1. はじめに近畿ブロック ( 福井県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 ) で指定を受けた小児がん拠点病院 ( 以下 拠点病院 ) は 京都府立医科大学附属病院 京都大学医学部附属病院 立こども病院 大阪市立総合医療センター 立母子保健総合医療センターの 5 施設 ( 順不同 ) であり 全国 7

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7. 脊髄腫瘍 : 専門とするがん : グループ指定により対応しているがん : 診療を実施していないがん 別紙 に入力したが反映されています 治療の実施 ( : 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 集学的治療 標準的治療の提供体制 : : グループ指定により対応 ( 地域がん診療病

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5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

1 検査の背景 国立大学附属病院は 平成 16 年の国立大学の法人化以降 収支の企業的管理が必要 となり 個々の国立大学附属病院がその経営について独自に責任を負うこととなった そして 医療制度改革等では 国立大学附属病院を含めた病院の役割分担による医 療提供体制の再構築が求められている さらに 医療

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密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

( 図 1 アンケート用紙を送付しなかった理由 (n=248)) その他 4 % 住所又は両親の名前不明 1 7 % 他科にてフォロー中 3 % 音信あり 1 6% 他院にてフォロー中 28 % 3. 方法まず患者の保護者に対して郵送によるアンケート形式で病院より今後コンタクトをとることについての可

 

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

各医療機関が専門とするがんに対する診療機能 1. 肺がん 治療の実施 (: 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 当該疾患を専門としている 開胸 胸腔鏡下 定位 小線源治療 1 呼吸器内科 8 2 呼吸器外科 3 3 腫瘍内科 放射線治療科 1 グループ指定を受ける施設との連携 昨年

山梨県地域医療再生計画 ( 峡南医療圏 : 救急 在宅医療に重点化 ) 現状 社保鰍沢病院 (158 床 ) 常勤医 9 名 実施後 社保鰍沢病院 峡南病院 (40 床 ) 3 名 市川三郷町立病院 (100 床 ) 7 名 峡南病院 救急の重点化 県下で最も過疎 高齢化が進行 飯富病院 (87 床

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

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小児がん中央機関からの報告 1 情報提供 ( 院内がん登録 ) 国立がん研究センターがん対策情報センター センター長若尾文彦 1

+ 東海大学医学部付属病院では 造血幹細胞移植 推進拠点病院の事業の一環として 研修生の受 け入れやセミナー開催等の人材育成に取り組ん でおります 2016年6月11日に 関東甲信越ブロックの 造血細胞移植に携わる医師 歯科医師 看護師 管理栄養士を対象に 管理栄養士が同種移植患 者に関わる上での有

第 40 回 看護総合 2009 年 平成 21 年 2009/7/18-19 京都府京都市 2009 年 2010 年 精神看護 2009/7/23-24 島根県松江市 2009 年 2010 年 母性看護 2009/8/6-7 佐賀県佐賀市 2009 年 2010 年 看護教育 2009/8/2

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22. 都道府県別の結果及び評価結果一覧 ( 大腸がん検診 集団検診 ) 13 都道府県用チェックリストの遵守状況大腸がん部会の活動状況 (: 実施済 : 今後実施予定はある : 実施しない : 評価対象外 ) (61 項目中 ) 大腸がん部会の開催 がん部会による 北海道 22 C D 青森県 2

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京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

長野県がん診療連携拠点病院整備検討委員会機能評価 会議記録(要旨)

関東 優良産廃処理業者認定制度で優良認定を受けている許可証 組合員都道府県 許可地域組合員名所在地 茨城県 黒沢産業 ( 株 ) 茨城県 関 茨城県 茨城県 ( 株 ) マツミ ジャパン 茨城県 茨城県 ( 株 ) 国分商会 埼玉県

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通話品質 KDDI(au) N 満足やや満足 ソフトバンクモバイル N 満足やや満足 全体 21, 全体 18, 全体 15, NTTドコモ

がん登録実務について

部位別 施設名 総数 がん診療連携拠点病院院内がん登録 2014 年集計 口腔咽頭 食道胃結腸直腸大腸肝臓 胆嚢胆管 膵臓喉頭肺 埼玉県立がんセンター 3, さいたま赤十字病院 1,456-2

70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法

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熊本市内各がん診療連携拠点病院のがんに対する診療機能 ( 大がん以外のがん ) 2. 脊髄腫瘍 : 専門とするがん : 専門としていないが診療可能ながん : 診療を施していないがん 集学的治療の施 (: 施 /: 未施 ) 2 放射線治療科 6 2 脳神経外科 12 1 整形外科 21 当該疾患を専

