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目次 1. インサイダー取引予防のための取組み 3 2. 最近のインサイダー取引事案の状況を踏まえた今後の取組み 10 3. 情報伝達行為への対応及び課徴金額の計算方法への考え方 14 4. その他 15 2

1. インサイダー取引予防のための取組み (1) 法人関係情報管理態勢に係る考査 東京証券取引所 ( 以下 東証 という ) は 市場の公正性 信頼性の確保のため 東証の取引参加者である証券会社等に対し 金融商品取引法及び東証諸規則等の遵守状況の調査 ( 考査 ) を実施している 実地考査の中での 法人関係情報管理態勢の整備 運用状況の調査 ( ) の観点は以下のとおり 実地考査ではこのほかに誤発注防止管理態勢 売買管理態勢 空売り規制の遵守状況 システムリスク管理態勢等の整備 運用状況を確認 1 規則の整備状況に係る調査 社内規程や運用ルール等が整備されているか 2 規則の運用状況に係る調査 社内規程や運用ルール等に基づき法人関係情報が管理されているか 管理部門において 法人関係情報の登録漏れがないか 法人関係情報が公表される前に管理を解除していないかなど 3 不公正取引の有無に係る調査 各証券会社が法人関係情報として管理している銘柄から調査対象銘柄を抽出し 当該事案の公表前後にタイミングよく売買を行っている顧客又は役職員の有無を精査 ( 参考 ) 直近の不備指摘件数 平成 21 年度平成 22 年度平成 23 年度 3 件 9 件 4 件 3

1. インサイダー取引予防のための取組み (1) 法人関係情報管理態勢に係る考査 最近の処分事例 公表日対象証券会社事案の概要東証における処分備考 2003 年 6 月 27 日大和証券 SMBC 従業員による内部者取引 (2 件 ) 過怠金 200 万円 行政処分行為者刑事罰 2007 年 1 月 19 日大和証券 内部者取引であることの疑いを持ちながら注文を受託 戒告 行政処分行為者課徴金 2007 年 3 月 9 日三菱 UFJ 証券法人関係情報に基づく自己売買戒告行政処分 2008 年 5 月 28 日ドイツ証券法人関係情報に基づく自己売買過怠金 300 万円 2008 年 6 月 27 日 SBI イー トレード証券 顧客の有価証券の売買その他の取引に関する管理について法人関係情報に係る不公正な取引の防止戒告を図るために必要かつ適切な措置を講じていない状況 行政処分 2009 年 10 月 20 日カブドットコム証券 法人関係情報に係る不公正な取引の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じていない状況 過怠金 500 万円 行政処分行為者課徴金 2010 年 2 月 16 日 ビー エヌ ピー パリバ証券 取引の信義則違反及び法人関係情報に基づく自己売買その他の取引等をする行為 過怠金 1 億円 行政処分 2012 年 8 月 7 日 SMBC 日興証券 2012 年 9 月 18 日髙木証券 法人関係情報に関する管理について不公正取引の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じていな過怠金 8,000 万円い業務運営状況及び法令違反行為を含む不適切な勧誘行為 法人関係情報に関する管理について不公正取引の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じていな過怠金 500 万円い状況 行政処分 行政処分行為者課徴金 4

1. インサイダー取引予防のための取組み ( 参考 ) 考査業務のフロー ( 原則 日本証券業協会との合同検査にて実施 ) 5

1. インサイダー取引予防のための取組み 目的は 上場会社が投資判断に影響を与える重要な会社情報を適時 適切に開示することで 公正な価格形成を確保し 投資者保護を図ること インサイダー取引規制上の重要事実に該当するような会社情報が生じた場合には 直ちにその内容の開示を行うよう義務付けることで インサイダー取引の未然防止に寄与 ( 参考 ) 有価証券上場規程第 402 条上場会社は 次の各号のいずれかに該当する場合 ( 施行規則で定める基準に該当するものその他の投資者の投資判断に及ぼす影響が軽微なものと当取引所が認めるものを除く ) は 施行規則で定めるところにより 直ちにその内容を開示しなければならない ( 以下略 ) (3) 上場会社への要請 内部者取引の未然防止に向けた情報管理体制の整備 ( 参考 ) 有価証券上場規程第 449 条上場会社は その役員 代理人 使用人その他の従業者による内部者取引の未然防止に向けて必要な情報管理体制の整備を行うよう努めるものとする インサイダー取引未然防止のための情報管理の徹底のお願い を発信するなどして 上場会社に情報管理の徹底を要請 6

