3.Web の使いやすさ 検索エンジン最適化 Web アクセシビリティ 1 検索エンジンのシェア 2018 年 5 月現在の世界シェア (%) モバイル にはタブレット端末も含む デスクトップ モバイル Google 70.0 81.3 Baidu ( 百度 ) 17.2 12.7 Bing ( マイクロソフト ) 7.6 0.8 Yahoo! 3.6 0.8 その他 1.6 4.4 出典: http://netmarketshare.com/ 2
1990 年代の検索エンジン Google 以前の検索エンジンが目指したこと どれだけ多くのページを検索対象にできるか どれだけ速く検索結果を提示できるか その結果 利用者に有益な ( 信頼できる ) 検索結果が得られなくなった ランキングを上げるために, ページ内に作為的に多数のキーワードを埋め込むこと等が行われた Google(1998 年より稼働 ) が目指したこと より役に立つページを検索結果の上位に表示する ( ランキングの信頼性向上 ) 3 検索エンジン最適化 : SEO(Search Engine Optimization) 予め想定したキーワードに対して,Web ページが検索結果の上位に表示されるように工夫すること 各検索エンジンがどのような基準で検索結果 ( ページ ) を順位付けているか, 様々な状況から推測する Google の特性を考慮した対策が必要 簡単に言えば サイト内の各ページの情報を, 検索エンジンにわかりやすく伝える ページ内容はクローラによって解析される 4
検索結果の順位付けに影響を及ぼす 2 つの要因 ページ内要因 対象ページ内の記述 例 : キーワードの出現回数や出現位置 タイトル要素, 見出し要素などに含まれている文字列 ページ外要因 サイト外から対象ページへのリンク元 例 : 対象ページにリンクしているページ ( リンク元ページ ) の質 対象ページへのリンク数 ( 被リンク数 ) 5 Google( クローラ ) によって保存されたキャッシュページ 国立国会図書館 で検索 キャッシュ されたページを開く [2017.06.19 閲覧 ] 6
検索エンジン (Google) のしくみ : クローラによるページ情報の収集 ページ情報の収集 クローラ クロール対象となるページのリンク情報 Web サイト ページ情報 ページ内容を保存 インデクサ 新たなリンクを登録 キーワードとページの対応表を作成 リンク情報 リンク元のページを考慮 ユーザ 検索要求 ( キーワード ) タイトルと概要 検索サーバ インデックス情報 検索結果を順序付けて表示 キーワードに関連するページの URI ページランク ページの重要度 S. Brin, L. Page (1998) http://www-db.stanford.edu/~backrub/google.html 7 ページ外要因 Google 以前の検索エンジンは検索結果の順位付けをページ内要因のみに頼っていた ページ内要因はサイト制作者によって操作可能 作為的なキーワード埋め込みにより検索結果の信頼度が低下 ページ外要因は Google によって初めて考慮された (1998 年 ) ページ外要因は第三者によるリンク行為による評価 作為的な変更が行いにくい 8
リンクポピュラリティ 外部から張られているリンクの数と質で評価されるページの重要度 ( ページ外要因 ) PageRank( ページランク ) 評価の高いページからのリンクは評価が高い 多くのページからリンクされているページは評価が高い リンク数の少ないページからのリンクは評価が高い リンクポピュラリティは一般名称 (PageRank は Google の商標 ) リンク先を厳選した, 質の高いページからリンクされると評価が高まる 9 リンクポピュラリティの計算例 各ページの評価値をリンク数で配分 リンク先では全てのリンクが持つ評価値の総和をそのページの評価値とする 評価値 100 評価値が高いページ (yahoo.co.jp 等 ) [100/2] [100/2] 60 50 [20/2] [20/2] 評価値 20 評価値 1 12 [1/1] [1/1] 評価値 1 評価値が低いページ ( 個人のページ等 ) リンク先での評価値 10
< 練習 3-1> リンクポピュラリティ 下の図で, 四角形内の数値はそのリンクポピュラリティ, 矢印はハイパーリングによる参照関係を表している. このときページ (a)(b)(c) のリンクポピュラリティを求めなさい (a) 60 40 (b) (c) 11 ページ内要因 クローラは HTML 文書内のテキスト内容を解析 画像や動画コンテンツ内の文字は解析されない 文法的に誤りのない文書であることが望ましい スタイル指定 (CSS) やスクリプト (JavaScript) 記述も対象外 キーワード抽出でクローラが考慮する要因 ページ内での役割 ( タグの種類 ) タイトル要素, 見出し要素, アンカー要素, 強調要素 ページ内で出現頻度 ( 厳選して使用する ) 多用するとスパム行為とみなされ, ペナルティを受ける ( 検索順位が下落する ) 場合がある 12
