講演資料

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システムの開発は 国内において 今後の普及拡大を視野に入れた安全性の検証等に係る研究開発が進められている 一方 海外展開については 海外の事業環境等は我が国と異なる場合が多く 相手国のユーザーニーズ 介護 医療事情 法令 規制等に合致したきめ細かい開発や保守 運用までも含めた一体的なサービスの提供が

各種計画等の指標・目標値・KPI09

ステップアップ研究費応募要領

ン創出の実現と大学の成長の双方を実現するために 大学知財マネジメントの戦略的方針を定めること及び大学知財マネジメントの体制 システム強化を積極的に行うことが重要であることが示されています 加えて 同年 日本再興戦略 216 で示された 企業から大学 国立研究開発法人に対する投資額を225 年度までに

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

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新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

資料 3 産総研及び NEDO の 橋渡し 機能強化について 平成 26 年 10 月 10 日経済産業省

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人材育成 に関するご意見 1) 独立行政法人情報通信研究機構富永構成員 1 ページ 2) KDDI 株式会社嶋谷構成員 8 ページ 資料 7-2-1

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公共工事等における新技術活用システムについて 別添 公共工事等に関する優れた技術は 公共工事等の品質の確保に貢献し 良質な社会資本の整備を通じて 豊かな国民生活の実現及びその安全の確保 環境の保全 良好な環境の創出 自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであり 優れた技術を持続的に創出して

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選択評価事項C 水準判定のガイドライン(案)

の連携による明確な出口戦略を持って NCを含む臨床研究中核病院などの 拠点 及びそのネットワークが中心となり 拠点外シーズ 拠点外施設も含め all Japan 体制で効率的に研究開発が進められる環境作り ( 1~3) を目指す 1 このような環境が整うことのメリットとしては 我が国における医薬品等

中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律第 7 条第 1 項に規定する説明書類 奄美信用組合 奄美信用組合は 奄美地区における金融の円滑化への取り組みをこれまで以上に強化するとともに その取り組み姿勢をお客様にご理解していただき 借入の条件変更等に関する ご要望 ご相談に迅速

国立大学経営力戦略(本文)

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平成 31 年度 産学連携知的財産アドバイザー派遣プログラム 派遣先公募要領 平成 30 年 12 月 10 日

ネクストニッチトップ企業育成事業 公募要領 募集期間 令和元年 6 月 14 日 ( 金 )~7 月 26 日 ( 金 )(17 時必着 ) 申請書提出先 問合せ先 金沢市鞍月 1 丁目 1 番地 平成 25 年 5 月 石川県商工労働部産業政策課競争力強化推進グループ TEL:0

特許庁委託事業 令和元年度知財戦略デザイナー派遣事業 募集要領 ( 大学 ) 2019 年 7 月 知財戦略デザイナー派遣事業事務局 ( 株式会社 NTT データ経営研究所 ) 1 / 5

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本格的な産学連携による共同研究の拡大に向けた費用負担等の在り方について(本文)

連絡担当窓口企画提案書 実施事業者の概要 企画提案者の概要 機関名 代表者役職 氏名 所在地 氏名 ( 役職 ) 電話番号 ( 代表 直通 ): Fax: 連絡先 ホームページ : 1 基本財産又は資本金 円 2 職員数 ( うち本事業に携わる職員数 ) 人 ( 人 ) 3 設立年月

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東京大学寄付講座等要項

平成 28 年 4 月版 別紙様式 3 研究に係る利益相反状況申告書 Q&A Q1. 学内研究分担者等の氏名 Q1-1 Q1-2 Q1-3 Q1-4 質問学外の研究分担者名を記載しなくてもよいのですか? 学内研究分担者等 というのは どのような人をいうのですか? モニタリング 監査とはどのようなもの

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政

平成 27 年度調査結果概要 (1) 大学発ベンチャー設立状況等調査平成 27 年度調査において存在が確認された大学発ベンチャー ( 以下 VB ) は 1,773 社と微増 ( 平成 26 年度調査で確認されたのは 1,749 社 ) また 平成 26 年度調査時は黒字化した VB の割合が 43

