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計画相談支援 障がい児相談支援における特定事業所加算に係る基準の遵守状況に関する記録 ( 保存用 ) 平成年月サービス提供分 異動等区分 1 新規 2 継続 3 変更 4 廃止 加算の区分 1 特定事業所加算 (Ⅰ) 2 特定事業所加算 (Ⅱ) 3 特定事業所加算 (Ⅲ) 4 特定事業所加算 (Ⅳ)

Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用

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)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容

厚生労働省による 平成 30 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1) に対する 八王子介護支援専門員連絡協議会からの質問内容と八王子市からの回答 Q1 訪問看護ステーションによるリハビリのみの提供の場合の考え方について厚労省 Q&A(Vol.1) での該当項目問 21 問 22 問 23 A

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

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医療的ケア児について

07体制届留意事項(就労継続支援A型)

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

指定特定相談支援事業 指定障害児相談支援事業の指定に係る Q&A 注意事項事業の実施にあたっては, 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 や 児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 等を必ず確認

平成 28 年度第 3 回弘前市ケアマネジャー研修会 1. ケアプランの軽微な変更の内容について ( ケアプランの作成 ) 最新情報 vol.155 p.3 参照 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について( 平成 11 年 7 月 29 日老企 22 号厚生省老人保健福祉局企画課長

02_01_「Q&A VOL.1(平成30年3月30日)」

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

2コアメンバー会議の開催時期コアメンバー会議は 事実確認調査で得られた情報や相談 通報内容に基づき 緊急性を判断し 緊急性が高いと判断される事例については 早急に開催します 3 協議内容 虐待の事実認定情報の内容により虐待の事実の有無の判断を行います 情報の内容虐待の事実の有無の判断 高齢者の権利を

ファーストケアチーム 事業実施マニュアル 阿南市保健福祉部福祉事務所 介護 ながいき課 平成 28 年 6 月作成

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淀川区生活困窮者

01 【北海道】

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体

06 参考資料1 平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

改定事項 基本報酬 1 入居者の医療ニーズへの対応 2 生活機能向上連携加算の創設 3 機能訓練指導員の確保の促進 4 若年性認知症入居者受入加算の創設 5 口腔衛生管理の充実 6 栄養改善の取組の推進 7 短期利用特定施設入居者生活介護の利用者数の上限の見直し 8 身体的拘束等の適正化 9 運営推

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

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平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

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4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

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愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

障害児・発達障害支援_

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計画の今後の方向性

17★ 訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(平成十二年三月三十日 老企 厚生労働省老人保健福祉局企画課長通知)

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

別紙 常勤医師等の取扱いについて 1. 一日平均患者数の計算における診療日数 (1) 入院患者数ア通常の年は 365 日である イ病院に休止した期間がある場合は その期間を除く (2) 外来患者数ア実外来診療日数 ( 各科別の年間の外来診療日数で除すのではなく 病院の実外来診療日数で除すこと ) イ

保監第   号 

継続サービス利用支援 ( いわゆる モニタリング ) (1) 支給決定の有効期間内において これらのサービスが適切に利用できるようサービス等利用計画が適切であるかどうかを省令で定める期間ごとに利用状況を検証し その結果や心身の状況 環境 利用に関する意向 その他の事情を勘案し サービス等利用計画の見

もくじ 目的 目標 支援体制図 4 運用規準 ) 運用地域 ) 運用開始時期 ) 実施方法 4) 実施手順 5) 個人情報の取扱い 6) 運用に関する留意事項 5 資料 精神障害者の治療中断 4 精神障害者の治療中断の アセスメント項目 適用例 考え方 6

埼玉県特別養護老人ホーム優先入所指針 1 目的この指針は 特別養護老人ホーム ( 以下 施設 という ) のサービスを受ける必要性が高いと認められる者を優先的に入所させるため 施設が優先入所 ( 以下 入所 という ) に関する手続き及び入所の必要性を評価する基準等を制定する際の参考とすべき基準を明

地域生活支援事業サービス提供事業者登録要綱

平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

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7 時間以上 8 時間未満 922 単位 / 回 介護予防通所リハビリテーション 変更前 変更後 要支援 Ⅰ 1812 単位 / 月 1712 単位 / 月 要支援 Ⅱ 3715 単位 / 月 3615 単位 / 月 リハビリテーションマネジメント加算 (Ⅰ) の見直し リハビリテーションマネジメン

