3 人工呼吸器の使用 人工呼吸器が必要な状態 呼吸器が必要な状態かどうかの判断は自分の身体の状態と血液検査でわかります 身体の変化としては ( 特に就寝中 ) 息苦しさを感じる 夜中に何度も目が覚める 朝起きたとき頭痛があるなどです これらの症状がある人 ( 特に筋ジストロフィーなど呼吸筋が弱くなる障害の人 ) は人工呼吸器が必要な可能性があります その時は病院に行って血液検査を受けます 検査は動脈から血液を採ってその中の二酸化炭素濃度を測ります 単位は mm/hg( ミリメートル水銀柱 ) で 30~40 が正常値です 呼吸機能が弱ってくるとこの数値が上がってきます 数値が 50 以上あると夜間の人工呼吸器使用が必要になります 呼吸が弱りはじめた時は 夜間の人工呼吸器を使用するだけで日中の二酸化炭素濃度が正常値になることも多くあります また早めに人工呼吸器を使用することで呼吸筋を休ませ 呼吸機能をより長く維持することができます 数値が 55 以上だと常に人工呼吸器を使用する必要があります 検査入院 血液検査で人工呼吸器が必要と診断されるとより詳しく呼吸状態を調べるために 1 泊の検査入院をします 入院中 病院の看護では不十分で介助はほとんどしてもらえませんので 介助者は常に必要です そのため介助者が病室で宿泊することを伝え許可を得る必要があります 気管切開での人工呼吸器使用 手術と入院 手術は耳鼻咽喉科医が行ないます 所要時間は準備を含めて 1 時間程度です 局部麻酔 ( 喉に注射 ) をかけて メスで男性であれば喉仏より下側を切開して気管に穴をつくります そこに気管切開チューブ ( カニューレ ) を入れて人工呼吸器と接続できるようにします 術後 発熱することがあります 吸引時は血が混じった痰が出ます 抗生物質を飲んで菌を殺して熱を下げます 人工呼吸器の設定が身体に合っていない場合 頭痛や吐き気が起こります 設定を調整してもらい身体に合った設定することで治まります 病院によっては介助者に対して吸引の研修を実施します 研修を受けることで介助者の不安が少なくなります 人工呼吸器導入までの経過 ( 花田の例 ) 2002 年 1 月日中に息苦しさを感じる 2002 年 3 月息苦しさがさらにひどくなる 2002 年 4 月病院で血液検査し 呼吸器が必要と判明 2002 年 5 月上旬検査のため 北大病院に入院 退院後 陽圧型人工呼吸器 ( 鼻マスク ) を使用するようになる 2002 年 5 月下旬人工呼吸器 ( 鼻マスク ) を使用しても日中は息苦しいため 気管切開し 人工呼吸器使用を決める 2002 年 6 月入院に向けて専従介助者に対する人工呼吸器研修を実施 ( 全 3 回 ) 2002 年 7 月 3 日気管切開 人工呼吸器導入のため北大病院に入院 2002 年 7 月 4 日気管切開手術 人工呼吸器導入 夜間 発熱 (38 ) 2002 年 7 月 5 日食事開始 ( 少量 ) 夜間 発熱 (38 ) と頭痛 吐気 2002 年 7 月 6 日ベッド上で座る 食事摂取量増える
2002 年 7 月 7 日車椅子乗って 1 日を過ごす 熱が平熱に戻る 2002 年 7 月 8 日気切口診察 カニューレ交換 傷の回復順調 専従介助者吸引開始 ( 看護師立会い ) 2002 年 7 月 15 気切口抜糸 専従介助者単独で吸引開始日 2002 年 7 月 24 北大病院退院日 2002 年 8 月 5 日復帰 2002 年 8 月 10 初外泊日 従量式人工呼吸器の説明 従圧式人工呼吸器のアチーバ PS を例に人工呼吸器の状態がわかるステータスモニターと設定画面 アラームの種類 必要な介助について説明します < ステータスモニター ( 現在の状況を知らせる )> 低圧アラーム 