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( ( 政策評価 経済 財政再生アクション プログラムとの関係 政策評価 アクシ経ョ済ン 財プ政ロ再グ生ラム 政策 施策 改革項目 第 K 一 P 階 I 層 ) 測定指標 第 K 二 P 階 I 層 ) 分野 : 定量的指標 定性的指標 KPI ( 第一階層 ) KPI ( 第二階層 ) 項目 中

国立大学経営力戦略 に盛り込むべき事項イメージ 1. 大学の将来ビジョンに基づく機能強化の推進 各大学の機能強化の方向性に応じた取組をきめ細かく支援するため 国立大学法人運営費交付金の中に 3 つの重点支援の枠組みを新設し 評価に基づくメリハリある配分を実施 これにより 新研究領域の開拓 地域ニーズ

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) JST 中間評価 1 の実施要領 平成 29 年 6 月改定 JST 国際部 SATREPS グループ 1. 地球規模課題国際科学技術協力 (SATREPS) プロジェクトの中間評価について SATREPS は JST による研究支援お

公益財団法人和歌山市文化スポーツ振興財団 ( 財団法人和歌山市都市整備公社から名称変更 ) 経営健全化 ( 自立化推進 ) 計画 ( 平成 22 年度 ~ 平成 25 年度 ) 取組結果報告 取組結果報告における各取組の最終進捗結果の説明区分基準 A ほぼ予定どおり 若しくは予定以上に進んだ B 取

資料7(追加) 「データで見る産学連携の現状と分析」

地域イノベーション・エコシステム形成プログラム公募説明会(説明版)

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第5回 国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会 資料1-1

問 2 戦略的な知的財産管理を適切に行っていくためには, 組織体制と同様に知的財産関連予算の取扱も重要である その負担部署としては知的財産部門と事業部門に分けることができる この予算負担部署について述べた (1)~(3) について,( イ ) 内在する課題 ( 問題点 ) があるかないか,( ロ )

(2) 制度の目標 1 過去の取り組みとその評価本事業は 前述の米国のSBIRをモデルに 再生可能エネルギー分野等の技術シーズを提案公募により新規に実施するものである 2 本事業の目標中小企業等 ( ベンチャー含む ) の保有する潜在的技術シーズを活用した技術開発の推進を支援するとともに 新事業の創

内部統制ガイドラインについて 資料

3 特許保有数 図表 Ⅰ-3 調査対象者の特許保有数 Ⅱ. 分析結果 1. 減免制度 (1) 減免制度の利用状況本調査研究のヒアリング対象の中小企業が利用している法律別の減免制度の利用状況を 図表 Ⅱ-1 に示す 企業数は延べ数でカウントしている 図表 Ⅱ-1 減免制度の利用状況 この結果から 産業

H28秋_24地方税財源

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

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預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

本要望に対応する縮減案 ページ 2 2

目次 アンケート回答者属性 企業向けアンケート 弁理士向けアンケートの回答者属性 P2 1. 標準化 1-1 企業 P3 1-2 弁理士 P7 2. データの取扱い 2-1 企業 P 弁理士 P14 本調査研究の請負先 : 株式会社サンビジネス 1

資料 4 平成 26 年度特許庁実施庁目標 参考資料 2014 年 3 月 28 日

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審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

ことができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している さらに 台湾専利法第 76 条は 特許主務官庁は 無効審判を審理する際 請求によりまたは職権で 期限を指定して次の各号の事項を行うよう特許権者に通知することができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している なお

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2. 利用可能時間帯 問い合わせ先 (1) e-radの利用可能時間帯 ( 月 ~ 金 ) 午前 6:00~ 翌午前 2:00まで ( 土 日曜日 ) 正午 ~ 翌午前 2:00までなお 祝祭日であっても 上記の時間帯は利用可能です ただし 上記利用可能時間帯であっても緊急のメンテナンス等により サ

再生医療の制度的な対応の検討について 薬事法等制度改正についてのとりまとめ平成 24 年 1 月 24 日厚生科学審議会医薬品制度改正部会 1 再生医療製品については 今後も 臓器機能の再生等を通じて 重篤で生命を脅かす疾患等の治療等に ますます重要な役割を果たすことが期待される 特に ips 細胞

