平成 30 年度電気安全セミナー 平成 29 年度電気事故発生状況及び 自家用電気工作物立入検査の概要について ( 抜粋版 ) 平成 30 年 7 月中国四国産業保安監督部四国支部電力安全課
平成 29 年度電気事故発生状況について 1
1. 電気事故 ( 電気関係報告規則 ) 電気関係報告規則第 3 条の規定により国への報告義務が規定されている電気事故 (1 号 ) 感電等の電気工作物に係る死傷事故 (2 号 ) 電気火災事故 (3 号 ) 電気工作物に係る物損等事故 (4 5 号 ) 主要電気工作物の破損事故 (6 号 ) 発電支障事故 (7~10 号 ) 供給支障事故 (11 号 ) 他社への波及事故 (12 号 ) ダムからの異常放流事故 (13 号 ) 電気工作物に係る社会的影響を及ぼした事故
1. 電気事故 ( 電気関係報告規則 ) 3 電気事故報告の目的 事業者 事故報告提出 電力安全課 既に発生した電気事故の把握 ( 状況 原因 ) 類似事故の再発防止対策電気事故の未然防止電気工作物の安全性の確保 信頼性の向上
1. 電気事故 ( 電気関係報告規則 ) 6 ( 留意事項 ) 事故報告提出時点で 原因調査中 再発防止対策検討中の場合は 中間報告と位置付け 調査結果及び再発防止対策を策定次第 速やかに続報又は最終報告書を提出のこと 調査が長期間にわたる場合は 調査計画等を報告書に記載又は電話等により連絡すること 調査した結果 原因が特定されなかった場合は 調査の内容等を記載の上で 原因不明とすること 波及事故の場合 原因が自然現象の場合は 30 日以内の事故報告の提出は不要であるが その旨を電話等で連絡のこと
2. その他 ( 参考 )
平成 29 年度自家用電気工作物立入検査の概要について 18
3. 立入検査 ( 実施状況 ) 19 (1-1) 平成 29 年度選定事業場 ( 太陽電池発電所 ) 規模 専任統括法人個人需要設備低圧 - 高選任形態 選任 兼任 許可 外部委託 その他 計 圧2,000kW 未満 2 3 1 6 2,000kW 以上 - 特別高圧 - 計 - - 2-3 1-6 使用前自己確認対象発電所 3 発電所電気関係報告規則に基づく報告のあった発電所 1 件住宅地の近隣にあるメガソーラー発電所 2 件
3. 立入検査 ( 実施状況 ) 最大電力20 (1-2) 平成 29 年度選定事業場 ( 需要設備 ) 規模専任統括法人個人需要設選任形態 選任 兼任 許可 外部委託 その他 計 備低圧 - 高圧()300~399kW - 50kW 未満 - 50~99kW 1 1 2 3 7 100~199kW 2 1 3 200~299kW 1 1 400~499kW - 500kW 以上 3 2 2 7 特別高圧 2 2 計 7-1 - 4 5 3 20
3. 立入検査 ( 実施状況 ) 21 (1-3) 平成 29 年度選定事業場 ( 太陽電池 + 需要設備 ) 規模 選任形態 専任統括法人個人需要設備太陽電池発電所 2 3 1 6 需要設備 7-1 - 4 5 3 20 選任 兼任 許可 外部委託 その他 計 計 7-3 - 7 6 3 26
3. 立入検査 ( 実施状況 ) 22 (1-4) 検査内容 検査では以下について ヒアリング 点検記録 現場での電気工作物の状況により確認 1 技術基準への適合状況 2 電気主任技術者の執務状況 3 保安規程の遵守状況 4 その他保安上必要な事項 高濃度 PCB 含有電気工作物の計画的処分状況 太陽電池発電所における使用前自己確認の実施状況
3. 立入検査 ( 実施結果 ) 安規程遵守状況23 (2) 法手続き及び管理状況の不良事項 ( 平成 29 年度 ) 2 選任形態選任外部委託計兼任許可その他指摘事項専任統括法人個人 主任技術者選任等手続き不良 3 3 保安規程手続き不良 3 1 3 7 その他手続き不良 2 4 保等巡視 点検 測定記録の保管等不良 2 1 1 2 6 保安組織の不整備 3 1 2 2 8 保安教育不十分 2 2 巡視 点検 測定の未実施 不十分 1 1 1 1 2 6 運転操作基準の不整備 1 2 3 防災体制の不整備 2 2 その他 2 2 主任技術者執務状況不良 1 1 1 3 計 11-4 - 6 5 20 46