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平成 26 年 3 月 6 日千葉医療センター 地域医療連携ネットワーク運用管理規定 (Ver.8) 千葉医療センター地域医療連携ネットワーク運用管理規定 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この運用管理規定は 千葉医療センター地域医療連携ネットワーク ( 以下 千葉医療ネットワーク ) に参加

DOTS 実施率に関する補足資料 平成 26 年 12 月 25 日 結核研究所対策支援部作成 平成 23 年 5 月に改正された 結核に関する特定感染症予防指針 に DOTS の実施状況は自治体による違いが大きく実施体制の強化が必要であること 院内 DOTS 及び地域 DOTS の実施において医療

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看護師のクリニカルラダー ニ ズをとらえる力 ケアする力 協働する力 意思決定を支える力 レベル Ⅰ 定義 : 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する 到達目標 ; 助言を得てケアの受け手や状況 ( 場 ) のニーズをとらえる 行動目標 情報収集 1 助言を受けながら情報収集の基本

「平成30 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)(平成30 年3月28 日)」の送付について【介護保険最新情報Vol.633】(厚生労働省老健局老人保健課:H )

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

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2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

平成30年度精神保健に関する技術研修過程(自治体推薦による申込研修)

Ⅰ バイタルリンク 利用申込書 ( 様式 1-1)( 様式 ) の手続 バイタルリンク を利用する者 ( 以下 システム利用者 という ) は 小松島市医師会長宛に あらかじ め次の手順による手続きが必要になります 新規登録手続の手順 1 <システム利用者 ( 医療 介護事業者 )>

居宅介護支援事業者向け説明会

Q7: 判定様式には80% を超えるサービスのみ記載するのですか? それとも 80% を超える超えないに関わらず 居宅サービス計画に位置づけたサービスはすべて記載するのですか? A7: 80% を超える超えないに関わらず 居宅サービス計画に位置づけたサービスについて すべて記載してください Q8:

1_【鑑】「生活困窮者自立支援制度と介護保険制度との連携について(通知)」の一部改正について

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

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区分

特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 新旧対照表 改正後 特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 現行 ICT を活用した特定保健指導の実施の手引き 最終改正平成 30 年 2 月 9 日 1.ICTを活用した特定保健指導の実施者保険

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13【東京都再修正版】平成28年度第2回精神障害者の地域移行担当者等会議【事前課題】シート290222

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1. 地域ケア会議の定義, 法的な位置づけ狛江市 ( 以下 市 ) では, 多様な生活課題を抱えている高齢者が, 地域で安心して自分らしく生活できる環境づくりを進めるため, 介護支援専門員 ( ケアマネジャー ) 等への個別支援や関係機関 団体等の連携体制の構築を通じて, 介護支援専門員等が包括的か

精神疾患・精神障害のある方に特化した訪問看護の利用

第三者評価結果表 施設名救護施設下関梅花園 評価対象 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 評価項目 a b c Na 判断の理由 1 理念 基本方針 (1) 理念 基本方針が確立されている 1 理念が明文化されている 理念は明文化され 法人の中長期計画や事業団ホームページ上にも記 載されており その内

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第3章 指導・監査等の実施

スライド 1

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札幌市地域ケア会議推進事業実施要綱

の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

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事業内容

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

03-0減算(表紙)

Transcription:

精神障害者アウトリーチ推進事業の手引き 平成 23 年 4 月 厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部 精神 障害保健課

Ⅰ 事業の趣旨について 受入条件が整えば退院可能な精神障害者の地域移行に向けた施策については 医療計画の見直し 障害者自立支援法の施行等により 統合失調症をはじめとする入院患者の減少及び地域生活への移行に向けた支援並びに地域生活を継続するため 様々な取り組みを行っているところである 平成 15 年度からは 精神障害者地域移行支援特別対策事業 等の事業により 受け入れ条件が整えば退院可能な精神障害者の退院支援や地域生活支援を目的に各地域において支援を行い 一定の成果を上げている 一方 受療中断者や自らの意思では受診が困難な精神障害者には 日常生活を送るうえで 生活に支障や危機的状況が生じないためのきめ細やかな訪問 ( アウトリーチ ) や相談対応を行うことが必要とされている このような精神障害者が 精神疾患の重い症状により 日常生活上の困難が生ずると 医療を受けることが困難になり 更に症状が増悪して日常生活上の困難が増大するという悪循環に陥ってしまうこととなる このため 地域生活の維持には 医療と日常生活の支援の両方を提供する必要がある 本人の意向に寄り添う医療と生活支援を両立させるためには 精神科医 保健師 看護師等の保健医療スタッフと 精神保健福祉士等の福祉スタッフとが 多職種チーム として それぞれの技術及び価値観から多面的な視野のもとに共同して支援を行うことが極めて有効である また 精神疾患の症状は短時間に変化しうることから 状況を的確かつ迅速にアセスメントし 直ちに支援に反映できる必要がある 本手引きでは 精神障害者アウトリーチ推進事業実施要綱 について 事業の目的 実施方法等を整理し 説明を加えた 本手引きを参考に地域の関係者が連携 協力し 精神障害者の地域生活移行や地域生活の継続に向けた支援が効果的 効率的に実施されることを期待する

