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Transcription:

資料 2 法制問題小委員会御中 意 見 平成 23 年 9 月 21 日 松田政行 日本書籍検索制度及び電子書籍流通センター 序 ( 必要性と構築の視点 ) 情報通信技術の進展は コンテンツ流通の飛躍的発展をもたらそうとしている 電子書籍の流通も昨年から世界的潮流として顕著である この状況下において 日本の電子書籍流通を促進させる施策は 文化 産業の両面において急務というべきである そもそも日本は 書籍出版大国であって情報通信技術もまた最先進国である 日本の書籍のデジタルアーカイブ化と国民がこれにアクセスするシステムを日本が他国に先んじて構築すべきである 情報 特に書籍は 文芸 学術の知的源泉であり産業 技術の源資であるとともに 国家のアイデンティティを形成している 国は これを国民共有の財産 精神的基盤として守るべき責務がある 日本書籍検索制度と電子書籍流通を有機的制度として捉えて構築し その後に日本政府がグローバル情報交換網を提唱すべきである 幸い著作権法の改正によって国立国会図書館は 日本書籍検索制度の基盤たるデジタルアーカイブを構築する権能を有することになり これに着手している 国立国会図書館を中心とする日本書籍検索制度とこれによる公共サービス及び民間による電子書籍流通の商用サービスを連繋させることによって 日本のすべての国民が日本のすべての書籍にアクセスできる環境を創ることができる 電子書籍流通によって書籍コンテンツを供給するか否か この価格その他の取引条件の決定権は権利を有する著作者 出版社にあり 国民にこのコンテンツの取得が有償で行われることによって日本の出版文化が維持 発展しうることの理解を求める この環境は 日本の知的国力となるものである 日本書籍検索制度と電子書籍流通に関する調査 研究と基本的検討が行われた これらはいずれも日本における最終的なモデルを提供するものではないが 1

社会制度として次の点が重要な要素であることが示されている 1 1 書籍に関する著作権の権利処理の円滑化のため 権利の集中管理が必要であること 2 デジタル ネットワーク社会における出版社の機能を維持し発展させるために 出版社に著作隣接権的な版面保護する権利を付与することにより流通の主体たりうることを確実にすること 3 国立国会図書館を始めとする公共図書館のデジタル ネットワーク社会における公共サービスの在り方について 社会的コンセンサスを確立しつつ著作者 出版社との合意を形成して 公共サービスとこれら出版関係者の利益のバランスをはかること 意見 1( 日本が取るべき施策 ) 1 国は 平成 21 年度 22 年度から国立国会図書館 ( 以下 国会図書館 という ) の所蔵する書籍の電磁的記録化を行っているところ これをさらに数年継続して日本書籍デジタルアーカイブ ( 以下 アーカイブ という ) を完成する このアーカイブ構築にあたって 国会図書館は 近年の書籍はできるだけ画像データとともにテキストデータとして記録化することとし 画像データのみとして記録化したものについては疑似全文検索 2 システムを構築して対処することを検討する 2 書籍をテキストデータとして記録するために 関係団体の協議によって電子納本を促進する施策の導入を検討する この電子納本に係わる費用 特にフォーマット統一にかかるファイル変換システム構築の費用及び出版社が保有しないデータを取得する費用に関する費用については 国会図書館がこれを負担する 3 国会図書館は アーカイブによって 利用者の求めに応じ同館内におい て検索 閲覧 コピーサービス 3 を行う館内 LAN システム及びこれを可能 1 総務省 デジタル ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02ryutsu02_02000034.html 経済産業省平成 21 年度コンテンツ取引環境整備事業 ( デジタルコンテンツ取引に関するビジネスモデル構築事業 ) 報告書 2 映像データの文字を映像として捉えて全文を検索するシステムによる検索 3 著作権法 31 条 1 項 1 号による一部コピーのサービス 2

にするための本 分館間送信システムを構築する 4 4 アーカイブのデータを公共図書館内の利用者に自動公衆送信によって提供することによって 公共図書館の公共サービスの電子化を行う 公共図書館のアーカイブの利用にあたっては デジタルネットワーク環境における公共図書館の公共サービスのあり方を検討したうえで 著作者 出版社の利益を害すことがないように適正な対価の支払いを行う施策を講ずる 5 国会図書館は インターネット経由でアーカイブによる全文検索システムを国民に提供し国民が国会図書館所蔵の書籍を検索し同館にいかなる書籍があるかを知ることができるようにする検索システムを構築する 国会図書館によるこの検索システムによるサービスは 閲覧 コピーサービスその他コンテンツを提供するサービスを含まないものとする 6 3 ないし 5 のシステムの構築にあたって 障害のある人々が書籍にアク セスできる状況を確保することを検討する 7 5 による検索の結果を民間が行う商用サービスである電子書籍流通シス テムに送信することによって 国民の要求する書籍データを受信して閲覧 複製できる電子書籍流通システムを構築する 8 国会図書館は 日本書籍デジタルアーカイブの書籍データを民間が行う 商用サービスに提供できるものとする 9 商用サービスとしての電子書籍流通が行われない国会図書館の書籍について 同館は 10 の権利管理事業者その他の機関を介して有料公共サービスとしての電子書籍流通を行う 5 この公共サービスとしての電子書籍流通は 民間の商用サービスの電子書籍流通を補完して すべての国民がすべての国会図書館内の書籍にアクセスできる環境を調えることを目的とする この公共サービスを規律するために 関係者団体が協議を行うべきであ 4 著作権法 31 条 2 項によって これらのシステムの構築が許容される 5 想定されるところは 1 パブリックドメイン書籍の送信 2 絶版書籍の送信等 2 は 著作権者 出版社の許諾を要することになる 許諾を取る方法については オプトイン方式等の契約によること等が考えられる この電子書籍流通は 有償とする 3

