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= 掲載済 12 短期入所生活介護 (P107~P121) 13 短期入所療養介護 (P122~P131) 16 福祉用具貸与 (P153~P158) 17 (P159~P170) 18 入居者生活介護 地域密着型入居者生活介護 (P171~P183) 20 介護老人福祉施設 地域密着型介護老人福祉

行政苦情救済推進会議の意見を踏まえたあっせん

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指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 ( 平成 12 年厚生省告示第 20 号 ) 介護保険法第 46 条第 2 項及び第 58 条第 2 項の規定に基づき 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準を次のように定め 平成 12 年 4 月 1 日から適用する 一指定居宅介護支

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2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

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同一建物に居住する利用者の減算 特別地域加算 前年度の 1 月あたりの平均実利用者数の分かる書類 ( 地域に関する状況 ) 1 訪問看護ステーション ( 規模に関する状況 ) 前年度の 1 月あたりの平均延訪問回数の分かる書類 13 訪問看護 2 病院又は診療所 3 定期巡回 随時対応サービス連携

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体制届の主な項目と添付書類 居宅サービス 別途 資料の提出をお願いすることがあります サービスの種類 体制届の主な項目 別紙 添付書類 その他の添付書類 備考 施設等の区分 ( 通院等乗降介助 ) - 道路運送法の許可証 - 日中の身体介護 20 分未満体制 別紙 15 定期巡回 随時対応サービスに

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1102 請求誤りによる実績取り下げ 1109 時効による保険者申立ての取り下げ 1112 請求誤りによる実績取り下げ ( 同月 ) 1129 時効による公費負担者申立ての取り下げ 1142 適正化 ( その他 ) による保険者申立の取り下げ 1143 適正化 ( ケアプラン点検 ) による保険者申

17★ 訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(平成十二年三月三十日 老企 厚生労働省老人保健福祉局企画課長通知)

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加算 栄養改善加算 ( 月 2 回を限度 ) 栄養スクリーニング加算 口腔機能向上加算 ( 月 2 回を限度 ) 5 円 重度療養管理加算 要介護 であって 別に厚生労働大が定める状態である者に対して 医学的管理のもと 通所リハビリテーションを行った場合 100 円 中重度者ケア体制加算

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01 表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

資料 1 年金給付に関する通知書について 年金額改定通知書は 物価の変動等に応じて年金額が改定された場合に日本年金機構が年金受給者に改定された年金額を通知するものである ( 厚生年金保険法 ( 昭和 29 年法律第 115 号 ) 第 2 条の 2 厚生年金保険法施行規則 ( 昭和 29 年厚生省令

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

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Ⅰ-9_(資料9)_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用_

住所地特例に係る事務の見直しの概要について Ⅱ- 資料 2 本事務は 介護予防 日常生活支援総合事業の実施時期に係わらず 平成 27 年 4 月から 全ての市町村において必要な事務であるので 留意されたい 1. 平成 27 年 4 月からの住所地特例に係る事務の見直しの概要 住所地特例の対象施設にサ

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すまい給付金事業の概要 1 消費税率引上げへの対応 平成 26 年 4 月 1 日からの消費税率の 5% から 8% への引上げに合わせて 消費税率の引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化する観点等から 平成 25 年度税制

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小規模多機能型居宅介護 介護予防小規模多機能 区分変更 ( 要介護 1~ 要介護 5 の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 型居宅介護く ) 区分変更 ( 要介護 要支援 ) サービス提供日 サービス事業所の変更 ( 同一サービス種類のみ ) ( 通い 訪問又は宿泊 ) 事業 ( 指定有効期間 ) 受給資

8_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用について

別表 有料老人ホームの類型及び表示事項 類型介護付有料老人ホーム ( 一般型特定施設入居者生活介護 ) 介護付有料老人ホーム ( 外部サービス利用型特定施設入居者生活介護 ) 住宅型有料老人ホーム ( 注 ) 健康型有料老人ホーム ( 注 ) 類型の説明介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設で

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出時に必要な援助を行うことに関する知識及び技術を習得することを目的として行われる研修であって 別表第四又は別表第五に定める内容以上のものをいう 以下同じ ) の課程を修了し 当該研修の事業を行った者から当該研修の課程を修了した旨の証明書の交付を受けた者五行動援護従業者養成研修 ( 知的障害又は精神障

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サービスの種類要支援 1 2 の方要介護 1~5 の方 3 訪問介護 ( ホームヘルプ ) 介護予防訪問介護 利用者が自力では困難な行為について 同居家族の支援や地域の支えあい 支援サービスなどが受けられない場合には ホームヘルパーによるサービスを行います ホームヘルパーが居宅を訪問し 入浴 排泄