内部対策 ページ内要因を考慮する クローラに理解しやすいように HTML を整える 訪問ユーザにも理解しやすくなる 以下で取り上げる内部対策 (1) タイトル要素 (2) 見出し要素 (3) アンカー要素 (4) 強調要素 13 内部対策 : (1) タイトル要素 検索エンジンは title 要素内のキーワードをページ内のどの文字列よりも重視する ページ内容に合った ( ページ固有の ) タイトルを付ける トップページ <html> <head> <title> 格安航空券 </title> </head> <body> <h1> 旅行 </h1> </body> </html> <title> アジア旅行 : 格安航空券 </title> アジア旅行のページ <title> ヨーロッパ旅行 : 格安航空券 </title> ヨーロッパ旅行のページ 14
内部対策 : (2) 見出し要素 タイトル要素と同程度に重視される h1は特に重視されるが多用しても効果はない 文書構造に見合った使い方をする h1 ( 大見出し ),h2 ( 中見出し ),h3 ( 小見出し ) <h1>abc 旅行社 </h1> <h2> 国内旅行 </h2> <h3> 北海道 </h3> <h3> 東北 </h3> <h3> </h3> <h2> 海外旅行 </h2> <h3> アジア </h3> <h3> ヨーロッパ </h3> <h3> </h3> <h1>abc 旅行社 </h1> <h1> 国内旅行 </h1> <h1> 北海道 </h1> h1 要素はページ内で 1 箇所にとどめる <h1>abc 旅行社 </h1> <h3> 国内旅行 </h3> <h2> 北海道 </h2> 構造が論理的でない ( レベル 1 の次にレベル 3 がくる ) 15 内部対策 : (3) アンカー要素 そのページ内で重要なキーワードとみなされる リンクテキストにはリンク先のページ内容と関連の深い具体的な用語を用いる ( 指示代名詞は用いない ) <a href= liquid_crystal_tv.html > 液晶テレビ </a> についてはこちらへ 液晶テレビについては <a href= liquid_crystal_tv.html > こちら </a> へ 画像リンクには alt 属性を付ける こちら ( 指示代名詞 ) はページ内容に直接関係しない <a href= http://www.kansai-u.ac.jp/..."> <img src= menu1_4.gif" alt=" 在学生の方へ就職 進路 国際交流など " > </a> 16
内部対策 : (4) 強調要素 strong 要素で強調された内容は重視される ページ内での使用は多くても 3 回程度にとどめる (strong 要素を多用すると逆効果になる ) 例. ブラウザ上での表示は同じ 液晶テレビ の部分が太字になる <strong> 液晶テレビ </strong> の紹介 強調を意味しない ( 見た目を変更している ) のでキーワードとして重視されない <span style= font-weight:bold; > 液晶テレビ </span> の紹介 17 Google によるウェブマスター向けガイドライン ( 品質に関するガイド ) 基本方針 ユーザの利便性を考慮し, 付加価値の高いページを提供 検索結果の順位を作為的に上げようとしない 一般的なガイドライン 検索エンジンのクローラーがページを検出しやすくする クローラがページを理解しやすくする 訪問者 ( ユーザ ) がページを利用しやすいようにする 18
まとめ SEO はあくまで検索エンジン対策のテクニック 目的ではなく手段に過ぎない クロールされなければページは評価されない 巡回しやすいナビゲーション設計 サイトマップによる主要ページ一覧 HTMLを正しく用いる ユーザにとって有用で利用しやすいサイトにする わかりやすい Web サイトの構築を心がける 19 < 練習 3-2> バナー広告 自治体等で有料で掲載されるバナー広告は, ページ末尾に表示されるため, ユーザには見つけにくく, クリックされる可能性も高くない 自治体の広報担当者として, バナー広告の効果を理解してもらうには企業担当者にどのように説明すればよいか? 20