る 10 公共サービスとして行われる電子書籍流通の権利処理は著作者 出版社 の団体を主たる構成員とする非営利法人の権利管理事業者 ( 仮称 ) による ことを検討すべきである 6 意見 2( デジタル ネットワーク社会における図書館と公共サービスの在り 方に関する事項 に係るまとめについて ) 国立国会図書館が担うべき役割について 送信サービスの具体的在り方について にあるように各家庭等までの送信を窮極の目的とすること 民間事業者等への提供を含め検討していることは 評価できる これは意見 1の5と7に付合するものと考える これに賛成する 公立図書館等の役割について まとめがこの部分の利用を具体化するための著作権法上の対処を取るべきことを示しているようであるが いかなる施策が求められ これにいかなる問題が生じるかについて踏み込んだ記述になっていない 1 公立図書館に限定せず 公共図書館 ( 大学図書館のような教育 研究機関の図書館を含む ) のアーカイブ利用を検討すべきではないか 2 公共図書館における利用の範囲は 検索にとどまらず閲覧と一部コピー ( 著作権法 31 条 1 項 1 号による複製に相当する利用 ) に及ぶべきか 3 これらの公共図書館における利用が著作者 出版社の利益を害することのないようにする具体的施策はどうであるべきか を論ずるべきであると考える 私の意見は 意見 1に示すとおり 1について 公立図書館に限定するべきでないと考える 2について 国立国会図書館並みの利用を国民に提供すべきであると考える 3について 具体的施策は 公共図書館が現に所蔵する図書の範囲でアーカイブの利用を許すものとするか 又はこれがあるものと同等の利用の対価を著作者 出版社に提供する方法が考えられる 6 一任型権利処理によらざるを得ないと考えられることから 著作権等管理事業法の著作権等管理事業者によることが想定される しかし 事業者は 著作権以外の権利 法的利益 ( 出版社の版面的保護 国会図書館のアーカイブのデータの利用 ) を管理する等重要な問題があることになるから 同法の適用等について充分な検討を要する 4

まとめは これから具体的施策を検討するうえで端緒を開くという意味と理 解しこれに賛成する 5

国立国会図書館を中心とする日本書籍検索制度及び電子書籍流通 書籍検索と電子書籍流通の有機的結合 知的国力 提言 施 策 アデージカタイルブ 日本書籍検索制度 電子流書通籍制度 1 国会図書館の書籍デジタルアーカイブの構築 2 電子納本制度 3 国会図書館アーカイフ 検索閲覧 4 公共図書館 - 検索閲覧 一部コピー 一部コピー 5 国民一般 - 検索 - - - 6 障害のある人々の書籍アクセスの確保 館間送信 7 出版社等による多様な民間商用サービス ( 検索結果からの連繋 ) 8 アーカイブの商用サービスへの提供 9 国会図書館による商用サービスを補完する公共サービス - 事管権理利 業 10 権利管理事業者 参考図 著 作 者 出 版 社 2 納本 デジ タ電子納本ル 1 国立国会図書館 館内利用 4 検索 閲覧 コピーサービス 館間送信 権 利管理事業者 コンテンプツロサバーイビスダ 利用 5 者電子書籍流通 ( 公衆 ) へリンク 1 公共図書館の館内利用者が国会図書館のサーバにアクセスをして検索をし ここから送信することが考えられ 自動公衆送信権等の処理 ( 許諾 ) が求められる 3 公共図書館館内利用 検索 閲覧 サコーピビース 8 データ 電子書籍流通公共サービス パブリックドメイン書籍 の送信 絶版書籍の送信 非採算書籍の送信 2 電子出版物流通センターが電子書籍流通を提供する形になっているところ 同センターの利用者に対する自動公衆送信権 翻案権 複製権の処理 ( 許諾 ) が求められる 3 国会図書館が構築するアーカイブは国有財産と考えられ データとして上記公共図書館に提供する公法上の法的地位 ( 措置 ) が求められる 4 データを電子出版物流通センターに提供する公法上の措置が求められる