平成 28 年度介護保険事業状況報告 ( 年報 ) のポイント 1 第 1 号被保険者数 (28 年 3 月末現在 ) (29 年 3 月末現在 ) 3,382 万人 3,440 万人 ( 対前年度 +59 万人 +1.7% 増 ) ( 単位 : 万人 ) 3,500 3,000 2,500 2,0

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害児の保護者の立場に立ったサービスの提供に努めるとともに 地域及び家庭と の結び付きを重視し 市町村 他の指定障害福祉サービス事業者等その他の保健 医療サービス及び福祉サービスを提供する者との密接な連携に努める その他 当該事業所における運営の方針を記載 すること 前項のほか 新潟市指定障害福祉サー

Microsoft Word - 表紙 雛形(保険者入り)高齢者支援課180320

通常の届出に係る加算等のサービス種類算定の開始時期 定期巡回 随時対応型訪問介護 届出が毎月 15 日以前になされた場合には看護翌月から 複合型サービス( 看護小規模多 16 日以降になされた場合には翌々月から機能型居宅介護 ) 夜間対応型訪問介護 ( 介護予防 ) 認知症対応型通所介護 ( 介護予

( 別紙 1-1) 介護給付費算定に係る体制等状況一覧表 ( 居宅サービス 施設サービス 居宅介護支援 ) 法人 ( 開設者 ) 名事業所名事業所番号 提供サービス 施設等の区分 人員配置区分 その他該当する体制等 割引 各サービス共通 地域区分 1 1 級地 6 2 級地 7 3 級地 2 4 級

Taro-指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

大阪府特別養護老人ホーム入所指針

福祉用具貸与 介護予防福祉用具貸与 心身機能が低下した高齢者に 日常生活の自立を助ける用具をレンタルします 自 宅 に 住 ん で 自 宅 で 受 け る サ ー ビ ス ( 生活環境を整える ) 貸与品目 福祉用具購入費の支給 住宅改修費の支給 手すり スロープ 歩行器 歩行補助杖 車いす ( 付

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小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援変更日 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定有効期間 ) 事業所指定効力停止の

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介護給付費単位数等サービスコード表 ( 平成 24 年 4 月施行版 ) 介護サービス 平成 24 年 4 月 Ⅰ 居宅サービスコード 1 訪問介護サービスコード表 1 2 訪問入浴介護サービスコード表 57 3 訪問看護サービスコード表 58 4 訪問リハビリテーションサービスコード表 66 5

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体

- 2 - いては 新基準別表の 1 のイ中 1,458 単位 とあるのは 1,611 単位 と 729 単位 とあるのは 806 単位 と 同 1 のロ中 1,207 単位 とあるのは 1,310 単位 と 603 単位 とあるのは 65 5 単位 と 同 1 の注 6 中 減算する とあるのは

社会福祉法人による生計困難者に対する利用者負担の減免

意見を表示したものの全文 有料老人ホーム等の入居者が利用する訪問介護に係る介護給付費の算定について ( 平成 29 年 10 月 19 日付け厚生労働大臣宛て ) 標記について 会計検査院法第 36 条の規定により 下記のとおり意見を表示する 1 制度の概要 (1) 有料老人ホーム等の概要 記 貴省

訪問介護事業所の役割 1 訪問介護計画や手順書への記載居宅サービス計画に通院介助及び院内介助の必要性が位置付けられている場合に限り 訪問介護サービスとして 介助が必要な利用者が 自宅から病院 受診手続きから診察 薬の受け取り 帰宅までの一連の行為を円滑に行うために訪問介護員が行うべき援助内容を訪問介

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老高発 0713 第 1 号 平成 30 年 7 月 13 日 各都道府県介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省老健局高齢者支援課長 ( 公印省略 ) 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について の一部改正について 今般 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について (

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区西北部圏域 豊島区 北区 板橋区 練馬区 1,000百万円未満 500百人未満 居住系 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 施設 19% 施設 36% 凡例 円グラフの大きさ 小 東京都 1,000百万円以上 10,000百万円未満 10,000百万円以上 500百人以上 1,00

介護報酬体系見直しの概要

Transcription:

平成 24 年 8 月 31 日 介護保険制度における通院等乗降介助の適用範囲の拡大 ( 概要 ) - 行政苦情救済推進会議の意見を踏まえた通知 - 総務省行政評価局は 次の行政相談を受け 行政苦情救済推進会議 ( 座長 : 大森彌東京大学名誉教授 ) に諮り その意見を踏まえて 平成 24 年 8 月 31 日 厚生労働省に対し通知を行いました ( 行政相談の要旨 ) 介護保険制度における通院等乗降介助においては 居宅要介護者の目的地 ( 等 ) が複数ある場合であって 出発地及び到着地が居宅以外である目的地間の移送は 介護給付費の算定をすることができないとされているが このような目的地間の移送についても 介護給付費の算定を認めるようにしてほしい ( 問題点 ) 通院等乗降介助においては 出発地及び到着地が居宅以外である目的地間の移送は 介護給付費を算定することができないため 当該目的地間の移送に係る介護費用は 居宅要介護者の負担となる 複数回に分けてに通院等した場合には それぞれ介護給付費の算定が可能となるが 居宅要介護者の経済的及び身体的な負担が増加することとなる ( 通知の内容 ) 介護給付の見直しに関する厚生労働省の検討に資するため 行政苦情救済推進会議の次の意見を同省に参考として通知 (1) 居宅から出発して 一つの等 ( 目的地 ) に行くのも 二つの等 ( 目的地 ) に行くのも 最終的には居宅に戻ってくるのであり 目的地間の移送についてのみ 訪問介護の定義に該当しないことを理由として介護給付費の算定を認めないとすることは 身体介護が中心である場合には算定が認められていることと比較して 合理性がないと考えられる (2) 厚生労働省は 通院等乗降介助の適用範囲の拡大について 居宅要介護者の通院等の実態に照らして 居宅要介護者の負担の軽減や介護給付費の節減という観点から 法制度の見直しを含めた検討をすべきである

資料 通院等乗降介助とは 通院等乗降介助とは 介護保険における訪問介護 ( 介護保険法 ( 平成 9 年法律第 123 号 ) 第 8 条第 2 項 ) の一形態であり 居宅要介護者について 通院等のため 指定訪問介護事業者の訪問介護員等が自らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行うとともに 併せて 乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助又は通院先若しくは外出先での受診等の手続 移動等の介助を行った場合に 介護給付費の算定をすることができるもの 介護保険法 ( 抜粋 ) 第八条この法律において 居宅サービス とは 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 通所介護 通所リハビリテーション 短期入所生活介護 短期入所療養介護 特定施設入居者生活介護 福祉用具貸与及び特定福祉用具販売をいい 居宅サービス事業 とは 居宅サービスを行う事業をいう 2 この法律において 訪問介護 とは 要介護者であって 居宅 ( 老人福祉法 ( 昭和三十八年法律第百三十三号 ) 第二十条の六に規定する軽費老人ホーム 同法第二十九条第一項に規定する有料老人ホーム ( 第十一項 第二十項及び第十三条第一項第二号において 有料老人ホーム という ) その他の厚生労働省令で定める施設における居室を含む 以下同じ ) において介護を受けるもの ( 以下 居宅要介護者 という ) について その者の居宅において介護福祉士その他政令で定める者により行われる入浴 排せつ 食事等の介護その他の日常生活上の世話であって 厚生労働省令で定めるもの ( 定期巡回 随時対応型訪問介護看護 ( 第十五項第二号に掲げるものに限る ) 又は夜間対応型訪問介護に該当するものを除く ) をいう 3~27 ( 略 ) ( 注 ) 下線は当省が付した 介護報酬に係るQ&Aについて ( 抜粋 ) - 平成 15 年 5 月 30 日付け厚生労働省老健局老人保健課事務連絡 - Q22 1 日に複数の医療機関を受診する場合に 医療機関から医療機関への移送に伴う介護について 通院等のための乗車又は降車の介助 を算定できるか A22 居宅以外において行われるバス等の公共交通機関への乗降 院内の移動等の介助などのサービス行為だけをもってして訪問介護として算定することはできない したがって 医療機関から医療機関への移送に伴う介護については 通院等のための乗車又は降車の介助 を算定することはできない Q24 通院等のための乗車 降車の介助の前後に連続して行われる外出に直接関連する身体介護 ( 移動 移乗介助 身体整容 更衣介助 排泄介助等 ) は別に算定できるのか A24 通院等のための乗車又は降車の介助 の前後に連続して行われる行為のうち 外出に直接関連する身体介護 ( 移動 移乗介助 身体整容 更衣介助 排泄介助等 ) については 居室内での準備や通院先での院内の移動等の介助など 通院等のための乗降介助の前後に連続して行われる身体介護の所要時間や内容に関わらず 身体介護中心型 を算定できず 通院等のための乗車又は降車の介助 を算定することになる ただし 要介護 4 又は要介護 5の利用者に対して 通院等のための乗車 降車の介助を行うことの前後に連続して 相当の所要時間 (20~30 分程度以上 ) を要しかつ手間のかかる 外出に直接関連する身体介護を行う場合に限り その所要時間 ( 運転時間を控除する ) に応じた 身体介護中心型 の所定単位数を算定できる この場合には 通院等のための乗車又は降車の介助 の所定単位数を併せて算定することはできない ( 例 ) ( 乗車の介助の前に連続して ) 寝たきりの利用者の更衣介助や排泄介助をした後 ベッドから車いすへ移乗介助し 車いすを押して自動車へ移動介助する場合 ( 注 ) 下線は当省が付した 1