高圧アラーム設定不良電源切替バッテリ低下酸素アラーム 消音 AC 電源 内蔵バッテリ バッテリ充電中 バッテリテスト アラーム状態 自発インジケータ 赤いランプ ( 何らかの異常 ) 〇低圧アラーム 管が外れるまたは管の損傷等で空気が漏れて圧が設定値より低くなった際に点滅し アラームで知らせる 〇高圧アラーム 呼気弁 ( 肺に入った空気が出ていく場所 ) がふさがるまたは管が物の下敷きになり圧が設定値より高くなった際に点滅し アラームで知らせる 〇設定不良 低圧アラーム 高圧アラーム 電源切替 バッテリ低下 以外のエラーがル際に点滅 〇電源切替 電源が家庭電源 外部バッテリ 内蔵バッテリのいずれかに切替わった際に点滅 アラームで知らせる 〇バッテリー低下 外部バッテリー 内蔵バッテリー使用中にバッテリー残量が低下した際に点滅し アラームで知らせる 消音 押すとアラームが鳴らなくなる ( 着替えなどで人工呼吸器を外す必要がある時に使用 ) 〇アラーム状態 アラームを消音している時にアラーム状態であることを示す 緑のランプ ( 状態を表す ) 〇 AC 電源 家庭電源 ( コンセント ) を使用している状態 〇外部バッテリ 人工呼吸器専用外部バッテリーを使用している状態 〇内蔵バッテリ 人工呼吸器に内蔵されているバッテリーを使用している状態 〇バッテリ充電中 AC 電源または外部バッテリー使用中 内蔵バッテリーを充電している状態 〇自発インジケータ 人工呼吸器使用中に自力での呼吸を感知した時に点灯
< 設定 操作盤 ( 人工呼吸器の設定の確認 変更を行なう際に使用 )> 人工呼吸器の設定は 医師の指示がない限り変えることはありませんが トラブル発生時に設定の確認をする場合があります 知識として覚えておいたほうが良いと思います スタンバイ 換気開始 スタート エンター モード変更フロートリガ感度 1 回換気量吸気時間吸気流速 A/C 720 1.5 28 5 16 0 0 7 40 1:1.5 21 呼吸回数 PCV/PSV PEEP 低吸気圧圧上限 I:E 比酸素濃度 スタンバイ 呼吸器の換気を停止 ( テレビの主電源がついている状態と同じ ) 換気開始 換気を始める際に押す スタート エンター 設定変更の決定 モードの切替時に押す モード変更 SIMV モード A/C モードなどの切り替え 1 回換気量 1 回に送る空気の量を変更する場合に押す 吸気時間 空気を送る時間のこと 吸気流速 空気を送り込むスピード フロートリガ感度 A/C モードで自発呼吸を感知し 空気を送る感度の設定値 呼吸回数 1 分間に空気を送る回数を変更する場合に押す 低吸気圧 設定した数値以下になると低圧アラームを鳴らす 圧上限 設定した数値以上になると高圧アラームを鳴らす I:E 比 吸気 ( 人工呼吸器が空気を送る ) 時間と呼気 ( 人工呼吸器が空気を送らない ) 時間の比率 酸素濃度 取り込んだ空気の酸素濃度 人工呼吸器 アラームの種類 人工呼吸器に異常があれば命に関わる場合があるため アラームが鳴ります 各種アラームについて説明します < 低圧アラーム > 蛇管内の圧が低下した場合に鳴ります ( 考えられる原因 ) 蛇管が外れているもしくは穴が開いている 呼気内圧チューブが外れているもしくは中に水が入っている ウォータートラップが外れている < 高圧アラーム > 蛇管内の圧が高くなった場合に鳴ります ( 考えられる原因 ) 物や体で呼気弁がふさがっている 蛇管が物や体の下敷きになって空気が通らない 蛇管に水滴が大量についている ウォータートラップに水がたまっている 気管に痰があり 空気が通りにくい