8希少がん検討会議高橋資料.pptx

1 BNCT の内容 特長 Q1-1 BNCT とは? A1-1 原子炉や加速器から発生する中性子と反応しやすいホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ 中性子とホウ素薬剤との反応を利用して 正常細胞にあまり損傷を与えず がん細胞を選択的に破壊する治療法です この治療法は がん細胞と正常細胞が混在している悪

様式S-1-11 応募内容ファイル

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再発小児 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病におけるキメラ遺伝子の探索 ( この研究は 小児白血病リンパ腫研究グループ (JPLSG)ALL-B12 治療研究の付随研究として行われます ) 研究機関名及び研究責任者氏名 この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示す通りです 研究代表者眞田昌国立病院

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岸和田徳洲会病院 当院では以下の研究に協力し情報を提供しております この研究は 国が定めた指針に基づき 対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得るかわりに 研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開しています 研究結果は学会等で発表されることがありますが その際も個人を特定する情報は公表し

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大阪府のがん医療の現状 総人口 8,863,324 人 全死亡者数 80,472 人 がん死亡者数 25,307 人平成 24 年人口動態調査 75 歳未満年齢調整死亡率男性全国 41 位 女性全国 43 位 平成 24 年人口動態統計 ( 国立がん研究センターがん対策情報センター ) 8 つの二次

H ( 火 ) H ( 水 ) H ( 金 ) H ( 火 ) H ( 月 ) H ( 火 ) H ( 土 ) H ( 日 ) H ( 木 ) H ( 火 ) H

1 BNCT の内容 特長 QA Q1-1 BNCT とは? A1-1 原子炉や加速器から発生する中性子と反応しやすいホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ 中性子とホウ素薬剤との反応を利用して 正常細胞にあまり損傷を与えず がん細胞を選択的に破壊する治療法です この治療法は がん細胞と正常細胞が混在して

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

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緩和ケア研修会における e-learning の導 について 市 札幌病院精神医療センター副医 上村恵 ( 特定 営利活動法 本緩和医療学会委託事業委員会委員 )

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付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房 全体

都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

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2 受入施設別献血量 ( 推計値 ) ブロ都ック道府県 合計 全国血液センター献血者数速報 (Ⅰ) 血液センター 平成 30 年 12 月分 L % L % 日 L L % 日 L L % 台 L L % 台 L 8, ,768

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Microsoft Word - H27年度概況.doc

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品


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Microsoft PowerPoint - ★資料5 AYA世代のがん対策に関する政策提言

ことから過剰診断が問題視され 2003 年には厚生労働省の決 定で休止となりました 2. 診断 (1) 臨床症状 : 早期に腫瘤を触知することはまれです ただし 1 歳までの赤ちゃんにみられる病期 4S という腫瘍では 皮下への転移 肝腫大による腹部膨満や呼吸障害がみられます 幼児では転移のある進行

平成 27 年 2 月から適用する公共工事設計労務単価 1 公共工事設計労務単価は 公共工事の工事費の積算に用いるためのものであり 下請契約等における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではない 2 本単価は 所定労働時間内 8 時間当たりの単価である 3 時間外 休日及び深

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1 福祉施設の動向 1.1 特養 平米単価は平成 22 以降初めて低下 近年は高止まりの様相を呈す 地域別では首都圏 近畿地方等で平均を上回る (1) 平米単価 平米単価は 全国平均および首都圏ともに平 成 22 を底に上昇傾向にあったが 平成 29 は初めて低下した ( 図表 1) 長期的にみ れ

虎ノ門医学セミナー

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○ 第1~8表、図1~4(平成25年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について)

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サマリー記載について

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81 平均寿命 女 単位 : 年 全 国 長野県 島根県 沖縄県 熊本県 新潟県 三重県 岩手県 茨城県 和歌山県 栃木県

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2 次 2 次 率 2 次 2 次 大阪教育 ( 教育 - 小中 - 保健体育 ) 69 ( 教育 - 中等 - 保健体育 ) 奈良教育 ( 教育 - 教科 - 英語 ( 中 )) 55.0 山口 ( 教育 - 学校 - 国語 ) 50.0 ( 教育 - 学校 - 英語 ) 52.5 福岡教育 (

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

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医学フォーラム 図 済生会滋賀県支部の病院以外の 施設 支部は 済生会看護専門学校 淡海荘 特別養護老人ホーム ケアポート栗東 介 護老人保健施設 滋賀県訪問看護ステーションと病院の 施設から成り 支部は一つ として医療 保健 福祉 看護教育を担う す また地域医療では 地域の医療施設 診療 所の先

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資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

