新人セミナー第 2 回 Linux セットアップ 目次 1. OS のインストール 2. root 権限と一般権限 3. ターミナルの開き方 4. 基本的なコマンド 5. 新しいソフトウェアのインストール方法 担当 : 松原正季 ( M 2)
1. OS のインストール 今回インストールするのは, Ubuntu という Linux ディストリビューションの中の一つ. OS, ディストリビューションの種類 ディストリビューションとは, 一般利用者が導入 利用するために多くのコンポーネントをまとめた頒布形態. 無料のものと有料のものがあり, 世界に 100 種類以上ある. 系統が大きく 2 つに分かれている. ざっくり言うとパッケージ管理に deb 形式か RPM 形式を使用するかの違い. RPM 形式 --> RedHat,Fedora,SUSE,Vine など deb 形式 --> Debian,Ubuntu,KNOPPIX など
Linux の系統図
デュアルブート 先にインストールした Windows とは別に, Ubuntu を新たにインストールし, デュアルブート構成とする. デュアルブートについて 同一 HDD をいくつかの領域 ( パーティション ) に分け, 複数 OS をインストールする. PC の電源を入れたとき, ブートローダが起動し, どの OS を起動するか選択できる. 日経 Linux2010 年 4 月号より転載
デュアルブートの前に Windows 側での操作 デュアルブート構成時にパーティション操作を誤ると MBR のブートローダの書き換えなどが起こり, OS 起動やリカバリ領域へのアクセスができなくなることがある. このような起動トラブルに備え, リカバリディスクの存在を確認しておく. メーカーによっては, リカバリ用ディスクが購入時すでにあるか, 同一 HDD 内にリカバリ用データを確保していることが多い. 後者の場合, リカバリディスクを CD-R など外部記憶メディアに作成すること. インストール時の注意 ユーザ名は, 以前決めたアカウントを使用する.( 例 ) matsubara コンピュータ名は, あらかじめ割り振られた固有名称を使用.( 例 ) LT-02
配布資料を参考 インストール
Linux のディレクトリ 1 / - 最も基本のルートディレクトリ 全てのファイル ディレクトリがこの中に含まれます /bin - 実行ファイルが入っているディレクトリ 例えば cat cp ls more tar など /boot - Linux のカーネルやブートマネージャーなどが含まれる /dev - Linux で使用するデバイスのファイルが入っているディレクトリ /etc - ほとんどのシステム設定ファイルが入っているディレクトリ また サブディレクトリの /etc/rc.d には初期化スクリプトが入っている /home - このディレクトリのサブディレクトリに各ユーザのディレクトリが作られる /lib - システムを起動するのに必要なドライバモジュールやライブラリファイル用のディレクトリ /lost+found - 全てのディスクパーティションにあるロストファイル用のディレクトリ /media - CD-ROM やフロッピーディスクなどの外付けメディア用のディレクトリ /mnt - 一時的なファイルシステム用のディレクトリ /opt - オプションのソフトパッケージのコピー インストールファイルが格納されているディレクトリ /proc - バーチャルファイルシステム用の特別なディレクトリ /root - root ユーザ用のホームディレクトリ /sbin - 管理用バイナリファイル用のディレクトリ 例えば mount shutdown umount reside など /srv - HTTP FTP などのサービス用のデータが入っているディレクトリ /sys - デバイスの情報が入っているディレクトリ /tmp - スクラッチディレクトリとして使われる一時ファイルを格納するディレクトリ /usr - X Window System などの多くのブログラムがサブディレクトリに格納されている /var - ログ メール プリントスプールなどのいろいろなシステムファイルが格納されている
Linux のディレクトリ 2 /usr/bin - Linux オペレーティングシステムのコア以外の多くの実行ファイルが入っている /usr/include - C や C++ などのヘッダーファイルが入っているディレクトリ /usr/lib - C や C++ などのライブラリファイルが入っているディレクトリ /usr/local - /usr ディレクトリと似ていてローカルファイルが入っている /usr/sbin - 管理用コマンドが格納されているディレクトリ /usr/share - デフォルト設定ファイル イメージ ドキュメントなどの共有ファイルの格納ディレクトリ /usr/src - Linux カーネルのソースコードが入っているディレクトリ /var/cache - アプリケーションのキャッシュデータ格納ディレクトリ /var/lib - アプリケーションのステータスに関する情報を格納している /var/lock - 二重起動などをチェックするロックファイルが格納されているディレクトリ /var/log - ログファイル格納ディレクトリ /var/mail - ユーザの電子メール格納ディレクトリ /var/opt - /opt dh ディレクトリにあるパッケージのデータが入っているディレクトリ /var/run - 起動してからのシステムデータ格納ディレクトリ /var/spool - プロセス待機中のデータが入っているディレクトリ /var/tmp - システムリブート用の一時ファイルが入っているディレクトリ http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080104_linux_directory_structure/ より転載
