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Transcription:

マイコース プログラム活動報告書 学生番号 : 0601238921 氏名 : 甲斐日向太 所属分野名 :Division of Hematology/Oncology, Department of Medicine, Case Western Reserve University( 以下 Case と略 ) 期間 :7/19-8/16 活動内容 : マウスの肺気腫のメカニズムについての研究の中で 部分的に培養細胞の一部担当をさせていただいたり 免疫染色 ( 以下 IHC と略 ) をさせていただいたりしました それ以外に幾つかの実験過程を見学させていただきましたが ラボが持っている大きな研究テーマの中で自分なりのテーマを持って実験をするということはかないませんでした 以下の具体的な研究方法については IHC に関して書いていきますが それ以外にも 研究に使う細胞の面倒を見る プラスミド抽出の見学 染色されたスライドの写真を取る 先生とコンタクトを取っている研究者の方が何をしているのか ABSTRACT を読んでまとめて先生に報告する 等のことを経験させていただきました また マウスのサンプルの摘出のための animal facility での経験も 実際に私がしたことは Labeling とサンプルをエッペンチューブに入れることだけでしたが 貴重なものとなりました その他に 週に1 度くらいの頻度で Case や Cleveland clinic でのセミナーやカンファレンス ラボにいた学生の発表会などに参加させていただきました 先生から渡米前に重点的に勉強しておくようにと指示を出されていたのは以下の手法です 培養細胞の維持方法 細胞を集めて cell lysate を作る protein concentration をはかる Western blot

0. はじめに 研究室を選んだ経緯 マイコースプログラムにアプライする際に 私が考えていたことは海外 特にアメリカの研究室で研究をしたい と言うことでした 将来臨床医として働くにせよ 研究をするにせよ チャンスがあればアメリカで働きたいと思っていた私にとってこのプログラムは絶好の機会を与えてくれるものだと思い 2013 年の 12 月末頃に武田先生にお話を伺いに行きました そこでアメリカ オハイオ州クリーブランドにある Case にある松山茂実先生のラボを提示していただきました CWRU クリーブランドについての general information CWRU は基礎医学の研究室として歴史のある大学です 詳細はインターネット等に譲りますが ノーベル賞医学受賞者を数多く出している大学です 全米において医学研究でいうと 1-20 番にはいるところだと伺っています そのような高名な大学のラボで学べる機会を与えて頂いてとても幸運に思います 付け加えると CWRU のすぐ近くに Cleveland Clinic という病院がありここはアラブの富裕層が先進医療を受けるために指定したアメリカ有数の病院ということもありクリーブランドが医療先進都市と言われる一つの所以だそうです 1. 実験目的ラボラトリースキルの向上 アメリカのトップ研究室と日本大学の研究室の比較が主です また世界の第一線で働いていらっしゃる松山先生の元 基礎研究をすることのエッセンスを少しでも吸収したいと考え 留学の目標としました 1ヶ月の短期間で自分のテーマを決め研究をし 結果を出すということを研究面でのテーマとしました IHC の目標としては negative control を含め3つ標本を染め分けることです 2. 実験方法 IHC の protocol とそれに付随して私が気付いたこと ラボでの注意点も含め列記させていただきます ( ただし文章に関しては私がオリジナルで作ったものではなく ラボに伝わる protocol を改変したものです )

immunohistochemistry IHC Day 1 Protocol 1. Label slides with today s date and staining to be performed. 2. Bake slides at 55-60 C for 20 minutes. 3. While waiting for baking: prepare deparaffinization and rehydration workstation in the fume hood. 4. Deparaffinization with Xylene a. Rehydration with Ethanol and 3% H2O2/MeOH: 30 min100% Ethanol, TBS. 5. Perform decloaking in the pressure cooker. Take an empty container with slides in slide holder with you. a. Rodent decloaker 1X (blocks endogenous IgG from mouse) 6. Wash the slides container (with 1x decloaker) with dh2o gradually 7. Place the slides back in 1X TBS while you prepare blocking, 1 Ab, and 2 Ab solution. (TBS can be left on the slides for extra time if needed) Diluting 1 Ab: 8. Prepare blocking solution: 10% NGS (500 ml) in 4.5 ml of 1X TBS 9. Prepare 1 Ab diluent: 5% NGS (250 ul) in 4.75 ml of 1X TBS 10. Prepare area on the slide that will need to be marked with PAP Pen 11. Remove TBS and add blocking solution (2 drops with eye dropper; ~100 ul/section) 12. Remove blocking solution and add 100 ul of your 1 Ab to your sample and TBS with NGS (1 Ab diluent) to your negative control. 13. Incubate in humidity/hydration chamber overnight (not light sensitive)