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2) 抄読会への参加 発表 4) 優良歯科医講習会に参加 1 本会 ( 月 1 回開催 ) に参加し 歯学日本歯科放射線学会教育委員会主催領域の知識や情報を獲得するとともエックス線優良歯科医講習会に参加に 論文作成法について学ぶ し 撮影原理 解剖 診断の基礎を学 2 発表経験を通して プロダクトの

参考 平成28年度 公立学校教員採用選考試験の実施状況調査

2 年次 以降 : 授業開始は 2 週目 ~ 平成 30 年度看護学専攻 ( 研究者育成コース ) 時間割 10:30-12:00 特別研究特別研究特別研究 特別研究特別研究特別研究特別研究 特別研究特別研究 特別研究 特別研究については 担当教員と相談の上決定する 修士課程 ( 医科学獣医科学専攻

2. 脊髄腫瘍 : 専門とするがん : 診療を実施していないがん ( 診療科ま 医師数 専門として 1 整形外科 2 2 状 績 なし例 : 脊髄腫瘍脊髄腫瘍 治療の実施状況 (: 実施可 /: 実施不可 ) / 昨年の実績 ( あり / なし ) 化学療法体外定位照射 IMRT 小線源治療 あり

( 後期 1 年目 ) アップ 2. 外来薬物療法を理解し実施できる ( 化学療法 内分泌療法 30 例の達成 ) 3. 乳癌関連基礎研究 ( トランスレーショナルリサーチ ) についての理解 4. 乳腺疾患の診断手技の実施 ( 穿刺吸引細胞診 20 例 針生検 20 例の達成 ) 5. 画像診断の

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70% の患者は 20 歳未満で 30 歳以上の患者はまれです 症状は 病巣部位の間欠的な痛みや腫れが特徴です 間欠的な痛みの場合や 骨盤などに発症し かなり大きくならないと触れにくい場合は 診断が遅れることがあります 時に発熱を伴うこともあります 胸部に発症するとがん性胸水を伴う胸膜浸潤を合併する

日本医師会「2008年度緊急レセプト調査(4~6月分)」結果報告(2008年8月6日)

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小児がん地域計画書 ( 近畿ブロック ) 平成 25 年 8 月 京都府立医科大学附属病院京都大学医学部附属病院立こども病院大阪市立総合医療センター立母子保健総合医療センター ( 順不同 )

1. はじめに近畿ブロック ( 福井県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 ) で指定を受けた小児がん拠点病院 ( 以下 拠点病院 ) は 京都府立医科大学附属病院 京都大学医学部附属病院 立こども病院 大阪市立総合医療センター 立母子保健総合医療センターの 5 施設 ( 順不同 ) であり 全国 7 ブロック中最多の施設指定を受けた地域ブロックである 京都府 のように 2 施設が指定を受けている自治体がある一方で 福井県 滋賀県 奈良県 和歌山県のように拠点病院の指定を受けなかった自治体もある 近畿ブロック内で発生するすべての小児がん患者が最適な医療を受けられるよう 拠点病院 5 施設および小児がん診療病院が連携 協力して体制を整える 2. 現状拠点病院 5 施設はいずれも高度な小児がん医療を担ってきた実績がある 主として標準リスク患者を診療する小児がん診療病院と協力しながら 再発症例など難治性小児がん患者を近隣地域のみならず近畿ブロック以外の他府県からも受け入れている とはいえ 従来の連携 協力体制は必ずしも組織的に構築されているとは言えない部分があるため 今後の課題として計画 目標を策定する 3. 地域連携 1) 拠点病院 小児がん診療病院の役割分担拠点病院が担当する地域は それぞれの施設の周辺地域を中心としながらも 施設ごとに得意とする疾患 病態に関しては地域を問わず患者を受け入れる方針である 拠点病院 5 施設それぞれの地域連携の方針については 個別に作成する小児がん拠点病院計画書の地域連携の項で詳述されていることから 本項では要点のみ記述する また 小児がん診療病院 ( 表 1) については 特定の拠点病院と密接な協力 連携関係にある場合も 今後は近畿ブロック全体の協力 連携体制の中で小児がん医療を担う 1

表 1 近畿ブロック小児がん診療病院 所在地 ( 府県 ) 施設名 京都府 国立病院機構舞鶴医療センター 京都府 京都市立病院 京都府 京都桂病院 滋賀県 滋賀医科大学附属病院 滋賀県 大津赤十字病院 福井県 福井大学医学部附属病院 福井県 福井赤十字病院 姫路赤十字病院 立塚口病院 西神戸医療センター 神戸大学医学部附属病院 兵庫医科大学病院 明石市立市民病院 大阪大学医学部附属病院 大阪市立大学医学部附属病院 近畿大学医学部附属病院 国立病院機構大阪医療センター 関西医科大学附属枚方病院 大阪医科大学附属病院 大阪赤十字病院 北野病院 松下記念病院 奈良県 奈良県立医科大学附属病院 奈良県 天理よろづ相談所病院 奈良県 近畿大学医学部奈良病院 和歌山県 和歌山県立医科大学附属病院 和歌山県 日本赤十字社和歌山医療センター ( 順不同 ) 2