2.root 権限と一般権限 2-1 ユーザーの種類 Linux はマルチユーザー環境を前提に設計されている ユーザーの種類は基本的に 2 つ 1. スーパーユーザー : システム内部のファイルやコマンドを操作できる管理者 root ユーザー ソフトのインストールなどのシステム全体に関わる操作を行えるなど システムのすべての権限を持つ ( root 権限 ) 2. 一般ユーザー : 普段ログインするユーザー 自身のホームディレクトリは 自由に操作できる ( 一般権限 )
2-2 root 権限を持つには 方法 1. root ユーザに移行する 1. 端末で su と打つ 2.root のパスワードを入力 root に移行したままでは危険なので 操作がすべて終わったら exit でログアウトし 一般ユーザに戻ること Ubuntu のデフォルトでは root の pass が設定されていないため su は使えない 方法 2. root 権限をコマンドごとに一時的に与える 端末で sudo コマンド と打つ 自分の一般ユーザアカウントのパスワードを入力 毎回コマンドの先頭に sudo をつける必要があるが rootpass を覚えなくてよく root ログアウト忘れ等を防げる sudo su と打つと方法 1 と同様の操作を行える
3. ターミナルの開き方 ターミナル : キーボードによる入力と文字による出力を行う CUI Ubuntu では端末と呼ぶ コマンドで ~ と言ったらこれを開く ターミナル : キーボードによる入力と文字による出力を行 開き方 メインメニューから システム - アプリケーション - アクセサリ - 端末をクリックすると起動する 画面の見方 < ログイン名 >@< コンピュータ名 >:< 現在のディレクトリ >$
4. 基本的なコマンド man < コマンド名 > 指定したコマンドのマニュアルを表示 < コマンド名 > --help 指定コマンドのヘルプ ls 現在いるディレクトリ ( カレントディレクトリ ) 内にあるファイルリストを表示 ls -l カレントディレクトリ内にあるファイルリストと詳細情報を表示 ls -a カレントディレクトリ内にあるファイル ( 隠しファイル含む ) リストを表示 pwd カレントディレクトリの位置を表示 cd < ディレクトリ名 > 指定したディレクトリに移動 mkdir < ディレクトリ名 > 新しいディレクトリを作成 cp < コピー元 > < コピー先 > ファイルをコピー mv < 移動元 > < 移動先 > ファイルを移動 rm < ファイル名 > jed < ファイル名 > gcc < ファイル名 > ファイルを削除 テキストエディタ ( 個人 PC では各自でインストールする ) C 言語のコンパイル ( 個人 PC では各自でインストールする ) tar zxvf < 解凍ファイル名 > 解凍
絶対パスと相対パス 絶対パス : ファイルやディレクトリの絶対的な位置 ( 例 ) /usr/local のように / ( ルート ) を基準に記述する 相対パス : 現在の位置からみた相対的な位置 ( 例 ) 現在 /usr/local にいるとすると /media/cdrom のパス指定は,../../media/cdrom のように記述する../ は一つ上階層という意味.
(1) カレントディレクトリを表示する. 練習 (2) 自身のホームディレクトリに任意のフォルダを新たに 2 つ作って, フォルダの中にテキストファイルを作る. ( テキストエディタは gedit < ファイル名 > で呼び出せる. ) ( 例 )/home/< ユーザー名 >/chofu/tdu.txt /home/< ユーザー名 >/fuchu/uec.txt (3) 上の例での UEC.txt を chofu フォルダに移動する. (4) 上の例での fuchu を takao にリネーム変更する. (5) 上の例での TDU.txt を削除する.
5. ソフトウェアのインストール パッケージからのインストール 1. dpkg を使う方法 パッケージという形式で実行ファイルやライブラリをまとめたファイルからインストールする 拡張子 deb が Ubuntu 用パッケージ コマンドでは sudo dpkg -i パッケージ名 でインストールできる 2. apt-get を使う方法 ネットワーク経由でパッケージを配布するサイト ( レポジトリ ) から入手 ~ インストールできる コマンドでは sudo apt-get update, sudo apt-get install パッケージ名 試しに次の行を実行する sudo apt-get install emacs emacs がインストールされた GUI では メインメニュー - システム -Synaptic パッケージマネージャや メインメニュー - ソフトウェアセンターで可能
( 続き ) 3. ソースコードからのインストール 端末を起動し ソースコードのあるディレクトリに移動して./configure, sudo make, sudo make install と打つ ( 大概 同ディレクトリに README があるので 詳しくはそちらを参照する ) コマンドの意味./configure : 環境に応じた makefile を自動生成するツール make:makefile を参照し ソースファイルをコンパイル make install:make で生成されたバイナリファイルを所定のディレクトリにコピーする
C 言語開発環境の設定 gcc をインストール 課題 端末で gcc と打ち インストールされているか確認する gcc -v でバージョン確認が可能