Microsoft Word - 阿蘇市バイオマスタウン構想020210aso.doc

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北杜市新エネルギービジョン

バイオマスタウン構想

Microsoft Word - ○茨城県バイオマス活用推進計画

バイオ燃料

表紙01

バイオマスタウン構想

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家庭生ごみ 堆肥化 飼料化 バイオプラスチック化 水素化 炭化 固形燃料化 流体燃料化 ( メタン エタノール ) 3 廃食用油廃食用飼料化 BDF 化 4 木質系 5 汚泥系 製材廃材 建設廃材 剪定枝 堆肥化 木質材料化 堆肥化 木質材料化 堆肥化 飼料化 ボイラー発電 ( 薪 チップ ペレット

第 3 章隠岐の島町のエネルギー需要構造 1 エネルギーの消費量の状況 ここでは 隠岐の島町におけるエネルギー消費量を調査します なお 算出方法は資料編第 5 章に詳しく述べます (1) 調査対象 町内のエネルギー消費量は 電気 ガス 燃料油 ( ガソリン 軽油 灯油 重油 ) 新エ ネルギー (

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畜産環境情報 < 第 63 号 > 1. 畜産の汚水から窒素を除去するということはどういうことか 2. 家畜排せつ物のエネルギー高度利用 南国興産を例に 3. 岡山県の畜産と畜産環境対策 4. 兵庫県の畜産と畜産環境対策について

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(2) 太陽熱 太陽光発電同様に 設置効果について検討を行いました 太陽熱集熱器設備規模 120m 2 50m 2 3m 2 *1 設備 工事費 2,870 万円 1,196 万円 30 万円 補助率 1/2(NEDO) *2 3 1/2(NEDO) - *1: 新エネルギーガイドブック及び市資料よ

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循環資源の活⽤による地域活性化に向けて

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - kanoya_baio_koso.doc

3 目指すべき将来像と目標 3.1 背景と趣旨 本市は 将来像として 人も元気まちも元気新鮮都市いとしま を基本構想に掲げる 第 1 次糸島市長期総合計画 に基づいて その実現に向けて各種施策を展開しています 平成 24 年 3 月には 本市の資源であるバイオマスを最大限に活用し 市全体の活力向上と

資料4 国土交通省資料

- 目 次 - 1. 地域の概要 1 (1) 地理的特色 1 (2) 土地利用 3 (3) 歴史的背景 3 (4) 人口 3 (5) 交通条件 4 (6) 経済的特色 4 2. 地域のバイオマス利用の現状と課題 9 (1) バイオマス賦存量と利用状況 9 (2) 最近の各施設の運用状況 12 (3)


Microsoft Word - 【最終】佐賀県唐津市バイオマスタウン構想.doc

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

4. 事業化プロジェクト 4.1 基本方針 これまで築いてきた木質バイオマスによる地域熱供給システムを一層高度化し 安心 安全で 低炭素化社会にふさわしいモデル都市を実現します 未利用となっている圃場残渣や食品加工残渣 家畜排泄物等を 本町の特産品であるアスパラガスやにらの畑に良質な堆肥として循環利

PowerPoint プレゼンテーション

群馬県バイオマス活用推進計画

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教務厚生常任委員会行政視察報告書 1. 視察期間 平成 26 年 10 月 14 日 ( 火 ) から 10 月 16 日 ( 木 ) まで 2. 視察事項 ( 視察地 ) 及び選定理由 (1) 幼保一体化施設 コロポックルの森 について ( 北海道登別市 ) 登別市では 新たに建設する市立保育所を

佐賀市バイオマスバイオマス産業都市構想 平成 26 年 7 月佐賀市

渡良瀬遊水地のヨシ等利活用再生可能エネルギー導入計画 概要版 本業務は 渡良瀬遊水地のヨシをはじめ市内で排出される各種バイオマスを活用することにより い かなるエネルギー利用が可能になるのか その方向性と具体的な燃焼設備導入のモデルケースを想定す るとともに これによる地域活性化の可能性を検討した