3. 使用前自己確認検査の不備事項 ( 事例 ) 24 外観検査 杭基礎の埋設深さ 杭の偏心等施工に対する判定基準がなく 強度の再確認も行われていない 傾斜地等 敷地形状や地盤形状により 設計と施工に差違が発生する場合 強度の確認が必要 強度が確認された施工余裕内であれば合格 強度確認範囲を超過した場合は施工条件により強度が確認できれ合格 検査前に合格基準を明確化しておく必要がある 工事計画対象の場合には架台の設計変更で変更の工事計画の対象となる場合あり
3. 使用前自己確認検査の不備事項 ( 事例 ) 25 外観検査 その他留意すべき事項 構造計算書における設計基準風速の確認 各部の接合状況の確認ボルト緩み ( 合いマーク ) 押さえ金具の変形 ボルトスペーサー水上の場合は動揺や移動を防止するアンカー等の適切性 ( 参考 ) 地盤の整地 緑化状況 排水処理施設の設置状況 ( 側溝 沈砂池 )
3. 保安組織の不整備 ( 事例 ) 26 保安組織の変更 保安を確保すべき組織及び業務上の責任が不明確 組織変更 主任技術者選任状態の変更等により保安規程上の保安組織と実際の保安組織が相違 組織変更等の都度 各組織における電気保安に関する責任 ( 役割 ) を再確認し 求められる業務内容と必要な力量を明確化 主任技術者の指揮命令先の明確化 保安業務実施状況 保安教育の実施状況の適切性の確認の基準となる
3. 保安組織 ( 電気事業法 ) 27 電気事業法及び同法施行規則で事業用電気工作物の工事 維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関することを明確化するよう規定 設置者 ( 代表者 役員等 ) 主任技術者 ( 代務者を含む ) 電気保安に関わる従事員 ( 電気工作物の工事 維持又は運用に直接携わる請負 委託会社を含む従業員 ) ( 外部委託 兼任事業場における連絡責任者を含む ) 上記以外の従業員 ( 電気保安業務に直接関わらない従業員でこの方々の電気使用の安全を上記の組織で担保する )
3. 保安組織 ( 要員の力量 ) 保安業務従事者に必要な資格と力量 最大電力 500kW 未満の事業場 ( 需要設備のみ ) 電気工事を行う者は 第 1 種電気工事士 認定電気工事従事者の資格が必要 ( 自社従業員が修繕や低圧回路の増設を行う場合も必要 ) 上記以外の事業場 電気工事 維持 ( 点検等 ) 運用 ( 発電設備の運転 受変電設備の操作等 ) については 法的資格はないが 事業場の電気保安業務に応じた必要な教育を実施し 工事 維持 運用業務に必要な力量を有していることが必要 28
3. 立入検査の実施結果 30 (3) 技術基準に抵触している事項 ( 平成 29 年度 ) 不良事項 選任形態 選任外部委託兼任許可専任統括法人個人 その他 低圧電路の絶縁不足省令第 5,58 条 ( 解釈 14 条 ) 1 1 電気室出入口への危険表示未設置省令第 9 条 ( 解釈 21 条 ) 1 1 1 3 計 太陽電池架台の杭の埋設不足 架台との接続不良省令第 4 条 ( 解釈 46 条 ) 1 1 低圧架空電線と植物の離隔不足省令第 5,29 条 ( 解釈 79 条 ) 1 1 屋外に屋内用コンセント等の配線器具を使用又は破損省令第 59 条 ( 解釈 150 条 ) 1 2 2 5 屋外移動電線にビニルコードを使用省令第 57 条 ( 解釈 171 条 ) 1 1 計 2 - - - 3 4 3 12
3. 立入検査の実施結果 31 (4) 保安上改善を要する事項 ( 平成 29 年度 ) 選任形態不良事項 選任外部委託兼任許可専任統括法人個人 その他 計 不要配線の未整理 1 1 動物 植物侵入防止対策が不十分 2 2 計 - - - - - - 3 3
3. 指摘事項の具体例 太陽電池架台の杭の埋設不足 架台との接続不良 省令第 4 条 ( 解釈 46 条 ) 状況 基礎杭が地盤の影響により傾斜して設置されたため 接続フランジが水平にならず 架台との接続が片側のみとなっており 必要な強度を有しているか不明 原因 製作不完全 対策 基礎の変更 基礎と架台の接続方法の変更 電気主任技術者等は使用前自己確認検査 竣工検査において 施工上許容できる内容や余裕を判断基準として明確化し 確認する 状況 基礎杭が傾斜地に埋設されているが 土壌の流出により設計上の基礎強度を有しているか不明 原因 施工不完全 対策 土砂流出対策の実施 基礎の変更 電気主任技術者等は竣工時だけでなく地盤の安定状況 排水処理施設の状況に留意する 太陽電池発電所の敷地からあふれた土砂は地域住民の方とのトラブルの元になる 32
