22 年 11月 15日

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20 21 The Hachijuni Bank, LTD.

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手続には 主たる債務者と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか 手続には 保証人と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか A. 利害関係のない中立かつ公正な第三者 とは 中小企業再生支援協議会 事業再生 ADRにおける手続実施者 特定調停における調停委員会

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なお 検証に当たっては 特に以下の点に留意する イ.~ニ.( 略 ) 改正後 なお 検証に当たっては 特に以下の点に留意する イ.~ニ.( 略 ) ( 新設 ) ホ. 経営に実質的に関与していない第三者と根保証契約を締結する場合には 契約締結後 保証人の要請があれば 定期的又は必要に応じて随時 被保

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中小企業等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置

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貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移

目次 事例番号 支援決定日 支援対象事業者 ( 業種 ) 1 平成 27 年 3 月 17 日 機械器具小売事業者 2 平成 27 年 3 月 31 日 非預金信用事業者 3 平成 27 年 6 月 9 日 その他の卸売事業者 4 平成 27 年 7 月 7 日 管工事事業者 5 平成 27 年 9

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PYT & Associates Attorney at law

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地域金融円滑化のための基本方針 川之江信用金庫は 地域金融機関として 中小企業の健全な発展と一般大衆の豊かな生活実現に努め 地域社会に貢献するため 以下の方針に基づき 地域金融の円滑化に全力を傾注して取り組んでまいります また 金融円滑化に関する相談 申込 苦情等への適切かつ迅速な対応 お客様の経営

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第 1 府令第 6 条第 1 項第 1 号に規定する法第 4 条および第 5 条の規定に基づく措置の実施に関する方針の概要 金融円滑化管理に対するする基本方針当組合は 中小企業者等に対する金融円滑化を図るための臨時措置に関する法律 を受け 最近の経済金融情勢および雇用環境も踏まえ 中小企業や個人事業

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入札公告 次のとおり一般競争入札に付します なお 本入札に係る落札及び契約締結は 当該業 務に係る平成 2 7 年度本予算が成立し 予算示達がな されることを条件とするものです 平成 2 7 年 2 月 5 日 分任支出負担行為担当官 関東地方整備局関東技術事務所長 山元 弘 1 調達内容 ( 1

変更後金融機関が指定金融機関の指定を受ける場合は 認定計画ごとに指定金融機関の指定申請書 ( 以下 指定申請書 という ) を作成のうえ 内閣府地方創生推進室への提出が必要となります 指定金融機関の指定には ⅱ) の要件を満たしていることが必要となります 変更前金融機関が指定金融機関の指定を受ける場

問 2 戦略的な知的財産管理を適切に行っていくためには, 組織体制と同様に知的財産関連予算の取扱も重要である その負担部署としては知的財産部門と事業部門に分けることができる この予算負担部署について述べた (1)~(3) について,( イ ) 内在する課題 ( 問題点 ) があるかないか,( ロ )

平成 30 年 8 月 31 日 平成 31 年度の財政投融資計画要求書 ( 機関名 : 株式会社日本政策金融公庫 ( 特定事業等促進円滑化業務 )) 1. 平成 31 年度の財政投融資計画要求額 ( 単位 : 億円 %) 平成 31 年度平成 30 年度対前年度比区分要求額当初計画額金額伸率 (1

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国際協力銀行 (JBIC) の海外インフラ支援事業に関する要望 わが国政府は 成長戦略の重要な柱の 1 つとしてインフラシステム輸出を位置づけており 2016 年 5 月に公表した 質の高いインフラ輸出拡大イニシアティブ においても 今後 5 年間にインフラ分野に対して 約 2,000 億ドルの資金

横浜市記者発表資料 平 成 2 6 年 5 月 8 日 経 済 局 金 融 課 経 済 局 経 営 創 業 支 援 課 株式会社日本政策金融公庫横浜支店 公益財団法人横浜企業経営支援財団 横浜市と日本政策金融公庫と横浜企業経営支援財団が協定を締結! ~ 市内の創業 ベンチャー企業の成長と発展に向けて

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8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

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信用供与についての対応と同様 法令には かかる負担軽減の申込み等についての対応について具体的な内容は明示されていません その内容は 各金融機関の規模 特性その他の個別の状況を踏まえて決定されることになります 金融検査マニュアルの金融円滑化編チェックリスト等において 各対応をとるにあたって考慮すべき事

スキル領域 職種 : マーケティング スキル領域と MK 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

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Transcription:

資料 3 事業再生への取り組みと事業再生における課題認識について 平成 26 年 10 月 23 日

静岡銀行の取り組みについて

1 静岡銀行における経営改善 事業再生支援の取り組み ( 全体像 ) 要旨を記載 1. 経営改善支援 経営改善支援は 通常の融資関連業務 と位置づけ 営業店法人担当者が一人一社以上の経営改善支援に取り組む全行運動を平成 16 年と平成 23 年の過去 2 回にわたり実施 本部専担部署にて営業店の経営改善計画の策定支援状況を検証 全行的なスキルアップを図る 2. 事業再生支援 事業再生支援は 事業価値 再生可能性ならびに経済合理性 地域経済への影響等を勘案して 本部専担部署を中心にグループ会社と連携して対応 3. 転 廃業支援 事業再生支援取り組み件数 取り組み件数支援完了件数 69 70 ( 件 ) 62 62 60 55 50 40 30 17 20 15 14 8 10 0 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 ( 上期 ) 経営改善 事業再生の困難な取引先企業の転業 廃業への各種相談に対応 併せてハンズオン支援を展開 4. 地域活性化支援 個別企業の再生 ( 点の再生 ) に加え 地公体や地元経済団体と連携して温泉街や商店街など集積地域への集客という観点から地域一体再生 ( 面の再生 ) に取り組んでいる

2 事業再生支援の事例 ~ リスクマネー供給とターンアラウンドマネージャー招聘 経 要旨を記載緯 A 社は業績悪化により 既存の取引金融機関からの資金調達が困難となり 資金繰りが急速に悪化 当行は A 社の技術力などを高く評価 原価 生産管理が強化されれば事業再生が可能と判断し着手 スキーム図 A 社 取り組み内容 事業再生計画の策定支援 ターンアラウンドマネージャー招聘 新規融資対応 中小企業再生支援協議会と連携し 当行主導により再生スキームを策定 A 社が事業再生のスペシャリストを招聘 再生計画の履行管理などガバナンスを強化 資金繰りを安定させるため 取引金融機関に先駆けて新規融資を実行 静岡銀行 ( メイン ) 金融機関 成 果 新規融資の実行を含む当行の取組姿勢の明示 全取引金融機関による支援体制を構築 A 社の取引先等 商事債権者への影響を回避 最低限の雇用も維持 現時点での A 社の資金繰りは安定 業績も回復 事業再生計画に基づく支援体制構築 金融機関 金融機関 金融機関

3 事業再生支援の事例 ~ 資本性借入金の活用 要旨を記載経緯 スキーム図 B 社は多額の売掛金 貸付金債権が不良化 不良化した債権回収に目処がたたず 資金繰りが逼迫 ( 実質債務超過 ) B 社の地域経済に与える影響も考慮し 事業再生支援が必要と判断し着手 資本性借入金の導入 B 社 再生計画の策定 支援 取り組み内容 B 社の主要仕入先と協力のもと 再生計画の策定を支援 メイン金融機関として 実質債務超過相当額の既存金融債務を資本性借入金 (DDS) へ切り替え 成 果 当行の取組姿勢を明確に示した結果 B 社の主要取引先も 同社に対する支援を表明 他の取引金融機関に対して実質債務超過解消を通知することで 協調体制を維持 現時点では B 社の業績は計画を上回って推移 静岡銀行 ( メイン ) 債務超過解消により支援体制を維持 B 社の主要仕入先金融機関金融機関金融機関金融機関

事業再生に関する課題認識

対象企業内部取引金融機関4 経営改善 事業再生への取り組みに関する課題と期待する方向性 要旨を記載 現状の課題期待する方向性 ( 要望事項 ) 株主構成 株主経営者 経営者一族 = 株主 のため ガバナンスが欠如する傾向 事業の選択と集中 単一事業のみ運営している中小企業が多数で建て直しには抜本的な改革と適切な人材が必要 金融機関によってスタンスが千差万別 個別金融機関毎 経営改善 事業再生に対するスタンスが相違 私的整理段階における金融機関間での合意形成が大きな障壁 リスクマネー供給の限界 再生ステージにある企業への資金供給取組の強化が必要となるため 民間金融機関単体での対応には限界 1 私的整理手続きにおける多数決制度の導入 迅速な意思決定による再生機会の極大化 合理的理由がない反対金融機関に対する抑止力 2 民間企業の人材活用のための補助制度制定 人材確保のコスト負担軽減 事業再生における経営資源の欠如を補完 目利き 人脈 をもつ民間人材の活用 3 民間資金と公的資金との協調制度の導入 公的機関と協調したリスクマネー供給で事業再生の実現性を向上 民間金融機関活用により公的金融機関の店舗網 マンパワーの限界を補完

