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Transcription:

資料 3 西日本地域における ICT を利活用した協働教育の推進に関する調査研究に係る請負 の報告書の概要 平成 23 年 3 月 23 日株式会社富士通総研

ICT 環境の構築を通して抽出された主な課題の分析結果 学校における ICT 環境の構築を通して抽出された主な課題の分析結果 ICT インフラの整備状況に応じた導入の容易性 児童 教員 保護者の ICT リテラシーに応じた導入教育の必要性 校舎の形状 ( 木造 鉄筋 広さ等 ) に応じたネットワーク環境の構築 既設のネットワーク環境の活用 周辺地域に配慮したネットワークの構築 電源設備 設置スペース 研修の方法 電波干渉などの無線 LAN 環境への影響 無線 LAN の設計 基幹 NW との接続手法 電波の漏洩可能性 各教室への ICT 機器の設置にあたり 電源コンセントの増設が必要であったが 現行の電気容量内で構築できることが分かった 教員においては 導入研修を行ったが ICT 支援員による学校の実状に合わせたミニ研修が ICT 利活用の推進にあたって 有効であることが分かった 児童においては 学習への影響を考慮し 集合研修ではなく 授業内で教員 ICT 支援員が指導することが 現実的であることが分かった 電波干渉を考慮し 各教室の天井中央付近に無線アクセスポイントを設置するとともに ローミングを行うことで 校舎の形状に依存しない無線 LAN 環境を構築できることが分かった 既設のネットワーク環境は活用しなかったが セキュリティポリシーや既設ネットワークへの負荷 情報漏洩等への影響を考慮し 既設のネットワーク環境との接続手法を検討する必要がある 無線アクセスポイントの隠蔽や暗号化等を施し 周辺地域へ電波が漏洩しても 校内ネットワークに接続できないようにした 学校と家庭間連携における ICT 環境の構築を通して抽出された主な課題の分析結果 実現性 家庭のICT 利用環境 普及率の高い携帯電話によるポータルサイトを介した学校との情報連携は 実 現性が高いことが分かった 児童 教員 保護者の ICT リテラシーに応じた導入教育の必要性 学校と家庭間連携のために必要な研修 保護者の理解を得るための説明が重要であり 児童の健康面 ( 視力低下や無線 LAN の電波影響等 ) や個人情報の取扱いに関する配慮について 説明する必要があることが分かった 1

ICT 環境の構築を通して抽出された主な課題の分析結果 協働教育プラットフォームの構築を通して抽出された主な課題の分析結果 セキュリティポリシーに配慮したネットワークの構築 全国の学校における協働教育プラットフォームの利用可能性 フィルタリング ウイルス対策 協働教育プラットフォームへの接続方法 フィルタリング ウイルス対策を施した上で ネットワークを構築した 特に フィルタリングについては 各自治体 教育委員会等のセキュリティポリシーに配慮し 実証校ごとにフィルタリング項目を設定変更できるようにすべきと思われる 全国展開を意識し 専用線ではなく インターネット回線を採用したが 本年度の ICT 利活用においては 特に問題ないことが分かった しかし 今後 デジタル教科書等を含む容量が大きいコンテンツを クラウドから配信する場合 帯域保証の課題がある 2