(2) 第 3 段階ハローワーク徳島 ( 徳島市出来島本町 1 丁目 5 番地 ) 所管区域は 徳島市 名東郡 名西郡 4 具体的な業務内容 (1) 第 1 段階 駅のハローワーク で 国が直接実施しているサービスを 県の権限で実施する 具体的には 職業相談 職業紹介等の業務を 県の職員が執行できる

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Ⅰ 目的 1 はじめに文部科学省では 第 1 期 橋渡し研究支援推進プログラム (2007~2011 年 ) 並びに第 2 期 橋渡し研究加速ネットワークプログラム (2012~2016 年 ) を実施し 大阪大学 ( 以下 本学 という ) を含む橋渡し拠点やその関連する研究機関が有する新規医療シ

取組みの背景 これまでの流れ 平成 27 年 6 月 日本再興戦略 改訂 2015 の閣議決定 ( 訪日外国人からの 日本の Wi-Fi サービスは使い難い との声を受け ) 戦略市場創造プラン における新たに講ずべき具体的施策として 事業者の垣根を越えた認証手続きの簡素化 が盛り込まれる 平成 2

Ⅰ 目的 1 はじめに文部科学省では 第 1 期 橋渡し研究支援推進プログラム (H19~23 年 ) 並びに第 2 期 橋渡し研究加速ネットワークプログラム (H24~28) を実施し 大阪大学 ( 以下 本学 という ) を含む橋渡し拠点やその関連する研究機関が有する新規医療シーズを育成して実用

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1. 運営費交付金と自己収入の推移 1 国立美術館 ( 新美術館を除く 4 館 ) の自己収入は 独法移行後現在までに 75% の大幅増加 (H13:364 百万円 H21:64 百万円 ) となる一方 運営費交付金 ( 特殊業務経費を除く ) は 3% 減少 (H13:4,379 百万円 H23:

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Ⅰ. はじめに 近年 企業のグローバル化や事業形態の多様化にともない 企業では事業戦略上 知的財産を群として取得し活用することが重要になってきています このような状況において 各企業の事業戦略を支援していくためには 1 事業に関連した広範な出願群を対象とした審査 2 事業展開に合わせたタイミングでの

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4 本事業のねらい中小企業等 ( ベンチャー企業を含む ) の保有する潜在的技術シーズを活用した技術開発の推進を支援するとともに 新事業の創成と拡大等を目指した事業化 ビジネス化を支援することを目的とする そのため 新エネルギーの分野における技術の選択肢を拡大するとともに 中小 ベンチャー企業等の革

資料1 「国の産学官連携政策」

本事業の意義 実効性 ( 見直しの必要性 ) 医療情報データベース基盤整備事業 ( 平成 23 年度 ~ 10 協力医療機関 ) 日本再興戦略 ( 平成 25 年 6 月 14 日 ) 医療 介護情報の電子化の促進 医薬品の副作用データベースシステムについて データ収集の拠点となる病院の拡充や地域連

1. 趣旨この基本方針は 市がネーミングライツの付与に関する事業 ( 以下 ネーミングライツ事業 という ) を実施するにあたり 郡山市広告事業実施要綱 ( 平成 27 年 4 月 1 日制定 )( 以下 実施要綱 という ) 第 19 条 ネーミングライツ スポンサーの募集 に基づき ネーミングラ

加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

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中小企業支援ツール 中小企業支援ツール は 金融機関における中小企業支援の一助となることを目的に 自社製品開発などにより下請脱却に取り組んだものづくり中小企業の知財活用を調査 分析し 経営 事業上の課題を事業ライフステージごとに整理するとともに その課題解決に向け 知財活用の観点から考えられるアクシ

1. 評価指標について 1-1. これまでの経緯大阪府立大学が継続的にイノベーションを生み出すためには 企業と協働し 産学連携活動や産学官の人材流動化を促進することが必要である そのため 大阪府立大学では これまでもさまざまな産学連携活動の取り組みを行ってきた このような産学連携活動をいっそう発展さ