4 事業化プロジェクト 既存施設改造 乳牛 豚ふん尿食品残渣 肉牛ふん尿 液分 固液分離機固形分 固形分 ガスホルダ- 500m 3 500m 3 バイオガスメタン発酵槽廃熱 2,100m 3 600m 3 消化液 堆肥製造設備堆肥舎固形燃料製造設備 発電機 80kW 70kW 25kW 3 台 滅

資料 3 ー 1 環境貢献型商品開発 販売促進支援事業 環境省市場メカニズム室

1. 実施事業ごとにみた検証 検討 再構築にあたっては ごみ処理基本計画 ( 中間見直し ) に記載される実施事業ごとに実効性等を踏まえ (1) スケジュールの修正を要する実施事業 (2) 達成状況により目標値を改める実施事業 (3) 新たに取り組む実施事業 の 3 つに分け検証等を行いました (1

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(構想書)

宗像市バイオマス産業都市構想 平成 27 年 7 月 福岡県宗像市

小山町バイオマス活用推進計画(案)

参考 内部評価結果調書 ( 施策評価 4) 施策名 新しいしいエネルギーエネルギーの導入導入と活用 担当部局 農林水産環境部 担当部局長の氏名 緒方和之 PLAN 総合計画 ( 前期基本計画 ) 基本方針 ( 政策 ) 計画項目 ( 施策 ) Ⅱ 環境循環都市 2 新しいエネルギーの導入と活用 施策

目次 1. 奈良市域の温室効果ガス排出量 温室効果ガス排出量の推移 年度 2010 年度の温室効果ガス排出状況 部門別温室効果ガス排出状況 温室効果ガス排出量の増減要因 産業部門 民生家庭部門

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メタン発酵の基礎知識 糸状性 Methanosaeta 連球状 Methanosarcina 5

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トヨタの森づくり 地域・社会の基盤である森づくりに取り組む

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みやま市が進める資源循環のまちづくり 資料 3 1 みやま市環境衛生課松尾和久 1

1 プロジェクト実施者の情報 1.1 プロジェクト実施者 ( 複数のプロジェクト実施者がいる場合は代表実施者 ) 実施者名 住所 イッハ ンサ イタ ンホウシ ンフ ナノサトシラカミコウシャ一般財団法人ブナの里白神公社 青森県中津軽郡西目屋村大字田代字神田 プロジェク

1 貴重な自然環境を継承するため 保全活動に取り組みます 指標目標の推移 指標目標 米代川やきみまち阪 風の松原などの豊かな自然を他に誇れると思う市民の割合 ( 市民意識調査 ) 松くい虫被害量 計画策定目標値 H20 年度 H21 年度 H22 年度 H23 年度 H24 年度 H19 年度 (H

1 プロジェクト実施者の情報 1.1 プロジェクト実施者 ( 複数のプロジェクト実施者がいる場合は代表実施者 ) ( フリガナ ) エンジニアウッドミヤザキジギョウ実施者名キョウドウクミアイエンジニアウッド宮崎事業協同組合住所 宮崎県都城市吉尾町 プロジェクト代

資料2 食品廃棄物系バイオマスのエネルギー利用システムについて


図 ごみの減量化方策及び資源化方策の検討の進め方 2 市民 事業者 行政の役割資料 2-2 に示したとおり 今後のごみ処理においては ごみの減量化 資源化の推進が重要となり これらを実現するためには 各主体がそれぞれの役割を認識し 相互に協力しながら取り組む体制を整備する必要があります

国産粗飼料増産対策事業実施要綱 16 生畜第 4388 号平成 17 年 4 月 1 日農林水産事務次官依命通知 改正 平成 18 年 4 月 5 日 17 生畜第 3156 号 改正 平成 20 年 4 月 1 日 19 生畜第 2447 号 改正 平成 21 年 4 月 1 日 20 生畜第 1

再エネカタログ indb

1. 事業の目的 東日本大震災およびその後の原子力発電所の事故をきっかけとし 再生可能エネルギー等を活用した自立型 分散型エネルギーシステムの導入等による 災害に強く環境負荷の小さい地域づくり が喫緊の課題となっている こうした地域づくりを進めるに当たって 本道は地域で十分に活用されていない多様なエ

目 次 1 地域の概要 対象地域の範囲 作成主体 社会的特色 経済的特色 再生可能エネルギーの取組 地域のバイオマス利用の現状と課題 バイオマスの種類別賦存量と利用量...