Ⅱ アウトリーチ支援実現に向けた考え方について 新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム の議題として アウトリーチ支援 の実現に向けた検討を行い 具体的な方向性と基本的な考えを下記のとおりとりまとめた ( 平成 22 年 6 月 17 日第 4 回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム ) 基本的な考え方 1 当事者の状態に応じた医療面の支援に加え 早期支援や家族全体の支援などの生活面の支援が可能となる多職種チームであることが必要 ( 医師 看護師に加え 生活面の支援を行うスタッフを含めた体制作り ) 2 財政面 地域における人材面の制約も考えると できる限り現存する人的資源を活用するとともに 地域支援を行う人材として養成することが必要 3 入院医療から地域精神保健医療へ職員体制等を転換する観点から アウトリーチ支援の実施を 医療機関が併せて病床削減に取り組むインセンティブとすることが望ましい 4 地域移行 地域定着を進める観点から 住まい の整備を併せて行うことが必要 5 各障害に共通した相談支援体制との関係を明確に整理し 障害福祉サービスや就労支援に向けた取組も円滑に利用できるようにすることが必要 具体的な方向性 1 地域で生活することを前提とした支援体系とする 2アウトリーチ支援で支えることができる当事者や家族の抱える様々な課題に対する解決を 入院 という形に頼らない 3 当事者 家族の医療に対する信頼を築くためには 最初の医療との関わりが極めて重要であり 医療面だけではなく 生活面も含め 自尊心を大切にする関わり方を基本とする 以上の考え方に基づき 関係機関と連携しながら 地域でアウトリーチ支援を進めていく必要がある

精神障害者アウトリーチ推進事業のイメージ 在宅精神障害者の生活を 医療を含む多職種チームによる訪問等で支える 想定されるチーム構成 ( 都道府県 ) 医療法人等に事業委託 ( モデル事業 ) 事業運営に係る評価委員会を設置 ピアサポーター ( 当事者 ) 作業療法士 看護師 家族等からの相談 精神科医 臨床心理技術者 ( 臨床心理士等 ) 対象者 1 受療中断者 2 未受診者 3 ひきこもり状態の者 4 長期入院の後退院し 病状が不安定な者 当分の間は主診断名が統合失調症圏 重度の気分障害圏 認知症による周辺症状がある者 ( 疑含み ) を主たる対象とする 相談支援専門員 精神保健福祉士 対象者の紹介 情報交換等による連携 受付 受理 ( 地域の関係機関 ) 保健所 市町村 医療機関 障害福祉サービス事業所 介護保険事業所 教育機関 地域自立支援協議会等 特徴 医療や福祉サービスにつながっていない ( 中断している ) 段階からアウトリーチ ( 訪問 ) を実施 精神科病院等に多職種チーム ( 他業務との兼務可 ) を設置し 対象者及びその家族に対し支援 アウトリーチチームの支援により 診療報酬による支援 ( 訪問看護等 ) や自立支援給付のサービスへつなげ 在宅生活の継続や病状安定をはかる 3 課題の解決を入院という形に頼らない これまで 退院促進事業を行ってきたが 退院後いかに再入院を防ぎ 地域に定着するか また 入院していない者であっても いかに入院につながらないようにするかが課題となっている 精神障害者地域移行 地域定着支援事業 地域生活 新たな入院を増やさない 精神科病院等 退院 地域生活への移行 地域生活 支援の遅れによる重症化 地域生活における支援体制が不十分なため 重症者の場合は強制的な入院によらざるを得ない 再入院を防ぐ 精神障害者アウトリーチ推進事業 未治療の者や治療中断している者等 ( 治療契約等が交わされていない者する ) に対し 専門職がチームを組んで 必要に応じて訪問支援を行う アウトリーチ により 保健 医療 福祉サービスを包括的に提供し 丁寧な支援を実施することにより 在宅生活の継続を可能にする いわゆるACT(Assertive CommnunityTreatment) とは 本来なら入院が必要となるような重症者を対象に 原則的には利用者と治療契約等が交わされ 医師 看護師 作業療法士 精神保健福祉士等の多職種による訪問形態であり わが国においては診療報酬等の対象サービスを活用して実践されている 2