参考資料1_学術研究関連データ集

別紙 2 様式第十八 ( 第 13 条関係 ) 認定事業再編計画の内容の公表 1. 認定をした年月日平成 27 年 7 月 6 日 2. 認定事業者名 WAKUWAKU JAPAN 株式会社 3. 認定事業再編計画の目標 (1) 事業再編に係る事業の目標スカパー JSAT グループ ( 以下 スカパ

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

2008年6月XX日

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施策吊

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

資料4-4 企業と大学の連携にみる知財と契約-機会とリスクのマネジメントの観点から-(渡部委員提出資料)

構成 1 第 1 章 IoT 時代の新たな地域資源 1. IoT 時代の新たな地域資源とその可能性 2. 新たな地域資源の活用に向けた基本的視点 第 2 章地域におけるオープンデータ ビッグデータ利活用の推進 1. 地域におけるオープンデータ利活用の現状と課題 2. 地域におけるビッグデータ利活用の

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10-3 平成29年度 科学技術関係予算(案)の概要3

携帯電話の料金その他の提供条件に関する タスクフォース 取りまとめ 平成 27 年 12 月 16 日

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普通財産の売却及び利活用の基本方針

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未来創造対話 in 大阪 2017 大学知財マネジメントの重要課題 平成 29 年 2 月 7 日 後藤吉正

本日の発表の構成 (1) 大学の技術移転の加速 研究成果の技術移転は 産学連携の主要形態企業との新たな共同研究を呼び込む役割も果たす (2) 大学の知財予算の確保 外国特許出の費用の減少で 出願件数が減少企業への特許実施許諾を減少させる危惧 (3)H29 年度の JST 知財活用支援 (H29 新規 ) ベンチャー創出型知財支援 技術移転人材の育成 (OJT 研修 ) 2

本日の発表の構成 (1) 大学の技術移転の加速 研究成果の技術移転は 産学連携の主要形態企業との新たな共同研究を呼び込む役割も果たす (2) 大学の知財予算の確保 外国特許出の費用の減少で 出願件数が減少企業への特許実施許諾を減少させる危惧 (3)H29 年度の JST 知財活用支援 (H29 新規 ) ベンチャー創出型知財支援 技術移転人材の育成 (OJT 研修 ) 3

知財 技術移転の成長モデル ( 億円 ) 30 25 20 15 10 5 0 知財 技術移転の状況で 大学を 3 類型に区分 1 増収傾向 : 全大学の技術移転の伸長を担う 2 一時的収入 : 一時に多額収入 継続的増収は未達 3 その他大学 : 技術移転の成長性が低い H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 全大学の総合計 増収傾向 (10 大学 ) 一時的増収入 (6 大学 ) その他大学 (122-144 大学 ) 文部科学省 大学等における産学連携等実施状況について ( 各年度 ) を基に作成 4

技術移転上昇傾向 10 大学は 一気通貫の技術移転モデル 発明時点から技術移転を開始 同じ担当者 組織が一気通貫で活動 プレマーケッティングで出願要否判断 明細書強化 共同研究先探索 オプション契約 マイルストン契約で特許登録前から収入を確保 a. 発明段階 : 技術移転先やビジネスモデルを想定した出願戦略 b. フ レマーケッテインク : 候補企業に打診して 出願可否判断 c. 出願の補強 : 企業意図を踏まえ 追加実験等で出願を強化 外国出願の判断 d. オフ ション マイルストーン契約 : 事業化判断前でも 権利化等の各段階で支払いを受ける e. 本契約 : マーケティングを継続 事業化判断を受けて本契約へ 一気通貫で担当 b. 出願前に企業に打診 a. 発明時 教員に売り込先を聞く c. 出願を補正して強い出願に仕上げる (1 年以内 ) d. マイルストン契約 - 優先的に特許を評価 - 各段階で入金 e. 事業化決定で本契約 5