せきやくしゃみをして一時的に気管の中の圧が上がった < 電源切替アラーム > AC 電源 ( コンセント ) から外部バッテリーや内蔵バッテリーに切り替わった場合になります < 内蔵バッテリー低下アラーム > 内蔵バッテリーの電力が残りがわずかになった場合に鳴ります 鼻マスクでの人工呼吸器使用 鼻マスクによる人工呼吸器の使用は おもに夜間の睡眠時のみの使用など比較的短時間の場合に取られる方法です 従圧式の Bipap( バイパップ ) や圧持続型の Cipap( シーパップ ) を使用することが多いですが どの方法を取る業者と相談して決める必要があります ここでは 従圧式人工呼吸器のうち もっとも代表的な Bipap( バイレベル従圧式人工呼吸器 ) のひとつ kni ューリタンベネティット社製 ) とジェルクッションタイプの鼻マスク Comfort Gel ( フジ レスピロニ手順について説明します 必要なもの 鼻マスクでの人工呼吸器使用に必要なものは次のものです 1Bipap( バイレベル従圧式人工呼吸器 ) 本体 2 鼻マスクとその回路 3 加温加湿器 ( 1) 4 非常用畜電装置 ( 2) ( 1) 加温加湿器は必要な場合のみ使用します ( 2) できれば停電時に備えて畜電装置を電源につないで使用するようにします これは 家庭用コンセントにつなうもので 周辺機器としてレンタルできます 回路 回路を構成するものは次のものです 1 鼻マスク ( 呼気ポート一体型 ヘッドストラップ付 ) 2 蛇腹管 ( モニターチューブ内臓型 ) 3 蛇腹管 4 加温加湿器とチャンバー ( 水を入れるタンク ) 5 モニターチューブ ( 短いので途中から延長 ) 1 2 3 4 5 二組の回路を用意しておき そのうち一組を使用し もう一組は予備に置いておきます 一週間から 10 日おきに二組の回路を交互に交換しながら使用し もう一組の回路は食器用の中性洗剤を使ってお湯で洗い よく水を切り乾かしておきます 鼻マスクのヘッドストラップを洗濯する場合は 手洗いか 洗濯機を使うときは洗濯ネットに入れて洗濯します 蛇腹管を洗浄するときは 蛇腹管に内蔵されているモニターチューブに水が入らないように両端に専用の栓 ( 写真参照 ) をします
鼻マスク側のモニターチューブ 加温加湿器側のモニターチューブ 鼻マスクの部位の名称 1 ジェルクッション 2 ヘッドストラップ 3 ヘットギアクッション 4 スイベルクリップホルダー 5 呼気ポート 2 1 3 4 5 鼻マスクの種類とカスタマイズ 一般的にはジェルクッションタイプのものが主流ですが 鼻マスクには様々なサイズや形状のものがあるので 業者と相談して使いやすいものを選びます 鼻マスクを装着しながら フィット感や空気の漏れ具合 ( リーク ) などを確かめます 違和感があればベルトの強さを調節したり 位置を変えたりしながら ちょうどいいポジションをつくります どうしてもフィットしなかったり リークが気になる場合は 鼻マスクのジェルクッション部分を 35~40 のお湯に 4~5 分間つけてから ボールなどに入れた冷水で約 10 秒浸し やけどなどをしない熱さであることを確認してから 鼻マスクを 5 分ほど鼻に押し当てて形状をつくりカスタマイズします
鼻マスクの装着手順 1. 鼻全体を覆う位置に鼻マスクをおきます 2. あやとりをする要領で ヘッドストラップの上のベルトの左右を両方の手の甲で押し広げつつ 頭の上から両耳の少し上のあたりに左右のヘッドストラップの上のベルトがくる位置まで被せます このときヘットギアクッションが額の中央にあるようにします 3. 後頭部を少し浮かせながら 後頭部に沿ってヘッドストラップを下にずらし 首のうしろあたりまで下げきります 4. 左右のうなじの横からヘッドストラップの下のベルトを引き出して 鼻マスクの左右それぞれのスイベルクリップにホックをひっかけて固定します 5. 