Ⅲ アウトリーチ事業評価検討委員会の設置について 都道府県は 当該事業の実施に際し 医療 福祉 保健に携わる関係者 当事者 家族等から構成するアウトリーチ事業評価検討委員会を設置するとともに 3カ月に1 回以上開催し 以下に掲げる業務を行うものとする なお 都道府県自立支援協議会等の既存の組織を当該委員会として位置づけることは差し支えない また 評価委員会を運営するに当たっては 保健所及び精神保健福祉センター等の行政機関との連携を図ることとする 1 アウトリーチチーム ( 以下 チーム という ) の活動状況 ( 支援対象者の把握 支援内容 関係機関との連携等 ) の把握を行う 2 支援内容に係る定期的なモニタリング ( 支援対象者の病状及び生活全般の変化等 ) を行う 3 事業推進に向けた行政機関 ( 保健所 市町村 福祉事務所等 ) 障害福祉サービス事業所 医療機関等の関係機関への事業周知や円滑な実施に向けた調整を行う 4 精神病床削減計画の達成状況も含めた事業全体に係る評価 検証を行う なお 地域における支援体制等に関する課題が明らかになった場合は 地域自立支援協議会等と連携しながら 課題解消に向けた方策を検討するよう努めること 支援対象者の支援計画策定 モニタリング等については 委託機関が主催するケース カンファレンスにおいて行うものとする

アウトリーチ推進事業の評価等の流れ アウトリーチ推進事業評価検討委員会( 都道府県に設置 ) ( 構成 ) 医療 福祉 保健に携わる関係者 当事者 家族等 ( 検討内容 ) 1 アウトリーチチーム活動状況に係る現状把握 2 支援内容に係る定期的なモニタリング ( 対象者の病状及び生活全般の変化等 ) 3 行政機関 障害福祉サービス事業所 医療機関等の関係機関への事業周知や円滑な事業実施に向けた調整 4 事業全体に係る評価 検証 事業状況の報告等 事業に係る評価 検証等 ケース カンファレンス( 事業委託機関で原則週 1 回開催 ) ( 構成 ) アウトリーチチーム 関係機関 精神科医等 ( 精神科医は原則参加 ) ( 検討内容 ) 1 情報交換及び共有 2 支援目標の設定 3 具体的な支援内容 4 支援の開始時期及び終了時期 5 多職種チームの選定 6 協力機関 ( 者 ) の確認 保健所は 対象者の選定 ( 恣意的な選定にならないように留意 ) やケース カンファレンスにおける技術的な支援や助言指導を行うものとする 10

Ⅳ 事業運営について 1 目的受療中断者や自らの意思では受診できない等の理由により 日常生活上の危機が生じている精神障害者に対し 一定期間 保健 医療及び福祉の包括的な支援を行うことを目的とする 民間精神科病院等に医師 看護師 精神保健福祉士 相談支援専門員等の多職種から構成されるチームを配置し できるだけ入院をせずに地域生活の継続が可能となるための支援を行うものとする 2 支援対象者以下のいずれかに該当 ( 疑い例を含む ) し 支援が必要と考えられる者とする なお 持続的に障害をもたらしている主診断名が ICD-10 に基づく下記に該当する者とする また 支援対象者の選出に際しては 実施機関に関わりのある者 ( 過去に関わりがあった者も含む ) に偏らず 下記の状態にある者について 管轄保健所等からの助言指導を受ける共に ケース カンファレンスにおいて十分に検討を行うこと F0 認知症 ( 周辺症状 (BPSD) を伴う者 ) F2 統合失調症 統合失調型障害および妄想性障害 F3 気分 ( 感情 ) 障害 (1) 精神医療の受療中断者精神科医療機関の受診中断 又は服薬中断等により 日常生活上の危機が生じている者 (2) 精神疾患が疑われる未受診者地域生活の維持 継続が困難であり 家族 近隣との間でトラブルが生じるなどの日常生活上の 危機 が発生しており 精神疾患が疑われ 入院以外の手法による医療導入が望ましいと判断される者 なお 支援対象者が危機と捉えていなくとも 支援対象者が精神症状の悪化により生活上の困難をきたすと想定される場合も対象とする (3) 長期入院等の後退院した者や 入院を繰り返す者精神疾患による長期 ( 概ね 1 年以上 ) の入院 又は 入院を頻繁に繰り返し 病状が不安定な者