IHC Day 2 Protocol 1. Prepare TBS. 2. Tap slides off without mixing solutions. 3. Wash slides 3x with TBS, 5 min. each. 4. Prepare 2 antibody while you wait for 5 min. washes. 5. Incubate sections for 1 hour with diluted biotinylated secondary antibody solution. 6. Prepare ABC Reagent: (must be prepared for about 30 min. before use) 7. Wash sections 3x with TBS (3 minutes per wash). 8. Incubate sections for 30 min. with ABC Reagent. 9. Wash slides for 5 minutes in buffer. 10. Prepare area/work station where you use DAB( ジアミノベンジン ) 11. Add DAB to the slide for 30sec-1.5min. The best time depends on the antibody. You have to add DAB under a microscopic observation and simultaneously make sure that the staining is properly specific so far. 12. Remove DAB by hitting it against paper towels lined with tin foil. 13. When done, dunk slides (in slide holder) in DAB container (filled with dh2o) 3 times. 14. Counterstain with Hematoxylin and 70% ethanol + HCl 15. Verify slides under the microscope to see staining intensity 16. Return hematoxylin back in storage container (can reuse up to 10x or until precipitate starts to form) 17. Wash the hematoxylin container with acid alcohol container. 18. Wash the container with slides under tap water for 5 min. 19. Replace gloves; dispose old gloves in burn up bin. 20. Dehydration with Ethanol and Xylene 21. Mount slides using permount (toxic) 3. 実験結果 protocol day 2 の11にて非特異的反応が出ました つまり染色すると予測される部分が染色されず 染色されるはずのない部分が染色ました この時点で IHC の失敗ですが 組織学的データとしての使い道も考慮し その後の過

程も続けました Counterstain の部分で これまでの IHC の理想型よりもかなり強い染色をしてしまっ たため これについても満足のできる結果ではありませんでした 4. 考察 考察 非特異的染色については 目的の細胞がほとんど染色されていなかったので 内因性ペルオキシダーゼの不活性化の失敗や DAB に問題があるのではなく 脱水や洗浄に問題があったと考えられます 特に脱水はスライドと切片間の水分を取り除き スライド組織の分子間相互作用を最大限にし 接着を強くするため また続く染色過程における悪影響を抑えるために大切なプロセスです 失敗した回のみ自分で脱水に用いる試料を全て調製しました ラボのメンバーがしているのを何度かみていたので 出来ると思いメタノール濃度 エタノールの濃度で基本的な測量ミスをした可能性が高い 各 reagent による脱水時間に関しては 正確に測っていたので 濃度の調整があまく 脱水しきれていなかったと考えられます 14のプロセスであるcounterstainingは細胞の染め分けの際の色の差異をうまく調整するためにヘマトキシリンとHClでの染色の量を微調整しなければいけません 色の濃淡には確実に何秒つければいいというものではなく その時の組織のコンディションにもよります その微妙な調整を難なくできるようになるのは一朝一夕ではできないことを痛感しました また この作業に引き続き 染色されたスライドの画像を取り データを解析するというところまで行けば 1ヶ月でできる自分の最大限の結果を出せたと思います ですが IHC の予習を日本で十分できていなかったため見学の時間が長くなったこと 結果自体上手く出なかったことで 自分の想像していたことは実現されませんでした 自分で染色していたものとは別の既成のスライドの画像をとりつつ細胞の数を数えて記録することはできました それに関しては 先生の研究室にいたメディカルスクールの学生の仕事をお手伝いする形で部分的に担当し 帰るときには引き継ぎをしました 5. 感想 私は 4 週間の基礎研究の研修だったので 実験の内容としては断片的なものが多かったですが それでも先生の研究の概要を知るためにペーパーを読む時間を与えて頂き その後 様々な実験を経験させて頂きました 癌やアポトーシスの研究の最先端で どのようなことをしているのか ということはやはり普段の講義で具体的なビジョンを得ることは難しいと思います 今回の体験が 自分の将来のキャリアに重要な意味をもたらすと確信しています 実験自体も印象的な体験でしたが 共に作業した アメリカ人の学生からは大いに刺激を受けました 高校生でもラボで日本の医学部の学生がするようなことをしている学生や

undergraduate( これから medical school に入る大学生 ) でより良い medical school に行くため自分の経歴に磨きをかける学生 Case の school of medicine に入ってもなお研究を続ける学生 アメリカのエリート教育の中で 大学のラボが中心的役割を果たし 優秀な人材を育成しているのだと感じました また アメリカのラボに行かれる際に注意しておいていただきたいのは ドレスコードです アメリカは自由の国というイメージが強いですが エリートは見た目で評価が下がるというようなことをさけるため ( というよりは服装は自分の所属の象徴ですから ) みなスラックス シャツと言ったフォーマルな格好が望まれます マイコースは基礎研究ですが ポリクリに行くつもりの格好で行くといいでしょう 病院見学等の際には ネクタイをすべきです 私は これらのことが完璧にはできていなかったため もっと準備を万全にしておけばよかったと思いました 自分の及ばなさを認識することは多々有りましたが 帰ってきてから思うのは 国自体の研究 教育スケールの違いです 将来 医師となり リーダーであり教育者となった時に 松山先生のように 自分の研究においても教育においても第一線で活躍するためには いつも努力を怠らず 礼儀を重んじ 挑戦を続けていく人であるべきだと強く思うようになりました 最後に 有意義な研修をオーガナイズしてくださった 松山先生を始めとするラボの方々 京大の武田先生 日本での基礎研究の実習を教えてくださった 循環器内科の尾野先生を始めとする先生に感謝の意を申し上げたいと思います 上記報告書を確認しました 指導教員 ( 署名 ): 所属分野責任者 ( 署名 ): 指導教員と異なる場合提出期限 : 11 月 28 日 ( 金 )17:00 厳守 提出先 : 教務 学生支援室