ポイント 藻類由来のバイオマス燃料による化石燃料の代替を目標として設立 機能性食品等の高付加価値製品の製造販売により事業基盤を確立 藻類由来のバイオマス燃料のコスト競争力強化に向けて 国内の藻類産業の規模拡大と技術開発に取り組む 藻バイオテクノロジーズ株式会社 所在地 茨城県つくば市千現 2-1-6

食品廃棄をめぐる現状

1 平成 22 年度の取組み結果 平成 22 年度の取り組み結果は 下記のとおりです 温室効果ガスの総排出量 平成 22 年度 温室効果ガス総排出量 (t-co2) 26,876 27, % 具体的取り組み 平成 22 年度 電気使用量 (kwh) 37,334,706 38,665,4

Microsoft PowerPoint - (配布版)160204_JSTLCS&NEDOTSC共催ワークショップ(矢部彰)2

石垣市バイオマス活用推進計画 計画の公表日 平成 27 年 1 月 26 日 計画策定市町村 (1) 担当者石垣市農林水産部農政経済課資源循環係担当者名 : 大浜信宏 石垣当貴 沖縄県石垣市美崎町 14 番地電話 : (2) 対象地域 石垣市全域 (3) 計

1 資源賦存量資源としての賦存量の最も多いのは 農林系で 28 千 t 次いで民間事業系の 22 千 t 公共事業系の 21 千 t とほぼ同程度ですが 生活系は 2.5 千 t と極めて少なくなっています 民間事業系 30% 21,830t 資源賦存量 21,131t 27,610t 農林系 38

一般廃棄物の効果的な減量等の方策について中間報告書(案)

- 目次 - Ⅰ 基本的考え方と目指すべき姿 1 1 基本的考え方 1 2 バイオマスエネルギーのポテンシャル 2 3 バイオマス利用技術の現状とロードマップ 2 Ⅱ バイオマスを活用した事業化のための戦略 3 戦略 1 基本戦略 3 戦略 2 技術戦略( 技術開発と製造 ) 3 戦略 3 出口戦略

目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る


都道府県の食品ロス削減の取組状況 1 47 都道府県全てから回答があった 平成 8 年度に食品ロス削減に関する取組を 行っている と回答したのは 4 自治体で 食品ロス削減施策に関する予算が ある と回答したのは 5 自治体であった 平成 7 年度の調査結果と比較するといずれも増加している 食品ロス

12年~16年

(2) 技術開発計画 1 実施体制 環境省 明和工業株式会社 ( 共同実施者 ) 国立大学法人東京工業大学 (2) ガス利用システムの技術開発エンジン発電機の試験運転における稼働状況の確認 評価 (3) 軽質タール利用技術開発エンジン発電機を用いた燃焼試験 (4) トータルシステムの技術開発物質 熱

PowerPoint プレゼンテーション

条例施行規則様式第 26 号 ( 第 46 条関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画書 平成 30 年 6 月日 長野県知事 様 提出者 住 所 東御市下之城畔 ( 法人にあっては 主たる事業所の所在地 ) 氏 名 川西保健衛生施設組合長花岡利夫 ( 法人にあっては 名称及び代

B.2 モニタリング実績 (1) 活動量 ( 燃料消費量 生成熱量 生産量等 ) 記号 モニタリング項目 定義 単位 分類 1 モニタリング方法 概要 頻度 実績値 モニタリング実績 計測対象期間 ( 年月日 ~ 年月日 ) 備考 F PJ,biosolid プロジェクト実施後のバイオマス固形燃料使

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★★ マスター(3月)

24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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プロジェクト概要 ホーチミン市の卸売市場で発生する有機廃棄物を分別回収し 市場内に設置するメタン発酵システムで嫌気処理を行なう また 回収したバイオガスを利用してコジェネレーション設備で発電および熱回収を行ない市場内に供給する さらに メタン発酵後の残さから堆肥メタン発酵後の残さから堆肥 液肥を生産

国営農地再編整備事業 ニセコ地区 事業の概要あぶたぐん本事業は 北海道南西部に位置する虻田郡ニセコ町の畑地帯において 区画整理を行い 生産性の高い基盤の形成を通じて農業の振興と耕作放棄地の解消 発生防止を図るものである 事業の目的 必要性本地区の農地は 基盤整備が遅れているため 小区画や急傾斜であり