利活用を通して抽出された主な情報通信技術面等の課題の分析結果 学校における利活用を通して抽出された主な情報通信技術面等の課題の分析結果 通信レベルの確保 ネットワークの構築方法 各教室の天井中央付近にIEEE802.1n 方式 ( 理論値 300Mbps) の無線アクセス ポイントを設置することで 実行速度 50Mbpsの通信レベルを確保できることが 分かった スムーズな授業運営を支援する仕組みや操作性の確保 利用者数や利用環境の変化に対する柔軟性の確保 操作しやすい画面 入力方式 変化に対応できる設定 机の配置図に基づき IWB への提示や 4 画面表示等が可能な授業支援システムを導入したため 操作面においては問題ないことが分かった しかし 児童の学習進捗を一覧的に把握できる画面転送等の機能拡張が必要である 様々な授業形態に対応するため タブレット PC IWB の IP アドレスをグルーピングし 授業支援システムで設定を切り替えることで 実証校が要求する授業形態へ迅速に対応できることが分かった 学校 家庭間連携を通して抽出された主な情報通信技術面等の課題の分析結果 操作性 インターフェイスの確保 十分な情報セキュリティ対策 教員 保護者の視点 不正アクセス 情報漏洩の防止 普及率の高い携帯電話による接続も可能とすることで 操作方法について問題ないことが分かった クラウド環境において 不正アクセスや情報漏洩の防止について 万全な対策を施した しかし さらなる児童の利便性を追及するため ID パスワードによる認証ではなく 児童の発達段階に合わせた認証方法や IC カード 指紋認証等を検討する必要がある 協働教育プラットフォームの利活用を通して抽出された情報通信技術面等の課題の分析結果 アクセス制御 情報システム アプリケーション提供技術 情報セキュリティの確保 多数アクセスの想定 学校のインフラ整備状況 アクセス増大による負荷に対応するため 自動的にサーバーを複製する機能を準備したが 使用するまで至らなかった 教員向けポータルサイトや教材配信においては Web 技術で対応可能であることが分かった しかし 今後 既存の校務システムとの連携が課題である 3

導入 運用に係るコストや体制に関して抽出された主な課題の分析 導入 運用に係るコストに関して抽出された主な課題の分析 主な課題 既設 ICT インフラを活用による導入 運用負担 コストの低減 分析結果 セキュリティポリシーや既設ネットワークへの負荷 情報漏洩等への影響を考慮し 別のネットワーク環境を構築したため 既設のネットワーク環境を活用しなかった 既設の実物投影機や PC モニタ等の周辺機器を活用した事例もあったが 活用可能な既設 ICT インフラが少なく コスト低減に大きく寄与しなかったことが分かった 児童の多寡に応じた導入 運用 校舎の形状に応じた導入 運用 既設インフラ状況に応じた導入 運用 児童の多寡によって ICT 機器の導入台数 ( 特に 児童用タブレット PC 台数 ) が大きく変動するが 実証校の今までの取り組みや ICT の利活用状況 頻度によって 機器や設定等に関わる要求レベルに差異があるため 個別対応するためのコストを見込む必要がある 各教室の天井中央付近に無線アクセスポイントを設置するとともに ローミングを行うことで 校舎の形状に依存しない無線 LAN 環境を構築したため 校舎の形状に応じて 無線 LAN 環境構築に係るコストが大きく変動することはなかった ただし 校舎の形状や既存分電盤の設置場所等によって 必要となるケーブル等の工事部材が変動するため 校内 LAN 構築に係るコストに影響することが分かった セキュリティポリシーや既設ネットワークへの負荷 情報漏洩等への影響を考慮し 別のネットワーク環境を構築したため 本年度においては 既設インフラ状況に応じて コストが大きく変動することはなかった 導入 運用に係る支援体制に関する主な課題の分析 主な課題 児童 教員 保護者が容易に利用するための運用支援体制 分析結果 運用体制として ICT 支援員の配置やヘルプデスクの設置等を行ったが 特に ICT 支援員が常駐することにより 教員への授業支援やミニ研修等を随時対応できるため ICT 利活用の推進に大きく寄与することが分かった 今後 さらなる ICT 利活用の推進にあたっては 各実証校での実践事例の情報共有 そのための仕組み 運用の検討が必要であることが分かった 4