3. 指摘事項の具体例 太陽電池架台の杭の埋設不足 架台との接続不良 省令第 4 条 ( 解釈 46 条 ) 状況 地盤の状況により基礎杭が所定の深さまで埋設されていない また 写真奥の基礎は杭にセメントを巻いているが 設計上の引き抜き力 水平力があるか不明 原因 施工不完全 対策 工事前の地盤調査の徹底 地盤の状況に応じた基礎の選定 基礎の変更 電気主任技術者等は使用前自己確認検査 竣工検査において 施工上許容できる内容や余裕を判断基準として明確化し 確認する 屋外移動電線にビニルコードを使用省令第 57 条 ( 解釈 171 条 ) 状況 屋外負荷用コンセントとしてビニルコード ( テーブルタップ ) を使用 また コードがキュービクル扉に挟まれ押しつぶされており 雨水の侵入 断線により感電 火災の恐れがある キュービクル内から屋外への引き出し処置がされておらず 扉部から引き出されている 常時扉で押しつぶされた状態であり コードの変形が見られる コード素線の断線も疑われる 原因 施工不完全 対策 電気設備の技術基準に適合する適切な配線工事を行うこと 電気主任技術者等は工事の際に適切な施工方法や材料であることを確認するとともに 仮配線等についても勝手な施行を許容せず 適切な施設であることを確認すること 33
3. 指摘事項の具体例 低圧架空電線と植物の離隔不足省令第 5,29 条 ( 解釈 79 条 ) 状況 低圧架空電線が植物と接触 絶縁電線の損傷による感電 火災の恐れがある 原因 保守不完全 対策 電線防護措置又は樹木伐採の実施 特に春から初夏にかけての樹勢が強い時期は注意が必要 屋外に屋内用コンセント等の配線器具を使用又は破損省令第 59 条 ( 解釈 150 条 ) 状況 屋外照明フラッシュプレートが欠損 雨水の浸入により 感電 火災の恐れがある 原因 保守不完全 対策 適切な改修を行う また 電気主任技術者は 日常点検において配線器具類の破損等がないか電気工作物の施設状況について確認を行うこと 34
3. 指摘事項の具体例 屋外に屋内用コンセント等の配線器具を使用又は破損省令第 59 条 ( 解釈 150 条 ) 状況 屋外スイッチボックスのカバーが欠損 雨水の侵入により 感電 火災の恐れがある 原因 保守不完全 対策 適切な改修を行う また 電気主任技術者は 日常点検において電気工作物の施設状況について確認を行うこと 状況 事業場内の 3φ200V プラグのカバーが損傷 コードクリップもなく 感電 火災の恐れがある 原因 保守不完全 対策 適切な改修を行う 電気主任技術者 機器使用者は 日常点検 使用前 使用後点検において電気工作物の状況について確認を行うこと 特に移動電線については使用方法を含め注意すること 状況 屋内用コンセントが屋外に設置されており 感電 火災の恐れがある 原因 施工不完全 対策 コンセントの増設等において 施設場所に適合した配線器具を使用する 工事にあたっては現場での勝手な工事を許容せず 電気主任技術者に確認を受けること 35
3. 保安上改善を要する事項 36 屋外キュービクル内に植物が侵入 植物が電気室窓のルーバーから室内に侵入 小動物侵入防止対策が不十分 ( 電気室排水管 ) 太陽電池発電所構内排水設備の損傷
4. 高濃度 PCB 使用電気工作物の処分の徹底 45 高濃度 PCB 使用電気工作物の処分期限 平成 30 年 3 月 31 日 期限経過後も調査不足から新たに使用中機器を確認 外部委託事業場 5 事業場 (6 台 ) 許可事業場 1 事業場 (1 台 ) 未選任事業場 1 事業場 (1 台 ) JESCO( 北九州 ) の計画的処理完了期限 平成 31 年 3 月 31 日