家具類

バイオテクノロジーを利用した省エネ・資源循環技術

唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

原料調達計画 施設整備計画 製品 エネルギー利用計画 事業費 (1) 中小規模畜産農家 複数の畜産農家の連携により集約した活用を行う (2) 大規模畜産農家 個別に活用することを基本とし 災害や設備故障等の非常時には小規模畜産農家からも受入 調達 及び 中小規模畜産農家による集約施設に供給することも

1. 地域活性化に資する固定価格買取制度 再生可能エネルギー特措法では 再生可能エネルギーによる地域の活性化を目的としている 我が国の国土の大宗を占める農山漁村は バイオマス 水 土地などの資源が豊富に存在 特に 国土の約 7 割を森林が占める森林大国である我が国では 森林から発生するバイオマス等を

資料2 再生利用対象製品の追加について

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

ツールへのデータ入力前にすべきこと 一般廃棄物処理に係るフロー図を作成 < 収集 : 直営 > < 直接搬入 > 粗大ごみ **t <A 破砕施設 : 直営 > <D 最終処分場 > 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 燃やすごみ **t アルミ缶 **t スチール缶 **t びん

ごみ焼却施設の用地設定

事例集作成にあたって わが国においても 過去 15~20 年に渡りバイオマス利用が推進され 全国に多くの取組事例が生まれつつあるが 以下のような課題があった 全国の取組事例について 事例 紹介 はあっても 事実に基づく 分析 は尐ない 特に 中小規模 ( 数 100kW クラス ) の熱利用について

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Transcription:

4 バイオマスの総合利活用イメージ 7 バイオマスタウン構想の利活用目標及び実施により期待される効果 1 利活用目標 ① 廃棄物系バイオマス 家畜排せつ物については 良質堆肥の生産 利用を基本としつつ 生ごみなどと合わせて メタン発酵の原料として有効活用を図ることで 化石燃料の使用量削減に取り組む また その他のバイオマスについても積極的に有効活用を図り 循環型社会の形成に向けて 廃棄 物系バイオマスの 99 以上の活用を継続させる ② 未利用バイオマス 未利用バイオマスは 草本系バイオマスの飼料化やガス化発電によるエネルギー利用など を重点的に取り組み 草原保全と地域資源の有効活用を図る 木質系バイオマスについては 間伐材や林地残材などの エネルギー利用を積極的に進めていくことで利用率を高め 未利 用バイオマス全体として 84.6%以上の有効活用を目指す ③ 資源作物 資源作物は バイオマスプラスチックの原料となる資源米や 菜種の油糧作物を中心に 転作や耕作放棄地の対策や農地の多面的機能を活かすことで 観光との相乗効果を目指し まちおこしの一環として積極的に利活用を進めていく 13

