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Transcription:

是正改善の処置を求めたものの全文 公営住宅等整備事業等における二重床下地に係る工事費の積算について ( 平成 29 年 9 月 28 日付け国土交通大臣宛て ) 標記について 会計検査院法第 34 条の規定により 下記のとおり是正改善の処置を求める 記 1 工事の概要 (1) 公営住宅等の整備の概要地方公共団体は 公営住宅法 ( 昭和 26 年法律第 193 号 ) 住宅地区改良法 ( 昭和 35 年法律第 84 号 ) 等に基づき 公営住宅等整備事業等の一環として 公営住宅及び改良住宅 ( 以下 公営住宅等 という ) の建設 改善等の整備事業を実施している そして 貴省は 公営住宅等を整備する地方公共団体 ( 以下 事業主体 という ) に対して 社会資本整備総合交付金等を交付している (2) 公営住宅等の建設 改善等における工事費の積算の概要事業主体は 公営住宅等の建設 改善等における工事費の積算については 材料費と労務費等を合計した施工費等の単価 ( 以下 施工単価 という ) に 設計数量を乗ずるなどして予定価格の積算を行っている そして 事業主体では 積算に用いる施工単価について 原則として 事業主体が市場調査を行うなどして毎年度制定する単価表に記載されていればその単価を 単価表に記載されていないもので物価資料 ( 刊行物である積算参考資料をいう 以下同じ ) に市場価格として記載されている単価 ( 以下 物価資料掲載単価 という ) があればその単価を 単価表にも物価資料にも市場価格が記載されていないものは製造業者等からの見積価格や公表価格を査定するなどして決定する単価 ( 以下 見積りなどを基礎とした単価 という ) を用いることにして 積算を行い 予定価格を定めている (3) 公営住宅等における二重床下地の施工公営住宅等の大半は鉄筋コンクリート構造等となっており 事業主体は 内装工事の一環として 畳 フローリング等の床仕上げ材を設置するために コンクリートスラブの上に床仕上げ材の下地 ( 以下 床下地 という ) となる構造材を施工している そして 床下地の施工方法の一つとして 支持脚の付いた床パネルを床下地 ( 以下 - 1 -

二重床下地 という 参考図参照) として施工する方法がある 二重床下地は 支持脚の高さを一定程度容易に調整することができること また コンクリートスラブと床パネルとの間には給排水管等を配置できる空間があることから 施工が比較的容易なものとなっている 2 本院の検査結果 ( 検査の観点 着眼点 対象及び方法 ) 二重床下地は 施工が比較的容易であることなどから 多くの公営住宅等の建設工事等で用いられている そこで 本院は 経済性等の観点から 鉄筋コンクリート構造等の公営住宅等の二重 ( 注 1) 床下地に係る工事費の積算が適切に行われているかに着眼して 14 都道府県管内の112 事業主体が平成 23 年度から27 年度までの間に実施した二重床下地の施工を含む鉄筋コンクリート構造等の公営住宅等の整備事業 625 工事 ( これに係る工事費計 3569 億 1386 万余円 交付金等計 1614 億 6969 万余円 二重床下地に係る直接工事費の積算額計 31 億 6972 万余円 交付金等相当額計 15 億 3503 万余円 ) を対象として検査した 検査に当たっては 貴省及び14 都道府県管内の69 事業主体において 当該公営住宅等の設計図書 積算書等を確認するなどして会計実地検査を行うとともに 残りの6 ( 注 2) 都道県管内の43 事業主体から調書等の提出を受けるなどして検査した ( 注 1) 14 都道府県東京都 北海道 大阪府 岩手 宮城 茨城 埼玉 千葉 神奈川 福井 岐阜 愛知 鳥取 香川各県 ( 注 2) 6 都道県東京都 北海道 千葉 福井 岐阜 愛知各県 ( 検査の結果 ) 検査したところ 二重床下地に係る工事費の積算について次のような事態が見受けられた すなわち 前記の112 事業主体が実施した625 工事の二重床下地に係る工事費の積算についてみたところ 14 都道府県管内の93 事業主体が実施した338 工事 ( 二重床下地に係る直接工事費の積算額計 23 億 3492 万余円 交付金等相当額計 11 億 4667 万余円 ) において 事業主体は 二重床下地の施工単価について 物価資料掲載単価を用いることなく 見積りなどを基礎とした単価を施工単価と決定し これに施工面積を乗じて二重床下地に係る工事費を積算していた ( 注 3) しかし このうち 12 都道府県管内の67 事業主体が実施した228 工事に係る施工面積 4-2 -

