セントラル空調での計算事例 (A ビル ) 実在建物 ( 事務所ビル 14 階建 延床 20,000 m2 ) を対象とした建築及びセントラル空調システムの入力方法のデモと演習 第 6 回 BEST 省エネ基準対応ツール の特徴と使い方 2015/11/27 小林弘造 ( 日建設計 ) 1 今日の講習内容 1. 0 から建築 ~ セントラル空調システムの入力 1.1 建築 PAL* の計算 1.2 セントラル空調システム 台数制御の優先順位 セントラルの基準仕様 省エネ手法 1.3 結果の出力 2. セントラル空調システムの特殊な入力 2.1 個別 + 中央併用方式 水冷パッケージ ( スプリット型 ) 水熱源パッケージ ( 一体型 ) 2.2 コジェネ排熱利用 冷房 暖房 2.3 地域冷暖房 2
入力のポイント 入力の詳細度 ( 及び計算時間 ) と結果の精度 比例関係ではない 100% の精度は難しい 実用的な計算方法 ( 入力時間や計算時間の節約と計算精度の両立 ) 計算に影響のある項目を押え シンプルに入力する 入力の詳細度 ( 計算時間 (h)) ( 建築 ) 押える : 外皮面積や床面積 シンフ ル : ホテル等の連なった個室を 1 室とする 等 ( 設備 ) 押える :COP や合計能力 シンフ ル : 同じ能力の機器をまとめて 1 台とする 等 3 結果精度 (-) 100% 1.1 建築 操作内容 20,000 m2 14 階建て事務所ビル 正面外観イメージ A ビル ( 操作編解説書 )
1.1 建築 A ビル ( 操作編解説書 ) 操作内容 20,000 m2 14 階建て事務所ビル 基準階のみの簡易入力 操作ポイント 1. 初期検討として行う 2. 省エネ試算を行う 3. 操作に慣れる 75% 以上がオフィス 断面図 ( 構成 ) 5 建物概要 敷地概要 名称 Aビル 建築場所 東京都 建物概要 建物用途 事務所 延床面積 20,580.88m2 階数 地下 1 階 地上 14 階 建物高さ +59,600m 空調設備 熱源設備 電気 + ガス熱源方式 空調設備 インテリア : 各階空調機 +VAVユニットペリメータ :Low-E 複層ガラス 換気設備 第 1 種換気 :EV 機械室第 3 種換気 : 便所 給湯室 監視 制御 中央監視設備 配置図 6
建物平面 ( 基準階 ) 基準階平面図 7 建物入力の準備 1 空調室の確認 事務室 空調図面 又は設計思想から判断 書架室 8
建物入力の準備 2 空調室 ゾーニングの確認 空調システムが未定の場合は不要南北面壁 東西ヘ リメータ 9 建物入力の準備 3 寸法の確認 17.6m 6.4m スパン 8 = 51.2m 構造スパンで計測空調室の外皮が重要 4.3m 6.4m 5.3m 10
建物入力の準備 4 モデル化の検討 非空調室の形状は無視ペリメータゾーンを決定 5.0m 12.6m 6.4m 25.6m 12.8m 6.4m 4.3m 5.3m 6.4m スパン 8 = 51.2m 11 建物入力 入力操作 基本情報 から 壁 窓 庇 まで 窓 : 単板ガラス 10 mmフ ライント 有 ( 常時閉 ) 面積率 18% 外壁 :( 外断熱 )RC+ タイル 窓 : 複層 A12 mm日射遮蔽型 Low-E 8 mmフ ライント 有 ( 標準 ) 面積率 60% 庇 : 水平庇庇の出 600 mm幅 17,600 mm窓の高さ 2,100 mm外壁高さ (Y3)450 mm 内壁 : 軽鉄間仕切り 階高 4m 12
建物入力 PAL* の計算ための入力 外皮性能を知りたいゾーンを選択今回は 4 ゾーン対象 外皮性能 (PAL*) 試算 対象室の選択 インテリア部分は対象外 画面右上 一括編集 ボタン 13 建物計算 PAL* の実行 基準計算 実行 実行画面 14
建物計算 PAL* 基準 結果確認 外気負荷を含まない 内部発熱は顕熱のみ (= 人体潜熱を除く ) 基準仕様 理論編解説書に記載 BPI 年間熱負荷係数 15 1.2 セントラル空調システム 熱源システムの構築 熱源 ( 氷蓄熱 3 台 吸収式冷温水 ) 4 台の台数制御 熱源優先順序季節切替 二次ポンプ 台数制御 空調機 2 管式 VAV 空調機 熱源システム 16
1.2 セントラル空調システム 熱源システムの構築 AHU-1 熱源 (HP チラー 3 台 吸収式冷温水 ) AHU-2 4 台の台数制御 熱源優先順序 HP チラー > 吸収式 二次ポンプ 台数制御 空調機 HP チラー 3 台 吸収式冷温水発生器 2 管式 VAV 空調機 熱源システム 実建物とは異なる 17 熱源システムの入力 操作 システム構成を作成 1. 吸収式冷温水発生器 / 直焚き二重効用 / 高効率 2. ヒートポンプチラー / スクロール 熱源システム構成画面 18
熱源仕様入力 操作 ヒートポンプチラー / スクロール (14 フロア分の能力 ) 操作方法熱源 ( 図 ) 選択 + 右クリック 熱源編集 19 熱源仕様入力 操作 吸収式冷温水発生器 / 直焚き二重効用 / 高効率 (14 フロア分の能力 ) 操作方法熱源 ( 図 ) 選択 + 右クリック 熱源編集 20