(4) ひきこもりの精神障害者特に身体疾患等の問題がないにも関わらず 概ね 6 カ月以上 社会参加活動を行わない状態や自室に閉じこもり家族等との交流がない状態が続いている者で 精神疾患による入院歴又は定期的な通院歴のあるもの又は 症状等から精神疾患が疑われるもの 新たなアウトリーチ支援の特徴等 主な対象者 1 受療中断者 2 未受診者 3 ひきこもり状態の者 4 長期入院の後退院し 病状が不安定な者 当分の間は主診断名が統合失調症圏 重度の気分障害圏 認知症による周辺症状がある者 ( 疑含み ) を主たる対象とする 精神科病院 精神科診療所の実施の場合は 自院以外の患者も対応する 具体的な支援内容 24 時間 ( 休日 夜間含 ) 対象者及び家族へ迅速な訪問 相談対応 ケアマネジメントの技法を用いた多職種チームによる支援 関係機関との連絡 調整及びケア会議の開催 特徴 医療や福祉サービスにつながっていない段階からのアウトリーチ ( 訪問 ) による支援を行う 医療と日常生活の支援の両側面からの支援 ( 協力医の確保 ) 24 時間相談対応可能 ( 対象者及びその家族 関係機関に限る ) 状況に応じ 地域の関係職員もチームに加え対応 家族への支援等についても対応可能 病状悪化者の場合でも できるだけ入院させず在宅支援を前提 新たなアウトリーチ支援 上記の 1~4 の状態の者 ( 支援の流れ ) 日常生活の支援等在宅医療 外来診療等 地域生活の継続 家族 近隣行政機関警察等からの相談 主な対象者 本人や家族から訪問等の了解が得られた者 比較的状態が落ち着いている者 医療や福祉サービスにつながってる者 行政機関等から訪問依頼を受けた者 具体的な支援内容 服薬支援 障害福祉サービスの紹介等 従来のアウトリーチ支援 特徴 精神科病院の訪問看護 障害福祉サービス事業所等による単一職種による訪問 病院 事業所等の開設時間のみの対応が多い 精神科病院実施の場合 自院以外の患者を対象としない 病状悪化者の場合 入院を前提としたアプ4 ローチになりがち 3 支援期間支援対象者が 円滑に医療機関や障害福祉サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし 概ね6カ月間を目安とするが 支援期間及び支援終了時期については 個々の状況に応じ ケース カンファレンス等で十分な協議を行うものとする なお 予定した実施期間の終了後も 支援対象者の疾患が重度であるなど チームでの支援を要する場合は実施期間を延長し支援を行うことが望ましい 4 実施機関都道府県は 支援対象者の危機介入や早期支援に対応可能な多職種チーム体制を備える下記の民間の医療機関等に業務委託し実施するものとする (1) 精神科病院 ( 往診 訪問看護に対応できること )

(2) 精神科を標榜している医療機関 ( 往診 訪問看護に対応できること ) (3) 訪問看護ステーション ( 主として精神障害者への対応を行っていること ) (4) 相談支援事業所 地域活動支援センター等 ( 主として精神障害者の対応を行っており 精神科病院 保健所等と十分に連携を図る体制を講じていること ) 5 実施機関の機能及び人員配置等事業実施に際し 下記の機能及び人員配置を備えていることが望ましい ( 機能 ) (1) 支援対象者の選定及びアセスメント (2) 支援対象者に関する支援計画の作成及び支援目標の設定 1 医師の往診を含む訪問等による生活支援 服薬管理の支援 2 支援対象者の近隣等 支援対象者が所属する地域社会との良好な関係づくり 3 支援対象者への夜間休日の相談支援体制等 ( 人員配置等 ) (1) 原則 24 時間 365 日の相談支援体制をとれること 但し 休日 夜間については電話による相談対応でも可とする (2) 従事する職種については 保健師 看護師 精神保健福祉士 作業療法士のいずれかの職員が少なくとも 1 名以上配置され 他に臨床心理技術者 相談支援専門員等の専門職やピアサポーターが配置されていること (3) 病院等と兼務する職員や非常勤職員をもって充てても差し支えないが その場合 本事業による業務と他業務との勤務日数及び時間を明確に区分すること (4) 精神科医師は常勤医でなくとも ( 顧問医 非常勤でも ) 可とするが 電話等による指示及び往診できることや ケース カンファレンスへの出席等 十分に連携の図れる体制であること (5) 専用の事務室を備え 1 日 1 回のミーティング ( カンファレンス ) と定期的に関係者によるモニタリングを実施すること (6) 支援対象地域は 訪問による支援が可能な合理的な範囲を定めるものとする ( 例 : 実施機関から概ね30 分以内 ) なお 交通手段は問わないものとする