35,711m2の二重床下地 ( これに係る直接工事費の積算額計 16 億 0917 万余円 交付金等相当額計 7 億 9279 万余円 ) は その床高さが 物価資料に物価資料掲載単価が記載されている65mmから180mmまでの範囲内にあり また 二重床下地は支持脚の高さを調整することで高さを調整することができることなどから 積算に当たり物価資料掲載単価を用いることが可能であった そして 上記の67 事業主体が実施した228 工事に係る施工面積 435,711m2の約 8 割に当た ( 注 4) る11 都道府県管内の54 事業主体が実施した177 工事に係る施工面積 352,210m2 ( これに係る直接工事費の積算額計 13 億 9037 万余円 交付金等相当額計 6 億 8450 万余円 ) についてみると 物価資料掲載単価により積算した方が見積りなどを基礎とした単価により積算するよりも低額となっていて 物価資料掲載単価を用いることにより経済的な積算を行うことが可能であった これらのことから 上記の177 工事に係る施工面積 352,210m2について 見積りなどを基礎とした単価を物価資料掲載単価に置き換えて 本件各工事における二重床下地に係る直接工事費の積算額を修正計算すると 計 10 億 5278 万余円 ( 交付金等相当額計 5 億 206 5 万余円 ) となり 上記の積算額を約 3 億 3750 万円 ( 交付金等相当額計 1 億 6385 万余円 ) 低減できたと認められる ( 注 3) 12 都道府県東京都 北海道 大阪府 岩手 埼玉 千葉 神奈川 福井 岐阜 愛知 鳥取 香川各県 ( 注 4) 11 都道府県東京都 北海道 大阪府 岩手 埼玉 千葉 神奈川 福井 愛知 鳥取 香川各県上記の事態について 事例を示すと次のとおりである < 事例 > 神奈川県は 平成 23 年度に県営緑ヶ丘団地 ( 鉄筋コンクリート構造 4 階建て1 棟 ) の建築工事を実施しており 本件工事においては 床下地を二重床下地 ( 施工面積 1,277m2 ) としていた 二重床下地の施工単価については 設計及び積算を受託した設計事務所が製造業者から見積書を徴取して作成した単価を査定して 床高さ100mm( 施工面積 783m2 ) 及び200 mm( 施工面積 494m2 ) のものについて それぞれ1m2当たり4,880 円及び5,200 円としていた しかし 本件工事で使用する二重床下地のうち床高さ100mmの二重床下地 ( 直接工事費の積算額 382 万余円 ) に関しては 物価資料に床高さ105mmの場合における単価が市場価格として記載されていて 同床高さの施工に通常用いる製品は床高さ100mmまで容易に調整して - 3 -

施工することができることから 物価資料掲載単価である床高さ105mmの単価 1m2当たり3,0 00 円を用いて積算を行うことが可能であったと認められる そこで 本件工事において採用した床高さ100mmの施工単価 4,880 円を物価資料掲載単価の3,000 円に置き換えて二重床下地に係る直接工事費の積算額を修正計算すると234 万余円となり 当初の積算額を147 万余円 ( 交付金相当額 66 万余円 ) 低減できたと認められる ( 是正改善を必要とする事態 ) 事業主体において 二重床下地に係る工事費の積算に当たり 工事の仕様から物価資料掲載単価を用いて経済的な積算を行うことが可能な場合においてもこれを用いることなく見積りなどを基礎とした単価により積算を行っている事態は適切ではなく 是正改善を図る要があると認められる ( 発生原因 ) このような事態が生じているのは 事業主体において 二重床下地に係る工事費の積算に当たり 工事の仕様から物価資料掲載単価を用いることが可能であったことについての理解が十分でなかったり 物価資料掲載単価等により市場価格を把握して経済的な積算を行うことについての理解が十分でなかったりなどしていること また 貴省において 事業主体に対して 物価資料掲載単価等により市場価格を把握して経済的な積算を行うことについての周知が十分でないことなどによると認められる 3 本院が求める是正改善の処置貴省においては 今後も引き続き 二重床下地の施工を含む鉄筋コンクリート構造等の公営住宅等の整備を推進していくことが見込まれる ついては 貴省において 二重床下地に係る工事費の積算について その仕様から物価資料掲載単価を用いることが可能な場合には物価資料掲載単価を参考にするなど市場価格を把握した上で施工単価を決定するよう各事業主体に周知して 経済的な積算となるよう是正改善の処置を求める - 4 -

( 参考図 ) 二重床下地の概念図 床仕上げ材 フローリング材 捨貼り合板 床パネル 二重床下地 支持脚 床高さ コンクリートスラブ - 5 -