賦存量 バイオマス 湿潤量 目標仕向量 変換 処理方法 炭素量 湿潤量 炭素量 (t 年) (Ct 年) 利用 販売 利用率 出典 (t 年) (Ct 年) 廃棄物系バイオマス 乳牛ふん尿 37,446 1,539.7 メタン発酵 堆肥化 37,446 1,539.7 肉牛ふん尿 95,731 5,389.4 堆肥化 95,731 5,389.4 堆肥 液肥 農地還元 発電 熱利用 堆肥 農地還元 堆肥 液肥 農地還元 発電 熱利用 堆肥 液肥 農地還元 発電 熱利用 堆肥 液肥 農地還元 発電 熱利用 堆肥 液肥 農地還元 発電 熱利用 堆肥 液肥 農地還元 飼料 発電 熱利用 豚ふん尿 68,755 2,758.4 メタン発酵 堆肥化 68,755 2,758.4 ブロイラーふん 10,407 1,083.4 メタン発酵 堆肥化 10,407 1,083.4 35 3.6 メタン発酵 堆肥化 35 3.6 生活系生ごみ 1,789 79.1 1 メタン発酵 堆肥化 1,789 79.1 事業系生ごみ 1,014 44.8 1 飼料化 メタン発酵 堆肥化 1,014 44.8 廃食用油 137 97.8 BDF化 131 93.5 BDF 輸送用燃料 95.6% 下水汚泥 435 41.8 1 肥料化 435 41.8 肥料 農地還元 浄化槽汚泥 7,742 743.2 1 肥料化 7,742 743.2 肥料 農地還元 し尿汚泥 5,044 484.2 1 肥料化 5,044 484.2 肥料 農地還元 製材残材 3,135 1,380.3 1 薪 チップ化 敷料 ペレット化 2,822 1,242.3 薪 チップ 敷料 木質ペレット 熱利用 90.0% 建築発生木材 1,083 488.1 1 チップ化 1,082 487.6 発電 熱利用 99.9% 232,753 14,133.8 232,433 13,991.0 4,495 1,001.2 2 899 200.2 79 17.60 1 67 14.96 1,595 284.8 2 竹材 炭化 160 28.5 野草 41,304 13,514.7 3,4 飼料化 敷料 堆肥化 ガス化 37,174 稲わら 18,181 5,205.3 飼料化 敷料 もみ殻 3,642 1,042.6 麦わら 411 117.7 規格外トマト 140 トマト非食用部 採卵鶏ふん 計 99.0% 未利用バイオマス 林地残材 果樹剪定枝 竹林 薪 チップ化 ペレット化 薪 チップ化 ガス化 薪 チップ 敷料 木質ペレット 熱利用 マルチング 発電 熱利用 20.0% 85.0% 用材 竹炭 10.0% 12,163.2 飼料 敷料 堆肥 発電 熱利用 90.0% 16,363 4,684.7 飼料 敷料 90.0% 敷料 堆肥化 2,913 834.1 飼料 敷料 堆肥 80.0% 敷料 ガス化 41 11.8 3.49 2 加工食品 メタン発酵 140 3.49 700 57.3 2 堆肥化 280 22.9 70,547 21,244.69 58,037 17,963.85 資源米8 バイオマスプラスチック 700 313.0 菜種 廃食油のBDF化 11 8.0 (伐採可能量 計 自家利用 市内外販売 発電 熱利用 ケチャップ 液肥 農地還元 発電 熱利用 堆肥 農地還元 10.0% 40.0% 84.6% 資源作物 プラスチック製品 食用油 BDF 阿蘇市統計データおよびヒアリングデータ 1 バイオマス賦存量 利用可能量の推計 GISデータベース NEDO) 2 平成20年度 農林水産省環境バイオマス総合対策事業 実地調査報告書 3 平成19年度阿蘇草原再生牧野組合現況調査 環境省 4 平成20年度草本系バイオマスのエネルギー利活用システム実験事業 委員会資料 NEDO 端数処理のため湿潤量ベースと炭素量ベースの利用率が一致しない箇所がある 14

2 期待される効果 阿蘇市バイオマスタウン構想の実現により 以下のような効果が期待される 温室効果ガスの削減 RDF化施設や温水プールなど 乾燥や給湯のために使用していた灯油や重油などの化 石燃料の使用量を削減することで 温暖化への抑制効果が期待される ごみ処理費用の削減 メタン発酵施設を阿蘇広域行政事務組合が運営している大阿蘇環境センター未来館 R DF化施設 に併設することで 以下の効果が期待されRDF化施設の大幅なランニング コストの削減が期待できる ①発生したメタンガスを灯油の代替燃料として利用できる ②可燃ごみの乾燥に要する灯油の消費量を大幅に節約できる ③ごみの減量化で生産されるRDFが少なくなり その分の費用を節減できる 景観及び農地の保全 草本系バイオマスの有効活用により利用されていない草原の保全や 米のプラスチック や菜種などの作付に水田転作地を利用することで農地の保全につながり のどかな農村景 観の維持が図られる 観光客の増加 既に 草本系バイオマスのエネルギー化実験事業 の視察者が増加している 九州の中 でも バイオマス利活用の先進地としてアピールすることで新たな観光資源となり 観光 客の増加にもつながる 地域の活性化 廃棄物系及び未利用の地域資源を使う企業を誘致することにより 新たな雇用の創出な ど地域の産業や地域の振興につながる また 地域通貨をバイオマスの収集 運搬システムの中に組み込むことで 地域の活性 化や収集 運搬の効率化が期待される さらには 阿蘇市では草資源を中心としたバイオ マスを利活用することが景観や生態系の維持にもつながることから それを基盤とする農 畜産業や観光業の発展にもつながる 8 対象地域における関係者を含めたこれまでの検討状況 1 広報啓発 平成 18 年度に 3 回のバイオマスセミナーを開催 延べ 100 人以上の参加があった 平成 20 年度には 市の広報誌にバイオマスの記事を連載し 市民に対し啓発を行った また 市内の小学校でBDFを用いた環境教育を実施した 2 バイオマスタウン構想策定委員会 平成 20 年度に 3 回のバイオマスタウン構想策定委員会を開催し 庁内の関係部署及び専 門家 地域の関係者 JA阿蘇 阿蘇森林組合 婦人会等 とバイオマス利活用の基本方針 15