現 状 通院等乗降介助の算定をすることができない 1,000 円 1,000 円 自己負担額 = 運賃 =1,000 円 1,000 円 合計 200 円 +2,000 円の自己負担 居宅 合計 200 円 +2,000 円の自己負担 2 回の通院で 400 円 +4,000 円を自己負担 介護給付費は 3,600 円 自己負担が 100 円軽減され (400 円 300 円 ) 付随的に交通費も 1,000 円軽減される (4,000 円 3,000 円 ) ため トータルで 1,100 円の負担軽減 介護給付費も 900 円 (3,600 円 2,700 円 ) 節減 申出のケース 自己負担額 = 運賃 =1,000 円 通院等乗降介助の算定を認めてほしい 1,000 円 居宅 1,000 円 2 回の通院で 300 円 +3,000 円を自己負担 介護給付費は 2,700 円 ( 注 1) することができる介護給付費の単位数は 1 回につき 100 単位であり 1 単位を 10 円とした場合 当該サービスに要する費用の額は 1,000 円となり このうち 100 分の 90 である 900 円が介護給付費として支給され 居宅要介護者の自己負担額は 100 円となる ( 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 ( 平成 12 年厚生省告示第 19 号 ) 厚生労働大臣が定める一単位の単価( 平成 12 年厚生省告示第 22 号 ) 介護保険法第 41 条第 4 項第 1 号 ) なお 移送に係る運賃は 介護給付の対象外である ( 注 2) 運賃は 単純化するため 一律片道 1,000 円とした 2

通院等乗降介助 と 身体介護中心型 との比較 (1) 通院等乗降介助を算定する場合 ( 利用できる者は 要介護 1~5 に該当する者 サービスに要する費用の額の算定は 定額 ( 片道単位 )) 訪問介護の一類型である通院等乗降介助は 居宅におけるサービスである必要があり 下図の 間の移動に係る介助は 完全に居宅外において行われるサービスであることから 介護給付費の算定をすることができないとされている 通院等乗降介助を算定算定不可通院等乗降介助を算定 (2) する場合 ( サービスに要する費用の額の算定は 介護に要した時間単位 なお 利用できる者は 次のいずれかに該当する者 ) 1 通院等のための乗車 降車の介助を行うことの前後に連続して相当の所要時間 (20 ~30 分程度以上 ) を要し かつ 手間のかかる身体介護を行う場合 は 要介護 4 又は 5 に該当する者 2 居宅における外出に直接関連しない身体介護 ( 例. 入浴介助 食事介助等 ) に 30 分 ~1 時間程度以上を要し かつ 当該身体介護が中心である場合 は 要介護 1~ 5 に該当する者 身体介護中心型の場合には 下図の 間の移動に係る介助は居宅外で行われるものであるが 居宅において行われる目的地 ( 等 ) に行くための準備を含む一連のサービス行為とみなし得る場合には 介護給付費の算定をすることができるとされている ( 注 ) 本資料は 厚生労働省の資料等に基づき 当省が作成した 3

参考 行政苦情救済推進会議 総務省に申し出られた行政相談事案の処理に民間有識者の意見を反映 させるための総務大臣の懇談会 ( 昭和 62 年 12 月発足 ) メンバーは 次のとおり ( 座長 ) 大森彌東京大学名誉教授 秋山收元内閣法制局長官 加賀美幸子 加藤陸美 小早川光郎 千葉市女性センター名誉館長 元環境事務次官 成蹊大学法科大学院教授 谷昇 ( 社 ) 全国行政相談委員連合協議会会長 松尾邦弘 弁護士 元検事総長 4