違和感があれば 鼻マスクやヘッドストラップの上下のベルトを上下左右に動かしながら微調整します 6. Bipap 本体の電源を入れます 送気してリークが気になるようなら鼻マスクの位置を微調整します 1 2 3 4 5 6 電源 6 鼻マスク使用の注意点 鼻マスクの正面の呼気ポートは従量式人工呼吸器の回路でいう呼気弁に当たるもので ここから呼気を大気中に排出します 鼻マスクの呼気ポートの部分を 使用中に布団等で覆ってしまうと換気が充分にできなかったり 呼気を再吸入することになるので 覆わないように気をつけます 肌のトラブル 鼻マスクを使用していて うっ血やかゆみなど肌のトラブルが出ることがあります まず 鼻マスクにはさまざまな形状やサイズのものがあるので業者と相談して自分に合ったものを選びます それでも改善しない場合は マスクの肌に直接触れる部分にやわらかい布やガーゼなどで当て布をして 肌に直接触れないようにします そのほか ベルトの強さを調節するなどして肌の負担にならないようにするなどの方法があります 加温加湿器の使用と注意点 鼻マスクで呼吸器を使用をしていて 鼻腔のなかがひどく乾燥したり 喉が渇くときは 加温加湿器を使用します 鼻マスクで加温加湿器を使用するときの注意点は 加温加湿器の水を入れたチャンバーが万が一転倒したり 蛇腹管のなかに結露がある場合に それらの水が逆流して鼻マスク内に流れ込んでこないようにすることです それを防止するために 鼻マスクを着けている位置より 低い位置に加温加湿器を置いて使用します また おもに冬季などで蛇腹管内の空気が外気よりも暖かい場合は 蛇腹管の内部が結露して水滴がたまることがあります このようなときは 蛇腹管からカラカラという音がするので 寝ている姿勢の場合は身体を横向きにしてから 蛇腹管の鼻マスクの接合部に近い場所を一方の手で押さえ もう一方の手で加温加湿器の方が低い位置になるように蛇腹管をゆっくりと傾けて 内部に溜まった水滴を加温加湿器のチャンバーに逆流させて水滴を取ります もし それでも取れないときは Bipap 本体の電源を切り 鼻マスクをはずしてから 蛇腹管を輪投げのように軽く振り回すと簡単に水滴を飛ばすことができます 結露している場合は 鼻マスクを着けたままで 蛇腹管を鼻マスクより高い位置まで
持ち上げることは避けます 万が一 水が逆流してきたときは ただちに身体を横向きにして 本体の電源を切り 鼻マスクをいったんはずします Bipap の操作方法 鼻マスクを装着したら Bipap 本体の電源を入れて送気を開始します 電源コードを家庭用コンセントにつなぐとスタンバイになり LED 作動状態インジケーターの緑色のランプが点灯します 電源ボタンを一回押すとオン 3 秒以上押したままの長押しでオフになります 電源ボタンを押して 3 秒後にピッという電子音とともに送気がはじまります 運転中は本体の LED 作動状態インジケーターの緑色のランプが点灯しています 運転前には 回路を確認します とくに本体にモニターチューブが差し込まれているか確認します Bipap は 設定された圧が一定間隔で肺にかかるように送気を行うので Bipap 本体はモニターチューブを通じて回路内の気圧をモニターしています これが外れていると 運転を始めたときに設定圧以上の送気がされて危険です もし 運転中になにかの不具合でエラーがある場合 アラームがなり 本体の LED 作動状態インジケーターの赤色のランプが点滅します アラームが鳴った場合は 消音ボタンを押すと 1 分間消音されるので そのあいだに原因を探します アラームが鳴る原因のほとんどは 回路の外れによる低気圧です 回路をチェックして外れていたり 破損しているところがないか確認します