府下に 2 施設の拠点病院が指定された京都府 は 以下の通り連携す る 京都府京都府では 京都府がん対策推進計画にもとづき 小児がん患者に対する診療体制の強化を行っていくため 小児がん拠点病院連携推進会議が組織された 京都府立医科大学附属病院 京都大学医学部附属病院が協力し 専門性の高い医療実践をしている大学病院として 集学的治療が必要な小児がん例 適切な治療体制に乏しい思春期 若年成人の骨軟部腫瘍例 再発 難治例 造血幹細胞移植を必要とする例 肝移植などを要する例について ブロック内の医療機関と連携して 小児がん拠点病院に集約化し 質の高い医療を提供する 下の大学病院 小児血液 がん学会専門医研修施設による小児がん連携ワーキンググループ (WG) を組織し すでに活動を開始しており ( 本年 2 回の会議を開催した ) 今後も年 2 回程度の会議を開催する それぞれの施設が対応可能な疾患 治療法について情報を共有し すべての小児がん患者が適切な小児がん医療を受けられるようにする 小児がん連携 WG は 以下の 10 施設である ( 順不同 ) 立母子保健総合医療センター 大阪市立総合医療センター 大阪大学医学部附属病院 大阪市立大学医学部附属病院 大阪医科大学附属病院 関西医科大学附属枚方病院 近畿大学医学部附属病院 大阪赤十字病院 北野病院 国立病院機構大阪医療センター 3

拠点病院 5 施設が主に担当する地域 疾患 病態など近畿ブロック地域全体を担当することは当然であることから ここでは施設周辺を含め 主に担当する地域について記載する また 疾患 病態についても小児がん全般 ( 白血病 固形腫瘍 ) を診療することは基本であることから 施設ごとに特記すべき疾患 病態を記載する 京都府立医科大学附属病院 主に担当する地域 : 京都府 福井県 滋賀県 石川県 岐阜県 疾患 病態など : 神経芽腫 横紋筋肉腫 骨軟部腫瘍( 思春期 青年期腫瘍 ) ラブドイド腫瘍など稀な腫瘍 京都大学医学部附属病院 主に担当する地域 : 京都府 福井県 滋賀県 和歌山県 奈良県 疾患 病態など 脳腫瘍 骨 軟部腫瘍 肝芽腫( 特に生体肝移植 ) 肺移植( 造血細胞移植後肺合併症に対して ) 臨床試験 治験参加患者 立こども病院 主に担当する地域 : 鳥取県 島根県 岡山県 高知県など 中 四国東部 疾患 病態など 骨髄異形成症候群 脳腫瘍 4

大阪市立総合医療センター 主に担当する地域 : 東部 奈良県 和歌山県 中 四国東部 疾患 病態など 再発症例を含む脳腫瘍 白血病 神経芽腫 横紋筋肉腫などの再発症例 緩和ケア 終末期ケア 医師主導を含む治験や臨床試験参加希望患者 再発症例を含む AYA 世代骨軟部肉腫患者 ( 特に 15 歳 30 歳 ) 立母子保健総合医療センター 主に担当する地域 : 奈良県 和歌山県 中国 四国東部 疾患 病態など 臨床試験参加希望患者 造血細胞移植希望患者( 再移植希望患者を含む ) EB ウイルス関連 T/NK リンパ腫 2) 地域ブロック内で十分に対応できない疾患及び病態への対応難治性神経芽種に対する MIBG 治療 : 金沢大学附属病院放射線科網膜芽細胞腫眼球温存療法 : 国立がん研究センター中央病院眼腫瘍科粒子線治療 : 重粒子医科学センター病院 ( 千葉市 ) 立粒子線医療センター ( 近畿ブロック内 ) 陽子線治療 : 県立静岡がんセンター 筑波大学肺移植 : 岡山大学 京都大学 ( 近畿ブロック内 ) 5