1. インサイダー取引予防のための取組み (4) 売買審査 目的は 市場における有価証券の売買等に関し インサイダー取引等の違反行為等を発見し もって未然防止を図り 市場の公正を守ること 売買審査に当たっては 上場会社 取引参加者から協力を得ている 審査結果を証券取引等監視委員会に報告するなど当局と連携 売買審査の過程で以下の状況が明らかになった場合には 管理態勢の整備 改善を促す観点から 上場会社に対して注意の喚起を実施 上場会社の計算によるインサイダー取引 役職員が届出等を出さずに自社株売買をして社内規則 ( ) を順守していない 東証の売買審査で判明するのは 役職員の売買と社内規則に基づく届け出の状況のみ ( 参考 ) インサイダー取引審査のイメージ 顧客売買データ 会社関係者等の取引の有無を調査 重要事実の公表から見て タイミングの良い取引の有無を調査 審査結果を監視委員会に報告 公表経緯の報告書 証券会社 上場会社 顧客の売買データの提出を依頼 重要事実の公表に至る経緯等を照会 東京証券取引所自主規制法人 7

1. インサイダー取引予防のための取組み (5) 啓発活動 東証自主規制法人コンプライアンス研修センター 東証 COMLEC 上場会社や取引参加者等のコンプライアンス支援を目的として 東証自主規制法人内に平成 20 年 6 月設立 東証 COMLEC の活動状況 上場会社コンプライアンスフォーラムの開催 インサイダー取引の未然防止に向けテーマを設定し 5 大都市 ( 東京 大阪 名古屋 福岡 札幌 ) で開催 上場会社及び取引参加者の役職員等を対象とし 例年 1,500 名以上が参加 東証主催セミナーの開催及び講師派遣 東証内 各都市における東証主催セミナーや上場会社 取引参加者等への出張セミナー ( 年間 400 回以上開催 ) 8

1. インサイダー取引予防のための取組み (5) 啓発活動 東証 COMLEC の活動状況 取引相談の受付上場会社 取引参加者等からの年間 1,000 件以上の問合せに対応 書籍 e ラーニングコンテンツの提供 上場会社 取引参加者の役職員や投資者等の市場利用者に対し インサイダー取引規制に関する教育コンテンツを提供 FAQ 集の HP 掲載 取引相談窓口によく寄せられるインサイダー取引に関する質問及びそれに対する回答をとりまとめ FAQ として HP に掲載 http://www.tse.or.jp/sr/comlec/faq.html 9

2. 最近のインサイダー取引事案の状況を踏まえた今後の取組み (1) 法人関係情報管理態勢検証の更なる強化 1 特務考査チームの編成 法人関係情報管理態勢を専門的に考査するチームを考査部内に編成 本年 8 月以降の臨店考査に順次投入 2 考査先選定方針の変更 現在の考査先選定方針に加え 法人関係情報を取得する可能性の高い取引参加者を重点的に選定 実際の選定に際しては 日本証券業協会及び他取引所との調整 関係当局とも連携のうえ選定 10

2. 最近のインサイダー取引事案の状況を踏まえた今後の取組み (1) 法人関係情報管理態勢検証の更なる強化 3 考査手法の改善 法人関係情報管理態勢に係る考査手法の充実 強化を目的に 法人関係情報管理態勢のあり方検証チーム を立上げ 新手法については 本年 7 月の臨店考査から順次適用開始 主な内容 担当考査員の拡充 臨店考査における法人関係情報管理態勢考査担当者の増員 営業担当者等へのアプローチ強化 公募増資銘柄の売買等の多いディーラー 外務員等へのヒアリングの積極実施 売買審査部との連携強化 売買審査部保有のインサイダー取引調査情報等の考査への更なる活用 各社点検結果公表内容等を踏まえた手法改善 臨店考査における事例 経験を踏まえ継続的に手法改善に取り組む 11