想定されるチーム設置形態 A: 専従職員による対応 B: 他業務との兼務 アウトリーチ 訪問看護 アウトリーチ アウトリーチ推進事業に係る専従職員を一定程度配置 ( 例 ) 病院に専門部署を設置 他の業務 ( 診療報酬に係る訪問看護等 ) と兼務する職員を一定程度配置 ( 例 ) 病院の訪問看護部門等に設置 留意事項 アウトリーチに従事する業務に十分に対応できる人員を確保するとともに 責任者を明確にしておくこと 多職種による協働体制とし 関係者による1 日 1 回のミーティングや定期的なモニタリングを実施すること 精神科医師については非常勤または顧問医で構わないが ケースによっては同行訪問を含めた 助言 協力を得られる支援体制とすること 原則 24 時間 365 日の支援体制とすること ( 夜間 休日については 電話での対応も含めた支援体制も可能 ) 8 6 支援の手順実際の支援に際しては 下記のプロセスに添って行われることが望ましい (1) 相談受付 状況把握 (2) ケース カンファンレンスの開催 (3) 初回訪問 (4) アセスメント (5) 支援計画の作成 (6) 支援の開始 ( 危機介入を含む ) (7) 問題の解決を入院に頼らない原則の確認 (8) 再アセスメント及びモニタリング (9) 実施評価 ( エバリュエーション ) (10) 本事業による支援終了 診療や障害福祉サービス事業等による支援継続へ

(1) 相談受付 状況把握相談者 ( 関係機関 ) からの電話 面接等による相談に対応し 多職種チームによる訪問が必要か 相談支援事業所等による対応が可能か否か判断する なお 訪問の判断に際しては 状況に応じ 相談者の同意を得たうえで 関係機関からの情報を集めるものとする チームによる訪問が必要であると判断した場合 相談者の同意を得たうえで 事前に訪問する また 訪問に際しては 管轄保健所等と連絡調整し 場合によっては 同行訪問し状況把握を行うこと (2) ケース カンファレンスの開催主治医及び関係機関 ( 者 ) から構成されるケース カンファレンスを速やかに開催する 必要に応じ保健所 市町村 福祉事務所 障害福祉サービス事業者及び家族等にも呼びかけ 協力を求めるものとする アセスメントした情報に基づき 1 情報交換及び共有 2 支援目標の設定 3 具体的な支援内容 4 支援の開始時期及び終了時期 5 多職種チームの選定 6 協力機関 ( 者 ) について確認を行うものとする なお 管轄保健所においては 当該カンファレンスにおける チームへの助言指導を積極的に行うものとする (3) 初回訪問チームは ケース カンファレンスで確認された情報や訪問時の状況に基づき対応する 訪問目的と所属機関を伝え 支援対象者の主訴や病状把握を行う なお 対象者から支援内容について了承を得られた場合 文書による契約を行うことが望ましい 1 訪問拒否 緊急性を要しない場合 訪問する旨を家族等から必ず事前に伝えてもらう等 面接できる環境づくりを図ること 対象者が訪問を強く拒む場合は 無理な介入を行わず 挨拶や声かけ 見守りを継続する等にとどめること 2 訪問を拒否しない場合 対象者の訴えを傾聴すると共に病状及び取り巻く環境についての状況把握を行う (4) アセスメントケース カンファレンスで確認された情報と初回訪問時に得られた情報を照らし合わせ 課題を整理する 必要に応じて 支援対象者や関係機関等に