それでも分からないときや破損があるときは ひとまずもう一組の予備の回路に取り替えて使用し あとで新しいものと取り替えたり 業者と相談します また アラームなしで常時 LED 作動状態インジケーターの黄色のランプが点灯しているときがあります これは Bipap 本体の作動状態を記録しているメモリーがいっぱいのときに点灯するので とくにエラーではありません 点検のときなどに業者に言ってメモリーを消去してもらいます 正常に運転が行われるように月に一度は業者による点検を受けてください 吸気口月に一度くらいの頻度で ここを外してなかのフィルターを取り出し ほこりがたまっていたら掃除機などで吸い取ってほこりを取る 設定モニター モニターチューブ差込口抜けていないか運転前に確認す モニターチューブ 電源ボタン押すとピッという音とともに運転開始 3 秒の長押しで運転停止 回路 アラーム消音ボタン発動中のアラームを 1 分間消音 LED 作動状態インジケーター通常は緑のランプが点灯しているが 黄色と赤のランプで作動状態をモニタリング Bipap 使用の注意点 本体の左上の側面に吸気口があり Bipap 本体は ここから外気を取り入れて回路を通じて送気します ここを布などで覆ってしまうと外気を取り込めなくなる危険があるので 常に大気が充分に取り込めるように塞がっていないか確認します また 吸気口のカバーのなかにあるフィルター ( 写真参照 ) にほこりがたまっていると 充分な吸気ができなくなることがあるので 月に一度くらいの頻度で なかのフィルターを取り出し ほこりを掃除機などで吸い取って掃除します
保管 Bipap 本体と加温加湿器 回路は安定した台などのうえに置き 直射日光の当たるところやほこりの多い場所を避けて保管します 鼻マスクは 使わないときは 清潔な布やティッシュペーパーなどで詰め物をして 回路内にほこりが入らないようにします また 保管するときは上に布やカバーをかけて ほこりを被らないようにします 旅行先でのレンタル おもに夜間のみ鼻マスクでの人工呼吸が必要な人の場合 自宅を離れて泊りがけの旅行などをするときには 呼吸器を持ち歩く必要があります Bipap は 非常に軽量で大きさもティッシュの小箱ほどですので バッグに入れて持ち歩くこともできますが 万一の破損が心配であったり 荷物が多くてかさばるなどの理由から できることなら持ち歩きたくないと思う人は多いでしょう 業者にもよりますが 事前に日程と宿泊先などを伝えておくと 現地の業者を介して 同型の機種を現地でレンタルすることやバックアップを依頼することができます ただし 多くの場合は本体と加温加湿器などの周辺機器のみのレンタルとなるため 鼻マスクと回路は持ち歩く必要があります また 遠隔地などでは現地でのレンタルができないこともあるので 業者と相談する必要があります 車椅子での人工呼吸器使用 車椅子に人工呼吸器を載せて人工呼吸器を使用する際には 外部バッテリーも車椅子に載せる必要があります そのために車椅子に人工呼吸器と外部バッテリーを載せる台を作らなければなりません バイパップは小型のためあまり場所を取りませんが 従量式人工呼吸器の場合 大型なため工夫が必要です また人工呼吸器によっては専用の外部バッテリーがあります 専用のバッテリーがない機種は 一般のバッテリーを使う場合もありますが 業者に相談します 勝手に使うと何かあった時に困ります 4 人工呼吸器使用者の介助 < 入浴 > 入浴中に浴室内で人工呼吸器を使用することができません 一般的には手動式の人工呼吸器 ( アンビュウバック ) を使用します 製のもので両手で押して空気を送り込みます アンビュウバックを押しながら他の事はできないので アンビュウを押す人が必要です どうしても人工呼吸器を使う場合は 