2. 最近のインサイダー取引事案の状況を踏まえた今後の取組み (2) 内部者取引調査機能の一層の充実 1 公募増資審査室の新設 7 月 20 日付で売買審査部内に新設 公募増資銘柄に特化した不公正取引調査を行うための専門部署 ( 法律専門家を含む ) これまで以上に迅速かつ詳細に公募増資銘柄の不公正取引調査を実施 2 引受証券会社に対するヒアリングの実施 引受証券会社である取引参加者から書類データを提出してもらい 法人関係情報に関わった者や経緯等に関する取引参加者内での情報フローを細部まで把握する 3 公募増資調査における社内外の連携強化 (3) 啓蒙活動の更なる推進 1 取引参加者向けセミナーの開催 ( 平成 24 年 8 月 31 日 ) 2 取引参加者向け出張セミナー 法人関係情報の管理 ( 管理態勢上の留意点 ) 及びインサイダー取引規制にフォーカス 東証 COMLEC よりスタッフを講師として派遣 3 上場会社向けコンプライアンス フォーラム 12

2. 最近のインサイダー取引事案の状況を踏まえた今後の取組み (4) ライツ オファリング ( 株主割当増資 ) 利用推進への取組み 公募増資に対する批判 公募増資を巡っては 一連のインサイダー取引 発行決議から条件決定までの株価の下落 既存株主の持分の希釈化といった問題が指摘されており 海外の年金基金などの長期保有の機関投資家からは厳しい評価 一方で 海外の機関投資家からは かねてより 既存株主に優先的に新株の引受権を付与して 持分の希釈化を回避する手段を与えるライツ オファリングの方法による増資を望ましいものと評価する声 ライツ オファリングは 公募増資を巡って指摘されている問題の構造のいくつか ( 例えば 海外のヘッジファンドに対するプレヒアリングの問題など ) を解消する可能性 ライツ オファリングの利用推進への東証の取組み これまでも 既存株主に優しい増資手法として 上記のように強い要望が寄せられているライツ オファリングの利用を提唱 推進 既に行われた金商法の改正や今後行われる会社法の改正によってさらに環境整備が進むことを踏まえ 公募と同等又はそれ以上の利便性を有する資金調達手段としてライツ オファリングが我が国の実務において定着するように より一層関係各方面へ働きかけを実施 13

3. 情報伝達行為への対応及び課徴金額の計算方法への考え方 情報伝達行為への対応 市場開設者の立場からすれば インサイダー取引の原因となった不適切な情報伝達行為は許されるものではない 新たな規制を設けるとしても 情報伝達行為の規制は 職務遂行上正当な情報伝達までも妨げることになりかねないので 社会 経済活動を委縮させることのないよう留意する必要があると考える 課徴金額の計算方法 インサイダー取引防止の徹底につながり 日本証券市場の信認回復 市場公正性確保に通ずるよう いわゆる やり得 を防ぐ効果が期待できる額の課徴金とする必要があると考える 14

4. その他 ( 相談受付等の内容を踏まえ ) 東証 COMLEC では セミナーや相談受付において 上場会社等から以下のような 役員 ( 従業員 ) 持株会 に係る意見を多数受領 役員 ( 従業員 ) 持株会による定期的な自社株購入についてはインサイダー取引規制の適用除外となっているが 持株会の加入や拠出金の減額は対象外とされており 重要事実に接することが多い立場にある役員 ( 従業員 ) による持株会の利用には実際上の制約が多い 当該適用除外においては 拠出金に上限が課されている これについて 例えば 役員 ( 従業員 ) の持株会加入は 加入申込み ( 増減額申請 ) から買付け ( 増減額を反映した買付け ) まで ある一定期間を空けることを条件にすることなどにより インサイダー規制の適用除外にする ことなどが考えられるのではないか ( 参考 ) 有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第 59 条第 1 項第 4 号上場会社等の役員又は従業員 ( 当該上場会社等が他の会社を直接又は間接に支配している場合における当該他の会社の役員又は従業員を含む 以下この号及び次号において同じ ) が当該上場会社等の他の役員又は従業員と共同して当該上場会社等の株券の買付けを行う場合 ( 当該上場会社等が会社法第百五十六条第一項 ( 同法第百六十五条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む ) の規定に基づき買い付けた株券以外のものを買い付けるときは 金融商品取引業者に委託等をして行う場合に限る ) であって 当該買付けが一定の計画に従い 個別の投資判断に基づかず 継続的に行われる場合 ( 各役員又は従業員の一回当たりの拠出金額が百万円に満たない場合に限る 次号において同じ ) 15