ICT を利活用した実証を通して抽出された主な課題の分析 (1) 各実証フィールドにおける ICT 利活用事例 実証フィールド 学年 対象 教科 大府市立東山小学校 箕面市立萱野小学校 広島市立藤の木小学校 ( 多目的教室 ) 東みよし町立足代小学校 佐賀市立西与賀小学校 IWB 使用機器 タフ レット PC 使用ソフト アプリケーション ICT 利活用の事例の概要 分析 2 年生 算数 エクセル ( 自作教材 ) ICT 支援員作成のソフトを活用し 1000より大きい数を数えることを学ぶ 机間指導の場面でも 児童が考えを記載したタブレットPCの画面をIWBに示すことで 提示した児童の考えと 自分の考えを容易に比較できたと考えられる 3 年生 社会 コラボノート 昔の道具の使い方や工夫されていることをまとめるため タプレッとPCを活用し 収集した情報をコラボノート( 電子模造紙 ) に書き込む コラボノートを通して 児童の考えを交流し IWBに示すことで 容易に発表し合うことができたと考えられる 5 年生 社会 Word PowerPoint 元営林署職員の話のビデオ OneNote 2010 等 5 年生 理科 OneNote 2010 コラボノート 4 年生 算数 デジタル教科書提示 用 児童用 OneNote 2010 等 IWB を活用し 動画を含めた資料を提示することで 林業の現状について リアリティを持たせることができた また Word に貼り付けたグラフを読みとり グラフから分かったことをタブレット PC に書き IWB に提示することで 気づきを簡単に示すことができたと考えられる 実験を通して 電磁石の強さの変化を学ぶため タブレット PC を活用し 実験結果を OneNote に記録する さらに 実験結果をコラボノートで作成したグラフに タブレット PC でプロットすることで 結果について容易に発表し合い 共有できたと考えられる デジタル教科書を活用し 複合図形を分割したり 補ったりし 複合図形の面積を学ぶ タブレット PC をデジタルノートとして活用させ IWB への提示や発表させることで 準備のための時間を短縮し 自力解決またはグループによる話し合いの時間をより多く取れたと考えられる 5

ICT を利活用した実証を通して抽出された主な課題の分析 (2) ICT 利活用方策の分析 ( アンケート システムログによる ) 評価方法調査時期評価の視点結果の概要 分析 児童 (1~2 年生 ) 向けアンケート 児童 (3~6 年生 ) 向けアンケート 教員向けアンケート 2 月下旬 学習意欲 理解 協働 2 月下旬 学習意欲 理解 協働 発表 事前 (12 月下旬 ) 事後 (2 月下旬 ) 電子黒板の活用 タブレット PC の活用 活用効果 全体的には 楽しく勉強することができたか について はい の割合が最も大きく (93.3%) 特に 1 年生で大きい また コンピュータを使った勉強についての学習意欲は 1 年生 2 年生ともに大きい 全体的には コンピュータを使った学習は楽しいと思うか について たいへん ( そう思う ) の割合が最も大きい (83.1%) 学習意欲の項目である コンピュータを使った授業をもっと受けたいと思うか については 2 番目に大きい (75.6%) なお 当項目については コンピュータを使った学習の 楽しさ や 分かりやすさ の項目との相関関係が強い ( 寄与率が高い ) コンピュータを使った勉強について楽しいと感じる児童は いずれの学年等でも大きい IWB の活用は 全ての学校で事前調査時と比べて利用が進んでおり ( ほぼ毎日 が全体で 35.4% 45.7%) いずれの学校でも特に算数と国語で活用されている 一方 タブレット PC は 全体的には事前 事後での利用の増加があまり見られない 活用効果は事前調査時に比べて全体的に増加しており 結果的に今後の利用意向も高くなっている ( とてもそう思う が 15 ポイント上昇 ) 公開授業参加者向けアンケート ( 第三者評価 ) 保護者向けアンケート 各校公開授業時 学習意欲 理解 発表 参加者はいずれの学校でも 学校教諭 民間事業者 報道関係者等 が多くなっているが 学習意欲 理解等いずれの項目において プラスの評価が多くなっている 学校公開日 児童の学習意欲の変化 ICTが児童の学習向上に有効であると約 9 割の保護者は評価している また 約 5 割の保護者がICTを使った授業が児童の興味を引くもので あったと評価している システムログ - インタラクティフ ホワイト ホ ート タブレットPC 協働教育フ ラットフォーム IWB については 実証校に関わらず 試行段階の 10 月より利用が進んでいる しかし 児童用タブレット PC については 運用開始した 11 月より利用が進んでいるが 利用状況に実証校にバラツキが見られる 6