4. 高濃度 PCB 使用電気工作物の処分の徹底 46 電気主任技術者は PCB 機器使用の確認義務あり 昭和 47 年 (1972 年 ) 以前に製造された変圧器 コンデンサ等を使用又は保管している場合は 高濃度 PCB 使用電気工作物に該当しないか 現物確認すること 高濃度 PCB 使用電気機器の使用又は保管を確認した場合は 直ちに関係機関に連絡すること また 報告のほか 相談等あれば 中国四国産業保安監督部四国支部電力安全課 ( 山本 三河 ) まで連絡してください ( どのようなことでもかまいません )
5. 法令改正 ( 電気設備の技術基準 ) 47 解釈第 46 条第 3 項の新設 太陽電池架台を同項に基づき設置する場合 JIS C 8955(2004) への適合を除外 平成 30 年 8 月を目処に太陽電池架台の基準に JIS C 8955(2017) を適用する予定 ( 参考 : 第 16 回電力安全小委員会資料 ) http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/hoan/denryoku_anzen/pdf/016_02_01.pdf
48 5. 法令改正 ( 主任技術者制度の解釈及び運用 ( 内規 )) 燃料電池発電所に係る点検頻度 ( 内規 4.(9)) の改正 高圧一括受電マンションの各居室に設置されるエネ ファームの点検について明確化
5. 法令改正 ( 平成 15 年経済産業省告示第 249 号 ) 49 ( 参考 : 第 14 回電力安全小委員会資料 ) http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/hoan/denryoku_anzen/pdf/014_01_00.pdf
6. その他 ( 風力発電設備の定期安全管理審査 ) 風力発電設備の定期事業者検査に係る保安規程の整備及び定期事業者検査の計画的実施 電気事業法の改正により 500kW 以上 ( 単機出力 ) の風力発電設備が定期安全管理審査の対象設備に追加 ( 施行日平成 29 年 4 月 1 日 ) 定期安全管理審査は 事業者が実施した定期事業者検査について 実施の体制 検査の方法等法定 6 項目について登録審査機関の審査を受け 監督部の評定を受けるもの 事業者が実施する定期事業者検査は 保安規程で定めた法定事業者検査 ( 定期事業者検査 ) に係る実施体制及び記録の保存に関する事項に基づき実施する必要あり ( 参考 ) 設置者は運転が開始された日又は定期事業者検査が終了した日以降三年を超えない時期に定期事業者検査を実施し 登録安全管理審査機関による定期安全管理審査を受ける義務があり 施行日に既に運転を開始している風力発電設備については 初回の定期安全管理審査を設備の規模に応じて受けることを規定 10 基以上施行日から3 年以内 3~9 基施行日から1 年以上 3 年以内 1~2 基施行日から2 年以上 3 年 3ヶ月以内 50
6. その他 ( 産業保安法令手続の電子申請化 ) 52 ( イメージ ) 参考 : 産業構造審議会保安 消費生活用製品安全分科会第 16 回電力安全小委員会資料 http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/hoan/denryoku_anzen/pdf/ 016_04_00.pdf
6. その他 ( 産業保安法令手続の電子申請化 ) 53 導入スケジュール 電子申請システム 事業用電気工作物の保安規程の届出 / 変更届出 保安管理業務外部委託承認 ( 電気主任技術者の不選任 ) 2018 年度 2019 年度 2020 年度 ~ 利用開始 (2019 年 2 月 ) 事業用電気工作物の主任技術者の選任 / 解任届出 事業用電気工作物の主任技術者の兼任承認 主任技術者免状の交付を受けていない者を選任する許可の申請 自家用電気工作物設置者の発電所の出力の変更等の報告 システム開発 利用開始 (2019 年 6 月 ) 自家用電気工作物の廃止の届出 ばい煙発生施設廃止の届出 利用開始 (2020 年 2 月 ) 申請件数の多い手続きから 3 段階に分けてサービス開始 申請件数の多い保安法人等から導入予定 紙申請は継続 ( 紙申請の場合は添付書類 ( 委託契約の相手方に執務に関する説明書等 ) を OCR 等で読み取りやすい書式に変更を検討 )