マイルストーン契約で 早期に特許収入を得る 農作物の例 企業の意向を反映して 権利行使できる特許を取得早期の特許収入で 大学の財政負担を軽減 通常の実施許諾契約 マイルストーン契約 マイルストーン契約 収入発生 研究段階 ( 技術実証段階 ) 年額収入 ( 毎年 逓増 ) 基礎的効果実証完了 一時金 試験農場での実証試験完了 一時金 規制官庁への承認申請 一時金 収入発生 実施許諾契約 事業開始 規制官庁の承認取得事業開始 一時金実施料 6

一気通貫の技術移転モデルを普及させる可能性 31 大学で 共同研究費の伸び率が 10%/5 年間 少なくとも 30 大学は 技術移転増加の潜在力がある 増加率 ( % ) 300 120 80 40 増加率 = (H25~27 年度共同研究費 )-(H21~23 年度共同研究費 ) (H21 ~ 23 年度共同研究費 ) : 知財収入が増加傾向にある 10 大学 0 増加率 10% 7

一気通貫の知財 技術移転モデルを広く普及させる 特許出願と技術移転を統合した大学が成長 一気通貫技術移転モデルの手法の 普及 人財育成を促進 冊子 大学技術移転のロールモデル を編纂 公開 JST 職員が大学知財部門の担当者に説明 大学技術移転のロールモデル WEB 公開中 http://www.jst.go.jp/chizai/news/ doc/role_model_20161102.pdf 8

本日の発表の構成 (1) 大学の技術移転の加速 研究成果の技術移転は 産学連携の主要形態企業との新たな共同研究を呼び込む役割も果たす (2) 大学の知財予算の確保 外国特許出願の費用の減少で 出願件数が減少企業への特許実施許諾を減少させる危惧 (3)H29 年度の JST 知財活用支援 (H29 新規 ) ベンチャー創出型知財支援 技術移転人材の育成 (OJT 研修 ) 9

研究成果の社会還元 = 技術移転には 外国特許が不可欠 第 5 期科学技術基本計画 大学の特許権実施許諾件数の5 割増加を目指す 外国特許取得は研究成果の社会還元に必要 多くの企業は 事業をグローバル展開している 日本特許のみの技術は 企業では使われない 外国出願費用は高額 事例 : 日本, 米国, 欧州 ( 英, 独, 仏 ), 中国に出願 存続期間満了までの費用 出願国費用 ( 千円 ) 日本 2,400 PCT 出願 750 米国 3,450 欧州 (EPO) イギリスドイツフランス 2,500 800 1,000 800 中国 2,300 合計 14,000 日本 :240 万円外国 5ヵ国 :1160 万円 米国, 欧州 ( 英, 独, 仏 ), 中国 上記は一事例であり 案件によるばらつきが大きい 10

JST 外国特許出願支援の仕組み 大学 1 支援申請 3 出願費用を支援 4 外国特許取得 2 審査 決定 大学知財マネジメントの進化促進 外国特許出願の費用支援 ( 出願人は JST でなく大学 ) 権利強化のための助言 知的財産審査委員会 11

外国特許出願に連動して 特許実施許諾件数が増加 大学の外国出願と特許実施許諾は直近まで件数が増加 ( 注 : 実施許諾される特許の大部分は 大学単独特許 ) JST は 大学の単独外国出願の殆どを支援してきた ( 外国出願数 ) 国内大学の外国出願数と特許実施許諾数 3500 3000 2500 外国出願数実施許諾数 14000 12000 10000 2000 8000 1500 6000 1000 4000 ( 実施許諾数 ) 国内大学の外国出願件数 H15~26 年度の累計約 25,000 カ国うち約 9,000 ヵ国が単独出願 出願の 35% が単独出願と仮定 JST 外国特許出願支援数 H15~26 年度の累計約 9,000 ヵ国 500 2000 0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 外国出願件数 ( ヵ国 ) 実施許諾件数 ( 件 ) 0 文部科学省 大学等における産学連携等実施状況について ( 各年度 ) を基に作成 12