について協議を進めてきた 3 草本系バイオマスエネルギーシステム化実験事業及びその検討委員会 NEDO技術開発機構の支援を受け 市をはじめNPO法人九州バイオマスフォーラムや プラントメーカー コンサルタント会社2社でコンソーシアム 共同事業体 を形成し 実 験事業に取り組んだ また 大学や研究機関の専門家を交えた検討委員会を平成 18 年度からこれまで 14 回開催 し 事業化に向けた検討を行った 原料となる草本系バイオマスの収集運搬は 地元若手畜産農家が採草作業を行うオペレー ター組合が設立され これまでと違った原料収集体制が整った 16

9 地域のバイオマス賦存量及び現在の利用状況 賦存量 バイオマス 湿潤量 仕向量 変換 処理方法 炭素量 利用 販売 湿潤量 炭素量 (t 年) (Ct 年) 利用率 出典 (t 年) (Ct 年) 出 典 廃棄物系バイオマス 乳牛ふん尿 37,446 1,539.7 堆肥化 37,446 1,539.7 堆肥 農地還元 肉牛ふん尿 95,731 5,389.4 堆肥化 95,731 5,389.4 堆肥 農地還元 豚ふん尿 68,755 2,758.4 堆肥化 浄化処理 66,967 2,686.7 堆肥 農地還元 97.4% ブロイラーふん 10,407 1,083.4 堆肥化 10,407 1,083.4 堆肥 農地還元 35 3.6 堆肥化 35 3.6 堆肥 農地還元 生活系生ごみ 1,789 79.1 1 堆肥化 RDF化 1,789 79.1 事業系生ごみ 1,014 44.8 1 堆肥化 RDF化 1,014 44.8 廃食用油 137 97.8 BDF化 110 78.5 BDF 輸送用燃料 80.3% 下水汚泥 435 41.8 1 肥料化 435 41.8 肥料 農地還元 浄化槽汚泥 7,742 743.2 1 肥料化 7,742 743.2 肥料 農地還元 し尿汚泥 5,044 484.2 1 肥料化 5,044 484.2 肥料 農地還元 製材残材 3,135 1,380.3 1 チップ化 粉砕 2,759 1,214.7 オガ粉 敷料 熱利用 88.0% 2 建築発生木材 1,083 488.1 1 チップ化 1,082 487.6 発電 99.9% 232,753 14,133.8 230,561 13,876.7 4,495 1,001.2 林内放置 0.0% 4 61.6 13.73 薪 堆肥 マルチング 78.0% 2 8 1.4 用材 0.5% 4 採卵鶏糞 計 堆肥 農地還元 RDF 堆肥 農地還元 RDF 98.2% 未利用バイオマス 林地残材 果樹剪定枝 4 林内放置 79 17.60 1 薪 チップ化 竹林(伐採可能量 1,595 284.8 4 竹材 野草 41,304 13,514.7 5,6 飼料化 堆肥化 ガス化 34,133 11,168.3 飼料 堆肥 熱利用 発電 82.6% 5,6 稲わら 18,181 5,205.3 飼料化 敷料 8,800 2,519.4 飼料 敷料 48.4% 3 1,821 521.4 敷料 堆肥 農地還元 50.0% 4 0.0% 133 3.32 ケチャップ ジュース 95.1% 4 0.0% 4 44,957 14,227.55 もみ殻 3,642 1,042.6 敷料 堆肥化 麦わら 411 117.7 規格外トマト 140 3.49 4 加工食品 トマト非食用部 700 57.3 4 70,547 21,244.69 計 阿蘇市統計データおよびヒアリング資料 1 バイオマス賦存量 利用可能量の推計 GISデータベース NEDO) 2 平成17年熊本県バイオマス利活用基本方針策定のデータ 熊本県環境生活部環境政策課 3 平成15年度 熊本県農産課農産係調査 4 平成20年度 農林水産省環境バイオマス総合対策事業 実地調査報告書 5 平成19年度 阿蘇草原再生牧野組合現況調査 環境省 6 平成20年度 草本系バイオマスのエネルギー利活用システム実験事業 委員会資料 NEDO 端数処理のため湿潤量ベースと炭素量ベースの利用率が一致しない箇所がある 17 67.0%