湿気のかからない浴室の外に人工呼吸器を置き 蛇管を伸ばして使います ただし 蛇管があまり長いと苦しい感じがする場合があります 座る位置や蛇管の長さを調節します 入浴中に注意する点は喉にお湯がかからないようにすることです 喉は気管切開をして穴があいています お湯がかかると気管に入り込み ひどくむせたり 痰が極端に出たりします 喉をしっかりタオルなどで保護します 入浴の方法は様々です その 1 例を紹介します 2 名の介助で浴室まで移動しあぐらをかいて座ります 一人が体を支え もう 1 人が身体を洗います 髪は座ったまま身体を少し前に傾けてもらい洗います 喉にはタオルを巻いてシャワーが直接かからないようにします 状態によって必要な介助者の人数が異なります 入浴中 人工呼吸器を使用しなくてもよい人は 気を付ける点はありますが 人工呼吸器を使っていない人と変わりません 入浴中 人工呼吸器が必要な場合は手動人工呼吸器 ( アンビュウバッグ ) を押しながら入浴します そのためアンビュウバッグを押す人も必要です この方法だと 3 名必要になります < トイレ > 家のトイレを使う場合は トイレの入口に人工呼吸器を置いて使います ベッドやポータブルトイレを使う場合はベッドサイドや車椅子に載せた人工呼吸器を使います < 外出 > 外出時は車椅子に人工呼吸器を載せて使用しながら移動します 電源は外部バッテリーからとります 内蔵バッテリーもありますが 稼働時間が少なく緊急時のために温存しておかなければなりません 吸引に備えて必ず吸引器とカテーテルなどの物品を持ち歩きます 雨天時の外出では人工呼吸器や外部バッテリーが濡れないようにする必要があります ビニールやレインコートなどで覆います < 加温加湿器 > 人工呼吸器から送られる空気に温度と湿り気を与える加温加湿器という器具を使用します 消費電力が高いので外出時には使用できません
加温加湿器の着脱外出の際は加温加湿器を外し 人口鼻 ( 加温加湿器の代わりに使用する器具 ) を取り付けます 外出から帰ってきたら人口鼻を外し 加温加湿器を取り付けます 加温加湿器に水を補充する加温加湿器には蒸発させるための水を入れるチャンバーと呼ばれる容器があります 長時間使うと水が減ってくるので水を補充します 蛇管に溜まった水滴を取り除く加温加湿器を使用していると蛇管に余分な水滴が溜まります そのままにしておくと空気の流れが妨げられて高圧アラームの原因になるので 蛇管を軽く動かして水滴をウォータートラップ ( 余分な水を溜まる器具 ) に落とします そしてウォータートラップに溜まった水を捨てます 電源の切り替え外出時に使用する外部バッテリーは外出が終わったら充電します その際必ずコンセントから電源をとります 忘れると内蔵バッテリーを使うことになり 停電などいざという時に困ります 蛇管の交換蛇管は 2 週間に 1 回交換します ( 同じものを定期的に滅菌処理して使う場合もあります ) その際はしっかり接続されているか確認が必要です
基本的な吸引の手順 痰があると人工呼吸器からの空気が肺にうまく送られず 苦しくなります 痰の量が多いと窒息することもあるため 吸引を速やかに行わなくてはなりませんが 痰吸引自体はそれほど難しいものではありません 個々の吸引の手順を覚え その通りに行うことができればよいのです カテーテル 食道 気管 カニューレ 痰 < 吸引に使用する物品 > 吸引器 吸引カテーテル ディスポ手袋 消毒綿 精製水 < 吸引の手順 > 手をしっかり洗い ディスポ手袋をはく 1) 容器に入っているカテーテルと消毒綿を取り出して消毒綿でカテーテルを拭き 吸引器の管にカテーテルをつなぐ ( カテーテルが服などに触れないよう気を付ける ) 2) 吸引器のスイッチを入れ 精製水を吸わせる