要望事項 1 ~ 私的整理手続きにおける多数決制度の導入 要望事項 要旨を記載 私的整理手続きにおける多数決制度の導入 第三者機関 (REVIC 再生支援協議会など ) の再生計画認定を前提に 債権者の多数決による意思形成を可能とする 現状の課題 現行は対象債権者全員の同意が再生計画の成立要件 合理的理由が乏しくとも反対表明を行う金融機関が少数とはいえ実在 時間ロスによる再生機会の喪失 企業価値の減少 法的整理手続と私的整理手続における比較 準拠法 手続機関 法的整理 民事再生法 会社更生法 裁判所 私的整理 なし ただし 各私的整理手続は準則化 本来はなし ただし 準則化された私的整理手続きでは第三者機関が実施 秘密性公開非公開 期待効果 私的整理手続きの迅速化 再生機会の極大化 対象企業に対する支援円滑化 合理的理由に乏しい反対金融機関への抑止力 対象債権者 弁済禁止効 個別執行の禁止 計画の成立 手続き開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権すべて あり 多数決 原則として金融債権者のみ なし ただし 一時停止の通知等の手続きあり 対象債権者全員の同意 出所 : 藤原敬三 実践的中小企業再生論 ( きんざい ) より 5

6 要望事項 2 ~ 経営人材 事業承継者確保に要するコスト負担 要望事項 要旨を記載 経営人材 事業承継者確保に要するコストの補助 助成経営人材やターンアラウンドマネージャー等の導入に要する費用負担軽減で 事業再生を内部から支援 現状の課題 中小企業には内部管理体制 人材が十分でない先が多い 民間人材派遣会社では 経営人材リストを充実 再生企業は資金余裕なく 導入コストの負担感あり 外部人材招聘に要するコスト 人材派遣会社への紹介 斡旋料 外部人材に対する報酬 住居手当 帰省旅費等 初年度年収の 30%~35% 年間 /10 百万円 ~ 単身赴任の為の賃貸住居費帰省する為の交通費 期待効果 事業再生計画が成功する可能性が格段に向上 金融機関と企業との共通認識が醸成しやすく 成長資金供給を促進 事業再生に加え 事業承継問題にも対応可能 事例 年間ベース 人材派遣会社への斡旋料 外部人材に対する報酬 住居手当 ( 静岡市内単身マンション ) 帰省旅費 ( 東京 ~ 静岡月 /4 回帰省 ) 4.2 百万円 (35%) 12 百万円 0.6 百万円 0.6 百万円計 17.4 百万円 REVIC における経営人材派遣事業については期待大 弾力的運用が為されることを要望

7 要望事項 3 ~ 民間資金と公的資金との協調制度創設 要望事項 要旨を記載 適正金利を前提とした民間資金と公的資金との協調制度や利子補給制度の創設長期資金の供給が可能な公的機関と 地域金融機関がもつ経営資源を併用することで 広範囲かつ効果的な支援を実現する 現状の課題 店舗網 人員に限りのある政府系金融機関のみでは地域の浸透力に課題 地域金融機関には対象企業の情報が蓄積するが 再生途上では長期資金供給という面でハードルが高い 民間金融機関 公的金融機関 強み 取引企業の情報が豊富 景気変動に関わらず長期資金の供給が可能 弱み 追加の成長資金 ( 長期 ) の供給に限界 店舗網 マンパワーに限界 期待効果 広範囲に支援制度が浸透 公的資金と民間資金が補完しあい 事業再生段階における成長資金の供給が可能 公的 民間のメリットを享受した支援が可能 公的金融機関と民間金融機関が競合することなく お互いの強みを活かした制度を創設することでより効果的な支援を展開することが可能となる

8 要望事項 4 ~ その他 要望事項 事業再生に係る不動産関連業務の取り扱い解禁 要望事項要 望事項 M&A における許認可及び資格等の柔軟な承継を可能とする措置を講じてほしい 現状の課題 事業承継や財務リストラ局面での金融サポートへのニーズの高まり 現状の課題 例 建設業の M&A 産活法の認定で許認可承継は可 公共工事入札ランク承継は 各省庁の個別判断で 承継出来ない事例もあり 期待効果 金融機関の再生業務へのインセンティブ向上 地域企業の新陳代謝促進 地域不動産マーケットの活性化 期待効果 迅速な事業承継の実現 事業価値毀損の抑止 経済合理性の向上

9 総括 地域経済の活性化を促すためには メイン行単独での取り組みだけでは不十分 他金融機関との協調体制に加え 資本性資金の供給機能の拡充といった従来の枠組みを超えた金融機能の発揮 目利き 人脈 を有する外部人材の活用 政府系機関との連携による対応が不可欠 政府等公的機関公的金融機関 外部人材 ( 経営サホ ート人材 ターンアラウント マネーシ ャー ) 民間金融機関 ( メイン行 ) 補助 助成 外部人材の導入ガバナンス強化 ( 内部管理体制の強化 ) 目利き 人脈 を活かした事業の立て直し エクイティを含めた資金供給シニア メザニン エクイティファイナンス 協調支援 ( 利子補給を含む ) 成長 再生 改善 対象企業 ( 事業会社 ) アップサイドリターンの享受