平均単独外国特許出願数(ヵ国)H23 H24 H25 H26 H27 JST 外国出願支援の減少により 大学の外国出願は減少 大学単独の外国出願数は減少 支援件数の減少を 大学の自己負担増分でカバーできず 25 20 15 10 5 0 JST 支援数 減少 1,200 1,000 800 600 400 200 図 1 単独外国出願数と JST 支援数の推移 0 国出願大学の負担増加外費用( 千JST外国特許出願支援数(ヵ国)単独外国出願数 円) 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 JST 支援件数減少に伴い H23 H24 H25 H26 H27 図 2 大学自前の外国出願費用 JST 外国特許出願支援利用 TOP20 大学への調査結果 (2016 年 10 月 /JST 調べ ) 企業との共同出願は企業の費用負担が殆どで 問題は少ない共同研究開始前の基本特許を大学単独で出願できることが必要 13

研究者数 ( 人 ) 大学知財予算は あるべき姿と比べて格段に少額 大学 A 1000 人 ( 理工系教員 ) 研究機構 B 701 人 ( 任期制含む常勤研究職 ) 国内特許出願件数 200 件 121 件 知財人件費 ( 企業連携担当部署含む ) 1.4 倍 99 百万円 169 百万円 2/3 1/5 知財関連経費 (JST 支援除く ) 55 百万円 280 百万円 知財費用合計 154 百万円 1/3 449 百万円 知財費用合計 / 研究者数 154,000 円 1/4 641,000 円 JST 外国出願支援が減少した場合の大学の対応 (10 大学調査 *) 問 : JSTの外国出願支援予算が減った場合の 大学はどのように措置するか? 1 大学独自予算による外国出願 権利取得を見送る 2 大学予算には限りがあるため 出願 権利取得する件数を大幅に絞り込む 3 大学予算で権利維持している未利用特許の棚卸しを進めて 新規案件に充てる 4 大学の予算で出願 権利取得を行い 権利取得する件数はほぼ維持する * 調査対象大学 : 北海道大 東京大 三重大 奈良先端科学技術大 京都大 同志社大 大阪大 岡山大 山口大 九州大調査時期 :2015 年 12 月 1 大学 7 大学 3 大学 2 大学 14

大学の知財予算の現状 (1) 大学知財活動経費 *1 36 億円 *2 *1 大学技術移転協議会アンケート回答の 80 大学の JST 外国出願支援を含む金額 *2 大学技術移転 ( サーベイ 2015/ 大学技術移転協議会 ) から JST が算出 (2) 知財人件費 83 億円 (=1434 人 620 万円 ) 産連人件費単価 :620 万円 / 人 *3 3 大学 A の人件費 (99 百万円 ) と産連人員数 (16 人 ) から平均単価を算出 産学連携 技術移転部門の人員は計 1434 人 *4( ライセンス 知財管理 共同研究 リエゾン 事務担当者 ) 4 大学技術移転サーベイ 2015 版 / 大学技術移転協議会に基づき JST にて算出 ( アンケートに回答した大学産連部門と 大学産連部門 TLO 一体型の計 83 機関のデータ ) (1)+(2) 知財活動経費 36 億円 + 人件費 83 億円 =119 億円 15

大学の知財予算確保の方策の検討 競争的資金の間接経費からの配分率の拡大が 現実的か? JST 支援予算の維持を目指すも 抜本改革が不可避 運営費交付金 財源の候補案 H16 27 で 11.8% 減少 大学知財経費 ( 人件費含む ) 119 億円 特許収入 競争的資金 ( 間接経費 ) 上位 2 大学しか賄えない JST と AMED で約 2000 億円 間接経費 : 約 460 億円 (2000 億円 30/130) 戦略的産学連携経費 ( 仮称 )*3 *3 今後の産学連携活動の発展に向けた将来への投資等 16

大学の知財予算確保のための検討 産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン 別紙 今後 大学における知的財産経費の実態調査 必要な知的財産経費の算定等に基づいて 適切な知的財産予算確保の在り方について産学官で検討を行うことが必要となる 17

本日の発表の構成 (1) 大学の技術移転の加速 研究成果の技術移転は 産学連携の主要形態企業との新たな共同研究を呼び込む役割も果たす (2) 大学の知財予算の確保 外国特許出の費用の減少で 出願件数が減少企業への特許実施許諾を減少させる危惧 (3)H29 年度の JST 知財活用支援 (H29 新規 ) ベンチャー創出型知財支援 技術移転人材の育成 (OJT 研修 ) 18