情報確認を行う等 偏った情報に陥らないよう留意する (5) 支援計画の作成個々の利用者への支援計画は 利用者を交えて策定されることとなるが その基本的な構成要素としては 精神疾患の治療 精神障害に対するリハビリテーション 社会的支援サービスの3つに大別できる この点を踏まえ アセスメントされた情報をもとに支援計画を作成する なお 支援内容については支援対象者から承諾を得ること 支援対象者から承諾を得ることが難しい場合は 同居の家族の同意を得ることもやむを得ないものとする 支援計画策定にあたっては ケース カンファレンスを開催する カンファレンスには支援対象者本人が同席することが望ましい 支援内容については支援対象者がわかりやすい表現とすると共に 支援に対応する責任者及び担当者を明確にする また 病状悪化や環境の変化等による危機介入の関わりについては 関係機関 ( 者 ) において十分に協議を行い 必ず支援計画に盛り込む なお 支援計画には 支援対象者自身が病状悪化する兆候を見極め 回避するための対応についても必ず盛り込むものとする 作成された支援計画については できるだけ 支援対象者や家族等の了解を得たうえで 関係機関 ( 者 ) に配布し 支援の協力を求める (6) 支援の開始 ( 危機介入を含む ) 支援計画に基づき 訪問等による支援を行う 支援に際しては 関係機関 ( 者 ) と随時 連絡を図り 情報交換を行う 病状等に大きく変化がある場合 ( 危機介入 ) 事前に利用者又は家族等の了解を得たうえで 速やかに主治医に連絡し対応を仰ぐ なお 支援を行う場所は 自宅 各種の入所施設 日中活動施設 支援対象者の入院中の医療機関 ( 精神科を標榜しない医療機関に入院中の身体疾患の患者で精神科の支援の必要な者 ) 勤務先など支援対象者の生活の場であり そこにおけるサービスが必要であれば 場所は問わないものとする (7) 問題の解決を入院に頼らない原則の確認支援を行う過程では 問題の解決を入院に頼らない ことを原則とし 可能な限り入院せずに生活を継続できるための支援を実施すること とりわけ 措置入院や医療保護入院といった非自発的入院に至ることは原則として防ぐことが必要である

こうした観点から 支援対象者が入院に至った場合には 入院に至った状況を評価 分析し レポートを残すこと その際 特に 措置入院や医療保護入院に至ったケースがあれば その原因や背景 防止できた方法について 詳細に分析を行うこと なお レポートの様式は問わないが 状況を詳細に記すこと (8) 再アセスメント及びモニタリング設定した支援計画について 1 適切に行われているか 2 修正すべき点はないか を確認する 開催回数としては 月 1 回を目安とする チームでの検討に加え 支援対象者及び関係機関 ( 者 ) に対しても状況確認を行う なお 必要に応じてケース カンファレンスを開催し 情報交換を行うことが望ましい また 支援対象者の病状や生活状況の変化に伴い 新たなニーズが生じる場合もあることに留意し対応する (9) 実施評価 ( エバリュエーション ) チーム及び関係機関 ( 者 ) が参加し 期間内で提供されたサービス結果や効果を確認する また 対象者が参加することが望ましい ( 業務を医療機関等に委託している場合には保健所又は精神保健福祉センター等との協議に基づいて行うこと ) 病状及び生活全般の変化 対象者のサービス利用等に係る満足度 チームの介入による効果について 総合的に評価を行う (10) アウトリーチチームによる支援終了支援対象者が下記に該当する場合 チームによる支援は終了となる なお 対象者から支援再開の申し出があった場合は 速やかに対応するものとする 1 支援対象者が支援した目標に到達した場合 2 支援対象者から終了の申し出があった場合 3 支援対象者が入院 施設入所した場合 4 支援対象者が死亡 行方不明となった場合 支援対象者が診療報酬や自立支援給付による支援につながった ( 本事業としての支援は終了した ) 後においても 当分の間 同じチームで対応する可能性も考えられることから 地域との関係者と十分に協議しながら支援継続について検討する

7 関係機関との連携について本事業の実施に際し 保健所 市町村 管内の医療 保健 福祉の関係機関及び地域自立支援協議会等と連携が十分に図れる体制づくりを必ず行うこと 実施地域の管轄保健所にあっては 1 多職種チームへの技術的な支援 ( 事例により同行訪問等を行う ) 2ケース カンファレンスにおける助言指導 3 評価検討委員会における事業評価等について積極的に行うものとする