熱源システムの入力 操作 熱源構成 熱源コピー 並び替え 熱源システム構成画面 21 熱源システムの入力 操作 システム構成を作成 3. 二次ポンプ 熱源システム構成画面 22
二次ポンプ仕様入力 操作 二次ポンプ / 渦巻 2 台 コピー 操作方法 1. ポンプ ( 図 ) 選択 + 右クリック 二次ポンプ編集 2. ポンプ ( 図 ) 選択 + 右クリック 二次ポンプグループ編集 3. ポンプ ( 図 ) 選択 + 右クリック 二次ホ ンフ コヒ ー 23 空調機 VAV の入力操作 エクセル取込み機能 空調機を作成 (1 フロア分 ( 基準階 )) 空調機 /VAV 二次ポンプとの接続 4 管式の場合 1: 冷水 2: 温水 ( 固定 ) VAV/CAV を作成 24
VAV を室に配置 ペリメータ インテリア ペリメータ AC-1-14-2 AC-1-14-1 25 VAV を室に配置 接続 操作 26
照明を室に設定 内部発熱として 13.0W/ m2程度 27 エネルギー計算の実行 基準計算 実行 28
エネルギー計算の実行 設計値 基準 BEI:0.78 HP チラー 優先運転 29 基準計算との比較 項目別の BEI の結果 BEST 解説書 ( 第 Ⅱ 編理論編 )2.3 基準一次エネルギー消費量の計算方法 30
エネルギー計算結果の分析 省エネ要素 VAV( 搬送動力低減 ) 高効率熱源 高効率照明 大温度差送水 全熱交換器 基準 設計 熱源 COP 吸収 : 冷 1.1 暖 0.8 吸収 : 冷 1.29 暖 0.9 HPチラー : 冷 3.24 暖 3.42 HPチラー : 冷 3.62 暖 3.76 水搬送 VWV 台数制御 t=7 VWV 台数制御 t=10 空調システム CAV VAV 全熱交外気カット 31 結果出力 32
2. セントラル空調システムの特殊な入力 操作演習 2.1 個別 + 中央併用方式 水冷パッケージ ( スプリット型 ) 水熱源パッケージ ( 一体型 ) 2.2 コジェネ排熱利用 冷房 暖房 2.3 地域冷暖房 33 2. セントラル空調システムの特殊な入力 水冷式ビル用マルチエアコン ( スプリット型 ) 操作演習 2.1 個別 + 中央併用方式 水冷パッケージ ( スプリット型 ) 水熱源パッケージ ( 一体型 ) 2.2 コジェネ排熱利用 冷房 暖房 2.3 地域冷暖房直列に熱源入力 できない 並列入力 使用期間が違うため 34
2. セントラル空調システムの特殊な入力 水冷式ビル用マルチエアコン ( スプリット型 ) 操作 中央熱源の入力 パッケージ ( 水冷ビルマル ) の入力 + 35 2. セントラル空調システムの特殊な入力 水熱源ヒートポンプ ( 一体型 ) 操作演習 2.1 個別 + 中央併用方式 水冷パッケージ ( スプリット型 ) 水熱源パッケージ ( 一体型 ) 2.2 コジェネ排熱利用 冷房 暖房 2.3 地域冷暖房 36
2. セントラル空調システムの特殊な入力 水熱源ヒートポンプ ( 一体型 ) 操作 中央熱源の入力 パッケージ ( 水熱源 ) の入力 + 37 2. セントラル空調システムの特殊な入力 コジェネレーションシステム 操作演習 2.1 個別 + 中央併用方式 水冷パッケージ ( スプリット型 ) 水熱源パッケージ ( 一体型 ) 2.2 コジェネ排熱利用 冷房 暖房 給湯 2.3 地域冷暖房 38
2. セントラル空調システムの特殊な入力 コジェネレーションシステム 操作 コジェネ発電機の入力 熱源 ( 排熱投入型吸収式 温水熱交換器 CGS 排熱 ) の入力 + 給湯 ( コジェネ排熱利用 ) の入力 39 2. セントラル空調システムの特殊な入力 地域冷暖房 操作演習 2.1 個別 + 中央併用方式 水冷パッケージ ( スプリット型 ) 水熱源パッケージ ( 一体型 ) 2.2 コジェネ排熱利用 冷房 暖房 2.3 地域冷暖房 地冷 熱交換器 40
2. セントラル空調システムの特殊な入力 地域冷暖房 操作 熱源 ( 冷温水交換器 ( 地域熱供給 )) の入力 41 おわり
熱源制御 優先順序 熱源制御 熱源優先順序 冷房 :HP チラー 優先 暖房 : 吸収式 優先 現状 優先順位は左から順番 ( 固定 ) > > > 優先順位 : 高い 43 熱源制御 優先順序変えるためのモデル化 AHU-1 熱源制御 4 管式空調システムでの代用 冷房期間 暖房期間切替え 優先順位を変えた熱源グループをコピー二次ポンプをコピー 冷房 暖房 AHU-2 HP チラー 吸収式冷温水発生器 吸収式冷温水発生器 HP チラー 熱源システムモデル化 44
熱源制御 優先順序変えるための入力 熱源制御 温水熱源の作成 温水二次側の作成 空調機 4 管式選択 二次ポンプグループと熱源グループの接続も行う 熱源入力結果 45 熱源制御 優先順序変えるための入力 熱源制御 46
熱源制御 優先順序変えたエネルギー計算結果 基準 設計値 BEI:0.78 吸収式冷温水発生器 優先運転 47