H29 年度の知財活用支援事業の概要 事業概要 イノベーション創出に向けた最適な形での知財マネジメントをJSTが総合的に支援 大学等の知的財産 技術移転のマネジメント力の強化を促す支援に転換 知財権利化活動を行うための外国特許出願の権利化費用を支援( 権利化支援 ) 大学等の知財マネジメント活動に関わる人材のサポート( 人的サポート ) 重要技術の知財を多数の企業等が効果的に活用しやすくするための環境整備( パッケージ化 ) 大学等が保有する知財の企業等へのライセンス活動 及び大学等の優れた技術シーズと企業等のニーズのマッチングを行う産学マッチングの機会提供 ( プロモーション ) 等を一体的に進める 総合的な知財活用支援 事業化 知財戦略発明発掘出願 権利化事業化促進 人的サポート 権利化支援パッケージ化プロモーション 大学知財マネジメント強化支援 知財マネジメントサポートを必要とする大学に知財戦略策定等の助言を実施 NEW 技術移転人材の育成 権利化の支援 ( 新規 / 継続 ) 大学等の特許出願を 大学等保有のまま外国特許の取得を支援 NEW ベンチャー創出型知財支援 知財譲受 概念実証等 知財価値を高めるために 複数機関に散在する知財の譲受 有効性等追加検証が必要な知財の概念実証等を行い 知財のパッケージ化も推進 研究成果展開推進等 大学等の研究成果の実用化を促進するため 大学見本市や新技術説明会を開催し 優れた技術シーズと産業界のニーズとのマッチングを図りつつ 本格的な産学官連携に向けた取組を行う 19

H29 年度知財活用支援事業の方向性 知財活用支援事業予算は年々減少傾向 支援の縮小は不可避 H26 年度 H27 年度 H28 年度 H29 年度 予算額 ( 百万円 ) 2,996 2,538 2,335 2,182 権利化支援の見直し方針 新規採択の支援費用見直し権利化費用の一定割合を支援へ細かな対象外費目を整理し 大学の請求手続きの事務負担を軽減上記一定割合は 8 割 を検討中新規採択件数は H28 年度と同等規模を予定 継続支援の見直し技術移転活動の停滞案件の支援打切りを強化 大学に期待される取組 知財マネジメント機能の強化 外国特許経費の自己財源確保 20

ベンチャー創出型知財支援 ( 外国出願支援 ) NEW 大学発ベンチャーへの技術移転を目指す研究成果の外国特許出願を支援 1 大学からの申請 説明 大学は ベンチャー設立計画 技術移転計画 大学による支援計画等を提出し 審査会で説明 2 評価の観点 ビジネスモデル 事業化の実現可能性 特許による事業保護の確実性等を重点的に評価 3 大学からの進捗報告ベンチャー設立 大学は ベンチャー設立や事業化進捗状況を JST に報告 大学より特許ライセンス ベンチャーによる研究成果の実用化 事業化 21

技術移転人材の育成 (OJT 研修 ) NEW 大学は 学内の技術移転人材を TLO に派遣 大学人材は TLO に常駐し 実務を通じて先進的 TLO の知財マネジメント手法を修得 大学の中核的な技術移転人材の育成と大学間の人的交流ネットワークを形成 JST 受入機関 (TLO) を選定 TLO へ諸経費を支援 TLO 育成 受入機関 大学全体の技術移転 イノベーション創出支援の基盤を強化 TLO: 研修対象者 ( 大学人材 ) を公募 選定 知財マネジメントに関する OJT 研修を実施 大学 : 技術移転人材を指名して研修に応募 研修後は中核的な技術移転人材として活用 OJT 形式人材育成 大学 中核人材 派遣機関 人材ストックの強化と人材交流を通じた大学間ネットワーク形成 大学人材に求められる機能 マーケティング能力 コミュニケーション能力 セールス能力 中長期的に学内で技術移転活動を担えること 22