3) 連携の具体的な方法拠点病院 5 施設は 近畿ブロック小児がん拠点病院協議会 さらに小児がん診療病院が加わる 近畿ブロック小児がん診療病院連絡会 を組織する いずれも年 2 回程度の会議を開催し 連携を強化する 拠点病院間の情報交換はメーリングリストも活用する 小児がん患者の紹介及び逆紹介人数の把握は地域医療連携室 診療情報管理室の施設間連携を強化して行う 4) 地域連携を進めるための取組 近畿ブロック全体の計画 近畿小児がん研究会 ( 年 1 回開催 ) 近畿ブロック小児がん講演会 施設内症例カンファレンスや回診への相互参加 手術の相互見学 京都府 京滋小児悪性腫瘍懇話会 小児固形腫瘍フォーラム 京都地区小児血液腫瘍研究会 小児血液腫瘍症例検討会 小児 Tumor Board 多施設医師参加の講演会 ( 随時 ) 患者家族会会合 小児がんカンファレンス 研究会 症例検討会などの共同開催 ( 年 2 回開催 ) 6

5) 長期フォローアップの仕組み治療サマリー 長期フォローアップ手帳を活用し 患者の転居などに伴う受療医療機関変更に対応する 拠点病院以外の施設で長期フォローアップされている患者の相談には 拠点病院の相談窓口を活用する 4. 人材育成 1) 研修の実施予定基本的には施設ごとに研修を計画するが 拠点病院による合同研修も計画する 施設内からの参加はもちろん 他の拠点病院 小児がん診療病院にも案内し積極的参加を促す 医師だけでなく看護師 コメディカルを対象とする研修会を計画 実施する 2) 人材交流の実施予定施設毎の研修プログラムに沿って 拠点病院及び小児がん診療病院の医師 看護師 コメディカルの若手を中心に相互研修を行うことで人材交流を行う 拠点病院 5 施設の計画概要は下記の通りである 京都府立医科大学附属病院上記研修希望者の受け入れを通じて 小児がん拠点病院および小児がん診療病院において 人材交流を行うとともに 京都府立医科大学附属病院では 京都大学医学部附属病院とともに 大学附属病院の特性を活かして 若手小児科医 小児外科医の大学院への進学を励行し 基礎および臨床研究を行わせることにより 学位の取得が可能である 保育士 チャイルドライフスペシャリストなどの非常勤雇用者の短期研修が可能である 7

京都大学医学部附属病院後期研修中の小児がん症例経験 小児血液 がん専門医を目指した研修 臨床研究 基礎研究を通じた大学院での学位取得など臨床経験やニーズに応じた人材育成プログラムを用意している 他の拠点病院 小児がん診療病院の研修と連携することも可能であり 研修希望者の受け入れを通じ 人材交流を行う 立こども病院地域ブロック内の小児がん診療病院とはすでに長期及び短期の研修医の受け入れを行なっている 拠点病院間の連携については小児がん拠点病院地域連携協議会を通じて 各拠点病院の得意不得意を把握しつつ今後人材交流を図ることを目指すことになり これからの課題と思われる 当院では上記のごとく 血液腫瘍内科以外での研修 特に診断に欠かせない放射線診断学の分野で希望があれば短期的に研修医を受け入れていく予定である 大阪市立総合医療センター卒後 5 年以降の医師を対象とした最長 1 年の短期研修を受け入れている 他院では研修が困難なおもに小児緩和ケア 脳腫瘍 HLA 非合致移植や医師主導治験などの特定領域のみの研修を目的としている その他 卒後 5 年以降の医師を対象とした3 年間のシニアレジデントコースで専門医の養成を行っている 地域のコメディカル ( 看護師 社会福祉士など ) を対象とした研修 こども療養支援士 ( 日本版 CLS/HPS) 養成のための研修も行っている 今後もこれらの取組を強化していく 8

立母子保健総合医療センターレジデント層の若手医師の研修受け入れ あるいは他の拠点病院 小児がん診療病院への研修出向を積極的に勧める 若手医師研修プログラムは 小児血液 がん専門医取得を目指した臨床研修 ( 対象 : 小児科専門医 研修期間 :3 年間 年間 2 名 ) および小児がん認定外科医資格取得を目指した臨床研修 ( 対象 : 小児外科専門医 研究期間 :3 年間 年間 1 名 ) を用意している こども療養支援士 ( 日本版 CLS/HPS) 認定資格取得のための実習 ( 年間 700 時間 ) 拠点病院に指定されていることから 実習生を年間 1, 2 名受け入れており 今後も継続する 5. おわりに拠点病院 5 施設それぞれに得意分野 特徴があることから 自治体 地域ごとに小児がん診療を担うというよりも 疾患 治療法ごとに得意分野を活かす役割分担が可能と考えている 近畿ブロックにおける小児がん医療の在り方が わが国における小児がん医療連携のモデルとなるような実績を目指したい 9