10 地域のこれまでのバイオマス利活用の取組状況 1 経緯 合併前の旧一の宮町及び旧阿蘇町で 平成 15 年に新エネルギービジョン策定委員会が設 置され 委員会の中では新エネルギービジョンの方向性やバイオマスの利用方法等について 議論が行われ 先進地の調査や住民へアンケート 光熱費の使用状況等について調査が行わ れている 平成 16 年度には NPO法人九州バイオマスフォーラムが農水省バイオマスフロンティ ア推進事業により阿蘇市内における生ゴミの発生量を調査し メタン発酵を行った場合の経 費節減効果について試算を行っている 併せて 認定農業者に対するアンケートにより メタン発酵消化液の液肥利用を進めるた めの条件について調査している 平成 17 年度より独立行政法人新エネルギー 産業技術総合開発機構 NEDO技術開発 機構 から委託を受け 市をはじめNPO法人九州バイオマスフォーラムやプラントメーカ ー コンサルタント会社2社でコンソーシアム 共同事業体 を形成し 草本系バイオマス のエネルギー利活用システム実験事業 に取り組んでいる 本事業は未利用のまま燃やされていた枯草を新たに収集 運搬するシステムを構築してガ ス化発電を行い 市営の温水プールで熱と電気に利用する実験事業である 2 推進体制 平成 20 年度に 農林水産業関係団体 商工会 女性団体連絡協議会 区長会及び学識経 験者 並びにオブザーバーとして熊本県の参画を得て 阿蘇市バイオマスタウン構想策定委 員会 を設置して 本構想の策定に着手した 3 関連事業 計画 平成15年 新エネルギービジョン策定事業 平成16年 バイオマスフロンティア推進事業 平成17 21年 NEDOバイオマスエネルギー地域システム化実験事業 4 既存施設 施設名 概 要 施設運営 JA阿蘇 阿蘇市高品質 堆肥製造施設 施設概要 家畜ふん尿 下水汚泥を原料 に堆肥 肥料化し販売 堆肥生産能力 1,000t/年 施設運営 阿蘇広域行政事務組合 施設概要 紙やプラスチックなどの可燃 大阿蘇環境センター ごみから 大牟田市にあるご 未来館 み発電施設の燃料として 固 形燃料化 RDF を製造 処理能力 80t/日 18 写 真

施設運営 阿蘇広域行政事務組合 施設概要 阿蘇市や阿蘇市近隣の1町3 村から排出されるし尿や浄 大阿蘇環境センター 化槽汚泥 集落排水汚泥を処 蘇水館 理し ペレット肥料を製造し ている 処理能力 91kℓ/日 施設運営 阿蘇市 施設概要 阿蘇の草原にある未利用の 草をガス化発電の燃料とし て利用し 公営温水プール温 浴施設に電気と熱を供給 発電能力 180kw 草本系バイオマス ガス化発電施設 付帯設備 テント倉庫 施設概要 11 月 3 月にかけてエネルギ ー用に収集した草のロール を 乾燥状態を保ったたま保 管するための設備 保管能力 80t 3 棟 240t 施設運営 株式会社 環境 施設概要 廃棄物運搬車両に 自社で回 収した廃食用油からBDF 株式会社 環境 を精製し使用 処理方式 アルカリ触媒 湿式 生産能力 プラント4基 700L 19